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特開2022-66177加圧ガスタンクを充填するための装置及び方法
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  • 特開-加圧ガスタンクを充填するための装置及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066177
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】加圧ガスタンクを充填するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   F17C 5/06 20060101AFI20220421BHJP
【FI】
F17C5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021169288
(22)【出願日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】2010622
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】エティエンヌ・ウェレン
(72)【発明者】
【氏名】クレマンス・ドビリエ
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BB03
3E172BB13
3E172BB17
3E172BD03
3E172EA02
3E172EA12
3E172EA22
3E172EA35
3E172EA44
3E172EA51
3E172EB14
3E172JA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】加圧ガスタンクを充填するための装置及び方法を提供する。
【解決手段】ガス供給源(2)と、ガス供給源に接続されている上流端部(122)及び下流分配端部(4)を備える移送回路(3)と、それぞれの接続弁(16~18、26~28)のセットを介して上流端部と下流端部との間で移送回路に並列接続されているバッファ貯蔵タンク(6~8)のセットを備え、圧縮器は、上流弁(10)を介して移送回路の上流端部に接続されている吸入入口を有し、排出弁(46~48)のセットを介してバッファ貯蔵タンクに接続されている排出出口を備え、移送回路が、1つの上流端部を、バッファ貯蔵タンクに接続するバランスライン(11~13)が、流れ制限部材(21~23)を備え、圧力バランシングによってガス供給源からバッファ貯蔵タンクへの流体の流れの移送を可能にすることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧ガスタンク、特に自動車両の水素ガスタンクを充填するための装置(1)であって、前記装置(1)は、少なくとも1つのガス供給源(2)と、前記ガス供給源(2)に接続されている少なくとも1つの上流端部(122)及び充填されるべきタンク(5)に取り外し可能に接続されるのに適した少なくとも1つの下流分配端部(4)を備える移送回路(3)とを備え、前記装置(1)は、それぞれの接続弁(16~18、26~28)のセットを介して前記上流端部と下流端部との間で前記移送回路(3)に並列接続されているバッファ貯蔵タンク(6~8)のセットを備え、前記移送回路(3)は、少なくとも1つの圧縮器(9)を更に備え、前記圧縮器(9)は、少なくとも1つの上流弁(10)を介して前記移送回路(3)の前記上流端部に接続されている吸入入口を有し、前記圧縮器(9)は、排出弁(46~48)のセットを介して前記バッファ貯蔵タンク(6~8)に接続されている排出出口を備える、装置(1)において、
前記装置(1)は、前記移送回路(3)が、前記移送回路(3)の前記少なくとも1つの上流端部(122)を、前記バッファ貯蔵タンク(6,7,8)に接続するバランスライン(11,12,13)を備え、前記バランスライン(11,12,13)が、流れ制限部材(21,22,23)を備え、圧力バランシングによって前記ガス供給源(2)から前記バッファ貯蔵タンク(6,7,8)への流体の流れの移送を可能にするように構成されていることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記圧縮器の吸入入口が、吸入弁(36~38)のセットを介して前記バッファ貯蔵タンク(6~8)にも接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記バランスライン(11,12,13)が、前記吸入弁(36~38)のセットを介して前記圧縮器(9)の前記吸入入口を前記バッファ貯蔵タンク(6~8)に接続する前記移送回路(3)の少なくとも一部の別個の部分を備えることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記バランスライン(11,12,13)が各々、流れ制限部材(21,22,23)と直列に遮断弁(31,32,33)及び/又は逆止弁(14)を備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記ガス供給源(2)が、1つ又は複数の加圧ガス貯蔵タンク、特に移動式貯蔵タンク、加圧ガスネットワーク、加熱器及び/又はポンプに関連する液化ガス貯蔵タンク、並びに電解槽のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
それぞれのバランスライン(11,12,13)及びそれぞれの流れ制限部材(21,22,23)を介して前記少なくとも1つの上流端部(122)に並列接続されている複数のバッファ貯蔵タンク(6~8)を備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記バッファ貯蔵タンク(6~8)が、それぞれの下流ライン及びそれぞれの接続弁(16~18、26~28)を介して前記少なくとも1つの下流分配端部(4)に並列接続されていることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記圧縮器(9)の前記吸入入口が、吸入弁(36~38)を各々備える別個の吸入ラインを介して前記バッファ貯蔵タンク(6~8)の各々に接続されていることを特徴とする、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記移送回路(3)が、複数の別個の下流分配端部(4)を備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記移送回路(3)が、前記ガス供給源(2)に並列接続されている複数の上流端部(122)と、前記移送回路(3)に供給する1つ又は複数の前記ガス供給源(2)を選択するように構成された被制御弁のセットとを備えることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の装置を使用して、加圧ガスタンク(5)、特に自動車両の水素ガスタンクを充填するための方法であって、バランスライン(11,12,13)及び流量制限部材(21,22,23)を介して及び/又は前記圧縮器(9)を介して、圧力バランシングによって前記ガス供給源(2)から充填されるべきバッファ貯蔵タンク(6,7,8)に加圧ガスを移送するステップを含む、方法。
【請求項12】
前記ガス供給源(2)の圧力と充填されるべき前記バッファ貯蔵タンク(6,7,8)の圧力とを比較するステップを含み、前記ガス供給源(2)の圧力が充填されるべき前記バッファ貯蔵タンク(6,7,8)の圧力よりも所定の値だけ高い場合、前記加圧ガスは、バランスライン(11,12,13)及び流量制限部材(21,22,23)を介して圧力バランシングによって前記ガス供給源(2)から充填されるべき前記バッファ貯蔵タンク(6,7,8)に移送され、所定の圧力許容差、好ましくは10MPa未満で、前記ガス供給源(2)の圧力が充填されるべき前記バッファ貯蔵タンクの圧力よりも低い場合、前記加圧ガスは、前記圧縮器(9)を介して前記ガス供給源(2)から前記バッファ貯蔵タンク(6,7,8)に移送されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧ガスタンクを充填するための装置及び方法に関する。
【0002】
本発明はより具体的には、加圧ガスタンク、特に自動車両の水素ガスタンクを充填するための装置に関し、装置は、少なくとも1つのガス供給源と、供給源に接続されている少なくとも1つの上流端部及び充填されるべきタンクに取り外し可能に接続されるのに適した少なくとも1つの下流分配端部を備える移送回路とを備え、装置は、それぞれの接続弁(複数可)のセットを介して上流端部と下流端部との間で移送回路に並列接続されているバッファ貯蔵タンク(複数可)のセットを備え、移送回路は、少なくとも1つの圧縮器を更に備え、圧縮器は、少なくとも1つの上流弁を介して移送回路の上流端部に接続されている吸入入口を有し、圧縮器は、排出弁(複数可)のセットを介してバッファ貯蔵タンク(複数可)に接続されている排出出口を備える。
【背景技術】
【0003】
そのような充填ステーションには、典型的には、(一般に移送可能であり、典型的には、大型の高圧貯蔵タンクを輸送するセミトレーラである)供給源によって、及び/又は、1つ又は複数の圧縮器を使用して充填される常設バッファタンクのセットが設けられている。
【0004】
供給源がバッファ貯蔵タンクのうちの1つよりも高い圧力である場合に圧縮器を通して供給源からバッファ貯蔵タンクにガスを移送することは不可能であるか又は望ましくない。排出時よりも高い圧力が圧縮器の吸入時にかかると、圧縮器の弁が開いてフラッタリングを引き起こし、弁をすぐに破損させてしまう危険性がある。加えて、管内で移送が速くなりすぎたり速度が上がりすぎたりする危険性がある。
【0005】
ステーションのパフォーマンスに対して容積式の圧縮器の使用を最適化することにより、供給源が低い圧力である場合には、圧縮器の吸入時に特定のバッファ貯蔵タンクが使用されることとなる。このタイプの動作では、供給源がその使用の終わりに近づくと、特定のバッファ貯蔵タンクの圧力が比較的低くなることが観察されている。供給源が(空から満杯に)変えられた後、供給源が特定のバッファ貯蔵タンクよりも高い圧力となる状況が生じ得る。これにより、供給源の圧力が十分に下がり、圧縮器を通してこれらのバッファ貯蔵タンクに移送することができるようになるまで、これらのバッファ貯蔵タンクの使用が禁止される。これは特に、高圧の供給源(300バール、450バール、650バール、又はそれ以上)の場合に生じる。
【0006】
本発明の1つの目的は、上で識別されている先行技術の欠点のいくつか又は全てを克服することである。
【発明の概要】
【0007】
この目的のために、本発明による装置であって、上の序文で与えられたその包括的定義も満たす装置は、主に、回路が、回路の少なくとも1つの上流端部を、バッファ貯蔵タンク(複数可)に接続するバランスラインを備え、上記バランスラインが、流量制限部材を備え、圧力バランシングによって供給源からバッファ貯蔵タンク(複数可)への流体の流れの移送を可能にするように構成されていることを特徴とする。
【0008】
校正オリフィス又は同等物(すなわち、流れを制限するために流体の通路に対する制約を作り出す要素、例えば、小口径の管又は調整ニードル弁)及び任意選択で調節弁を設置することで、本発明は、供給源からバッファ貯蔵タンクに安全にガスが移送されることを可能にする。従って、圧力差が不適切である場合、圧縮器を通る移送が回避され得る。
【0009】
回路には、好ましくは、逆止弁(複数可)が設けられている。回路の弁は、供給源の圧力が比較的高いときに水素をバッファ貯蔵タンクに移送するために、これらの流れ制限部材を通って流れを導くように制御され得る。
【0010】
従って、吸入圧力が排出圧力よりも高い場合には、バッファ貯蔵タンクを充填するために圧縮器を使用することは禁止され、回避され得る。
【0011】
更に、本発明の実施形態は、下記特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる:
-圧縮器の吸入入口は、吸入弁(複数可)のセットを介してバッファ貯蔵タンク(複数可)にも接続されている、
-バランスラインは、吸入弁(複数可)のセットを介して圧縮器の吸入入口をバッファ貯蔵タンクに接続する回路の少なくとも一部の別個の部分を備える、
-バランスラインは各々、流れ制限部材と直列に遮断弁及び/又は逆止弁を備える、
-供給源は、1つ又は複数の加圧ガス貯蔵タンク、特に移動式貯蔵タンク、加圧ガスネットワーク、加熱器及び/又はポンプに関連する液化ガス貯蔵タンク、並びに電解槽のうちの少なくとも1つを備える、
-装置は、それぞれのバランスライン及びそれぞれの流れ制限部材を介して少なくとも1つの上流端部に並列接続されている複数のバッファ貯蔵タンクを備える、
-バッファ貯蔵タンクは、それぞれの下流ライン及びそれぞれの接続弁(複数可)を介して少なくとも1つの下流端部に並列接続されている、
-圧縮器の吸入入口は、吸入弁を各々備える別個の吸入ラインを介してバッファ貯蔵タンクの各々に接続されている、
-回路は、複数の別個の下流分配端部を備える、
-回路は、供給源に並列接続されている複数の上流端部と、移送回路に供給する1つ又は複数のガス供給源を選択するように構成された被制御弁(複数可)のセットとを備える。
【0012】
本発明はまた、上記又は下記の特徴のいずれか1つによる装置を使用して、加圧ガスタンク、特に自動車両の水素ガスタンクを充填するための方法であって、バランスライン及び流量制限部材を介して、圧力バランシングによって供給源から充填されるべきバッファ貯蔵タンクに加圧ガスを移送するステップを含む方法に関する。
【0013】
1つの可能な特定の特徴によれば、本方法は、供給源の圧力と充填されるべきバッファ貯蔵タンクの圧力とを比較するステップを含み、供給源の圧力が充填されるべきバッファ貯蔵タンクの圧力よりも所定の値だけ高い場合、加圧ガスは、バランスライン及び流量制限部材を介して圧力バランシングによって供給源から充填されるべきバッファ貯蔵タンクに移送され、所定の圧力許容差、好ましくは10MPa未満で、ガス供給源の圧力が充填されるべきバッファ貯蔵タンクの圧力よりも低い場合、加圧ガスは、圧縮器を介してガス供給源からバッファ貯蔵タンクに移送される。
【0014】
本発明はまた、特許請求の範囲内で上記又は下記の特徴の任意の組み合わせを含む任意の代替的な装置又は方法に関することができる。
【0015】
更なる特定の特徴及び利点は、図を参照して与えられる以下の説明を読むことによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明に係る装置の構成及び動作の一例を例示する部分概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
例示される加圧ガスタンクを充填するための装置1は、例えば、自動車両の水素ガスタンクを充填するためのステーションである。
【0018】
装置1は、少なくとも1つのガス供給源2と、供給源2に接続されている少なくとも1つの上流端部122及び(例えば、ノズルが設けられている可撓性ホースを介して)充填されるべきタンク5に取り外し可能に接続されるのに適した少なくとも1つの下流分配端部4を備える1つの移送回路3とを備える。
【0019】
供給源2は、典型的には、1つ又は複数の加圧ガス貯蔵タンク、特に(例えば、セミトレーラに搭載されている)移動式貯蔵タンクを備える。当然ながら、任意の他のタイプの供給源(加圧ガスネットワーク、加熱器及び/又はポンプに関連する液化ガス貯蔵タンク、電解槽など)が想定され得る。
【0020】
加えて、複数の供給源2が設けられ得、上流端部122に又は移送回路の複数の別個の上流端部122に並列接続され得る。装置1は、好ましくは、並列に接続されている、ガスを充填するための複数の供給源から選択するように構成される。
【0021】
例えば、いくつかの移動式貯蔵タンク(トレーラ)又は同じ移動式貯蔵タンクのいくつかのコンパートメントは、圧縮器の吸入部に接続されるか、又は適切な弁(複数可)のセットを介したバッファ貯蔵タンクへの移送に使用され得る。
【0022】
装置1は、それぞれの接続弁(複数可)16~18、26~28のセットを介して上流端部と下流端部との間で移送回路3に並列接続されているバッファ貯蔵タンク6~8のセットを備える。この例では、3つのバッファ貯蔵タンク6,7,8が示されているが、1つだけ、2つ、又は3つよりも多くが想定され得る。好ましくは、これらのバッファ貯蔵タンク6~8は、固定又は据え置き型である。
【0023】
移送回路3は更に、少なくとも1つの上流弁10を介して回路3の上流端部に接続されている吸入入口が設けられている圧縮器9を備える。換言すると、供給源2からガスが直接圧縮器9に供給される。
【0024】
圧縮器9のこの吸入入口はまた、それぞれの吸入弁36~38のセットを介してバッファ貯蔵タンク6~8に接続され得る。換言すると、バッファ貯蔵タンク6~8からガスが直接圧縮器9に供給され得る。例えば、圧縮器9の吸入入口は、吸入弁36~38を各々備える別個の吸入ラインを介してバッファ貯蔵タンク6~8の各々に接続されている。
【0025】
圧縮器9は、それぞれの弁(複数可)46~48のセットを介してバッファ貯蔵タンク(複数可)6~8に接続されている圧縮ガス排出出口を備える。換言すると、圧縮器は、バッファ貯蔵タンク6~8を充填することができる。
【0026】
バッファ貯蔵タンク6~8は、下流端部4に並列接続されている。これにより、例えば、圧力バランシングによって(特に、カスケード原理を使用して)タンク5を充填することが可能になる。例えば、バッファ貯蔵タンク6~8は、それぞれの下流ライン及びそれぞれの接続弁16~18、26~28を介して下流端部4に並列接続されており、各下流端部4がバッファ貯蔵タンクのいずれか1つ(任意選択で、同時に1つよりも多くのバッファ貯蔵タンク)によって供給されることを可能にする。
【0027】
同様に、好ましくは、加圧ガスを直接タンク5に(任意選択で、バッファ貯蔵タンク6~8による移送と同時に)移送するために、圧縮器9の排出出口も回路の下流端部4に接続され得る。
【0028】
移送回路3は、移送回路3の上流端部122をバッファ貯蔵タンク6,7,8に接続するバランスライン11,12,13を更に備える。これらのバランスライン11,12,13は、流れ制限部材21,22,23(校正オリフィス又は他の部材)を備え、圧力バランシングによって(圧縮器9を通過しない)供給源2からバッファ貯蔵タンク6,7,8への直接的な流体の流れの移送を可能にするように構成されている。
【0029】
例示されるように、バランスライン11,12,13は、好ましくは、吸入弁(複数可)のセットを介して圧縮器9の吸入入口をバッファ貯蔵タンク6~8に接続する回路3の少なくとも一部の別個の部分を備える。例えば、専用ラインが、移送回路3の上流端部122に並列接続されている。
【0030】
例示されるように、バッファ貯蔵タンクに関連する各バランスライン11,12,13は、それぞれの流れ制限部材と直列にそれぞれの遮断弁31,32,33及び/又はそれぞれの逆止弁14を含むことができる。
【0031】
当然ながら、変形例として、これらの部材の全て又は一部は、バランスライン11,12,13に共通の回路の一部において共有され得る。
【0032】
このような配置により、供給源2の圧力が充填されるべきバッファ貯蔵タンクの圧力よりも高い場合に、供給源2との圧力バランシングによってバッファ貯蔵タンク6~8を充填することが可能になる。供給源2の圧力が充填されるべきバッファ貯蔵タンクの圧力と等しいか又はそれに近いとき、圧縮器9を使用して移送及び充填を行うことができる。
【0033】
従って、バッファ貯蔵タンク6~8の充填は、輸送可能な供給源2の圧力が当該バッファ貯蔵タンクの圧力よりも高い場合には専用のバランスライン11,12,13を使用することができ、輸送可能な供給源2の圧力がバッファ貯蔵タンク6~8の圧力に近いか又はそれよりも低い場合には圧縮器9を通る移送を使用することができる。
【0034】
例えば、所定の圧力許容差、好ましくは10MPa(100バール)未満、例えば1MPa(10バール)以下で、供給源2の圧力が充填されるべきバッファ貯蔵タンクの圧力よりも低い場合、圧縮器9を介して移送が行われる。換言すると、例えば、供給源が30MPa(300バール)であり、バッファ貯蔵タンクが29MPa(290バール)を超える圧力である場合、供給源2とバッファ貯蔵タンクとの間の移送に圧縮器9を使用することができる。
【0035】
バランスライン11,12,13内に流れ制限部材21,22,23が存在することで、過度に急激な圧力上昇が防がれる。バランスライン11,12,13内に逆止弁が存在することは、流体が圧縮器9に戻るのを防ぐことができる好ましい実施形態である。
【0036】
これらの移送の全て又は一部は、例えば、被制御弁の使用を介して自動化され得る。
【0037】
様々な最適化のために必要であれば、ステーション内のガス移送を制御するために、このロジックを他の基準と組み合わせることができる。
【0038】
このアーキテクチャ及び使用により、例えば、装置の非使用モード(タンク5の充填なし)中及び/又は適用可能であればタンク5の充填中に、バッファ貯蔵タンクを安全に充填することが可能になる。このようにして充填されるバッファ貯蔵タンクは、タンク5の充填中に加圧ガスを移送するために使用することができる。
図1
【外国語明細書】