(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022006618
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】簡易型衝立
(51)【国際特許分類】
A47F 9/00 20060101AFI20220105BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A47F9/00 Z
E04B2/74 561H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020108957
(22)【出願日】2020-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐三
(72)【発明者】
【氏名】脇坂 京嗣
(72)【発明者】
【氏名】若松 勇司
(57)【要約】
【課題】感染症予防のために人同士が対面したり隣り合わせたりする卓上に載置する簡易型衝立を、簡単に作製できるものでありながら、仕切られる空間の大きさや形を簡単に変更できるようにする。
【解決手段】左右の支柱3と、該支柱3に左右両端縁部が支持される衝立板4とを備えた簡易型衝立1であって、支柱3は、中心部6から平面視で十文字状に延出する保持溝部7を備えた自立可能なものであり、衝立板4は、左右端縁部が左右の支柱3からそれぞれ選択される一つの保持溝部7に抜き差し自在に嵌入支持される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人同士が対面したり隣り合わせたりする卓上に載置される簡易型衝立であって、該簡易型衝立は、左右の支柱と、該支柱に左右両端縁部が支持される衝立板とを備えて構成され、
前記支柱は、中心部と、横方向に対向する一対の保持片を備えた縦溝状のものが前記中心部から平面視で十文字状に延出する保持溝部とを備えることで自立可能に構成され、
衝立板は、左右端縁部が左右の支柱からそれぞれ選択される一つの保持溝部に抜き差し自在に嵌入支持されることを特徴とする簡易型衝立。
【請求項2】
衝立板が嵌入支持される保持溝部に対して前後直交する方向に延出する一対の保持溝部のうちの少なくとも一方の保持溝部に、補強板の前後方向端縁部が抜き差し自在に嵌入支持されることを特徴とする請求項1記載の簡易型衝立。
【請求項3】
補強板は、衝立板よりも肉厚であり、保持溝部は、補強板を弾圧状に挟持する溝幅を有し、衝立板は、該衝立板の左右端縁部に外嵌したスペーサを介して保持溝部に弾圧状に挟持されることを特徴とする請求項2記載の簡易型衝立。
【請求項4】
補強板は、衝立板よりも背低であることを特徴とする請求項2または3記載の簡易型衝立。
【請求項5】
補強板は、請求項3記載の衝立板と同部材のものに変更可能であり、該補強板が衝立板と同部材のものに変更された場合に、該変更された補強板は、スペーサが外嵌された状態で保持溝部に抜き差し自在に嵌入支持されることを特徴とする請求項3または4記載の簡易型衝立。
【請求項6】
支柱の衝立板が嵌入支持される保持溝部以外の保持溝部に、前記衝立板と隣接する他の衝立板が抜き差し自在に嵌入支持されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1記載の簡易型衝立。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人同士が対面したり隣り合わせたりする机等の卓上に載置する簡易型衝立の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、感染症予防等のために、人同士が直接相対しないよう卓上の空間を仕切る衝立を設けることが要求される場合がある。このような卓上の空間を仕切るための衝立としては、従来、横長矩形の基板を、縦方向に屈曲部を設けて複数の遮蔽部に区画し、使用時には屈曲部を屈曲させて自立できるようにしたもの(例えば、特許文献1、2参照)や、複数の遮蔽部をヒンジを介して横方向に連結した折り畳み衝立(例えば、特許文献3参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63-33863号公報
【特許文献2】特開2014-46193号公報
【特許文献3】特開2019-196640公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、病院や店舗の受付窓口カウンター、オフィスのデスク廻り等において、密着防止や飛沫対策を図るべく人同士が対面したり隣り合わせたりする卓上に衝立を載置するような場合、衝立は、種々の寸法の卓に対応でき、さらに、種々の場面に応じて衝立により仕切られる空間の大きさや形を変更できるようにすることが望まれる。しかしながら、前記従来のものは、いずれも衝立全体の横幅や高さの寸法が予め決まっているため、既存の卓に対応できないことがあるうえ、種々の場面に応じて仕切られる空間の大きさや形を変更することができないという問題があり、これらに本発明が解決せんとする課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、人同士が対面したり隣り合わせたりする卓上に載置される簡易型衝立であって、該簡易型衝立は、左右の支柱と、該支柱に左右両端縁部が支持される衝立板とを備えて構成され、前記支柱は、中心部と、横方向に対向する一対の保持片を備えた縦溝状のものが前記中心部から平面視で十文字状に延出する保持溝部とを備えることで自立可能に構成され、衝立板は、左右端縁部が左右の支柱からそれぞれ選択される一つの保持溝部に抜き差し自在に嵌入支持されることを特徴とする簡易型衝立である。
請求項2の発明は、衝立板が嵌入支持される保持溝部に対して前後直交する方向に延出する一対の保持溝部のうちの少なくとも一方の保持溝部に、補強板の前後方向端縁部が抜き差し自在に嵌入支持されることを特徴とする請求項1記載の簡易型衝立である。
請求項3の発明は、補強板は、衝立板よりも肉厚であり、保持溝部は、補強板を弾圧状に挟持する溝幅を有し、衝立板は、該衝立板の左右端縁部に外嵌したスペーサを介して保持溝部に弾圧状に挟持されることを特徴とする請求項2記載の簡易型衝立である。
請求項4の発明は、補強板は、衝立板よりも背低であることを特徴とする請求項2または3記載の簡易型衝立である。
請求項5の発明は、補強板は、請求項3記載の衝立板と同部材のものに変更可能であり、該補強板が衝立板と同部材のものに変更された場合に、該変更された補強板は、スペーサが外嵌された状態で保持溝部に抜き差し自在に嵌入支持されることを特徴とする請求項3または4記載の簡易型衝立である。
請求項6の発明は、支柱の衝立板が嵌入支持される保持溝部以外の保持溝部に、前記衝立板と隣接する他の衝立板が抜き差し自在に嵌入支持されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1記載の簡易型衝立である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、作製簡単でありながら、種々な場所、用途等に対応できる汎用性の高い衝立を提供できる。
請求項2の発明とすることにより、補強板により支柱の自立を補強できることになって、衝立の安定性が向上する。
請求項3の発明とすることにより、板厚の異なる衝立板および補強板を簡単に保持溝部に組み付けることができることになって、衝立の組み立て作業の容易化に貢献できる。
請求項4の発明とすることにより、補強板を目立たなくすることができる。
請求項5の発明とすることにより、補強板を衝立板と同部材のものにすることもできる。
請求項6の発明とすることにより、複数の衝立板が様々なバリエーションで連接された衝立を簡単に作製できることになって、衝立により仕切られる空間の大きさ、形を容易に変更できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】(A)、(B)、(C)は衝立の正面図、側面図、平面図である。
【
図3】(A)は衝立板および補強板が嵌入支持された支柱を示す平面図、(B)は自然状態のスペーサを示す図である。
【
図5】(A)は衝立板が嵌入される保持溝部以外の全ての保持溝部に補強板が嵌入された場合の支柱の平面図、(B)は補強板を衝立板と同部材とした場合の支柱の平面図である。
【
図6】(A)、(B)、(C)は衝立のバリエーションを示す図である。
【
図7】(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は衝立のバリエーションを示す図である。
【
図8】(A)、(B)、(C)、(D)は衝立板を直線状に二枚、L字状に二枚、T字状に三枚、十字状に四枚組立てた状態を示す平面図である。
【
図9】(A)、(B)は第二の実施の形態の補強板の正面図、平面図、(C)、(D)は第二の実施の形態の補強板を取付けた衝立の側面図、一部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は人同士が対面したり隣り合わせたりする机等の卓2上に載置される簡易型の衝立であって、該衝立1は、左右の支柱3と、該左右の支柱3に左右両端縁部が支持される衝立板4とを備えて構成されるが、本実施の形態では、後述するように支柱3の自立を補強する補強板5も備えている。尚、以下の説明では、衝立板4の横幅方向を左右方向とし、衝立板4の板厚方向を前後方向とする。
【0009】
衝立板4は、卓2上の空間を仕切る平板状のものであって、ポリカルボネート、アクリルニトリル等の透明性に優れた硬質の合成樹脂材で形成されており耐水性を持たせている。この衝立板4の左右幅および高さは、所望の任意の値に設定される。
一方、支柱3は、前記衝立4の左右端縁部を支持するものであって、同様に合成樹脂製として耐水性を持たせているが、金属製とすることもできる。この支柱3の高さは、衝立板4を安定支持できる高さであれば良く、本実施の形態では、衝立板4の高さよりも背低に設定されている。
また、補強板5は、前記支柱3の自立を補強するためのものであって、本実施の形態では、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製の段ボール板や発泡板等の軽量化した板材で形成されており耐水性を持たせているが、該補強板5の高さは、本実施の形態では、支柱3および衝立板4の高さよりも背低に設定されている。
【0010】
前記支柱3は、中空筒状の孔部6aを有した中心部6と、該中心部6から平面視で十文字状に延出形成される保持溝部7とを備えることで、支柱3の下端面部が卓2に当接する状態で自立可能に構成されている。
【0011】
前記支柱3の保持溝部7は、横方向(左右方向または前後方向)に間隔を存して対向する一対の保持片7aを備えた縦溝状のものであって、該保持溝部7の溝幅は、入り口部7bと溝奥部7cとが溝幅Xとなり、これらのあいだの中間部7dの溝幅Yが前記溝幅Xよりも幅広(Y>X)となるように設定されている。
【0012】
前記衝立板4は、板厚Aが前記保持溝部7の入り口部7bの溝幅Xよりも肉薄(A<X)になっており、その左右端縁部に外嵌組込されたコ字形状のスペーサ8を介して、左右の支柱3からそれぞれ選択される一つの保持溝部7に、衝立板4の下端が卓2に当接する状態で、抜き差し自在に嵌入支持されるように構成されている。
前記スペーサ8は、対向する一対の脚部8bと、これら脚部8bの基端同士を連結する跨部8aとから形成されており、自然状態では脚部8bが中間部位で対向する脚部8b側に向けて折曲していると共に脚部8bの先端同士が当接した形状になっている。そして衝立板4の左右端縁部をスペーサ8の両脚部8b間に挿入すると、該両脚部8bの先端部間に衝立板4の左右縁端部が挟持されるとともに、脚部8bの中間部位に形成される折曲部8cが衝立板4の表面から離間するく字状態になり、衝立板4は、このスペーサ8が外嵌取り付けされた状態で保持溝部7に抜き差し自在に嵌入することで組付け現場において支柱3の保持溝部7に取付けられるようになっている。そして該嵌入組み込みされたスペーサ8は、跨部8aが保持溝部7の溝奥部7cに嵌入するとともに、脚部8bの先端側部位が保持溝部7の入り口部7bに弾圧状に挟持されることで衝立板4を強固に支持する構成になっているが、さらにこのものでは、折曲部8c同士の対向間隔が入り口部7bの溝幅Xよりも幅広となるためスペーサ8の保持溝部7からの抜け止めがなされる構成になっている。
尚、衝立板4を保持溝部7から抜き取る場合に、スペーサ8は、折曲部8cが入り口部7bよりも幅広となる状態になっているため、衝立板4と共に抜け出ることはあまりなく、スペーサ8が保持溝部7内に残ることが多いが、該残ったスペーサ8は、衝立板4がないため元の脚部8b先端同士が当接する姿勢になるため、簡単に保持溝部7から抜き出すことができることになる。
【0013】
また、前記補強板5の板厚Bは、前記衝立板4の板厚Aより肉厚であって、溝保持部7の入り口部7bと溝奥部7cとの溝幅Xと略同寸法(B≒X)に設定されている。そして、該補強板5の前後方向端縁部を、前記衝立板4が嵌入支持される保持溝部7に対して前後直交する方向に延出する前後一対の保持溝部7に、溝奥部7cまで抜き差し自在に嵌入することで押圧(弾圧)を受ける状態で着脱自在に支持されるようになっている。この場合に、補強板5は、その下端部が卓2に当接する状態で支柱3の保持溝部7に取付けられることで支柱3の自立を補強するようになっている。
【0014】
尚、前記補強板5は、本実施の形態では、衝立板4が支持される保持溝部7に対して前後直交する方向に延出する前後一対の保持溝部7に嵌入支持される構成となっているが、前後何れか一方の保持溝部7に嵌入支持される構成であってもよく、また、
図5(A)に示す如く、衝立板4が支持される保持溝部7以外の全ての保持溝部7に補強板5が嵌入支持される構成にすることもできる。
【0015】
また、本実施の形態の補強板5は、合成樹脂製の段ボール板や発泡板等の軽量化した板材で形成されていて、板厚Bは溝保持部7の入り口部7bと溝奥部7cとの溝幅Xと略同寸法のものが用いられているが、補強板として、衝立板4と同部材のものを用いることもできる。このように衝立板4と同部材の補強板9を用いる場合、該補強板9は、
図5(B)に示す如く、衝立板4を保持溝部7に嵌入支持せしめる場合と同様に、スペーサ8を用いて保持溝部7に抜き差し自在に嵌入支持される。尚、補強板5は、前述したように支柱3の自立を補強するものであるが、補強板5がなくても支柱3の安定した自立が確保される場合には、補強板5がなくても本発明を実施できる。
【0016】
次いで、前記支柱3および衝立板4を複数用いて構成される簡易型の衝立1のバリエーションを
図6、
図7に例示するが、これらのバリエーションでは、衝立板4の左右端縁部を支持する左右の支柱3のうち少なくとも一つの支柱3が、隣接する衝立板4に共用されている。該共用される支柱3は、
図8(A)~(D)に示す如く、中心部6から平面視で十文字状に延出形成される四つの保持溝部7に、直線状に二枚、あるいはL字状に二枚、あるいはT字状に三枚、あるいは十字状に四枚の衝立板4の左右何れか一方の端縁部が嵌入支持される。つまり、支柱3を複数の衝立板4の支柱3として共用する場合、該共用される支柱3は、一の衝立板4が嵌入支持される保持溝部7以外の他の保持溝部7の少なくとも一つに、一の衝立板4に対して左右方向直線状あるいは前後方向直交状に隣接する状態で連設される他の衝立板4が嵌入支持されるようになっている。そして、このように支柱3を複数の衝立板4に共用することで、部材の共用化がなされた状態で複数の衝立板4が連設された衝立1を作製できることになるが、この場合に、支柱3には十文字状に四つの保持溝部7が形成されているため、
図6、
図7に示すように大きさ、形状の異なる種々のバリエーションの衝立1を容易に作製することができる。
尚、前記
図6、
図7では、前記複数の衝立板4に共用される支柱の符号を3Xと附し、共用されない支柱の符号を3と附してある。また、
図6、
図7では、共用されない支柱3については、衝立板4が嵌入支持される保持溝部7に対して直交する両方の保持溝部7に補強板5を取付けてあるが、前述したように、補強板5は、直交する何れか一方の保持溝部7、あるいは衝立板4が嵌入支持される保持溝部7以外の全ての保持溝部7に取付けても良いし、補強板5を取付けない構成とすることもできる。また、共用される支柱3については補強板5を取付けていないが、必要に応じて補強板5を取付ける構成にすることもできる。さらに、補強板としては、前述したように、衝立板4と同部材の補強板9を用いることもできる。
【0017】
叙述の如く構成された本実施の形態において、衝立1は、感染症予防等のために、病院や店舗の受付窓口カウンター、オフィスのデスク廻り等において、人同士が対面したり隣り合わせたりする机等の卓2上に載置されることになるが、該衝立1は、左右の支柱3と、該支柱3に左右両端縁部が支持される衝立板4とを備えて構成されている。そして、前記支柱3は、中心部6と、横方向に対向する一対の保持片7aを備えた縦溝状のものが前記中心部6から平面視で十文字状に延出する保持溝部7とを備えることで自立可能に構成される一方、衝立板4は、左右端縁部を左右の支柱3からそれぞれ選択される一つの保持溝部7に抜き差し自在に嵌入支持せしめることで、支柱3に支持されることになる。
【0018】
しかして、衝立1は、支柱3と衝立板4とからなる簡単な構造のものであるとともに、衝立1の使用場所等において、左右の支柱3の保持溝部7に衝立板4の左右端縁部を嵌入支持するだけの簡単な組立て作業で作製することができ、しかも、衝立1の大きさを使用場所、使用用途等に応じて変更したい場合には、支柱3はそのまま用いて、衝立板4を所望の大きさ(横幅や高さ)のものに変更するだけで良いから、種々の場所、用途等に対応して仕切られる空間の大きさを変更することができる汎用性の高い衝立1を提供できることになる。さらに、前記支柱3は、中心部6から十文字状に延出する保持溝部7を備えることで自立可能に構成されているから、使い勝手に優れるとともに、衝立板4の左右端縁部が嵌入支持される選択された保持溝部7以外の保持溝部7に、例えば支柱3の自立を補強する補強部材や、隣接する他の衝立板4を嵌入支持せしめることも可能となって、十文字状に延出する保持溝部7を多目的に利用できることになる。
【0019】
このものにおいて、本実施の形態では、前記衝立板4が嵌入支持される保持溝部7に対して前後直交する方向に延出する両保持溝部7に、補強板5の前後端縁部が抜き差し自在に嵌入支持されているが、このように補強板5を衝立板4と直交する方向に設けることで、支柱3の自立を補強できることになり、衝立1の安定性を確実に向上させることができる。
尚、補強板5は、衝立板4が嵌入支持される保持溝部7に対して前後直交する方向に延出する一対の保持溝部7のうちの一方の保持溝部7、あるいは衝立板4が支持される保持溝部7以外の全ての保持溝部7に嵌入支持される構成としてもよい。
【0020】
前記補強板5は、支柱3の自立を補強するものであるから、衝立板4よりも背低のものでよいが、該補強板5の板厚が衝立板4の板厚よりも肉厚の場合には、支柱3の保持溝部7の溝幅を、補強板5を弾圧状に挟持する溝幅とする一方、衝立板4は、該衝立板4の左右端縁部に外嵌したスペーサ8を介して保持溝部7に弾圧状に挟持される構成とすることで、板厚の異なる衝立板4および補強板5を簡単に保持溝部7に組み付けることができることになって、衝立1の組み立て作業の容易化に貢献できる。また、補強板5を衝立板4よりも背低のものとすることにより、補強板5を目立たなくすることができる。
【0021】
また、前記補強板5を、衝立板4と同部材のものに変更することもでき、この場合には、変更された補強板9は、衝立板4と同様にスペーサ8を外嵌して保持溝部4に抜き差し自在に嵌入支持されることになる。
【0022】
さらに、衝立板4は、左右端縁部が左右の支柱3からそれぞれ選択される一つの保持溝部7に嵌入支持されることになるが、前記選択された保持溝部7以外の保持溝部7に、隣接する他の衝立板4を抜き差し自在に嵌入支持することで、支柱3を共用する状態で複数の衝立板4を連設することができ、しかも、支柱3は、十文字状に延出する四つの保持溝部7を備えているから、複数の衝立板4が様々なバリエーションで連接された衝立1を簡単に作製できることになって、衝立1により仕切られる空間の大きさ、形を容易に変更できることになる。
【0023】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、例えば補強板を、
図9に示す第二の実施の形態の補強板10の如く、間隔を存して内側端縁部同士が対向する一対の補強面部10aと、これら補強面部10aの下端部同士を連結する連結部10bとを備えた連結型のものとすることもできる。このように構成された補強板10は、
図9(C)、(D)に示すように、連結部10bの下端部が卓2に当接する状態で、衝立板4が嵌入支持される保持溝部7に対して直交する方向に延出する一対の保持溝部7に、一対の補強面部10aの内側端縁部がそれぞれ嵌入支持される。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、感染症予防等のために人同士が対面したり隣り合わせたりする机等の卓上に載置される簡易型衝立として利用することができる。
【符号の説明】
【0025】
1 衝立
2 卓
3 支柱
4 衝立板
5 補強板
6 中心部
7 保持溝部
7a 保持片
8 スペーサ