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<図1>
  • 特開-固形製剤搬送装置 図1
  • 特開-固形製剤搬送装置 図2
  • 特開-固形製剤搬送装置 図3
  • 特開-固形製剤搬送装置 図4
  • 特開-固形製剤搬送装置 図5
  • 特開-固形製剤搬送装置 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022006619
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】固形製剤搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/31 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
B65G47/31 L
B65G47/31 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020108958
(22)【出願日】2020-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000228110
【氏名又は名称】クオリカプス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】特許業務法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】真川 顕次
(72)【発明者】
【氏名】小西 善久
(72)【発明者】
【氏名】松山 智一
【テーマコード(参考)】
3F081
【Fターム(参考)】
3F081AA35
3F081BC05
3F081BD18
3F081CC10
3F081CC18
(57)【要約】
【課題】 錠剤等の固形製剤を所定の間隔で確実に搬送することができる固形製剤搬送装置を提供する。
【解決手段】 錠剤Tを整列搬送する振動フィーダ10と、振動フィーダ10から供給される錠剤Tを搬送面21aに載置して搬送するベルトコンベア20と、振動フィーダ10からベルトコンベア20への錠剤Tの引き渡し位置に設けられ、錠剤Tを搬送面21aに押圧する押圧装置30とを備え、押圧装置30は、搬送面21aと対向するように配置されて搬送方向に沿って延びる押圧ベルト31,32を備えており、錠剤Tが搬送面21aと押圧ベルト31,32との間に挟持される固形製剤搬送装置1である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形製剤を整列搬送する振動フィーダと、
前記振動フィーダから供給される固形製剤を搬送面に載置して搬送するベルトコンベアと、
前記振動フィーダから前記ベルトコンベアへの固形製剤の引き渡し位置に設けられ、固形製剤を前記搬送面に押圧する押圧装置とを備え、
前記押圧装置は、前記搬送面と対向するように配置されて搬送方向に沿って延びる押圧ベルトを備えており、固形製剤が前記搬送面と前記押圧ベルトとの間に挟持される固形製剤搬送装置。
【請求項2】
前記押圧ベルトの速度は、前記振動フィーダの搬送速度よりも速く、且つ、前記ベルトコンベアの搬送速度と同じに設定されている請求項1に記載の固形製剤搬送装置。
【請求項3】
前記押圧ベルトは、互いに平行に延びるように複数設けられている請求項1または2に記載の固形製剤搬送装置。
【請求項4】
前記搬送面と前記押圧ベルトとの間隔が搬送方向に沿って徐々に広がる請求項1から3のいずれかに記載の固形製剤搬送装置。
【請求項5】
前記搬送面と前記押圧ベルトとの間隔を調整するための間隔調整機構を更に備える請求項1から4のいずれかに記載の固形製剤搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形製剤搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤やカプセル剤等の固形製剤の検査や印刷を連続的に行うための搬送装置が従来から知られている。例えば、特許文献1に開示された搬送装置は、ホッパーから供給された錠剤を振動により整列搬送する振動フィーダと、振動フィーダから供給された錠剤を一方向に搬送する往動搬送部と、振動フィーダと往動搬送部との間に配置された押圧ローラとを備えている。押圧ローラは、振動フィーダから往動搬送部に錠剤が引き渡される際に、外周面が往動搬送部の搬送面との間に錠剤を挟持するように押圧して、搬送面との速度差により錠剤同士の間隔を広げると共に、錠剤の飛び出しや位置ずれを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2008/155950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、搬送装置により搬送される錠剤の形状や大きさは様々であるため、錠剤によっては振動フィーダから往動搬送部への錠剤の引き渡しを確実に行うことができないおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、固形製剤を所定の間隔で確実に搬送することができる固形製剤搬送装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の前記目的は、固形製剤を整列搬送する振動フィーダと、前記振動フィーダから供給される固形製剤を搬送面に載置して搬送するベルトコンベアと、前記振動フィーダから前記ベルトコンベアへの固形製剤の引き渡し位置に設けられ、固形製剤を前記搬送面に押圧する押圧装置とを備え、前記押圧装置は、前記搬送面と対向するように配置されて搬送方向に沿って延びる押圧ベルトを備えており、固形製剤が前記搬送面と前記押圧ベルトとの間に挟持される固形製剤搬送装置により達成される。
【0007】
この固形製剤搬送装置において、前記押圧ベルトの速度は、前記振動フィーダの搬送速度よりも速く、且つ、前記ベルトコンベアの搬送速度と同じに設定されていることが好ましい。
【0008】
前記押圧ベルトは、互いに平行に延びるように複数設けられていることが好ましい。
【0009】
前記搬送面と前記押圧ベルトとの間隔は、搬送方向に沿って徐々に広がることが好ましい。
【0010】
前記搬送面と前記押圧ベルトとの間隔を調整するための間隔調整機構を更に備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、固形製剤を所定の間隔で確実に搬送することができる固形製剤搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る固形製剤搬送装置の正面図である。
図2図1に示す固形製剤搬送装置の平面図である。
図3図1に示す固形製剤搬送装置の要部を示す正面図である。
図4図1に示す固形製剤搬送装置の他の要部を示す断面図である。
図5図4に示す部分の変形例を示す断面図である。
図6図1に示す固形製剤搬送装置を備える固形製剤印刷装置の全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、 本発明の一実施形態に係る固形製剤搬送装置の正面図であり、図2は、図1に示す固形製剤搬送装置の平面図である。図1および図2に示すように、固形製剤搬送装置1は、振動フィーダ10と、ベルトコンベア20と、押圧装置30とを備えており、複数の固形製剤を、所定の間隔をあけて整列搬送することができる。本実施形態の固形製剤搬送装置1が搬送する固形製剤は、錠剤であるが、カプセル剤等であってもよい。錠剤は、医薬品や健康食品の他、菓子や洗剤等であってもよい。
【0014】
振動フィーダ10は、従来の振動フィーダと同様に構成されており、ボウル11と、ボウル11を支持する振動体14と、振動体14を支持する基台15とを備えている。振動体14および基台15は、複数の板ばね(図示せず)により連結されており、電磁石等の作動により基台15から振動体14に対してねじり振動を与えることができる。基台15は、ゴム等からなる複数の防振材16を介して床面F等に設置される。
【0015】
図2に示すように、ボウル11は、平面視円形状の底壁部12を有しており、底壁部12の外縁に沿って搬送路13が形成されている。底壁部12に供給された錠剤は、2点鎖線に沿って矢示方向に一列に整列した状態で、ベルトコンベア20に向けて搬送路13を整列搬送される。搬送路13の形状は特に限定されるものではなく、螺旋状の他に円弧状や直線状等であってもよい。
【0016】
図3は、図1に示す固形製剤搬送装置1の要部を示す正面図であり、振動フィーダ10の搬送路13、ベルトコンベア20および押圧装置30の配置を示している。図3に示すように、ベルトコンベア20は、無端帯状の搬送ベルト21が駆動ローラ22および従動ローラ23,24に巻き掛けられて構成されており、搬送路13から供給される錠剤Tが、搬送ベルト21の上面である搬送面21aに載置されて、水平方向に搬送される。
【0017】
図2および図3に示すように、押圧装置30は、環状に形成された2つの押圧ベルト31,32が駆動ローラ33および従動ローラ34に巻き掛けられて構成されている。2つの押圧ベルト31,32は、押圧装置30の下側に位置する部分が、搬送面21aに対向する対向部31a,32aとされており、対向部31a,32aが錠剤Tを搬送面21aに向けて押圧することにより、錠剤Tが搬送面21aと押圧ベルト31,32との間に挟持される。押圧ベルト31,32の対向部31a,32aは、搬送方向に沿って互いに平行に延びると共に、搬送方向下流側(図3の右側)に向けて搬送面21aに対して斜め上方に僅かに傾斜しており、搬送面21aと押圧ベルト31,32との間隔が搬送方向に沿って徐々に広がるように配置されている。
【0018】
図3に示すように、固形製剤搬送装置1は、搬送面21aと押圧ベルト31,32との間隔を調整可能な間隔調整機構40を更に備えている。間隔調整機構40は、搬送ベルト21の搬送面21aとは反対側の下面側が摺動するガイド部材41と、ガイド部材41を昇降させる昇降シリンダ42とを備えており、昇降シリンダ42の作動によりガイド部材41を上下動させることで、搬送面21aと押圧ベルト31,32との間隔を変化させることができる。例えば、図3に示す状態からガイド部材41上昇させると、搬送面21aが2点鎖線で示す位置まで上昇して、搬送面21aと押圧ベルト31,32との間隔を狭くすることができる。
【0019】
上記の構成を備える固形製剤搬送装置1によれば、振動フィーダ10からベルトコンベア20に錠剤Tを引き渡す際に、押圧装置30が錠剤Tを搬送面21aに押圧することにより、錠剤Tを搬送面21aの所望の位置に確実に配置することができる。搬送面21aと押圧ベルト31,32との間隔は搬送方向に沿って徐々に広がるため、押圧ベルト31,32を錠剤Tから緩やかに引き離すことができるので、この際に発生するおそれがある錠剤Tの位置ずれを防止することができる。
【0020】
また、錠剤Tの押圧が、駆動ローラ33と従動ローラ34との間に巻き掛けられた押圧ベルト31,32によって行われるため、錠剤Tの形状や大きさ等が変化した場合でも、押圧ベルト31,32の撓みによってある程度吸収することができる。したがって、形状や厚み等が異なる種々の錠剤Tを、ベルトコンベア20により所定の間隔で確実に搬送することができる。錠剤Tの種類は特に限定されないが、平錠、R錠、丸錠、異形錠などを例示することができる。
【0021】
図3に示すように、押圧装置30の押圧ベルト31,32の速度V2は、ベルトコンベア20の搬送速度V2と同じに設定することが好ましく、これによって、搬送面21aと押圧ベルト31,32との間に挟持された錠剤Tの位置ずれを生じさせることなく、錠剤T同士の所定の間隔を維持して確実に搬送することができる。上記の速度V2は、振動フィーダ10の搬送路13を搬送される錠剤Tの搬送速度v1と同じであってもよいが、振動フィーダ10の搬送速度v1よりも速いことが好ましく、この速度差によって、ベルトコンベア20により搬送される各錠剤Tの間隔を広げることができる。
【0022】
また、搬送面21aと押圧ベルト31,32との間隔を調整するための間隔調整機構40を備えることにより、押圧ベルト31,32の撓みだけでは吸収できない錠剤Tの形状や厚みの変化にも容易に対応させることができる。本実施形態の間隔調整機構40は、搬送面21aを上下動させることで搬送面21aと押圧ベルト31,32との間隔調整を行っているが、ベルトコンベア20の全体を上下動させるように構成してもよく、あるいは、押圧装置30や押圧ベルト31,32の対向部31a,32aを上下動させるように構成してもよい。更には、搬送面21aおよび対向部31a,32aの双方を上下動可能に構成して、間隔調整を行うことも可能である。
【0023】
図4に要部断面図で示すように、2つの押圧ベルト31,32は、楕円形状の断面を有し、錠剤Tの上面における幅方向(水平面において搬送方向と直交する方向)の両側を搬送ベルト21の搬送面21aに向けて押圧するように、互いに間隔をあけて配置されており、上面が湾曲するR錠や丸錠などの錠剤Tを確実に保持することができる。但し、押圧ベルトの形状や個数は特に限定されるものではなく、例えば、図5に示すように、幅方向に細長に形成された矩形状の断面を有する単一の押圧ベルト31’を使用して、搬送面21aとの間に錠剤Tを挟持してもよく、上面が平面状である平錠などの錠剤Tの場合には特に有効である。
【0024】
本実施形態の固形製剤搬送装置1は、錠剤を所定の間隔で確実に搬送することができるため、錠剤に対する外観検査や印刷などを連続的に行う装置に好適に使用することができる。図6は、本実施形態の固形製剤搬送装置1を備える固形製剤印刷装置100の全体構成図である。図6に示すように、固形製剤搬送装置1の振動フィーダ10には、供給フィーダ110から錠剤が供給される。固形製剤搬送装置1のベルトコンベア20により整列状態で搬送される錠剤は、供給ガイド25に沿って案内されて、印刷用搬送装置120に引き渡される。
【0025】
印刷用搬送装置120は、第1のマーキングローラ121、第2のマーキングローラ122、従動ローラ123、角度ローラ124、アシストローラ125、テンションローラ126および排出ローラ127を備えており、これらに巻き掛けられた2つのベルトからなる挟持ベルト128により錠剤の側面を挟持して、錠剤の表裏面が露出した状態で搬送することができる。
【0026】
印刷用搬送装置120により搬送される錠剤は、第1のマーキングローラ121を通過する間に、第1の外観検査装置131、第1のインクジェットマーキング装置132、第1のレーザマーキング装置133および第1の印字検査装置134により、一方面の外観検査、マーキングおよびマーキング検査がそれぞれ行われ、第2のマーキングローラ122を通過する間に、第2の外観検査装置135、第2のインクジェットマーキング装置136、第2のレーザマーキング装置137および第2の印字検査装置138により、他方面の外観検査、マーキングおよびマーキング検査がそれぞれ行われる。
【0027】
第2のマーキングローラ122を通過した錠剤は、排出ガイド141に沿って排出ベルト142により搬送され、側面外観検査装置143により側面の外観検査が行われた後、制御装置(図示せず)により良品または不良品の判別が行われる。良品と判断された錠剤は、良品排出部144から排出されて、次工程に送られる一方、不良品と判断された錠剤は、不良品排出部145から不良箱146に送られる。
【符号の説明】
【0028】
1 固形製剤搬送装置
10 振動フィーダ
11 ボウル
20 ベルトコンベア
21a 搬送面
30 押圧装置
31,32 押圧ベルト
40 間隔調整機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6