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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066313
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/323 20060101AFI20220421BHJP
   E06B 9/56 20060101ALI20220421BHJP
   E06B 9/262 20060101ALN20220421BHJP
【FI】
E06B9/323
E06B9/56 A
E06B9/262
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030824
(22)【出願日】2022-03-01
(62)【分割の表示】P 2018143424の分割
【原出願日】2018-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】特許業務法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 勝輝
(57)【要約】
【課題】2種類の操作コードを判別しやすい状態でヘッドボックスから垂下させることができる遮蔽装置を提供する。
【解決手段】ヘッドボックス内において回転可能に軸支され、第1移動部材を移動可能な第1駆動軸と、ヘッドボックス内において回転可能に軸支され、第2移動部材を移動可能な第2駆動軸と、第1駆動軸を回転駆動可能な第1プーリ51と、第2駆動軸を回転駆動可能な第2プーリ52と、第1プーリ51または第2プーリ52の少なくともいずれか一方に回転力を付勢可能に設けられた付勢部材と、第1プーリ51により巻取り及び巻解き可能に設けられる第1操作コード6と、第2プーリ52により巻取り及び巻解き可能に設けられる第2操作コード7とを備え、第1プーリ51による第1操作コード6の巻取方向と、第2プーリ52による第2操作コード7の巻取方向とが互いに逆向きであることを特徴とする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボックス内において回転可能に軸支され、第1移動部材を移動可能な第1駆動軸と、
前記ヘッドボックス内において回転可能に軸支され、第2移動部材を移動可能な第2駆動軸と、
前記第1駆動軸を回転駆動可能な第1プーリと、
前記第2駆動軸を回転駆動可能な第2プーリと、
前記第1プーリまたは前記第2プーリの少なくともいずれか一方に回転力を付勢可能に設けられた付勢部材と、
前記第1プーリにより巻取り及び巻解き可能に設けられる第1操作コードと、
前記第2プーリにより巻取り及び巻解き可能に設けられる第2操作コードとを備え、
前記第1プーリによる前記第1操作コードの巻取方向と、前記第2プーリによる前記第2操作コードの巻取方向とが互いに逆向きであることを特徴とする遮蔽装置。
【請求項2】
前記付勢部材は、前記第1プーリに対して前記第1操作コードの巻取方向の回転力を付勢するとともに、前記第2プーリに対して前記第2操作コードの巻取方向の回転力を付勢することを特徴とする請求項1に記載の遮蔽装置。
【請求項3】
前記第2移動部材は、前記第1移動部材よりも上方に位置し、
前記第1操作コード及び前記第2操作コードは、前記ヘッドボックスから垂下し、
前記第1操作コードが前記第1プーリに巻き取られ、前記第2操作コードが前記第2プーリに巻き取られた状態において、前記第2操作コードの下端は、前記第1操作コードの下端よりも上方に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遮蔽装置。
【請求項4】
前記第1プーリによる前記第1操作コードの所定の巻取量以上の巻取が規制されるとともに、前記第2プーリによる前記第2操作コードの所定の巻取量以上の巻取が規制されることを特徴とする請求項3に記載の遮蔽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、遮蔽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つの遮蔽材が並設されるブラインド、カーテン、間仕切り等の遮蔽装置が知られており、この種の遮蔽装置においては、最下端に配置されたボトムレールと、このボトムレールとヘッドボックスとの間に配置された中間バーとをそれぞれ別個に昇降させることによって、ボトムレールと中間バーとの間に配された第1遮蔽材と、中間バーとヘッドボックスとの間に配された第2遮蔽材とがそれぞれ昇降される。
【0003】
このような2つの遮蔽材を有する遮蔽装置に関して、下記特許文献1に示される遮蔽装置が知られている。この遮蔽装置は、無端状の操作コードと、操作コードが巻き掛けられるプーリと、プーリと一体回転するように連結され操作力が伝達されて回転する操作軸と、操作軸と一体回転可能かつ操作軸上を軸方向に摺動可能なクラッチと、クラッチの軸方向両側にそれぞれ配置され、第1遮蔽材を昇降させる第1駆動軸に駆動力を伝達する第1伝達部材及び第2遮蔽材を昇降させる第2駆動軸に駆動力を伝達する第2伝達部材とを有する操作装置を備えており、操作軸の回転方向によってクラッチの摺動方向が決定され、操作軸上を摺動したクラッチが一方の伝達部材と係合することにより、操作軸の回転が一方の伝達部材を介していずれか一方の駆動軸に伝達されることを特徴とする。
【0004】
このような遮蔽装置によれば、1本の操作コードで操作軸がいずれか一方に回転されるように操作され、その回転方向に応じて決定されるクラッチの摺動方向によって、回転が伝達される伝達部材が第1伝達部材または第2伝達部材に切り替えられ、いずれかの駆動軸への回転の伝達を1つのクラッチユニットにより行うことができる。これによって、遮蔽装置の操作装置の部品点数を削減して省スペース化を達成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-220077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1に示される遮蔽装置によれば、1本の操作コードが遮蔽装置の前後方向における室内側及び室外側の2箇所から垂下し、これらの操作コードの垂下位置は、遮蔽装置の幅方向、即ちヘッドボックスの長手方向において略一致した位置となっている。このため、特に垂下される操作コードに捩れが生じて前後の操作コードが入れ替わるような状況において、室内側から垂下する操作コードと室外側から垂下する操作コードとを判別しにくい、という問題があった。
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、2種類の操作コードを判別しやすい状態でヘッドボックスから垂下させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、ヘッドボックス内において回転可能に軸支され、第1移動部材を移動可能な第1駆動軸と、前記ヘッドボックス内において回転可能に軸支され、第2移動部材を移動可能な第2駆動軸と、前記第1駆動軸を回転駆動可能な第1プーリと、前記第2駆動軸を回転駆動可能な第2プーリと、前記第1プーリまたは前記第2プーリの少なくともいずれか一方に回転力を付勢可能に設けられた付勢部材と、前記第1プーリにより巻取り及び巻解き可能に設けられる第1操作コードと、前記第2プーリにより巻取り及び巻解き可能に設けられる第2操作コードとを備え、前記第1プーリによる前記第1操作コードの巻取方向と、前記第2プーリによる前記第2操作コードの巻取方向とが互いに逆向きであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、2種類の操作コードを判別しやすい状態でヘッドボックスから垂下させることができる遮蔽装置を提供することができる。本発明のその他の効果については、以下の発明を実施するための形態の項でも説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る遮蔽装置の構成を示す正面図である。
図2】第1の実施形態に係る遮蔽装置の構成を示す概略平面透視図である。
図3】第1の実施形態に係る操作装置の構成を示す斜視図である。
図4】第1の実施形態に係る操作装置の構成を示す分解斜視図である。
図5】第1プーリと第2プーリとに係止される付勢部材の構成を示す斜視図である。
図6】第1の実施形態に係る操作装置の構成を示す正面部分断面図である。
図7】非操作状態の操作装置を示す斜視図である。
図8】非操作状態における図6のA-A線断面図である。
図9】非操作状態における図6のB-B線断面図である。
図10】非操作状態における図6のC-C線断面図である。
図11】非操作状態における図6のD-D線断面図である。
図12】非操作状態における図6のE-E線断面図である。
図13】第1操作コードが操作された操作装置を示す斜視図である。
図14】第1操作コードが操作された状態における図6のA-A線断面図である。
図15】第1操作コードが操作された状態における図6のB-B線断面図である。
図16】第1操作コードが操作された状態における図6のC-C線断面図である。
図17】ボトムレールと中間バーとが下限まで移動された遮蔽装置を示す模式図である。
図18】第1操作コードに対する連続牽引操作がなされた状態における遮蔽装置を示す模式図である。
図19】連動ギヤ作動時における遮蔽装置を示す模式図である。
図20】ボトムレールと中間バーとが上限まで移動された遮蔽装置を示す模式図である。
図21】解除操作がなされた状態における遮蔽装置を示す模式図である。
図22】第2操作コードが操作された操作装置を示す斜視図である。
図23】第2操作コードが操作された状態における図6のC-C線断面図である。
図24】第2操作コードが操作された状態における図6のD-D線断面図である。
図25】第2操作コードに対する連続牽引操作がなされた状態における遮蔽装置を示す模式図である。
図26】第2の実施形態に係る操作装置の構成を示す平面図である。
図27】第1操作コードが操作された際の遮蔽装置の動作を示す平面図である。
図28】第2操作コードが操作された際の遮蔽装置の動作を示す平面図である。
図29】第3の実施形態に係る遮蔽装置の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
以下、本発明に係る第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態においては、遮蔽装置が設けられた際の室内側の面を正面、室外側の面を背面、正面及び背面に直交する方向を前後方向、遮蔽装置の長手方向を左右方向と称して以後説明を行う。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
(全体構成)
本実施形態に係る遮蔽装置の操作装置を備える遮蔽装置の全体構成について説明する。図1図2は、それぞれ、本実施形態に係る遮蔽装置の正面図、概略平面透視図である。なお、図1においては、ヘッドボックスのみが縦断面で示される。
【0013】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る遮蔽装置1は、横型のプリーツスクリーンであり、ヘッドボックス2と、第1移動部材としてのボトムレール31と、紐状またはテープ状に形成された2本の昇降コード32と、第1遮蔽材としてのスクリーン33と、第2移動部材としての中間バー41と、紐状またはテープ状に形成された2本の調光コード42と、第2遮蔽材としてのスクリーン43と、操作装置5と、第1操作コード6と、第2操作コード7とを備える。
【0014】
ヘッドボックス2は、ブラケット(不図示)を介して窓枠等に固定され、内部に収容空間を有した長尺の箱状に形成される。ヘッドボックス2内には、第1駆動軸201aと、2つの第1巻取ドラム202aと、第1ストッパ203aと、第1ブレーキ204aと、第2駆動軸201bと、2つの第2巻取ドラム202bと、第2ストッパ203bと、第2ブレーキ204bと、連動ギヤ205とが収容される。第1駆動軸201a、2つの第1巻取ドラム202a、第1ストッパ203a、及び第1ブレーキ204aは、ボトムレール31を昇降する第1駆動系を構成する。また、第2駆動軸201b、2つの第2巻取ドラム202b、第2ストッパ203b、及び第2ブレーキ204bは、中間バー41を昇降する第2駆動系を構成する。連動ギヤ205は、所定の条件下において第1駆動系に第2駆動系を連動させるように構成される。本実施形態において、第1駆動系は後方側に配され、第2駆動系は前方側に配され、第1駆動系と第2駆動系とが前後方向に互いに位置を異ならせて並設されるが、例えば、第1駆動系と第2駆動系とを上下方向に位置を異ならせるように並設しても良く、第1駆動系と第2駆動系の配列を前後方向あるいは上下方向に逆にしても良い。
【0015】
第1駆動軸201a及び第2駆動軸201bは、それぞれ、左右方向に延在する角柱状の部材であり、ヘッドボックス2内において軸心方向を左右方向に向けて回転可能に軸支される。ここで、第1駆動軸201aの軸心は、第2駆動軸201bの軸心の後方に位置し、軸心の位置が前後方向に異なっている。なお、以降の説明においては、第1駆動軸201aの軸心を第1軸心と呼称し、第2駆動軸201bの軸心を第2軸心と呼称する。
【0016】
2つの第1巻取ドラム202aは、それぞれ、第1駆動軸201aと一体回転するように第1駆動軸201aに貫通され、2つの昇降コード32のうち対応する昇降コード32の一端が巻取及び巻解き可能に連結される。2つの第2巻取ドラム202bは、それぞれ、第2駆動軸201bと一体回転するように第2駆動軸201bに貫通され、2つの調光コード42のうち対応する調光コード42の一端が巻取及び巻解き可能に連結される。第1ストッパ203aは、第1駆動軸201aの回転を拘束する。第2ストッパ203bは、第2駆動軸201bの回転を拘束する。第1ブレーキ204aは、第1駆動軸201aの回転を減速する。第2ブレーキ204bは、第2駆動軸201bの回転を減速する。
【0017】
ボトムレール31は、2本の昇降コード32の他端が接続され、遮蔽装置1において最下端に位置するようにヘッドボックス2から吊り下げ支持され、左右方向に長尺に形成された部材である。中間バー41は、2本の調光コード42の他端が接続され、上下方向においてヘッドボックス2とボトムレール31との間に位置するようにヘッドボックス2から吊り下げ支持され、左右方向に長尺に形成された部材である。スクリーン33は、上端が中間バー41の下面に連結されるとともに下端がボトムレール31の上面に連結され、上下方向に折りたたみ可能なプリーツ状に形成され、2本の昇降コード32が部分的に上下方向に挿通される遮蔽部材である。スクリーン43は、上端がヘッドボックス2の下面に連結されるとともに下端が中間バーの上面に連結され、上下方向に折りたたみ可能なプリーツ状に形成され、2本の調光コード42が部分的に上下方向に挿通される遮蔽部材である。
【0018】
操作装置5は、ヘッドボックス2の左右端部の一方、本実施形態においては右側端部に設けられ、内部に収容空間が形成された筐体50と、第1プーリ51と、第2プーリ52と、第1クラッチ機構53と、第2クラッチ機構54と、伝達機構55とを備える。なお、これらの部材については後に詳述する。
【0019】
第1操作コード6は、紐状またはテープ状に形成され、巻取及び巻解き可能に第1プーリ51に一端が連結されたコード部材61と、コード部材61の他端に設けられた把持部62と、一端と他端との間における所定位置に固定的に設けられたストッパ63とを有する。把持部62は、遮蔽装置1の操作者が第1操作コード6を操作、具体的には、コード部材61が第1プーリ51から巻解かれるように下方に引く際に、操作者が把持するために設けられる部材である。ストッパ63は、コード部材61が第1プーリ51により所定量以上に巻取られることを規制する。なお、コード部材61とストッパ63の構造は、異なる2つのコード同士がストッパ63内で連結される構造であってもよく、1本のコードの途中にストッパ63が固定される構造であってもよい。
【0020】
第2操作コード7は、紐状またはテープ状に形成され、巻取及び巻解き可能に第2プーリ52に一端が連結されたコード部材71と、コード部材71の他端に設けられた把持部72と、一端と他端との間における所定位置に固定的に設けられたストッパ73とを有する。把持部72は、操作者が第2操作コード7を操作、具体的には、コード部材71が第2プーリ52から巻解かれるように下方に引く際に、操作者が把持するために設けられる部材である。ストッパ73は、コード部材71が第2プーリ52により所定量以上に巻取られることを規制する。なお、コード部材71とストッパ73の構造は、異なる2つのコード同士がストッパ73内で連結される構造であってもよく、1本のコードの途中にストッパ73が固定される構造であってもよい。
【0021】
(操作装置の概略構成)
本実施形態に係る操作装置の概略構成について説明する。図3図4は、それぞれ、本施形態に係る操作装置の構成を示す斜視図、分解斜視図である。図5は、第1プーリと第2プーリとに係止される付勢部材の構成を示す斜視図である。
【0022】
図3及び図4に示すように、操作装置5は、3つの部材50a~50cから構成される筐体50に形成された内部空間に収容される構成要素として、上述した第1プーリ51、第2プーリ52、第1クラッチ機構53、第2クラッチ機構54、伝達機構55に加え、付勢部材57と固定軸56とを備える。伝達機構55は、第1伝達ギヤ551とこれに噛合う第2伝達ギヤ552とを有する。固定軸56は、その軸心方向が左右方向を向くとともに、その軸心位置が第1軸心と上下方向及び前後方向において略一致するように筐体50内に設けられる。この固定軸56は、第1プーリ51、第2プーリ52、及び第1伝達ギヤ551を、その軸心周りに相対回転可能に軸支するとともに、第1クラッチ機構53、第2クラッチ機構54それぞれの一部を相対回転不能に軸支する。第1プーリ51、第2プーリ52、第1クラッチ機構53、第2クラッチ機構54、伝達機構55は、遮蔽装置の左右方向における内方側から、第1クラッチ機構53、第1プーリ51、第2プーリ52、第2クラッチ機構54、伝達機構55の順に配置される。
【0023】
第1プーリ51は、第1操作コード6のコード部材61の一端が接続され、第1軸心周りに回転されることによってコード部材61を巻解き可能に巻き取る部材であり、付勢部材57を径方向における径外側から囲繞する囲繞部511を有する。この囲繞部511は、図5に示すように、付勢部材57を囲繞するように第1軸心方向における第2プーリ52側に延在する周壁として形成され、周方向における所定位置において付勢部材57の一端を係止する第1係止部511aが形成される。
【0024】
第2プーリ52は、第2操作コード7のコード部材71の一端が接続され、第1軸心周りに回転されることによってコード部材71を巻解き可能に巻き取る部材であり、第1プーリ51を第1軸心周りに相対回転可能に軸支する支持軸521を有する。この支持軸521は、図5に示すように、第1プーリ51に形成された孔に挿通可能な、第1軸心方向における第1プーリ51側に延在する円柱状に形成される。また、支持軸521は、第1軸心方向における第2プーリ52側に、周方向における所定位置において付勢部材57の他端を係止する第2係止部521aが形成される。
【0025】
図5に示すように、付勢部材57は、渦巻き状に巻回されたぜんまいバネであり、第1プーリ51の囲繞部511により囲繞された空間内において、第2プーリ52の支持軸521を中心軸として巻き込むように、第1プーリ51と第2プーリ52との間に配される。また、付勢部材57には、その一端、具体的には、径外方向側端部において第1被係止部571が形成され、その他端、具体的には、径内方向側端部において第2被係止部572が形成される。第1被係止部571は、付勢部材57の一端が折り曲げられることによって形成される。
【0026】
この第1被係止部571が第1プーリ51の囲繞部511に形成された第1係止部511aに係止されることによって、付勢部材57の一端が第1プーリ51に対して前後方向及び上下方向に移動不能に固定される。第2被係止部572は、付勢部材57の他端が折り曲げられることによって形成され、この第2被係止部572が第2プーリ52の支持軸521に形成された第2係止部521aに係止されることによって、付勢部材57の他端が第2プーリ52に対して前後方向及び上下方向に移動不能に固定される。
【0027】
第1プーリ51によるコード部材61の巻取方向と、第2プーリ52によるコード部材71の巻取方向とは、互いに逆方を向いており、これによって、コード部材61が巻解かれた際には第1回転方向へ第1プーリが回転し、コード部材71が巻解かれた際には第1回転方向とは逆方を向く第2回転方向へ第2プーリが回転するようになっている。第1プーリ51に対して左右方向内方に隣接して設けられた第1クラッチ機構53は、第1プーリ51の第1回転方向を向く回転力を第1駆動軸201aへ伝達するとともに、第1プーリ51の第2回転方向を向く回転力の第1駆動軸201aへの伝達を遮断するように構成される。
【0028】
第1伝達ギヤ551は、固定軸56に相対回転可能に軸支されるとともに、第2クラッチ機構54の一部と一体回転するように設けられ、第2伝達ギヤ552は、第2駆動軸201bと一体回転可能に接続され、第1伝達ギヤ551と噛合い、第1伝達ギヤ551の回転力を第2駆動軸201bに伝達するように設けられる。
【0029】
第2プーリ52に対して左右方向外方に隣接して設けられた第2クラッチ機構54は、第2プーリ52の第2回転方向を向く回転力を第1伝達ギヤ551に伝達することによって、第2伝達ギヤ552を介して第2駆動軸201bに伝達するとともに、第2プーリ52の第1回転方向を向く回転力の第2駆動軸201bへの伝達を遮断するように構成される。
【0030】
(操作装置の詳細構成)
操作装置の詳細構成について説明する。図6は、本実施形態に係る操作装置の構成を示す正面部分断面図である。図7は、非操作状態の操作装置を示す斜視図である。図8図9図10図11図12は、それぞれ、非操作状態における図6のA-A線断面図、B-B線断面図、C-C線断面図、D-D線断面図、E-E線断面図である。なお、図6においては、操作装置における第1軸心から上方のみが、第1軸心を通り、上下方向及び左右方向に延在する平面により切断された断面として示される。また、図7においては、第2伝達ギヤが透過されて示される。また、非操作状態とは、第1操作コード、第2操作コードのいずれも操作されていない状態を示す。
【0031】
まず、第1操作コード6及び第2操作コード7の所定量以上の巻取の規制について詳述する。図6に示すように、筐体50の前方下端部には、第1プーリ51に対応してその下方に第1巻取規制部501が形成されるとともに、第2プーリ52に対応してその下方に第2巻取規制部502が形成される。第1巻取規制部501と第2巻取規制部502は、左右方向に異なる位置に形成されており、本実施形態においては、第1プーリ51と第2プーリ52との配置に合わせて、第1巻取規制部501が左右方向内方側に形成され、第2巻取規制部502が左右方向外方に形成される。
【0032】
第1巻取規制部501、第2巻取規制部502は、図6図9図10図11に示すように、それぞれ、第1操作コード6のストッパ63、第2操作コード7のストッパ73を収容する収容空間として形成され、この収容空間は、正面及び下面が開放されるように正面及び下面の2面に連続して形成される。
【0033】
第1巻取規制部501には、その天井壁部にコード部材61が挿通可能な挿通孔501a(図9参照)が形成され、この挿通孔501aは、コード部材61より大きく、且つストッパ63が挿通不能な径に形成される。また、同様に、第2巻取規制部502には、その天井壁部にコード部材71が挿通可能な挿通孔502a(図11参照)が形成され、この挿通孔502aは、コード部材71より大きく、且つストッパ73が挿通不能な径に形成される。図7に示すように、第1巻取規制部501及びストッパ63によって、コード部材61に対する第1プーリ51による所定量以上の巻取が規制される。同様に、第2巻取規制部502及びストッパ73によって、コード部材71に対する第2プーリ52による所定量以上の巻取が規制される。
【0034】
次に、第1クラッチ機構53及び第2クラッチ機構54の構造について詳述する。図6図8図9に示すように、第1クラッチ機構53は、中継軸531、クラッチドラム532、クラッチバネ533、カムドライブ534、ガイドワッシャ535、連動部材536、3つのクラッチピン537を有する。同様に、第2クラッチ機構54は、図6に示すように、中継軸541、クラッチドラム542、クラッチバネ543、カムドライブ544、ガイドワッシャ545、連動部材546、3つのクラッチピン547を有する。第2クラッチ機構54の構成要素のそれぞれは、第1クラッチ機構53における同名の構成要素に対応するものであるため、第1クラッチ機構53及び第2クラッチ機構54の説明として、第1クラッチ機構53の構成要素について詳述するとともに、第1クラッチ機構53との相違する点についてのみ第2クラッチ機構54の構成要素について詳述する。
【0035】
中継軸531は、固定軸56により相対回転不能に軸支されるとともに、クラッチドラム532を相対回転不能に軸支する。クラッチドラム532は、中空円筒状に形成され、その中空部分に嵌入された中継軸531に相対回転不能に軸支される。クラッチバネ533は、弛緩したときにクラッチドラム532に対して相対回転する程度の強さでクラッチドラム532を締結可能に巻き付けられた線状の弾性部材であり、その両端部が径外方向を向くように折り曲げられる(図8参照)。
【0036】
カムドライブ534は、相対回転可能にクラッチドラム532に軸支される略中空円筒状の円筒部と、周方向全域に亘って径外方向に延在して第1クラッチ機構53の第1プーリ51側の側面を形成する円板状の側面部とを有した形状に形成される。
【0037】
カムドライブ534の側面部には、周方向に等距離の間隔を空けて形成された3つの開口534a(図4図9参照)が設けられ、この3つの開口534aには、第1プーリ51に設けられた3つの突出部512が挿通される。3つの突出部512は、第1プーリ51の第1クラッチ機構53側の側面において3つの開口534aに対応して周方向に等距離の間隔を空けて設けられ、それぞれ、第1クラッチ機構53側に突出するように形成される。同様に、第2プーリ52には、それぞれが第2クラッチ機構54側に突出するように形成された3つの突出部522(図4参照)が設けられ、カムドライブ544に設けられた3つの開口(不図示)に挿通されるようになっている。
【0038】
カムドライブ534の円筒部には、その外周壁において周方向に等距離の間隔を空けて形成された3つのカム534bが設けられるとともに、その内周壁において1つの係合部534cが設けられる。3つのカム534bは、それぞれ、全体として径外方向に突出し、周方向一方側にカム面が形成され、このカム面は、カムドライブ534がガイドワッシャ535に対してカム面が形成された側に相対回転された場合にクラッチピン537を径外方向に摺動させる傾斜面として形成される。係合部534cは、ガイドワッシャ535と係合可能に径内方向に突出する。また、カムドライブ534は、3つの突出部512と係合することによって、第1プーリ51がいずれの回転方向に回転した場合であっても、第1プーリ51に追従して回転するようになっている。
【0039】
ガイドワッシャ535は、全体として中央部に孔が形成された円板状に形成されて、相対回転可能にクラッチドラム532が貫通される。ガイドワッシャ535には、クラッチピン537の径方向への出没を案内する3つの案内部535aが周方向に等距離の間隔を空けて形成されるとともに、2つの係合部535bが互いに周方向に離間して形成され、このうち1つの係合部535bがカムドライブ534の係合部534cと当接可能に形成され、カムドライブ534がクラッチピン537を径外方向に移動させるように回転された場合に係合部535bが係合部534cにより周方向に押圧されることにより、カムドライブ534とガイドワッシャ535が一体回転する。
【0040】
連動部材536は、第1駆動軸201aに相対回転不能に軸支される軸部536aと、それぞれがクラッチピン537と係合可能に径内方向に突出し、互いに周方向に離間して設けられた複数の係合部536bとを有する。なお、連動部材546は、軸部を有しておらず、第1伝達ギヤ551と一体的に形成されることにより、固定軸56に相対回転可能に軸支される点が連動部材536とは異なる。
【0041】
クラッチピン537は、円柱状に形成され、その両側の底面が左右方向を向いた状態で、カムドライブ534とガイドワッシャ535とにより左右方向両側から挟まれるように配される。また、クラッチピン537は、ガイドワッシャ535の案内部535aに案内されつつカムドライブ534のカム534bにより径外方向に移動されると、連動部材536の係合部536bに当接した状態となり、この際、ガイドワッシャ535と連動部材536とが一体回転するようにクラッチピン537を介して係合される。
【0042】
次に、付勢部材57について詳述する。図10に示すように、付勢部材57は、径外側一端に形成された第1被係止部571が第1プーリ51に形成された第1係止部511aに係止されるとともに、径内側一端に形成された第2被係止部572が第2プーリ52に形成された第2係止部521aに係止される。上述したように、第1プーリ51の第1操作コード6の巻取方向と第2プーリ52の第2操作コード7の巻取方向とが逆になっており、ストッパ63及びストッパ73によって第1操作コード6及び第2操作コード7の所定量以上の巻取が規制されることによって、第1操作コード6または第2操作コード7を操作して第1プーリ51または第2プーリ52の一方のプーリを回転させた場合に他方のプーリは回転されない。これによって、第1係止部511aまたは第2係止部521aの一方の係止部が周方向に移動するとともに他方の係止部が周方向に移動しないため、第1操作コード6または第2操作コード7のいずれかを操作すれば付勢部材57が巻かれるようになっている。
【0043】
また、付勢部材57は、非操作状態においては、第2プーリ52の支持軸521に巻かれない状態で第1プーリ51と第2プーリ52との間に収容されており、この際、囲繞部511によって付勢部材57の径外方向への広がりが規制される。なお、この囲繞部511は、第1プーリ51以外の部材、例えば、第2プーリ52や筐体50に形成されても良いが、この場合であっても、第1係止部511aについては第1プーリ51に形成される必要がある。
【0044】
次に、伝達機構55について詳述する。図12に示すように、第1伝達ギヤ551の回転力が第2伝達ギヤ552に伝達される際、第1伝達ギヤ551の回転方向と第2伝達ギヤ552の回転方向とが逆向きとなる。このため、上述したように第1プーリ51と第2プーリ52との巻取方向が逆であっても、第1プーリ51による第1駆動軸201aの回転方向と第2プーリ52による第2駆動軸201bの回転方向とが同方向となる。
【0045】
(第1操作コードの操作による動作)
第1操作コードの操作による操作装置及び遮蔽装置の動作について説明する。図13は、第1操作コードが操作された操作装置を示す斜視図である。図14図15図16は、それぞれ、第1操作コードが操作された状態における図6のA-A線断面図、B-B線断面図、C-C線断面図である。図17は、ボトムレールと中間バーとが下限まで移動された遮蔽装置を示す模式図である。図18は、第1操作コードに対する連続牽引操作がなされた状態における遮蔽装置を示す模式図である。図19は、連動ギヤ作動時における遮蔽装置を示す模式図である。図20は、ボトムレールと中間バーとが上限まで移動された遮蔽装置を示す模式図である。図21は、解除操作がなされた状態における遮蔽装置を示す模式図である。
【0046】
図13に示すように、第1操作コード6が操作者により下方に牽引されると、図15に示すように、第1プーリ51が第1操作コード6を巻き解く方向である第1巻解方向に回転し、図14に示すように、第1プーリ51の回転が第1クラッチ機構53の連動部材536へ伝達される。この際、第2操作コード7の巻取が規制されることにより第2プーリ52の回転もまた規制されているため、図16に示すように、付勢部材57を縮径させるように、第2プーリ52に形成された第2係止部521aに対して、第1プーリ51に形成された第1係止部511aが相対回転する。これによって、第1プーリ51から巻き解かれた第1操作コード6を第1プーリ51が巻き取るための付勢力が付勢部材57に蓄積される。操作者が第1操作コード6を放して、蓄積された付勢力が解放されることによって、牽引操作がなされた第1操作コード6が第1プーリ51に巻き取られ、第1操作コード6に対して牽引操作が繰り返しなされる度に、第1駆動軸201aが回転される。これによって、1回の牽引操作における昇降コード32の巻取に必要な第1操作コード6の牽引距離を短くすることができる。
【0047】
図17に示すように、遮蔽装置1がボトムレール31が下限まで移動された状態にある場合に、連続的に第1操作コード6が牽引操作されて、上述したように連動部材536の回転に伴って第1駆動軸201aが回転し続けると、図18に示すように、第1巻取ドラム202aにより昇降コード32が巻き取られることによって、昇降コード32に連結されたボトムレール31が上昇移動される。更に、ボトムレール31が下方から中間バー41を押し上げる程度に第1駆動軸201aが第1巻取方向に回転されると、調光コード42の緩みが検出されて連動ギヤ205が作動し、図19に示すように、第1駆動軸201aに追従して第2駆動軸201bが第1駆動軸201aと同方向に回転して、ボトムレール31と中間バー41とが上昇移動され、最終的には、図20に示すように、ボトムレール31と中間バー41とが上限まで上昇移動される。
【0048】
なお、操作者が第1操作コード6を所定量以下だけ引いた状態において手を離すと、付勢部材57により第1操作コード6が巻き取られる第1巻取方向に第1プーリ51が回転し、これに応じてクラッチピン537を介したガイドワッシャ535と連動部材536との係合が解除されるため、図21に示すように、ボトムレール31がその自重によって降下移動する。
【0049】
(第2操作コードの操作による動作)
第2操作コードの操作による操作装置及び遮蔽装置の動作について説明する。図22は、第2操作コードが操作された操作装置を示す斜視図である。図23図24は、それぞれ、第2操作コードが操作された状態における図6のC-C線断面図、D-D線断面図である。図25は、第2操作コードに対する連続牽引操作がなされた状態における遮蔽装置を示す模式図である。
【0050】
図22に示すように、第2操作コード7が操作者により下方に牽引されると、図24に示すように、第2プーリ52が第2操作コード7を巻き解く方向である第2巻解方向に回転し、第2プーリ52の回転が第2クラッチ機構54の連動部材546へ伝達され、連動部材546の回転が伝達機構55を介して第2駆動軸201bへ伝達される。この際、第1操作コード6の巻取が規制されることにより第1プーリ51の回転もまた規制されるため、図23に示すように、付勢部材57を縮径させるように、第1プーリ51に形成された第1係止部511aに対して第2プーリ52に形成された第2係止部521aが相対回転する。これによって、第2プーリ52から巻き解かれた第2操作コード7を第2プーリ52が巻き取るための付勢力が付勢部材57に蓄積される。操作者が第2操作コード7を放して、蓄積された付勢力が解放されることによって、牽引操作がなされた第2操作コード7が第2プーリ52に巻き取られ、第2操作コード7に対して牽引操作が繰り返しなされる度に第2駆動軸201bが回転される。これによって、1回の牽引操作における調光コード42の巻取に必要な第2操作コード7の牽引距離を短くすることができる。
【0051】
図17に示すように、遮蔽装置1がボトムレール31と中間バー41とが下限まで移動された状態にある場合に、連続的に第2操作コード7が牽引操作されて、上述したように連動部材546の回転に伴って第2駆動軸201bが回転し続けると、図25に示すように、第2巻取ドラム202bにより調光コード42が巻き取られることによって、調光コード42に連結された中間バー41が上昇移動される。
【0052】
本実施形態に係る操作装置5によれば、第1プーリ51と第2プーリ52とを左右方向に並設することによって、第1操作コード6の垂下位置と第2操作コード7の垂下位置とを左右方向に異ならせることができ、2種類の操作コードを判別しやすい状態で垂下させることができる。また、第1プーリ51と第2プーリ52との間に付勢部材57を配置し、この付勢部材57を第1操作コード6及び第2操作コード7の巻取に共有して用いることによって、部材数を低減し、省スペース化を実現することができる。
【0053】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る操作装置について説明する。図26は、本実施形態に係る操作装置の構成を示す平面図である。図27は、第1操作コードが操作された際の遮蔽装置の動作を示す平面図である。図28は、第2操作コードが操作された際の遮蔽装置の動作を示す平面図である。
【0054】
図26に示すように、本実施形態に係る操作装置8は、第1プーリ81、第2プーリ82、第1クラッチ機構83、第2クラッチ機構84、連動部85、切換機構87を備え、切換機構87は、固定部870、メインギヤ871、第1伝達部材872、第2伝達部材873、第3クラッチ機構874、従動ギヤ875を備える。
【0055】
第1プーリ81、第2プーリ82は、それぞれ、第1の実施形態における第1プーリ51、第2プーリ52に相当する部材であり、第1操作コード6の一端が接続されて第1駆動軸201aを回転させる第1プーリ81が図中右側に配され、第2操作コード7の一端が接続されて第2駆動軸201bを回転させる第2プーリ82が図中左側に配され、第1の実施形態とは左右方向に逆向きの配置となっている点が第1の実施形態とは異なる。
【0056】
第1クラッチ機構83は、第1クラッチ機構53に相当する部材であり、その周壁を囲繞するように配され、環状に形成されて径外方向側に歯が設けられた環状ギヤを有する点が第1クラッチ機構53とは異なり、第1プーリ81の第1巻解方向の回転のみが環状ギヤに伝達されるように構成される。
【0057】
第2クラッチ機構84は、第2クラッチ機構54に相当する部材であり、第1クラッチ機構83と同様に、環状ギヤを有する点が第2クラッチ機構54とは異なり、第2プーリ82の第2巻解方向の回転のみが環状ギヤに伝達されるように構成される。また、第2クラッチ機構84は、図中左右方向左側側面に設けられ、環状ギヤと一体回転する側方ギヤ841を有する。
【0058】
連動部85は、第1クラッチ機構83の環状ギヤと噛合うギヤ851と、第2クラッチ機構84の環状ギヤと噛合うギヤ852と、一端がギヤ851と接続されるとともに他端がギヤ852に接続されてギヤ851とギヤ852とを一体回転させる軸部853とを有し、第1クラッチ機構83の環状ギヤと第2クラッチ機構84の環状ギヤとを連動させる。
【0059】
固定部870は、第1駆動軸201aと軸心が略同位置であり、メインギヤ871、第3クラッチ874、第2伝達部材873を軸支する軸を回転可能に固定する部材であり、この軸に対しては、メインギヤ871及び第3クラッチ機構874が相対回転不能に軸支され、第2伝達部材873が相対回転可能に軸支される。
【0060】
メインギヤ871は、側方ギヤ841に噛合うギヤであり、第3クラッチ機構874と一体回転するように設けられる。第1伝達部材872は、第1駆動軸201aに相対回転不能に軸支され、第1プーリ81の回転を第1駆動軸201aに伝達する。
【0061】
第2伝達部材873は、メインギヤ871及び第3クラッチ機構874と相対回転可能に軸支され、第2駆動軸201bに相対回転不能に軸支された従動ギヤ875と噛合い、この従動ギヤ875を介して第2プーリ82の回転を第2駆動軸201bに伝達する。
【0062】
第3クラッチ機構874は、メインギヤ871と一体回転するとともに、第1伝達部材872と第2伝達部材873との間において軸方向に摺動可能に設けられたクラッチである。第3クラッチ機構874は、第1プーリ81が第1巻取方向に回転された際には第1伝達部材872に側方から噛合って第1プーリ81の回転力を第1伝達部材872に伝達し、第2プーリ82が第2巻取方向に回転された際には第2伝達部材873に側方から噛合って第2プーリ82の回転力を第2伝達部材873に伝達する。
【0063】
第1駆動軸201aが回転される場合の動作について説明する。図27に示すように、第1操作コード6が牽引操作されると(S101)、第1プーリ81の第1巻解方向への回転が第1クラッチ機構83の環状ギヤに伝達され(S102)、この環状ギヤの回転により連動部85が回転され(S103)、連動部85の回転が第2クラッチ機構84の環状ギヤに伝達されるとともに側方ギヤ841がこの環状ギヤと一体的に第1巻解方向に回転する(S104)。なお、第1プーリ81の第1巻解方向への回転は連動部85により第2クラッチ機構84の環状ギヤに伝達されるが、この回転は第2プーリ82には伝達されない。
【0064】
側方ギヤ841の第1巻解方向への回転によりメインギヤ871が第1巻解方向の逆方に回転され(S105)、これによって第3クラッチ機構874が第1伝達部材872に噛合い(S106)、第3クラッチ機構874により第1伝達部材872が回転され(S107)、第1駆動軸201aが第1伝達部材872と一体回転される(S108)。
【0065】
第2駆動軸201bが回転される場合の動作について説明する。図28に示すように、第2操作コード7が牽引操作されると(S201)、第2プーリ82の第2巻解方向への回転が第2クラッチ機構84の環状ギヤに伝達されるとともに側方ギヤ841がこの環状ギヤと一体的に第2巻取方向に回転する(S202)。なお、第2プーリ82の第2巻解方向への回転は連動部85により第1クラッチ機構83の環状ギヤに伝達されるが、この回転は第1プーリ81には伝達されない。
【0066】
側方ギヤ841の第2巻解方向への回転によりメインギヤ871が第2巻解方向の逆方に回転され(S203)、これによって第3クラッチ機構874が第2伝達部材873に噛合い(S204)、第3クラッチ機構874により第2伝達部材873が回転され(S205)、第2伝達部材873の回転が従動ギヤ875に伝達され(S206)、第2駆動軸201bが従動ギヤ875と一体回転させる(S207)。
【0067】
本実施形態によれば、第1プーリ81の回転を第1駆動軸201aに伝達するギヤ数、及び第2プーリ82の回転を第2駆動軸201bに伝達するギヤ数が第1の実施形態に比べて多くなるため、回転力の伝達に係るギヤ比について設計の自由度を向上させることができる。
【0068】
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る遮蔽装置について説明する。図29は、本実施形態に係る遮蔽装置の構成を示す正面図である。
【0069】
図29に示すように、本実施形態に係る遮蔽装置1aは、第1操作コード6、第2操作コード7に代えて、第1操作コード6a、第2操作コード7aを備える点が、第1の実施形態に係る遮蔽装置1とは異なる。この第1操作コード6a、第2操作コード7aは、把持部62とストッパ63との距離と把持部72とストッパ73との距離とが互いに異なるように構成される。具体的には、把持部62とストッパ63との距離が把持部72とストッパ73との距離よりも大きくなっており、これによって、非操作状態において、把持部62が把持部72よりも下方に位置付けられる。
【0070】
このように、非操作状態における把持部62と把持部72との上下方向の位置関係を、第1操作コード6a、第2操作コード7aそれぞれによる操作対象であるボトムレール31、中間バー41の位置関係に対応させることによって、第1操作コード6a、第2操作コード7aのそれぞれについて、ボトムレール31と中間バー41のいずれを操作するものであるかを操作者が容易に把握することができる。
【0071】
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の第1~第3の実施形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【0072】
なお、上述した3つの実施形態において、第1駆動軸201aの回転により移動される第1移動部材と、第2駆動軸201bの回転により移動される第2移動部材とを、それぞれ、上下方向に移動されるボトムレール31、中間バー41としたが、第1移動部材及び第2移動部材の移動方向はいずれの方向であっても良く、第1移動部材及び第2移動部材は前後に配列されてそれぞれ上下方向又は左右に移動するものであっても良い。また、遮蔽装置としてプリーツスクリーンを例に挙げて説明したが、横型ブラインド、縦型ブラインド、ロールスクリーン、ハニカムスクリーン、たくし上げカーテン、アコーディオンドアといったブラインド、カーテン、又は間仕切り等の遮蔽装置に適用できる。
【符号の説明】
【0073】
1 遮蔽装置
31 第1移動部材
41 第2移動部材
51 第1プーリ
52 第2プーリ
57 付勢部材
201a 第1駆動軸
201b 第2駆動軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
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図22
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図29