(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066462
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E05F 1/16 20060101AFI20220421BHJP
E06B 1/04 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
E05F1/16 B
E06B1/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034689
(22)【出願日】2022-03-07
(62)【分割の表示】P 2018066887の分割
【原出願日】2018-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】安井 圭司
(72)【発明者】
【氏名】千野 哲玄
(57)【要約】
【課題】隠し框構造において確実に障子を閉じることができるうえ、障子を閉じる際に戸先框に手掛けることなく引き寄せることが可能となる。
【解決手段】四方を枠組みして構成される枠体と、枠体内で左右方向にスライド可能に配置される障子3と、を備え、障子3の全閉時に枠体の開口枠20に障子3の戸先框33が隠れる建具であって、戸先框33を縦枠側に引き込ませるダンパー装置6を設け、障子3の全閉操作時において、ダンパー装置6による障子3の引き込み開始位置は、障子3を閉じる方向で、かつ障子3の全閉時において縦枠に戸先框33が隠れる領域に重なる手前の位置である建具を提供する。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四方を枠組みして構成され、建物の開口部に沿って設けられる枠体と、前記枠体内で左右方向にスライド可能に配置される障子と、を備え、前記障子の全閉時及び全開時の少なくとも一方のときに屋内視で前記枠体の縦枠に前記障子の戸先框が隠れる建具であって、
前記戸先框を縦枠側に引き込ませる引寄せ機構を設けたことを特徴とする建具。
【請求項2】
前記障子の全閉操作時において、
前記引寄せ機構による前記障子の引き込み開始位置は、前記障子を閉じる方向で、かつ前記障子の全閉時において前記縦枠に前記戸先框が隠れる領域に重なる手前の位置である請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記引寄せ機構による前記障子の引き込み開始位置は、前記障子の全閉時において前記縦枠に前記戸先框が隠れる領域内に設けられる請求項1に記載の建具。
【請求項4】
前記障子の全開操作時において、
前記引寄せ機構による前記障子の引き込み開始位置は、前記障子を開く方向で、かつ前記障子の全開時において前記縦枠に前記戸先框が隠れる領域に重なる手前の位置である請求項1に記載の建具。
【請求項5】
前記引寄せ機構による前記障子の引き込み開始位置は、前記障子の全開時において前記縦枠に前記戸先框が隠れる領域内に設けられる請求項4に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、引違サッシとして、例えば特許文献1に示されるような、隠し框構造が知られている。隠し框構造は、開口部を閉鎖するサッシ障子の戸先框の屋内側に隠し框部が配置され、戸先框が隠し框部によって屋内側から見て隠れるように構成されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような隠し框構造のサッシの場合には、障子の全閉時において戸先框が隠れて見えない状態となっているので、障子を閉めたときに確実に閉じているかを視認することができないという問題があった。
また、隠し框構造のサッシでは、隠し框部と戸先框とが重なる部分では、戸先框の手掛け部に手を掛けたまま障子を引き寄せて閉じることが難しい場合があり、その点で改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、隠し框構造において確実に障子を閉じることができるうえ、障子を閉じる際に戸先框に手掛けることなく引き寄せることが可能となる建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る建具は、四方を枠組みして構成され、建物の開口部に沿って設けられる枠体と、前記枠体内で左右方向にスライド可能に配置される障子と、を備え、前記障子の全閉時及び全開時の少なくとも一方のときに屋内視で前記枠体の縦枠に前記障子の戸先框が隠れる建具であって、前記戸先框を縦枠側に引き込ませる引寄せ機構を設けたことを特徴としている。
【0007】
本発明によれば、隠し框構造において障子を閉じる際、又は開く際に、障子を所定位置に移動させたときに、引寄せ機構が作動して障子を縦枠側に引き込むことができる。そして、障子の引寄せ機構による引き込み終点位置を全閉又は全開となる位置に設定することで、障子の閉じた状態、又は開いた状態を目視によって確認することなく障子を確実に閉鎖することができる。
また、本発明では、前述したように引寄せ機構によって隠し框部で障子が開閉方向に自動的に引き寄せられるので、戸先框に手掛けることなく引き寄せることが可能となる。そのため、戸先框の屋内側の面等に手掛け部を省略できる構成とすることができる。
【0008】
また、本発明に係る建具は、前記障子の全閉操作時において、前記引寄せ機構による前記障子の引き込み開始位置は、前記障子を閉じる方向で、かつ前記障子の全閉時において前記縦枠に前記戸先框が隠れる領域に重なる手前の位置であることを特徴としてもよい。
【0009】
この場合には、障子を全閉操作する際に、前記領域(隠し框部)に戸先框を進入させる手前の位置まで障子を閉じる方向に移動させることで、引寄せ機構が作動して障子を縦枠側に引き込むことができる。
【0010】
また、本発明に係る建具は、前記引寄せ機構による前記障子の引き込み開始位置は、前記障子の全閉時において前記縦枠に前記戸先框が隠れる領域内に設けられることを特徴としてもよい。
【0011】
この場合には、障子を全閉操作する際に、縦枠に戸先框が隠れる領域(隠し框部)内に戸先框を移動させたときに、引寄せ機構が作動して障子を縦枠側に引き込むことができる。
【0012】
また、本発明に係る建具は、前記障子の全開操作時において、前記引寄せ機構による前記障子の引き込み開始位置は、前記障子を開く方向で、かつ前記障子の全開時において前記縦枠に前記戸先框が隠れる領域に重なる手前の位置であることを特徴としてもよい。
【0013】
この場合には、障子を全開操作する際に、前記領域(隠し框部)に戸先框を進入させる手前の位置まで障子を開く方向に移動させることで、引寄せ機構が作動して障子を縦枠側に引き込み全開状態にすることができる。
【0014】
また、本発明に係る建具は、前記引寄せ機構による前記障子の引き込み開始位置は、前記障子の全開時において前記縦枠に前記戸先框が隠れる領域内に設けられることを特徴としてもよい。
【0015】
この場合には、障子を全開操作する際に、縦枠に戸先框が隠れる領域(隠し框部)内に戸先框を移動させたときに、引寄せ機構が作動して障子を縦枠側に引き込むことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の建具によれば、隠し框構造において確実に障子を閉じることができるうえ、障子を閉じる際に戸先框に手掛けることなく引き寄せることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態による片引き戸を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す片引き戸を屋内側から見た正面図であって、全閉状態の障子を示す図である。
【
図3】
図1に示す片引き戸を屋内側から見た正面図であって、全開状態の障子を示す図である。
【
図4】建築物に外付けされた状態の片引き戸を屋内側から見た正面図であって、全閉状態の障子を示す図である。
【
図5】建築物に外付けされた状態の片引き戸を屋内側から見た正面図であって、全開状態の障子を示す図である。
【
図6】
図4に示すI-I線断面図であって、全閉状態の片引き戸の水平断面図である。
【
図7】
図5に示すII-II線断面図であって、全開状態の片引き戸の水平断面図である。
【
図8】
図4に示すIII-III線断面図であって、全閉状態の片引き戸の縦断面図である。
【
図9】押出し機構の構成を示す斜視図であって、ハンドル部材が収納位置にある図である。
【
図10】押出し機構の構成を示す斜視図であって、ハンドル部材が押出位置にある図である。
【
図11】押出し機構を屋内側から見た側面図であって、ハンドル部材が押出位置、及び操作初期位置にある図である。
【
図12】障子の上框と上枠に設けられるダンパー装置の構成を示す斜視図である。
【
図13】
図12に示すダンパー装置の屋内側から見た縦断面図である。
【
図14】上枠に設けられるダンパーを下方から見た平面図である。
【
図15】(a)~(d)は、ダンパー装置を使用した障子の開閉動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態による建具の一例について、図面に基づいて説明する。
【0019】
図1から
図3に示す本実施形態による片引き戸1(建具)は、
図4及び
図5に示すような建築物の開口部2Aに設けられ、四方を枠組みしして四角形枠状に構成された枠体2と、枠体2内で左右方向X2にスライド可能に設けられた障子3と、を備えている。片引き戸1は、アルミニウムと樹脂の複合のサッシである。また、枠体2の屋外側には、網戸5が左右方向X2に移動可能に設けられている。
【0020】
障子3は、全開状態P2において屋内側から見て戸袋側に上下左右の框31~34がすべて隠れる構成になっている。すなわち、枠体2には左右領域のうち一方(本実施形態では屋内側から見て右側)の第1領域R1の屋内側に躯体Kが設けられ、他方(屋内側から見て左側)の第2領域R2の屋内側に屋内外方向X1に連通する開口部2Aが形成された外付け構造となっている。
【0021】
以下の説明において、屋外側と屋内側とを結ぶ方向を屋内外方向X1とし、建築物の開口部2Aが躯体Kを貫通する方向から見た際の左側と右側を結ぶ水平方向を左右方向X2とする。また、片引き戸1を構成する各部材や部品などは、前記開口部2Aに設けられている姿勢であるものとして、その姿勢における屋内外方向X1および左右方向X2を用いて説明する。左右方向X2において、障子3を閉じる方向を閉鎖方向といい、開く方向を開放方向という。
【0022】
図1から
図3に示すように、枠体2は、全体が矩形状に形成され、建築物の屋外側に配置される外付け用となっている。枠体2は、左右方向X2に延在する上枠21及び下枠22と、上枠21の両端部と下枠22の両端部とをそれぞれ連結し上下方向X3に延在する縦枠23、24と、を有している。
左右の縦枠23、24同士の間の左右方向X2の中間部分には、
図6及び
図7に示すように方立25が設けられている。方立25は、上枠21と下枠22とのそれぞれの左右方向X2の中間部分に連結されている。
【0023】
開口部2Aを形成する開口枠20は、上枠21(後述する上枠カバー21C)、下枠22(後述する下枠カバー22C)、一方の縦枠23(後述する縦枠カバー26)、及び方立25(後述する方立カバー25B)によって四辺を囲って構成されている。なお、開口枠20は、開口部2Aを形成する枠部材であって、上述した障子3を左右方向X2にスライド可能に支持する枠体2とは一致するものではない。すなわち、本実施形態のように、開口枠20の一辺に方立25が設けられるものが適用される。
【0024】
一対の縦枠23、24は、それぞれアルミ合金等の金属製である。一対の縦枠23、24のうち、障子3の戸先框33に対向する側を第1縦枠23とし、障子3の召合框34に対向する側を第2縦枠24として、以下説明する。
【0025】
第1縦枠23は、
図6及び
図7に示すように、屋外側に配置され障子3の戸先框33を開閉自在に係止する屋外側枠部23Aと、屋外側枠部23Aの屋内側に配置され開口部2Aを形成する縦枠カバー26が取り付けられる屋内側枠部23Bと、を有している。
第1縦枠23における第2縦枠24を向く面の内側には、全閉状態P1の障子3を開放方向に向けて押し出す押出し機構4(
図1参照)が設けられている。
【0026】
屋外側枠部23Aには、開放方向に向けて突出するとともに、上下方向X3に延びる第1フランジ231が設けられている。屋内側枠部23Bには、開放方向に向けて突出するとともに、上下方向X3に延びる縦枠カバー26を固定するための第2フランジ232、233が設けられている。
第1フランジ231の屋外側の外面231aには、障子3の戸先框33のパッキン33c(後述する)が接触される。
【0027】
縦枠カバー26は、樹脂製の材料により形成され、ねじ固定や嵌め合わせ等により第1縦枠23の屋内側枠部23Cの第2フランジ232、233に固定されている。縦枠カバー26の第2縦枠24側を向く側面26aは、上述した開口枠20の一方の縦側面を構成し、建物の開口部2Aと面一となっている。
縦枠カバー26には、屋外側角部において屋外側に突出し、上下方向X3の全体にわたって延在する第1ヒレ部材261が設けられている。第1ヒレ部材261は、障子3の戸先框33の屋内側の面に接触可能に設けられている。
【0028】
縦枠カバー26の側面26aには、
図1に示すように、上下方向X3の中間部分に、上下方向X3に延びる縦長の凹溝部が形成されている。この凹溝部には、後述する押出し機構4の一部(ハンドル部材41など)が配置される。
【0029】
第2縦枠24は、屋外側に配置され障子3の召合框34を開閉自在に係止する屋外側枠部24Aと、屋外側枠部24Aの屋内側に配置され躯体Kが取り付けられる屋内側枠部24Bと、を有している。
【0030】
上枠21は、
図8に示すように、屋外側に配置され障子3の上框31を開閉自在に支持する屋外側上枠部21Aと、屋外側上枠部21Aの屋内側に配置され開口部2Aを形成する上枠カバー21Cが取り付けられる屋内側上枠部21Bと、を有している。
【0031】
屋外側上枠部21Aには、屋外側の端面から下方に向けて突出するとともに、左右方向X2に延びるフランジ形状の網戸レールガイド211と、屋内外方向X1の中間部分から下方に向けて突出するとともに、左右方向X2に延びるフランジ形状の第1突起レール部212と、が設けられている。
屋外側上枠部21Aにおける第1突起レール部212の屋内側には、後述するダンパー装置6を収納可能な上枠レール間カバー21Eが配置されるとともに左右方向X2に延びる上枠凹部213が設けられている。
【0032】
屋内側上枠部21Bには、複数箇所(3箇所)から下方に向けて突出するとともに、左右方向X2に延びる上枠カバー21Cの上部を固定するための第6フランジ214が設けられている。
【0033】
上枠カバー21C及び上枠レール間カバー21Eは、樹脂製の材料により形成されている。上枠カバー21Cの上部は、ねじ固定や嵌め合わせ等により屋内側上枠部21Bの第6フランジ214に固定されている。上枠カバー21Cの下面21aは、上述した開口部2Aの下面を構成し、建物の開口部2Aと面一となっている。
上枠カバー21Cには、屋外側角部において屋外側に斜め上向きに突出し、左右方向X2の全体にわたって延在するヒレ部材215が設けられている。ヒレ部材215は、障子3の上框31の屋内側面31bに接触可能に設けられている。
【0034】
上枠レール間カバー21Eは、上枠カバー21Cとは別体で設けられ、下側に向かって開口する縦断面略コ字状をなし、上枠凹部213に係合された状態で上板21cがねじ固定や嵌め合わせ等により上枠凹部213の頂板213aに固定されている。
【0035】
下枠22は、屋外側に配置され障子3の下框32を開閉自在に支持する屋外側下枠部22Aと、屋外側下枠部22Aの屋内側に配置され開口部2Aを形成する下枠カバー22Cが取り付けられる屋内側下枠部22Bと、を有している。
屋外側下枠部22Aには、第2突起レール部222が設けられ、この第2突起レール部222の上端縁には、障子3の下框32に設けられる戸車36が屋内外方向X1への移動が規制された状態で左右方向X2に走行可能に載置されている。
【0036】
方立25は、
図6及び
図7に示すように、第2縦枠24に支持される躯体Kの第1縦枠23側の端部を支持する方立形材25Aと、方立形材25Aの第1縦枠23側に係合される方立カバー25Bと、を有している。
【0037】
図4及び
図5に示すように、障子3は、左右方向X2に延在する上框31および下框32と、上下方向X3に延在する戸先框33と召合框34と、これらの框31~34の内側に配置されるガラス35と、を有している。
上下左右の各框31~34には、それぞれガラス35を支持するための断面略コの字状の溝(
図6及び
図8に示すガラス保持溝G)が形成されている。各框31~34を形成する形の先端部が、屋内側から見て開口部2Aの屋外側に隠れるように構成されている。
また、障子3は、全開した状態(全開状態P2)において、戸先框33が屋内側から見て開口枠20の屋外側に隠れるように構成されている。
【0038】
ガラス35は、四辺の周縁部がガラス保持溝G内で框31~34に係止された押縁351で押さえられた状態で嵌め込まれている。
【0039】
戸先框33は、
図6及び
図7に示すように、障子3の全閉状態P1において、召合框34側の端部(溝を形成する形の溝先端部33a)が、屋内側から見て、開口部2Aの端面(縦枠カバー26の側面26a)と面一、もしくは第1縦枠23側に位置して配置されている。
戸先框33は、屋外側に設けられアルミニウムを材料として形成された屋外側形材33Aと、屋外側形材33Aの屋内側に設けられ樹脂を材料として形成された屋内側形材33Bと、を有している。屋外側形材33Aおよび屋内側形材33Bは、上下方向X3に延在しているとともに、互いに係合し、ガラス35を係止している。
【0040】
屋外側形材33Aは、板面が屋外側を向く外板部331と、外板部331と一体に形成され屋内側形材33Bと係合する第1係合部332と、外板部331の召合框34側の溝先端部33aに設けられる第1ガラス係止部333と、を有している。
屋外側形材33Aには、屋外側に突出した状態で上下方向X3に延在するパッキン33cが設けられている。パッキン33cは、ゴム製の弾性部材から形成され、障子3が全閉状態P1において、第1縦枠23の第1フランジ231の外面231aに対して気密に接触している。
【0041】
屋内側形材33Bは、板面が屋内側を向く内板部334と、内板部334と一体に形成され屋外側形材33Aと係合する第2係合部335と、内板部334の召合框34側の溝先端部33aに設けられる第2ガラス係止部336と、を有している。
屋外側形材33Aと屋内側形材33Bとの召合框34側には、ガラス35を支持するための上述したガラス保持溝Gが形成されている。
【0042】
屋外側形材33Aと屋内側形材33Bとの第1縦枠23側には、召合框34側に凹む凹部33bが形成されている。凹部33bには、屋内側形材33Bにおける第1縦枠23側の端面から屋外側に突出する手掛け部338が形成されている。手掛け部338は、少なくとも障子3の戸先框33が縦枠カバー26の側面26aよりも第2縦枠24側となるように開いた状態において、凹部33bの空間に使用者の手先が挿入可能に構成されている。また、手掛け部338は、全閉状態P1において、上述したように戸先框33とともに屋内側から見て開口枠20の屋外側に隠れているので、凹部33bの空間に使用者の手先が挿入できない構成になっている。
【0043】
召合框34は、
図6に示すように、障子3が開口部2Aを閉鎖している全閉状態P1において、戸先框33側の端部(溝を形成する形の溝先端部34a)が、屋内側から見て、開口部2Aの側面(方立カバー25Bの側面25c)と面一、もしくは第2縦枠24側(
図6の右側)に位置して配置されている。
召合框34は、アルミニウムを材料として形成された本体形材34Aを有している。本体形材34Aは、上下方向X3に延在してガラス35を係止している。
【0044】
上框31は、
図8に示すように、障子3の全閉状態P1において、下框32側の端部(溝を形成する形の溝先端部31a)が、屋内側から見て、開口部2Aの側面(上枠カバー21Cの下面21a)と面一、もしくは上側に位置して配置されている。
【0045】
上框31は、屋外側に設けられアルミニウムを材料として形成された屋外側形材31Aと、屋内側に設けられ樹脂を材料として形成された屋内側形材31Bと、を有している。屋外側形材31Aおよび屋内側形材31Bは、上下方向X3に延在しているとともに、互いに係合し、押縁351を介してガラス35を係止している。
【0046】
屋外側形材31Aは、板面が屋外側を向く外板部311と、外板部311と一体に形成され屋内側形材31Bと係合する第1係合部312と、外板部311の下框32側の端部から下側に向かって突出する第1ガラス係止部313と、を有している。
屋外側形材31Aの上部には、上枠21の第1突起レール部212に左右方向X2にスライド可能なスライド係止部317が設けられている。
外板部311の上部には、第1突起レール部212の屋外側の外面に気密に接する気密パッキン318が設けられている。
【0047】
屋内側形材31Bは、板面が屋内側を向く内板部314と、内板部314と一体に形成され屋外側形材31Aと係合する第2係合部315と、内板部314の下端部から下側に向かって突出する第2ガラス係止部316と、を有している。
屋内側形材31Bは、ダンパー装置6のダンパー6Aの下方に位置し、上端31cにはダンパー6Aに対して左右方向X2に摺動自在なラッチ6Bが設けられている。
屋外側形材31Aと屋内側形材31Bとの下框32側には、ガラス35を支持するための上述したガラス保持溝Gが形成されている。
【0048】
下框32は、
図8に示すように、障子3が開口部2Aを閉鎖している全閉状態P1において、上框31側の端部(溝を形成する形の溝先端部32a)が、屋内側から見て、開口部2Aの側面(下枠カバー22Cの上面22a)と面一、もしくは下側に位置して配置されている。
【0049】
下框32は、屋外側に設けられアルミニウムを材料として形成された屋外側形材32Aと、屋内側に設けられ樹脂を材料として形成された屋内側形材32Bと、を有している。屋外側形材32Aおよび屋内側形材32Bは、上下方向X3に延在しているとともに、互いに係合し、押縁351を介してガラス35を係止している。
【0050】
次に、第1縦枠23に設けられる押出し機構4について、図面に基づいて説明する。
押出し機構4は、
図9及び
図10に示すように、左右方向X2で第1縦枠23に対して離間する方向(開放方向)に障子3を押し出す蹴出し部材40と、蹴出し部材40を連動させるとともに回動可能なハンドル部材41(操作部)と、ハンドル部材41を回転可能に駆動する駆動機構42と、を有している。
押出し機構4は、第1縦枠23の上下方向X3で障子3を開閉する使用者が手でハンドル部材41の把持部41Aを把持して操作し易い適宜な位置に配置されている。
【0051】
第1縦枠23において、屋内側枠部23Bにハンドル部材41と駆動機構42とが設けられ、屋外側枠部23Aに蹴出し部材40が設けられている。押出し機構4は、ハンドル部材41と駆動機構42とが縦枠カバー26(
図6参照)内に収容され、ハンドル部材41が手前に回動されたときのみ縦枠カバー26から突出するように配置されている。ここで、
図9及び
図10は、見やすくするために縦枠カバー26が省略されている。
【0052】
ハンドル部材41は、
図11に示すような縦枠カバー26に設けられた凹溝部46内に収納される収納位置Q1と、
図10及び
図11に示すような障子3を蹴出し部材40によって蹴り出すときの押出位置Q2と、の間で、ハンドル部材41の基端部41Bに位置する回転中心41aを中心にして回動可能に設けられている。
【0053】
ハンドル部材41の上側の隙間46Aには、凹溝部46の開口側から凹底側に向けて押圧可能な押し釦47が設けられている。使用者が押し釦47を押すことで、ハンドル部材41の把持部41Aが収納位置Q1から縦枠カバー26より突出する操作初期位置Q0(
図11参照)に押し出される。
【0054】
蹴出し部材40は、
図11に示すように、連結部(図示省略)を介してハンドル部材41の屋外側に一体的に、かつハンドル部材41の回転中心41aと同軸に設けられている。すなわち、蹴出し部材40は、ハンドル部材41の回動とともに同じ回転方向に回動する。そのため、蹴出し部材40においても、ハンドル部材41と同様に、
図10に示す収納位置Q1、
図11に示す操作初期位置Q0、及び押出位置Q2に位置することが可能となっている。
【0055】
蹴出し部材40は、ハンドル部材41が操作初期位置Q0に位置しているときに、ハンドル部材41とともに回動し、ローラー401が全閉状態P1の障子3の戸先框33に接触する位置となる。さらに、蹴出し部材40は、操作初期位置Q0からハンドル部材41を回動操作することで、戸先框33の戸先端3aを押圧して開放方向に押し出すようにハンドル部材41とともに回動するように構成されている。
【0056】
次に、上枠に設けられるダンパー装置6(引寄せ機構)について、図面に基づいて詳細に説明する。
図12乃至
図14に示すように、ダンパー装置6は、障子3の戸先框33を第1縦枠23側に引き込ませる引寄せ機構である。ダンパー装置6は、上枠21に設けられるダンパー6Aと、障子3の上框31に設けられダンパー6Aにスライド可能に係止するラッチ6Bと、が設けられている。具体的なダンパー装置6の位置としては、
図8に示すように、上枠21の第1突起レール部212の下端212aよりも上方で、かつ第1突起レール部212よりも屋内側に位置している。
また、ダンパー装置6は、
図8に示すように、上框31に設けられる気密パッキン318が上枠21の第1突起レール部212に対して気密に接触する障子3の気密ラインよりも屋内側に設けられている。
【0057】
ダンパー6Aは、上枠21の第1縦枠23側の位置で、上枠凹部213に係合されている上枠レール間カバー21Eの内側に配置されている。
ダンパー6Aは、
図13及び
図14に示すように、下方に左右方向X2に延びるスリット60aが形成されカバー体60と、カバー体60の内側に収容され第1縦枠23側に向けて所定の閉速度で伸長するシリンダ61と、シリンダ61の先端部61aに設けられた係止片62と、カバー体60に形成され係止片62を案内する案内溝63と、を備えている。
【0058】
カバー体60は、上枠21の延在方向(左右方向X2)に沿って延びる長尺の箱形状をなしており、左右方向X2に沿って延びる一対の側壁60b、60bのそれぞれに上述した案内溝63が形成されている。カバー体60の下端60cは、障子3の上框31の上端31cから上方に離間している。
【0059】
シリンダ61は、伸長する方向に付勢されており、係止片62に対して障子3の開方向(第2縦枠24側)に所定の力を付与することで、シリンダ61の先端部61aが開方向に移動するように縮減し、その所定の力が付与されなくなると閉方向に伸長する。すなわちシリンダ61の先端部61a(係止片62)の位置は、シリンダ61の伸縮によって縮減した引込み開始位置U1から伸長した引込み完了位置U2との間で移動するようになっている。シリンダ61の伸長速度は、障子3を全閉状態P1に閉じる際の閉鎖速度に設定されている。
【0060】
引込み開始位置U1は、障子3が全閉状態P1のときに第1縦枠23に戸先框33が隠れる領域において、屋内外方向X1から見て少なくとも戸先框33の一部が重なったときに、ラッチ6Bが係止片62に係止する位置に決められている。
引込み完了位置U2は、シリンダ61の伸長により障子3を閉方向に移動させ、係止片62からラッチ6Bを解放した後の障子3が全閉状態P1の位置まで慣性力により移動することが可能な位置に決められている。
【0061】
係止片62は、シリンダ61の先端部61aに対して屋内外方向X1を中心として回転可能に設けられ、カバー体60の案内溝63の溝方向に沿って摺動可能な一対の摺動突起62A、62Bを有している。係止片62は、摺動突起62A、62Bのうち開方向側の第2摺動突起62Bが後述する案内溝63の停止凹部63Bに嵌ったときに、引込み開始位置U1となり、
図15(b)に示すように開方向側の端部を上にして傾いた姿勢となる。そして、停止凹部63Bに第2摺動突起62Bが嵌合した状態では、係止片62の移動が規制されていて、シリンダ61の付勢力で動かないようになっている。停止凹部63Bと第2摺動突起62Bの嵌合は、係止片62の係止凹部62aに開方向に移動する障子3のラッチ6Bが係合したときに解除される。
【0062】
係止片62の下端には、ラッチ6Bが着脱可能に係止する係止凹部62aが設けられている。係止凹部62aには、面方向を上下方向X3に向け、かつ左右方向X2に対向する係止面を有している。障子3を開ける際には、係止凹部62aの開方向側の第1面62bがラッチ6Bの第1側面64aによって押されることで係止片62を開方向側に押圧してシリンダ61が縮減する。障子3を閉じる際には、シリンダ61の伸長によって閉方向に移動する係止片62とともに係止凹部62aの第1面62bによってラッチ6Bの第1側面64aを押圧することで障子3が閉方向に移動する。
係止片62は、引込み開始位置U1で姿勢が傾くことにより、係止凹部62aから障子3とともに開方向に移動するラッチ6Bが外れ、あるいは閉方向に移動してきたラッチ6Bを係止凹部62aで係止させることができる。
【0063】
カバー体60に形成されるスリット60aは、係止片62の幅寸法よりも大きいスリット幅に設定され、係止片62が左右方向X2に移動可能となっている。そして、係止片62の係止凹部62aは、少なくともスリット60aの内側に位置するように設けられている。
【0064】
カバー体60の案内溝63は、シリンダ61の先端部61aの移動領域に配置され、左右方向X2に延びる直線部63Aと、直線部63Aの開方向側の端部から上方に凹んだ停止凹部63Bと、を有している。
【0065】
ラッチ6Bは、ばね部材(図示省略)によって上方に向けて付勢された状態で障子3の上框31に設けられている。ラッチ6Bにおける上框31から突出する部分の形状は、屋内外方向X1から見た側面視で略矩形状を呈している。
【0066】
次に、障子3の開閉動作について、図面を用いて具体的に説明する。
障子3を開く際には、先ず、
図9に示す収納位置Q1から
図11に示す操作初期位置Q0に移動させた押出し機構4のハンドル部材41を手前に引いて回動させて押出位置Q2にする。これにより、ハンドル部材41と一体に設けられた蹴出し部材40も押出位置Q2に回動して、
図10に示すように全閉状態P1の障子3の戸先框33を押圧して開方向に押し出す。押し出された障子3は、
図15(a)に示すように、上框31に設けられるラッチ6Bが上枠21に設けられ引込み完了位置U2にあるダンパー6Aの係止片62の係止凹部62aに係止する。
【0067】
図15(b)に示すように、さらに障子3を開方向に移動させると、係止凹部62aの開方向側の第1面62bがラッチ6Bの第1側面64aによって押されることで係止片62を開方向側に移動させるとともにシリンダ61を押し戻すようにして縮減させる。係止片62が引込み開始位置U1まで移動したときに、係止片62の開方向側の第2摺動突起62Bが案内溝63の停止凹部63Bに位置し、係止片62が開方向に向けて傾斜した姿勢となることにより、係止凹部62aから障子3とともに開方向に移動するラッチ6Bが外れる。
そして、ダンパー6Aからラッチ6B(
図15(b)の二点鎖線)が外れた状態のまま障子3は開方向へ移動させることができる。ダンパー6Aは、係止片62の第2摺動突起62Bが停止凹部63Bに嵌った状態ではシリンダ61の伸長が規制され、シリンダ61が縮減された状態で保持される。
【0068】
次に、障子3を閉じる際には、
図15(c)に示すように、閉方向に移動する障子3が障子3の全閉時に縦枠カバー26(開口枠20)に戸先框33が隠れる領域に、屋内外方向から見て少なくとも戸先框33の一部が重なったときに、ダンパー装置6による引き込みが開始される。すなわち、障子3のラッチ6Bが引込み開始位置U1でダンパー6Aの傾いた係止片62の係止凹部62aに係止すると、係止片62がラッチ6Bによって閉方向に押されて、第2摺動突起62Bが停止凹部63Bから外れる。
【0069】
そうすると、
図15(d)に示すように、シリンダ61が伸長する方向への規制が解除され、シリンダ61が伸長し、係止片62の第1摺動突起62A、及び第2摺動突起62Bが案内溝63の直線部63Aに沿って摺動する。シリンダ61の伸長によって閉方向に移動する係止片62とともに係止凹部62aの第1面62bによってラッチ6Bの第1側面64aが押されることで障子3が閉方向に向けて自動的に移動する。引込み完了位置U2まで引き込まれた障子3は、ラッチ6Bがダンパー6Aから外れるとともに、慣性力によって全閉する。
【0070】
次に、本実施形態による片引き戸1の作用について説明する。
本実施形態では、
図15(a)~(d)に示すように、隠し框構造において障子3を閉じる際に、第1縦枠23に戸先框33が隠れる領域(隠し框部)内に戸先框33を移動させたときに、ダンパー装置6が作動して障子3を第1縦枠23側に引き込むことができる。そして、障子3のダンパー装置6による引込み終点位置を全閉となる位置に設定することで、障子3の閉じた状態を目視によって確認することなく障子3を確実に閉鎖することができる。
【0071】
また、本実施形態では、前述したようにダンパー装置6によって隠し框部で障子3が閉じる方向に自動的に引き寄せられるので、戸先框33に手掛けることなく引き寄せることが可能となる。そのため、戸先框33の屋内側の面等に手掛け部を省略できる構成とすることができる。
【0072】
このように本実施形態の片引き戸1によれば、隠し框構造において確実に障子3を閉じることができるうえ、障子3を閉じる際に戸先框33に手掛けることなく引き寄せることが可能となる。
【0073】
以上、本発明による建具の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0074】
例えば、本実施形態では、ダンパー装置6による障子3の引込み開始位置U1として、障子3を閉じる方向で、第1縦枠23に戸先框33が隠れる領域(隠し框部)に重なる手前の位置としてもよい。この場合には、隠し框部に戸先框33を進入させる手前の位置まで障子3を閉じる方向に移動させることで、全閉状態まで障子3を引き寄せることができる。
【0075】
また、押出し機構4の構成、例えばハンドル部材41や蹴出し部材40の構成は、本実施形態に限定されることはなく、適宜変更可能である。例えば回転式等、他の形状の構成の操作部であってもかまわないし、または手動操作のものであることに限らず、電動式、或いは手動/電動の切り替え式の操作部であってもよい。
【0076】
また、本実施形態では、建具として片引き戸1を適用した例を示しているが、片引き戸1に限定されることはなく、例えば引違窓などに適用することも可能である。なお、引違窓の場合には、一方の縦枠のみにダンパー装置6(引寄せ機構)が設けられることに限らず、左右両側の縦枠のそれぞれに引寄せ機構を設ける構成であってもかまわない。
【0077】
さらに、本実施形態では、全閉状態P1の障子3における戸先框33が開口枠20の屋外側に位置して、屋内側から見て隠れた状態となる隠し框構造に適用されているが、このような隠し框構造でない建具に適用することも勿論可能である。
【0078】
さらにまた、本実施形態では、隠し框構造において障子を閉じる際に採用される引寄せ機構としているが、障子を全開にする際に引寄せる引寄せ機構であってもよい。
この場合、障子の全開操作時において、引寄せ機構による障子の引き込み開始位置は、障子を開く方向で、かつ障子の全開時において縦枠に戸先框が隠れる領域に重なる手前の位置とすることができる。これにより、障子を全開操作する際に、前記領域(隠し框部)に戸先框を進入させる手前の位置まで障子を開く方向に移動させることで、引寄せ機構が作動して障子を縦枠側に引き込み全開状態にすることができる。
また、引寄せ機構による障子の引き込み開始位置を、障子の全開時において縦枠に前記戸先框が隠れる領域内に設けられるようにしてもよい。この場合には、障子を全開操作する際に、縦枠に戸先框が隠れる領域(隠し框部)内に戸先框を移動させたときに、引寄せ機構が作動して障子を縦枠側に引き込むことができる。
【0079】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 片引き戸(建具)
2 枠体
2A 開口部
3 障子
3a 戸先端
4 押出し機構
6 ダンパー装置(引寄せ機構)
6A ダンパー
6B ラッチ
20 開口枠
21 上枠
22 下枠
23 第1縦枠
24 第2縦枠
31 上框
32 下框
33 戸先框
34 召合框
40 蹴出し部材
41 ハンドル部材
62 係止片
62a 係止凹部
63 案内溝
63A 直線部
63B 停止凹部
P1 全閉状態
P2 全開状態
U1 引込み開始位置
U2 引込み完了位置
X1 屋内外方向
X2 左右方向
X3 上下方向
【手続補正書】
【提出日】2022-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四方を枠組みして構成され、建物の開口部に沿って設けられる枠体と、前記枠体内で左右方向にスライド可能に配置される障子と、を備え、前記障子の全閉時及び全開時の少なくとも一方のときに屋内視で前記枠体の縦枠に前記障子の戸先框が隠れる建具であって、
前記戸先框を縦枠側に引き込ませる引寄せ機構を設け、
前記障子の全開操作時において、
前記引寄せ機構による前記障子の引き込み開始位置は、前記障子を開く方向で、かつ前記障子の全開時において前記縦枠に前記戸先框が隠れる領域に重なる手前の位置であることを特徴とする建具。
【請求項2】
前記障子の全閉操作時において、
前記引寄せ機構による前記障子の引き込み開始位置は、前記障子を閉じる方向で、かつ前記障子の全閉時において前記縦枠に前記戸先框が隠れる領域に重なる手前の位置である請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記引寄せ機構による前記障子の引き込み開始位置は、前記障子の全閉時において前記縦枠に前記戸先框が隠れる領域内に設けられる請求項1に記載の建具。
【請求項4】
前記引寄せ機構による前記障子の引き込み開始位置は、前記障子の全開時において前記縦枠に前記戸先框が隠れる領域内に設けられる請求項1に記載の建具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る建具は、四方を枠組みして構成され、建物の開口部に沿って設けられる枠体と、前記枠体内で左右方向にスライド可能に配置される障子と、を備え、前記障子の全閉時及び全開時の少なくとも一方のときに屋内視で前記枠体の縦枠に前記障子の戸先框が隠れる建具であって、前記戸先框を縦枠側に引き込ませる引寄せ機構を設け、前記障子の全開操作時において、前記引寄せ機構による前記障子の引き込み開始位置は、前記障子を開く方向で、かつ前記障子の全開時において前記縦枠に前記戸先框が隠れる領域に重なる手前の位置であることを特徴としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明によれば、隠し框構造において障子を閉じる際、又は開く際に、障子を所定位置に移動させたときに、引寄せ機構が作動して障子を縦枠側に引き込むことができる。そして、障子の引寄せ機構による引き込み終点位置を全閉又は全開となる位置に設定することで、障子の閉じた状態、又は開いた状態を目視によって確認することなく障子を確実に閉鎖することができる。
また、本発明では、前述したように引寄せ機構によって隠し框部で障子が開閉方向に自動的に引き寄せられるので、戸先框に手掛けることなく引き寄せることが可能となる。そのため、戸先框の屋内側の面等に手掛け部を省略できる構成とすることができる。
また、本発明では、障子を全開操作する際に、前記領域(隠し框部)に戸先框を進入させる手前の位置まで障子を開く方向に移動させることで、引寄せ機構が作動して障子を縦枠側に引き込み全開状態にすることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】