(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066579
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
H01F 27/36 20060101AFI20220421BHJP
H01F 17/00 20060101ALI20220421BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20220421BHJP
【FI】
H01F27/36 101
H01F17/00 B
H01F17/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038481
(22)【出願日】2022-03-11
(62)【分割の表示】P 2020022723の分割
【原出願日】2020-02-13
(31)【優先権主張番号】10-2019-0086176
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ユーン、チャン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドン ジン
(72)【発明者】
【氏名】アン、ヨン ギュ
(57)【要約】
【課題】ノイズを容易に除去することができるコイル部品を提供する。
【解決手段】本発明の一側面によるコイル部品は、本体と、上記本体に埋設された支持基板と、上記支持基板の少なくとも一面上に配置され、両端部がそれぞれ上記本体の表面に露出したコイル部と、上記支持基板の少なくとも一面上に配置され、上記コイル部と離隔され、開ループ(open-loop)を形成し、一端部が上記本体の表面に露出したノイズ除去部と、上記コイル部と上記ノイズ除去部の間に配置された絶縁層と、上記本体の表面に配置され、上記コイル部の両端部とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極と、上記本体の表面に配置され、上記ノイズ除去部の一端部と連結される第3外部電極と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に埋設された支持基板と、
前記支持基板の一方の面上に配置され、一端が前記本体の表面に露出した第1コイルパターン、及び、前記支持基板の他方の面上に配置され、一端が前記本体の表面に露出した第2コイルパターンと、
前記第1コイルパターンと離隔され、前記本体の厚さ方向において前記第1コイルパターンの前記支持基板が配置される側とは反対側に配置され、開ループ(open-loop)を形成し、一端が前記本体の表面に露出した第1ノイズ除去パターン、及び、前記第2コイルパターンと離隔され、前記本体の厚さ方向において前記第2コイルパターンの前記支持基板が配置される側とは反対側に配置され、開ループ(open-loop)を形成し、一端が前記本体の表面に露出した第2ノイズ除去パターンと、
前記本体の表面に配置され前記第1コイルパターンの前記一端と連結される第1外部電極、及び、前記本体の表面に配置され前記第2コイルパターンの前記一端と連結される第2外部電極と、
前記本体の表面に配置され、前記第1ノイズ除去パターンの前記一端または前記第2ノイズ除去パターンの前記一端と連結される第3外部電極と、
を含むコイル部品。
【請求項2】
前記第1ノイズ除去パターンは、スリットが形成された環状に形成され、
前記第1ノイズ除去パターンの前記一端は、前記環状に形成された前記第1ノイズ除去パターンの径方向に、前記第1ノイズ除去パターンの外周側の端部から突出している、
請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記スリットは、前記環状に形成された前記第1ノイズ除去パターンの内周側の端部から外周側の端部にわたり前記径方向に形成され、
前記本体の厚さ方向に見た場合において、前記第1ノイズ除去パターンの前記一端の一つの辺は、前記スリットにおける互いに対向する二つの辺のうちの一方の辺の延長線上に配置される、
請求項2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記本体は、前記支持基板、前記第1コイルパターン、前記第2コイルパターン、前記第1ノイズ除去パターン及び前記第2ノイズ除去パターンを貫通するコアを含み、
前記支持基板の主面に沿う方向における、前記コアの一方側の前記第1ノイズ除去パターンから他方側の前記第1ノイズ除去パターンまでの前記コアの幅が、前記コアの一方側の前記第1コイルパターンから他方側の前記第1コイルパターンまでの前記コアの幅よりも大きい、
請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記第1コイルパターン及び前記第1ノイズ除去パターンは、前記コアを軸に平面スパイラル状に形成され、
前記本体の厚さ方向の断面において、前記支持基板の主面に沿う方向における前記コアの一方側に、前記支持基板の主面に沿う方向に並んだ複数の前記第1コイルパターン及び複数の前記第1ノイズ除去パターンが配置され、
前記本体の厚さ方向に見た場合において、一つの前記第1ノイズ除去パターンの少なくとも一部は、複数の前記第1コイルパターンのそれぞれの少なくとも一部と重なる、
請求項4に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記コアの前記一方側に配置された複数の前記第1コイルパターンの数と複数の前記第1ノイズ除去パターンの数とが異なる、請求項5に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記コアの前記一方側に配置された複数の前記第1ノイズ除去パターンの数は、前記コアの前記一方側に配置された複数の前記第1コイルパターンの数よりも少ない、請求項6に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記支持基板の主面に沿う方向における、一つの前記第1コイルパターンの幅と、一つの前記第1ノイズ除去パターンの幅とが異なる、請求項5から7のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記支持基板の主面に沿う方向における一つの前記第1ノイズ除去パターンの幅は、前記支持基板の主面に沿う方向における一つの前記第1コイルパターンの幅よりも大きい、請求項8に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コイル部品のうちの一つであるインダクタ(inductor)は、抵抗(Resistor)及びキャパシタ(Capacitor)とともに電子機器に用いられる代表的な受動電子部品である。
【0003】
電子機器が徐々に高性能化し、小さくなるにつれて、電子機器に用いられる電子部品は、その数が増加して小型化している。
【0004】
上述した理由から、コイル部品のEMI(Electro Magnetic Interference)のようなノイズを除去することに対する必要性が次第に増加しつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2017-0026135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ノイズを容易に除去することができるコイル部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によると、本体と、上記本体に埋設された支持基板と、上記支持基板の少なくとも一面上に配置され、両端部がそれぞれ上記本体の表面に露出したコイル部と、上記支持基板の少なくとも一面上に配置され、上記コイル部と離隔され、開ループ(open-loop)を形成し、一端部が上記本体の表面に露出したノイズ除去部と、上記コイル部と上記ノイズ除去部の間に配置された絶縁層と、上記本体の表面に配置され、上記コイル部の両端部とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極と、上記本体の表面に配置され、上記ノイズ除去部の一端部と連結される第3外部電極と、を含むコイル部品が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によると、ノイズを容易に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施例によるコイル部品を概略的に示す図である。
【
図2】
図1の上面から見た様子を概略的に示す図である。
【
図3】
図1のI-I'線に沿った断面を示す図である。
【
図4】
図1のII-II'線に沿った断面を示す図である。
【
図5】本発明の第1実施例の一変形例によるコイル部品を概略的に示すものであって、
図1のII-II'線に沿った断面に対応する図である。
【
図6】本発明の第1実施例の他の変形例によるコイル部品を概略的に示すものであって、
図1のII-II'線に沿った断面に対応する図である。
【
図7】本発明の第1実施例のさらに他の変形例によるコイル部品を概略的に示すものであって、
図1のII-II'線に沿った断面に対応する図である。
【
図8】本発明の第2実施例によるコイル部品を概略的に示す図である。
【
図9】
図8を上面から見た様子を概略的に示す図である。
【
図10】
図8のIII-III'線に沿った断面を示す図である。
【
図11】
図8のIV-IV'線に沿った断面を示す図である。
【
図12】本発明の第2実施例の一変形例によるコイル部品を概略的に示すものであって、
図8のIV-IV'線に沿った断面に対応する図である。
【
図13】本発明の第2実施例の他の変形例によるコイル部品を概略的に示すものであって、
図8のIV-IV'線に沿った断面に対応する図である。
【
図14】本発明の第2実施例のさらに他の変形例によるコイル部品を概略的に示すものであって、
図8のIV-IV'線に沿った断面に対応する図である。
【
図15】従来のコイル部品の信号伝達特性(S-parameter)を示す図である。
【
図16】本発明の第1実施例によるコイル部品の信号伝達特性(S-parameter)を示す図である。
【
図17】本発明の第2実施例によるコイル部品の信号伝達特性(S-parameter)を示す図である。
【
図18】閉ループ(closed-loop)形態のノイズ除去部を含むコイル部品の信号伝達特性(S-parameter)を示す図である。
【
図19】本発明の第3実施例によるコイル部品を概略的に示す図である。
【
図21】本発明の第3実施例の一変形例によるコイル部品を概略的に示すものであって、
図19のV-V'線に沿った断面に対応する図である。
【
図22】本発明の第4実施例によるコイル部品を概略的に示す図である。
【
図23】
図22のVI-VI'線に沿った断面を示す図である。
【
図24】
図22のVII-VII'線に沿った断面を示す図である。
【
図25】本発明の第4実施例に適用される支持基板、コイル部、及びノイズ除去部の連結関係を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で用いられた用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などという用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためのものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。また、明細書全体において、「上に」とは、対象部分の上又は下に位置することを意味するものであり、必ずしも重力方向を基準に上側に位置することを意味するものではない。
【0011】
また、結合とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素間に物理的に直接接触している場合だけを意味するのではなく、他の構成が各構成要素間に介在して、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合までを包括する概念として使用する。
【0012】
図面に示された各構成のサイズ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであるため、本発明は必ずしも図示されたものに限定されない。
【0013】
図面において、X方向は第1方向又は長さ方向、Y方向は第2方向又は幅方向、Z方向は第3方向又は厚さ方向と定義することができる。
【0014】
以下、添付の図面を参照し、本発明の実施例よるコイル部品について説明する。添付図面を参照して説明するにあたり、同一であるか、又は対応する構成要素に対しては同一の図面符号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
【0015】
電子機器には、様々な種類の電子部品が用いられるが、このような電子部品の間には、ノイズ除去などを目的に、様々な種類のコイル部品が適切に用いられることができる。
【0016】
すなわち、電子機器のコイル部品は、パワーインダクタ(Power Inductor)、高周波インダクタ(HF Inductor)、通常のビーズ(General Bead)、高周波用ビーズ(GHz Bead)、コモンモードフィルタ(Common Mode Filter)などで用いられることができる。
【0017】
(第1実施例及びその変形例)
図1は本発明の第1実施例によるコイル部品を概略的に示す図であり、
図2は
図1の上面から見た様子を概略的に示す図であり、
図3は
図1のI-I'線に沿った断面を示す図であり、
図4は
図1のII-II'線に沿った断面を示す図である。一方、
図1には、他の構成間の結合をより明確に図示するために、本実施例に適用される絶縁層は示されていない。
【0018】
図1~
図4を参照すると、本発明の第1実施例によるコイル部品1000は、本体100、支持基板200、コイル部300、絶縁層410、420、ノイズ除去部500、及び第1~第4外部電極610、620、630、640を含み、絶縁膜IFをさらに含むことができる。
【0019】
本体100は、本実施例によるコイル部品1000の外観をなし、内部にコイル部300を埋設する。
【0020】
本体100は、全体的に六面体状に形成することができる。
【0021】
本体100は、
図1を基準に、長さ方向Xに互いに向かい合う第1面101及び第2面102、幅方向Yに向かい合う第3面103及び第4面104、厚さ方向Zに向かい合う第5面105及び第6面106を含む。本体100の第1面~第4面101、102、103、104はそれぞれ、本体100の第5面105と第6面106を連結する本体100の壁面に該当する。以下では、本体100の両端面は本体の第1面101及び第2面102を意味し、本体100の両側面は本体の第3面103及び第4面104を意味することができる。また、本体100の一面及び他面はそれぞれ、本体100の第6面106及び第5面105を意味することができる。
【0022】
本体100は、例示的に、後述する外部電極610、620、630、640が形成された本実施例によるコイル部品1000が2.0mmの長さ、1.2mmの幅、及び0.65mmの厚さを有するように形成されることができるが、これに制限されるものではない。一方、上述した数値は、工程誤差などが反映されていない設計上の数値に過ぎないため、工程誤差と認められることができる範囲までは本発明の範囲に属すると言える。
【0023】
本体100は、磁性材料及び樹脂を含むことができる。具体的には、本体100は、樹脂、及び樹脂に分散した磁性材料を含む磁性複合シートを一層以上積層して形成されることができる。但し、本体100は、磁性材料が樹脂に分散した構造に加えて、他の構造を有することもできる。例えば、本体100は、フェライトのような磁性材料からなることもできる。
【0024】
磁性材料はフェライト又は金属磁性粉末であることができる。
【0025】
フェライト粉末は、例えば、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系などのスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba-Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系などの六方晶型フェライト類、Y系などのガーネット型フェライト、及びLi系フェライトのうち少なくとも一つ以上であってもよい。
【0026】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、及びニッケル(Ni)からなる群より選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Ni-Co系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Si-Cu-Nb系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末のうち少なくとも一つ以上であることができる。
【0027】
金属磁性粉末は、非晶質又は結晶質であることができる。例えば、金属磁性粉末は、Fe-Si-B-Cr系非晶質合金粉末であってもよいが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0028】
フェライト及び金属磁性粉末はそれぞれ、平均直径が約0.1μm~30μmであってもよいが、これに制限されるものではない。
【0029】
本体100は、樹脂に分散した2種類以上の磁性材料を含むことができる。ここで、磁性材料が異なる種類とは、樹脂に分散した磁性材料が平均直径、組成、結晶性、及び形状のうち少なくとも一つで互いに区別されることを意味する。
【0030】
樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独又は混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0031】
本体100は、後述するコイル部300及び支持基板200を貫通するコア110を含む。コア110は、磁性複合シートがコイル部300の貫通孔を充填することによって形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0032】
支持基板200は本体100に埋設される。支持基板200は、後述するコイル部300を支持する。
【0033】
支持基板200は、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可塑性絶縁樹脂又は感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成されるか、このような絶縁樹脂とガラス繊維や無機フィラーのような補強材を含む絶縁材料で形成されることができる。一例として、支持基板200は、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、PID(Photo Imageable Dielectric)、銅箔積層板(Copper Clad Laminate、CCL)などの絶縁材料で形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0034】
無機フィラーとして、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO4)、タルク、泥、マイカ粉、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、及びジルコン酸カルシウム(CaZrO3)からなる群より選択された少なくとも一つ以上が用いられることができる。
【0035】
支持基板200が補強材を含む絶縁材料で形成される場合、支持基板200は、より優れた剛性を提供することができる。支持基板200がガラス繊維を含まない絶縁材料で形成される場合、支持基板200は、コイル部300の全厚さを薄型化するのに有利である。
【0036】
コイル部300は、本体100に埋設されて、コイル部品の特性を発現する。例えば、本実施例のコイル部品1000がパワーインダクタとして活用される場合、コイル部300は、電場を磁場で保存して出力電圧を維持することにより、電子機器の電源を安定させる役割を果たすことができる。
【0037】
コイル部300は、支持基板200の両面のうち少なくとも一つに形成され、少なくとも一つのターン(turn)を形成する。本実施例の場合、コイル部300は、本体100の厚さ方向Zに互いに向かい合う支持基板200の両面にそれぞれ形成された第1及び第2コイルパターン311、312と、第1及び第2コイルパターン311、312を互いに連結するように支持基板200を貫通するビア320と、を含む。
【0038】
第1コイルパターン311及び第2コイルパターン312はそれぞれ、コア110を軸に、少なくとも一つのターン(turn)を形成した平面スパイラル状であることができる。一例として、
図3の方向を基準に、第1コイルパターン311は、支持基板200の下面においてコア110を軸に少なくとも一つのターン(turn)を形成することができ、第2コイルパターン312は、支持基板200の上面においてコア110を軸に少なくとも一つのターン(turn)を形成することができる。
【0039】
第1及び第2コイルパターン311、312の端部はそれぞれ、後述する第1及び第2外部電極610、620と連結される。すなわち、一例として、第1コイルパターン311の端部は本体100の第1面101に露出するように延長され、第2コイルパターン312の端部は本体100の第2面102に露出するように延長され、結果として、本体100の第1面及び第2面101、102にそれぞれ形成された第1及び第2外部電極610、620と接触連結されることができる。この場合、端部を含むコイルパターン311、312はそれぞれ、一体に形成されることができる。
【0040】
コイルパターン311、312、及びビア320のうち少なくとも一つは、少なくとも一つ以上の導電層を含むことができる。
【0041】
一例として、第2コイルパターン312及びビア320を支持基板200の他面側にめっきで形成する場合、第2コイルパターン312及びビア320はそれぞれシード層及び電解めっき層を含むことができる。シード層は、無電解めっき法やスパッタリングなどの気相蒸着法で形成されることができる。シード層及び電解めっき層はそれぞれ、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造の電解めっき層は、いずれか一方の電解めっき層をいずれか他方の電解めっき層がカバーするコンフォーマル(conformal)な膜構造で形成されることもでき、いずれか一方の電解めっき層の一面にのみいずれか他方の一つの電解めっき層が積層された形状に形成されることもできる。第2コイルパターン312のシード層及びビア320のシード層は、一体に形成されて相互間に境界が形成されなくてもよいが、これに制限されるものではない。また、第2コイルパターン312の電解めっき層及びビア320の電解めっき層は、一体に形成されて相互間に境界が形成されなくてもよいが、これに制限されるものではない。
【0042】
他の例として、
図3及び
図4の方向を基準に、支持基板200の下面側に配置された第1コイルパターン311、及び支持基板200の上面側に配置された第2コイルパターン312を互いに別に形成した後、支持基板200に一括積層し、コイル部300を形成する場合、ビア320は、高融点金属層、及び高融点金属層の融点よりも低い融点を有する低融点金属層を含むことができる。ここで、低融点金属層は、鉛(Pb)及び/又はスズ(Sn)を含むはんだで形成されることができる。低融点金属層は、一括積層時の圧力及び温度により、少なくとも一部が溶融することができる。これにより、低融点金属層と第2コイルパターン312の間の境界、及び低融点金属層と高融点金属層の間の境界のうち少なくとも一部には、金属間化合物層(Inter Metallic Compound Layer、IMC Layer)が形成されることができる。
【0043】
コイルパターン311、312は、一例として、
図3及び
図4の方向を基準に、支持基板200の下面及び上面からそれぞれ突出するように形成されることができる。他の例として、
図3及び
図4の方向を基準に、第1コイルパターン311は、支持基板200の下面に突出するように形成され、第2コイルパターン312は、支持基板200に埋め込まれ、且つ上記第2コイルパターン312の上面が支持基板200の上面に露出することができる。この場合、第2コイルパターン312の上面には凹部が形成され、支持基板200の上面と第2コイルパターン312の上面は同一平面上に位置しなくてもよい。他の例として、
図3及び
図4の方向を基準に、第2コイルパターン312は、支持基板200の上面に突出するように形成され、第1コイルパターン311は、支持基板200の下面に埋め込まれ、且つ支持基板200の下面に露出することができる。この場合、第1コイルパターン311の下面には凹部が形成され、支持基板200の下面と第1コイルパターン311の下面は同一平面上に位置しなくてもよい。
【0044】
コイルパターン311、312及びビア320はそれぞれ、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これに限定されるものではない。
【0045】
絶縁膜IFは、第1コイルパターン311、支持基板200、及び第2コイルパターン312の表面に沿って形成される。絶縁膜IFは、各コイルパターン311、312を保護し、且つ絶縁させるためのものであって、パリレンなどの公知の絶縁材料を含む。絶縁膜IFに含まれる絶縁材料は、いかなるものであっても可能であり、特に制限されない。絶縁膜IFは、気相蒸着などの方法で形成されることができるが、これに制限されるものではない。本実施例の場合、絶縁膜IFに後述する絶縁層410、420が形成されるため、絶縁膜IFは、支持基板200と絶縁層410、420の間、及びコイルパターン311、312と絶縁層410、420の間に配置される。
【0046】
絶縁層410、420は、コイル部300と後述するノイズ除去部500の間に配置される。一例として、
図3及び
図4に示すように、本実施例の場合、第1絶縁層410は、第1コイルパターン311上に配置され、第1コイルパターン311と第1ノイズ削除パターン510の間に配置される。第2絶縁層420は、第2コイルパターン312上に配置され、第2コイルパターン312と第2ノイズ除去パターン520の間に配置されることができる。
【0047】
絶縁層410、420は、コイル部300及び後述する絶縁膜IFが形成された支持基板200の両面に絶縁フィルムをそれぞれ積層することにより形成することができる。絶縁フィルムは、ABF(Ajinomoto Build-up Film)やプリプレグ(prepreg)などの通常の非感光性絶縁フィルムであるか、ドライフィルム(dry-film)又はPIDのような感光性絶縁フィルムであることができる。絶縁層410、420は、絶縁膜IFとともに、コイル部300のコイルパターン311、312と、ノイズ除去部500のノイズ除去パターン510、520が互いに電界結合(capacitive coupled)されることによって誘電体層として機能する。
【0048】
ノイズ除去部500は、部品に伝達されるノイズ及び/又は部品から発生するノイズを実装基板などに排出するために、本体100内に配置される。具体的には、ノイズ除去部500は、本体100に埋設されてコイル部300上に配置され、開ループ(open-loop)を形成し、一端が本体100の表面に露出する。本実施例の場合、第1ノイズ除去パターン510は、第1絶縁層410に配置されて第1コイルパターン311上に配置され、第2ノイズ除去パターン520は、第2絶縁層420に配置されて第2コイルパターン312上に配置される。第1及び第2ノイズ除去パターン510、520を含むノイズ除去部500は、絶縁層410、420を介してコイル部300と電界結合(capacitive coupled)される。
【0049】
ノイズ除去部500は開ループ(open-loop)を形成する。具体的には、第1及び第2ノイズ除去パターン510、520はそれぞれ、本体100の第3面に露出した一端部から延長された他端部が一端部と離隔されるように配置される。これにより、本実施例の場合、第1及び第2ノイズ除去パターン510、520はそれぞれ、第1及び第2コイルパターン311、312のそれぞれに対応する形のスリットSが形成された環状に形成されることができる。
【0050】
第1及び第2ノイズ除去パターン510、520はそれぞれ、コイル部300が配置された領域に対応するように配置される。一例として、
図1、
図2、及び
図4を参照すると、第2ノイズ除去パターン520のうち本体100の第3面103側に配置された領域の線幅は、第2コイルパターン312の第3面103側に配置された領域の最内側ターンと最外側ターンの間の距離と類似の値を有することができる。ノイズ除去部500がコイル部300に対応する領域に配置されるため、ノイズを容易に除去するとともに、本体100内で磁性材料の減少を最小化することができる。これにより、磁性材料の減少による部品の特性劣化を最小限に抑えることができる。
【0051】
ノイズ除去部500の一端部は本体100の表面である第3面103に露出する。ノイズ除去部500の一端部は、本体100の第3面103に配置された後述する第3外部電極630と接触連結されることができる。具体的には、本実施例の場合、第1及び第2ノイズ除去パターン510、520のそれぞれの一端部は、本体100の第3面103に露出し、第3外部電極630とすべて連結される。第3外部電極630は、本実施例によるコイル部品1000が実装基板などに実装される場合には実装基板の接地と連結されるか、本実施例によるコイル部品1000が電子部品パッケージ内にパッケージングされる場合には電子部品パッケージの接地と連結されることができる。本実施例の場合、本体100の第4面104に配置された第4外部電極640を含むことができる。第4外部電極640は、本実施例において、非接触端子として用いられて実装基板などの接地と連結されるか、パッケージの接地と連結されることができる。
【0052】
ノイズ除去パターン510、520は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されることができるが、これに限定されるものではない。ノイズ除去パターン510、520及びスリットSは、無電解めっき法、電解めっき法、スパッタリングなどの気相蒸着法、及びエッチング法のうち少なくとも一つを含む方法で形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0053】
第1及び第2外部電極610、620は、本体100の第1面及び第2面101、102にそれぞれ配置され、第1及び第2コイルパターン311、312とそれぞれ連結される。すなわち、第1外部電極610は、本体100の第1面101に配置され、本体100の第1面101に露出した第1コイルパターン311の端部と接触連結される。第2外部電極620は、本体100の第2面102に配置され、本体100の第2面102に露出した第2コイルパターン312の端部と接触連結される。第1及び第2外部電極610、620はそれぞれ、本体100の第1面及び第2面101、102から本体100の第6面に延長するように形成されることができる。また、第1及び第2外部電極610、620はそれぞれ、本体100の第1面及び第2面101、102から本体100の第3面、第4面、及び第5面103、104、105のそれぞれの一部に延長するように形成されることができる。但し、
図1などに示された第1及び第2外部電極610、620の形態は、例示的なものに過ぎないため、外部電極610、620はそれぞれ、本体100の第3面、第4面、及び第5面103、104、105のそれぞれの一部に延長されていない形態、すなわち、L字状など多様に変形することができる。
【0054】
第1及び第2外部電極610、620は、本実施例によるコイル部品1000がプリント回路基板などの実装基板に実装されるとき、コイル部品1000を実装基板と電気的に連結させる。一例として、本実施例によるコイル部品1000は、本体100の第6面106がプリント回路基板の上面に向かうように実装されることができるが、本体100の第6面106に延長形成された外部電極610、620とプリント回路基板の接続部がはんだなどの導電性結合部材によって電気的に連結されることができる。
【0055】
第1~第4外部電極610、620、630、640は、導電性樹脂層及び電解めっき層のうち少なくとも一つを含むことができる。導電性樹脂層は、ペースト印刷などで形成されることができ、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、及び銀(Ag)からなる群より選択されたいずれか一つ以上の導電性金属及び熱硬化性樹脂を含むことができる。電解めっき層は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びスズ(Sn)からなる群より選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。
【0056】
図15は従来のコイル部品の信号伝達特性(S-parameter)を示す図であり、
図16は本発明の第1実施例によるコイル部品の信号伝達特性(S-parameter)を示す図であり、
図18は閉ループ(closed-loop)形態のノイズ除去部を含むコイル部品の信号伝達特性(S-parameter)を示す図である。
図15、
図16、及び
図18のそれぞれにおいて、実線は、入力反射係数、すなわちS
11を示し、点線は、入力端から出力端への透過係数、すなわちS
21を示す。
図15を参照すると、本実施例とは異なり、部品内にノイズ除去部が形成されていない従来のコイル部品は、直流から低周波の信号は比較的円滑に通過させるものの、共振周波数(Self Resonance Frequency、SRF)以上の周波数ではノイズ除去効果が急激に低下する。これとは異なり、
図16を参照すると、本実施例によるコイル部品1000は、従来のコイル部品のように、直流から低周波の信号は比較的円滑に通過させるものの、それ以上の不要な高周波のノイズは、従来のコイル部品と比較すると、効果的に阻止できることが分かる。一方、
図18を参照すると、ノイズ除去部が、本実施例とは異なり、閉ループ(closed-loop)を成す場合には、ノイズを外部に除去できず、結果として、ノイズ除去効果が比較的低いことが分かる。
【0057】
図5は、本発明の第1実施例の一変形例によるコイル部品を概略的に示すものであって、
図1のII-II'線に沿った断面に対応する図であり、
図6は、本発明の第1実施例の他の変形例によるコイル部品を概略的に示すものであって、
図1のII-II'線に沿った断面に対応する図であり、
図7は、本発明の第1実施例のさらに他の変形例によるコイル部品を概略的に示すものであって、
図1のII-II'線に沿った断面に対応する図である。
【0058】
図5を参照すると、本実施例の一変形例の場合、第1ノイズ除去パターン510の一端部は本体100の第4面104に露出し、第2ノイズ除去パターン520の一端部は本体100の第3面103に露出する。そして、第1ノイズ除去パターン510の一端部は本体100の第4面104に配置された第4外部電極640と接触連結され、第2ノイズ除去パターン520の一端部は本体100の第3面103に配置された第3外部電極630と接触連結される。これにより、本変形例の場合、実装基板などの接地と連結される第3及び第4外部電極630、640のうちいずれか一つが実装基板と連結されなくても、ノイズを除去することができる。
【0059】
図6を参照すると、本実施例の他の変形例の場合、ノイズ除去部500、520は、第2コイルパターン312上にのみ配置されることができる。ノイズ除去部に対する必要性が比較的低い場合には、支持基板200の両面のうちいずれか一つ上にのみノイズ除去部を選択的に形成することにより、材料コストを削減することができ、同一のサイズの部品内において磁性材料の割合を相対的に高めることにより部品の特性を向上させることができる。
【0060】
図7を参照すると、本実施例のさらに他の変形例の場合、絶縁膜IFは、支持基板200、コイルパターン311、312、絶縁層410、420、及びノイズ除去パターン510、520の表面に沿って形成されることができる。本変形例は、本発明の一実施例と比較すると、絶縁膜IFの形成時点において差がある。すなわち、本変形例の場合、支持基板200上にコイルパターン311、312、絶縁層410、420、及びノイズ除去パターン510、520を形成してからトリミングを行い、トリミング後に、絶縁膜IFを形成することができる。本変形例は、本発明の一実施例と比較すると、トリミング工程の回数を減らすことができるという観点において差がある。
【0061】
(第2実施例及びその変形例)
図8は本発明の第2実施例によるコイル部品を概略的に示す図であり、
図9は
図8を上面から見た様子を概略的に示す図であり、
図10は
図8のIII-III'線に沿った断面を示す図であり、
図11は
図8のIV-IV'線に沿った断面を示す図である。一方、
図8には、他の構成間の結合をより明確に図示するために、本実施例に適用される絶縁層は示されていない。
【0062】
図1~
図4、及び
図8~
図11を参照すると、本実施例によるコイル部品2000は、本発明の第1実施例によるコイル部品1000と比較すると、ノイズ除去部500の形状が異なる。したがって、本実施例を説明するにあたり、本発明の第1実施例と異なるノイズ除去部500についてのみ説明する。本実施例の残りの構成には、本発明の第1実施例についての説明がそのまま適用されることができる。
【0063】
図8~
図11を参照すると、本実施例に適用されるノイズ除去部500は、平面スパイラル状に形成される。すなわち、第1及び第2ノイズ除去パターン510、520はそれぞれ平面スパイラル状に形成される。これにより、第1及び第2ノイズ除去パターン510、520はそれぞれ、第1及び第2コイルパターン311、312と同様に、複数のターン(turn)を有することができる。
【0064】
この場合、コイル部300及びノイズ除去部500は、最内側ターン(turn)から最外側ターン(turn)に向かう巻線方向が互いに同一であることができる。一例として、
図8の方向を基準に、
図8の上面から見たとき、第2コイルパターン312の最内側ターンから最外側ターンに至る巻線方向と、第2ノイズ除去パターン520の最内側ターンから最外側ターンに至る巻線方向は同一であることができる。また、
図8の方向を基準に、
図8の下面から見たとき、第1コイルパターン311の最内側ターンから最外側ターンに至る巻線方向と、第1ノイズ除去パターン510の最内側ターンから最外側ターンに至る巻線方向は同一であることができる。第1及び第2ノイズ除去パターン510、520と、第1及び第2コイルパターン311、312の巻線方向が互いに異なる場合にはノイズ除去効果が低減される可能性がある。
【0065】
図17は本発明の第2実施例によるコイル部品の信号伝達特性(S-parameter)を示す図である。
図17において、実線は、入力反射係数、すなわちS
11を示し、点線は、入力端から出力端への透過係数、すなわちS
21を示す。
図15を参照すると、本実施例とは異なり、部品内にノイズ除去部が形成されていない従来のコイル部品は、直流から比較的低周波の信号は円滑に通過させるものの、共振周波数(Self Resonance Frequency、SRF)以上の周波数ではノイズ除去効果が急激に低下する。これとは異なり、
図17を参照すると、本実施例によるコイル部品2000は、従来のコイル部品のように、直流から低周波の信号は比較的円滑に通過させるものの、それ以上の不要な高周波のノイズは、従来のコイル部品と比較すると、効果的に阻止できることが分かる。一方、
図18を参照すると、ノイズ除去部が本実施例とは異なり、閉ループ(closed-loop)を成す場合には、ノイズを外部に除去できず、結果として、ノイズ除去効果が比較的低いことが分かる。
【0066】
図12は、本発明の第2実施例の一変形例によるコイル部品を概略的に示すものであって、
図8のIV-IV'線に沿った断面に対応する図であり、
図13は、本発明の第2実施例の他の変形例によるコイル部品を概略的に示すものであって、
図8のIV-IV'線に沿った断面に対応する図であり、
図14は、本発明の第2実施例のさらに他の変形例によるコイル部品を概略的に示すものであって、
図8のIV-IV'線に沿った断面に対応する図である。
【0067】
図12を参照すると、本実施例の一変形例の場合、第1ノイズ除去パターン510の一端部は本体100の第4面104に露出し、第2ノイズ除去パターン520の一端部は本体100の第3面103に露出する。そして、第1ノイズ除去パターン510の一端部は、本体100の第4面104に配置された第4外部電極640と接触連結され、第2ノイズ除去パターン520の一端部は、本体100の第3面103に配置された第3外部電極630と接触連結される。これにより、本変形例の場合、実装基板などの接地と連結される第3及び第4外部電極630、640のうちいずれか一つが実装基板と連結されなくても、ノイズを除去することができる。
【0068】
図13を参照すると、本実施例の他の変形例の場合、ノイズ除去部500、520は、第2コイルパターン312上にのみ配置されることができる。ノイズ除去部に対する必要性が比較的低い場合には、支持基板200の両面のうちいずれか一つ上にのみノイズ除去部を選択的に形成することにより、材料コストを削減することができ、同一のサイズの部品内において磁性材料の割合を相対的に高めることにより部品の特性を向上させることができる。
【0069】
図14を参照すると、本実施例のさらに他の変形例の場合、絶縁膜IFは、支持基板200、コイルパターン311、312、絶縁層410、420、及びノイズ除去パターン510、520の表面に沿って形成されることができる。本変形例は、本発明の一実施例と比較すると、絶縁膜IFの形成時点において差がある。すなわち、本変形例の場合、支持基板200上にコイルパターン311、312、絶縁層410、420、及びノイズ除去パターン510、520を形成してからトリミングを行い、トリミング後に、絶縁膜IFを形成することができる。本変形例は、本発明の一実施例と比較すると、トリミング工程の回数を減らすことができるという観点において差がある。
【0070】
(第3実施例及びその変形例)
図19は本発明の第3実施例によるコイル部品を概略的に示す図であり、
図20は
図19のV-V'線に沿った断面を示す図である。一方、
図19には、他の構成間の結合をより明確に図示するために、本実施例に適用される絶縁層は示されていない。
【0071】
図1~
図4、及び
図19~
図20を参照すると、本実施例によるコイル部品3000は、本発明の第1実施例によるコイル部品1000と比較すると、第3及び第4外部電極630、640の形状が異なる。したがって、本実施例を説明するにあたり、本発明の第1実施例と異なる第3及び第4外部電極630、640についてのみ説明する。本実施例の残りの構成には、本発明の第1実施例についての説明がそのまま適用されることができる。
【0072】
図19及び
図20を参照すると、本実施例に適用される第3及び第4外部電極630、640は、本体100の第6面106上において互いに連結される。
【0073】
具体的には、第3外部電極630の本体100の第6面106に延長された端部と、第4外部電極640の本体100の第6面106に延長された端部が接触連結される。本実施例によるコイル部品3000がプリント回路基板などの実装基板に実装されるとき、本体100の第6面106は実装面となる。一方、実装基板の表面には、部品などの連結のために、複数の信号パッド及び複数の接地パッドが形成されることができる。本実施例の場合、第3及び第4外部電極630、640を本体100の第6面106上において互いに連結させた形で形成することにより、実装基板の接地パッドとノイズ除去パターン510、520がより容易に連結されるようにすることができる。すなわち、実装工程時の容易性を増加させることができる。
【0074】
図21は、本発明の第3実施例の一変形例によるコイル部品を概略的に示すものであって、
図19のV-V'線に沿った断面に対応する図である。
【0075】
図21を参照すると、本変形例に適用される第3及び第4外部電極630、640は、本体100の第3面、第6面、第4面、及び第5面103、106、104、105を取り囲む形で形成される。本変形例の場合、ノイズ除去パターン510、520と連結される第3及び第4外部電極630、640を本体100の表面により容易に形成することができる。すなわち、スクリーン印刷などの印刷法で第3及び第4外部電極630、640を容易に形成することができる。又は、めっき法で第3及び第4外部電極630、640を形成しても、めっきレジストを比較的単純にパターニングすることにより、第3及び第4外部電極630、640を容易に形成することができる。
【0076】
一方、図示されていないが、本実施例の場合にも、本発明の第1実施例の変形例と同様に変形することが可能である。
【0077】
(第4実施例)
図22は本発明の第4実施例によるコイル部品を概略的に示す図であり、
図23は
図22のVI-VI'線に沿った断面を示す図であり、
図24は
図22のVII-VII'線に沿った断面を示す図であり、
図25は本発明の第4実施例に適用される支持基板、コイル部、及びノイズ除去部の連結関係を概略的に示す図である。一方、
図22及び
図25には、他の構成間の結合をより明確に図示するために、本実施例に適用される絶縁層は示されていない。
【0078】
図1~
図4、及び
図22~
図25を参照すると、本実施例によるコイル部品4000は、本発明の第1実施例によるコイル部品1000と比較すると、コイル部300及びノイズ除去部500の配置関係が異なる。したがって、本実施例を説明するにあたり、本発明の第1実施例と異なるコイル部300及びノイズ除去部500の配置関係のみについて説明する。本実施例の残りの構成には、本発明の第1実施例における説明がそのまま適用されることができる。
【0079】
図22~
図25を参照すると、本実施例に適用されるノイズ除去部500は、コイル部300と支持基板200の間に配置される。
【0080】
具体的には、
図22~
図25の方向を基準に、第1ノイズ除去パターン510は支持基板200の下面に接触形成され、第1コイルパターン311は第1ノイズ除去パターン510上に配置され、第1ノイズ除去パターン510と第1コイルパターン311の間に第1絶縁層410が配置されて、第1ノイズ除去パターン510と第1コイルパターン311を互いに電気的に絶縁させる。また、第2ノイズ除去パターン520は支持基板200の上面に接触形成され、第2コイルパターン312は第2ノイズ除去パターン520上に配置され、第2ノイズ除去パターン520と第2コイルパターン312の間に第2絶縁層420が配置されて、第2ノイズ除去パターン520と第2コイルパターン312を互いに電気的に絶縁させる。第1及び第2コイルパターン311、312を互いに連結するビア320は、支持基板200を貫通する第1ビア321、第1絶縁層410を貫通する第2ビア322、及び第2絶縁層420を貫通する第3ビアを含む。第2及び第3ビア322、323は、第1及び第2絶縁層410、420を貫通して第1ビア311の両端部とそれぞれ接触連結される。また、第2及び第3ビア322、323は、第1及び第2ノイズ除去パターン510、520と離隔される。
【0081】
第1~第3ビア321、322、323は、互いに異なる工程で形成されて、相互間に境界が形成されることができる。第1~第3ビア321、322、323は、互いに同一の工程で形成されて相互一体に形成されることができる。前者の場合、第1絶縁層410を貫通する第2ビア322は、シード層が支持基板200を貫通する第1ビア321の一端を覆うように形成される。第2絶縁層420を貫通する第3ビア323は、シード層が支持基板200を貫通する第1ビア321の他端を覆うように形成される。結果として、第1~第3ビア321、322、333のそれぞれの電解めっき層間には、第2及び第3ビア322、323のシード層が介在し、第1~第3ビア321、322、323のそれぞれの電解めっき層間に境界が形成される。後者の場合、第1絶縁層410、支持基板200、及び第2絶縁層420を貫通するビアホールの内壁にシード層が形成された後、電解めっき層がビアホールを充填する形であることができる。この場合、第1~第3ビア321、322、323は、前者の場合と同様に、相互間の界面によって区別されるものではなく、配置領域によって区別されることができる。一方、前者及び後者の場合、第2ビア322のシード層及び電解めっき層はそれぞれ、第1コイルパターン311のシード層及び電解めっき層のそれぞれと一体に形成されることができるが、これに制限されるものではではない。同様に、第3ビア323のシード層及び電解めっき層はそれぞれ、第2コイルパターン312のシード層及び電解めっき層のそれぞれと一体に形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0082】
一方、
図24は、第2及び第3ビア322、323の直径がそれぞれ上下部において互いに同一である様子を示しているが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。制限されない他の例として、第2及び第3ビア322、323を形成するための第1及び第2絶縁層410、420にビアホールを形成する方法により、第2及び第3ビア322、323は、第1及び第2コイルパターン311、312と接する第1及び第2絶縁層410、420の一面から支持基板200と接する第1及び第2絶縁層410、420の方面に向かう方向に沿って直径が減少する形で形成されることもできる。また、
図24は、本体100の厚さ方向Zに沿って第1ビア321の両端部がそれぞれ、第2及び第3ビア322、323のそれぞれの一端と直接接触する様子を示しているが、本発明の範囲がこれに制限されるものではない。制限されない他の例として、支持基板200の両面にはそれぞれ第1及び第2ノイズ除去パターン510、520と離隔されるビアパッドが形成され、第1~第3ビア321、322、323がビアパッドにそれぞれ接触することにより、相互連結された形を有することもできる。ビアパッドが形成される場合には、第1~第3ビア321、322、323間の連結信頼性を確保することができる。ビアパッドの直径は、ビアパッドとそれぞれ接する第2及び第3ビアの端部の直径よりも大きくてもよいが、これに制限されるものではない。加えて、
図24には、第1~第3ビア321、322、323の中心が互いに一致することが示されているが、本発明の範囲がこれに制限されるものではなく、ビア320は、第1ビア~第3ビア321、322、323の中心が一致しないスタガードビア(staggered vias)の形で形成されることもできる。
【0083】
本実施例の場合、本発明の他の実施例とは異なり、支持基板200にノイズ除去部500が先に形成された後、その上にコイル部300が形成される。コイル部300は、比較的高いアスペクト比を有するため、その上に絶縁層410、420を介在しても、絶縁層410、420の表面を平らにすることが難しい可能性があり、結果として、絶縁層410、420上にノイズ除去部500を形成することが難しい場合もある。本実施例は、パターン形状が比較的単純であり、アスペクト比が低いノイズ除去部500を支持基板200に先に形成することにより、上述した問題を解決するものである。
【0084】
一方、図示されていないが、本実施例の場合にも、本発明の第1実施例の変形例と同様に変形することが可能である。
【0085】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0086】
100 本体
110 コア
200 支持基板
300 コイル部
311、312 コイルパターン
320、321、322、323 ビア
410、420 絶縁層
500 ノイズ除去部
510、520 ノイズ除去パターン
610、620、630、640 外部電極
IF 絶縁膜
S スリット
1000、2000、3000、4000 コイル部品