(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066659
(43)【公開日】2022-05-02
(54)【発明の名称】集水枡の接続構造
(51)【国際特許分類】
E03F 5/10 20060101AFI20220422BHJP
E03F 5/04 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
E03F5/10 A
E03F5/10 Z
E03F5/04 D
E03F5/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175132
(22)【出願日】2020-10-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】320009358
【氏名又は名称】千葉コンクリート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148688
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 裕行
(72)【発明者】
【氏名】浅野 嘉章
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063CA02
2D063CB06
2D063CB11
2D063DA02
2D063DA24
(57)【要約】
【課題】暗渠管や側溝やその蓋板を、斜めに切断すること無く、上方から見て斜めに容易に接続でき、側溝の蓋板の耐久性に優れた集水枡及びその接続構造を提供する。
【解決手段】道路に埋設され、側溝5及び暗渠管の少なくとも一方が接続される集水枡1において、上方から見て長方形部分2aとその長方形部分2aの一辺に接続された三角形部分2bとが一体となった略ホームベース状の五角形枡本体2を有し、五角形枡本体2の五面の側壁10の内、長方形部分2aを構成する三面の側壁10の少なくとも一つと、三角形部分2bを構成する二面の側壁10の少なくとも一つに、側溝5及び暗渠管の少なくとも一方が接続される側部開口6a、6b、6cが形成されている。三角形部分2bの側壁10の側部開口6cに、側溝5xが上方から見て直角に接続され、その側溝5xの上部を覆う蓋板7が長方形状である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路に埋設され、側溝及び暗渠管の少なくとも一方が接続される集水枡において、
上方から見て長方形部分とその長方形部分の一辺に接続された三角形部分とが一体となった略ホームベース状の五角形枡本体を有し、
該五角形枡本体の五面の側壁の内、前記長方形部分を構成する三面の側壁の少なくとも一つと、前記三角形部分を構成する二面の側壁の少なくとも一つに、側溝及び暗渠管の少なくとも一方が接続される側部開口が形成されている、ことを特徴とする集水枡。
【請求項2】
前記五角形枡本体の上部に五角形状の上部開口が形成され、この上部開口に五角形状のグレーチングが装着されている、ことを特徴とする請求項1に記載の集水枡。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された集水枡の接続構造であって、
前記五角形枡本体の三角形部分を構成する側壁に形成された側部開口に、側溝及び暗渠管の少なくとも一方が、上方から見て前記三角形部分を構成する側壁に対して直角に接続されている、ことを特徴とする集水枡の接続構造。
【請求項4】
請求項3に記載された集水枡の接続構造であって、
前記五角形枡本体の三角形部分を構成する側壁に形成された側部開口に、側溝が上方から見て前記三角形部分を構成する側壁に対して直角に接続されており、その側溝の上部を覆う蓋板又はグレーチングが長方形状である、ことを特徴とする集水枡の接続構造。
【請求項5】
請求項4に記載された集水枡の接続構造であって、
前記側溝の内側面の左右に夫々段差状の支持棚が形成されており、これら支持棚に長方形状の前記蓋板又はグレーチングが載置されている、ことを特徴とする集水枡の接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側溝や暗渠管が接続される集水枡及びその接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
集水枡は、道路に敷設される側溝や暗渠管と接続するように、頂面を除いて道路に埋設される。かかる集水枡は、側溝や暗渠管を流れる雨水や排水を一時的に貯留してオーバーフローを防止し、雨水や排水と共に流れる泥、小石、落ち葉、ゴミ等を枡底に捕集する。枡底に捕集された泥、小石、落ち葉、ゴミ等は、枡の頂面に装着されたグレーチングを取り外して定期的に除去される。
図1(a)、
図1(b)に示すように、従来の集水枡1Jは、上方から見て四角形であり、コンクリート製の四角筒状の枡本体2Jと、枡本体2Jの頂面にグレーチング3Jを装着すべく取り付けられた金属製の蓋受4Jと、枡本体2Jの側面に側溝5、5xを接続すべく形成された開口6Jとを備えている(特許文献1参照)。
【0003】
斯様な四角形の集水枡1Jの側面に、
図1(b)に示すように、上方から見て斜めに側溝5xを接続する場合、従来、接続する角度に合わせてコンクリート製の側溝5xを斜めに切断していた。このため、工数、工期、コストの増大を招いていた。また、側溝5xの代わりにコンクリート製の暗渠管(図示省略)を集水枡1Jに斜めに接続する場合も同様の問題が生じていた。また、
図1(b)に示すように、側溝5xを集水枡1Jに斜めに接続する場合、側溝5xの上部を覆うコンクリート製の蓋板7又は金属製のグレーチング(図示省略)の内、集水枡1Jと接する蓋板7x又は金属製のグレーチング(図示省略)も斜めに切断しなければならず、工数、工期、コストの増大が避けられなかった。
【0004】
また、
図1(c)に示すように、側溝5、5xの蓋板7、7xは、側溝5、5xの内側面の左右に夫々段差状に形成された支持棚8、8に載置されるようになっている。ここで、
図1(b)に示すように、集水枡1Jに斜めに接続される側溝5xの蓋板7xは、斜めに切断されて略三角形となるため、側溝5xの内側面の段差状の支持棚8、8に支持される両端のうち、一方の支持長さが他方と比べて極端に短くなる。このため、通行する車両の車輪に踏まれる等して荷重が加わると、支持長さが短い部分に応力が集中して蓋板7xが破損し易く、経年劣化に伴う耐久性が問題となる。
【0005】
この点を詳述すると、
図2に示すように、道路のT字路や十字路においては、建築基準法等の要請により道路の角部を45度に隅切りする必要がある。このため、隅切り部分9に沿った側溝5xを、道路に沿った側溝5に接続された集水枡1Jに、斜めに接続する必要が生じる。このようなT字路や十字路を車両が左折する場合、所謂内輪差によって、略三角形となった蓋板7xの支持長さが短い部分が、車両のカーブ内側の後輪に踏まれ易い。このため、略三角形状の蓋板7xの支持長さが短い部分に応力が集中し、経年使用によって略三角形状の蓋板7xが破損する可能性がある。仮に、破損した蓋板7xが側溝5x内に落下すると、道路の隅に略三角形の穴が空いた状態となってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、暗渠管や側溝やその蓋板を、斜めに切断する加工を施すこと無く、上方から見て斜めに容易に接続でき、側溝の蓋板の耐久性に優れた集水枡及びその接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく創案された本発明によれば、道路に埋設され、側溝及び暗渠管の少なくとも一方が接続される集水枡において、上方から見て長方形部分とその長方形部分の一辺に接続された三角形部分とが一体となった略ホームベース状の五角形枡本体を有し、五角形枡本体の五面の側壁の内、長方形部分を構成する三面の側壁の少なくとも一つと、三角形部分を構成する二面の側壁の少なくとも一つに、側溝及び暗渠管の少なくとも一方が接続される側部開口が形成されている、ことを特徴とする集水枡が提供される。
【0009】
本発明に係る集水枡においては、五角形枡本体の上部に五角形状の上部開口が形成され、この上部開口に五角形状のグレーチングが装着されていてもよい。
【0010】
また、本発明によれば、上述した集水枡の接続構造であって、五角形枡本体の三角形部分を構成する側壁に形成された側部開口に、側溝及び暗渠管の少なくとも一方が、上方から見て三角形部分を構成する側壁に対して直角に接続されている、ことを特徴とする集水枡の接続構造が提供される。
【0011】
本発明に係る集水枡の接続構造においては、五角形枡本体の三角形部分を構成する側壁に形成された側部開口に、側溝が上方から見て前記三角形部分を構成する側壁に対して直角に接続されており、その側溝の上部を覆う蓋板又はグレーチングが長方形状であってもよい。
【0012】
本発明に係る集水枡の接続構造においては、側溝の内側面の左右に夫々段差状の支持棚が形成されており、これら支持棚に長方形状の蓋板又はグレーチングが載置されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る集水枡及びその接続構造よれば、次のような効果を発揮できる。
(1)略ホームベース状の五角形枡本体の三角形部分を構成する側壁に形成された開口に側溝や暗渠管を接続することで、側溝や暗渠管を斜めに切断すること無く、集水枡に容易に斜めに接続できる。この結果、従来、集水枡に側溝や暗渠管を斜めに接続するために側溝や暗渠管に施されていた斜めの切断加工が不要となり、工数、工期、コストを削減できる。
(2)五角形枡本体の三角形部分を構成する側壁の開口に側溝を接続することで、側溝のみならず側溝の上部を覆う蓋板やグレーチングを斜めに切断する加工が不要となる。よって、蓋板やグレーチングを斜めに切断加工するための工数、工期、コストを削減できる。加えて、従来のように略三角形に切断された蓋板やグレーチングではなく、通常の長方形の蓋板やグレーチングを使用できるため、蓋板やグレーチングの耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(a)は従来の集水枡を示す説明図、(b)は従来の集水枡を用いた側溝の接続構造を示す説明図、(c)は側溝及びその蓋板の断面図である。
【
図2】従来の集水枡を用いた側溝の接続構造を示すT字路の平面図である。
【
図3】(a)は本発明の一実施形態に係る集水枡を斜めから見た説明図、(b)はその集水枡を反対側の斜めから見た説明図である。
【
図4】(a)は
図3(a)のA-A線断面図、(b)は
図3(a)のB-B線断面図、(c)は
図3(b)のC-C線断面図である。
【
図5】(a)は
図3(a)に示す集水枡に側溝を接続した接続構造の説明図、(b)は集水枡にグレーチングを取り付け、側溝に蓋板を取り付けた接続構造の説明図である。
【
図6】本実施形態に係る集水枡の接続構造を示すT字路の平面図である。
【
図7】集水枡の接続構造の変形実施形態1を示すT字路の平面図である。
【
図8】集水枡の接続構造の変形実施形態2を示すY字路の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。係る実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0016】
(集水枡1及びその接続構造の概要)
図3~
図5に、本発明の一実施形態に係る集水枡1及びその接続構造を示す。本実施形態に係る集水枡1は、頂面を除いて道路に埋設される五角形枡本体2を有し、道路に敷設される側溝5や暗渠管(図示省略)が斜めに接続されるものである。五角形枡本体2は、長方形部分2aと三角形部分2bとが一体となった略ホームベース状に形成され、その三角形部分2bに側溝5xや暗渠管(図示省略)を接続することで、側溝5xや暗渠管を斜めに切断加工することなく集水枡1に斜めに接続することができるものである。以下、本実施形態について詳述する。
【0017】
(五角形枡本体2)
図3(a)、
図3(b)に示すように、五角形枡本体2は、上方から見て長方形部分2aとその長方形部分2aの一辺に接続された三角形部分2bとが一体となった略ホームベース状に形成されており、型枠にコンクリートを流し込んで打設される。
図4(a)、
図4(b)、
図4(c)に示すように、五角形枡本体2は、型抜性を考慮して、頂面に五角形状の上部開口2xが形成され、底面に五角形状の底部開口2yが形成され、断面略ホームベース状の五角筒となっている。五角形枡本体2は、頂面を除いて道路に埋設されるとき、底部開口2yを塞ぐように枡底の地面にコンクリートが打設されることで、枡底に雨水や排水を貯留する集水枡として機能する。
【0018】
五角形枡本体2の三角形部分2bの頂点2cの角度は、本実施形態では90度であるが、この角度は、
図5(a)、
図5(b)、
図6に示すように、五角形枡本体2の三角形部分2bに接続される側溝5x又は暗渠管(図示省略)の角度に応じて設定され、必ずしも90度に限られるものではなく、斜めに接続される側溝5又は暗渠管(図示省略)の斜め角度の応じて適宜変更される。すなわち、略ホームベース状とは、三角形部分2bの角度が90度以外の角度も含む概念である。
【0019】
(側部開口6a、6b、6c)
図4(a)、
図5(a)、
図5(b)に示すように、五角形枡本体2の側壁10には、側溝5、5x又は暗渠管(図示省略)が接続される側部開口6a、6b、6cが形成されている。
図4(a)に示すように、本実施形態に係る集水枡1においては、略ホームベース状の五角形枡本体2の長方形部分2aを構成する三面の側壁10の内、対向する二面に、側溝5、5が接続される側部開口6a、6bが形成され、略ホームベース状の五角形枡本体2の三角形部分2bを構成する二面の側壁10の内、右方のみに、側溝5xが接続される側部開口6cが形成されている。
【0020】
但し、長方形部分2aの側部開口6a、6bは、本実施形態のような配置に限られるものではなく、道路に敷設される側溝5又は暗渠管の配置によって適宜変更され、五角形枡本体2の長方形部分2aを構成する三面の側壁10の内、対向する二面の一方のみに形成されていてもよく、残りの一面に形成されていてもよく、三面の全てに形成されていてもよい。また、三角形部分2bの側部側溝6cも、道路に敷設される側溝5x又は暗渠管の配置によって適宜変更され、五角形枡本体2の三角形部分2bを構成する二面の側壁10の内、左方のみに形成されていてもよく、左右の両方に形成されていてもよい。
【0021】
すなわち、側部開口6(6a、6b、6c)は、五角形枡本体2の五面の側壁10の内、長方形部分2aを構成する三面の側壁10の少なくとも一つと、三角形部分2bを構成する二面の側壁10の少なくとも一つに、形成されていればよい。これら側部開口6には、側溝5、5x及び暗渠管の少なくとも一方が接続される。
【0022】
(五角形状のグレーチング3)
図3(a)、
図3(b)に示すように、五角形枡本体2の上部には、五角形状の上部開口2xが形成されており、
図4(b)、
図4(c)に示すように、この上部開口2xには、五角形状の金属製の蓋受4が取り付けられている。
図5(b)に示すように、蓋受4には、五角形状の金属製のグレーチング3が着脱自在に載置されている。五角形状のグレーチング3を定期的に取り外すことで、五角形枡本体2の枡底に捕集された泥、小石、落ち葉、ゴミ等を除去できる。
【0023】
(側溝5)
図5(a)、
図5(b)に示すように、五角形枡本体2の長方形部分2aを構成する側壁10に形成された側部開口6a、6bには、側溝5、5が上方から見て長方形部分2aを構成する側壁10に直角に接続されている。これら側溝5の上面の幅方向の一端部5aは、五角形枡本体2の長方形部分2aと三角形部分2bとを繋ぐ頂点2dに位置している。すなわち、側溝5と五角形枡本体2とが、この関係となるように、五角形枡本体2の長方形部分2aの側壁10に形成された側部開口6a、6bの位置が定められている。これら側溝5の上部を覆う蓋板7は長方形である。なお、蓋板7の代わりに長方形状のグレーチング(図示省略)が側溝5xの上部を覆っていてもよい。
【0024】
また、
図5(a)、
図5(b)に示すように、五角形枡本体2の三角形部分2bを構成する側壁10に形成された側部開口6cには、側溝5xが上方から見て三角形部分2bを構成する側壁10に直角に接続されている。この側溝5xの上面の幅方向の一端部5bは、五角形枡本体2の三角形部分2bの頂点2cに位置している。すなわち、側溝5xと五角形枡本体2とが、この関係となるように、五角形枡本体2の三角形部分2bの側壁10に形成された側部開口6cの位置が定められている。この側溝5xの上部を覆う蓋板7は長方形である。なお、蓋板7の代わりに長方形状のグレーチング(図示省略)が側溝5xの上部を覆っていてもよい。
【0025】
図5(a)、
図5(b)に示すように、側溝5、5xは、コンクリートからU字断面状に形成されており、その内側面の左右には、夫々段差状の支持棚8が形成されている。これら支持棚8には、長方形状に形成されたコンクリート製の蓋板7の幅方向の両端部が載置される。蓋板7の代わりにグレーチング(図示省略)を用いる場合には、長方形状のグレーチングの幅方向の両端部が支持棚8載置される。なお、グレーチングの幅方向の両端に側溝5、5xの開口頂面に載置されるエンドアングルを有する鍔付きグレーチングを用いる場合、支持棚8は不要である。
【0026】
(道路への敷設)
図6に示すように、道路のT字路や十字路においては、建築基準法等の要請により道路の角部を45度に隅切りする必要がある。このようなT字路や十字路において、道路に沿った側溝5と隅切り部分9に沿った側溝5xとを接続する位置に、本実施形態に係る集水枡1が埋設される。本実施形態に係る集水枡1によれば、道路に沿った側溝5と、隅切り部分9に沿った側溝5と、道路を横断する側溝5とが接続される。
【0027】
(作用・効果)
図5(a)、
図5(b)、
図6に示すように、本実施形態に係る集水枡1においては、略ホームベース状の五角形枡本体2の三角形部分2bを構成する側壁10に形成された側部開口6cに側溝5xを接続することで、コンクリート製の側溝5xを斜めに切断すること無く、集水枡1に容易に斜めに接続できる。よって、
図1(b)、
図2に示す従来例のように、斜めに接続するために側溝5xに施されていた斜め切断加工が不要となり、工数、工期、コストを削減できる。なお、三角形部分2bの側壁10の側部開口6cに、側溝5xの代わりに暗渠管(図示省略)を斜めに接続する場合も、暗渠管を斜めに切断する必要がないので、側溝5xの場合と同様の効果が得られる。
【0028】
また、
図5(a)、
図5(b)、
図6に示すように、三角形部分2bの側壁10に側溝5xを接続することで、側溝5xのみならずコンクリート製の蓋板7も斜めに切断する加工も不要となるため(
図1(b)の蓋板7x参照)、蓋板7を斜めに切断加工する工数、工期、コストも削減できる。加えて、
図1(b)に示すように、略三角形に切断された蓋板7xではなく、
図5(b)に示すように、通常の長方形の蓋板7を使用できるため、側溝5xの内側面の左右に段差状に形成された支持棚8に蓋板7の左右の端部が均等に支持され、従来の略三角形の蓋板7xと比べ、蓋板7の耐久性が向上する。なお、側溝5xにコンクリート製の蓋板7ではなく、金属製のグレーチング(図示省略)を載せる場合も、同様に金属製のグレーチングを斜めに切断する必要がなく、通常の長方形のグレーチングをそのまま使用できるので、グレーチングを斜めに切断加工する工数、工期、コストを削減でき,耐久性も向上する。
【0029】
本実施形態においては、
図5(b)に示すように、五角形枡本体2の長方形部分2aに接続された側溝5の上面の幅方向の一端部5aが、五角形枡本体2の長方形部分2aと三角形部分2bとを繋ぐ頂点2dに位置し、五角形枡本体2の三角形部分2bに接続された側溝5xの上面の幅方向の一端部5bが、五角形枡本体2の三角形部分2bの頂点2cに位置している。このため、
図6に示すように、集水枡1および側溝5、5xを道路に埋設したとき、ハッチングで示す民地11との境界において、道路に沿った側溝5と隅切り部分9に沿った側溝5xとを、五角形枡本体2の三角形部分2bによって直線的に接続でき、民地11への侵食を的確に防止できる(
図2の従来例参照)。
【0030】
(変形実施形態1)
図7に変形実施形態1を示す。この変形実施形態1は、
図6に示す前実施形態における道路を横断する側溝5を、暗渠管12に代えたものであり、その他は前実施形態と同様の構成となっている。この変形実施形態1の作用効果は、前実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0031】
(変形実施形態2)
図8に変形実施形態2を示す。この変形実施形態2は、Y字路に本発明に係る集水枡1を適用したものである。この変形実施形態2の作用効果は、最初の実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0032】
以上、添付図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されないことは勿論であり、特許請求の範囲に記載された範疇における各種の変更例又は修正例についても、本発明の技術的範囲に属することは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、側溝や暗渠管が斜めに接続される集水枡及びその接続構造に利用できる。
【符号の説明】
【0034】
1 集水枡
2 五角形枡本体
2a 長方形部分
2b 三角形部分
2x 上部開口
3 五角形状のグレーチング
5 側溝
5x 側溝
6a 側部開口
6b 側部開口
6c 側部開口
7 蓋板
8 支持棚
10 側壁
12 暗渠管
【手続補正書】
【提出日】2021-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂面を除いて道路に埋設される集水枡と、蓋板又はグレーチングが地面に露出するように道路に敷設される断面U字状の側溝と、を接続する集水枡の接続構造であって、
前記集水枡は、上方から見て長方形部分とその長方形部分の一辺に接続された三角形部分とが一体となった略ホームベース状の五角形枡本体を有し、
該五角形枡本体の五面の側壁の内、前記長方形部分を構成する三面の側壁の少なくとも一つに前記側溝及び暗渠管の少なくとも一方が接続され、
前記五角形枡本体の五面の側壁の内、前記三角形部分を構成する二面の側壁の少なくとも一つに前記側溝が上方から見て直角に接続され、
その側溝の内側面の左右に夫々段差状の支持棚が形成され、該支持棚に前記蓋板又はグレーチングが地面に露出するように載置され、
その蓋板又はグレーチングは、長方形状であり、幅方向左右の端部の前記支持棚に対する支持長さが左右均等である、ことを特徴とする集水枡の接続構造。
【請求項2】
前記五角形枡本体の長方形部分に接続された前記側溝の上面の幅方向の一端部が、前記五角形枡本体の長方形部分と三角形部分とを繋ぐ頂点に位置し、
前記五角形枡本体の三角形部分に接続された前記側溝の上面の幅方向の一端部が、前記五角形枡本体の三角形部分の頂点に位置している、ことを特徴とする請求項1に記載の集水枡の接続構造。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、側溝や暗渠管が接続される集水枡の接続構造に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、暗渠管や側溝やその蓋板を、斜めに切断する加工を施すこと無く、上方から見て斜めに容易に接続でき、側溝の蓋板の耐久性に優れた集水枡の接続構造を提供することにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成すべく創案された本発明によれば、頂面を除いて道路に埋設される集水枡と、蓋板又はグレーチングが地面に露出するように道路に敷設される断面U字状の側溝と、を接続する集水枡の接続構造であって、集水枡は、上方から見て長方形部分とその長方形部分の一辺に接続された三角形部分とが一体となった略ホームベース状の五角形枡本体を有し、五角形枡本体の五面の側壁の内、長方形部分を構成する三面の側壁の少なくとも一つに側溝及び暗渠管の少なくとも一方が接続され、五角形枡本体の五面の側壁の内、三角形部分を構成する二面の側壁の少なくとも一つに側溝が上方から見て直角に接続され、その側溝の内側面の左右に夫々段差状の支持棚が形成され、支持棚に蓋板又はグレーチングが地面に露出するように載置され、その蓋板又はグレーチングは、長方形状であり、幅方向左右の端部の前記支持棚に対する支持長さが左右均等である、ことを特徴とする集水枡の接続構造が提供される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明に係る集水枡の接続構造においては、五角形枡本体の長方形部分に接続された側溝の上面の幅方向の一端部が、五角形枡本体の長方形部分と三角形部分とを繋ぐ頂点に位置し、五角形枡本体の三角形部分に接続された側溝の上面の幅方向の一端部が、五角形枡本体の三角形部分の頂点に位置していてもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明に係る集水枡の接続構造よれば、次のような効果を発揮できる。
(1)略ホームベース状の五角形枡本体の三角形部分を構成する側壁に形成された開口に側溝や暗渠管を接続することで、側溝や暗渠管を斜めに切断すること無く、集水枡に容易に斜めに接続できる。この結果、従来、集水枡に側溝や暗渠管を斜めに接続するために側溝や暗渠管に施されていた斜めの切断加工が不要となり、工数、工期、コストを削減できる。
(2)五角形枡本体の三角形部分を構成する側壁の開口に側溝を接続することで、側溝のみならず側溝の上部を覆う蓋板やグレーチングを斜めに切断する加工が不要となる。よって、蓋板やグレーチングを斜めに切断加工するための工数、工期、コストを削減できる。加えて、従来のように略三角形に切断された蓋板やグレーチングではなく、通常の長方形の蓋板やグレーチングを使用できるため、側溝の内側面の左右に段差状に形成された支持棚に蓋板やグレーチングの左右の端部が均等に支持され、蓋板やグレーチングの耐久性が向上する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
本発明は、側溝や暗渠管が斜めに接続される集水枡の接続構造に利用できる。