(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066747
(43)【公開日】2022-05-02
(54)【発明の名称】仮眠環境決定システム
(51)【国際特許分類】
A61M 21/02 20060101AFI20220422BHJP
F24F 11/80 20180101ALI20220422BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20220422BHJP
F24F 110/20 20180101ALN20220422BHJP
F24F 110/60 20180101ALN20220422BHJP
F24F 130/40 20180101ALN20220422BHJP
【FI】
A61M21/02 G
F24F11/80
F24F110:10
F24F110:20
F24F110:60
F24F130:40
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175270
(22)【出願日】2020-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504133110
【氏名又は名称】国立大学法人電気通信大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】大賀 隆寛
(72)【発明者】
【氏名】足利 朋義
(72)【発明者】
【氏名】辻本 祐加子
(72)【発明者】
【氏名】桶間 千遥
(72)【発明者】
【氏名】飯田 光
(72)【発明者】
【氏名】川畑 莉恵子
(72)【発明者】
【氏名】澤田 龍之介
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼玉 圭樹
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA26
3L260CA04
3L260CA05
3L260CA12
3L260CA13
3L260CA15
3L260CA20
3L260FA03
(57)【要約】
【課題】対象者に適した仮眠時の環境を提供する。
【解決手段】仮眠環境決定システム1は、仮眠時の環境条件を決定するシステムであって、仮眠前情報取得部と、判断部と、を備える。仮眠前情報取得部は、仮眠を行う対象者に関する仮眠前情報を、対象者が仮眠を行う前に取得する。判断部は、仮眠前情報に基づいて、睡眠深度の調整のための環境条件を判断する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮眠時の環境条件を決定するシステムであって、
仮眠を行う対象者に関する仮眠前情報を、前記対象者が仮眠を行う前に取得する仮眠前情報取得部(10)と、
前記仮眠前情報に基づいて、睡眠深度の調整のための環境条件を判断する判断部(30)と、
を備える、
仮眠環境決定システム(1)。
【請求項2】
前記判断部の判断に基づいて、睡眠深度の調整のための環境条件に関する仮眠計画を作成する作成部(40)、
をさらに備え、
前記仮眠計画は、環境条件が調整される回数、環境条件が調整される時刻、環境条件の調整によって切り替わる睡眠状態の目標推移、および、環境条件を調整するための制御パラメータ、
を含む、
請求項1に記載の仮眠環境決定システム。
【請求項3】
仮眠中の前記対象者に関する仮眠中情報を、前記対象者の仮眠中に取得する仮眠中情報取得部(20)と、
前記対象者の仮眠中に、前記仮眠中情報に基づいて前記仮眠計画を更新する更新部(50)と、
をさらに備える、
請求項1又は2に記載の仮眠環境決定システム。
【請求項4】
前記仮眠前情報は、
前記対象者の、前日の入眠時刻、平均入眠時刻、前日の起床時間、平均起床時間、および、眠気、のうち少なくとも一つと、
前記対象者の性別、年齢、および、希望仮眠時間、のうち少なくとも一つと、
を含む、
請求項1から3のいずれかに記載の仮眠環境決定システム。
【請求項5】
前記仮眠前情報は、前記対象者の、疲労度、前日の睡眠時間、および、平均睡眠時間、のうち少なくとも一つをさらに含む、
請求項1から4のいずれかに記載の仮眠環境決定システム。
【請求項6】
前記仮眠前情報は、前記対象者による手入力、および、前記対象者の情報を取得する機器である仮眠前情報取得機器(60)、のうち少なくとも一つから取得される、
請求項1から5のいずれかに記載の仮眠環境決定システム。
【請求項7】
前記仮眠中情報は、
心拍、心電、脈波、脳波、呼吸、血圧、体温、および、体動、のうち少なくとも一つと、
仮眠中の前記対象者が存在する空間における、温度、湿度、気流、照度、騒音、臭い、寝具の温度、寝具の傾度、のうち少なくとも一つと、
を含み、
前記仮眠中情報は、仮眠中の前記対象者が存在する空間に設置される仮眠中情報取得機器(70)によって取得される、
請求項3から6のいずれかに記載の仮眠環境決定システム。
【請求項8】
前記睡眠状態は、覚醒状態、REM睡眠状態、浅い睡眠状態、および、深い睡眠状態を含む、
請求項2から7のいずれかに記載の仮眠環境決定システム。
【請求項9】
前記環境条件は、仮眠中の前記対象者が存在する空間における、温熱環境、照明環境、寝具内温熱環境、寝具姿勢、および、音環境、のうち少なくとも一つを含む、
請求項2から8のいずれかに記載の仮眠環境決定システム。
【請求項10】
前記仮眠計画に基づいて前記環境条件を調整する機器である環境条件調整機器(100)と、
前記環境条件調整機器を制御するアクチュエータ(110)と、
をさらに備え、
前記環境条件調整機器は、空気調和装置(101)および温度調整部を有する寝具(102)を含む、
請求項2から9のいずれかに記載の仮眠環境決定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
仮眠環境決定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の外出時においても利用者の睡眠状態を向上させることができる睡眠状態向上システムおよび睡眠状態向上方法が、特許文献1(特許第4466654号)に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1では、利用者が仮眠を行うケースについては、詳細な検討がなされていない。このため、上記特許文献1のシステムおよび方法によって提供される睡眠時の環境が、仮眠を行う利用者に適した環境であるとは限らない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の仮眠環境決定システムは、仮眠時の環境条件を決定するシステムであって、仮眠前情報取得部と、判断部と、を備える。仮眠前情報取得部は、仮眠を行う対象者に関する仮眠前情報を、対象者が仮眠を行う前に取得する。判断部は、仮眠前情報に基づいて、睡眠深度の調整のための環境条件を判断する。
【0005】
この仮眠環境決定システムは、仮眠時の環境条件を決定するシステムであって、判断部が、仮眠前情報に基づいて睡眠深度の調整のための環境条件を判断する。仮眠前情報は、仮眠を行う対象者に関する情報であって、対象者が仮眠を行う前に取得される情報である。この構成によれば、仮眠環境決定システムは、判断部が判断した、睡眠深度の調整のための環境条件に基づいて、仮眠時の環境条件を決定することができる。このため、第1観点に係る仮眠環境決定システムは、対象者に適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0006】
第2観点の仮眠環境決定システムは、第1観点のシステムであって、作成部、をさらに備える。作成部は、判断部の判断に基づいて、睡眠深度の調整のための環境条件に関する仮眠計画を作成する。仮眠計画は、環境条件が調整される回数、環境条件が調整される時刻、環境条件の調整によって切り替わる睡眠状態の目標推移、および、環境条件を調整するための制御パラメータ、を含む。
【0007】
この仮眠環境決定システムでは、作成部が、判断部の判断に基づいて、睡眠深度の調整のための環境条件に関する仮眠計画を作成する。この構成によれば、仮眠環境決定システムは、作成部が作成した仮眠計画に基づいて、仮眠時の環境条件を決定することができる。このため、第2観点に係る仮眠環境決定システムは、対象者に適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0008】
第3観点の仮眠環境決定システムは、第1観点又は第2観点のシステムであって、仮眠中情報取得部と、更新部と、をさらに備える。仮眠中情報取得部は、仮眠中の対象者に関する仮眠中情報を、対象者の仮眠中に取得する。更新部は、対象者の仮眠中に、仮眠中情報に基づいて仮眠計画を更新する。
【0009】
この仮眠環境決定システムでは、更新部が、対象者の仮眠中に仮眠中情報に基づいて仮眠計画を更新する。仮眠中情報は、仮眠中の対象者に関する情報であって、対象者の仮眠中に取得される情報である。この構成によれば、仮眠環境決定システムは、対象者の仮眠中に更新された仮眠計画に基づいて、仮眠時の環境条件を決定することができる。このため、第3観点に係る仮眠環境決定システムは、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0010】
第4観点の仮眠環境決定システムは、第1観点から第3観点のいずれかのシステムであって、仮眠前情報は、対象者の、前日の入眠時刻、平均入眠時刻、前日の起床時間、平均起床時間、および、眠気、のうち少なくとも一つを含む。また、仮眠前情報は、対象者の性別、年齢、および、希望仮眠時間、のうち少なくとも一つを含む。
【0011】
この仮眠環境決定システムでは、対象者に特有の情報を、仮眠前情報として取得する。この構成によれば、仮眠環境決定システムは、対象者の特性に基づいて仮眠時の環境条件を決定することができる。このため、第4観点に係る仮眠環境決定システムは、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0012】
第5観点の仮眠環境決定システムは、第1観点から第4観点のいずれかのシステムであって、仮眠前情報は、対象者の、疲労度、前日の睡眠時間、および、平均睡眠時間、のうち少なくとも一つをさらに含む。
【0013】
この仮眠環境決定システムでは、対象者に特有の情報を、仮眠前情報として取得する。この構成によれば、仮眠環境決定システムは、対象者の特性に基づいて仮眠時の環境条件を決定することができる。このため、第5観点に係る仮眠環境決定システムは、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0014】
第6観点の仮眠環境決定システムは、第1観点から第5観点のいずれかのシステムであって、仮眠前情報は、対象者による手入力、および、対象者の情報を取得する機器である仮眠前情報取得機器、のうち少なくとも一つから取得される。
【0015】
第7観点の仮眠環境決定システムは、第3観点から第6観点のいずれかのシステムであって、仮眠中情報は、心拍、心電、脈波、脳波、呼吸、血圧、体温、および、体動、のうち少なくとも一つを含む。また、仮眠中情報は、仮眠中の対象者が存在する空間における、温度、湿度、気流、照度、騒音、臭い、寝具の温度、寝具の傾度、のうち少なくとも一つを含む。仮眠中情報は、仮眠中の対象者が存在する空間に設置される仮眠中情報取得機器によって取得される。
【0016】
この仮眠環境決定システムでは、対象者に特有の生体情報や、対象者が存在する空間に特有の情報を、仮眠中情報として取得する。また、仮眠中情報は、対象者の仮眠中に取得される情報である。この構成によれば、仮眠環境決定システムは、対象者の現在の特性および対象者が存在する空間の現在の特性に基づいて仮眠時の環境条件を決定することができる。このため、第7観点に係る仮眠環境決定システムは、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0017】
第8観点の仮眠環境決定システムは、第2観点から第7観点のいずれかのシステムであって、睡眠状態は、覚醒状態、REM睡眠状態、浅い睡眠状態、および、深い睡眠状態を含む。
【0018】
第9観点の仮眠環境決定システムは、第2観点から第8観点のいずれかのシステムであって、環境条件は、仮眠中の対象者が存在する空間における、温熱環境、照明環境、寝具内温熱環境、寝具姿勢、および、音環境、のうち少なくとも一つを含む。
【0019】
第10観点の仮眠環境決定システムは、第2観点から第9観点のいずれかのシステムであって、環境条件調整機器と、アクチュエータと、をさらに備える。環境条件調整機器は、仮眠計画に基づいて環境条件を調整する機器である。アクチュエータは、環境条件調整機器を制御する。環境条件調整機器は、空気調和装置および温度調整部を有する寝具を含む。
【0020】
この仮眠環境決定システムは、仮眠計画に基づいて環境条件を調整する機器である環境条件調整機器と、環境条件調整機器を制御するアクチュエータと、をさらに備える。この構成によれば、環境条件調整機器によって、環境条件を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図4】仮眠環境が調整されることにより睡眠深度が調整される例を示す図である。
【
図5】仮眠環境決定システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示に係る仮眠環境決定システム1について、適宜図面を参照しながら、実施の形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細な説明や、実質的に同一の構成に対する重複した説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0023】
なお、各図は、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0024】
(1)仮眠環境決定システム1の全体構成
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、仮眠時の環境条件を決定するシステムである。本実施形態において、仮眠時の環境条件とは、仮眠中の対象者が存在する空間における、温熱環境、照明環境、寝具内温熱環境、寝具姿勢、および、音環境、のうち少なくとも一つを含む。仮眠環境決定システム1は、仮眠時における睡眠深度が深くなるように、又は、仮眠時における睡眠深度が浅くなるように、又は、仮眠時における睡眠深度が維持されるように、仮眠時の環境条件を決定する。詳細は後述する。
【0025】
図1および
図2に示すように、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、主に、仮眠前情報取得部10、仮眠中情報取得部20、判断部30、作成部40、更新部50、仮眠前情報取得機器60、仮眠中情報取得機器70、環境条件調整機器100、アクチュエータ110、を備える。
【0026】
詳細は後述するが、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠前情報取得部10、仮眠中情報取得部20、判断部30、作成部40および更新部50は、管理装置200に含まれる(
図2参照)。
【0027】
図1に示すように、対象者は、仮眠前情報取得機器60や仮眠中情報取得機器70等が設置されている空間RMにおいて、寝具102の上で仮眠を行う。なお、本実施形態において、「仮眠」とは、例えば10分以上3時間以内の睡眠のことを指す。また、「仮眠」は、対象者が寝具102の上に存在した時点で開始されるものとする。従って、対象者が寝具102の上に存在する限り、仮に対象者が覚醒状態にある場合でも、仮眠を行っているものとして考える。
【0028】
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠を行う対象者に関する仮眠前情報が、対象者の仮眠前に仮眠前情報取得機器60によって取得される。仮眠前情報は、対象者の、前日の入眠時刻、平均入眠時刻、前日の起床時間、平均起床時間、眠気、および、希望仮眠時間、のうち少なくとも一つを含む。また、仮眠前情報は、対象者の性別、年齢、および、希望仮眠時間、のうち少なくとも一つを含む。さらに、仮眠前情報は、対象者の、疲労度、前日の睡眠時間、および、平均睡眠時間、のうち少なくとも一つを含む。仮眠環境決定システム1の判断部30は、これらの仮眠前情報に基づいて、睡眠深度の調整のための環境条件を判断する。仮眠環境決定システム1の作成部40は、判断部30の判断に基づいて、睡眠深度の調整のための環境条件に関する仮眠計画を作成する。仮眠環境決定システム1は、作成部40によって作成された仮眠計画に基づいて、環境条件を調整する。
【0029】
また、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠中の対象者に関する仮眠中情報が、対象者の仮眠中に仮眠中情報取得機器70によって取得される。仮眠中情報は、対象者の、心拍、心電、脈波、脳波、呼吸、血圧、体温、および、体動、のうち少なくとも一つを含む。また、仮眠中情報は、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける、温度、湿度、気流、照度、騒音、臭い、寝具の温度、寝具の傾度、のうち少なくとも一つを含む。仮眠環境決定システム1の更新部50は、これらの仮眠中情報に基づいて、仮眠計画を更新する。仮眠環境決定システム1は、更新された仮眠計画に基づいて、環境条件を調整する。環境条件が調整されることで、対象者の睡眠深度が調整される。
【0030】
(2)仮眠環境決定システム1の詳細構成
(2-1)仮眠前情報取得機器60
仮眠前情報取得機器60は、仮眠前情報を取得する機器である。本実施形態に係る仮眠前情報取得機器60は、例えば、スマートウォッチやスマートグラスなどのウェアラブルデバイスである。仮眠前情報取得機器60は例えば、仮眠前情報取得機器60に内蔵されたバイタルセンサ等のセンサによって、仮眠前情報を取得する。あるいは、仮眠前情報取得機器60は例えば、対象者からの手入力を受け付けることで、仮眠前情報を取得する。あるいは、仮眠前情報取得機器60は例えば、図示しない情報端末であって、仮眠前情報が記録された情報端末(例えば、対象者の自宅又は職場に設置されたコンピュータ等)、と通信ネットワークNW1等を介して通信を行うことで、仮眠前情報を取得する。
【0031】
なお、本実施形態に係る仮眠前情報取得機器60は、単一の機器に限定されるものではなく、複数の機器を組み合わせることで構成されてもよい。また、仮眠前情報取得機器60は、ウェアラブルデバイスに限定されるものではなく、適宜変更可能である。従って、仮眠前情報取得機器60は例えば、スマートフォン等であってもよい。
【0032】
(2-2)仮眠中情報取得機器70
仮眠中情報取得機器70は、仮眠中情報を取得する機器である。本実施形態に係る仮眠中情報取得機器70は、限定するものではないが例えば、仮眠中の対象者が存在する空間RMに設置されるセンサユニットである。より具体的には、本実施形態に係る仮眠中情報取得機器70は、バイタルセンサ、モーションセンサ、脳波計、心拍計、のうちいずれかを含む。また、本実施形態に係る仮眠中情報取得機器70は、空気温度センサ、空気湿度センサ、気流センサ、照度センサ、騒音レベルを検出する音圧センサ、空気中に含まれる臭い成分量を検知する臭いセンサ、寝具102の温度を検出する温度センサ、寝具102の傾度を検出する傾度センサ、のうちいずれかをさらに含む。
【0033】
なお、本実施形態に係る仮眠中情報取得機器70は、単一の機器に限定されるものではなく、複数の機器を組み合わせることで構成されてもよい。また、仮眠中情報取得機器70は、上記のセンサユニットに限定されるものではなく、適宜選択されればよい。
【0034】
(2-3)環境条件調整機器100
環境条件調整機器100は、環境条件を調整する機器である。上記の通り、環境条件は、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける、温熱環境、照明環境、寝具内温熱環境、寝具姿勢、臭い環境、および、音環境、のうち少なくとも一つを含む。
【0035】
環境条件調整機器100は、空気調和装置101および温度調整部を有する寝具102を含む。また、環境条件調整機器100は、照明機器103や、スピーカ104や、香りディスペンサ105を含んでもよい。空気調和装置101は、空間RMの空気温度や空気湿度を調整することが可能な機器であって、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける温熱環境を調整することが可能な機器である。寝具102は、例えば温度調整部としての電気毛布102aと、姿勢変更が可能なベッド102bと、から構成される機器であって、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける寝具内温熱環境や寝具姿勢を調整することが可能な機器である。照明機器103は、例えば照度の変更が可能な機器であって、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける照明環境の調整が可能な機器である。スピーカ104は、例えば音量調整が可能な機器であって、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける音環境の調整が可能な機器である。香りディスペンサ105は、例えば複数の香料を内蔵しており、一つの香料及び/又は複数の香料を用いて香りを発生させることで、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける臭い環境の調整が可能な機器である。
【0036】
(2―4)アクチュエータ110
仮眠環境決定システム1は、環境条件調整機器100を制御するアクチュエータ110を備える。より具体的には、仮眠環境決定システム1は、環境条件調整機器100の動作の制御を行うアクチュエータ110を備える。本実施形態に係るアクチュエータ110は、環境条件調整機器100としての空気調和装置101や寝具102等に内蔵されている。仮眠環境決定システム1は、アクチュエータ110を制御することで、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける、温熱環境、照明環境、寝具内温熱環境、寝具姿勢、臭い環境、および、音環境、のうち少なくとも一つを制御することができる。
【0037】
(2-5)管理装置200
本実施形態に係る管理装置200は例えば、処理部210と、通信部220と、記憶部230と、を含むコンピュータ装置である。本実施形態において、管理装置200は空間RMとは別の空間に設置されている。管理装置200は、空間RMの環境条件を管理する機器装置である。管理装置200は、通信部220の機能によって、仮眠前情報取得機器60、仮眠中情報取得機器70、環境条件調整機器100のそれぞれに通信ネットワークNW1を介して接続する。
【0038】
以下、仮眠環境決定システム1を構成する管理装置200について、図を参照しながら説明を行う。なお、管理装置200は、本実施形態で説明する機能の一部又は全部を有していなくてもよい。例えば、以下で説明する管理装置200の機能の一部又は全部は、管理装置200とは別の場所に設置されるサーバ等により実現されてもよい。
【0039】
(3)管理装置200の詳細構成
仮眠環境決定システム1を構成する管理装置200の構成について詳細に説明する。
図2は、管理装置200の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態に係る管理装置200は、処理部210、通信部220、記憶部230から構成される。
【0040】
(3-1)処理部210
処理部210は、CPUを含んで構成されている。処理部210のCPUは、記憶部230に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、仮眠前情報取得部10や、仮眠中情報取得部20や、判断部30や、作成部40や、更新部50として機能する。
【0041】
(3-1-1)仮眠前情報取得部10
仮眠前情報取得部10は、仮眠前情報を取得する。詳細には、仮眠前情報取得部10は、後述する通信部220によって通信ネットワークNW1を介して、仮眠前情報を仮眠前情報取得機器60から取得する。なお、仮眠前情報取得部10は、対象者からの手入力を受け付けることで、仮眠前情報を取得してもよい。換言すると、仮眠前情報取得部10は、仮眠前情報取得機器60を介することなく仮眠前情報を取得してもよい。
【0042】
(3-1-2)仮眠中情報取得部20
仮眠中情報取得部20は、仮眠中情報を取得する。詳細には、仮眠中情報取得部20は、後述する通信部220によって通信ネットワークNW1を介して、仮眠中情報を仮眠中情報取得機器70から取得する。
【0043】
(3-1-3)判断部30
判断部30は、仮眠前情報に基づいて、対象者の睡眠深度の調整のための環境条件を判断する。換言すると、判断部30は、環境条件をどのように調整すれば、対象者の睡眠深度を調整することができるのか、を判断する。なお、睡眠深度の調整とは、睡眠深度を深くすること、睡眠深度を浅くすること及び睡眠深度を維持すること、のうちいずれかを意味する。従って、判断部30は、環境条件をどのように調整すれば、対象者の睡眠深度を深くすることができるのか、浅くすることができるのか、及び、維持することができるのか、を判断する機能部であると言い換えることができる。
【0044】
(3-1-4)作成部40
作成部40は、判断部30の判断に基づいて、睡眠深度の調整のための環境条件に関する仮眠計画を作成する。仮眠計画は、環境条件が調整される回数、環境条件が調整される時刻、環境条件の調整によって切り替わる睡眠状態の目標推移、および、環境条件を調整するための制御パラメータ、を含む。仮眠環境決定システム1は、仮眠計画に従って、環境条件の調整を行う。詳細は後述する。
【0045】
(3-1-5)更新部50
更新部50は、対象者の仮眠中に、仮眠中情報に基づいて仮眠計画を更新する。上記の通り、仮眠中情報は、対象者の仮眠中に取得される情報である。仮眠環境決定システム1は、更新部50により仮眠計画が更新された場合、更新後の仮眠計画に従って、対象者の環境条件の調整を行う。
【0046】
(3-2)通信部220
通信部220は、通信ネットワークNW1を含む外部ネットワークとの通信を実行する。通信部220が機能することにより、仮眠前情報取得機器60、仮眠中情報取得機器70および環境条件調整機器100を含む各種機器と、管理装置200と、の間で各種データの授受が行なわれる。
【0047】
(3-3)記憶部230
記憶部230は、記憶されたプログラムおよびデータなどの情報をプロセッサ等が読み取り可能なように記録する媒体を含む。本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、処理部210を構成するCPU等によって記憶部230に記憶されたプログラムが読み込まれることで、上記各機能が実現される。
【0048】
記憶部230は、RAM(Random Access Memory)、あるいはROM(Read Only Memory)などのシステムメモリと、補助記憶装置とを含む。補助記憶装置は、例えばハードディスク等の磁気的記録媒体、CD、DVD等の光学的記録媒体、あるいは、フラッシュメモリ等の半導体メモリであってもよい。
【0049】
(4)仮眠計画の詳細
以下、本実施形態に係る仮眠計画について説明する。仮眠計画は、対象者の睡眠深度の調整のための環境条件に関する計画であって、作成部40によって作成される計画である。
【0050】
作成部40は、判断部30の判断に基づいて、仮眠計画を作成する。判断部30は、仮眠前情報に基づいて、対象者の睡眠深度の調整のための環境条件を判断する。ここでは、仮眠前情報として例えば、対象者の、年齢、性別、平均入眠時刻、平均起床時間、平均睡眠時間、眠気、疲労度、前日の睡眠時間、希望仮眠時間、が取得される場合を想定する。
【0051】
判断部30は、上記のような仮眠前情報に基づいて、対象者の睡眠深度の調整のための仮眠条件を判断する。例えば判断部30は、環境条件の調整が行われる回数を判断する。また、判断部30は、例えば環境条件の調整が行われる時刻を判断する。また、判断部30は、例えば睡眠状態を、どのように推移させるかを判断する。また、判断部30は、例えば環境条件を調整するための制御パラメータを、どのように調整するかを判断する。ここでは、環境条件を調整するための制御パラメータは例えば、温度、湿度、気流、照度、騒音、臭い、寝具の温度、寝具の傾度のうちの少なくとも一つを含むものとする。
【0052】
なお、本実施形態において、対象者の睡眠状態は、REM睡眠状態と、浅い睡眠状態と、深い睡眠状態と、覚醒状態と、を含む。なお、ここでは、浅い睡眠状態とは、対象者がステージ1かステージ2の睡眠である状態を指す。深い睡眠状態とは、対象者がステージ3かステージ4の睡眠である状態を指す。覚醒状態とは、REM睡眠状態、浅い睡眠状態および深い睡眠状態のいずれにも該当しない睡眠状態を指す。
【0053】
作成部40は、上記のような判断部30の判断に基づいて、仮眠計画を作成する。
図3の(a)および(b)は、作成部40によって作成される仮眠計画の一例である。
図3の(a)は、作成部40によって作成された直後の仮眠計画を示す。
図3の(b)は、更新部50によって更新された仮眠計画を示す。
図3の(a)に示すように、作成部40によって作成された直後の仮眠計画には、環境条件が調整される回数、環境条件が調整される時刻、環境条件の調整によって切り替わる睡眠状態の目標推移、および、環境条件を調整するための制御パラメータ、が含まれている。仮眠環境決定システム1は、作成部40が作成した仮眠計画に従って、睡眠深度を調整することを予定する。
【0054】
例えば
図3の(a)に示すような仮眠計画が作成された場合、仮眠環境決定システム1は、13時(仮眠の開始と同時)に1回目の環境条件の調整を、13時15分に2回目の環境条件の調整を、13時30分に3回目の環境条件の調整を、14時に4回目の環境条件の調整を、14時15分に5回目の環境条件の調整を、それぞれ行うことを予定する。また、1回目の睡眠深度の調整では、温度(空間RMの空気温度)が24℃に、寝具の温度が30℃となるように、環境条件調整機器100としての空気調和装置101や電気毛布102aの動作を制御することを予定する。2回目の環境条件の調整では、温度が22℃となるように、空気調和装置101の動作を制御することを予定する。3回目の環境条件の調整では、温度が24℃となるように、空気調和装置101の動作を制御することを予定する。4回目の環境条件の調整では、温度が26℃となるように、空気調和装置101の動作を制御することを予定する。5回目の環境条件の調整では、温度が27℃となるように、空気調和装置101の動作を制御することを予定する。また、1回目の環境条件の調整が行われることで、対象者の睡眠状態が、覚醒状態から浅い睡眠状態に切り替わることが期待される(
図4の点A参照)。2回目の環境条件の調整が行われることで、対象者の睡眠状態が、浅い睡眠状態から深い睡眠状態に切り替わることが期待される(
図4の点B参照)。3回目の環境条件の調整が行われることで、対象者の睡眠状態が、深い睡眠状態から浅い睡眠状態に切り替わることが期待される(
図4の点C参照)。4回目の環境条件の調整が行われることで、対象者の睡眠状態が、浅い状態から覚醒状態に切り替わることが期待される(
図4の点D参照)。5回目の環境条件の調整が行われることで、対象者の睡眠状態が、覚醒状態に維持されることが期待される(
図4の点E参照)。
【0055】
また、本実施形態に係る仮眠計画は、対象者の仮眠中に、更新部50の機能によって、リアルタイムに更新される。上記の通り、対象者の仮眠中には、仮眠中情報が取得される。ここでは、仮眠中情報として例えば、対象者の、心拍や呼吸や体温が取得される場合を想定する。なお、ここでは「心拍」として、対象者の1分間の心拍数が取得されるものとする。また、ここでは「呼吸」として、対象者の1分間の平均呼吸回数が取得されるものとする。
【0056】
上記のような仮眠中情報が、対象者の仮眠中に取得されることで、仮眠環境決定システム1は、例えば仮眠中の対象者の睡眠状態が切り替わったことや、仮眠中の対象者の体温が上昇していること等を把握することができる。更新部50は、これらの仮眠中情報に基づいて、仮眠計画を更新する。
図3の(b)は、更新された仮眠計画の一例を示している。仮眠計画が
図3の(b)に示すような内容に更新された場合、仮眠環境決定システム1は、では13時15分に行う予定であった2回目の環境条件の調整を、13時12分に行うように予定を変更する。また、更新後の仮眠計画における2回目の環境条件の調整では、寝具の温度が28℃になるように、電気毛布102aの動作が制御される。このように、仮眠計画が更新された場合、仮眠環境決定システム1は、更新部50が更新した仮眠計画に従って環境条件の調整を行う。
【0057】
なお、仮眠計画の更新は、リアルタイムに取得される仮眠中情報に基づいて、繰り返し行われる。仮眠環境決定システム1は、仮眠計画が更新される度に、更新された仮眠計画に従って、環境条件を調整する。
【0058】
なお、
図3の(a)に示した仮眠計画の内容や、
図3の(b)に示した更新後の仮眠計画の内容はあくまでも一例であり、適宜変更可能である。従って、例えば、睡眠深度の調整のために、照明機器103やスピーカ104や香りディスペンサ105が動作するような仮眠計画が作成されてもよい。
【0059】
このように、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠計画に従って、環境条件が調整される。より具体的には、仮眠時に深い睡眠を導く環境条件や、仮眠時に浅い睡眠を導く環境条件や、仮眠時の睡眠深度を維持する環境条件が決定される。このため、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、対象者に適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0060】
また、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠計画に従って、仮眠時の環境が詳細に制御される。このため、仮眠のような短時間の睡眠であっても、対象者に適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0061】
(5)仮眠環境決定システム1の動作
以下、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1の動作の流れについて、
図5を参照しながら説明する。
図5は、仮眠環境決定システム1の動作の流れの一例を示したフローチャートである。なお、
図5に示すステップの内容は、適宜変更可能である。例えば、矛盾のない範囲でステップの順序が変更されてもよいし、一部のステップが他のステップと並列に実行されてもよいし、他のステップが新たに追加されてもよい。
【0062】
ステップS1では、仮眠環境決定システム1の仮眠前情報取得機器60が、仮眠前情報を取得し、仮眠前情報を仮眠前情報取得部10に送信する。
【0063】
ステップS2では、仮眠環境決定システム1の判断部30が、仮眠前情報に基づいて、対象者の睡眠深度を調整するための環境条件を判断する。
【0064】
ステップS3では、判断部30の判断に基づいて、作成部40が仮眠計画を作成する。
これらのステップS1~S3は、対象者の仮眠が開始される前に行われる。
【0065】
ステップS4では、対象者の仮眠が開始される。ここで、仮眠環境決定システム1は、仮眠を行う対象者の環境条件の調整を、仮眠計画に基づいて行う。
【0066】
ステップS5では、仮眠環境決定システム1の仮眠中情報取得機器70が、対象者の仮眠中に仮眠中情報を取得し、仮眠中情報を仮眠中情報取得部20に送信する。
【0067】
ステップS6では、仮眠環境決定システム1の更新部50によって、仮眠計画の更新が行われる。
【0068】
ステップS7では、仮眠環境決定システム1が、仮眠中の対象者の環境条件の調整を、更新された仮眠計画に基づいて行う。仮眠環境決定システム1は、ステップS5~ステップS7の処理を、対象者の仮眠が終了するまで継続する。
【0069】
ステップS8では、対象者の仮眠が終了する。
【0070】
このようにして、仮眠環境決定システム1は、仮眠時の環境条件の決定を行う。
【0071】
(6)特徴
上記特許文献1には、利用者(対象者)の外出時においても利用者の睡眠状態を向上させることができる睡眠状態向上システムおよび睡眠状態向上方法が開示されている。しかしながら、上記特許文献1では、利用者が仮眠を行うケースについては、詳細な検討がなされていない。このため、上記特許文献1のシステムおよび方法によって提供される睡眠時の環境が、仮眠を行う利用者に適した環境であるとは限らない。
【0072】
(6-1)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、仮眠時の環境を決定するシステムであって、仮眠前情報取得部10と、判断部30と、を備える。仮眠前情報取得部10は、仮眠を行う対象者に関する仮眠前情報を、対象者が仮眠を行う前に取得する。判断部30は、仮眠前情報に基づいて、睡眠深度の調整のための環境条件を判断する。
【0073】
この仮眠環境決定システム1は、仮眠時の環境条件を決定するシステムであって、判断部30が、仮眠前情報に基づいて睡眠深度の調整のための環境条件を判断する。仮眠前情報は、仮眠を行う対象者に関する情報であって、対象者が仮眠を行う前に取得される情報である。この構成によれば、仮眠環境決定システム1は、判断部30が判断した、睡眠深度の調整のための環境条件に基づいて、仮眠時の環境条件を決定することができる。より具体的には、仮眠時の対象者の睡眠深度を深くする環境条件や、仮眠時の対象者の睡眠深度を浅くする環境条件や、仮眠時の対象者の睡眠深度を維持する環境条件を決定することができる。このため、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、対象者に適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0074】
(6-2)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、作成部40、をさらに備える。作成部40は、判断部30の判断に基づいて、睡眠深度の調整のための環境条件に関する仮眠計画を作成する。仮眠計画は、環境条件が調整される回数、環境条件が調整される時刻、環境条件の調整によって切り替わる睡眠状態の目標推移、および、環境条件を調整するための制御パラメータ、を含む。
【0075】
この仮眠環境決定システム1では、作成部40が、判断部30の判断に基づいて、睡眠深度の調整のための環境条件に関する仮眠計画を作成する。この構成によれば、仮眠環境決定システム1は、作成部40が作成した仮眠計画に基づいて、仮眠時の環境条件を決定することができる。このため、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、対象者に適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0076】
(6-3)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、仮眠中情報取得部20と、更新部50と、をさらに備える。仮眠中情報取得部20は、仮眠中の対象者に関する仮眠中情報を、対象者の仮眠中に取得する。更新部50は、対象者の仮眠中に、仮眠中情報に基づいて仮眠計画を更新する。
【0077】
この仮眠環境決定システム1では、更新部50が、対象者の仮眠中に、仮眠中情報に基づいて仮眠計画を更新する。仮眠中情報は、仮眠中の対象者に関する情報であって、対象者の仮眠中に取得される情報である。この構成によれば、仮眠環境決定システム1は、対象者の仮眠中に更新された仮眠計画に基づいて、仮眠時の環境条件を決定することができる。このため、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0078】
(6-4)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠前情報は、対象者の、前日の入眠時刻、平均入眠時刻、前日の起床時間、平均起床時間、および、眠気、のうち少なくとも一つを含む。また、仮眠前情報は、対象者の性別、年齢、および、希望仮眠時間、のうち少なくとも一つを含む。
【0079】
この仮眠環境決定システム1では、対象者に特有の情報を、仮眠前情報として取得する。この構成によれば、仮眠環境決定システム1は、対象者の特性に応じて仮眠時の環境条件を決定することができる。このため、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0080】
(6-5)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠前情報は、対象者の、疲労度、前日の睡眠時間、および、平均睡眠時間、のうち少なくとも一つをさらに含む。
【0081】
この仮眠環境決定システム1では、対象者に特有の情報を、仮眠前情報として取得する。この構成によれば、仮眠環境決定システム1は、対象者の特性に応じて仮眠時の環境条件を決定することができる。このため、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0082】
(6-6)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠前情報は、対象者による手入力、および、対象者の情報を取得する機器である仮眠前情報取得機器60、のうち少なくとも一つから取得される。
【0083】
(6-7)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠中情報は、心拍、心電、脈波、脳波、呼吸、血圧、体温、および、体動、のうち少なくとも一つを含む。また、仮眠中情報は、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける、温度、湿度、気流、照度、騒音、臭い、寝具の温度、寝具の傾度、のうち少なくとも一つを含む。仮眠中情報は、仮眠中の対象者が存在する空間に設置される仮眠中情報取得機器70によって取得される。
【0084】
この仮眠環境決定システム1では、対象者に特有の生体情報や、対象者が存在する空間RMに特有の情報を、仮眠中情報として取得する。また、仮眠中情報は、対象者の仮眠中に取得される情報である。この構成によれば、仮眠環境決定システム1は、対象者の現在の特性および対象者が存在する空間RMの現在の特性に基づいて仮眠時の環境条件を決定することができる。このため、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0085】
(6-8)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、睡眠状態は、覚醒状態、REM睡眠状態、浅い睡眠状態、および、深い睡眠状態を含む。
【0086】
(6-9)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、環境条件は、仮眠中の対象者が存在する空間における、温熱環境、照明環境、寝具内温熱環境、寝具姿勢、および、音環境、のうち少なくとも一つを含む。
【0087】
(6-10)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、環境条件調整機器100と、アクチュエータ110と、をさらに備える。環境条件調整機器100は、仮眠計画に基づいて環境条件を調整する機器である。アクチュエータ110は、環境条件調整機器100を制御する。環境条件調整機器100は、空気調和装置101および温度調整部を有する寝具102を含む。
【0088】
この仮眠環境決定システム1は、仮眠計画に基づいて環境条件を調整する機器である環境条件調整機器100と、環境条件調整機器100を制御するアクチュエータ110と、をさらに備える。この構成によれば、環境条件調整機器100によって、環境条件を調整することができる。
【0089】
(7)変形例
上記実施形態は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。なお、上記の第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0090】
(7-1)変形例1A
本開示に係る仮眠環境決定システム1は、仮眠計画を出力する出力部、をさらに備えてもよい。あるいは、例えば仮眠前情報取得機器60や管理装置200が、出力部としての機能を有してもよい。
【0091】
本変形例に係る仮眠環境決定システム1では、例えば対象者は、作成部40により作成された直後の仮眠計画や、仮眠計画が更新された履歴を確認することができる。このため、自己の仮眠環境がどのように決定されたのか、容易に確認することができる。
【0092】
(7-2)変形例1B
本開示に係る仮眠環境決定システム1は、対象者の仮眠に関する事項が詳細に記載されたレポートを作成してもよい。以下、このようなレポートを仮眠レポートと呼ぶ。また、仮眠環境決定システム1が変形例1Aに記載の出力部を備える場合、仮眠レポートは、出力部によって出力されてもよい。例えば、仮眠環境決定システム1は、
図6に示すような仮眠レポートを作成し、出力してもよい。
【0093】
図6に示すように、仮眠レポートには、仮眠が行われた時間帯や、各時間帯における睡眠状態や、各時間帯における制御方針や、各時間帯における制御パラメータ等が含まれてもよい。この他にも、仮眠レポートには、仮眠前に取得された仮眠前情報や、仮眠中に取得された仮眠中情報等の、対象者の仮眠に関する各種情報が含まれてもよい。
【0094】
本変形例に係る仮眠環境決定システム1では、例えば対象者は、仮眠時における自己の生体情報や、自己の睡眠状態の推移等を容易に確認することができる。
【0095】
(7-3)変形例1C
上記実施形態において、管理装置200は空間RMとは別の空間に設置されていると説明したが、これに限定されるものではない。例えば管理装置200は、空間RMの内部に設置されてもよい。この場合、管理装置200は、仮眠前情報取得機器60や、仮眠中情報取得機器70および環境条件調整機器100と、例えば近距離無線通信を行うことで、各種データの授受を行ってもよい。
【0096】
<他の実施形態>
以上、本開示に係る実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0097】
本開示は、上記各実施形態そのままに限定されるものではない。本開示は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、本開示は、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の開示を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素は削除してもよい。さらに、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。従って、本実施形態はあらゆる点で一例に過ぎず、限定するものではないと考えるべきであり、これにより、当業者に自明のあらゆる修正が実施形態に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0098】
1 仮眠環境決定システム
10 仮眠前情報取得部
20 仮眠中情報取得部
30 判断部
40 作成部
50 更新部
60 仮眠前情報取得部
70 仮眠中情報取得部
100 環境条件調整機器
101 空気調和装置
102 寝具
110 アクチュエータ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0099】
【手続補正書】
【提出日】2022-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮眠時の環境状態を決定するシステムであって、
制御部(210)、
を備え、
前記制御部は、
仮眠を行う対象者に関する仮眠前情報を、前記対象者が仮眠を行う前に取得し、
前記仮眠前情報に基づいて、睡眠深度の調整のための前記環境状態に関する既定の仮眠計画の内容を変更するか否か、を判断し、前記仮眠計画の内容を変更すると判断した場合、前記仮眠前情報に基づいて、どのように前記仮眠計画の内容を変更するか、を判断して、前記仮眠計画を更新し、前記仮眠計画の内容を変更しないと判断した場合、前記仮眠計画を更新せず、
仮眠中の前記対象者に関する仮眠中情報を、前記対象者の仮眠中に取得し、
前記対象者の仮眠中に、前記仮眠中情報に基づいて、前記仮眠計画の内容を変更するか否か、を判断し、前記仮眠計画の内容を変更すると判断した場合、前記仮眠中情報に基づいて、どのように前記仮眠計画の内容を変更するか、を判断して、前記仮眠計画を更新し、前記仮眠計画の内容を変更しないと判断した場合、前記仮眠計画を更新しない、
仮眠環境決定システム(1)。
【請求項2】
仮眠時の環境状態を決定するシステムであって、
制御部(210)、
を備え、
前記制御部は、
仮眠を行う対象者に関する仮眠前情報を、前記対象者が仮眠を行う前に取得し、
前記仮眠前情報に基づいて、睡眠深度の調整のための前記環境状態に関する仮眠計画の内容をどのように調整するか、を判断して、前記仮眠計画を作成し、
前記仮眠前情報に基づいて、作成した前記仮眠計画の内容を変更するか否か、を判断し、前記仮眠計画の内容を変更すると判断した場合、前記仮眠前情報に基づいて、どのように前記仮眠計画の内容を変更するか、を判断して、前記仮眠計画を更新し、前記仮眠計画の内容を変更しないと判断した場合、前記仮眠計画を更新せず、
仮眠中の前記対象者に関する仮眠中情報を、前記対象者の仮眠中に取得し、
前記対象者の仮眠中に、前記仮眠中情報に基づいて、前記仮眠計画の内容を変更するか否か、を判断し、前記仮眠計画の内容を変更すると判断した場合、前記仮眠中情報に基づいて、どのように前記仮眠計画の内容を変更するか、を判断して、前記仮眠計画を更新し、前記仮眠計画の内容を変更しないと判断した場合、前記仮眠計画を更新しない、
仮眠環境決定システム(1)。
【請求項3】
前記仮眠計画は、前記環境状態を調整する回数、前記環境状態を調整する時刻、前記環境状態の調整によって切り替わる睡眠状態の目標推移、および、前記環境状態を調整するための機器の制御パラメータ、
を含む、
請求項1又は2に記載の仮眠環境決定システム。
【請求項4】
前記仮眠前情報は、
前記対象者の、前日の入眠時刻、平均入眠時刻、前日の起床時間、平均起床時間、および、眠気、のうち少なくとも一つと、
前記対象者の性別、年齢、および、希望仮眠時間、のうち少なくとも一つと、
を含む、
請求項1から3のいずれかに記載の仮眠環境決定システム。
【請求項5】
前記仮眠前情報は、前記対象者の、疲労度、前日の睡眠時間、および、平均睡眠時間、のうち少なくとも一つをさらに含む、
請求項1から4のいずれかに記載の仮眠環境決定システム。
【請求項6】
前記仮眠前情報は、前記対象者による手入力、および、前記対象者の情報を取得する機器である仮眠前情報取得機器(60)、のうち少なくとも一つから取得される、
請求項1から5のいずれかに記載の仮眠環境決定システム。
【請求項7】
前記仮眠中情報は、
心拍、心電、脈波、脳波、呼吸、血圧、体温、および、体動、のうち少なくとも一つと、
仮眠中の前記対象者が存在する空間における、温度、湿度、気流、照度、騒音、臭い、寝具の温度、寝具の傾度、のうち少なくとも一つと、
を含み、
前記仮眠中情報は、仮眠中の前記対象者が存在する空間に設置される仮眠中情報取得機器(70)によって取得される、
請求項1から6のいずれかに記載の仮眠環境決定システム。
【請求項8】
前記睡眠状態は、覚醒状態、REM睡眠状態、浅い睡眠状態、および、深い睡眠状態を含む、
請求項3に記載の仮眠環境決定システム。
【請求項9】
前記環境状態は、仮眠中の前記対象者が存在する空間における、温熱環境状態、照明環境状態、寝具内温熱環境状態、寝具姿勢の状態、および、音環境状態、のうち少なくとも一つを含む、
請求項1から8のいずれかに記載の仮眠環境決定システム。
【請求項10】
前記仮眠計画に基づいて前記環境状態を調整する機器である環境状態調整機器(100)と、
前記環境状態調整機器を制御するアクチュエータ(110)と、
をさらに備え、
前記環境状態調整機器は、空気調和装置(101)および温度調整部を有する寝具(102)を含む、
請求項1から9のいずれかに記載の仮眠環境決定システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
仮眠環境決定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の外出時においても利用者の睡眠状態を向上させることができる睡眠状態向上システムおよび睡眠状態向上方法が、特許文献1(特許第4466654号)に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1では、利用者が仮眠を行うケースについては、詳細な検討がなされていない。このため、上記特許文献1のシステムおよび方法によって提供される睡眠時の環境が、仮眠を行う利用者に適した環境であるとは限らない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の仮眠環境決定システムは、仮眠時の環境状態を決定するシステムであって、制御部を備える。制御部は、仮眠を行う対象者に関する仮眠前情報を、対象者が仮眠を行う前に取得する。制御部は、仮眠前情報に基づいて、睡眠深度の調整のための環境状態に関する既定の仮眠計画の内容を変更するか否か、を判断する。制御部は、仮眠計画の内容を変更すると判断した場合、仮眠前情報に基づいて、どのように仮眠計画の内容を変更するか、を判断して、仮眠計画を更新する。制御部は、仮眠計画の内容を変更しないと判断した場合、仮眠計画を更新しない。制御部は、仮眠中の対象者に関する仮眠中情報を、対象者の仮眠中に取得する。制御部は、対象者の仮眠中に、仮眠中情報に基づいて、仮眠計画の内容を変更するか否か、を判断する。制御部は、仮眠計画の内容を変更すると判断した場合、仮眠中情報に基づいて、どのように仮眠計画の内容を変更するか、を判断して、仮眠計画を更新する。制御部は、仮眠計画の内容を変更しないと判断した場合、仮眠計画を更新しない。
【0005】
この仮眠環境決定システムは、仮眠時の環境状態を決定するシステムであって、制御部は、仮眠前情報に基づいて、睡眠深度の調整のための環境状態に関する既定の仮眠計画の内容を変更するか否か、を判断する。制御部は、仮眠計画の内容を変更すると判断した場合、仮眠前情報に基づいて、どのように仮眠計画の内容を変更するか、を判断して、仮眠計画を更新する。仮眠前情報は、仮眠を行う対象者に関する情報であって、対象者が仮眠を行う前に取得される情報である。この構成によれば、仮眠環境決定システムは、制御部が判断した、睡眠深度の調整のための環境状態に関する既定の仮眠計画の内容に基づいて、仮眠時の環境状態を調整することができる。このため、第1観点に係る仮眠環境決定システムは、対象者に適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0006】
この仮眠環境決定システムでは、制御部は、対象者の仮眠中に仮眠中情報に基づいて仮眠計画を更新する。仮眠中情報は、仮眠中の対象者に関する情報であって、対象者の仮眠中に取得される情報である。この構成によれば、仮眠環境決定システムは、対象者の仮眠中に更新された仮眠計画に基づいて、仮眠時の環境状態を調整することができる。このため、第1観点に係る仮眠環境決定システムは、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0007】
第2観点の仮眠環境決定システムは、仮眠時の環境状態を決定するシステムであって、制御部を備える。制御部は、仮眠を行う対象者に関する仮眠前情報を、対象者が仮眠を行う前に取得する。制御部は、仮眠前情報に基づいて、睡眠深度の調整のための環境状態に関する仮眠計画の内容をどのように調整するか、を判断して、仮眠計画を作成する。制御部は、仮眠前情報に基づいて、作成した仮眠計画の内容を変更するか否か、を判断する。制御部は、仮眠計画の内容を変更すると判断した場合、仮眠前情報に基づいて、どのように仮眠計画の内容を変更するか、を判断して、仮眠計画を更新する。制御部は、仮眠計画の内容を変更しないと判断した場合、仮眠計画を更新しない。制御部は、仮眠中の対象者に関する仮眠中情報を、対象者の仮眠中に取得する。制御部は、対象者の仮眠中に、仮眠中情報に基づいて、仮眠計画の内容を変更するか否か、を判断する。制御部は、仮眠計画の内容を変更すると判断した場合、仮眠中情報に基づいて、どのように仮眠計画の内容を変更するか、を判断して、仮眠計画を更新する。制御部は、仮眠計画の内容を変更しないと判断した場合、仮眠計画を更新しない。
【0008】
この仮眠環境決定システムでは、制御部は、仮眠前情報に基づいて、睡眠深度の調整のための環境状態に関する仮眠計画の内容をどのように調整するか、を判断して、仮眠計画を作成する。この構成によれば、仮眠環境決定システムは、制御部が作成した仮眠計画に基づいて、仮眠時の環境状態を調整することができる。このため、第2観点に係る仮眠環境決定システムは、対象者に適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0009】
この仮眠環境決定システムでは、制御部は、対象者の仮眠中に仮眠中情報に基づいて仮眠計画を更新する。仮眠中情報は、仮眠中の対象者に関する情報であって、対象者の仮眠中に取得される情報である。この構成によれば、仮眠環境決定システムは、対象者の仮眠中に更新された仮眠計画に基づいて、仮眠時の環境状態を調整することができる。このため、第2観点に係る仮眠環境決定システムは、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0010】
第3観点の仮眠環境決定システムは、第1観点又は第2観点のシステムであって、仮眠計画は、環境状態を調整する回数、環境状態を調整する時刻、環境状態の調整によって切り替わる睡眠状態の目標推移、および、環境状態を調整するための機器の制御パラメータ、を含む。
【0011】
第4観点の仮眠環境決定システムは、第1観点から第3観点のいずれかのシステムであって、仮眠前情報は、対象者の、前日の入眠時刻、平均入眠時刻、前日の起床時間、平均起床時間、および、眠気、のうち少なくとも一つを含む。また、仮眠前情報は、対象者の性別、年齢、および、希望仮眠時間、のうち少なくとも一つを含む。
【0012】
この仮眠環境決定システムでは、対象者に特有の情報を、仮眠前情報として取得する。この構成によれば、仮眠環境決定システムは、対象者の特性に基づいて仮眠時の環境条件を決定することができる。このため、第4観点に係る仮眠環境決定システムは、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0013】
第5観点の仮眠環境決定システムは、第1観点から第4観点のいずれかのシステムであって、仮眠前情報は、対象者の、疲労度、前日の睡眠時間、および、平均睡眠時間、のうち少なくとも一つをさらに含む。
【0014】
この仮眠環境決定システムでは、対象者に特有の情報を、仮眠前情報として取得する。この構成によれば、仮眠環境決定システムは、対象者の特性に基づいて仮眠時の環境条件を決定することができる。このため、第5観点に係る仮眠環境決定システムは、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0015】
第6観点の仮眠環境決定システムは、第1観点から第5観点のいずれかのシステムであって、仮眠前情報は、対象者による手入力、および、対象者の情報を取得する機器である仮眠前情報取得機器、のうち少なくとも一つから取得される。
【0016】
第7観点の仮眠環境決定システムは、第1観点から第6観点のいずれかのシステムであって、仮眠中情報は、心拍、心電、脈波、脳波、呼吸、血圧、体温、および、体動、のうち少なくとも一つを含む。また、仮眠中情報は、仮眠中の対象者が存在する空間における、温度、湿度、気流、照度、騒音、臭い、寝具の温度、寝具の傾度、のうち少なくとも一つを含む。仮眠中情報は、仮眠中の対象者が存在する空間に設置される仮眠中情報取得機器によって取得される。
【0017】
この仮眠環境決定システムでは、対象者に特有の生体情報や、対象者が存在する空間に特有の情報を、仮眠中情報として取得する。また、仮眠中情報は、対象者の仮眠中に取得される情報である。この構成によれば、仮眠環境決定システムは、対象者の現在の特性および対象者が存在する空間の現在の特性に基づいて仮眠時の環境条件を決定することができる。このため、第7観点に係る仮眠環境決定システムは、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0018】
第8観点の仮眠環境決定システムは、第3観点のシステムであって、睡眠状態は、覚醒状態、REM睡眠状態、浅い睡眠状態、および、深い睡眠状態を含む。
【0019】
第9観点の仮眠環境決定システムは、第1観点から第8観点のいずれかのシステムであって、環境状態は、仮眠中の対象者が存在する空間における、温熱環境状態、照明環境状態、寝具内温熱環境状態、寝具姿勢の状態、および、音環境状態、のうち少なくとも一つを含む。
【0020】
第10観点の仮眠環境決定システムは、第1観点から第9観点のいずれかのシステムであって、環境状態調整機器と、アクチュエータと、をさらに備える。環境状態調整機器は、仮眠計画に基づいて環境状態を調整する機器である。アクチュエータは、環境状態調整機器を制御する。環境状態調整機器は、空気調和装置および温度調整部を有する寝具を含む。
【0021】
この仮眠環境決定システムは、仮眠計画に基づいて環境状態を調整する機器である環境状態調整機器と、環境状態調整機器を制御するアクチュエータと、をさらに備える。この構成によれば、環境状態調整機器によって、環境状態を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図4】仮眠環境が調整されることにより睡眠深度が調整される例を示す図である。
【
図5】仮眠環境決定システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示に係る仮眠環境決定システム1について、適宜図面を参照しながら、実施の形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細な説明や、実質的に同一の構成に対する重複した説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0024】
なお、各図は、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0025】
(1)仮眠環境決定システム1の全体構成
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、仮眠時の環境状態を決定するシステムである。本実施形態において、仮眠時の環境状態とは、仮眠中の対象者が存在する空間における、温熱環境状態、照明環境状態、寝具内温熱環境状態、寝具姿勢の状態、および、音環境状態、のうち少なくとも一つを含む。仮眠環境決定システム1は、仮眠時における睡眠深度が深くなるように、又は、仮眠時における睡眠深度が浅くなるように、又は、仮眠時における睡眠深度が維持されるように、仮眠時の環境状態を決定する。詳細は後述する。
【0026】
図1および
図2に示すように、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、主に、仮眠前情報取得部10、仮眠中情報取得部20、判断部30、作成部40、更新部50、仮眠前情報取得機器60、仮眠中情報取得機器70、環境
状態調整機器100、アクチュエータ110、を備える。
【0027】
詳細は後述するが、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠前情報取得部10、仮眠中情報取得部20、判断部30、作成部40および更新部50は、管理装置200に含まれる(
図2参照)。
【0028】
図1に示すように、対象者は、仮眠前情報取得機器60や仮眠中情報取得機器70等が設置されている空間RMにおいて、寝具102の上で仮眠を行う。なお、本実施形態において、「仮眠」とは、例えば10分以上3時間以内の睡眠のことを指す。また、「仮眠」は、対象者が寝具102の上に存在した時点で開始されるものとする。従って、対象者が寝具102の上に存在する限り、仮に対象者が覚醒状態にある場合でも、仮眠を行っているものとして考える。
【0029】
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠を行う対象者に関する仮眠前情報が、対象者の仮眠前に仮眠前情報取得機器60によって取得される。仮眠前情報は、対象者の、前日の入眠時刻、平均入眠時刻、前日の起床時間、平均起床時間、眠気、および、希望仮眠時間、のうち少なくとも一つを含む。また、仮眠前情報は、対象者の性別、年齢、および、希望仮眠時間、のうち少なくとも一つを含む。さらに、仮眠前情報は、対象者の、疲労度、前日の睡眠時間、および、平均睡眠時間、のうち少なくとも一つを含む。仮眠環境決定システム1の判断部30は、これらの仮眠前情報に基づいて、睡眠深度の調整のための環境状態に関する仮眠計画の内容をどのように調整するか、を判断する。仮眠環境決定システム1の作成部40は、判断部30の判断に基づいて、睡眠深度の調整のための環境状態に関する仮眠計画を作成する。仮眠環境決定システム1は、作成部40によって作成された仮眠計画に基づいて、環境状態を調整する。
【0030】
また、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠中の対象者に関する仮眠中情報が、対象者の仮眠中に仮眠中情報取得機器70によって取得される。仮眠中情報は、対象者の、心拍、心電、脈波、脳波、呼吸、血圧、体温、および、体動、のうち少なくとも一つを含む。また、仮眠中情報は、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける、温度、湿度、気流、照度、騒音、臭い、寝具の温度、寝具の傾度、のうち少なくとも一つを含む。仮眠環境決定システム1の更新部50は、これらの仮眠中情報に基づいて、仮眠計画を更新する。仮眠環境決定システム1は、更新された仮眠計画に基づいて、環境状態を調整する。環境状態が調整されることで、対象者の睡眠深度が調整される。
【0031】
(2)仮眠環境決定システム1の詳細構成
(2-1)仮眠前情報取得機器60
仮眠前情報取得機器60は、仮眠前情報を取得する機器である。本実施形態に係る仮眠前情報取得機器60は、例えば、スマートウォッチやスマートグラスなどのウェアラブルデバイスである。仮眠前情報取得機器60は例えば、仮眠前情報取得機器60に内蔵されたバイタルセンサ等のセンサによって、仮眠前情報を取得する。あるいは、仮眠前情報取得機器60は例えば、対象者からの手入力を受け付けることで、仮眠前情報を取得する。あるいは、仮眠前情報取得機器60は例えば、図示しない情報端末であって、仮眠前情報が記録された情報端末(例えば、対象者の自宅又は職場に設置されたコンピュータ等)、と通信ネットワークNW1等を介して通信を行うことで、仮眠前情報を取得する。
【0032】
なお、本実施形態に係る仮眠前情報取得機器60は、単一の機器に限定されるものではなく、複数の機器を組み合わせることで構成されてもよい。また、仮眠前情報取得機器60は、ウェアラブルデバイスに限定されるものではなく、適宜変更可能である。従って、仮眠前情報取得機器60は例えば、スマートフォン等であってもよい。
【0033】
(2-2)仮眠中情報取得機器70
仮眠中情報取得機器70は、仮眠中情報を取得する機器である。本実施形態に係る仮眠中情報取得機器70は、限定するものではないが例えば、仮眠中の対象者が存在する空間RMに設置されるセンサユニットである。より具体的には、本実施形態に係る仮眠中情報取得機器70は、バイタルセンサ、モーションセンサ、脳波計、心拍計、のうちいずれかを含む。また、本実施形態に係る仮眠中情報取得機器70は、空気温度センサ、空気湿度センサ、気流センサ、照度センサ、騒音レベルを検出する音圧センサ、空気中に含まれる臭い成分量を検知する臭いセンサ、寝具102の温度を検出する温度センサ、寝具102の傾度を検出する傾度センサ、のうちいずれかをさらに含む。
【0034】
なお、本実施形態に係る仮眠中情報取得機器70は、単一の機器に限定されるものではなく、複数の機器を組み合わせることで構成されてもよい。また、仮眠中情報取得機器70は、上記のセンサユニットに限定されるものではなく、適宜選択されればよい。
【0035】
(2-3)環境状態調整機器100
環境状態調整機器100は、環境状態を調整する機器である。上記の通り、環境状態は、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける、温熱環境状態、照明環境状態、寝具内温熱環境状態、寝具姿勢の状態、臭い環境状態、および、音環境状態、のうち少なくとも一つを含む。
【0036】
環境状態調整機器100は、空気調和装置101および温度調整部を有する寝具102を含む。また、環境状態調整機器100は、照明機器103や、スピーカ104や、香りディスペンサ105を含んでもよい。空気調和装置101は、空間RMの空気温度や空気湿度を調整することが可能な機器であって、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける温熱環境状態を調整することが可能な機器である。寝具102は、例えば温度調整部としての電気毛布102aと、姿勢変更が可能なベッド102bと、から構成される機器であって、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける寝具内温熱環境状態や寝具姿勢の状態を調整することが可能な機器である。照明機器103は、例えば照度の変更が可能な機器であって、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける照明環境状態の調整が可能な機器である。スピーカ104は、例えば音量調整が可能な機器であって、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける音環境状態の調整が可能な機器である。香りディスペンサ105は、例えば複数の香料を内蔵しており、一つの香料及び/又は複数の香料を用いて香りを発生させることで、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける臭い環境の調整が可能な機器である。
【0037】
(2―4)アクチュエータ110
仮眠環境決定システム1は、環境状態調整機器100を制御するアクチュエータ110を備える。より具体的には、仮眠環境決定システム1は、環境状態調整機器100の動作の制御を行うアクチュエータ110を備える。本実施形態に係るアクチュエータ110は、環境状態調整機器100としての空気調和装置101や寝具102等に内蔵されている。仮眠環境決定システム1は、アクチュエータ110を制御することで、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける、温熱環境状態、照明環境状態、寝具内温熱環境状態、寝具姿勢の状態、臭い環境状態、および、音環境状態、のうち少なくとも一つを制御することができる。
【0038】
(2-5)管理装置200
本実施形態に係る管理装置200は例えば、処理部210と、通信部220と、記憶部230と、を含むコンピュータ装置である。本実施形態において、管理装置200は空間RMとは別の空間に設置されている。管理装置200は、空間RMの環境状態を管理する機器装置である。管理装置200は、通信部220の機能によって、仮眠前情報取得機器60、仮眠中情報取得機器70、環境状態調整機器100のそれぞれに通信ネットワークNW1を介して接続する。
【0039】
以下、仮眠環境決定システム1を構成する管理装置200について、図を参照しながら説明を行う。なお、管理装置200は、本実施形態で説明する機能の一部又は全部を有していなくてもよい。例えば、以下で説明する管理装置200の機能の一部又は全部は、管理装置200とは別の場所に設置されるサーバ等により実現されてもよい。
【0040】
(3)管理装置200の詳細構成
仮眠環境決定システム1を構成する管理装置200の構成について詳細に説明する。
図2は、管理装置200の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態に係る管理装置200は、処理部210、通信部220、記憶部230から構成される。
【0041】
(3-1)処理部210
処理部210(制御部)は、CPUを含んで構成されている。処理部210のCPUは、記憶部230に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、仮眠前情報取得部10や、仮眠中情報取得部20や、判断部30や、作成部40や、更新部50として機能する。
【0042】
(3-1-1)仮眠前情報取得部10
仮眠前情報取得部10は、仮眠前情報を取得する。詳細には、仮眠前情報取得部10は、後述する通信部220によって通信ネットワークNW1を介して、仮眠前情報を仮眠前情報取得機器60から取得する。なお、仮眠前情報取得部10は、対象者からの手入力を受け付けることで、仮眠前情報を取得してもよい。換言すると、仮眠前情報取得部10は、仮眠前情報取得機器60を介することなく仮眠前情報を取得してもよい。
【0043】
(3-1-2)仮眠中情報取得部20
仮眠中情報取得部20は、仮眠中情報を取得する。詳細には、仮眠中情報取得部20は、後述する通信部220によって通信ネットワークNW1を介して、仮眠中情報を仮眠中情報取得機器70から取得する。
【0044】
(3-1-3)判断部30
判断部30は、仮眠前情報に基づいて、対象者の睡眠深度の調整のための環境状態に関する仮眠計画の内容をどのように調整するか、を判断する。換言すると、判断部30は、環境状態をどのように調整すれば、対象者の睡眠深度を調整することができるのか、を判断する。なお、睡眠深度の調整とは、睡眠深度を深くすること、睡眠深度を浅くすること及び睡眠深度を維持すること、のうちいずれかを意味する。従って、判断部30は、環境状態をどのように調整すれば、対象者の睡眠深度を深くすることができるのか、浅くすることができるのか、及び、維持することができるのか、を判断する機能部であると言い換えることができる。
【0045】
(3-1-4)作成部40
作成部40は、判断部30の判断に基づいて、睡眠深度の調整のための環境状態に関する仮眠計画を作成する。仮眠計画は、環境状態を調整する回数、環境状態を調整する時刻、環境状態の調整によって切り替わる睡眠状態の目標推移、および、環境状態を調整するための機器の制御パラメータ、を含む。仮眠環境決定システム1は、仮眠計画に従って、環境状態の調整を行う。詳細は後述する。
【0046】
(3-1-5)更新部50
更新部50は、対象者の仮眠中に、仮眠中情報に基づいて仮眠計画を更新する。上記の通り、仮眠中情報は、対象者の仮眠中に取得される情報である。仮眠環境決定システム1は、更新部50により仮眠計画が更新された場合、更新後の仮眠計画に従って、対象者の環境状態の調整を行う。
【0047】
(3-2)通信部220
通信部220は、通信ネットワークNW1を含む外部ネットワークとの通信を実行する。通信部220が機能することにより、仮眠前情報取得機器60、仮眠中情報取得機器70および環境状態調整機器100を含む各種機器と、管理装置200と、の間で各種データの授受が行なわれる。
【0048】
(3-3)記憶部230
記憶部230は、記憶されたプログラムおよびデータなどの情報をプロセッサ等が読み取り可能なように記録する媒体を含む。本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、処理部210を構成するCPU等によって記憶部230に記憶されたプログラムが読み込まれることで、上記各機能が実現される。
【0049】
記憶部230は、RAM(Random Access Memory)、あるいはROM(Read Only Memory)などのシステムメモリと、補助記憶装置とを含む。補助記憶装置は、例えばハードディスク等の磁気的記録媒体、CD、DVD等の光学的記録媒体、あるいは、フラッシュメモリ等の半導体メモリであってもよい。
【0050】
(4)仮眠計画の詳細
以下、本実施形態に係る仮眠計画について説明する。仮眠計画は、対象者の睡眠深度の調整のための環境状態に関する計画であって、作成部40によって作成される計画である。
【0051】
作成部40は、判断部30の判断に基づいて、仮眠計画を作成する。判断部30は、仮眠前情報に基づいて、対象者の睡眠深度の調整のための環境状態に関する仮眠計画の内容をどのように調整するか、を判断する。ここでは、仮眠前情報として例えば、対象者の、年齢、性別、平均入眠時刻、平均起床時間、平均睡眠時間、眠気、疲労度、前日の睡眠時間、希望仮眠時間、が取得される場合を想定する。
【0052】
判断部30は、上記のような仮眠前情報に基づいて、対象者の睡眠深度の調整のための環境状態に関する仮眠計画の内容をどのように調整するか、を判断する。例えば判断部30は、環境状態の調整を行う回数をどのように調整するか、を判断する。また、判断部30は、例えば環境状態の調整を行う時刻をどのように調整するか、を判断する。また、判断部30は、例えば睡眠状態を、どのように推移させるかを判断する。また、判断部30は、例えば環境状態を調整するための機器の制御パラメータを、どのように調整するかを判断する。ここでは、環境状態を調整するための機器の制御パラメータは例えば、温度、湿度、気流、照度、騒音、臭い、寝具の温度、寝具の傾度のうちの少なくとも一つを含むものとする。
【0053】
なお、本実施形態において、対象者の睡眠状態は、REM睡眠状態と、浅い睡眠状態と、深い睡眠状態と、覚醒状態と、を含む。なお、ここでは、浅い睡眠状態とは、対象者がステージ1かステージ2の睡眠である状態を指す。深い睡眠状態とは、対象者がステージ3かステージ4の睡眠である状態を指す。覚醒状態とは、REM睡眠状態、浅い睡眠状態および深い睡眠状態のいずれにも該当しない睡眠状態を指す。
【0054】
作成部40は、上記のような判断部30の判断に基づいて、仮眠計画を作成する。
図3の(a)および(b)は、作成部40によって作成される仮眠計画の一例である。
図3の(a)は、作成部40によって作成された直後の仮眠計画を示す。
図3の(b)は、更新部50によって更新された仮眠計画を示す。
図3の(a)に示すように、作成部40によって作成された直後の仮眠計画には、環境
状態を調整
する回数、環境
状態を調整
する時刻、環境
状態の調整によって切り替わる睡眠状態の目標推移、および、環境
状態を調整するための
機器の制御パラメータ、が含まれている。仮眠環境決定システム1は、作成部40が作成した仮眠計画に従って、睡眠深度を調整することを予定する。
【0055】
例えば
図3の(a)に示すような仮眠計画が作成された場合、仮眠環境決定システム1は、13時(仮眠の開始と同時)に1回目の環境
状態の調整を、13時15分に2回目の環境
状態の調整を、13時30分に3回目の環境
状態の調整を、14時に4回目の環境
状態の調整を、14時15分に5回目の環境
状態の調整を、それぞれ行うことを予定する。また、1回目の睡眠深度の調整では、温度(空間RMの空気温度)が24℃に、寝具の温度が30℃となるように、環境
状態調整機器100としての空気調和装置101や電気毛布102aの動作を制御することを予定する。2回目の環境
状態の調整では、温度が22℃となるように、空気調和装置101の動作を制御することを予定する。3回目の環境
状態の調整では、温度が24℃となるように、空気調和装置101の動作を制御することを予定する。4回目の環境
状態の調整では、温度が26℃となるように、空気調和装置101の動作を制御することを予定する。5回目の環境
状態の調整では、温度が27℃となるように、空気調和装置101の動作を制御することを予定する。また、1回目の環境
状態の調整が行われることで、対象者の睡眠状態が、覚醒状態から浅い睡眠状態に切り替わることが期待される(
図4の点A参照)。2回目の環境
状態の調整が行われることで、対象者の睡眠状態が、浅い睡眠状態から深い睡眠状態に切り替わることが期待される(
図4の点B参照)。3回目の環境
状態の調整が行われることで、対象者の睡眠状態が、深い睡眠状態から浅い睡眠状態に切り替わることが期待される(
図4の点C参照)。4回目の環境
状態の調整が行われることで、対象者の睡眠状態が、浅い状態から覚醒状態に切り替わることが期待される(
図4の点D参照)。5回目の環境
状態の調整が行われることで、対象者の睡眠状態が、覚醒状態に維持されることが期待される(
図4の点E参照)。
【0056】
また、本実施形態に係る仮眠計画は、対象者の仮眠中に、更新部50の機能によって、リアルタイムに更新される。上記の通り、対象者の仮眠中には、仮眠中情報が取得される。ここでは、仮眠中情報として例えば、対象者の、心拍や呼吸や体温が取得される場合を想定する。なお、ここでは「心拍」として、対象者の1分間の心拍数が取得されるものとする。また、ここでは「呼吸」として、対象者の1分間の平均呼吸回数が取得されるものとする。
【0057】
上記のような仮眠中情報が、対象者の仮眠中に取得されることで、仮眠環境決定システム1は、例えば仮眠中の対象者の睡眠状態が切り替わったことや、仮眠中の対象者の体温が上昇していること等を把握することができる。更新部50は、これらの仮眠中情報に基づいて、仮眠計画を更新する。
図3の(b)は、更新された仮眠計画の一例を示している。仮眠計画が
図3の(b)に示すような内容に更新された場合、仮眠環境決定システム1は、では13時15分に行う予定であった2回目の環境
状態の調整を、13時12分に行うように予定を変更する。また、更新後の仮眠計画における2回目の環境
状態の調整では、寝具の温度が28℃になるように、電気毛布102aの動作が制御される。このように、仮眠計画が更新された場合、仮眠環境決定システム1は、更新部50が更新した仮眠計画に従って環境
状態の調整を行う。
【0058】
なお、仮眠計画の更新は、リアルタイムに取得される仮眠中情報に基づいて、繰り返し行われる。仮眠環境決定システム1は、仮眠計画が更新される度に、更新された仮眠計画に従って、環境状態を調整する。
【0059】
なお、
図3の(a)に示した仮眠計画の内容や、
図3の(b)に示した更新後の仮眠計画の内容はあくまでも一例であり、適宜変更可能である。従って、例えば、睡眠深度の調整のために、照明機器103やスピーカ104や香りディスペンサ105が動作するような仮眠計画が作成されてもよい。
【0060】
このように、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠計画に従って、環境状態が調整される。より具体的には、仮眠時に深い睡眠を導く環境状態や、仮眠時に浅い睡眠を導く環境状態や、仮眠時の睡眠深度を維持する環境状態が決定される。このため、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、対象者に適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠計画に従って、仮眠時の環境が詳細に制御される。このため、仮眠のような短時間の睡眠であっても、対象者に適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0062】
(5)仮眠環境決定システム1の動作
以下、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1の動作の流れについて、
図5を参照しながら説明する。
図5は、仮眠環境決定システム1の動作の流れの一例を示したフローチャートである。なお、
図5に示すステップの内容は、適宜変更可能である。例えば、矛盾のない範囲でステップの順序が変更されてもよいし、一部のステップが他のステップと並列に実行されてもよいし、他のステップが新たに追加されてもよい。
【0063】
ステップS1では、仮眠環境決定システム1の仮眠前情報取得機器60が、仮眠前情報を取得し、仮眠前情報を仮眠前情報取得部10に送信する。
【0064】
ステップS2では、仮眠環境決定システム1の判断部30が、仮眠前情報に基づいて、対象者の睡眠深度を調整するための環境状態に関する仮眠計画の内容をどのように調整するか、を判断する。
【0065】
ステップS3では、判断部30の判断に基づいて、作成部40が仮眠計画を作成する。
これらのステップS1~S3は、対象者の仮眠が開始される前に行われる。
【0066】
ステップS4では、対象者の仮眠が開始される。ここで、仮眠環境決定システム1は、仮眠を行う対象者の環境状態の調整を、仮眠計画に基づいて行う。
【0067】
ステップS5では、仮眠環境決定システム1の仮眠中情報取得機器70が、対象者の仮眠中に仮眠中情報を取得し、仮眠中情報を仮眠中情報取得部20に送信する。
【0068】
ステップS6では、仮眠環境決定システム1の更新部50によって、仮眠計画の更新が行われる。
【0069】
ステップS7では、仮眠環境決定システム1が、仮眠中の対象者の環境状態の調整を、更新された仮眠計画に基づいて行う。仮眠環境決定システム1は、ステップS5~ステップS7の処理を、対象者の仮眠が終了するまで継続する。
【0070】
ステップS8では、対象者の仮眠が終了する。
【0071】
このようにして、仮眠環境決定システム1は、仮眠時の環境状態の決定を行う。
【0072】
(6)特徴
上記特許文献1には、利用者(対象者)の外出時においても利用者の睡眠状態を向上させることができる睡眠状態向上システムおよび睡眠状態向上方法が開示されている。しかしながら、上記特許文献1では、利用者が仮眠を行うケースについては、詳細な検討がなされていない。このため、上記特許文献1のシステムおよび方法によって提供される睡眠時の環境が、仮眠を行う利用者に適した環境であるとは限らない。
【0073】
(6-1)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、仮眠時の環境状態を決定するシステムであって、処理部210を備える。処理部210は、仮眠を行う対象者に関する仮眠前情報を、対象者が仮眠を行う前に取得する。処理部210は、仮眠前情報に基づいて、睡眠深度の調整のための環境状態に関する既定の仮眠計画の内容を変更するか否か、を判断する。処理部210は、仮眠計画の内容を変更すると判断した場合、仮眠前情報に基づいて、どのように仮眠計画の内容を変更するか、を判断して、仮眠計画を更新する。処理部210は、仮眠計画の内容を変更しないと判断した場合、仮眠計画を更新しない。処理部210は、仮眠中の対象者に関する仮眠中情報を、対象者の仮眠中に取得する。処理部210は、対象者の仮眠中に、仮眠中情報に基づいて、仮眠計画の内容を変更するか否か、を判断する。処理部210は、仮眠計画の内容を変更すると判断した場合、仮眠中情報に基づいて、どのように仮眠計画の内容を変更するか、を判断して、仮眠計画を更新する。処理部210は、仮眠計画の内容を変更しないと判断した場合、仮眠計画を更新しない。
【0074】
この仮眠環境決定システム1は、仮眠時の環境状態を決定するシステムであって、処理部210は、仮眠前情報に基づいて睡眠深度の調整のための環境状態に関する既定の仮眠計画の内容を変更するか否か、を判断する。処理部210は、仮眠計画の内容を変更すると判断した場合、仮眠前情報に基づいて、どのように仮眠計画の内容を変更するか、を判断して、仮眠計画を更新する。仮眠前情報は、仮眠を行う対象者に関する情報であって、対象者が仮眠を行う前に取得される情報である。この構成によれば、仮眠環境決定システム1は、処理部210が判断した、睡眠深度の調整のための環境状態に関する既定の仮眠計画の内容に基づいて、仮眠時の環境状態を調整することができる。より具体的には、仮眠時の対象者の睡眠深度を深くする環境状態や、仮眠時の対象者の睡眠深度を浅くする環境状態や、仮眠時の対象者の睡眠深度を維持する環境状態を調整することができる。このため、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、対象者に適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0075】
この仮眠環境決定システム1では、処理部210は、対象者の仮眠中に、仮眠中情報に基づいて仮眠計画を更新する。仮眠中情報は、仮眠中の対象者に関する情報であって、対象者の仮眠中に取得される情報である。この構成によれば、仮眠環境決定システム1は、対象者の仮眠中に更新された仮眠計画に基づいて、仮眠時の環境状態を調整することができる。このため、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0076】
(6-2)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、仮眠時の環境状態を決定するシステムであって、処理部210を備える。処理部210は、仮眠を行う対象者に関する仮眠前情報を、対象者が仮眠を行う前に取得する。処理部210は、仮眠前情報に基づいて、睡眠深度の調整のための環境状態に関する仮眠計画の内容をどのように調整するか、を判断して、仮眠計画を作成する。処理部210は、仮眠前情報に基づいて、作成した仮眠計画の内容を変更するか否か、を判断する。処理部210は、仮眠計画の内容を変更すると判断した場合、仮眠前情報に基づいて、どのように仮眠計画の内容を変更するか、を判断して、仮眠計画を更新する。処理部210は、仮眠計画の内容を変更しないと判断した場合、仮眠計画を更新しない。処理部210は、仮眠中の対象者に関する仮眠中情報を、対象者の仮眠中に取得する。処理部210は、対象者の仮眠中に、仮眠中情報に基づいて、仮眠計画の内容を変更するか否か、を判断する。処理部210は、仮眠計画の内容を変更すると判断した場合、仮眠中情報に基づいて、どのように仮眠計画の内容を変更するか、を判断して、仮眠計画を更新する。処理部210は、仮眠計画の内容を変更しないと判断した場合、仮眠計画を更新しない。
【0077】
この仮眠環境決定システム1では、処理部210は、仮眠前情報に基づいて、睡眠深度の調整のための環境状態に関する仮眠計画の内容をどのように調整するか、を判断して、仮眠計画を作成する。この構成によれば、仮眠環境決定システム1は、処理部210が作成した仮眠計画に基づいて、仮眠時の環境状態を調整することができる。このため、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、対象者に適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0078】
この仮眠環境決定システム1では、処理部210は、対象者の仮眠中に、仮眠中情報に基づいて仮眠計画を更新する。仮眠中情報は、仮眠中の対象者に関する情報であって、対象者の仮眠中に取得される情報である。この構成によれば、仮眠環境決定システム1は、対象者の仮眠中に更新された仮眠計画に基づいて、仮眠時の環境状態を調整することができる。このため、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0079】
(6-3)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠計画は、環境状態を調整する回数、環境状態を調整する時刻、環境状態の調整によって切り替わる睡眠状態の目標推移、および、環境状態を調整するための機器の制御パラメータ、を含む。
【0080】
(6-4)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠前情報は、対象者の、前日の入眠時刻、平均入眠時刻、前日の起床時間、平均起床時間、および、眠気、のうち少なくとも一つを含む。また、仮眠前情報は、対象者の性別、年齢、および、希望仮眠時間、のうち少なくとも一つを含む。
【0081】
この仮眠環境決定システム1では、対象者に特有の情報を、仮眠前情報として取得する。この構成によれば、仮眠環境決定システム1は、対象者の特性に応じて仮眠時の環境状態を決定することができる。このため、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0082】
(6-5)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠前情報は、対象者の、疲労度、前日の睡眠時間、および、平均睡眠時間、のうち少なくとも一つをさらに含む。
【0083】
この仮眠環境決定システム1では、対象者に特有の情報を、仮眠前情報として取得する。この構成によれば、仮眠環境決定システム1は、対象者の特性に応じて仮眠時の環境状態を決定することができる。このため、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0084】
(6-6)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠前情報は、対象者による手入力、および、対象者の情報を取得する機器である仮眠前情報取得機器60、のうち少なくとも一つから取得される。
【0085】
(6-7)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、仮眠中情報は、心拍、心電、脈波、脳波、呼吸、血圧、体温、および、体動、のうち少なくとも一つを含む。また、仮眠中情報は、仮眠中の対象者が存在する空間RMにおける、温度、湿度、気流、照度、騒音、臭い、寝具の温度、寝具の傾度、のうち少なくとも一つを含む。仮眠中情報は、仮眠中の対象者が存在する空間に設置される仮眠中情報取得機器70によって取得される。
【0086】
この仮眠環境決定システム1では、対象者に特有の生体情報や、対象者が存在する空間RMに特有の情報を、仮眠中情報として取得する。また、仮眠中情報は、対象者の仮眠中に取得される情報である。この構成によれば、仮眠環境決定システム1は、対象者の現在の特性および対象者が存在する空間RMの現在の特性に基づいて仮眠時の環境状態を決定することができる。このため、本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、対象者により適した仮眠時の環境を提供することができる。
【0087】
(6-8)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、睡眠状態は、覚醒状態、REM睡眠状態、浅い睡眠状態、および、深い睡眠状態を含む。
【0088】
(6-9)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1では、環境状態は、仮眠中の対象者が存在する空間における、温熱環境状態、照明環境状態、寝具内温熱環境状態、寝具姿勢の状態、および、音環境状態、のうち少なくとも一つを含む。
【0089】
(6-10)
本実施形態に係る仮眠環境決定システム1は、環境状態調整機器100と、アクチュエータ110と、をさらに備える。環境状態調整機器100は、仮眠計画に基づいて環境状態を調整する機器である。アクチュエータ110は、環境状態調整機器100を制御する。環境状態調整機器100は、空気調和装置101および温度調整部を有する寝具102を含む。
【0090】
この仮眠環境決定システム1は、仮眠計画に基づいて環境状態を調整する機器である環境状態調整機器100と、環境状態調整機器100を制御するアクチュエータ110と、をさらに備える。この構成によれば、環境状態調整機器100によって、環境状態を調整することができる。
【0091】
(7)変形例
上記実施形態は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。なお、上記の第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0092】
(7-1)変形例1A
本開示に係る仮眠環境決定システム1は、仮眠計画を出力する出力部、をさらに備えてもよい。あるいは、例えば仮眠前情報取得機器60や管理装置200が、出力部としての機能を有してもよい。
【0093】
本変形例に係る仮眠環境決定システム1では、例えば対象者は、作成部40により作成された直後の仮眠計画や、仮眠計画が更新された履歴を確認することができる。このため、自己の仮眠環境がどのように決定されたのか、容易に確認することができる。
【0094】
(7-2)変形例1B
本開示に係る仮眠環境決定システム1は、対象者の仮眠に関する事項が詳細に記載されたレポートを作成してもよい。以下、このようなレポートを仮眠レポートと呼ぶ。また、仮眠環境決定システム1が変形例1Aに記載の出力部を備える場合、仮眠レポートは、出力部によって出力されてもよい。例えば、仮眠環境決定システム1は、
図6に示すような仮眠レポートを作成し、出力してもよい。
【0095】
図6に示すように、仮眠レポートには、仮眠が行われた時間帯や、各時間帯における睡眠状態や、各時間帯における制御方針や、各時間帯における
機器の制御パラメータ等が含まれてもよい。この他にも、仮眠レポートには、仮眠前に取得された仮眠前情報や、仮眠中に取得された仮眠中情報等の、対象者の仮眠に関する各種情報が含まれてもよい。
【0096】
本変形例に係る仮眠環境決定システム1では、例えば対象者は、仮眠時における自己の生体情報や、自己の睡眠状態の推移等を容易に確認することができる。
【0097】
(7-3)変形例1C
上記実施形態において、管理装置200は空間RMとは別の空間に設置されていると説明したが、これに限定されるものではない。例えば管理装置200は、空間RMの内部に設置されてもよい。この場合、管理装置200は、仮眠前情報取得機器60や、仮眠中情報取得機器70および環境状態調整機器100と、例えば近距離無線通信を行うことで、各種データの授受を行ってもよい。
【0098】
<他の実施形態>
以上、本開示に係る実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0099】
本開示は、上記各実施形態そのままに限定されるものではない。本開示は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、本開示は、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の開示を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素は削除してもよい。さらに、異なる実施形態に構成要素を適宜組み合わせてもよい。従って、本実施形態はあらゆる点で一例に過ぎず、限定するものではないと考えるべきであり、これにより、当業者に自明のあらゆる修正が実施形態に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0100】
1 仮眠環境決定システム
60 仮眠前情報取得機器
70 仮眠中情報取得機器
100 環境状態調整機器
101 空気調和装置
102 寝具
110 アクチュエータ
210 処理部(制御部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0101】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】