IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイリン株式会社の特許一覧

特開2022-6677鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法
<>
  • 特開-鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法 図1
  • 特開-鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法 図2
  • 特開-鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法 図3
  • 特開-鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法 図4
  • 特開-鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法 図5
  • 特開-鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法 図6
  • 特開-鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法 図7
  • 特開-鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法 図8
  • 特開-鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法 図9
  • 特開-鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法 図10
  • 特開-鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法 図11
  • 特開-鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法 図12
  • 特開-鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法 図13
  • 特開-鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022006677
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法
(51)【国際特許分類】
   A61H 39/08 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
A61H39/08 V
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020109048
(22)【出願日】2020-06-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】390024545
【氏名又は名称】セイリン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】中 野 亮 一
(72)【発明者】
【氏名】金 子 雄 哉
(72)【発明者】
【氏名】小 林 拓 哉
【テーマコード(参考)】
4C101
【Fターム(参考)】
4C101DA01
4C101DA16
4C101DB02
4C101EA01
4C101EA02
(57)【要約】
【課題】
本発明の目的は、使用勝手の良好な鍼灸針用包装容器を提供するものである。
【解決手段】
鍼灸針用包装容器Pは、鍼灸針1を収納する収納凹所2を複数並設すると共に、収納凹所2の底部3より高い位置にある平らな周縁部4を有する板状の容器本体10と、この容器本体10を覆い、周縁部4に剥離可能に貼付けられたシート部材20と、収納凹所2に収納された鍼灸針1の針柄1aの長手方向を横断すると共に、針柄1aの下方に設けられた易折曲部30とを備え、少なくとも、鍼灸針1の針体1bを収納凹所2内に埋没させて収納し、易折曲部30を介して折り曲げ、折り曲げた逆V字状の容器本体10を載置面5に載置した場合、前記逆V字状に保持できる剛性を容器本体10は有するものである。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍼灸針を収納する収納凹所を複数並設すると共に、前記収納凹所の底部より高い位置にある周縁部を有する容器本体と、
この容器本体を覆い、前記周縁部に付着されたシート部材と、
前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針柄の長手方向を横断すると共に、前記針柄の下方の前記容器本体に設けられた易折曲部とを備え、
少なくとも、前記鍼灸針を前記収納凹所内に埋没させて収納するものであり、
前記易折曲部を介して折り曲げ、折り曲げた逆V字状の前記容器本体を載置面に載置した場合、前記逆V字状に保持できる剛性を前記容器本体は有する
ことを特徴とする鍼灸針用包装容器。
【請求項2】
収納凹所に収納された鍼灸針の針柄の上方であって、隣接する前記収納凹所の間の頂面が複数形成され、
シート部材が前記頂面に付着されている
ことを特徴とする請求項1記載の鍼灸針用包装容器。
【請求項3】
易折曲部は、収納凹所に収納された鍼灸針の長手方向を横断すると共に、前記鍼灸針の針柄の下方に直線状に設けられ、
容器本体は、前記易折曲部により第1の容器本体と第2の容器本体とに区画され、
前記易折曲部の上面と下面の厚みは、前記第1の容器本体の上面と下面の厚み及び前記第2の容器本体の上面と下面の厚みより小となる
ことを特徴とする請求項2記載の鍼灸針用包装容器。
【請求項4】
収納凹所に収納された鍼灸針の長手方向に直交する方向は、X方向であり、
シート部材の前記X方向は、幅方向であり、
前記鍼灸針の針体と遠い側の前記シート部材の端部は、容器本体よりはみ出すと共に、前記シート部材の端部の幅方向の中央部は、前記シート部材の端部の幅方向の両端部より容器本体よりのはみ出し量が大で、手で把持できる
ことを特徴とする請求項2記載の鍼灸針用包装容器。
【請求項5】
鍼灸針を収納する収納凹所を複数並設すると共に、前記収納凹所の底部より高い位置にある周縁部を有する容器本体と、
この容器本体を覆い、前記周縁部に付着されたシート部材と、
前記鍼灸針の針柄の下方であって、前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の長手方向を横断するように前記容器本体に設けられた易折曲部とを備え、
前記シート部材を前記容器本体に収納された前記鍼灸針の前記針柄から前記針体に向かう方向から剥がし、その後、前記容器本体をシート部材の剥がし方向と逆方向に前記易折曲部を折り曲げ、
折り曲げた前記容器本体を載置面に逆V字状に載置して、前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針柄を露出させる
ことを特徴とする鍼灸針用包装容器の載置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法に係り、特に、使用勝手の良好な鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の鍼灸針を収納可能で、かつ、使用本数に応じて、その使用本数分をまとめて一度に開封可能な鍼灸針の包装容器がある(特許文献1 )。
この鍼灸針の包装容器は、容器本体(10)と、その平面上に剥離可能に貼付けられたシート部材(20)とからなる包装容器(ブリスタ包装)の一方の端部側に、シート部材(20)が容器本体(10)の外枠部分(13)に貼付けられていない遊び部(23)を設けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4875157号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記鍼灸針の包装容器にあっては、例えば、シート部材(20)の略半分を容器本体(10)から剥がし、容器本体(10)を折り曲げ、この折り曲げた逆V字状の容器本体(10)をテーブル等の載置面に置くことが考えられるが、
テーブル等の載置面に置いた場合、やわらかく腰が無かったり、逆V字状に立たせることを意図して作成されていないため、載置状態は安定せず、鍼灸針の取り出しが不安定で使用しづらく、しかも、容器本体(10)を折り曲げる際、折り曲げる部位が任意であることと相俟って、折り曲げ箇所が鍼灸針の針体が位置した場合、針体を誤って曲げて、針体に損傷を与えてしまい使用できないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされた鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の鍼灸針用包装容器は、鍼灸針を収納する収納凹所を複数並設すると共に、前記収納凹所の底部より高い位置にある周縁部を有する容器本体と、この容器本体を覆い、前記周縁部に付着されたシート部材と、前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針柄の長手方向を横断すると共に、前記針柄の下方の前記容器本体に設けられた易折曲部とを備え、少なくとも、前記鍼灸針を前記収納凹所内に埋没させて収納するものであり、前記易折曲部を介して折り曲げ、折り曲げた逆V字状の前記容器本体を載置面に載置した場合、前記逆V字状に保持できる剛性を前記容器本体は有するものである。
【0007】
また、請求項2記載の鍼灸針用包装容器は、請求項1記載の鍼灸針用包装容器において、収納凹所に収納された鍼灸針の針柄の上方であって、隣接する前記収納凹所の間の頂面が複数形成され、シート部材が前記頂面に付着されているものである。
【0008】
また、請求項3記載の鍼灸針用包装容器は、請求項2記載の鍼灸針用包装容器において、易折曲部は、収納凹所に収納された鍼灸針の長手方向を横断すると共に、前記鍼灸針の針柄の下方に直線状に設けられ、容器本体は、前記易折曲部により第1の容器本体と第2の容器本体とに区画され、前記易折曲部の上面と下面の厚みは、前記第1の容器本体の上面と下面の厚み及び前記第2の容器本体の上面と下面の厚みより小となるものである。
【0009】
また、請求項4記載の鍼灸針用包装容器は、請求項2記載の鍼灸針用包装容器において、収納凹所に収納された鍼灸針の長手方向に直交する方向は、X方向であり、シート部材の前記X方向は、幅方向であり、前記鍼灸針の針体と遠い側の前記シート部材の端部は、容器本体よりはみ出すと共に、前記シート部材の端部の幅方向の中央部は、前記シート部材の端部の幅方向の両端部より容器本体よりのはみ出し量が大で、手で把持できるものである。
【0010】
また、請求項5記載の鍼灸針用包装容器の載置方法は、鍼灸針を収納する収納凹所を複数並設すると共に、前記収納凹所の底部より高い位置にある周縁部を有する容器本体と、この容器本体を覆い、前記周縁部に付着されたシート部材と、前記鍼灸針の針柄の下方であって、前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の長手方向を横断するように前記容器本体に設けられた易折曲部とを備え、前記シート部材を前記容器本体に収納された前記鍼灸針の前記針柄から前記針体に向かう方向から剥がし、その後、前記容器本体をシート部材の剥がし方向と逆方向に前記易折曲部を折り曲げ、折り曲げた前記容器本体を載置面に逆V字状に載置して、前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針柄を露出させるものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の鍼灸針用包装容器によれば、収納凹所に収納された鍼灸針の針柄の長手方向を横断すると共に、前記針柄の下方の容器本体に設けられた易折曲部であるため、 シート部材を鍼灸針の針柄から針体に向かう方向から剥がし、容器本体をシート部材の剥がし方向と逆方向に易折曲部を折り曲げても、鍼灸針の針体が曲がることを防ぎ、また、例えば、左手の中指と人差し指の間に折り曲げた腰のある容器本体と剥がしたシート部材を安定して挟むことができ、露出した収納凹所に収納された鍼灸針の針柄を右手で容易に把持することができ、また、載置面に折り曲げた腰のある容器本体を逆V字状に安定して載置でき、露出した収納凹所に収納された鍼灸針の針柄を手で容易に把持することができ、加えて、包装を開封した後、鍼灸針をシャーレ、はり皿に入れ替える必要もなく、鍼灸針の針柄は取り出し易いように露出させ、鍼灸針の針体は、鍼灸針を取り出すまでは、シート部材で覆われ、汚染を防止することができる。
【0012】
また、請求項2記載の鍼灸針用包装容器によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、収納凹所に収納された鍼灸針の針柄の上方であって、隣接する前記収納凹所の間の頂面が複数形成され、シート部材が前記頂面に付着されているため、シート部材を剥がす際、剥がされたシート部材がシート部材と頂面とが付着している付着部に達すると、開封抵抗が高まり、剥がす行為に対する注意喚起が促されて剥がす行為を停止することができ、鍼灸針の針体が露出することを防止することができる。
【0013】
また、請求項3記載の鍼灸針用包装容器によれば、上述した請求項2記載の発明の効果に加え、易折曲部は、収納凹所に収納された鍼灸針の長手方向であって、前記鍼灸針の針柄の下方を横断するように直線状に設けられ、容器本体は、前記易折曲部により第1の容器本体と第2の容器本体とに区画され、前記易折曲部の上面と下面の厚みは、前記第1の容器本体の上面と下面の厚み及び前記第2の容器本体の上面と下面の厚みより小となるため、容易に易折曲部を形成することができる。
【0014】
シート部材の端部の容器本体よりのはみ出し量が一定であると、シート部材の幅の端を手で把持して剥がされる場合があり、かかる場合にあっては、シート部材と隣接する収納凹所の間の頂面との付着部に対して直交でなく斜め方向から剥がし力が作用し、容易に剥がれてしまう不具合を有するが、請求項4記載の鍼灸針用包装容器によれば、上述した請求項2記載の発明の効果に加え、前記鍼灸針の針体と遠い側の前記シート部材の端部は、容器本体よりはみ出すと共に、前記シート部材の端部の幅方向の中央部は、前記シート部材の端部の幅方向の両端部より容器本体よりのはみ出し量が大であるため、はみ出し量が大である部位に手の指を誘導して、前記不具合を防ぐことができる。
【0015】
また、請求項5記載の鍼灸針用包装容器の載置方法によれば、載置面に折り曲げた腰のある容器本体を逆V字状に安定して載置でき、しかも、収納凹所に収納された鍼灸針の針柄を露出させるため、鍼灸針の針柄を手で容易に把持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一実施例の鍼灸針用包装容器の概略的斜視図であり、鍼灸針用包装容器とシート部材の付着部は省略している。
図2図2は、図1の概略的右側面図である。
図3図3は、図1の概略的底面図である。
図4図4は、図1の鍼灸針用包装容器のシート部材を剥がした状態を示す概略的斜視図であり、鍼灸針用包装容器とシート部材の付着部は省略している。
図5図5は、図4の鍼灸針用包装容器のシート部材を剥がした状態を示すと共に付着部を点状で示した概略的斜視図であり、鍼灸針用包装容器とシート部材の付着部は省略している。
図6図6は、図5の鍼灸針用包装容器の容器本体を逆V字状に曲げ、載置面に載置した状態を示す概略的斜視図であり、鍼灸針用包装容器とシート部材の付着部は省略している。
図7図7は、図6の鍼灸針用包装容器から鍼灸針を取り出した状態を示す概略的斜視図であり、鍼灸針用包装容器とシート部材の付着部は省略している。
図8図8は、図1の概略的正面図であり、鍼灸針用包装容器とシート部材の付着部は省略している。
図9図9は、図8の9-9線による概略的断面図である。
図10図10は、図9のAの部分を拡大して示す概略的拡大断面図である。
図11図11は、図8の11-11線による概略的断面図である。
図12図12は、図8の12-12線による概略的断面図である。
図13図13は、図8の13-13線による概略的断面図である。
図14図14は、図8の鍼灸針用包装容器と異なる他の実施例の鍼灸針用包装容器の概略的正面図であり、鍼灸針用包装容器とシート部材の付着部は省略している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施例の鍼灸針用包装容器及び鍼灸針用包装容器の載置方法を図1乃至図14を参照して説明する。
【0018】
図1に示すPは鍼灸針用包装容器で、鍼灸針用包装容器Pは、鍼灸針1を収納する収納凹所2(図8図11図13)を複数並設すると共に、収納凹所2の底部3より高い位置にある平らな外周に張り出す周縁部4を有する板状の容器本体10と、この容器本体10を覆い、周縁部4に剥離可能に付着(例えば、ヒートシールによる熱融着)されたシート部材20とを有する(図5及び図6)。
なお、針柄1aは、プラスチック又はステンレスで形成され、鍼灸針1の針体1bは、ステンレスなどの金属製の線状体で、先端に針先部が形成され、針体1bは治療目的や手技等により適した太さと長さがある。針体1bの太さ(線径)は、例えば、0.10mm~0.35mmであり、長さは、例えば、15mm~150mmである。
また、鍼灸針用包装容器P及びシート部材20は、例えば、ポリプロピレンで形成されている。
【0019】
また、図2図9及び図10に示す30は、収納凹所2に収納された鍼灸針1の針柄1aの長手方向を横断すると共に、針柄1aの下方の容器本体10の底部に設けられた易折曲部で、そして、少なくとも、鍼灸針1を収納凹所2内に埋没させて収納している。
易折曲部30は、材質的に易折曲部を設けても良いが、構造的に薄肉の易折曲部を設けている。
即ち、易折曲部30は、収納凹所2に収納された鍼灸針1の長手方向を横断すると共に、鍼灸針1の針柄1aの下方に直線状に設けられ、容器本体10は、易折曲部30により第1の容器本体10Aと第2の容器本体10Bとに区画され、易折曲部30の上面と下面の厚みt(例えば、0.30mmは、第1の容器本体10Aの上面と下面の厚みT及び第2の容器本体10Bの上面と下面の厚みT(例えば、0.5mmより小となっている(図9参照)。
詳述すれば、易折曲部30の上面と下面の厚みt(例えば、0.30mmは、易折曲部30に隣接する第1の容器本体10Aの上面と下面の部位の厚みT及び易折曲部30に隣接する第2の容器本体10Bの上面と下面の部位の厚みT(例えば、0.5mmより小となっている(図9参照)。
また、図13に示すように、易折曲部30の側壁30Aを斜め(例えば、底面3と側壁30Aとのなす角度Rを45°としている。)とし、易折曲部30が折り曲げられたときの容器本体1の強度を保持するようにしている。
【0020】
この易折曲部30を介して折り曲げ、折り曲げた逆V字状の容器本体10を載置面5に載置した場合、前記逆V字状に保持できる剛性を容器本体10は有している(図6及び図7参照)。
鍼灸針用包装容器Pによれば、収納凹所2に収納された鍼灸針1の長手方向であって、鍼灸針1の針柄の下方を横断するように設けられた易折曲部30であるため、シート部材20を鍼灸針1の針柄1aから針体1bに向かう方向から剥がし、容器本体10をシート部材20の剥がし方向と逆方向に易折曲部30を折り曲げても、鍼灸針1の針体1bが曲がることを防ぎ、また、例えば、図示しないが、左手の中指と人差し指の間に折り曲げた腰のある板状の容器本体10と剥がしたシート部材20を安定して挟むことができ、露出した収納凹所2に収納された鍼灸針1の針柄1aを右手で容易に把持することができ、また、図4及び図5に示すように、載置面5に折り曲げた腰のある板状の容器本体10を逆V字状に安定して載置でき、露出した収納凹所2に収納された鍼灸針1の針柄1aを手で容易に把持することができ、加えて、針体1bを筒体に内在する必要もなく、包装を開封した後、鍼灸針1をシャーレ、はり皿に入れ替える必要もなく、図4及び図5に示すように、鍼灸針1の針柄1aは取り出し易いように露出させ、鍼灸針1の針体1bは、鍼灸針1を取り出すまでは、シート部材20で覆われ、汚染を防止することができる。
【0021】
また、シート部材20を容器本体10から剥がし、易折曲部30を折り曲げて容器本体10をシート部材20の剥がし方向と逆方向に折り曲げ、折り曲げた容器本体10を載置面5に逆V字状に載置して、収納凹所2に収納された鍼灸針1の針柄1aを露出させる「鍼灸針用包装容器の載置方法」でもある。
この鍼灸針用包装容器の載置方法によれば、図6及び図7に示すように、載置面5に折り曲げた腰のある板状の容器本体10を逆V字状に安定して載置でき、しかも、露出した収納凹所2に収納された鍼灸針1の針柄1aを手で容易に把持することができる。
【0022】
また、図5に点状で示したものはヒートシールによる付着部で、付着部は、容器本体10の周縁部4と、容器本体10を横断する頂面6がある。
付着部が付される部位は、収納凹所2に収納された鍼灸針1の針柄1aの上方であって、隣接する収納凹所2の間の頂面6で、シート部材20が付着部(例えば、ヒートシールによる熱融着)を介して頂面6に付着している(付着部は図5に点状で示した部分参照)。
そのため、シート部材20を剥がす際、剥がされたシート部材20がシート部材20と頂面6とが付着している付着部に達すると、開封抵抗が高まり、剥がす行為に対する注意喚起が促されて剥がす行為を停止することができ、鍼灸針1の針体1bが露出することを防止することができる。
なお、頂面6は、図4に示すように複数形成されている。また、図4においては、シート部材20を剥がした後の付着部の残渣は、省略している。
【0023】
また、上述したことは、鍼灸針用包装容器の載置方法でもある。
即ち、鍼灸針1を収納する収納凹所2を複数並設すると共に、収納凹所2の底部より高い位置にある周縁部4を有する容器本体10と、この容器本体10を覆い、周縁部4に付着(例えば、熱融着)されたシート部材20と、鍼灸針1の針柄1aの下方であって、収納凹所2に収納された鍼灸針1の長手方向を横断するように容器本体10に設けられた易折曲部30とを備えている。
【0024】
この鍼灸針用包装容器の載置方法にあっては、シート部材20を容器本体10に収納された鍼灸針1の針柄1aから針体1bに向かう方向から剥がし、その後、容器本体10をシート部材20の剥がし方向と逆方向に易折曲部30を折り曲げ、折り曲げた容器本体10を載置面5に逆V字状に載置して、収納凹所2に収納された鍼灸針1の針柄1aを露出させるものである(図5及び図6参照)。
【0025】
この鍼灸針用包装容器の載置方法によれば、載置面5に折り曲げた腰のある容器本体10を逆V字状に安定して載置でき、しかも、収納凹所2に収納された鍼灸針1の針柄1aを露出させるため、鍼灸針1の針柄1aを手で容易に把持することができる。
【0026】
次に、上述した実施例と異なる他の実施例の鍼灸針用包装容器Pについて、説明する(図14)。
即ち、収納凹所2に収納された鍼灸針1の長手方向に直交する方向は、X方向であり、シート部材20のX方向は、幅方向であり鍼灸針1の針体1bと遠い側のシート部材20の端部は、容器本体10よりはみ出すと共に、シート部材20の端部の幅方向の中央部20Mは、シート部材20の端部の幅方向の両端部20V、20Wより容器本体10よりのはみ出し量が大で、手で把持できるようにしている。つまり、シート部材20の端部の幅方向の中央部20Mのはみ出し量Wはシート部材20の端部のはみ出し量Zより大となっている。
これは、次の理由による。
即ち、シート部材20の端部の容器本体10よりのはみ出し量が一定であると、シート部材20の幅の端(20V、20W)を手で把持して剥がされる場合があり、かかる場合にあっては、シート部材20と隣接する収納凹所2の間の頂面6との付着部に対して直交でなく斜め方向から剥がし力が作用し、容易に剥がれてしまう不具合を有するが、
この鍼灸針用包装容器Pによれば、鍼灸針1の針体1bと遠い側のシート部材20の端部は、容器本体10よりはみ出すと共に、シート部材20の端部の幅方向の中央部20Mは、シート部材20の端部の幅方向の両端部20V、20Wより容器本体1よりのはみ出し量が大であるため、はみ出し量が大である部位20Mに手の指を誘導して、シート部材20の剥離が付着部に達すると、抵抗が大きくなると共に、付着部に対して直交方向から剥がし力が作用し剥がれにくく、剥がし作用を停止させて、剥離が付着部を超えないようにして、前記不具合を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0027】
P 鍼灸針用包装容器
1 鍼灸針
1a 針柄
1b 針体
2 収納凹所
3 底部
4 周縁部
5 載置面
6 頂面
7 付着部
10 容器本体
20 シート部材
30 易折曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2020-10-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍼灸針を収納する収納凹所を複数並設すると共に、前記収納凹所の底部より高い位置にある周縁部を有する容器本体と、
この容器本体を覆い、前記周縁部に付着されたシート部材と、
前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針柄の長手方向を横断すると共に、前記針柄の下方の前記容器本体に設けられた易折曲部とを備え、
少なくとも、前記鍼灸針を前記収納凹所内に埋没させて収納するものであり、
前記易折曲部を介して折り曲げ、折り曲げた逆V字状の前記容器本体を載置面に載置した場合、前記逆V字状に保持できる剛性を前記容器本体は有し、
前記易折曲部の前記鍼灸針の長手方向を横断する断面において、前記容器本体の側壁は、前記容器本体の底部に対して、前記容器本体の外側に向かって、斜めに形成されている
ことを特徴とする鍼灸針用包装容器。
【請求項2】
鍼灸針を収納する収納凹所を複数並設すると共に、前記収納凹所の底部より高い位置にある周縁部を有する容器本体と、
この容器本体を覆い、前記容器本体に付着されたシート部材と、
前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針柄の長手方向を横断すると共に、前記針柄の下方の前記容器本体に設けられた易折曲部とを備え、
前記容器本体と前記シート部材の付着部は、前記シート部材と前記容器本体の周縁部の付着部分である周縁付着部と前記周縁付着部の内側に設けられると共に、鍼灸針の針柄の長手方向を横断する方向に設けられる付着部分である横断方向付着部とを有し、
前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針先から見て、前記易折曲部は、前記横断方向付着部より遠い側に位置し、
前記シート部材を前記容器本体から前記鍼灸針の針柄の長手方向に沿って剥がし、前記シート部材が前記易折曲部に達する付着部において、前記横断方向付着部の外側に前記
周縁付着部が位置している
ことを特徴とする鍼灸針用包装容器。
【請求項3】
横断方向付着部は、周縁付着部に交わる付着部を有している
ことを特徴とする請求項2記載の鍼灸針用包装容器。
【請求項4】
請求項2、又は、請求項3の鍼灸針用包装容器のシート部材を有する鍼灸針用包装容器であって、
鍼灸針の針体と遠い側の前記シート部材の端部は、容器本体よりはみ出すと共に、前記シート部材の端部の幅方向の中央部を、前記シート部材の端部の幅方向の両端部より前記容器本体よりのはみ出し量を大として、前記シート部材の剥離を収納凹所に収納された前記鍼灸針の長手方向に誘導する誘導手段を備えている
ことを特徴とする鍼灸針用包装容器。
【請求項5】
鍼灸針を収納する収納凹所を複数並設すると共に、前記収納凹所の底部より高い位置にある周縁部を有する容器本体と、
この容器本体を覆い、前記周縁部に付着されたシート部材と、
前記鍼灸針の針柄の下方であって、前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の長手方向を横断するように前記容器本体に設けられた易折曲部とを備え、
前記易折曲部の前記鍼灸針の長手方向を横断する断面において、前記容器本体の側壁は、前記容器本体の底部に対して、前記容器本体の外側に向かって、斜めに形成され、
前記シート部材を前記容器本体に収納された前記鍼灸針の前記針柄から針体に向かう方向から剥がし、その後、前記容器本体をシート部材の剥がし方向と逆方向に前記易折曲部を折り曲げ、
折り曲げた前記容器本体を載置面に逆V字状に載置して、前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針柄を露出させる
ことを特徴とする鍼灸針用包装容器の載置方法。
【請求項6】
鍼灸針を収納する収納凹所を複数並設すると共に、前記収納凹所の底部より高い位置にある周縁部を有する容器本体と、
この容器本体を覆い、前記周縁部に付着されたシート部材と、
前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針柄の長手方向を横断すると共に、前記針柄の下方の前記容器本体に設けられた易折曲部とを備え、
少なくとも、前記鍼灸針を前記収納凹所内に埋没させて収納するものであり、
前記易折曲部を介して折り曲げ、折り曲げた逆V字状の前記容器本体を載置面に載置した場合、前記逆V字状に保持できる剛性を前記容器本体は有し、
前記収納凹所にストッパーを設け、前記ストッパーにより前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針体の先端側への移動を阻止する
ことを特徴とする鍼灸針用包装容器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
請求項1記載の鍼灸針用包装容器は、鍼灸針を収納する収納凹所を複数並設すると共に、前記収納凹所の底部より高い位置にある周縁部を有する容器本体と、この容器本体を覆い、前記周縁部に付着されたシート部材と、前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針柄の長手方向を横断すると共に、前記針柄の下方の前記容器本体に設けられた易折曲部とを備え、少なくとも、前記鍼灸針を前記収納凹所内に埋没させて収納するものであり、前記易折曲部を介して折り曲げ、折り曲げた逆V字状の前記容器本体を載置面に載置した場合、前記逆V字状に保持できる剛性を前記容器本体は有し、前記易折曲部の前記鍼灸針の長手方向を横断する断面において、前記容器本体の側壁は、前記容器本体の底部に対して、前記容器本体の外側に向かって、斜めに形成されているものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、請求項2記載の鍼灸針用包装容器は、鍼灸針を収納する収納凹所を複数並設すると共に、前記収納凹所の底部より高い位置にある周縁部を有する容器本体と、この容器本体を覆い、前記容器本体に付着されたシート部材と、前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針柄の長手方向を横断すると共に、前記針柄の下方の前記容器本体に設けられた易折曲部とを備え、前記容器本体と前記シート部材の付着部は、前記シート部材と前記容器本体の周縁部の付着部分である周縁付着部と前記周縁付着部の内側に設けられると共に、鍼灸針の針柄の長手方向を横断する方向に設けられる付着部分である横断方向付着部とを有し、前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針先から見て、前記易折曲部は、前記横断方向付着部より遠い側に位置し、前記シート部材を前記容器本体から前記鍼灸針の針柄の長手方向に沿って剥がし、前記シート部材が前記易折曲部に達する付着部において、前記横断方向付着部の外側に前記周縁付着部が位置しているものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、請求項3記載の鍼灸針用包装容器は、請求項2記載の鍼灸針用包装容器において、横断方向付着部は、周縁付着部に交わる付着部を有しているものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、請求項4記載の鍼灸針用包装容器は、請求項2、又は、請求項3の鍼灸針用包装容器のシート部材を有する鍼灸針用包装容器であって、鍼灸針の針体と遠い側の前記シート部材の端部は、容器本体よりはみ出すと共に、前記シート部材の端部の幅方向の中央部を、前記シート部材の端部の幅方向の両端部より前記容器本体よりのはみ出し量を大として、前記シート部材の剥離を収納凹所に収納された前記鍼灸針の長手方向に誘導する誘導手段を備えているものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、請求項5記載の鍼灸針用包装容器の載置方法は、鍼灸針を収納する収納凹所を複数並設すると共に、前記収納凹所の底部より高い位置にある周縁部を有する容器本体と、この容器本体を覆い、前記周縁部に付着されたシート部材と、前記鍼灸針の針柄の下方であって、前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の長手方向を横断するように前記容器本体に設けられた易折曲部とを備え、前記易折曲部の前記鍼灸針の長手方向を横断する断面において、前記容器本体の側壁は、前記容器本体の底部に対して、前記容器本体の外側に向かって、斜めに形成され、前記シート部材を前記容器本体に収納された前記鍼灸針の前記針柄から針体に向かう方向から剥がし、その後、前記容器本体をシート部材の剥がし方向と逆方向に前記易折曲部を折り曲げ、折り曲げた前記容器本体を載置面に逆V字状に載置して、前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針柄を露出させるものである。
また、請求項6記載の鍼灸針用包装容器は、鍼灸針を収納する収納凹所を複数並設すると共に、前記収納凹所の底部より高い位置にある周縁部を有する容器本体と、この容器本体を覆い、前記周縁部に付着されたシート部材と、前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針柄の長手方向を横断すると共に、前記針柄の下方の前記容器本体に設けられた易折曲部とを備え、少なくとも、前記鍼灸針を前記収納凹所内に埋没させて収納するものであり、前記易折曲部を介して折り曲げ、折り曲げた逆V字状の前記容器本体を載置面に載置した場合、前記逆V字状に保持できる剛性を前記容器本体は有し、前記収納凹所にストッパーを設け、前記ストッパーにより前記収納凹所に収納された前記鍼灸針の針体の先端側への移動を阻止するものである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、請求項2記載の鍼灸針用包装容器によれば、シート部材を剥がす際、開封抵抗が高まり、剥がす行為に対する注意喚起が促されて剥がす行為を停止することができ、鍼灸針の針体が露出することを防止することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
シート部材の端部の容器本体よりのはみ出し量が一定であると、シート部材の幅の端を手で把持して剥がされる場合があり、かかる場合にあっては、シート部材と隣接する収納凹所の間の頂面との付着部に対して直交でなく斜め方向から剥がし力が作用し、容易に剥がれてしまう不具合を有するが、請求項4記載の鍼灸針用包装容器によれば、鍼灸針の針体と遠い側のシート部材の端部は、容器本体よりはみ出すと共に、前記シート部材の端部の幅方向の中央部は、前記シート部材の端部の幅方向の両端部より容器本体よりのはみ出し量が大であるため、はみ出し量が大である部位に手の指を誘導して、前記不具合を防ぐことができる。