(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066829
(43)【公開日】2022-05-02
(54)【発明の名称】施設状況管理システム、施設状況管理方法、及び施設端末
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20220422BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175384
(22)【出願日】2020-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】516329543
【氏名又は名称】株式会社バカン
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】春口 敦郎
(72)【発明者】
【氏名】篠原 清志
(72)【発明者】
【氏名】吉野 貴史
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC24
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡易な構成によって、コストを抑制しつつ施設の混雑状況を適切に管理する施設状況管理システム、施設状況管理方法及び施設端末を提供する。
【解決手段】施設状況管理システム10は、操作者により操作可能なボタンを有するボタン機器100と、ボタン機器100から送信されるデータに基づいて施設の混雑状況を管理する管理サーバ200と、を備える。ボタン機器100は、施設(店舗400)に設置され、ボタンの押し下げ操作に応じて混雑状況を示すステータス情報を管理サーバ200に送信すると共に、ステータス情報を表示部に表示する。管理サーバ200は、ステータス情報に従い、施設の混雑状況を管理する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者により操作可能なボタンと、表示部とを有するボタン機器と、
前記ボタン機器から送信されるデータに基づいて施設の混雑状況を管理する管理サーバと
を備え、
前記ボタン機器は、前記施設に設置され、前記ボタンの押し下げ操作に応じて混雑状況を示すステータス情報を前記管理サーバに送信し、前記ステータス情報を前記表示部に表示するよう構成され、
前記管理サーバは、前記ステータス情報に従い、前記施設の混雑状況を管理するよう構成される
ことを特徴とする施設状況管理システム。
【請求項2】
前記ボタン機器の前記ボタンは単数であり、
前記ボタン機器は、前記ボタンが所定期間内に押下される回数に従った前記ステータス情報を前記管理サーバに送信するよう構成される、請求項1に記載の施設状況管理システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、前記ステータス情報の変化が所定期間無い場合に、前記ボタン機器に対し前記施設の状況を問い合わせるクエリを送信するよう構成される、請求項1に記載の施設状況管理システム。
【請求項4】
前記ボタンの属性を設定するための設定動作を実行可能に構成された情報端末を更に備え、
前記ボタン機器は、前記設定動作により変更された前記ボタンの属性を前記表示部により表示可能に構成される
ことを特徴とする、請求項1に記載の施設状況管理システム。
【請求項5】
前記管理サーバは、前記ボタンの所定の操作が行われた場合において、前記施設のページの閲覧状況に関する情報が、前記管理サーバから前記ボタン機器に返信され、前記表示部に表示されるよう構成された、請求項1に記載の施設状況管理システム。
【請求項6】
施設に設置され、操作者により操作可能なボタンを有するボタン機器において、前記ボタンを押して、その押し下げ操作に応じて混雑状況を示すステータス情報を管理サーバに送信するステップと、
管理サーバにおいて、前記ステータス情報を管理するステップと、
前記ステータス情報を、前記ボタン機器に設けられた表示部に表示させるステップと
を含む、施設状況管理方法。
【請求項7】
前記ボタン機器の前記ボタンは単数であり、
前記ステータス情報を前記管理サーバに送信するステップは、前記ボタンが所定期間内に押下される回数に従った前記ステータス情報を前記管理サーバに送信するものである、請求項6に記載の施設状況管理方法。
【請求項8】
前記ステータス情報の変化が所定期間無い場合に、前記管理サーバから、前記ボタン機器に対し、前記施設の状況を問い合わせるクエリを送信するステップを更に備える、請求項6に記載の施設状況管理方法。
【請求項9】
前記ボタンの属性を設定するための設定動作を実行するステップと、
前記設定動作により変更された前記ボタンの属性を前記表示部に表示させるステップと
を更に備える、請求項6に記載の施設状況管理方法。
【請求項10】
前記ボタンの所定の操作が行われた場合において、前記施設のページの閲覧状況に関する情報を、前記管理サーバから前記ボタン機器に送付し、前記表示部に表示させるステップを更に備える、請求項6に記載の施設状況管理方法。
【請求項11】
施設の状況に関する情報を送信するために操作者により操作可能なボタンと、
前記ボタンの押し下げ操作に応じ、混雑状況を示すステータス情報を管理サーバに送信する通信モジュールと、
前記ステータス情報を表示する表示部と
を備える、施設端末。
【請求項12】
前記ボタンは単数であり、
前記通信モジュールは、前記ボタンが所定期間内に押下される回数に従った前記ステータス情報を前記管理サーバに送信するよう構成される、請求項11に記載の施設端末。
【請求項13】
前記ボタンは、設定動作を実行することにより、その属性を変更可能に構成され、
前記設定動作により変更された前記ボタンの属性を前記表示部により表示可能に構成される、請求項11に記載の施設端末。
【請求項14】
前記ボタンの所定の操作が行われた場合において、前記施設のページの閲覧状況に関する情報を前記管理サーバから受信し、前記表示部に表示可能に構成された、請求項11に記載の施設端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、施設状況管理システム、施設状況管理方法、及び施設端末に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店などの施設の混雑状況(空席の有無、席の利用率、利用者の多さなど)の情報を、ユーザがオンラインで確認できるようにするための技術が知られている。例えば特許文献1に開示の技術では、空席情報が、店舗内に設置されたカメラや、店舗内のテーブルに設置された人感センサにより取得され得る。空席情報が取得されると、当該空席情報が、ユーザの端末などに提供される。
【0003】
しかし、特許文献1等の従来のシステムは、カメラや人感センサの検出精度などに起因して、検出結果が店舗の空席状態の実態と合致しないことがあるという問題があった。施設の混雑状況を正確に把握するためには、カメラの解像度や人感センサ精度を上げたり、その個数を増やしたりすることができるが、その場合、システムの設置コスト、運用コストが増加するという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、このような状況に鑑みてなされ、簡易な構成によって施設の混雑状況を適切に管理することができる施設状況管理システム、施設状況管理方法、及び施設端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る施設状況管理システムは、操作者により操作可能なボタンと、表示部とを有するボタン機器と、前記ボタン機器から送信されるデータに基づいて施設の混雑状況を管理する管理サーバとを備える。前記ボタン機器は、前記施設に設置され、前記ボタンの押し下げ操作に応じて混雑状況を示すステータス情報を前記管理サーバに送信し、前記ステータス情報を前記表示部に表示する。前記管理サーバは、前記ステータス情報に従い、前記施設の混雑状況を管理するよう構成される。
【発明の効果】
【0007】
本開示の技術によれば、簡易な構成によって施設の混雑状況を適切に管理することができる施設状況管理システム、施設状況管理方法、及び施設端末を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係る施設状況管理システム10の構成例を示す図である。
【
図2A】第1の実施の形態に係るボタン機器100の外観構成の一例を説明する斜視図である。
【
図2B】第1の実施の形態に係るボタン機器100の動作を説明する概略図である。
【
図2C】第1の実施の形態に係るボタン機器100の動作を説明する概略図である。
【
図3】ボタン機器100の内部構成(回路構成)例を示すブロック図である。
【
図4A】施設状況管理サーバ200のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4B】施設状況管理サーバ200の機能構成例を示すブロック図である。
【
図5】データベース241に格納され管理されている施設状況管理テーブルの構成例を示す図である。
【
図6】第1の実施の形態に係るシステム10の動作を説明するフローチャートである。
【
図7】第1の実施の形態に係るシステム10の動作を説明するフローチャートである。
【
図8】第1の実施の形態の変形例に係るボタン機器100の構成を説明する斜視図である。
【
図9】第1の実施形態に係る施設状況管理システム10の構成例を示す図である。
【
図10A】施設管理用情報端末500のハードウェア構成例を示す図である。
【
図10B】施設管理用情報端末500の機能構成例を示すブロック図である。
【
図11A】第2の実施の形態に係るボタン機器100の外観構成例を示す斜視図である。
【
図11B】第3の実施の形態に係るボタン機器100の内部構成(回路構成)例を示すブロック図である。
【
図12】各ボタン111~113の設定(属性)を変更する設定動作の手順を説明するフローチャートである。
【
図13】施設管理用情報端末500の管理画面の一例と、その管理画面を用いた設定動作の一例を説明する。
【
図14】施設管理用情報端末500の管理画面の一例と、その管理画面を用いた設定動作の一例を説明する。
【
図15】第3の実施形態に係る施設状況管理システム10における、施設管理用情報端末500の管理画面の例を示す。
【
図16】第3の実施の形態に係るシステム10の動作を説明するフローチャートである。
【
図17】第3の実施の形態に係るシステム10の動作を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本実施形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本開示の原理に則った実施形態と実装例を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味においても限定するものではない。
【0010】
本実施形態では、当業者が本開示を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本開示の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
【0011】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態では、施設の混雑状況を管理し、配信するシステムに関して、各施設の混雑状況を収集するためのボタン機器を用いる方法を説明する。なお、ここで施設とは、カフェやレストランなどの飲食店、スーパーマーケットや薬局などの小売店、自治体や銀行の窓口、図書館や美術館など、利用者の数によって混雑している状況が変化するような施設である。また、混雑状況とは、人の多さや席の利用率を示し、空き状態や空き状況と言い換えることもできる。第1の実施の形態に係る施設状況管理システムを、
図1等を参照して説明する。以下の実施形態では、施設として飲食店などの店舗を例とする。
図1は、第1の実施形態に係る施設状況管理システム10の構成例を示す概略図である。
【0012】
施設状況管理システム10は、施設の混雑状況に関する情報(ステータス情報)を管理するシステムであり、ボタン機器(「施設端末」と称することもできる)100と、施設状況管理サーバ200(情報処理装置)と、少なくとも1つのユーザ端末300とを備える。ボタン機器100、施設状況管理サーバ200、ユーザ端末300は、ネットワークNWを介してデータを送受信可能に構成されている。
【0013】
ボタン機器100は、本システムを利用し、飲食店等の店舗を運営する個人、又は法人によって管理され、当該店舗の管理者(店員等)により操作され、その施設400に設置される。ボタン機器100は、一例として、施設400内の、例えば、店舗のレジスタの横、レセプション、厨房の周辺など、店舗の管理者の近傍に設置することができる。施設状況管理サーバ200により管理される施設は、通常は1のシステム中に複数存在し、その複数の施設の各々にボタン機器100が設置される。ボタン機器100は、ボタンの操作に基づいて生成されるステータス情報や識別情報などを含むデータ(以下、操作情報とする)を施設状況管理サーバ200に送信する。なお、ボタン機器100の操作者は、店舗内を目視することで、目視の判断結果によりボタンを操作しても良いし、図示しないカメラや人感センサの検知出力に従い、ボタンを操作してもよい。
【0014】
施設状況管理サーバ200は、施設外、例えば本システムを運営する管理会社に設置され、施設400の混雑状況(空席の有無、席の利用率、利用者の数などその他)に関するステータス情報を管理する。具体的に施設状況管理サーバ200は、ボタン機器100から受信される操作情報を受領すると共に、その操作情報に含まれる、施設の混雑状況を示すステータス情報を管理する。
【0015】
ユーザ端末300は、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどを含む、ネットワークNWと通信可能なデバイスであり、当該施設状況管理システム10が運営する情報提供サービス事業のサービス享受者が使用する端末である。なお、システム10は、ユーザにより所有されるユーザ端末300以外にも、例えば公共の場所に設置されるデジタルサイネージ(図示せず)に向けて情報を配信することもできる。
【0016】
前述のように、ボタン機器100は、例えば施設400の管理者などによって操作可能に構成される。ボタン機器100は、その操作されたボタンの属性に従って、施設400の混雑状況を示すデータを、ステータス情報として施設状況管理サーバ200に対して送信する。
【0017】
施設400を訪れようとしているユーザは、ユーザ端末300を介して、施設400の混雑状況を施設状況管理サーバ200に対して照会することができる。照会は、施設の名称等を特定して行うこともできるし、エリア(最寄駅名、ビル名、地区名など)を特定して行うこともできる。
【0018】
施設状況管理サーバ200は、その照会に応じて、データベースの施設400に関するステータス情報を検索し、取得したステータス情報を、照会に対するレスポンス(検索結果)としてユーザ端末300へ返信する。
【0019】
図2Aを参照して、ボタン機器100の外観構成の一例を説明する。ボタン機器100は、一例として、ボタン111、ディスプレイ120、LED(Light Emitting Diode)121~123、及びUSB(Universal Serial Bus)端子130を備える。
【0020】
ボタン111は、施設の混雑状況を示すステータス情報を出力するためのボタンである。
図2Aのボタン機器100は、一例として単一のボタン111を有しており、この単一のボタン111が所定時間内(例えば5秒以内)に連続して押される回数により、複数通りの情報を出力する。
【0021】
一例として、
図2Bに示すように、ボタン111が最初に押されると、施設の混雑状況を示す情報として、「空き有」というステータス情報が生成され、ネットワークNWを介して施設状況管理サーバ200へ送信される。また、ボタン111が押されてから5秒未満にボタン111が再度押されると、ボタン111はユーザにより2回連続して押されたとみなし、施設の混雑状況を示す情報として「混雑」というステータス情報が生成され、ネットワークNWを介して施設状況管理サーバ200へ送信される。また、2回目にボタン111が押されてから5秒未満にボタン111が押されると、連続して3回押されたとみなして、施設の混雑状況を示す情報として「満席」というステータス情報が生成され、ネットワークNWを介して施設状況管理サーバ200へ送信される。ここで、「混雑」とは、施設内に空席は少ないが、新規の案内は可能な状態を示し、「満席」とは、施設内に空席が無く、新規の案内のために待ち時間が発生するような状態を示す。つまり、ボタン機器100は、ボタン111を1回押すと「空き有」、連続して2回押すと「混雑」、連続して3回押すと「満席」のステータス情報を施設状況管理サーバ200に送信することができる。ただし本形態ではユーザの目視によりボタン111が押されるため、「空き」「混雑」「満席」は明確に切り分けられるものではなく、その判断は、ボタン機器100の操作者(施設の管理者)に委ねられる。
【0022】
さらに、3回目の後5秒未満に再度ボタン111が押されると、ボタン111が1回押された状態に戻る。すなわち、ボタン111が所定時間内(例:5秒)に繰り返し押されることにより、ボタン111により提供される情報は、Null(情報なし)から、順次「空き有」、「混雑」、「満席」に切り替わる。
【0023】
また、
図2Cに示すように、最後にボタン111が押されてから5秒が経過した後に、再度ボタン111が押されると、ボタン111は1回押された状態に対応する「空き有」のステータス情報を出力するところから始まり、更に所定時間内にボタン111が繰り返し、押されることにより順次「混雑」、「満席」と切り替わる。
【0024】
なお、ボタン111の表面又は近傍には、どのステータス情報を出力している状態であるかを表示するため、ディスプレイ120およびLED121~123を搭載することができる。一例として、ボタン111が1回も押されない段階では、ディスプレイ120およびLED121~123は全て消灯している。一方、最初に1回押されるとLED121が点灯し、ディスプレイ120には「空き有」が表示される。また、連続して2回押されるとLED122が点灯し、ディスプレイ120には「混雑」が表示される。連続して3回押されるとLED123が点灯し、ディスプレイ120には「満席」が表示される。さらに4回押されると、1回押した状態とみなして再度LED121が点灯し、ディスプレイ120の表示が「空き有」に戻る。ユーザは、LED121~123の点灯状態を確認することにより、ボタン111が最後に出力したステータス情報を知ることができる。なお、点灯部としてLED121~123があるものと説明したが、1つのLEDにおいて点灯する色を異ならせることにより、出力したステータス情報を表示するものとしても良い。また、ディスプレイ120がボタン機器100が出力したステータス情報を表示可能であるため、LED121~123はなくても良い。
【0025】
図3は、ボタン機器100の内部構成(回路構成)例を示すブロック図である。ボタン機器100は、一例として、
図2Aで説明した構成に加え、制御回路140、電源回路150、通信モジュール160(通信機)、記憶部170、及びカウンタ180を備える。制御回路140とその他各部は、例えば汎用入出力(GPIO)や配線によって相互接続することができる。
【0026】
制御回路140は、CPU(Central Processing Unit:単に「プロセッサ」と称することができる)などによって構成され、ボタン機器100が備える各部を制御する。電源回路150は、USB端子130に接続されたUSBケーブル等を介して他デバイスから電力を受け取り、その電力を制御回路140や他のデバイスへ供給する。電源回路150は、例えばUART-USB相互変換回路などによって構成することができる。
【0027】
通信モジュール160は、無線通信によってボタン機器100外の他のデバイスと通信するための装置である。通信モジュール160は、例えばLTE(Long Term Evolution)通信モジュールなどによって構成することができる。記憶部170は、例えば施設状況管理サーバ200のネットワークアドレスやTCPポート番号など、本システムの動作に必要な情報を記憶する。またカウンタ180は、前回ボタン111が押された時点から所定期間内(例えば5秒未満)にボタン111が押された回数をカウントする。カウンタ180のカウント値は、所定期間が経過すると初期化される。
【0028】
ボタン機器100は、最初に起動されたとき、施設状況管理サーバ200に起動されたことを示す情報、及びボタン機器100の識別情報(シリアルID:例えばMACアドレス)を操作情報の一部として送信する。これにより、施設状況管理サーバ200は、ボタン機器100の動作状態を認識することができるようになる。
【0029】
また、ボタン機器100が最初に起動されたとき、ボタン機器100のボタン111は未操作であり、LED121~123はOFFである。ボタン111が押されると、制御回路140は、そのON/OFF信号をボタン111から受け取る。
【0030】
制御回路140がボタン111から最初に、あるいは過去5秒未満にボタン111が押されていない状態で、ON/OFF信号を受け取ると、通信モジュール160を介して、ボタン111が1回押されたことを示すステータス情報(例えば数値「0」)が、識別情報とともに操作情報として施設状況管理サーバ200に対して送信される。さらに制御回路140は、LED121をON(点灯)にしてディスプレイ120に「空き有」とするとともに、LED122及びLED123をOFF(消灯)にする。
【0031】
ボタン111が連続して2回押されると、制御回路140は、ボタン111が2回押されたことを示すステータス信号(例えば数値「1」)を、識別情報とともに操作情報として施設状況管理サーバ200に対して送信し、LED121及びLED123をOFFにしてLED122をONにし、ディスプレイ120の表示を「混雑」にする。
【0032】
さらに、ボタン111が連続して3回押されると、制御回路140は、ボタン111が3回押されたことを示すステータス情報(例えば数値「2」)を、識別情報とともに操作情報として施設状況管理サーバ200に対して送信し、LED121及びLED122をOFFにしてLED122をONにし、ディスプレイ120の表示を「満席」にする。なお、記憶部170には、ボタン111が押される毎に、その押された時刻の情報が記憶され、その記憶情報は、ステータス情報の生成に用いられる。
【0033】
制御回路140は、ボタン111の押下操作に応じたステータス情報とともに、ボタン機器100の識別情報を通信モジュール160を介して外部に送信する。ここでは通信モジュール160のMAC(Media Access Control)アドレスを、ボタン機器100の識別情報として用いるが、これに限らずボタン機器100を識別できる限り、識別情報は任意の形式のデータであってよい。
【0034】
USB端子130からUSBケーブルを挿脱するなどによってボタン機器100が再起動された場合、制御回路140は、その時点におけるボタン111から出力したステータス情報を記憶部170に記憶し、再起動後にこれを記憶部170から読み出し、データを復元する。この場合、制御回路140はボタン111が操作されるごとに、記憶装置170内に出力したステータス情報を保存しておき、起動時にそのステータス情報を読み出す。通信モジュール160は、ボタン機器100が再起動した後、ボタン111が操作される前の時点においては、記憶部170から読み出されたステータス情報を、ボタン111の現在の状態として外部に送信する。なお、ボタン機器100が再起動された際に、ボタン111が押されていない状態(初期状態)に復帰する動作が自動的に行われてもよい。
【0035】
制御回路140は、ボタン111が操作されたときに加え、所定周期(例えば5分間)ごとに、現在のディスプレイ120に表示されているステータス情報を記憶部170から読み出し、施設状況管理サーバ200に対し、通信モジュール160を介して送信することもできる。このステータス情報は、ボタン111が最後に押されたとき送信するステータス情報と同じである。制御回路140は、これに加えて、ボタン機器100が再起動したときも、現在のディスプレイ120に表示されているステータス情報を施設状況管理サーバ200に対して送信することができる。又は、起動した時には施設状況管理サーバ200が保持している最新のステータス情報を読み込み、ボタン状態(ディスプレイ120の表示)に反映しても良い。
【0036】
<施設状況管理サーバ200のハードウェア構成例>
図4Aは、施設状況管理サーバ200のハードウェア構成例を示す図である。施設状況管理サーバ200は、一例として、CPU(Central Processing Unit)210、ROM(Read Only Memory)220、RAM(Random Access Memory)230、記憶装置240、及び通信装置250を備える。
【0037】
CPU210は、後述するプログラムを実行することにより、施設状況管理サーバ200が提供する機能を実現する。ROM220とRAM230は、CPU210が用いるデータを保持する。記憶装置240は、後述するプログラムを格納する。通信装置250は、ネットワークNWを介してボタン機器100及び施設管理用情報端末500と通信する。
【0038】
<施設状況管理サーバ200の機能構成例>
図4Bは、施設状況管理サーバ200の機能構成例を示すブロック図である。施設状況管理サーバ200は、CPU210が実行するソフトウェアモジュール(各種プログラムがCPU210の内部メモリに展開されて構成される機能)として、受信部211、施設状況管理部212、検知部213、及び通知部214を備える。以下では記載の便宜上、これらモジュールを動作主体として記載する場合があるが、実際にこれらモジュールを実行するのはCPU210であるため、CPU210を動作主体とすることもできる。記憶装置240は、データベース241を格納している。データベース241は、施設400のステータス情報を管理する。データベース241の構成については後述する。
【0039】
受信部211は、通信装置250を介して、施設400のステータス情報を含む操作情報をボタン機器100から受信する。施設状況管理部212は、受信部211が受信した操作情報に含まれるボタン機器100のID(識別情報)に基づいて施設を特定し、データベース241における施設の混雑状況のデータ(ステータス情報)を更新する。
【0040】
検知部213は、例えば、営業中にボタン機器100から操作情報を所定時間(例えば2時間)受信していない場合に、ボタン機器100が電源OFF状態である可能性、又は故障の可能性があることを検知する。
【0041】
また、受信部211がユーザ端末300から特定の施設又はユーザ端末300の周辺地域にある施設の混雑状況の確認要求を受信すると、通知部214は、該当する1又は複数の施設の最新のステータスをデータ表示用UIデータと共に対象のユーザ端末300に送信する。これらのデータを受信したユーザ端末300は、表示用UIを構築し、そこに当該ステータスを表示する。
【0042】
図5は、データベース241に格納され管理されている施設状況管理テーブルの構成例を示す図である。データベース241は、例えば施設毎に取得されたステータス情報を、記憶装置240内に格納することによって構成することができる。なお、本実施形態では、データベース241はテーブル形式で表されているが、この形式に限らず、各データが紐付けされていればどのような形式で構築してもよい。
【0043】
施設状況管理データベース(施設状況管理テーブル)2410は、ユーザが施設を検索するとき用いる属性情報と施設ごとの最新のステータス情報を管理するデータテーブルである。施設状況管理データベースは、施設ごとに、例えば、施設ID2411と、情報端末ID2412と、ボタン機器ID2413と、名称2414と、ジャンル2415と、施設紹介2416と、所在地2417と、連絡先(電話番号など)2418と、最新空席情報2419とを構成項目として有している。施設状況管理テーブルの1つのレコードは、1つの施設のステータスを示したものであり、施設状況管理データベース2410は、そのようなステータス情報を管理する。
【0044】
施設ID2411は、データベース241内で各施設を識別するためのIDである。情報端末ID2412は、施設ID2411に対応する施設を管理する施設管理用情報端末500を識別するためのIDであり、例えば通信部(通信モジュール)513のMACアドレスである。
【0045】
ボタン機器ID2413は、施設ID2411に対応する施設に設置されたボタン機器100を識別するためのIDであり、例えば通信モジュール160のMACアドレスである。最新空席情報2419は、施設ID2411に対応する施設の最新の混雑状況を示すステータス情報である。一例として、空席情報2419「0」は、対応する施設は空席が(十分に)あることを示し、「1」は、施設は混雑していることを示し、「2」は、施設は満席であることを示している。
【0046】
図5に示す例において、施設状況管理部212は、ボタン機器100から受け取った、施設400のステータス情報を最新空席情報2419として格納する。上述のように、ボタン機器100のボタン111は、連続して押された回数により施設状況管理サーバ200に提供される情報が異なる。
【0047】
次に、第1の実施の形態に係るシステム10におけるステータス情報の更新に関連する動作を、
図6のフローチャートを参照して説明する。このシステムでは、施設400において、施設の管理者等が施設400の混雑状況を目視又はカメラや各種センサの検知出力に基づいて、施設400の混雑状況を確認する。その確認内容に応じて、施設400の管理者はボタン機器100を操作する。ボタン機器100は、入力されボタン操作に応じたステータス情報及び識別情報を、操作情報として施設状況管理サーバ200にネットワークNWを介して送信する(ステップS110)。また、ボタン機器100は、ボタン操作に応じたステータス情報を示すテキストデータ(例えば「空き有」、「混雑」、又は「満席」)を、ディスプレイ120に表示するよう、ディスプレイ120の表示を変更する(ステップS120)。
【0048】
施設状況管理サーバ200は、ネットワークNWを介して、ボタン機器100のボタン111の操作に応じたステータス情報を含む操作情報を受信する(ステップS130)。操作情報が正常に受信された場合、施設状況管理サーバ200は、データベース241を更新し、受信した操作情報に含まれるステータス情報によって当該施設400のステータス情報を書き換える(ステップS140)。
【0049】
なお、ステップS120とS140は、時間的にどちらが先に実行されてもよいし、同時であってもよい。以上の動作により、ボタン111の操作情報によりデータベース241が更新され、ボタン機器100の操作者の判断がシステム10に反映され、ユーザに対し正確な情報が提供される。また、ボタン111の最新の操作に基づくステータス情報に対応するテキストデータが、ディスプレイ120に表示されることで、施設400の管理者は、現在の施設状況管理サーバ200における施設400の情報を把握することができる。
【0050】
図7のフローチャートを参照して、ボタン111の操作情報の受信ステップS130について更に詳細に説明する。受信ステップS130において、施設状況管理サーバ200は、ボタン機器100から操作情報が受信されたか否かを判定する(ステップS111)。受信がされていない場合には、所定期間(例えば15分)、当該施設400に関しステータス情報に変化が無いか否かを、データベース241の更新時間を参照して判定する(ステップS112)。変化が無い場合(Yes)には、施設状況管理サーバ200は、ボタン機器100に対し、施設の現在の状況を問い合わせるクエリを送信する(ステップS113)。クエリが受信されると、ボタン機器100のディスプレイ120には、「現在の施設の状況をお知らせください」などの表示がなされ、施設400の管理者に対し、施設400の状況の確認と、その確認状況に合わせたボタン111の操作が促される(表示に加え、ボタン機器100において、アラームを鳴らしたり、LED121~123を点滅制御したりしてもよい)。ボタン111が操作された場合、ステップS111に戻り、受信ステップが続行される。
【0051】
ステップS111で、ボタン111の操作情報が受信された場合、続くステップS114では、受信された操作情報にエラーがあるか否かが判定される。エラーがなければ(No)、当該操作情報の受信処理を続行し(ステップS115)、ステップS110を終了する。エラーがある場合(Yes)、施設状況管理サーバ200は、ボタン機器100に対し、エラーがあった旨を示すエラー情報を送信し、エラー情報をディスプレイ120に表示し、ボタン111を操作して操作情報を再送することを施設400の管理者に促す(ステップS116)。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態のシステム10によれば、施設400の混雑状況が施設の管理者等によって確認され、ボタン機器100のボタン111が操作されることで、施設400の混雑状況に関するステータス情報が、施設状況管理サーバ200において更新される。そして、更新されたステータス情報は、ディスプレイ120にも表示される。このように、本システムによれば、施設の状況を簡易な構成により正確に把握することができ、ユーザ(施設利用者)に提供することができ、更に施設400の関係者は、施設状況管理サーバ200において管理されているステータス情報をディスプレイ120で確認することができる。
【0053】
(変形例)
図8は、第1の実施の形態の変形例であり、ボタン機器100の構成が異なっている。この変形例のボタン機器100は、複数(例えば3個)のボタン111~113を備えている。ボタン111~113は、それぞれ属性(対応するステータス情報)が異なっており、押下されるボタンにより施設状況管理サーバ200に送信される情報が異なる。一例として、ボタン111が押下されると、施設の混雑状況として「空き有」との情報が生成され、ボタン112が押下されると、施設の混雑状況として「混雑」との情報が生成され、ボタン113が押下されると、施設の混雑状況として「満席」との情報が生成され、それぞれ施設状況管理サーバ200に送信される。また、送信された情報は、ディスプレイ120に表示される。
【0054】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る施設状況管理システムを、
図9等を参照して説明する。
図9は、第2の実施形態に係る施設状況管理システム10の構成例を示す概略図である。
図9において、第1の実施の形態と同一の構成要素(
図1)については同一の番号を付しているので、以下では重複する説明は省略する。
【0055】
この第2の実施の形態のシステム10は、第1の実施の形態の構成に加え、施設管理用情報端末500、及び、各施設の混雑状況を表示するための表示装置としてのデジタルサイネージ600を備えている。
【0056】
この第2の実施の形態のシステム10は、
図11Aに示すボタン機器100のボタン111~113の属性を変更する設定動作を、施設管理用情報端末500を操作することにより実行可能に構成されている。また、ボタン機器100は、その設置動作による変更後のボタン111~113の属性に関する情報を、ディスプレイ120A~120Cに表示可能に構成されている。
【0057】
施設管理用情報端末500は、例えば、施設400内のボタン機器100とは別の場所(施設奥の事務室、又は複数の施設を管理する本社の居室など)に設置される。施設管理用情報端末500は、上述のように、ボタン111~113の属性を変更する設定動作を実行可能とされることに加え、施設400の空席情報を入力可能にも構成されている。
【0058】
施設400の外に設置される場合、施設管理用情報端末500は、当該施設内に設置されたカメラや、人感センサなど、施設を利用中の顧客を検知するためのデバイスとネットワークNWを介して接続されても良い。そして、施設の管理者等がカメラや人感センサを介した情報により施設の空席状態を確認し、施設管理用情報端末500に空席状態の情報を入力し、空席状態を示すデータ(ステータス情報)を施設状況管理サーバ200に送信する。施設状況管理サーバ200は、(1)ボタン機器100から受信した施設400の空席状態を示すデータ(空席情報1)、及び(2)施設管理用情報端末500から受信した空席状態を示すデータ(空席情報2)をデータベース241に格納することが出来る。施設状況管理サーバ200は、空席情報1及び2のうち、いずれか最新のステータス情報をデータベース241に反映させることができる。
【0059】
施設状況管理サーバ200は、ボタン機器100及び施設管理用情報端末500から受け取ったデータに従ってデータベース241を更新することにより、施設400の空席状態を含む施設の状況をデータベース241上で管理する。なお、ここで「最新」とは、ボタン機器100、又は施設管理用情報端末500による送信日時を基準とすることもできる。また、別の形態として、ボタン機器100においてボタンが押下された日時、及び施設管理用情報端末500において空席状態のデータが入力された日時を施設状況管理サーバ200に送信する場合には、その日時のうち新しい方のデータを当該施設400の空席状態を示すデータとすることもできる。
【0060】
図10Aは、施設管理用情報端末500のハードウェア構成例を示す図である。施設管理用情報端末500は、一例として、CPU(Central Processing Unit)510、ROM(Read Only Memory)520、RAM(Random Access Memory)530、記憶装置540、通信装置550、入力装置560、及び出力装置570を備える。
【0061】
CPU510は、施設管理用情報端末500に含まれる各構成(520~570)の動作を制御する。ROM520とRAM530は、CPU510が用いるデータを保持する。記憶装置540は、施設管理用情報端末500を動作させるためのプログラムを格納する。
【0062】
通信装置550は、ネットワークNWを介して施設状況管理サーバ200と通信する。入力装置560は、キーボード、テンキー、マウス、タッチパネルなどによって構成され、施設400の管理者がデータや指示、及び設定情報を入力するために用いられる。一例として、入力装置560は、ボタン111~113の属性を入力する設定動作を行うために用いられる。出力装置570は、プリンタ、ディスプレイ、スピーカなどによって構成され、CPU510が生成した画面やデータを出力(表示)する。
【0063】
図10Bは、施設管理用情報端末500の機能構成例を示すブロック図である。施設管理用情報端末500は、CPU510が実行するソフトウェアモジュール(各種プログラムがCPU510の内部メモリに展開されて構成される機能)として、制御部511、記憶部512、通信部513、入出力部514を備える。以下では記載の便宜上、これらモジュールを動作主体として記載する場合があるが、実際にこれらモジュールを実行するのはCPU210であるため、CPU510を動作主体とすることもできる。
【0064】
制御部511は、例えば、記憶装置540から施設管理用情報端末500の管理画面構成データを読み出し、後述する管理画面を生成して入出力部514を介して出力装置570のディスプレイに出力(表示)する。また、制御部511は、施設400の管理者が入力装置560を用いて入力した指示を、入出力部514を介して取得し、それに応答して、ディスプレイ上の管理画面に入力された情報を表示させる。
【0065】
さらに、制御部511は、施設400の管理者によって入力装置560から空席状態を示すデータが入力されると、記憶部512を介してRAM530及び記憶装置540に、当該データを入力日時のデータとともに格納する。そして、制御部511は、通信部513を介して、当該データ及び施設管理用情報端末500の識別情報(シリアルID:例えばMACアドレス)を施設状況管理サーバ200に送信する。
【0066】
記憶装置540に空席状態を示すデータが格納されている場合において、管理者によって空席状態の更新が所定時間無かったときには、制御部511は、記憶部512を介して記憶装置540から最新の空席状態を示すデータを取得して、施設状況管理サーバ200に再度送信することができる。データの再取得を判断する時間間隔は、ボタン機器100の時間間隔と同じであってもよいし、異なった時間間隔であってもよい。
【0067】
管理画面は、施設管理者が施設状況管理サーバ200に対して指示を与えるために用いる画面であり、例えばWebアプリケーションの形式で提供することができる。Webアプリケーションは、施設状況管理サーバ200によって生成され、施設管理用情報端末500に送信され、出力装置570の表示画面上に表示される。
【0068】
また、施設状況管理サーバ200から情報が通知されると、制御部511は、通信部513及び入出力部514を介して当該情報を取得し、出力装置570の表示部に情報を出力(表示)する。
【0069】
図11Aは、ボタン機器100の外観構成例を示す斜視図である。
図11Aのボタン機器100は、一例として、第1ボタン111、第2ボタン112、第3ボタン113を備える。また、ボタン機器100は、ボタン111~113の各々に対応して、ディスプレイ120A~120Cを備えている。各ディスプレイ120A~120Cは、それぞれ、ボタン111~113に現在与えられている属性、及びボタン111~113の操作の状況を示すための表示装置である。施設管理用情報端末500によりボタン111~113の属性が変更された場合、その属性は、ディスプレイ120A~120Cに表示される。
また、ボタン111~113が押下された場合、対応するディスプレイ120A~120Cにおいては、その押下されたボタンについての属性の表示が強調表示され、押下動作がされたことが示される。例えば、ボタン111に「空き」の属性が与えられ、ボタン111が押下された場合、「空き」の文字が太字表示されたり、反転表示されたりする。本実施形態では、強調表示として、ステータス情報に対応するテキストデータに加えた、星マークを表示するものとする。
【0070】
また、各ボタン111~113の表面には、ボタンの押下を示すためのLED124~126が埋め込まれ、ボタン111~113が押下された場合、対応するLED124~126が点灯する。
【0071】
第1ボタン111、第2ボタン112、及び第3ボタン113は、ON状態に固定されるのがいずれか1つのみとなるように構成されている。すなわち各ボタンの状態は、(a)第1ボタン111がON、第2ボタン112と第3ボタン113がOFF、(b)第1ボタン111と第3ボタン113がOFF、第2ボタン112がON、(c)第1ボタン111と第2ボタン112がOFF、第3ボタン113がON、(d)3つのボタン全て未操作、のうちいずれかとなるよう構成される。
【0072】
ボタン111~113につき設定動作が未了の状態(デフォルト状態)では、第1~第3ボタン111~113は、それぞれ、空席状態を示すデータの種類として、「空き」,「混雑」,「満席」を示すボタンとして設定されている。なお、デフォルト状態における各ボタン111~113の属性は、上記のものには限定されず、例えば「空き」,「行列有」,「満席」としてもよい。
【0073】
図11Bは、ボタン機器100の内部構成(回路構成)例を示すブロック図である。ボタン機器100は、一例として、
図11Aで説明した構成に加え、
図3と同様の制御回路140、電源回路150、通信モジュール160(通信機)、及び記憶部170を備える。
【0074】
ボタン機器100が最初に起動されたとき、ボタン機器100のボタン111~113は未操作であり、LED121~123はOFFである。ボタン111~113のうちのいずれか、例えば第1ボタン111が押されると、制御回路140は、そのON/OFF信号を第1ボタン111から受け取る。
【0075】
制御回路140がボタン111~113からON/OFF信号を受け取ると、通信モジュール160を介して、第1ボタン111が押されたことを示すステータス情報(例えば数値「0」)を、施設状況管理サーバ200に対して送信する。さらに制御回路140は、第1LED121をON(点灯)にしてディスプレイ120Aを強調表示するとともに、第2LED122及び第3LED123をOFF(消灯)にする。
【0076】
同様に、第2ボタン112が押されると、制御回路140は、第2ボタン112が押されたことを示すステータス情報(例えば数値「1」)を、施設状況管理サーバ200に対して送信し、第1LED121及び第3LED123をOFFにして第2LED122をONにする。さらに、ディスプレイ120Bに強調表示する。
【0077】
さらに、第3ボタン113が押されると、制御回路140は、第3ボタン113が押されたことを示すステータス情報(例えば数値「2」)を、施設状況管理サーバ200に対して送信し、第1LED121及び第2LED122をOFFにして第3LED122をONにする。さらに、ディスプレイ120Cに強調表示する。
【0078】
図12のフローチャートを参照して、各ボタン111~113の設定(属性)を変更する設定動作の手順を説明する。施設400の管理者は、施設管理用情報端末500において、管理画面をディスプレイに表示させる(ステップS11)。そして、施設管理用情報端末500は、この管理画面において、各ボタン111~113の属性を変更するための登録動作を受け付ける(ステップS12)。登録動作により登録された各ボタン111~113の属性に関する情報は、設定情報として施設状況管理サーバ200に送信される(ステップS13)。
【0079】
施設状況管理サーバ200は、通信装置250を介してこの設定情報を受信し(ステップS14)、所定のデータ加工を行った後、記憶装置240(データベース241)に格納する(ステップS15)。そして、施設状況管理サーバ200は、通信装置250を介してこの設定情報をボタン機器100に送信し、ボタン機器100は、この設定情報をディスプレイ120A~120Cに表示する(ステップS16)。以降、この記憶装置240に記憶された設定情報に従い、ボタン111~113の操作に従った施設のステータス情報の管理・提供がなされる。また、ディスプレイ120A~120Cに表示された設定情報により、施設の管理者は、各ボタンの役割を確認することができる。
【0080】
図13及び
図14を参照して、施設管理用情報端末500の管理画面の一例と、その管理画面を用いた設定動作の一例を説明する。管理画面の初期画面は、例えば
図13に示すように、ボタン111~113の機能を示す機能表示ブロック161~163、プルダウンメニュー表示部171~173、及び登録アイコン180を含む。
【0081】
機能表示ブロック161~163は、現時点でボタン111~113について設定されている属性を表示するブロックである。
図13は、設定動作が未了でボタン111~113が未だデフォルト状態にある場合の画面表示(「空き」、「混雑」、「満席」)の一例である。
【0082】
プルダウンメニュー表示部171~173は、管理画面において、それぞれ、例えば機能表示ブロック161~163の下方に表示される。プルダウンメニュー表示部171~173がマウス等でクリックされると、例えば
図14に示すように、ボタン111~113に与える属性(ボタン111~113を押した場合に提供されるステータス情報の種類)がメニューとして表示される(例えば、デフォルトの「空き」の他、「待ちなし」、「やや混雑」、「満席」、「n分待ち」など、複数の候補を表示し、そのうちの1つが選択可能とされる)。また、プルダウンメニュー表示部171~173のメニューにおいて「フリー入力」を選択すると、キーボード等を用いて、属性としての任意の文字を選択することが可能になる(例えば、一時的なキャンペーンとして「ワンドリンクサービス」などの文字を入力することができる)。こうして、ボタン111~113の属性の入力が終了した場合には、登録ボタン180をマウス等でクリックすることで、設定動作は完了する。
【0083】
この第2の実施の形態のシステム10によっても、第1の実施の形態と同様に、ボタン機器100のボタン111~113の押し下げにより、ステータス情報が施設状況管理サーバ200において更新されると共に、ディスプレイ120A~120Cに表示され、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。更に、この第2の実施の形態では、ボタン111~113の属性が変更可能とされ、その変更後の属性がディスプレイ120A~120Cに表示されるので、施設400においてボタン111~113の属性を把握することができる。
【0084】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る施設状況管理システムを、
図15~
図17を参照して説明する。この第3の実施の形態のシステム10は、第2の実施の形態と同様に、施設管理用情報端末500を備え、ボタン機器100のボタン111~113の属性を変更可能に構成されている。
【0085】
この第3の実施の形態では、ボタン111~113の所定の操作が行われた場合において、その施設のページのユーザによる閲覧状況に関する情報が、施設状況管理サーバ200からボタン機器100に返信され、ディスプレイ120A~120Cに表示される。一例として、ボタン111が押されて「空き」との表示とともにクーポンの提示がなされている場合に、当該施設のページの閲覧状況がボタン機器100に送信され、ディスプレイに表示される。
【0086】
図15は、第3の実施形態に係る施設状況管理システム10における、施設管理用情報端末500の管理画面の例を示す。
図15の管理画面では、一例として、ボタン111に「空き」という情報が設定されると、クーポンの付与に関する設定操作を実行する問い合わせがなされ(符号181)、更に設定するクーポンの種類を設定させる問い合わせがなされる(符号182)。更に、その施設のページにアクセスがされた回数を示す「アクセス数」をフィードバックするか否かの問い合わせがなされる(符号183)。この管理画面により、ボタン111に関し「空き」のステータス情報を表示する際、併せて、一部の商品について割引を適用するクーポンを表示することが可能になり、更に、そのクーポンの反響を、アクセス数の形式でフィードバックを受けることができる。
【0087】
次に、第3の実施の形態に係るシステム10の動作を、
図16のフローチャートを参照して説明する。ステップS150~S160の動作は、第1の実施の形態(
図6)のステップS110、S140と略同様であるので、重複する説明は省略する。
【0088】
そのディスプレイ120Aの画面表示が、クーポンを伴う「空き」の表示に変更されると(ステップS170)、そのクーポンは、当該施設を検索したユーザ端末300によって表示され得る状態となる。この状態に移行すると、施設状況管理サーバ200は、クーポン付の「空き」が表示された当該施設400のページのアクセス状況の監視を開始する(ステップS180)。
【0089】
施設状況管理サーバ200は、クーポンが表示された当該施設400のページへのアクセス状況を監視し、適宜、そのアクセス状況に関する情報をボタン機器100に送付し、ディスプレイ120Xに表示させる(
図17参照)。このような表示がなされることにより、施設の管理者は、クーポンの効果をリアルタイムに知ることができる。
【0090】
以上説明したように、この第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、ボタン機器100のボタン111~113のステータス情報が施設状況管理サーバ200において更新された後、対応するステータス情報がボタン機器100に返信され、ディスプレイ120A~Cに表示され、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、ボタン111~113の属性が変更可能とされ、その変更後の属性がディスプレイ120A~120Cに表示されるので、施設400においてボタン111~113の属性を把握することができる。更に、所定のステータス情報が表示されている場合において、施設のページへのアクセス状況に関する情報が提供・表示されるため、より効果的な集客を行うことが可能になる。
【0091】
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、上記以外の様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0092】
10 施設状況管理システム
100 ボタン機器
111 ボタン、第1ボタン
112 第2ボタン
113 第3ボタン
130 USB端子
140 制御回路
150 電源回路
160 通信モジュール
170、240、540 記憶装置
200 施設状況管理サーバ
211 受信部
212 施設状況管理部
213 検知部
214 通知部
241 データベース
300 ユーザ端末
400 施設
500 施設管理用情報端末