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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066866
(43)【公開日】2022-05-02
(54)【発明の名称】コード読取装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20220422BHJP
【FI】
G06K7/10 376
G06K7/10 436
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175443
(22)【出願日】2020-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 明広
(72)【発明者】
【氏名】坂本 飛雄真
(72)【発明者】
【氏名】堀口 裕介
(57)【要約】
【課題】周囲の照度に応じてコード読取装置の機能を適切に発揮させるための技術を提供する。
【解決手段】コード読取装置は、照度センサの測定値を利用した特定処理を実行するように構成されており、特定処理は、第1の処理と、第2の処理と、第3の処理と、第4の処理と、のうちの少なくとも1つを含み、第1の処理は、測定値が第1の所定値を超える場合に、発光手段とは異なる他の手段を利用して、情報コードの読取をユーザに通知する処理であり、第2の処理は、撮像部が情報コードを撮像するための設定を測定値によって示される周囲の照度に適した設定に決定する処理であり、第3の処理は、指示マーカの出力を測定値によって示される周囲の照度に適した出力に決定する処理であり、第4の処理は、指示マーカの表示の態様を測定値によって示される周囲の照度に適した態様に決定する処理である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード読取装置であって、
情報コードを撮像可能な撮像部と、
前記コード読取装置の周囲の照度を測定する照度センサと、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記撮像部によって撮像された前記情報コードに記録されている情報を読み取る読取処理と、
前記照度センサの測定値を利用した特定処理と、
を実行するように構成されており、
前記特定処理は、第1の処理と、第2の処理と、第3の処理と、第4の処理と、のうちの少なくとも1つの処理を含み、
前記第1の処理は、前記測定値が第1の所定値を超えない場合に、発光を利用した発光手段を利用して、前記情報コードの読取をユーザに通知し、前記測定値が前記第1の所定値を超える場合に、前記発光手段とは異なる他の手段を利用して、前記情報コードの読取をユーザに通知する処理であり、
前記第2の処理は、前記撮像部が前記情報コードを撮像するための設定を前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した設定に決定する処理であり、
前記第3の処理は、前記情報コードを指し示すために前記コード読取装置によって照射される指示マーカの出力を前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した出力に決定する処理であり、
前記第4の処理は、前記指示マーカの表示の態様を前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した態様に決定する処理である、
コード読取装置。
【請求項2】
前記照度センサは、前記コード読取装置の表面のうち、前記発光手段が配置されている面に配置されている、請求項1に記載のコード読取装置。
【請求項3】
前記第2の処理は、前記撮像部が前記情報コードを撮像する前に実行される、請求項1又は2に記載のコード読取装置。
【請求項4】
コード読取装置であって、
情報コードを撮像可能な撮像部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記撮像部によって撮像された前記情報コードに記録されている情報を読み取る読取処理と、
前記コード読取装置の周囲の照度を示す測定値を利用した特定処理と、
を実行するように構成されており、
前記特定処理は、第1の処理と、第2の処理と、第3の処理と、第4の処理と、のうちの少なくとも1つの処理を含み、
前記第1の処理は、前記測定値が第1の所定値を超えない場合に、発光を利用した発光手段を利用して、前記情報コードの読取をユーザに通知し、前記測定値が前記第1の所定値を超える場合に、前記発光手段とは異なる他の手段を利用して、前記情報コードの読取をユーザに通知する処理であり、
前記第2の処理は、前記撮像部が前記情報コードを撮像する前に、前記撮像部が前記情報コードを撮像するための設定を前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した設定に決定する処理であり、
前記第3の処理は、前記情報コードを指し示すために前記コード読取装置によって照射される指示マーカの出力を前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した出力に決定する処理であり、
前記第4の処理は、前記指示マーカの表示の態様を前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した態様に決定する処理である、
コード読取装置。
【請求項5】
前記第1の処理において、前記測定値が前記第1の所定値を超える場合に、前記発光手段と前記他の処理との双方が利用される、請求項1から4のいずれか一項に記載のコード読取装置。
【請求項6】
前記他の手段は、前記発光手段とは異なる複数個の手段の中から選択可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載のコード読取装置。
【請求項7】
前記第1の所定値は、ユーザの指示に応じて変更可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載のコード読取装置。
【請求項8】
前記第3の処理において、
前記測定値が第2の所定値を超えない場合に、前記指示マーカの出力が第1の出力に決定されるとともに、前記指示マーカの点灯時間が第1の時間に決定され、
前記測定値が第2の所定値を超える場合に、前記指示マーカの出力が前記第1の出力よりも大きい第2の出力に決定されるとともに、前記点灯時間が前記第1の時間よりも短い第2の時間に決定される、請求項1から7のいずれか一項に記載のコード読取装置。
【請求項9】
前記第2の所定値は、ユーザの指示に応じて変更可能である、請求項8に記載のコード読取装置。
【請求項10】
前記第3の処理では、前記測定値が第3の所定値を超えない場合に、前記指示マーカの出力が前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した出力に決定され、
前記制御部は、さらに、
前記測定値が前記第3の所定値を超える場合に、前記コード読取装置の設定を、前記指示マーカを照射する設定から前記指示マーカを照射しない設定に変更する、請求項1から9のいずれか一項に記載のコード読取装置。
【請求項11】
前記コード読取装置は、さらに、前記情報コードに記録されている前記情報を表示する表示部を備え、
前記制御部は、さらに、前記表示部のバックライトを前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した明るさに決定する、請求項1から10のいずれか一項に記載のコード読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、情報コードに記録されている情報を読み取るコード読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、周囲の照度に応じて表示部を照明するバックライトの輝度レベルを調整する携帯端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-236524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、バックライトの輝度レベルの調整が実行されるのみである。特許文献1では、コード読取装置の機能を調整することについて何ら考慮していない。このため、例えば、周囲の照度が大きいと、コード読取装置の機能が適切に発揮されない可能性がある。
【0005】
本明細書では、周囲の照度に応じてコード読取装置の機能を適切に発揮させるための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示するコード読取装置は、情報コードを撮像可能な撮像部と、前記コード読取装置の周囲の照度を測定する照度センサと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記撮像部によって撮像された前記情報コードに記録されている情報を読み取る読取処理と、前記照度センサの測定値を利用した特定処理と、を実行するように構成されており、前記特定処理は、第1の処理と、第2の処理と、第3の処理と、第4の処理と、のうちの少なくとも1つの処理を含み、前記第1の処理は、前記測定値が第1の所定値を超えない場合に、発光を利用した発光手段を利用して、前記情報コードの読取をユーザに通知し、前記測定値が前記第1の所定値を超える場合に、前記発光手段とは異なる他の手段を利用して、前記情報コードの読取をユーザに通知する処理であり、前記第2の処理は、前記撮像部が前記情報コードを撮像するための設定を前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した設定に決定する処理であり、前記第3の処理は、前記情報コードを指し示すために前記コード読取装置によって照射される指示マーカの出力を前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した出力に決定する処理であり、前記第4の処理は、前記指示マーカの表示の態様を前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した態様に決定する処理である。
【0007】
例えば、コード読取装置は、情報コードの読取をユーザに通知する機能を有し、当該機能は、例えば、発光手段によって実現される。しかし、周囲の照度が大きいと、ユーザが発光手段による通知に気づかない可能性がある。上記の構成によれば、コード読取装置は、第1の処理において、周囲の照度を示す測定値が第1の所定値を超える場合に、発光手段とは異なる他の手段を利用して、情報コードの読取をユーザに通知する。ここで、「他の手段」は、例えば、コード読取装置を振動させる振動部、通知音を出力するスピーカ等である。ユーザが発光手段による通知に気づかない可能性がある場合において、他の手段を利用することにより、ユーザが通知に気づく確率を高めることができる。
【0008】
また、例えば、コード読取装置は、情報コードを撮像する機能を有し、当該機能は、例えば、撮像部によって実現される。しかし、撮像部の設定が周囲の照度に適していないと、撮像部によって撮像された情報コードが不明瞭となり、情報コードに記録されている情報の読み取りが失敗する可能性がある。上記の構成によれば、コード読取装置は、第2の処理において、撮像部の設定を測定値によって示される周囲の照度に適した設定に決定する。これにより、撮像部によって撮像された情報コードが不明瞭となることを抑制することができる。
【0009】
また、例えば、コード読取装置は、指示マーカを照射する機能を有する。しかし、指示マーカの出力が周囲の照度に適していないと、指示マーカが周囲に埋もれて、ユーザが指示マーカを見失う可能性がある。上記の構成によれば、コード読取装置は、第3の処理において、指示マーカの出力を測定値によって示される周囲の照度に適した出力に決定する。これにより、ユーザが指示マーカを見失うことを抑制することができる。
【0010】
また、指示マーカの表示の態様が不変な比較例が想定される。しかし、周囲が明るい場合においてユーザが見つけ易い態様と、周囲が暗い場合においてユーザが見つけ易い態様と、が異なり得る。比較例では、表示の態様が周囲の照度に適していない場合に、ユーザが指示マーカを見つけ難い可能性がある。上記の構成によれば、コード読取装置は、第4の処理において、指示マーカの表示の態様を測定値によって示される周囲の照度に適した態様に決定する。これにより、ユーザが指示マーカを見つけ易くすることができる。
【0011】
前記照度センサは、前記コード読取装置の表面のうち、前記発光手段が配置されている面に配置されていてもよい。
【0012】
このような構成によれば、第1の処理において、発光手段の付近の照度に基づいた判断を実行することができる。判断の精度を向上することができる。
【0013】
前記第2の処理は、前記撮像部が前記情報コードを撮像する前に実行されてもよい。
【0014】
例えば、情報コードの撮像中に第2の処理を実行する比較例が想定される。この比較例では、最初に撮像される情報コードが不明瞭となり、明瞭な情報コードの画像が得られるまでに撮像する回数が増加し得る。これに対して、上記の構成によれば、撮像部が情報コードを撮像する前に第2の処理が実行されるので、最初に撮像される情報コードが不明瞭となることが抑制され、明瞭な情報コードの画像が得られるまでに撮像する回数を低減することができる。
【0015】
前記第1の処理において、前記測定値が前記第1の所定値を超える場合に、前記発光手段と前記他の処理との双方が利用されてもよい。
【0016】
このような構成によれば、2個の通知手段の利用により、ユーザが通知に気づく確率をさらに高めることができる。
【0017】
前記他の手段は、前記発光手段とは異なる複数個の手段の中から選択可能であってもよい。
【0018】
このような構成によれば、ユーザが気づき易い手段を選択することができる。
【0019】
前記第1の所定値は、ユーザの指示に応じて変更可能であってもよい。
【0020】
このような構成によれば、第1の処理における判断の基準を任意に設定することができる。
【0021】
前記第3の処理において、前記測定値が第2の所定値を超えない場合に、前記指示マーカの出力が第1の出力に決定されるとともに、前記指示マーカの点灯時間が第1の時間に決定され、前記測定値が第2の所定値を超える場合に、前記指示マーカの出力が前記第1の出力よりも大きい第2の出力に決定されるとともに、前記点灯時間が前記第1の時間よりも短い第2の時間に決定されてもよい。
【0022】
このような構成によれば、指示マーカの出力が大きい状況において、点灯時間が短縮されて、指示マーカの照射によって消費される電力を低減することができる。
【0023】
前記第2の所定値は、ユーザの指示に応じて変更可能であってもよい。
【0024】
このような構成によれば、第3の処理における判断の基準を任意に設定することができる。
【0025】
前記第3の処理では、前記測定値が第3の所定値を超えない場合に、前記指示マーカの出力が前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した出力に決定され、前記制御部は、さらに、前記測定値が前記第3の所定値を超える場合に、前記コード読取装置の設定を、前記指示マーカを照射する設定から前記指示マーカを照射しない設定に変更してもよい。
【0026】
例えば、周囲が過度に明るい状況では、指示マーカの出力を大きくしても、指示マーカが周囲に埋もれる可能性がある。上記の構成によれば、コード読取装置は、周囲の照度を示す測定値が第3の所定値を超える場合、即ち、周囲が過度に明るい場合に、指示マーカを照射しない。指示マーカが周囲に埋もれる可能性がある状況において、不要な指示マーカの照射を抑制して、指示マーカの照射による電力の消費を省くことができる。
【0027】
前記コード読取装置は、さらに、前記情報コードに記録されている前記情報を表示する表示部を備え、前記制御部は、さらに、前記表示部のバックライトを前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した明るさに決定してもよい。
【0028】
このような構成によれば、表示部のバックライトを周囲の照度に適した明るさに決定するための測定値を流用して、第1~第4の処理を実現することができる。
【0029】
本明細書で開示する他のコード読取装置は、情報コードを撮像可能な撮像部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記撮像部によって撮像された前記情報コードに記録されている情報を読み取る読取処理と、前記コード読取装置の周囲の照度を示す測定値を利用した特定処理と、を実行するように構成されており、前記特定処理は、第1の処理と、第2の処理と、第3の処理と、第4の処理と、のうちの少なくとも1つの処理を含み、前記第1の処理は、前記測定値が第1の所定値を超えない場合に、発光を利用した発光手段を利用して、前記情報コードの読取をユーザに通知し、前記測定値が前記第1の所定値を超える場合に、前記発光手段とは異なる他の手段を利用して、前記情報コードの読取をユーザに通知する処理であり、前記第2の処理は、前記撮像部が前記情報コードを撮像する前に、前記撮像部が前記情報コードを撮像するための設定を前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した設定に決定する処理であり、前記第3の処理は、前記情報コードを指し示すために前記コード読取装置によって照射される指示マーカの出力を前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した出力に決定する処理であり、前記第4の処理は、前記指示マーカの表示の態様を前記測定値によって示される前記周囲の照度に適した態様に決定する処理である。
【0030】
上記の構成でも、第1の処理において、ユーザが通知に気づく確率を高めることができ、第2の処理において、撮像部によって撮像された情報コードが不明瞭となることを抑制することができ、第3の処理において、ユーザが指示マーカを見失うことを抑制することがで、第4の処理において、ユーザが指示マーカを見つけ易くすることができる。特に、撮像部が情報コードを撮像する前に第2の処理が実行されるので、最初に撮像される情報コードが不明瞭となることが抑制され、明瞭な情報コードの画像が得られるまでに撮像する回数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】コード読取装置の正面側の斜視図を示す。
図2】コード読取装置の背面側の斜視図を示す。
図3】コード読取装置のブロック図を示す。
図4】第1、第2実施例のコード読取装置において実行される処理のフローチャートを示す。
図5】第3実施例のコード読取装置において実行される処理のフローチャートを示す。
図6】強度決定処理のフローチャートを示す。
図7】第4、第5、第6実施例のコード読取装置において実行される処理のフローチャートを示す。
図8】第4、第5実施例のマーカ決定処理のフローチャートを示す。
図9】第6実施例のマーカ決定処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(コード読取装置10の構成;図1図2図3
図1図2図3に示される本実施例に係るコード読取装置10は、情報コード(例えばバーコード)に記録されているデータを読み取るための装置である。コード読取装置10は、表示部12と、操作部14と、通知灯16、振動部18、スピーカ20、撮像部30、照射部32、照度センサ34と、制御部40と、を備える。なお、図1図2には、XYZ座標系が記載されている。また、振動部18、スピーカ20、照射部32、及び、制御部40は、コード読取装置10の内部に配置されている。図1図2では、各部18、20、32、40は、コード読取装置10の表面に隠れて見えない。
【0033】
表示部12は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。操作部14は、複数個のキーを備える。ユーザは、操作部14を操作することによって、様々な指示をコード読取装置10に入力することができる。なお、表示部12は、ユーザから指示を受け付けるタッチパネル(即ち操作部)としても機能してもよい。
【0034】
通知灯16は、情報コードの読取をユーザに通知する発光手段である。通知灯16は、例えば、LEDである。図1に示すように、通知灯16は、コード読取装置10の正面側(即ち表示部12が配置されている側)に配置されている。
【0035】
振動部18は、コード読取装置10を振動させる装置である。振動部18は、いわゆるバイブレーション機能を実現する装置である。スピーカ20は、所定の音声(例えばブザー等の通知音)を出力する装置である。
【0036】
撮像部30は、発光部30aと、受光部30bと、を備える。発光部30aは、情報コードを照らす照明光を発光可能な部位である。発光部30aは、例えば、LEDである。受光部30bは、発光部30aによる照射光の反射光を受光可能な部位である。受光部30bは、反射光を集光するレンズと、当該レンズによって集光された光を電気信号(例えば画像データ)に変換するイメージセンサと、を含む。なお、変形例では、発光部30aは、レーザを走査して情報コードに照射するレーザ光源であり、受光部30bは、当該レーザの反射レーザを受光する素子であってもよい。また、他の変形例では、撮像部30は、情報コードを撮影可能なカメラであってもよい。
【0037】
照射部32は、情報コードを指し示すための指示マーカを照射可能な部位である。照射部32は、例えば、レーザ光源と、当該レーザ光源によって照射されたレーザを集光するレンズと、を備える。照射部32によって照射されたレーザが、情報コードが記載されている物体に照射されると、当該物体の表面に指示マーカが映される。指示マーカの形状は、所定の円である。なお、変形例では、指示マーカの形状は、所定の楕円、多角形(例えば三角)、星形、内部に指示点を有する枠等であってもよい。指示マーカの形状は、何ら限定されるものではない。
【0038】
図2に示すように、撮像部30及び照射部32は、コード読取装置10の背面側に配置されている。ユーザは、コード読取装置10の背面側を情報コードに向けることにより、指示マーカの照射と、情報コードの読取と、をコード読取装置10に実行させることができる。
【0039】
照度センサ34は、コード読取装置10の周囲の照度を測定するセンサである。図1に示すように、照度センサ34は、コード読取装置10の正面側(即ち表示部12が配置されている側)に配置されている。即ち、照度センサ34は、コード読取装置10の表面のうち、通知灯16が配置されている正面側に配置されている。そして、照度センサ34は、通知灯16の付近に配置されている。このような構成によれば、コード読取装置10は、通知灯16の付近の照度に基づいて、後述する図4の判断を実行することができる。照度センサ34が通知灯16の配置されている正面側とは異なる面、例えば、コード読取装置10の背面側に設けられている比較例と比較して、判断の精度を向上することができる。なお、変形例では、当該比較例の構成を採用してもよい。
【0040】
制御部40は、CPU42と、メモリ44と、を備える。CPU42は、メモリ44に記憶されているプログラム50に従って様々な処理を実行する。メモリ44は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0041】
制御部40は、例えば、操作部14の操作に応じて、撮像部30を起動し、情報コードを撮像部30に撮像させる。そして、制御部40は、撮像済みの情報コードに記録されたデータを読み取り、当該データを出力する。例えば、制御部40は、当該データによって表される読み取り結果(例えば文字列)を表示部12に表示させる。また、制御部40は、当該データを外部の装置(例えばサーバ)に送信する。
【0042】
また、制御部40は、照度センサ34の測定値を利用して、表示部12のバックライトの明るさを決定する。例えば、制御部40は、照度センサ34の測定値が大きくなるほど、バックライトを明るくする。これにより、周囲の照度が大きい場合でも、表示部12内の情報を見易くすることができる。
【0043】
(コード読取装置10の処理;図4
図4を参照して、コード読取装置10の制御部40によって実行される処理を説明する。図4の処理は、操作部14において情報コードの読取を開始するための開始指示が行われることをトリガとして開始される。制御部40は、開始指示に従って、撮像部30を起動し、情報コードを撮像部30に撮像させる。そして、制御部40は、情報コードを含む画像を分析し、情報コードのデコードを実行する。
【0044】
S10では、制御部40は、撮像済みの情報コードのデコードが成功して、情報コードの読取が成功したのか否かを判断する。制御部40は、情報コードの読取が成功したと判断する場合(S10でYES)に、S12に進む。一方、制御部40は、撮像済みの情報コードのデコードが失敗して、情報コードの読取が失敗したと判断する場合(S10でNO)、情報コードの撮像を再び試行して、S10の判断に戻る。
【0045】
S12では、制御部40は、照度センサ34から現在の測定値を取得して、現在の測定値が所定の閾値(例えば35000ルクス)より小さいのか否かを判断する。例えば、野外の晴天時等では、通知灯16の照度よりも周囲の照度が大きくなり、ユーザが、通知灯16の発光に気づかない可能性がある。上記の所定の閾値は、ユーザが通知灯16の発光に気づかない可能性がある照度、例えば、通知灯16の照度よりも大きい値に設定される。なお、変形例では、S12の判断は、現在の測定値に限らず、図4の処理が開始される直前の測定値を利用してもよい。即ち、照度センサ34の測定値を取得するタイミングは、現在に限らず、例えば、定期的に取得されてもよい。
【0046】
制御部40は、現在の測定値が所定の閾値以上である、即ち、現在の測定値が所定の閾値を超えると判断する場合(S12でNO)に、S14に進む。S14では、制御部40は、通知灯16に代えて、他の手段を動作させて、ユーザへの通知を実行する。ここで、他の手段は、振動部18であり、他の手段による通知は、バイブレーションによる通知である。また、ユーザは、図4の処理の開始の前に、操作部14を操作して、他の手段として、振動部18に代えて、スピーカ20を選択することができる。現時点において他の手段がスピーカ20である場合には、他の手段による通知は、ブザー等による通知である。複数個の手段の中から、ユーザが気づきやすい1個の手段を選択することができる。
【0047】
S14に続くS20では、制御部40は、S10における読取の結果を表示部12に表示させる。S20が終了すると、図4の処理が終了する。
【0048】
また、制御部40は、現在の測定値が所定の閾値より小さい、即ち、現在の測定値が所定の閾値を超えないと判断する場合(S12でYES)に、S16に進む。S16では、制御部40は、通知灯16を点灯する。S16の処理が終了すると、制御部40は、S20に進む。
【0049】
ここで、S12の所定の閾値は、ユーザの指示に応じて変更可能である。別言すれば、ユーザは、操作部14を操作して、特定の値を所定の閾値として入力可能である。このような構成によれば、S12の判断の基準を任意に設定することができる。ユーザの利便性が向上する。なお、変形例では、S12の所定の閾値は、不変な値であってもよい。
【0050】
(本実施例の効果)
このような構成によれば、コード読取装置10は、周囲の照度が大きく、ユーザが通知灯16の発光に気づかない可能性がある場合(S12でNO)に、通知灯16に代えて、他の手段(例えば振動部18)を動作させる(S14)。他の手段を利用することにより、ユーザが情報コードの読取の通知に気づく確率を高めることができる。
【0051】
また、上記したように、照度センサ34の測定値は、表示部12のバックライトの明るさを周囲の照度に適した明るさに決定するために利用される。本実施例では、バックライトの明るさを決定するための測定値(即ち照度センサ34)を流用して図4の処理を実現することができる。
【0052】
(対応関係)
コード読取装置10、表示部12、通知灯16、振動部18、撮像部30、照度センサ34、制御部40が、それぞれ、「コード読取装置」、「表示部」、「発光手段」、「他の手段」、「撮像部」、「照度センサ」、「制御部」の一例である。図4のS10が、「読取処理」の一例である。S12~S16が、「第1の処理(及び特定処理)」の一例である。S12の閾値が、「第1の所定値」の一例である。
【0053】
(第2実施例)
(コード読取装置10の処理;図4
第2実施例は、図4のS14の処理の内容が異なる点を除いて、第1実施例と同様である。本実施例のS14では、制御部40は、通知灯16を点灯するとともに、他の手段を動作させる。このような構成によれば、2個の通知手段、即ち、通知灯16と他の手段の双方の利用により、ユーザが通知に気づく確率をさらに高めることができる。
【0054】
(第3実施例)
第3実施例は、情報コードを撮像するための設定である発光強度を調整する図5の処理が実行される点を除いて、第1実施例と同様である。
【0055】
(コード読取装置10の処理;図5
図5を参照して、本実施例に係る制御部40によって実行される処理を説明する。図5の処理も、第1実施例の図4の処理と同様に、開始指示をトリガとして開始される。
【0056】
S100では、制御部40は、撮像部30による撮像を実行する前に、後述する強度決定処理(図6参照)を実行する。
【0057】
S110では、制御部40は、S100の強度決定処理で決定された発光強度を利用して、撮像部30による撮像を実行する。具体的には、制御部40は、決定済みの発光強度で発光部30aを発光させ、情報コードからの反射光を受光部30bに受光させる。これにより、制御部40は、撮像部30を介して、情報コードを含む画像を取得する。
【0058】
S120では、制御部40は、S110で取得した画像の明るさが所定の許容範囲の下限よりも暗いのか否かを判断する。ここで、画像の明るさは、例えば、全画素のうちの複数個の代表的な画素の明度の平均値に基づき算出される。また、所定の許容範囲は、情報コードの分析に適した明るさとして予め設定される。制御部40は、画像の明るさが下限よりも暗いと判断する場合(S120でYES)に、S122に進む。
【0059】
S122では、制御部40は、決定済みの発光強度を所定の強度だけ大きくする。所定の強度は、例えば、決定済みの発光強度の数パーセント(例えば10%)である。S122が終了すると、制御部40は、S110に戻り、撮像を再び実行する。
【0060】
また、制御部40は、画像の明るさが下限よりも明るいと判断する場合(S120でNO)に、S130において、画像の明るさが所定の許容範囲の上限よりも明るいのか否かを判断する。制御部40は、画像の明るさが上限よりも明るいと判断する場合(S130でYES)に、S132に進む。
【0061】
S132では、制御部40は、決定済みの発光強度を所定の強度だけ小さくする。所定の強度は、例えば、決定済みの発光強度の数パーセント(例えば10%)である。なお、S132の所定の強度は、S122の所定の強度と同じであってもよいし、異なっていてもよい。S132が終了すると、制御部40は、S110に戻り、撮像を再び実行する。
【0062】
また、制御部40は、画像の明るさが上限よりも暗いと判断する場合(S120でNO)に、画像の明るさが所定の許容範囲内であると判断して、S140に進む。
【0063】
S140では、制御部40は、情報コードを含む画像を分析し、情報コードのデコードを実行する。そして、制御部40は、情報コードのデコードが成功して、情報コードの読取が成功したのか否かを判断する。制御部40は、情報コードの読取が成功したと判断する場合(S140でYES)に、S150に進む。S150は、図4のS20と同様である。S150が終了すると、図5の処理が終了する。
【0064】
また、制御部40は、情報コードの読取が失敗したと判断する場合(S140でNO)に、S110に戻り、撮像を再び実行する。
【0065】
(強度決定処理;図6
図6を参照して、図5のS100の強度決定処理について説明する。S200では、制御部40は、照度センサ34から現在の測定値を取得する。
【0066】
S202では、制御部40は、現在の測定値が所定の第1の閾値(例えば10000ルクス)より小さいのか否かを判断する。第1の閾値は、例えば、太陽光が照射する野外を想定した値である。制御部40は、取得済みの測定値が第1の閾値以上であると判断する場合(S202でNO)に、野外と判断して、S204において、発光強度のレベルとして「弱」を決定する。
【0067】
また、制御部40は、現在の測定値が第1の閾値より小さいと判断する場合(S202でYES)に、S206において、現在の測定値が所定の第2の閾値(例えば4000ルクス)より小さいのか否かを判断する。第2の閾値は、S202の第1の閾値よりも小さく、例えば、明るい屋内を想定した値である。制御部40は、取得済みの測定値が第2の閾値以上であると判断する場合(S206でNO)に、明るい屋内と判断して、S208において、発光強度のレベルとして、S204の「弱」よりも高い「中」を決定する。
【0068】
また、制御部40は、取得済みの測定値が第2の閾値より小さいと判断する場合(S206でYES)に、暗い屋内と判断して、S210において、発光強度のレベルとして、「中」よりも高い「強」を決定する。
【0069】
制御部40は、S204、S208、及び、S210のいずれかが終了すると、図6の処理を終了する。なお、発光強度の調整は、図6に示すような3段階に限らず、例えば、2段階、4段階以上であってもよい。
【0070】
(本実施例の効果)
撮像部30の発光強度が周囲の照度に適していないと、撮像部30によって撮像された情報コードが不明瞭となり、情報コードに記録されている情報の読み取りが失敗する可能性がある。本実施例の構成によれば、コード読取装置10は、図5のS100の強度決定処理において、発光強度を照度センサ34の測定値によって示される周囲の照度に適した発光強度に決定する(S204、S208、及び、S210のいずれか)。これにより、撮像部によって撮像された情報コードが不明瞭となることを抑制することができる。
【0071】
また、図5のS110の撮像の実行の後に照度センサ34の測定値を利用して発光強度を決定する比較例が想定される。この比較例では、最初に撮像される情報コードが不明瞭となり、S120~S132における発光強度の調整と撮像の回数が増加し得る。これに対して、上記の構成によれば、撮像部30が情報コードを撮像する前にS100の強度決定処理が予め実行されるので、最初に撮像される情報コードが不明瞭となることが抑制され、S120~S132における発光強度の調整と撮像の回数を低減することができる。なお、変形例では、当該比較例の構成を採用してもよい。
【0072】
(対応関係)
図5のS140が、「読取処理」の一例である。発光強度が、「情報コードを撮像するための設定」の一例である。図6の処理が「第2の処理(及び特定処理)」の一例である。
【0073】
(第4実施例)
第4実施例は、指示マーカの出力及び点灯時間を調整する図7の処理が実行される点を除いて、第1実施例と同様である。
【0074】
(コード読取装置10の処理;図7
図7を参照して、本実施例に係る制御部40によって実行される処理を説明する。図7の処理も、第1実施例の図4の処理と同様に、開始指示をトリガとして開始される。
【0075】
S300では、制御部40は、撮像部30による撮像を実行する前に、後述するマーカ決定処理(図8参照)を実行する。
【0076】
S310では、制御部40は、S300のマーカ決定処理で決定された値(即ち出力と点灯時間)に従って、指示マーカを照射部32に照射させる。そして、制御部40は、撮像部30による撮像を実行する。これにより、制御部40は、撮像部30を介して、指示マーカによって指し示めされた情報コードを含む画像を取得する。
【0077】
続くS340、S350は、図5のS140、S150と同様である。S350が終了すると、図7の処理が終了する。
【0078】
(マーカ決定処理;図8
図8を参照して、図7のS300のマーカ決定処理について説明する。S400は、図6のS200と同様である。
【0079】
S402では、制御部40は、現在の測定値が所定の第1の閾値(例えば35000ルクス)より小さいのか否かを判断する。第1の閾値は、例えば、晴天時の野外を想定した値である。制御部40は、現在の測定値が第1の閾値以上であると判断する場合(S402でNO)に、晴天時の野外と判断して、S404において、指示マーカの出力を「レベル5」に決定し、指示マーカの点灯時間のレベルを「短」に決定する。
【0080】
また、制御部40は、現在の測定値が第1の閾値より小さいと判断する場合(S402でYES)に、S406において、現在の測定値が所定の第2の閾値(例えば2000ルクス)より小さいのか否かを判断する。第2の閾値は、S402の第1の閾値よりも小さく、例えば、曇天時の野外を想定した値である。制御部40は、現在の測定値が第2の閾値以上であると判断する場合(S406でNO)に、曇天時の野外と判断して、S408に進む。S408では、制御部40は、指示マーカの出力を、S404の「レベル5」よりも低い「レベル4」に決定し、指示マーカの点灯時間のレベルを「短」に決定する。
【0081】
また、制御部40は、現在の測定値が第2の閾値より小さいと判断する場合(S406でYES)に、S410において、現在の測定値が所定の第3の閾値(例えば500ルクス)より小さいのか否かを判断する。第3の閾値は、S406の第2の閾値よりも小さく、例えば、百貨店等の明るい屋内を想定した値である。制御部40は、取得済みの測定値が第3の閾値以上であると判断する場合(S410でNO)に、明るい屋内と判断して、S412に進む。S412では、制御部40は、指示マーカの出力を、S408の「レベル4」よりも低い「レベル3」に決定し、指示マーカの点灯時間のレベルを、S408の「短」よりも高い「長」に決定する。
【0082】
また、制御部40は、取得済みの測定値が第3の閾値より小さいと判断する場合(S410でYES)に、S414において、取得済みの測定値が所定の第4の閾値(例えば80ルクス)より小さいのか否かを判断する。第4の閾値は、S410の第3の閾値よりも小さく、例えば、事務所等の一般的な明るさの屋内を想定した値である。制御部40は、取得済みの測定値が第4の閾値以上であると判断する場合(S414でNO)に、一般的な明るさの屋内と判断して、S418に進む。S418は、指示マーカの出力としてS412の「レベル3」よりも低い「レベル2」が利用される点を除いて、S412と同様である。
【0083】
また、制御部40は、取得済みの測定値が第4の閾値より小さいと判断する場合(S414でYES)に、倉庫等の暗い屋内と判断して、S416に進む。S416は、指示マーカの出力としてS418の「レベル2」よりも低い「レベル1」が利用される点を除いて、S418と同様である。
【0084】
制御部40は、S404、S408、S412、S416、及び、S418のいずれかが終了すると、図8の処理を終了する。なお、指示マーカの出力レベルの調整は、図8に示すような5段階に限らず、例えば、4段階以下、6段階以上であってもよい。また、指示マーカの点灯時間の調整は、図8に示すような2段階に限らず、例えば、3段階以上であってもよい。
【0085】
ここで、S404、S408、S412、S416、及び、S418の各閾値は、ユーザの指示に応じて変更可能である。即ち、ユーザは、操作部14を操作して、特定の値をいずれかの閾値として入力可能である。このような構成によれば、図8のS404、S408、S412、S416、及び、S418の各判断の基準を任意に設定することができる。ユーザの利便性が向上する。なお、変形例では、S404、S408、S412、S416、及び、S418の少なくとも一部の閾値は、不変な値であってもよい。
【0086】
(本実施例の効果)
例えば、野外等において、指示マーカの照度よりも周囲の照度が大きくなる場合には、指示マーカが周囲に埋もれて、ユーザが指示マーカを見失う可能性がある。本実施例の構成によれば、コード読取装置10は、指示マーカの出力を照度センサ34の測定値によって示される周囲の照度に適した出力に決定する。即ち、周囲の照度が大きくなるほど、指示マーカの出力が大きくなる(図8)。これにより、ユーザが指示マーカを見失うことを抑制することができる。
【0087】
また、本実施例の構成によれば、コード読取装置10は、測定値が第2の閾値を超えない場合(S406でYES)に、指示マーカの出力を「レベル3」に、点灯時間のレベルを「長」に決定し(S412)、測定値が第2の閾値を超える場合(S406でNO)に、指示マーカの出力を「レベル4」に、指示マーカの点灯時間のレベルを「短」に決定する(S408)。指示マーカの出力が「レベル4」で大きい状況において、点灯時間のレベルが「短」として点灯時間が短縮されて、指示マーカの照射によって消費される電力を低減することができる。
【0088】
(対応関係)
図7のS340が、「読取処理」の一例である。図8の処理が、「第3の処理(及び特定処理)」の一例である。図8のS406の第2の閾値が、「第2の所定値」の一例である。S412の出力「レベル3」、点灯時間「長」が、それぞれ、「第1の出力」、「第1の時間」の一例である。S408の出力「レベル4」、点灯時間「短」が、それぞれ、「第2の出力」、「第2の時間」の一例である。
【0089】
(第5実施例)
(マーカ決定処理;図8
第5実施例は、図8のS404の処理の内容が異なる点を除いて、第4実施例と同様である。本実施例のS404では、制御部40は、コード読取装置10の設定を、指示マーカを照射する第1の設定から指示マーカを照射しない第2の設定に変更する。これにより、指示マーカを照射しないことが決定される。なお、図8の処理が開始される前では、コード読取装置10の設定は、デフォルトの第1の設定である。
【0090】
本実施例の構成によれば、コード読取装置10は、照度センサ34の測定値が第1の閾値以上であると判断する場合(S402でNO)に、晴天時の野外と判断して、指示マーカを照射しないことを決定する。例えば、晴天時の野外のように、周囲が過度に明るい状況では、指示マーカの出力が大きくても、指示マーカが周囲に埋もれる可能性がある。本実施例では、指示マーカが周囲に埋もれる可能性がある状況において、不要な指示マーカの照射を抑制して、指示マーカの照射による電力の消費を省くことができる。
【0091】
(対応関係)
図8のS406~S418が、「第3の処理(及び特定処理)」の一例である。S402の第1の閾値が、「3の所定値」の一例である。
【0092】
(第6実施例)
第6実施例は、図7のS300において図9に示すマーカ決定処理が実行される点を除いて、第4実施例と同様である。
【0093】
(マーカ決定処理;図9
図9を参照して、本実施例のマーカ決定処理について説明する。S500、S502は、図8のS400、S402と同様である。
【0094】
制御部40は、S500で取得した現在の測定値が第1の閾値以上であると判断する場合(S502でNO)に、晴天時の野外と判断して、S506において、指示マーカの表示の態様を「点滅有」に決定する。ここで、「点滅有」は、指示マーカを一定のリズムで点滅させる態様を示す。「点滅有」の決定により、図7のS310において照射される指示マーカが点滅する。
【0095】
また、制御部40は、現在の測定値が第1の閾値より小さいと判断する場合(S502でYES)に、S504において、指示マーカの表示の態様を「点滅無」に決定する。ここで、「点滅無」は、指示マーカを点滅させない態様を示す。「点滅無」の決定により、図7のS310において照射される指示マーカが点滅しない。
【0096】
制御部40は、S504及びS506のいずれかが終了すると、図9の処理を終了する。
【0097】
(本実施例の効果)
指示マーカが点滅していると、周囲が明るい状況でも、指示マーカの存在がユーザに認識され易い。本実施例では、照度センサ34の測定値が第1の閾値以上である場合に、指示マーカが点滅する。これにより、指示マーカの表示の態様が不変な比較例と比較して、ユーザが指示マーカを見つけ易くすることができる。図9の処理が、「第4の処理(及び特定処理)」の一例である。
【0098】
以上、本明細書で開示する技術の具体例を説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、以下の変形例を採用してもよい。
【0099】
(変形例1)コード読取装置10は、照度センサ34を備えなくてもよい。例えば、コード読取装置10は、コード読取装置10とは別体に設けられている照度センサから受信した測定値を利用して各実施例の処理を実行してもよい。また、他の変形例では、コード読取装置10は、撮像部30によって撮像された画像の明度等から推定される周囲の照度を利用して各実施例の処理を実行してもよい。これら変形例では、「照度センサ」を省略可能である。
【0100】
(変形例2)「情報コードを撮像するための設定」は、第3実施例に係る発光強度に限らず、例えば、受光部30bが継続して反射光を受光する時間である露光時間でもよい。
【0101】
(変形例3)コード読取装置10は、スピーカ20を備えず、他の手段として振動部18のみが利用可能であってもよい。また、コード読取装置10は、振動部18を備えず、他の手段としてスピーカ20のみが利用可能であってもよい。
【0102】
(変形例4)第4実施例において、点灯時間のレベルの調整は実行されなくてもよい。本変形例では、「第1の時間」及び「第2の時間」を省略可能である。
【0103】
(変形例5)「指示マーカの表示の態様」を決定することは、第6実施例のように「点滅無」から「点滅有」の態様に変更することに限らず、指示マーカの大きさを変更すること、指示マーカの形状を変更すること(例えば丸から四角形)等であってもよい。
【0104】
(変形例6)上記の各実施例において、表示部12のバックライトが周囲の照度に適した明るさに決定されず、不変であってもよい。また、各実施例において、コード読取装置10は、表示部12を備えなくてもよい。本変形例では、「表示部」を省略可能である。
【0105】
(変形例7)コード読取装置10は、第1実施例~第6実施例のいずれかに係る処理を実行してもよいし、第1実施例~第6実施例のうちの、2個以上の実施例の組合せに係る処理(例えば、図4図5の処理の組合せ)を実行してもよい。
【0106】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0107】
10 :コード読取装置
12 :表示部
14 :操作部
16 :通知灯
18 :振動部
20 :スピーカ
30 :撮像部
30a :発光部
30b :受光部
32 :照射部
34 :照度センサ
40 :制御部
42 :CPU
44 :メモリ
50 :プログラム

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9