IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社トーメーポートの特許一覧 ▶ 株式会社メニコンの特許一覧

<>
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図1
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図2
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図3
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図4
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図5
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図6
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図7
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図8
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図9
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図10
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図11
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図12
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図13
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図14
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図15
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図16
  • 特開-ソフトコンタクトレンズ用収納ケース 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066908
(43)【公開日】2022-05-02
(54)【発明の名称】ソフトコンタクトレンズ用収納ケース
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/04 20060101AFI20220422BHJP
【FI】
A45C11/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175512
(22)【出願日】2020-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】514205274
【氏名又は名称】株式会社トーメーポート
(71)【出願人】
【識別番号】000138082
【氏名又は名称】株式会社メニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100078190
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 三千雄
(74)【代理人】
【識別番号】100115174
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 正博
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 健
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA09
3B045CA06
3B045CE03
3B045CE07
(57)【要約】
【課題】ソフトコンタクトレンズ(SCL)の収納操作や取出し操作の操作性を向上せしめると共に、レンズホルダを引き上げてSCLを取り出す際に、液体の飛散や液垂れを抑制乃至は回避し得るようにしたSCL用収納ケースを提供する。
【解決手段】有底筒状形状の容器本体12と、その開口部に着脱可能に取り付けられるキャップ部材14と、キャップ部材14の内側に取り付けられるレンズホルダ16とから構成されるSCL用収納ケース10において、レンズ台座部30とレンズ収容壁部32と容器本体12の内周面との間に形成されるSCL24の収容空間内から、SCL24が抜け出さない高さで、レンズ収容壁部32を、レンズ台座部30の上側及び下側にそれぞれ位置するように、レンズホルダ16のホルダ本体28に設けた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の液体が収容される有底筒状形状の容器本体と、該容器本体の上部開口部に着脱可能に取り付けられて、該容器本体の内部に密閉空間を形成し得るキャップ部材と、該キャップ部材の内側に取り付けられ、収納対象となるソフトコンタクトレンズを保持するレンズホルダとを有する収納ケースにして、
前記レンズホルダが、前記キャップ部材の内側に位置固定に保持されるホルダ基部と、該ホルダ基部に連結されて、下方に垂下するように延びる所定幅の板状のホルダ本体と、かかるホルダ本体の垂下方向の中間部位に、板面から突出せる形態において一体的に設けられ、前記容器本体の内周面との間に前記ソフトコンタクトレンズを収容し得る隙間を形成する、該ソフトコンタクトレンズが載置されるドーム状のレンズ台座部と、該レンズ台座部の上側及び下側に位置する前記ホルダ本体の部位にそれぞれ設けられた上側壁部及び下側壁部から構成され、両側部が解放されてなる構造を呈する、該レンズ台座部とそれら上側及び下側壁部と前記容器本体の内周面との間に前記ソフトコンタクトレンズの収容空間を形成するレンズ収容壁部とを有し、且つ
該レンズ収容壁部の上側及び下側壁部が、前記容器本体の内周面との間の隙間から前記収容空間内のソフトコンタクトレンズが抜け出さない高さにおいて、立設されていることを特徴とするソフトコンタクトレンズ用収納ケース。
【請求項2】
前記レンズ収容壁部の上側及び下側壁部と前記容器本体の内周面との間の隙間が、2mm未満であることを特徴とする請求項1に記載のソフトコンタクトレンズ用収納ケース。
【請求項3】
前記レンズ収容壁部の上側及び下側壁部に、それぞれ、切欠き及び/又は孔部を設け、それら切欠き及び/又は孔部を通じて、前記収容空間内の液体や気体が外部に排出され得るように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のソフトコンタクトレンズ用収納ケース。
【請求項4】
前記容器本体が、横断面が円形の内周面を有する有底円筒形状を呈するものであると共に、前記レンズ収容壁部を構成する前記上側壁部及び前記下側壁部が、それぞれ、平面視において円弧形状を呈する形態において、設けられていることを特徴とする請求項1に記載のソフトコンタクトレンズ用収納ケース。
【請求項5】
前記切欠き及び/又は孔部が、それぞれ、前記上側壁部及び前記下側壁部の円弧形状の中央部に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のソフトコンタクトレンズ用収納ケース。
【請求項6】
前記レンズ収容壁部の上側及び下側壁部が、それぞれ、その円弧形状の中央部位から両端部に向かって漸次高さが低くなるように、形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のソフトコンタクトレンズ用収納ケース。
【請求項7】
前記容器本体が、横断面が矩形の内周面を有する有底角筒形状を呈するものであると共に、前記レンズ収容壁部を構成する前記上側壁部及び前記下側壁部が、それぞれ、水平方向に延びる水平壁部と該水平壁部の両端部から上下方向にそれぞれ所定長さで延びる側壁部とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載のソフトコンタクトレンズ用収納ケース。
【請求項8】
前記容器本体の内周面の矩形形状における四つの角部が、それぞれ、外方に凸なる形状の湾曲部として構成されていることを特徴とする請求項7に記載のソフトコンタクトレンズ用収納ケース。
【請求項9】
前記ホルダ本体に対して、その上下方向に位置するように、前記レンズ台座部の二つが直列に配置され、それら二つのレンズ台座部に対して、左眼用及び右眼用の2枚のソフトコンタクトレンズがそれぞれ載置せしめられるようになっていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のソフトコンタクトレンズ用収納ケース。
【請求項10】
前記ホルダ本体の二つが、前記ホルダ基部の相対向する位置に、互いに平行となるようにしてそれぞれ配設されていると共に、それら二つのホルダ本体の対向方向反対側となる外側の面に、それぞれ、前記レンズ台座部と前記レンズ収容壁部とが突出するように設けられて、左眼用及び右眼用の2枚のソフトコンタクトレンズがそれぞれ収容、保持され得るようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れの1項に記載のソフトコンタクトレンズ用収納ケース。
【請求項11】
前記容器本体の底部内面に、間隔保持突起が配設されており、該間隔保持突起が前記二つの互いに平行なホルダ本体の下端部間の間隙内に嵌入されて、それら二つのホルダ本体間の間隙が規定されていることを特徴とする請求項10に記載のソフトコンタクトレンズ用収納ケース。
【請求項12】
前記間隔保持突起が、前記二つのホルダ本体の下端部が当接せしめられる台座部と、該台座部上に設けられて、前記二つのホルダ本体の下端部間に挿入、位置せしめられる円錐形状部とから構成されていることを特徴とする請求項11に記載のソフトコンタクトレンズ用収納ケース。
【請求項13】
前記ホルダ基部と前記二つのホルダ本体とが一体成形品にて構成されていると共に、それらホルダ基部と二つのホルダ本体との連結部が薄肉のヒンジ部とされて、かかるヒンジ部において回動せしめられることにより、それら二つのホルダ本体が互いに平行に対向位置させられ得るように構成されていることを特徴とする請求項12に記載のソフトコンタクトレンズ用収納ケース。
【請求項14】
前記二つのホルダ本体を相互に連結し、それらの間の間隔を維持する連結手段が、設けられていることを特徴とする請求項10乃至請求項13の何れか1項に記載のソフトコンタクトレンズ用収納ケース。
【請求項15】
前記連結手段が、前記二つのホルダ本体の下端部の一方に設けた筒状部と、それら下端部の他方に設けたピン部とから構成され、該筒状部の筒内に該ピン部が差し込まれることによって、該二つのホルダ本体の間隔が保持され得るように構成されていることを特徴とする請求項14に記載のソフトコンタクトレンズ用収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトコンタクトレンズ用収納ケースに係り、特に、ソフトコンタクトレンズの収納や取出しに際しての操作性を向上し、また、その際における問題の発生を有利に回避し得る収納ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンタクトレンズ(以下、CLという)は、その装用中を除けば、容器内に収容された液体中に浸漬されて、保存されるようになっている。そして、CLは、かかる容器内において、そこに収容された専用の液剤により、洗浄、消毒、表面濡れ性の改善等の作用(処理)を受け、次回の装用までの間に、レンズとしての機能の維持や回復が行われるようになっている。
【0003】
ところで、そのような保存容器内にCLを収容せしめるに際しては、かかる保存容器内からのCLの取出しを容易と為すと共に、保存中は容器内でのCLの動きを制限することにより、安定的に且つ傷等が付かないように保持すべく、レンズ収納室を設けたホルダを用い、そのレンズ収納室内にCLを収納してなる形態において、容器内の液体中に浸漬せしめられるようになっているのである。そして、CLの中でも、特に剛性が低く、変形作用を受け易いソフトコンタクトレンズ(以下、SCLという)にあっては、それを保持するホルダについて、種々なる検討が為されており、またレンズ収納室についても、米国特許第3770113号明細書、実用新案登録第3193885号公報、特開2018-68871号公報等には、その一つの形態が、明らかにされている。
【0004】
すなわち、それら明細書乃至は公報に提案されているホルダは、何れも、SCLの載置される球面形状乃至はドーム形状を呈する表面を有するレンズ台座部と、それを覆蓋するように重ね合わされる蓋部材とを有し、それらレンズ台座部と蓋部材とを重ね合わせることにより、それらの間に、所定間隙を形成しつつ、レンズ形状に対応した球状形状乃至は円弧断面形状のレンズ収納室を形成して、そこに、目的とするSCLが収納せしめられて、容器内に収容された液体中に浸漬されるようになっている。
【0005】
しかしながら、上述の如き従来のレンズホルダにあっては、そのレンズ収納室を開閉して、そこにSCLを収納したり、或いは、そこからSCLを取り出したりする際には、レンズ台座部に対して、それを覆蓋する蓋部材を回動させる等して、レンズ台座部上から移動させる操作が必要となり、そのために、レンズホルダに対するSCLの収納や取出しに際して、装用者に面倒で手間の掛かる作業が要請されるという問題があり、また、眼から取り外したSCLを収納するに際して、レンズ台座部に蓋部材を重ね合わせるときに、それらの間にSCLを挟み込んでしまい、SCLの損傷乃至は破損が発生するリスクも内在しており、更には、蓋部材の設置により、レンズホルダが構造的にも複雑となる問題を内在するものであった。
【0006】
しかも、SCLは、レンズ台座部とそれを覆蓋する蓋部材との間に形成されるレンズ収納室内に収納された状態で、レンズホルダを収容する容器内の液体中に浸漬されてなる形態から、容器外に取り出された後、蓋部材を回動させる等して、開閉することにより、レンズ収容室を解放して、SCLを取り出し、そして装用者の眼に装用するものであるところから、かかる蓋部材の開閉に際して、付着液体が飛散して、装用者に不快感を与える問題を内在している他、容器内の収容液体に浸漬された状態から、蓋部材にて覆蓋されたレンズ台座部を引き上げる際には、かかる蓋部材内に液体が残留した状態において引き上げられることとなり、それによって、それらレンズ台座部や蓋部材から液体が落下する液垂れが惹起されたりする問題も、内在するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3770113号明細書
【特許文献2】実用新案登録第3193885号公報
【特許文献3】特開2018-68871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、レンズ台座部に対する蓋部材の配設を不要ならしめて、SCLの収納操作や取出し操作において、その操作性を有利に向上せしめたSCL用収納ケースを提供することにあり、また、収納ケースに収容された液体からレンズホルダを引き上げて、SCLを取り出し、眼に装用するに際して、液体の飛散や液垂れを効果的に抑制乃至は回避して、SCLの装用が安心して出来るようにしたSCL用収納ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組合せにおいて採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載や図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
【0010】
そこで、本発明は、先ず、前記せる如き課題を解決すべく、所定の液体が収容される有底筒状形状の容器本体と、該容器本体の上部開口部に着脱可能に取り付けられて、該容器本体の内部に密閉空間を形成し得るキャップ部材と、該キャップ部材の内側に取り付けられ、収納対象となるSCLを保持するレンズホルダとを有する収納ケースにして、前記レンズホルダが、前記キャップ部材の内側に位置固定に保持されるホルダ基部と、該ホルダ基部に連結されて、下方に垂下するように延びる所定幅の板状のホルダ本体と、かかるホルダ本体の垂下方向の中間部位に、板面から突出せる形態において一体的に設けられ、前記容器本体の内周面との間に前記SCLを収容し得る隙間を形成する、該SCLが載置されるドーム状のレンズ台座部と、該レンズ台座部の上側及び下側に位置する前記ホルダ本体の部位にそれぞれ設けられた上側壁部及び下側壁部から構成され、両側部が解放されてなる構造を呈する、該レンズ台座部とそれら上側及び下側壁部と前記容器本体の内周面との間に前記SCLの収容空間を形成するレンズ収容壁部とを有し、且つ該レンズ収容壁部の上側及び下側壁部が、前記容器本体の内周面との間の隙間から前記収容空間内のSCLが抜け出さない高さにおいて、立設されていることを特徴とするSCL用収納ケースを、その要旨とするものである。
【0011】
ところで、このような本発明に従うSCL用収納ケースの望ましい態様の一つによれば、前記レンズ収容壁部の上側及び下側壁部と前記容器本体の内周面との間の隙間が、2mm未満であるように構成されている。
【0012】
また、本発明に従うSCL用収納ケースの他の望ましい態様によれば、前記レンズ収容壁部の上側及び下側壁部に、それぞれ、切欠き及び/又は孔部を設け、それら切欠き及び/又は孔部を通じて、前記収容空間内の液体や気体が外部に排出され得るように構成されている。
【0013】
そして、かくの如き本発明に従うSCL用収納ケースの好ましい態様の一つによれば、前記容器本体が、横断面が円形の内周面を有する有底円筒形状を呈するものであると共に、前記レンズ収容壁部を構成する前記上側壁部及び前記下側壁部が、それぞれ、平面視において円弧形状を呈する形態において、設けられている構造が、有利に採用されることとなる。
【0014】
また、本発明に従うSCL用収納ケースの好ましい態様の他の一つによれば、前記切欠き及び/又は孔部が、それぞれ、前記上側壁部及び前記下側壁部の円弧形状の中央部に設けられている。
【0015】
さらに、本発明に従うSCL用収納ケースの望ましい別の態様の一つによれば、前記レンズ収容壁部の上側及び下側壁部が、それぞれ、その円弧形状の中央部位から両端部に向かって漸次高さが低くなるように、形成されている。
【0016】
加えて、本発明に従うSCL用収納ケースにあっては、有利には、前記容器本体が、横断面が矩形の内周面を有する有底角筒形状を呈するものであると共に、前記レンズ収容壁部を構成する前記上側壁部及び前記下側壁部が、それぞれ、水平方向に延びる水平壁部と該水平壁部の両端部から上下方向にそれぞれ所定長さで延びる側壁部とから、構成されている。
【0017】
そして、本発明の有利な態様の一つによれば、前記容器本体の内周面の矩形形状における四つの角部が、それぞれ、外方に凸なる形状の湾曲部として、構成されている。
【0018】
また、本発明にあっては、前記ホルダ本体に対して、その上下方向に位置するように、前記レンズ台座部の二つが直列に配置され、それら二つのレンズ台座部に対して、左眼用及び右眼用の2枚のSCLがそれぞれ載置せしめられるようになっている構成が、有利に採用されることとなる。
【0019】
さらに、本発明にあっては、有利には、前記ホルダ本体の二つが、前記ホルダ基部の相対向する位置に、互いに平行となるようにしてそれぞれ配設されていると共に、それら二つのホルダ本体の対向方向反対側となる外側の面に、それぞれ、前記レンズ台座部と前記レンズ収容壁部とが突出するように設けられて、左眼用及び右眼用の2枚のSCLがそれぞれ収容、保持され得るようになっている。
【0020】
更にまた、本発明の望ましい態様の一つによれば、前記容器本体の底部内面に、間隔保持突起が配設されており、該間隔保持突起が前記二つの互いに平行なホルダ本体の下端部間の間隙内に嵌入されて、それら二つのホルダ本体間の間隙が規定されている。
【0021】
そして、本発明の他の望ましい態様の一つによれば、前記間隔保持突起が、前記二つのホルダ本体の下端部が当接せしめられる台座部と、該台座部上に設けられて、前記二つのホルダ本体の下端部間に挿入、位置せしめられる円錐形状部とから構成されている。
【0022】
また、本発明に従うSCL用収納ケースの望ましい態様の他の一つによれば、前記ホルダ基部と前記二つのホルダ本体とが一体成形品にて構成されていると共に、それらホルダ基部と二つのホルダ本体との連結部が薄肉のヒンジ部とされて、かかるヒンジ部において回動せしめられることにより、それら二つのホルダ本体が互いに平行に対向位置させられ得るように構成されている。
【0023】
さらに、本発明に従うSCL用収納ケースの望ましい態様の別の一つによれば、前記二つのホルダ本体を相互に連結し、それらの間の間隔を維持する連結手段が、設けられている。
【0024】
加えて、本発明に従うSCL用収納ケースの望ましい態様の異なる他の一つによれば、前記連結手段が、前記二つのホルダ本体の下端部の一方に設けた筒状部と、それら下端部の他方に設けたピン部とから構成され、該筒状部の筒内に該ピン部が差し込まれることによって、該二つのホルダ本体の間隔が保持され得るように構成されている。
【発明の効果】
【0025】
このように、本発明に従うSCL用収納ケースにあっては、レンズホルダを構成する板状のホルダ本体の中間部位に設けられた、SCLが載置されることとなるドーム状のレンズ台座部が、従来のレンズホルダの如き蓋部材を用いて覆蓋せしめられるものではなく、そのようなレンズ台座部と、その上下に位置するホルダ本体部位に設けられた上側及び下側壁部と、容器本体の内周面との間に、SCLの収容空間が形成される構造を採用するものであるところから、かかるレンズ台座部に対するSCLの載置や、そこからの取出しに際して、従来の如き蓋部材の開閉操作が全く不要と為され得たのであり、これによって、装用者の眼から取り外されたSCLを収納ケース内に収納せしめたり、或いは収納ケースからSCLを取り出して、装用者の眼に装用するに際しての操作(作業)が、極めて簡単となり、その操作性が著しく向上せしめられ得ることとなる他、蓋部材とレンズ台座部乃至はホルダ本体との間にSCLを挟み込んで、その損傷乃至は破損を惹起する恐れも、全く解消され得ることとなったのである。
【0026】
しかも、本発明に従うSCL用収納ケースにあっては、SCLの収容空間の形成のために、ドーム状のレンズ台座部を覆蓋する蓋部材が、従来のように、用いられるものではないところから、かかるレンズ台座部を容器本体内に収容される液体中に浸漬させてSCLを収納したり、またそのような液体から引き上げて、SCLの取出しを行うに際して、蓋部材を開閉せしめる必要がなく、その為に、付着する液体が飛散する恐れも全くないことに加えて、レンズ台座部からの液垂れの問題も、蓋部材が存在せず且つレンズ台座部の周りもシンプルな構造となっていることによって、収容液体の他、空気等の気体がSCLの収容空間より効果的に排除されるようになることに加えて、液体の溜まるところが少なくなるために、付着・残留液体は可及的に低減され得ることとなるのであり、従って、収納ケースに対するSCLの収納・取出しを、より安全に、また安心して行い得ることとなるのである。特に、このような特徴は、レンズ台座部の周りに配設される上側壁部や下側壁部に対して、それぞれ、所定の切欠き乃至は孔部が設けられていることによって、更に有利に発揮され得ることとなるのであり、そこでは、それら切欠きや孔部を通じて、空気等の気体や収容液体がSCLの収容空間からより一層効果的に排除され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に従うSCL用収納ケースの一例を示す縦断面説明図である。
図2図1におけるA-A断面説明図である。
図3図1に示されるSCL用収納ケースにおいて、レンズホルダを取り付けたキャップ部材を、容器本体から取り外してなる状態において示す斜視説明図である。
図4図3に示される、レンズホルダを取り付けたキャップ部材の説明図であって、(a)は、その正面説明図であり、(b)は、(a)におけるB-B断面説明図である。
図5】本発明に従うSCL用収納ケースにおいて用いられるレンズホルダの他の一例の展開形態を示す説明図であって、(a)は、その平面説明図であり、(b)は、その正面説明図である。
図6図5に示される展開形態のものを組み立てて得られるレンズホルダを示す斜視説明図である。
図7図6に示されるレンズホルダの縦断面説明図である。
図8図6に示されるレンズホルダを用いたSCL用収納ケースに所定の液体を収容し、更に、レンズホルダに所定のSCLを保持せしめてなる形態を示す縦断面説明図である(但し、レンズホルダ部分は、側面形態において示されている)。
図9】本発明に従うSCL用収納ケースの他の一例に係る外観を示す説明図であって、(a)は、その正面説明図であり、(b)は、その平面説明図であり、(c)は、その底面説明図である。
図10図9に示されるSCL用収納ケースの断面説明図であって、(a)は、図9(a)におけるC-C断面説明図であり、(b)は、図9(a)におけるD-D断面説明図である。
図11図9図10に示されるSCL用収納ケースにおいて、レンズホルダを取り付けたキャップ部材を、容器本体から取り外してなる状態において示す斜視説明図である。
図12】本発明に従うSCL用収納ケースの異なる他の一例に係る外観を示す説明図であって、(a)は、その正面説明図であり、(b)は、その右側面説明図であり、(c)は、その平面説明図であり、(d)は、その底面説明図である。
図13図12に示されるSCL用収納ケースの断面説明図であって、(a)は、図12(a)におけるE-E断面説明図であり、(b)は、図12(a)におけるF-F断面説明図である。
図14図12図13に示されるSCL用収納ケースにおいて、レンズホルダを取り付けたキャップ部材を、容器本体から取り外してなる状態において示す斜視説明図である。
図15】本発明に従うSCL用収納ケースの別の異なる一例に係る、図13(a)に対応する縦断面説明図である。
図16図15に示されるSCL用収納ケースにおいて、レンズホルダを取り付けたキャップ部材を、容器本体から取り外してなる状態において示す斜視説明図である。
図17図15図16に示されるSCL用収納ケースにおいて、レンズホルダを取り付けたキャップ部材を、容器本体に対して挿入し、或いはそれから取り出す形態を示す斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明の構成を更に具体的に明らかにするために、本発明の代表的な実施形態について、図面に基づいて、詳細に説明することとする。
【0029】
先ず、図1には、本発明に従うSCL用収納ケースの一例が、縦断面形態において概略的に示されている。そこにおいて、SCL用収納ケース10は、所定の液体が収容されることとなる、内周面が円形とされた有底円筒形状の容器本体12と、この容器本体12の上部開口部に着脱可能に取り付けられて、かかる容器本体12内部に密閉空間を形成するキャップ部材14と、このキャップ部材14の内側に取り付けられ、収納対象となるSCL24を保持するレンズホルダ16とを有している。そして、これら容器本体12とキャップ部材14とレンズホルダ16とは、何れも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート等の、従来からSCL用収容ケース材料として周知の合成樹脂を用いた、射出成形等の公知の成形操作によって、形成されている。
【0030】
具体的には、容器本体12は、図1及び図2から明らかな如く、所定厚さの円筒状の筒壁部12aと、その下端部を閉塞する底部12bとから、構成されており、その筒壁部12aの上端開口部の外周部には、キャップ部材14が螺合せしめられる外側ネジ部12cが、設けられている。なお、ここでは、容器本体12の底部12bの中央部が、容器本体12内に突出せしめられて、円形の当接台座部18が設けられており、更に、この当接台座部18の中央部から筒壁部12a内に円錐体形状において突出する円錐形状部20が、一体的に形成されている。
【0031】
一方、キャップ部材14は、レンズホルダ16が固定的に取り付けられてなる形態において、用いられるようになっており、かかるレンズホルダ16を容器本体12の筒内に装入せしめてなる形態において、筒壁部12aの上部外周部に螺合せしめられるように構成されて、容器本体12に対して着脱可能に取り付けられるようになっている。即ち、キャップ部材14は、円盤状の天板部14aの外周部から所定高さ垂下する外周筒部14bを有し、この外周筒部14bの内周面に設けられた内側ネジ部14cが、容器本体12の上部開口部の外周部に設けられた外側ネジ部12cに螺合せしめられることによって、容器本体12の上部開口部が液密に閉塞せしめられるようになっている。また、かかるキャップ14の天板部14aの内面(下面)の中央部には、外周筒部14bと略同じ高さにおいて、嵌合筒部22が一体的に設けられている。そして、このキャップ14に設けられた嵌合筒部22に対して、後述するレンズホルダ16のホルダ基部が嵌合固定せしめられることにより、図示の如く、キャップ14の内側に、レンズホルダ16が垂下されてなる形態において、取り付けられるようになっているのである。
【0032】
さらに、上記した容器本体12及びキャップ14と共に、SCL用収納ケース10を構成し、収納されるべきSCL24を保持するレンズホルダ16は、図1図3及び図4(a),(b)に示されるように、キャップ14の内側に位置固定に保持されるホルダ基部26と、このホルダ基部26に連結されて、所定間隙を隔てて相対向するように下方に垂下する一対の板状のホルダ本体28,28と、それらホルダ本体28,28に一体的に設けられた、右眼用SCL24及び左眼用SCL24がそれぞれ載置されるドーム状のレンズ台座部30,30と、そのようなレンズ台座部30の上下に位置するホルダ本体28部位にそれぞれ設けられた上側壁部32a及び下側壁部32bから構成されるレンズ収容壁部32とを有している。なお、各ホルダ本体28の下側壁部32bよりも下方に位置する部位には、図4(a)から明らかな如く、対応するレンズ台座部30に載置されるべきSCL24が、右眼用(R)であるのか、或いは左眼用(L)であるのかを明確にするために、R又はLの符号が浮き彫り形態において形成されている。
【0033】
より詳細には、レンズホルダ16は、図1図4から明らかなように、キャップ14の天板部14aの内面に設けられた嵌合筒部22に強制的に嵌入されて、位置固定に保持されるホルダ基部26を有しており、このホルダ基部26には、その下端から、水平方向に所定距離を隔てて、互いに平行に下方に垂下するように延びる、所定幅の板状のホルダ本体28,28が設けられている。そして、それら二つのホルダ本体28,28の垂下方向の中間部位には、SCL24が載置されるドーム状乃至は球状のレンズ台座部30,30が、それぞれの板面から互いに反対方向に(外方に)突出する形態において、一体的に設けられて、図1図2に示されるように、容器本体12の筒壁部12aの円形の内周面との間に、SCL24を収容し得る隙間が形成されるようになっている。なお、それらドーム状レンズ台座部30,30は、何れも、載置されるSCL24のベースカーブ(後面カーブ)よりも小さな曲率半径の表面を有し、また通液孔やスリット等が存在しない、凹凸のない平滑な湾曲凸面とされた表面を有するように、構成されており、これによって、載置されるSCL24に対して、より大きな表面張力乃至は付着力が発生せしめられ得るようになっている。
【0034】
また、それらドーム状レンズ台座部30,30の上側及び下側に位置するホルダ本体28,28の部位には、それぞれ、図3図4に示されるように、平面形態において円弧形状を呈する上側壁部32a及び下側壁部32bが、レンズ台座部30よりも高い高さにおいて設けられて、それら上側壁部32aと下側壁部32bとによって、レンズ収容壁部32が構成されている。なお、かかるレンズ収容壁部32を構成する上側壁部32a及び下側壁部32bは、図3より明らかな如く、それぞれ、その円弧形状の中央部位から両端部に向かって漸次高さが低くなるように形成されて、ホルダ本体28の両側部に至るようになっているのであり、これによって、両側部が解放されてなる構造のレンズ収容壁部32を構成している。即ち、上側壁部32aと下側壁部32bとは、それらが設けられている板状のホルダ本体28の板面に垂直な方向から見ても、また、かかる板面に平行な方向から見ても、円弧形状を呈する形態において、設けられているのである。そして、このようなレンズ収容壁部32(上側壁部32a+下側壁部32b)が、レンズ台座部30と容器本体12の筒壁部12aの内周面との間において、SCL24が収容される空間を形成しているのである。
【0035】
従って、そのようなレンズ収容空間内に存在するSCL24が、そこから抜け出さないように、容器本体12の筒壁部12aの内周面と、レンズ収容壁部32の上端部やホルダ本体28の両側部との間の間隙は、図1図2に示されるように、狭い間隙とされている必要があり、一般に2mm未満、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは0.3mm~1.0mm程度の間隙として、構成されることとなる。また、レンズ収容壁部32の外方に解放された両側部の長さ、換言すれば、上側壁部32aと下側壁部32bの対応する端部間の距離にあっても、SCL24の側方への抜け出しを阻止するために、通常、SCL24の直径よりも短い長さとなるように、設定されているのである。
【0036】
さらに、レンズ収容壁部32を構成する上側壁部32aと下側壁部32bにおいては、図1図3図4等から明らかなように、それぞれの円弧形状の中央部に、SCL24が抜け出さない大きさにおいて、換言すれば、SCL24の直径よりも小さな幅において、U字形状の切欠き34が設けられている。このような切欠き34が、レンズ収容壁部32の上下に位置する上側壁部32a及び下側壁部32bに存在していることにより、レンズホルダ16を容器本体12内の収容液体中に浸漬したり、或いは、それより引き上げたりしたときに、この切欠き34を通じて、気体(空気)や収容液体が、SCL24の収容空間から外部に排出せしめられ得るようになっており、これによって、レンズ台座部30とレンズ収容壁部32と容器本体12の筒壁部12aの内周面(内壁面)との間に形成されるレンズ収容空間内に気体や液体がトラップされて、惹起されるトラブルが、効果的に回避され得るようになっているのである。
【0037】
そして、かくの如き構成のレンズホルダ16は、キャップ14に固定的に組み付けられて、図3図4に示される如き形態とされた後、その両側のレンズ台座部30,30に右眼用SCL24及び左眼用SCL24がそれぞれ載置、保持せしめられた状態において、容器本体12内に収容されている液体中に浸漬せしめられた後、容器本体12の筒壁部12aの外側ネジ部12cにキャップ14の内側ネジ部14cが螺合せしめられて、液密状態が確保されてなる形態下において、SCL24の保存が行われることとなる。なお、その際、レンズホルダ16の二つのホルダ本体28,28は、ここでは、図1に示される如く、それらの下端部が、それぞれ、容器本体12の底部12bに突設形成されてなる当接台座部18の上面に当接することによって、ホルダ本体28,28の下端が支持されるようになっていると共に、それらホルダ本体28,28の下端部間に、円錐形状部20が嵌入されることにより、それらホルダ本体28,28の下端部間の距離が一定に維持され、互いに平行となるように保持されることによって、それぞれのレンズ台座部30とレンズ収容壁部32と容器本体12の筒壁部12aの内周面とによって形成されるレンズ収容空間が、所定の大きさに規制され得るようになっている。
【0038】
ところで、本発明に従うSCL用収納ケースは、上記で検討した図1図4に示される実施形態の他にも、各種の変形を加えることが可能であり、図5図7には、左眼用及び右眼用の二つのSCL24,24を保持するレンズホルダ16の製造の容易な一つの変形例が、示されている。
【0039】
すなわち、図5には、レンズホルダ16が展開されてなる形態において示されており、そのような展開形態においては、アンダーカット部位が殆ど存在しないところから、それを、公知の射出成形操作を採用することによって、樹脂の一体成形品として、容易に形成することが出来ることとなり、以て、製造コストの低減に有利に寄与し得るようになっている。そこにおいて、二つのホルダ本体28,28が、ホルダ基部26の両側に、それぞれ位置せしめられてなる形態において、レンズホルダ16が一体的に形成されているのである。また、そこでは、ホルダ基部26とホルダ本体28との連結部が、図5(b)に示されるように、薄肉のヒンジ部36とされて、このヒンジ部36における屈曲にて回動可能とされていることにより、それら二つのホルダ本体28,28が、互いに平行に対向位置せしめられ得るようになっているのである。なお、二つのホルダ本体28,28の対向面の一方の下端部側には、長円形状の筒状部38が設けられている一方、他方の対向面の下端部側には、長円形状のピン部40が所定高さで設けられており、かかる筒状部38の長円形状の筒内に、ピン部40が差し込まれることによって、二つのホルダ本体28,28の間隔が互いに平行となるように保持され得るようになっている。また、図5(a)に示されるように、二つのホルダ本体28,28の下端側に位置する部位には、L(左眼用)やR(右眼用)の文字が浮き彫り形態において形成されており、それぞれの文字の付されたホルダ本体28に設けられているレンズ台座部30に載置されるべきSCL24の種類が指定されて、装用者がSCL24の装着に際して、対象となる眼を間違わないようになっている。
【0040】
そして、図5に展開状態で示されているレンズホルダ16は、図6に示される如く、ホルダ基部26の矩形のプレート部26aの対応する2辺にそれぞれ連結されたホルダ本体28,28を、それぞれの連結部に形成されたヒンジ部36,36において屈曲させて、回動せしめることによって、互いに平行となるように相対向して位置せしめると共に、一方のホルダ本体28に設けられた長円形状のピン部40を他方のホルダ本体28に設けられた筒状部38の長円形状の筒内に嵌入せしめることによって(図7参照)、二つのホルダ本体28,28が互いに平行となるように固定、保持せしめることにより、組み立てられることとなるのである。このように、筒状部38へのピン部40の嵌入によって、二つのホルダ本体28,28の間隔が固定されることにより、レンズホルダ16が容器本体12内に装入せしめられたり、或いは、引き上げられたりした際に、容器本体12の筒壁部12aの内面や開口部にホルダ本体28が当接して、レンズ台座部30と筒壁部12aの内壁面との間の距離が変化せしめられたときに、SCL24が脱落したりする問題が有利に回避され得ることとなる。
【0041】
また、かくの如きレンズホルダ16は、ホルダ基部26の上方に突出するピン部26bにおいて、キャップ14の嵌合筒部22内に嵌入固定せしめられてなる形態において、二つのレンズ台座部30,30に対して、左眼用及び右眼用の二つのSCL24,24がそれぞれ載置、保持された後、図8に示される如く、容器本体12内に収容された所定の液体42中に浸漬されてなる形態において、容器本体12の開口部に、キャップ14が螺合により取り付けられることによって、装用者から取り外された左眼用や右眼用のSCL24が、SCL用収納ケース10内に収納、保持された状態において、所望の消毒処理や洗浄処理が施されるようになるのである。なお、容器本体12内に収容される液体42には、浸漬されるSCL24に対して、洗浄、消毒、表面濡れ性の改善等の作用を為す、従来と同様な液体が、そのまま、用いられることとなる。
【0042】
このように、上述の如き構成のSCL用収納ケース10にあっては、レンズホルダ16におけるSCL24が載置されるレンズ台座部30を覆蓋する蓋部材は、何等設けられておらず、レンズ台座部30とレンズ収容壁部32(上側壁部32a+下側壁部32b)と容器本体12における筒壁部12aの内壁面とによって規定されるレンズ収容空間内に、SCL24が収容、保持されることとなるところから、レンズホルダ16におけるレンズ台座部30に対するSCL24の載置や、そこからのSCL24の取出しに際して、蓋部材を開閉させる作業が全く必要でなくなり、それによって、レンズホルダ16に対するSCL24の収納や取出しの操作性が、効果的に向上せしめられ得ることとなることに加えて、蓋部材の開閉によるSCL24の挟込みの問題も、全く惹起されることがないところから、SCL24が損傷を受けたり、破損したりする恐れも、全く解消され得ることとなったのである。
【0043】
しかも、レンズホルダ16には、蓋部材が存在するものではないところから、蓋部材の開閉操作によって惹起される、レンズホルダ16に付着する液体42の飛散が生じるような恐れもないことに加えて、容器本体12中の収容液体42から、レンズホルダ16が引き上げられた際にも、蓋部材に残留する液体の液垂れの問題が惹起されることはなく、特に、レンズ収容壁部32を構成する上側壁部32aや下側壁部32bには、その円弧形状の中央部位に切欠き34が形成されているところから、かかるレンズ収容壁部32に残留する液体42も、可及的に低減され得ることとなり、これによって、レンズホルダ16が容器本体12内から引き上げられて、外部に取り出された際に、レンズホルダ16からの液垂れも、可及的に抑制され得て、SCL24の取扱い作業性が有利に向上せしめられ得ることとなるのである。なお、それら上側壁部32aや下側壁部32bに設けられた切欠き34は、また、レンズホルダ16が容器本体12中の収容液体42内に浸漬されるに際しても、レンズ収容空間内の空気の如き気体を、外部に効果的に排出せしめる効果を発揮し、これによって、残留気体によるSCL24の収容状態への悪影響を回避することが可能となる。
【0044】
また、レンズホルダ16には、蓋部材を設ける必要がないところから、そのような蓋部材の開閉のための回動機構や、蓋部材の嵌合部も設ける必要がなく、これにより、レンズホルダ16自体の構造も簡略化することが出来、以て、シンプルな構造のレンズホルダとすることが可能となると共に、容器本体12の筒壁部12aの内壁面(内周面)が、円筒形状となっているところから、キャップ14の螺合時におけるレンズホルダ16の方向性(回転位置)を何等顧慮する必要もないという特徴も発揮され得るのである。
【0045】
さらに、例示の実施形態の如く、右眼用や左眼用の二つのSCL24の保持のために、レンズ台座部30を容器本体12の筒壁部12aの深さ方向に配列せしめる構造とは異なり、かかる深さ方向に直角な方向に二つのレンズ台座部30,30が対向配置されてなる構造を採用することによって、左眼用及び右眼用のSCL24の収納場所の識別が容易となることに加えて、容器本体12内への液体42の充填量の不足によって、一方のSCL24が浸漬されないという問題が惹起されるようなことも、有利に回避され得ることとなるのである。
【0046】
ところで、上述した実施形態に係るSCL用収納ケース10においては、容器本体12が、横断面が円形の内周面を有する有底円筒形状を呈するものであったが、本発明においては、図9以降に示される実施形態の如く、横断面が矩形の内周面を有する有底角筒形状を呈する容器本体を用いることも可能である。
【0047】
具体的には、先ず、図9図11に示される本発明の他の一つの実施形態において、SCL用収納ケース50は、矩形の有底角筒形状を呈する容器本体52と、その上部に螺合せしめられるキャップ部材54とを有している。そして、かかるキャップ部材54の螺合のために、容器本体52の上部は、円形の外周部を与える形状とされている。また、かかる容器本体52の内周面は、図10(a)及び(b)に示される断面図から明らかなように、矩形の横断面形状を呈しており、そのような矩形の横断面形状の内部に、レンズホルダ56が収容せしめられるようになっているのである。なお、以下の実施形態に係るSCL用収納ケースの構成の説明において、先の実施形態に係るSCL用収納ケース10と同様な構造の部分には、同一符号を付すこととして、その構造についての詳細な説明は、省略することとする。
【0048】
そして、上記のSCL用収納ケース50において、キャップ部材54に対するレンズホルダ56の取付けは、キャップ部材54の内面に設けた嵌合筒部22に対して、レンズホルダ56のホルダ基部26を嵌合せしめることによって、行なわれることとなるのであるが、そこでは、特開2018-68871号公報にも詳述されている如く、嵌合筒部22の内面に設けた適数本のリング状凹所と、ホルダ基部26の筒状部の外周面に設けた適数本のリング状凸部との嵌合によって、レンズホルダ56が、キャップ部材54に対して位置固定に保持され得るようになっていると共に、嵌合筒部22の軸回りに、ホルダ基部26が自由に回動可能に保持されるようになっている。
【0049】
また、レンズホルダ56は、図5及び図6に示されるレンズホルダ16と同様に、ホルダ基部26と、その両側部から平行に垂下するように折曲せしめられる二つのホルダ本体28,28とを一体的に有する一体成形品として、形成されたものであるが、そこでは、図10(a)から明らかなように、二つのホルダ本体28,28は、その上部と下部において、それぞれ、その一方に設けられた筒状部38と他方に設けられたピン部40との嵌合によって、相互の間隔が一定となるようにして、固定せしめられている。このような筒状部38とピン部40の嵌合構造が、二つのホルダ本体28,28の上部と下部において設けられていることにより、それら二つのホルダ本体28,28の関係位置の固定が、より有効に行なわれ得るようになっているのである。
【0050】
さらに、それら二つのホルダ本体28,28のそれぞれに設けられたドーム状のレンズ台座部30を挟んで、その上側と下側に位置するように、上側壁部58aと下側壁部58bとが、ホルダ本体28に対して一体的に設けられて、それら上側壁部58aと下側壁部58bとによって、レンズ収容壁部58が構成されている。そして、それら上側及び下側壁部58a,58bと容器本体52の内周面とレンズ台座部30との間に、SCL24を収容するレンズ収容空間が形成されるようになっているのである。なお、レンズ収容壁部58を構成する上側壁部58aと下側壁部58bは、それらの頂部とそれに対応する容器本体52の内周面との間の隙間から、前記した収容空間内のSCLが抜け出さない高さにおいて、立設されるようになっている。
【0051】
そして、図11から明らかな如く、上側壁部58aと下側壁部58bは、何れも、水平方向に延びる所定高さの水平壁部58aa,58baと、そのような水平壁部58aa,58baの両側部から上下方向にそれぞれ所定長さで延びる、水平壁部58aa,58baの高さよりも低い高さの側壁部58ab,58ab;58bb,58bbとから構成されていると共に、上側壁部58aの側壁部58abと下側壁部58bの側壁部58bbとの間は、壁部の存在しない開放部となっている。そして、それら上側壁部58aや下側壁部58bにおける水平壁部58aa,58baの中央部が大きく矩形に切り欠かれて、それぞれ、切欠き部60が形成されている。
【0052】
従って、図11に示される如きレンズホルダ56が、容器本体52の矩形の断面形状を有する内部に収容されると、図10(b)に示されるように、SCL24が通り抜け得ない間隙が、上側壁部58aや下側壁部58bと容器本体52の矩形の内周面の対応するものとの間において、形成されることとなるのである。そして、そのような形態において、レンズ台座部30と上下の壁部58a,58bと容器本体52の内周面との間に、SCL24を収容し得る空間が形成されることとなり、それ故に、そのような空間内に収容されたSCL24は、そこに、効果的に収容、保持されて、外部に抜け出すことがないところから、従来の如く、レンズ台座部を覆蓋する蓋部材を設ける必要がなく、これによって、レンズホルダ56の構造を効果的に簡略化せしめ得ると共に、SCL24の収容・取出し操作をより容易とすることが出来るのである。
【0053】
また、図12図14には、本発明に従うSCL用収納ケースの異なる他の例が示されている。そこにおいて、SCL用収納ケース70は、容器本体72とキャップ部材74とレンズホルダ76とを有し、そして、容器本体72やキャップ部材74は、先の実施形態に係るSCL用収納ケース50と同様な構造とされている。なお、容器本体72は、ここでは、その下端部に、その高さ方向中央部の横断面形状よりも大なる外形を有する長円形状の支持部72aが一体的に形成されていると共に、その内周面が横長矩形の横断面形状を呈する、高さの高い矩形角筒形状を有するものとして、構成されている。
【0054】
さらに、図13(a)や図14から明らかなように、レンズホルダ76には、その長手方向(上下方向)に、二つのレンズ台座部30a,30bが、所定距離を隔てて直列に配設されているのである。また、そのように連設された二つのレンズ台座部30a,30bのうちの上側のレンズ台座部30aの上側に位置するように、上側壁部78aが設けられており、更に下側のレンズ台座部30bの下側に位置するように、下側壁部78bが設けられていると共に、それら二つのレンズ台座部30a,30bの間に位置するように、中間壁部78cが、レンズホルダ76に対して一体的に設けられている。そして、それら上側壁部78aと中間壁部78cによって、上側のレンズ台座部30aに対するレンズ収容壁部78が構成されている一方、中間壁部78cと下側壁部78bとによって、下側のレンズ台座部30bに対するレンズ収容壁部78が構成されているのである。要するに、ここでは、中間壁部78cは、上側レンズ台座部30aの下側壁部と、下側レンズ台座部30bの上側壁部を兼ねる構成となっているのである。
【0055】
そして、図14から明らかな如く、上側壁部78a、下側壁部78b及び中間壁部78cは、何れも、水平方向に延びる一定高さの水平壁部78aa,78ba,78caを有していると共に、水平壁部78aaや78baおいては、上下方向において、互いに対向する方向に高さの低い側壁部78ab78bbが、所定長さにおいて一体的に形成されている一方、中間壁部78cには、その両側から上下方向に延びる、水平壁部78caよりも高さの低い側壁部78cb,78cbが、それぞれ、上下方向に一体的に設けられているのである。
【0056】
加えて、それら上側壁部78a、下側壁部78b及び中間壁部78cには、それぞれの水平壁部78aa,78ba,78caの中央部に位置するように、切欠き80が設けられると共に、両側壁部78ab,78ab;78bb,78bb;78cb,78cbに近接して、それぞれの水平壁部78aa,78ba,78caを貫通し且つホルダ本体28を貫通するL字形態において、通孔82が、形成されている。
【0057】
従って、図14に示される如き、レンズホルダ76の取り付けられたキャップ部材74において、レンズホルダ76が容器本体72の矩形形状の内部に挿入される一方、キャップ部材74が、その回動によって、容器本体72の上部に螺合せしめられると、図13(a)及び(b)に示されるように、SCL24が抜け出し得ない隙間が、容器本体72の内周面と上側壁部78a、下側壁部78b、中間壁部78cとの間に形成されてなる形態において、容器本体72の内面と、上側壁部78a、中間壁部78c又は中間壁部78c、下側壁部78bと、レンズ台座部30a又は30bとの間に、SCL24のレンズ収容空間が、ホルダ本体28の長手方向に、換言すれば容器本体72の高さ方向に直列した形態において、形成されることとなるのである。
【0058】
かくの如く、SCL24のレンズ収容空間の形成に際しては、レンズホルダ76に対して、従来の如くレンズ台座部30a/30bを覆蓋するような蓋部材を用いる必要がないところから、それら二つのレンズ台座部30a,30bに対して、左眼用及び右眼用のSCL24,24を、そのまま、それぞれのレンズ台座部30a,30b上に載置せしめてなる形態において、容器本体72内に挿入したり、或いは容器本体72から取り出すことが出来ることとなるのである。
【0059】
さらに、図15図17には、図14に示されるレンズホルダ76の変形例を用いた、本発明に係るSCL用収納ケースの異なる他の一例が、示されている。そこにおいて、SCL用収納ケース90は、図12図14に示されるSCL用収納ケース70と同様な構造の容器本体92とキャップ部材94とを有していると共に、レンズホルダ96は、図15図17より明らかな如く、直列に配設される2つのレンズ台座部30a,30bが、互いに反対方向に凸なる形状において配設されているところに、大きな特徴を有している。即ち、かかるレンズホルダ96のホルダ本体28は、上側のレンズ台座部30aが配設された上側ホルダ本体28aと、下側のレンズ台座部30bが配設された下側ホルダ本体28bとから構成され、それら上側及び下側ホルダ本体28a,28bが、中間壁部98cの高さにて与えられる段差部をもって、クランク状に連設されてなる構造とされているのである。
【0060】
そして、上側のレンズ台座部30aの上側に位置するように、上側壁部98aが、上側ホルダ本体28aに対して一体的に設けられている一方、下側のレンズ台座部30bの下側に位置するように、下側壁部98bが、下側ホルダ本体28bに対して一体的に設けられているのである。また、それら上側壁部98aと下側壁部98bとは、図12図14に示される実施形態と同様に、切欠き100と通孔102が形成されている。更に、中間壁部98cには、図16図17から明らかなように、中間壁部98cを貫通し、上側ホルダ本体28a及び下側ホルダ本体28bに至る二つの通孔102が、両側の側壁部98cb側に偏位して、設けられている。
【0061】
かくして、かくの如き構成のレンズホルダ96を有するキャップ部材94において、レンズホルダ96が、図17に示される如く、容器本体92内に差し込まれる一方、キャップ部材94が容器本体92の上部に螺合せしめられることによって、図15に示されるように、容器本体92の内面と、上側壁部98a、中間壁部98cと、上側レンズ台座部30aとの間、及び容器本体92の内面と、中間壁部98c、下側壁部98bと、下側レンズ台座部30bとの間に、それぞれ、SCL24の収容空間が形成されることとなるのであり、これによって、それらレンズ台座部30a,30bを覆蓋する蓋部材を用いることなく、左眼用及び右眼用のSCL24,24を、SCL用収納ケース90内にそれぞれ収容し、また、それより、二つのSCL24,24を取り出すことが容易に出来ることとなるのである。
【0062】
このように、図面に示される本発明の実施形態に係る各種のSCL用の収納ケース(10,50,70,90)は、装用者の眼から取り外されたSCL24を、次回の装用機会まで、保持乃至は保存し得る容器として、数々の有用な特徴を発揮するものであるが、そのようなSCL用収納ケース(10等)は、あくまでも、本発明の代表的な実施形態としての例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものでないことが、理解されるべきである。
【0063】
例えば、上記の実施形態においては、左眼用及び右眼用の二つのSCL24,24を収容すべく、レンズホルダ16が二つのホルダ本体28,28;28a,28bを有し、そこに、二つのレンズ台座部30,30;30a,30bが設けられてなる構造とされているのであるが、勿論、一つのSCL24の収容を目的として、レンズホルダ16が一つのホルダ本体28を有し、そこに、一つのレンズ台座部30が設けられてなる構造とされていても、何等差し支えない。
【0064】
また、上側壁部32a,58a,78a,98a、下側壁部32b,58b,78b,98b及び中間壁部78c,98cには、切欠き34,60,80,100や通孔82,102が設けられているが、それら切欠きや通孔は、任意の形状において形成され得るものであることは勿論、その何れか一方が、又はその両方が、それぞれの壁部に設けられるようにすることが出来、更に、それら切欠きや通孔の数としても、各壁部において、一つのみならず、複数の配設も可能であることは、言うまでもないところである。
【0065】
さらに、例示の容器本体52,72,92における内周面は、何れも、横断面が矩形形状を呈するものであるが、五角形、六角形、八角形等の多角形形状を呈するものであっても、何等差し支えない。そして、そのような多角形形状の内周面に対応して、それとの間に、SCLが抜け出さない間隙が形成されるように、上側壁部58a,78a,98aや下側壁部58b,78b,98bの高さが適宜に設定され、また中間壁部78c,98cの高さが適宜に設定されることとなる。
【0066】
更にまた、容器本体12,52,72,92の開口部に対するキャップ14,54,74,94の取付構造にあっても、例示の如き螺合方式の他、容器本体12等の開口部に着脱可能に取り付けられて、かかる容器本体12等の内部に密閉空間を形成し得る公知の取付構造、例えば、スナップ嵌合方式等も、適宜に採用可能である。
【0067】
また、例示の実施形態では、対向する二つのホルダ本体28,28の下端部同士を相互に連結し、それらの間の間隔を維持する連結手段として、筒状部38とそれに嵌入せしめられるピン部40との組合せからなる構成が採用されているが、これに代えて、公知の各種の連結構造を採用することが可能である。例えば、一方のホルダ本体28から延びるフック部材にて、他方のホルダ本体28を係止する構造や、二つのホルダ本体28,28間の間隔を保持する部材を、それらホルダ本体28,28に接着乃至は溶着等により固設する方式等も、適宜に採用可能である。
【0068】
加えて、本発明に従うSCL用収納ケース(10)は、ホルダ本体28の下端部に白金触媒部材を取り付け、レンズホルダ(16)と共に、容器本体(12)内の過酸化水素溶液(42)中に浸漬して、過酸化水素による殺菌を進行せしめるようにした、過酸化水素消毒用のレンズケースとしても、使用可能となるものである。
【0069】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、更に、そのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
【符号の説明】
【0070】
10,50,70,90 SCL用収納ケース
12,52,72,92 容器本体
12a 筒壁部 12b 底部
12c ネジ部 14,54,74,94 キャップ部材
14a 天板部 14b 外周筒部
14c 内側ネジ部 16,56,76 レンズホルダ
18 当接台座部 20 円錐形状部
22 嵌合筒部 24 SCL
26 ホルダ基部 26a プレート部
26b ピン部 28 ホルダ本体
30,30a,30b レンズ台座部
32,58,78 レンズ収容壁部
32a,58a,78a,98a 上側壁部
32b,58b,78b,98b 下側壁部
34,60,80,100 切欠き
36 ヒンジ部 38 筒状部
40 ピン部 42 液体
72a 支持部 78c,98c 中間壁部
82,102 通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17