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  • 特開-支持構造およびパーティション 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066996
(43)【公開日】2022-05-02
(54)【発明の名称】支持構造およびパーティション
(51)【国際特許分類】
   A47B 91/04 20060101AFI20220422BHJP
   A47B 96/04 20060101ALI20220422BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20220422BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
A47B91/04
A47B96/04 Z
A47B13/00 Z
E04B2/74 561L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175658
(22)【出願日】2020-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】599072530
【氏名又は名称】株式会社山利製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100044
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 重夫
(74)【代理人】
【識別番号】100205888
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 孝之助
(72)【発明者】
【氏名】山口 誠平
【テーマコード(参考)】
3B053
3B069
【Fターム(参考)】
3B053NQ02
3B053NQ09
3B069BA03
3B069EA02
3B069EA07
3B069FA01
3B069GA04
(57)【要約】
【課題】滑りにくいように支持する脚ゴムを備えた支持構造およびパーティションを提供する。
【解決手段】支持構造20は、プレート(脚11)と、そのプレートに取り付けられる脚ゴム21とを有する。脚ゴム21は、隙間をあけて配置される一対の半体21a、21aと、半体同士を連結する円柱状の軸部21bとからなる、ゴムまたはエラストマー製の部材である。プレート11の厚さTは連結溝21cの幅W1と同じかそれより薄く、前記プレート11に、軸部21bを収容する孔22と、その孔22まで軸部21bを通す案内溝23とが形成されている。案内溝23の幅W2は軸部21bの径d1より小さく、前記連結溝21cがプレート11、30の孔22の内周縁に係合される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレートと、そのプレートに取り付けられる脚ゴムとを有し、
前記脚ゴムが、隙間をあけて配置される一対の半体と、半体同士を連結する軸部とからなり、前記半体同士の間に軸部を囲む環状の連結溝が形成されている、ゴムまたはエラストマー製の部材であり、
前記プレートの厚さが、前記連結溝の幅と同じかそれより薄く、
前記プレートに、前記軸部を収容する孔と、その孔まで前記軸部を通す案内溝とが形成されており、
前記案内溝の幅が軸部の差し渡しより小さく、
前記連結溝がプレートの孔の内周縁に係合されている、
支持構造。
【請求項2】
前記半体が半球状であり、前記軸部が円柱状を呈する請求項1記載の支持構造。
【請求項3】
前記プレートが鉛直方向に延びるように配置され、前記案内溝がプレートの下端縁まで延び、前記孔に脚ゴムの軸部を装着したとき、脚ゴムがプレートの下端縁より下方に突出する請求項1または2記載の支持構造。
【請求項4】
前記プレートに脚ゴムを通す開口が形成されると共に、その開口に前記案内溝が連通している請求項1または2記載の支持構造。
【請求項5】
会話者の飛沫を遮るシールドと、そのシールドを支持する支持脚とを備え、
前記支持脚が、請求項1~4のいずれかに記載の支持構造を備えているパーティション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は支持構造およびその支持構造を備えたパーティションに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、金属製の丸棒を略矩形状に屈曲した枠体と、その枠体の下部に設けた平面視H字状の脚部と、枠体に被せた袋部材とからなる仕切りスタンドを開示している。特許文献2の第4図には、従来技術として、円柱状部と、フランジ部と、それらを連結する陥入部(軸部)とを有する脚ゴムが記載されている。
【0003】
本出願人は特許文献3において、環状の連結溝を有する球状の押圧体と、複数個の押圧体を連結するゴムまたはエラストマー製の連結シートとからなるマッサージ用具を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3227498号公報
【特許文献2】実開昭55-8228号公報
【特許文献3】特開2020-151074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の仕切りスタンドは簡単な構成で、ウイルスを含む飛沫の飛び散りを遮ぎることができ、袋部材を交換することもできる。またこの仕切りスタンドは、テーブルの上で滑らせて移動させることができる。しかし使用者が触れただけで、意図せずにずれてしまう。そのため隣席同士を仕切るカウンター用のパーティションとしては好ましくない。
【0006】
特許文献2の脚ゴムは、フランジ部を弾性変形させながら、取付板に形成した貫通孔を通過させ、嵌入部を貫通孔に嵌入させることができ、取り外すこともできる。また滑り止め作用も奏する。しかし取り付け作業が煩雑である。また、水平に配置される取付板に装着するものであり、垂直に立ち上がるプレートに取り付けることはできない。
【0007】
特許文献3の押圧体はマッサージ用の部材であるので、脚ゴムとして使用されるものではない。また、周囲に形成されている環状の連結溝は、柔軟な弾性シートに形成した孔に係止するもので、硬質のプレートに取り付けることは想定していない。
【0008】
本発明は、シールドなどのプレートに容易に取り付けることができ、シールドなどを滑りにくいように支持する脚ゴムを備えた支持構造および滑りにくいパーティションを提供することを技術課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の支持構造20は、プレート(脚11、シート31)と、そのプレート11、31に取り付けられる脚ゴム21とを有し、前記脚ゴム21が、隙間をあけて配置される一対の半体21a、21aと、半体同士を連結する軸部21bとからなり、前記半体21a、21a同士の間に軸部21bを囲む環状の連結溝21cが形成されている、ゴムまたはエラストマー製の部材であり、前記プレート11、31の厚さTが、前記連結溝21cの幅W1と同じかそれより薄く、前記プレート11、31に、前記軸部21bを収容する孔22と、その孔22まで前記軸部21bを通す案内溝23とが形成されており、前記案内溝23の幅W2が軸部21bの差し渡し(径d1)より小さく、前記連結溝21cがプレート11、31の孔22の内周縁に係合されていることを特徴としている。「差し渡し」には、直径のほか、幅も含まれる。
【0010】
このような支持構造20においては、前記半体21a、21aが半球状であり、前記前記軸部21bが円柱状を呈するものが好ましい。また、前記プレート11が鉛直方向に延びるように配置され、前記案内溝23がプレート11の下端縁まで延び、前記孔22に脚ゴム21の軸部21bを装着したとき、脚ゴム21がプレート11の下端縁より下方に突出するものが好ましい。また、前記プレート31に脚ゴム21を通す開口32が形成されると共に、その開口32に前記案内溝23が連通している支持構造30とすることもできる。
【0011】
本発明のパーティション10は、会話者の飛沫を遮るシールド12、13と、そのシールド12、13を支持する複数の支持脚11とを備え、前記支持脚11が、前記いずれかの支持構造20、30によって構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の支持構造は、上記のように構成されているので、脚ゴムの軸部をプレートの案内溝に通してプレートの孔に嵌合させるだけで、脚ゴムをプレートに装着することができる。案内溝の幅が軸部の径より小さいので、挿入するときは軸部を弾性変形させながら通す。一旦装着すると、軸部が元の形状に戻るため、案内溝に入りにくく、意図しない脚ゴムの脱落を防止できる。脚ゴムはゴムまたはエラストマーであるので、滑らかなテーブルやカウンターに載置したときでも滑りにくく、安定して設置できる。
【0013】
このような支持構造においては、前記半体が半球状であり、前記軸部が円柱状を呈する場合は、取り付けるときに方向を考慮しなくてよい。また、軸部を案内溝の一方の内側縁に沿って転がしながら挿入することができるので、脚ゴムを容易に装着することができる。
【0014】
前記プレートが鉛直方向に延びるように配置されており、前記案内溝がプレートの下端縁まで延び、前記孔に脚ゴムの軸部を装着したとき、脚ゴムがプレートの下端縁より下方に突出する場合は、支持構造をテーブルやカウンターなどの上に載置したとき、プレートの下端がテーブルやカウンターの上面に触れず、脚ゴムがテーブルやカウンターに接触する。そのため、滑り防止効果が充分に発揮される。
【0015】
本発明の支持構造において、前記プレートに脚ゴムを通す開口が形成されると共に、その開口に前記案内溝が連通している場合は、水平のプレートに対しても脚ゴムを取り付けることができ、本発明の支持構造の適用範囲が広がる。
【0016】
本発明のパーティションは、前述の本発明の支持構造を備えているので、前述の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のパーティションの一実施形態を示す斜視図である。
図2図2A図2Bおよび図2Cはそれぞれ図1のパーティションの上シールド、脚および下シールドの正面図である。
図3】本発明の支持構造の一実施形態を示す斜視図であり、図3Aは脚ゴムの装着前、図3Bは装着後を示す。
図4図4Aは脚ゴムの装着前の支持構造の正面図、図4B図4AのIV-IV線断面図である。
図5図5Aは脚ゴムの装着後の支持構造の正面図、図5B図5AのV-V線断面図である。
図6】本発明の支持構造の他の実施形態を示す、脚ゴムの取り付け前の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示すパーティション10は、一対の脚11と、それらの間に配置される下シールド12と、その下シールド12の上に配置される上シールド13と、脚11の下端に装着される脚ゴム21とからなる。脚11、下シールド12および上シールド13はそれぞれ合成樹脂シートを所定の輪郭に抜き落としたものである(図2A~C参照)。脚11は上下のシールド13、12に対して直角に交差しており、上シールド13は下シールド12の上に突き合わせ状態で載置されている。脚11の下部と脚ゴム21は支持構造20を構成している。
【0019】
図2Bに示すように、脚11は、左右に延びる横板11aと、その横板11aの中央から立ち上がる縦板11bとからなり、逆T字状を呈する。横板11aの下縁には、略U字状の切り欠き11cが2か所に形成されている。縦板11bには、下シールド12の2つの係止片12aが挿入される2つのスリット(下のスリット11d、中間のスリット11e)と、上シールド13の係止片13aが挿入される上端のスリット11fが、それぞれ縦方向に延びるように形成されている。
【0020】
中間のスリット11eのすぐ上と、上端のスリット11fのすぐ上には、それぞれ下シールド12の突片12bと上シールド13の突片13bが嵌合する短スリット11g、11hが形成されている。さらに上端のスリット11fの下側に、上シールド13の撓み部13cの左端の突片13dが嵌合する短スリット11iが形成されている。なお、この短スリット11iは右側の脚11で用いるものであり、左側の脚11には不要である。
【0021】
図2Cに示すように、下シールド12は、略矩形状を呈しており、左右の側縁にそれぞれ2つの係止片12aが突設されている。これらの係止片12aは、それぞれ逆L字状を呈し、下端に脚11の厚さと同程度あるいはそれよりいくらか広い噛み合いスリット12cが形成されている。それにより、下シールド12は、2つの係止片12aを脚11のスリット11d、11eに挿入して下側にずらすと、噛み合いスリット12cに脚11を構成するシート(スリット11d、11eの下側部分)が嵌合する。それにより脚11と下シールド12は水平方向にずれないように取り付けられる。
【0022】
下シールド12の上側の係止片12aの上には、前記突片12bが突設されている。この突片12bを脚11の短スリット11iに嵌合させることにより、下シールド12と脚11とは上下にずれなくなる。そして脚11と下シールド12とが平面視で直角に組付けられる(図1参照)。なお、この実施形態では、下シールド12は左右対称にしている。それにより左右の脚11は同形状のものを使うことができる。
【0023】
前記上シールド13は下シールド12より横幅が長く、縦幅は短い。そして左右の中央近辺の下部に脚11を嵌合するスリット13eが形成されている。このスリット13eの右側は、左側の部分13fから独立して撓む前述の撓み部13cである。それにより上シールド13と下シールド12は組み合わせたとき、全体として逆L字状を呈する。上シールド13を下シールド12の側縁より外側にはみ出させるのは、カウンターに載置したとき、カウンターに着席する客の飛沫が横方向に広がるのはみ出した部分(撓み部13c)で遮断し、あるいは横を向いて隣接する客同士が会話するときの飛沫をはみ出した部分で遮断し、互いの飛沫が飛散するのを抑制するためである。
【0024】
上シールド13の左端には、下シールド12と同様の、脚部11に連結するための係止片13aと突片13bが突設されている。スリット13eで区分された左側の部分13fの右端にも、脚部11に連結するための係止片13aと突片13bが突設されている。他方、撓み部13cの左端には、脚11の短スリット11iに嵌合する前述の突片13dが突設されている。左側の部分13fと撓み部13cの間には、係止片13aおよび突片13b、13dの範囲を除き、前述のように、脚11が挿入されるスリット13eを設けている。係止片13aおよび突片13b、13dの範囲では、単に切れ目が形成されているだけである。
【0025】
脚11、下シールド12および上シールド13は、いずれもPET樹脂などの撓み性および弾力性を有する合成樹脂製のシートから製造することができる。それらは通常は透明のものを用いる。ただし隣席同士を仕切るパーティションの場合は、半透明ないし不透明であってもよい。アクリル樹脂、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを採用することもできる。それらのシートは0.3mm~3mm程度の厚さのものが用いられる。PET樹脂の場合、脚11は0.5~1.5mm程度、下シールド12は1~3mm程度が好ましい。上シールド13は、撓みやすさから、0.3~1mm程度が好ましい。
【0026】
前記2つの脚11、下シールド12および上シールド13を組み立てるには、まず左の脚11に下シールド12と上シールド13の左端を取り付ける。ついで上シールド13の左側の部分13fの右端および下シールド12の右端にもう1つの脚(右側の脚)11を取り付ける。このとき、上シールド13の撓み部13cを前または後に撓めて逃がしながら脚11を取り付ける。ついで撓み部13cの撓みを解除し、撓み部13cの左端の突片13dを脚11の中間の短スリット11iに嵌合させる。それにより、2つの脚11とシールド12、13は図1のように組み立てられる。
【0027】
つぎに図3~4を参照して、支持構造20を説明する。脚11の下端には略U字状の切り欠き11cが形成されており、その切り欠き11cに脚ゴム21が取り付けられる。切り欠き11cは円形の孔22と、その孔22から脚11の下端まで延びる案内溝23とからなる(図4A参照)。脚ゴム21は、この実施形態では、隙間をあけて配置される半球状の左右の半体21a、21aと、それらを連結する軸部21bとからなり、全体として球状を呈する(図4B参照)。軸部21bは円柱状である。左右の半体21aの間には、軸部21bを囲む環状の連結溝21cが形成される。連結溝21cは球体の大円に沿って延びることになる。脚ゴム11として特許文献3のマッサージ用の押圧体をそのまま用いることもできる。
【0028】
脚ゴム21は、ゴムまたはエラストマー製の部材であり、たとえばゴム硬度50~70度程度、好ましくは55~65度程度のエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)などの合成ゴムや天然ゴムなどのゴム、あるいは熱可塑性エラストマーからなり、一体成形品である。割型を用いて可塑性を有するゴム材料あるいはエラストマー材料を成形し、ついで加硫ないしベイキングすることにより製造することができる。半体21a、21aおよび軸部21bを別部品として成形した後、接着ないし接合してもよい。
【0029】
脚ゴム21の径(図4Aの符号D)は10~30mm程度、とくに15~25mm程度が好ましく、さらに20mm前後が一層好ましい。なお、弾力性および低滑り性を有するものであれば、ナイロンやポリエステルなど、他の合成樹脂材料から形成することもできる。
【0030】
脚ゴム21の連結溝21cの幅W1(図4B参照)は、脚11を構成するシートの厚さTと同じにするか、それより、たとえば0.5~2mm程度、とくに0.8~1.2mm程度広くし、片側でそれらの半分の隙間G1(図5B参照)が生ずるようにするのが好ましい。
【0031】
孔22の内径d2(図4A参照)は脚ゴム21の径Dより3~10mm程度、とくに5~8mm程度、さらに6.5mm前後小さくするのが好ましい。それにより脚ゴム21が孔22から軸方向に外れにくくなる。脚ゴム21の径Dが20mm程度のときは、内径d2は11~15mm程度、とくに13~14mm、さらに13.5mm前後とし、軸部21bを嵌合させたとき、片側で0.5~1.5mm程度の隙間G2が生ずるのが好ましい。軸部21bの径d1は8~12mm程度、とくに9~10mm程度が好ましい。孔22の位置は、孔22に脚ゴム21の軸部21bを装着したとき、脚ゴム21がプレート11の下端縁よりわずかに、たとえば0.5~1.5mm程度、下方に突出するのが好ましい。それによりシールドの下端とカウンター表面の隙間Sが小さくなり、飛沫遮断効果が向上する。
【0032】
案内溝23の幅W2(図4A参照)は脚ゴム21の軸部21bの径d1よりいくらか、たとえば0.2~3mm程度、好ましくは0.5~1.5mm程度細くする。それにより軸部21bが案内溝23に入り込みにくくなり、脚ゴム21が孔22から脱落するのを防止することができる。なお、軸部21bの径d1が案内溝23の幅W2より小さいので、組み立て時に軸部21bを案内溝23に入れたり、案内溝23に沿って移動させるときに抵抗がある。すなわち案内溝23内に入り込むとき、あるいは入っている状態では軸部21bは弾性変形している。そして軸部21bが元の形状に戻ろうとする復帰力が軸部21bと案内溝23の間に摩擦力を生じ、その摩擦力が抵抗となる。
【0033】
しかしこの実施形態では軸部21が円柱状であるので、半球状の半体21aを摘まんで回転させながら移動させると、とくに案内溝23の一方の内縁上を転動させると、輪軸の作用により、比較的楽に軸部を移動させることができる。
【0034】
脚ゴム21は、たとえばゴム硬度50~70度程度、好ましくは55~65度程度の天然または合成ゴムなどのゴム、あるいは熱可塑性エラストマーからなり、一体成形品である。図2Bの状態で、左右に割れる金型を用いて可塑性を有するゴム材料あるいはエラストマー材料を成形し、ついで加硫ないしベイキングすることにより製造することができる。ただし別部品として成形した後、接着ないし接合してもよい。ゴムまたはエラストマー製の脚ゴムを用いることにより、シールドなどを滑らないように支持することができる。さらに連結溝21cにより、脚ゴム21の下端が左右に分かれているので、テーブルなどの表面の凹凸に引っかかりやすく、一層滑りにくい。
【0035】
前記実施形態では、脚ゴム21は一対の半球状の半体を組み合わせ、全体として球状にしたものを採用しているが、円柱状の半体を組み合わせ、全体としても円柱状にしたもの、あるいは円錐台状の反対を組み合わせたものなどを採用することができる。軸部は角柱状にすることもできるが、案内溝内をスムーズに転動させるため、円柱状とするのが好ましい。
【0036】
前記実施形態では、シールドとして、上シールドと下シールドを組み合わせているが、全体を逆L字状とした1枚のシールドを用いることもできる。その場合は上シールドと下シールドの継ぎ目がなくなるので、相手の顔が見やすくなる。ただし一般的には加工が煩雑になり、材料シートの加工に伴う歩留まりが低下する。また、はみ出した部分を設けず、単なる矩形状とすることもできる。
【0037】
前記実施形態では、鉛直に立ち上がるシートの下端にU字状の切り欠きを形成し、その切り欠き11cに脚ゴム21を取り付けているが、 図6に示す支持構造30のように、水平に配置したシート31に孔21と案内溝23を設け、案内溝23の他端を脚ゴム21が通る大きさの開口32と連通させてもよい。シート31は縦方向のシールドと噛み合わせるか、縦方向のシールドの下端を屈曲ないし湾曲させて形成する。
【符号の説明】
【0038】
10 パーティション
11 脚
11a 横板
11b 縦板
11c 切り欠き
11d、11e、11f スリット
11g、11h、11i 短スリット
12 下シールド
12a 係止片
12b 突片
12c 噛み合いスリット
13 上シールド
13a 係止片
13b 突片
13c 撓み部
13d 突片
13e スリット
13f 左側の部分
20 支持構造
21 脚ゴム
21a 半体
21b 軸部
21c 連結溝
22 孔
D 脚ゴムの径
W1 連結溝の幅
T 脚部またはプレートの厚さ
S 隙間
W2 案内溝の幅
d1 軸部の径
G1 隙間
d2 孔の内径
G2 隙間
30 支持構造
31 シート
32 開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6