(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067000
(43)【公開日】2022-05-02
(54)【発明の名称】ドアストッパー
(51)【国際特許分類】
E05C 17/46 20060101AFI20220422BHJP
E05C 17/56 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
E05C17/46
E05C17/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175663
(22)【出願日】2020-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】592062725
【氏名又は名称】株式会社システックキョーワ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100081385
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 修治
(72)【発明者】
【氏名】中津 陽介
(57)【要約】
【課題】保持された扉を閉じるために必要となる力の大きさが、床面側機構部から扉側機構部までの高さによって変化することの無いドアストッパーを提供する。
【解決手段】ドアストッパー10の扉側機構部100は、扉Dが開方向に移動し、扉側機構部100が床面側機構部200の上方側となる位置に到達した際に、フラップ210を所定の上端位置まで引き寄せる磁石130と、下方側の係合位置まで移動することによってフラップ210と係合し、扉Dが開かれた状態を維持する第2爪部153と、を備える。扉側機構部100は、第2爪部153がフラップ210と係合している状態において、扉Dが閉方向に移動すると、第2爪部153が、フラップ210とは係合しない位置である解除位置まで上昇するように構成されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に設けられる床面側機構部と、扉に設けられる扉側機構部と、を有するドアストッパーであって、
前記床面側機構部は、
少なくとも一部が磁性体により形成された板状の部材であって、上下方向に揺動可能な状態で保持されているフラップを備え、
前記扉側機構部は、
前記扉が開方向に移動し、前記扉側機構部が前記床面側機構部の上方側となる位置に到達した際に、前記フラップを所定の上端位置まで引き寄せる磁石と、
前記フラップが前記上端位置まで引き寄せられた後に、下方側の係合位置まで移動することによって前記フラップと係合し、前記扉が開かれた状態を維持する係合部材と、を備え、
前記係合部材が前記フラップと係合している状態において、前記扉が閉方向に移動すると、
前記係合部材が、前記上端位置まで引き寄せられた状態の前記フラップとは係合しない位置、である解除位置まで上昇するように構成されているドアストッパー。
【請求項2】
前記係合部材は、前記フラップに形成された貫通穴に上方側から入り込むことで、前記フラップに係合するものであり、
前記解除位置とは、前記上端位置まで引き寄せられた状態の前記フラップ、に形成された前記貫通穴から、前記係合部材が上方側に抜け切る位置である、請求項1に記載のドアストッパー。
【請求項3】
前記扉側機構部は、
前記係合部材の位置を固定するために、使用者によって操作される部分である操作部を更に備える、請求項1又は2に記載のドアストッパー。
【請求項4】
前記扉側機構部は、
前記扉側機構部が前記床面側機構部の上方側となる位置まで到達しておらず、前記係合部材の位置が前記係合位置とはなっていないときには、前記操作部への操作が行われないように前記操作部をロックするロック機構を有している、請求項3に記載のドアストッパー。
【請求項5】
前記ロック機構は、
前記操作部に設けられた突起が、前記解除位置にある前記係合部材の一部に当接することで、前記操作部の動作を規制するように構成されている、請求項4に記載のドアストッパー。
【請求項6】
前記突起は、前記操作部と一体に形成されている、請求項5に記載のドアストッパー。
【請求項7】
前記扉側機構部は、
前記係合部材を前記解除位置から前記係合位置へと変化させるために、前記扉に加えられるべき力よりも、
前記係合部材を前記係合位置から前記解除位置へと変化させるために、前記扉に加えられるべき力の方が大きくなるように
前記係合部材に力を加える弾性部材を更に備える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のドアストッパー。
【請求項8】
前記弾性部材は板ばねであって、
前記扉側機構部は、
前記弾性部材の一部を支持する支持部材を更に備え、
前記支持部材は、
前記係合部材を前記解除位置から前記係合位置へと変化させる際において、前記板ばねのうち前記支持部材によって支持される範囲よりも、
前記係合部材を前記係合位置から前記解除位置へと変化させる際において、前記板ばねのうち前記支持部材によって支持される範囲の方が広くなるように構成されている、請求項7に記載のドアストッパー。
【請求項9】
前記扉の一部が前記支持部材として用いられている、請求項8に記載のドアストッパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドアストッパーに関する。
【背景技術】
【0002】
ドアストッパーとは、開閉する扉が所定位置を超えて開かれ過ぎてしまうことを防止するための装置である。例えば下記特許文献1及び2のそれぞれに記載されているように、ドアストッパーは、床面に設けられる機構と、扉に設けられる機構とを有している。以下では、ドアストッパーのうち床面に設けられる機構のことを「床面側機構部」とも称し、扉に設けられる機構のことを「扉側機構部」とも称する。
【0003】
床面側機構部はフラップを備える。フラップは、少なくとも一部が磁性体により形成された板状の部材であって、床面において上下方向に揺動可能な状態で保持されている。扉側機構部は磁石を備える。扉が開方向に移動し、扉側機構部が床面側機構部の上方側となる位置に到達した際には、扉側機構部の磁石によって、床面側機構部のフラップが上方側の所定位置まで引き寄せられる。このとき、扉を更に開こうとすると、上方側に引き寄せられたフラップの一部が扉側機構部に当接し、これにより開方向への扉の移動が妨げられる。
【0004】
一部のドアストッパーは、上記のように扉が開かれ過ぎてしまうことを防止する機能に加えて、扉を所定位置で保持する機能をも有している。例えば下記特許文献1に記載のドアストッパーでは、扉側機構部に設けられたロックピンが使用者の操作によって下降し、フラップの貫通穴に上方側から挿通されることにより、ロックピンとフラップとが互いに係合した状態となる。これにより、扉を所定位置で保持することが可能となっている。扉の保持を解除するためには、使用者の操作によって上記のロックピンを上昇させる必要がある。
【0005】
また、下記特許文献2に記載のドアストッパーでは、扉側機構部に設けられた係合突起が予め下方側に突出した状態となっている。使用者によって扉が所定位置まで開かれると、突出した係合突起がフラップの貫通穴に挿通された状態となり、扉は上記所定位置で保持される。このドアストッパーは、所定位置で保持された扉に閉方向の力が加えられると、フラップに対する係合突起の係合が自動的に解除されるように構成されている。つまり、このドアストッパーでは、使用者は扉を開閉させるだけで、扉が所定位置で保持されている状態と、扉の保持が解除されている状態と、を切り換えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-48053号公報
【特許文献2】特開2017-66819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献2に記載のドアストッパーについて、当該ドアストッパーが設けられた扉が閉方向に移動し、フラップに対する係合突起の係合が自動的に解除される際における具体的な動作について説明する。扉が閉方向に移動し始めると、係合突起は、フラップのうち貫通穴の縁の部分から力を受けることによって回動する。係合突起の回動に伴い、係合突起の下端位置は上方側に移動して行くので、係合突起のうち貫通穴に挿通されている部分の深さは、次第に浅くなっていく。
【0008】
係合突起は、その全体がフラップの貫通穴から抜け切るよりも前の時点で、それ以上の回動が規制された状態となる。この状態、すなわち、係合突起が依然として貫通穴に入り込んでいる状態から、扉に対し更に閉方向の力が加えられると、係合突起とフラップとの間の摩擦力に抗してフラップが下方側へと移動し、フラップに対する係合突起の係合が解除される。係合を解除するために、扉に加えられるべき力の大きさは、上記の摩擦力によって定まることとなる。
【0009】
ところで、建物における扉の設置状態や、扉に対する扉側機構部の取り付け位置によっては、床面側機構部から扉側機構部までの高さが変化してしまうことがある。当該高さが変化してしまうと、磁石で引き寄せられた状態でのフラップの角度が変化することに伴って、係合を解除する際における上記の摩擦力が変化してしまう。その結果、係合を解除するために、扉に加えられるべき力の大きさも変化してしまうこととなる。このような力の大きさの変化は、使用者に対し違和感を与えてしまう場合があるので好ましくない。
【0010】
本発明の課題は、保持された扉を閉じるために必要となる力の大きさが、床面側機構部から扉側機構部までの高さによって変化することの無いドアストッパーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明は、床面に設けられる床面側機構部と、扉に設けられる扉側機構部と、を有するドアストッパーであって、床面側機構部は、少なくとも一部が磁性体により形成された板状の部材であって、上下方向に揺動可能な状態で保持されているフラップを備え、扉側機構部は、扉が開方向に移動し、扉側機構部が床面側機構部の上方側となる位置に到達した際に、フラップを上端位置まで引き寄せる磁石と、フラップが上端位置まで引き寄せられた後に、下方側の係合位置まで移動することによってフラップと係合し、扉が開かれた状態を維持する係合部材と、を備え、係合部材がフラップと係合している状態において、扉が閉方向に移動すると、係合部材が、上端位置まで引き寄せられた状態のフラップとは係合しない位置、である解除位置まで上昇するように構成されているものである。
【0012】
請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明において更に以下の構成を有する。係合部材は、フラップに形成された貫通穴に上方側から入り込むことで、フラップに係合するものであり、解除位置とは、上端位置まで引き寄せられた状態のフラップ、に形成された貫通穴から、係合部材が上方側に抜け切る位置である。
【0013】
請求項3に係る発明では、請求項1又は2に係る発明において更に以下の構成を有する。扉側機構部は、係合部材の位置を固定するために、使用者によって操作される部分である操作部を更に備える。
【0014】
請求項4に係る発明では、請求項3に係る発明において更に以下の構成を有する。扉側機構部は、扉側機構部が床面側機構部の上方側となる位置まで到達しておらず、係合部材の位置が係合位置とはなっていないときには、操作部への操作が行われないように操作部をロックするロック機構を有している。
【0015】
請求項5に係る発明では、請求項4に係る発明において更に以下の構成を有する。ロック機構は、操作部に設けられた突起が、解除位置にある係合部材の一部に当接することで、操作部の動作を規制するように構成されている。
【0016】
請求項6に係る発明では、請求項5に係る発明において更に以下の構成を有する。突起は、操作部と一体に形成されている。
【0017】
請求項7に係る発明では、請求項1乃至6のいずれか1項に係る発明において更に以下の構成を有する。扉側機構部は、係合部材を解除位置から係合位置へと変化させるために、扉に加えられるべき力よりも、係合部材を係合位置から解除位置へと変化させるために、扉に加えられるべき力の方が大きくなるように係合部材に力を加える弾性部材を更に備える。
【0018】
請求項8に係る発明では、請求項7に係る発明において更に以下の構成を有する。弾性部材は板ばねであって、扉側機構部は、弾性部材の一部を支持する支持部材を更に備え、支持部材は、係合部材を解除位置から係合位置へと変化させる際において、板ばねのうち支持部材によって支持される範囲よりも、係合部材を係合位置から解除位置へと変化させる際において、板ばねのうち支持部材によって支持される範囲の方が広くなるように構成されている。
【0019】
請求項9に係る発明では、請求項8に係る発明において更に以下の構成を有する。扉の一部が支持部材として用いられている。
【発明の効果】
【0020】
(請求項1)
係合部材がフラップと係合している状態において、扉が閉方向に移動すると、係合部材が解除位置まで上昇する。係合部材が解除位置まで上昇した後は、更に扉が閉方向に移動しても、係合突起とフラップとの間では摩擦力が殆ど生じない。このため、床面側機構部から扉側機構部までの高さが変化した場合であっても、保持された扉を閉じるために必要となる力の大きさは変化しない。
【0021】
(請求項2)
解除位置とは、上端位置まで引き寄せられた状態のフラップ、に形成された貫通穴から、係合部材が上方側に抜け切る位置である。係合部材がこのような解除位置まで上昇するので、扉が閉じられる際における、係合突起とフラップとの間で生じる摩擦力を完全に0とすることができる。その結果、保持された扉を閉じるために必要となる力の大きさの変化を、より確実に防止することが可能となる。
【0022】
(請求項3)
扉側機構部が操作部を備えることにより、扉が所定位置まで開かれて保持された状態のときに、係合部材を係合位置において固定することが可能となる。これにより、扉に閉方向の力が加えられた場合であっても、扉を所定位置で保持された状態のままに維持することが可能となる。
【0023】
(請求項4)
扉側機構部が床面側機構部の上方側となる位置まで到達していないときに、誤って操作部への操作が行われてしまうと、係合部材とフラップとが互いに係合していない状態のまま、係合部材の位置が固定されてしまう。この状態のままで扉が所定位置まで開かれて、扉側機構部が床面側機構部の上方側となる位置まで到達すると、ドアストッパーの構造によっては、ドアストッパーの一部が破損してしまう可能性がある。そこで、本発明では、扉側機構部が床面側機構部の上方側となる位置まで到達しておらず、係合部材の位置が係合位置とはなっていないときには、操作部をロックするロック機構によって操作部への操作が防止されることとしている。これにより、上記のようなドアストッパーの破損を防止することが可能となる。
【0024】
(請求項5)
操作部に設けられた突起が、解除位置にある係合部材の一部に当接するような構成とすることで、操作部の動作を物理的に規制することが可能となる。
【0025】
(請求項6)
突起を操作部と一体に形成することで、ドアストッパーの部品点数を削減することが可能となる。
【0026】
(請求項7)
弾性部材を備えることにより、係合部材を解除位置から係合位置へと変化させるために、扉に加えられるべき力よりも、係合部材を係合位置から解除位置へと変化させるために、扉に加えられるべき力の方を大きくすることができる。これにより、扉を開く際には小さな力で扉を保持状態とすることができる一方、扉を保持状態とした後は、予期せぬ外力によって扉が閉じられてしまうことを防止することが可能となる。
【0027】
(請求項8)
係合部材を解除位置から係合位置へと変化させる際においては、板ばねのうち支持部材によって支持される範囲が比較的狭くなる。このため、板ばねの支点から作用点までの距離が長くなり、板ばねから係合部材が受ける力は小さくなる。一方、係合部材を係合位置から解除位置へと変化させる際においては、板ばねのうち支持部材によって支持される範囲が比較的広くなる。このため、板ばねの支点から作用点までの距離が短くなり、板ばねから係合部材が受ける力は大きくなる。本発明によれば、係合部材が弾性部材から受ける力の大きさが、係合部材の動作方向に応じて変化する構成を、支持部材を設けることにより容易に実現することが可能となる。
【0028】
(請求項9)
扉の一部を、板ばねを支持するための支持部材として用いることにより、ドアストッパーの部品点数を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るドアストッパーが、扉及び床面に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係るドアストッパーが、扉及び床面に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、床面側機構部の外観を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、床面側機構部の外観を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、床面側機構部の構成を示す分解組立図である。
【
図6】
図6は、
図1のVI-VI断面を示す図であって、扉側機構部の内部構成を示す断面図である。
【
図7】
図7は、扉側機構部の構成を示す分解組立図である。
【
図8】
図8は、扉が開閉される際のドアストッパーの動作を説明するための図である。
【
図9】
図9は、扉が開閉される際のドアストッパーの動作を説明するための図である。
【
図10】
図10は、扉が開閉される際のドアストッパーの動作を説明するための図である。
【
図11】
図11は、扉が所定位置まで開かれたときの、係合部材と貫通穴との位置関係を説明するための図である。
【
図12】
図12は、扉が所定位置から閉じられ始めたときの、係合部材と貫通穴との位置関係を説明するための図である。
【
図13】
図13は、扉が所定位置まで開かれる際における、弾性部材の変形を説明するための図である。
【
図14】
図14は、扉が所定位置から閉じられる際における、弾性部材の変形を説明するための図である。
【
図15】
図15は、操作部により、係合部材の位置が固定されている状態を示す断面図である。
【
図16】
図16は、操作部により、係合部材の位置が固定されている状態を示す斜視図である。
【
図17】
図17は、ロック機構により、操作部の動作が規制されている状態を示す断面図である。
【
図18】
図18は、比較例に係るドアストッパーの動作を説明するための図である。
【
図19】
図19は、比較例に係るドアストッパーの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0031】
本実施形態に係るドアストッパー10は、開き戸である扉に設けられるものであり、当該扉が所定位置を超えて開かれ過ぎてしまうことを防止するための装置である。
図1には、ドアストッパー10が設けられた扉Dが図示されている。
【0032】
同図に示されるように、ドアストッパー10は、扉Dに設けられる扉側機構部100と、床面Fに設けられる床面側機構部200と、を有している。「床面F」とは、扉Dが開閉時に旋回し移動する範囲、の直下にある床面のことである。
【0033】
扉側機構部100は、扉Dの下端部近傍となる位置であって、且つ、不図示のヒンジ側とは反対側の端部近傍となる位置に設けられている。このため、扉側機構部100は、扉Dの開閉時において、扉Dと共に旋回し移動することとなる。扉Dが開かれる際において扉側機構部100が移動する方向のことを、以下では「開方向」とも称する。扉Dが閉じられる際において扉側機構部100が移動する方向のことを、以下では「閉方向」とも称する。
図1に示されるように、扉側機構部100は、扉Dのうち開方向側の表面に取り付けられている。
【0034】
床面側機構部200は、床面Fのうち、扉Dの開閉時において扉側機構部100が通過する軌道の直下となる位置に設けられている。
図1には、扉Dが開かれている途中の状態であって、扉側機構部100が、床面側機構部200の直上となる位置に到達する直前の状態が示されている。
【0035】
図1の状態から、更に扉Dが開かれると、
図2のように、扉側機構部100が、床面側機構部200の直上となる位置にまで到達した状態となる。後に詳しく説明するように、
図2の状態においては、扉側機構部100の一部が床面側機構部200の一部と当接し、これ以上扉Dが開かれなくなる。先に述べたように、ドアストッパー10は、扉Dが所定位置を超えて開かれ過ぎてしまうことを防止するための装置であるが、床面側機構部200の設けられている位置が、上記の「所定位置」ということになる。
【0036】
図3乃至5を参照しながら、先ず床面側機構部200の構成について説明する。床面側機構部200は、フラップ210と、ベース230と、ベースカバー220と、を備えている。
【0037】
フラップ210は、その全体が板状に形成された部材であって、フラップ板211と軸部材213とを組み合わせることにより構成されている。フラップ板211は、例えば冷間圧延鋼板(SPCC)のような磁性体材料により形成された板状部材である。フラップ板211の主面の形状は略長方形である。フラップ板211の主面には、これを垂直に貫くように、矩形の貫通穴212が形成されている。
【0038】
軸部材213は、例えばポリアセタール(POM)のような樹脂材料により形成された部材である。軸部材213には凹部213A(
図8を参照)が形成されている。先に述べたフラップ板211は、当該凹部に挿通された状態で、軸部材213によって保持されている。軸部材213のうち、フラップ板211が保持されている方とは反対側の端部には、一対の軸214が、両外側に突出するように形成されている。軸214は略円柱形状の軸である。軸214は、後述のベース230に設けられた軸受け部231によって、回動自在な状態で保持されている。このため、フラップ板211と軸部材213とが一体となったフラップ210は、軸214を中心に上下方向に揺動可能な状態で、ベース230によって保持されている。
【0039】
図3には、扉Dが上記の所定位置まで開かれていない状態、すなわち、扉側機構部100が床面側機構部200の直上には到達していないときにおける、床面側機構部200の状態が示されている。当該状態においては、フラップ210の位置は、その可動範囲のうち最も下方側となる位置となっている。このとき、フラップ210の主面は、床面Fに対し平行となっている。
【0040】
図4には、扉Dが上記の所定位置まで開かれた状態、すなわち、扉側機構部100が床面側機構部200の直上に到達したときにおける、床面側機構部200の状態が示されている。当該状態においては、フラップ210のフラップ板211が、扉側機構部100が備える磁石130により上方側へと引き寄せられている。このため、フラップ210の位置は、その可動範囲のうち最も上方側となる位置となっている。このとき、フラップ210の主面は、床面Fに対して傾斜している。
【0041】
このように、フラップ210は、その一部であるフラップ板211が磁性体により形成された板状の部材であって、床面側機構部200において、上下方向に揺動可能な状態で保持されている。尚、フラップ210の一部ではなく全体が磁性体により形成されているような態様としてもよい。つまり、フラップ210のうち磁性体により形成された部分は、少なくとも一部であればよい。
【0042】
ベース230は、床面側機構部200のうち床面Fに対し直接固定される部分であって、上記のようにフラップ210を揺動可能な状態で保持する部分である。このようなベース230は、フラップ210の下方側となる位置に配置され、フラップ210を保持している部材、ということもできる。ベース230は、上面視において略円形をなすように形成されており、例えばポリアセタール(POM)のような樹脂材料により形成されている。
【0043】
ベース230には、
図5に示すように、軸受け部231と、固定穴232と、凸部233と、当接部234と、が形成されている。
【0044】
軸受け部231は、先に述べたように、フラップ210の軸214を回動自在な状態で保持する部分である。このような軸受け部231は、例えば、軸214を内側に収容するような凹部として形成することができる。尚、本実施形態では、軸214がフラップ210の方に設けられており、軸214を支持する軸受け部231がベース230の方に設けられている。このような態様に替えて、軸がベース230の方に設けられており、当該軸を支持する軸受け部がフラップ210の方に設けられている態様としてもよい。いずれの構成においても、フラップ210は、上下方向に揺動可能な状態でベース230により支持されることなる。
【0045】
固定穴232は、ベース230を上下方向に貫くように形成された貫通穴である。固定穴232は、フラップ210が配置される中央部分を間に挟むように2カ所形成されている。それぞれの固定穴232には止めネジ240が上方から挿通される。これにより、ベース230を含む床面側機構部200の全体が床面Fに対して固定される。
【0046】
凸部233は、ベース230のうちフラップ210と対向する面から、上方側に向かって突出するように形成された部分である。当該面のうち凸部233が形成されているのは、フラップ板211の貫通穴212と対向する部分である。上面視における凸部233の形状は、貫通穴212の形状と概ね等しい。
図3に示されるように、フラップ210の位置が、その可動範囲のうち最も下方側となる位置となっている状態においては、凸部233は貫通穴212の内側へと挿通されている。また、当該状態においては、凸部233の上端面と、フラップ210の上面(具体的には、フラップ板211の上面)とが、同一の平面上に存在するように、床面側機構部200の各部の寸法が調整されている。このような構成によれば、
図3の状態においては貫通穴212の部分が目立たなくなるので、床面側機構部200の意匠性を高めることができる。
【0047】
図5に示されるように、ベース230のうちフラップ210と対向する面には、上記の凸部233に加えて、当接部234も形成されている。当接部234は、凸部233と同様に、上方側に向かって突出するように形成されている。ただし、その突出量は、凸部233の突出量よりも小さい。当接部234は、凸部233を間に挟むように2カ所形成されている。
【0048】
当接部234は、
図3のようにフラップ210の位置が最も下方側となっているときにおいて、フラップ210の下面(具体的には、フラップ板211の下面)が当接する部分となっている。このような構成においては、下方側に移動したフラップ210は、ベース230の上面のうち対向する部分の全体に対して当接するのではなく、当接部234に対してのみ当接することとなる。
【0049】
尚、本実施形態では上記のように、ベース230において当接部234が上方側に向かって突出している構成となっている。このような構成は、換言すれば、ベース230のうちフラップ210と対向する部分であって、且つ、フラップ210が当接する当接部234と隣り合う部分に、下方側へと後退する凹部235が形成された構成、と表現することもできる。
【0050】
ベースカバー220は、ベース230の全体上方側から覆うことで、床面側機構部200の意匠性を高めるための部材である。ベースカバー220には、
図5に示すように、これを上下方向に貫くように略矩形の貫通穴221が形成されている。先に述べたフラップ210は、この貫通穴221を通じて、上下方向に揺動することが可能となっている。
【0051】
続いて、
図6及び
図7を参照しながら、扉側機構部100の構成について説明する。扉側機構部100は、ケース110と、カバー120と、磁石130と、回転体150と、板ばね140と、を備えている。
【0052】
ケース110は、扉側機構部100のうち扉Dに対し直接固定される部分であって、後述の磁石130や回転体150等をその内側に保持する部分である。
図7に示されるように、ケース110には固定穴114が形成されている。固定穴114は、ケース110を、扉Dに向かう方向に貫くように形成された貫通穴である。固定穴114は、後述の回転体150が配置される部分を間に挟むように2カ所形成されている。それぞれの固定穴114には、止めネジ170が扉D側に向かって挿通される。これにより、ケース110を含む扉側機構部100の全体が扉Dに対して固定される。
【0053】
ケース110には、一対の保持壁115、116が形成されている。保持壁115、116は、いずれも略平板状の壁であって、それぞれが、扉Dの表面及び床面Fのいずれに対しても垂直となるように設けられている。保持壁115、116は互いに離間しており、両者の間には空間117が形成されている。空間117は、後述の板ばね140及び回転体150を保持するための空間である。
【0054】
カバー120は、ケース110の略全体を外側から覆うことで、扉側機構部100の意匠性を高めるための部材である。カバー120は略直方体状の容器として形成されているのであるが、6面のうち扉D側の部分、及び床面F側の部分は開放されている。
【0055】
カバー120は、ケース110に対し、上下方向にスライド可能な状態で取り付けられている。このため、使用者は、カバー120を把持して上下方向にスライドさせる操作を行うことができる。カバー120は、上記のような扉側機構部100の意匠性を高める機能に加えて、本実施形態における「操作部」としての機能をも有している。後に説明するように、操作部であるカバー120が操作されて下方側にスライドすると、回転体150の回転が抑制された状態となる。その目的や、当該機能を実現するための具体的な構成については後に説明する。
【0056】
磁石130は、扉Dが開方向に移動し、扉側機構部100が床面側機構部200の上方側となる位置に到達した際に、フラップ210を上方側に引き寄せるための永久磁石である。磁石130は、ケース110のうち下端部の近傍となる位置において保持されている。尚、
図6に示されるのは
図1のVI-VI断面であるが、磁石130が保持されているのは、
図6の断面よりも紙面手前側となる位置である。磁石130は、ケース110によって直接保持されてもよいのであるが、例えば樹脂製のホルダー内に収容された状態で、当該ホルダーと共にケース110によって保持されていてもよい。
【0057】
扉側機構部100が床面側機構部200の上方側となる位置に到達すると、
図9に示されるように、磁石130によってフラップ210が上方側に引き寄せられる。このとき、フラップ210は、その先端をケース110の底面111に当接させた状態となる。この状態におけるフラップ210の位置は、フラップ210の可動範囲のうち上端となる位置であるから、当該位置のことを以下では「上端位置」とも称する。磁石130は、フラップ210を所定の上端位置まで引き寄せるためのもの、ということもできる。
【0058】
フラップ210が上端位置まで引き寄せられた後、扉Dが閉じられて、扉側機構部100が床面側機構部200の上方側となる位置から離れると、フラップ210には磁石130からの力が働かなくなる。このため、
図8に示されるように、フラップ210は重力によって上端位置から下方側へと移動し、先に述べた当接部234に当接した状態となる。
【0059】
図6及び
図7に戻って説明を続ける。回転体150は、ケース110のうち、保持壁115と保持壁116との間の空間117において、回転自在な状態で保持される部材である。回転体150は、保持壁115、116のそれぞれに向かって突出するように形成された一対の回転軸151を有している。回転軸151は略円柱形状の軸である。一方の回転軸151は、保持壁115に設けられた不図示の溝内に挿通されており、その中心軸周りにおいて回転自在な状態で保持されている。同様に、他方の回転軸151は、保持壁116に設けられた不図示の溝内に挿通されており、その中心軸周りにおいて回転自在な状態で保持されている。それぞれの回転軸151の中心軸は互いに一致しており、当該中心軸の伸びる方向は、保持壁115、116のそれぞれに対し垂直な方向である。
【0060】
回転体150には、第1爪部152と、第2爪部153と、被付勢部154と、が形成されている。これらはいずれも、
図6のように回転軸151の中心軸に沿って見た場合においては、当該中心軸から遠ざかる方向に向かって突出するように形成された突起となっている。
【0061】
第1爪部152及び第2爪部153は、いずれも、概ね下方側に向かって突出するように形成されている。第1爪部152は、第2爪部153よりも扉D寄りとなる位置に形成されている。
【0062】
被付勢部154は、概ね上方側に向かって突出するように形成されている。被付勢部154の先端には、次に説明する板ばね140の屈曲部142が当接している。このため、被付勢部154には、常に、板ばね140からの弾性力が下方側に向かって加えられた状態となっている。
【0063】
板ばね140は、ケース110と一体に形成された樹脂製の板ばねであって、ケース110のうち、回転体150よりも上方側となる位置に設けられている。板ばね140は、本実施形態における「弾性部材」に該当する。板ばね140は、直線部141と、屈曲部142とを有している。
【0064】
直線部141は、上下方向に沿って直線状に伸びるように形成された部分である。
図6に示されるように、直線部141は、その大部分を扉Dの表面に当接させた状態で保持されている。直線部141の一部、具体的には、
図13に示される範囲AR1の部分は、ケース110と一体に繋がった状態となっており、これにより板ばね140が保持されている。このため、板ばね140は、
図13に示される範囲AR1よりも下方側の部分においてのみ弾性変形することが可能となっている。このような本実施形態の構成においては、符号140が付された部分のうち、範囲AR1の部分から下の部分のみを「板ばね140」と見なすこともできる。尚、板ばね140が金属により形成されており、当該板ばね140がケース110内に取り付けられているような態様としてもよい。この場合にも、板ばね140のうち
図13に示される範囲AR1の部分は、ケース110に対して固定されることとなる。
【0065】
屈曲部142は、板ばね140の一部を屈曲させることに形成された部分であって、直線部141の下端部から、概ね扉Dとは反対側の方向へと伸びるように形成された部分である。屈曲部142は、回転体150に設けられた被付勢部154の方へと突出するように、その全体が緩やかに屈曲している。板ばね140は、屈曲部142を自然な状態から上方側へと弾性変形させた状態で、屈曲部142を被付勢部154の先端に当接させている。このため、先に述べたように、被付勢部154には、板ばね140からの弾性力が下方側に向かって加えられた状態となっている。
【0066】
扉Dが閉じられる際における、ドアストッパー10の各部の動作について説明する。
図8には、扉Dが開かれている途中の状態が示されている。当該状態においては、扉側機構部100は開方向に移動しているのであるが、床面側機構部200の直上となる位置にはまだ到達していない。フラップ210には磁石130からの力が働かないので、フラップ210は、可動範囲のうち下端となる位置のままとなっている。
【0067】
また、
図8の状態においては、回転体150の被付勢部154が、屈曲部142のうち比較的直線部141寄りとなる位置に対して当接している。この状態においては、板ばね140から被付勢部154に加えられる力は、回転体150を、
図8における時計回り方向に回転させるように働く。ただし、回転体150は、第2爪部153をケース110の一部に当接させているので、
図8の状態から、更に回転体150が時計回り方向に回転してしまうことはない。
【0068】
つまり、
図8の状態における回転体150は、回転軸151の周りにおいて回転し得る範囲のうち、最も時計回り方向側の端部となる位置まで回転し切った状態となっている。このとき、第1爪部152の下端は、ケース110の底面111よりも更に下方側となる位置まで下降している。一方、第2爪部153の下端は、ケース110の底面111と概ね同じ高さの位置となっている。
【0069】
図9には、
図8の状態から更に扉Dが開かれて、扉側機構部100が床面側機構部200の直上となる位置の近傍まで到達した状態が示されている。扉側機構部100が当該位置にまで到達すると、フラップ210は、磁石130からの力によって引き寄せられて上方側へと揺動し、先に述べた上端位置まで到達している。つまり、フラップ210の先端がケース110の底面111に当接した状態となっている。フラップ210が上端位置に到達した後も、扉Dは引き続き開方向へと移動する。このため、フラップ210の先端は、ケース110の底面111に当接した状態のまま、相対的に扉D側へとスライドすることとなる。
【0070】
フラップ210の先端が上記のようにスライドして行く途中において、
図9に示されるように、フラップ210の先端が回転体150の第1爪部152に当接した状態となる。
【0071】
この状態から、更に扉Dが開方向へと移動すると、第1爪部152は、フラップ210の先端により扉Dの方向に向かう力を受けることとなる。これにより、回転体150は、
図9における反時計回り方向に回転する。
図10には、このように回転体150が反時計回り方向に回転した後の状態が示されている。
【0072】
尚、回転体150が反時計回り方向に回転し始めた直後の時点においては、回転体150には、板ばね140によって時計回り方向の力が加えられている。このため、扉Dの開方向への移動は、板ばね140からの力に抗しながら行われることとなる。
【0073】
その後、回転体150が反時計回り方向に回転し、回転体150の被付勢部154が、屈曲部142における特定の位置を超えて先端部側へと移動した後は、板ばね140から被付勢部154に加えられる力の方向が反転する。つまり、板ばね140からの力は、回転体150を、
図10における反時計回り方向に回転させるように働くようになる。従って、フラップ210の先端で第1爪部152が押されることにより反時計回り方向に回転していた回転体150は、扉Dがある程度開かれた後は、板ばね140からの力によって自動的に反時計回り方向に回転するようになる。最終的には、第1爪部152がケース110の一部に当接することにより、回転体150の回転が停止する。
【0074】
ケース110の底面111のうち、扉D側の端部近傍となる位置からは、下方側に向かって突出するように停止壁113が形成されている。底面111に沿ってスライドしていたフラップ210の先端は、最終的にはこの停止壁113に当たった状態となる。フラップ210の先端が停止壁113に当接することで、扉Dはそれ以上開方向には移動しなくなる。このため、扉Dは、
図10に示される位置を超えて開かれ過ぎてしまうことは無い。つまり、
図10に示される扉Dの位置が、先に述べた「所定位置」ということになる。尚、
図6に示されるように、底面111のうちフラップ210の先端が当接してスライドする範囲の両側(紙面奥行き方向に沿った両側)には、一対の補強壁112が下方側に向かって突出するように形成されている。補強壁112は、停止壁113にフラップ210の先端が当接した際の衝撃に備えて、停止壁113を補強する目的で設けられている。
【0075】
図10の状態においては、回転体150は、回転軸151の周りにおいて回転し得る範囲のうち、最も反時計回り方向側の端部となる位置まで回転し切った状態となっている。この状態において、第2爪部153は、
図8や
図9に示されるときよりも下方側へと移動している。第2爪部153の下端は、ケース110の底面111よりも更に下方側となる位置まで下降しており、フラップ210の貫通穴212の内側へと入り込んでいる。
【0076】
図11には、
図10のうち回転体150及びその近傍の構成が拡大して示されている。
図11に示される「H1」は、上端位置まで引き寄せられた状態のフラップ210のうち、貫通穴212の上端の高さ位置を示している。また、
図11に示される「H2」は、上記のように下方側に移動した第2爪部153の下端、の高さ位置を示している。
【0077】
先に述べたように、
図10及び
図11の状態においては、第2爪部153は貫通穴212の内側へと入り込んでいる。このため、H2は、H1よりも低い位置となっている。この状態から、扉Dが閉じられ始めると、扉Dは閉方向、すなわち
図11における右側へと移動し始める。このため、貫通穴212の内側へと入り込んでいる第2爪部153は、フラップ210のうち、貫通穴212の縁212A(
図11を参照)の部分に当接し、その後は
図11における時計回り方向へと回転しようとする。
【0078】
しかしながら、
図11の状態においては、回転体150の被付勢部154は板ばね140から力を受けている。
図11において矢印で示されるように、当該力は、回転体150を反時計回り方向に回転させる方向に働いている。従って、扉Dに対し閉方向に加えられる力が、上記の板ばね140からの力よりも小さいうちは、回転体150は時計回り方向には回転せず、
図11の状態が維持される。
【0079】
このように、フラップ210が上端位置まで引き寄せられた後には、回転体150の第2爪部153は、下方側へと移動してフラップ210の貫通穴212の内側へと入り込み、フラップ210と係合することで、扉Dを開かれた状態で維持する機能を発揮する。このような第2爪部153は、本実施形態における「係合部材」に該当する。
図11のように、貫通穴212に入り込んだ状態となっているときにおける第2爪部153の位置のことを、以下では「係合位置」とも称する。
【0080】
第2爪部153とフラップ210との係合によって扉Dが保持された状態は、扉Dに対し閉方向に加えられる力が比較的小さくなっている限りにおいて継続される。扉Dに対し閉方向に加えられる力が大きくなり、当該力が板ばね140からの力よりも大きくなると、上記の「扉Dが保持された状態」は解除され、扉Dは閉方向へと移動して閉じられる。従って、
図10や
図11における扉Dは、「仮保持」された状態ということもできる。
【0081】
扉Dに対し閉方向の力が加えられ、上記の仮保持が解除された際の動作について説明する。扉Dが
図11の状態から閉方向へと移動し始めた直後の時点においては、これまで説明したように、回転体150には板ばね140から反時計回り方向の力が加えられている。回転体150は、板ばね140から受ける反時計回り方向の力に抗しながら、時計回り方向へと回転し始める。
【0082】
その後、回転体150が更に時計回り方向に回転し、回転体150の被付勢部154が、屈曲部142における特定の位置を超えて直線部141側へと移動した後は、板ばね140から被付勢部154に加えられる力の方向が再び反転する。つまり、板ばね140からの力は、回転体150を、
図11における時計回り方向に回転させるように働くようになる。
【0083】
回転体150にこのような力が加えられ始めた以降は、回転体150は、貫通穴212の縁から更なる力を受ける前に、板ばね140からの力によって素早く時計回り方向へと回転する。係合位置にあった第2爪部153は、上方側へと移動して、貫通穴212から抜け切った状態となる。このときの回転体150は、第2爪部153をケース110の一部に当接させることによってそれ以上回転しなくなる。
図12には、回転体150の回転がこのように停止した時点における、扉側機構部100の状態が示されている。同図には、回転体150が板ばね140から受けている力が矢印によって示されている。
【0084】
図12に示される「H1」は、上端位置まで引き寄せられた状態のフラップ210のうち、貫通穴212の上端の高さ位置を示している。このH1は、
図11に示されるH1と同じ位置である。
【0085】
図12に示される「H2」は、上記のように上方側に移動した第2爪部153の下端、の高さ位置を示している。このH2は、
図11に示されるH2よりも高い位置となっており、
図11や
図12に示されるH1よりも高い位置となっている。このように、
図12の状態においては、第2爪部153が貫通穴212から上方側に抜け切っており、第2爪部153とフラップ210との係合が解除されている。このため、
図12の状態から更に扉Dが閉じられて、扉側機構部100が閉方向側(
図12における右側)へと移動しても、貫通穴212の縁212Aが第2爪部153に当たることはない。つまり、扉Dの閉方向への移動が妨げられることはない。
図12における第2爪部153の位置は、第2爪部153とフラップ210との係合が解除される位置であるから、当該位置のことを以下では「解除位置」とも称する。
【0086】
このように、本実施形態では、係合部材である第2爪部153が上端位置まで引き寄せられた状態のフラップ210と係合している状態(
図11の状態)から、扉Dが閉方向に移動すると、第2爪部153が、当該上端位置まで引き寄せられた状態のフラップ210とは係合しない位置、である解除位置まで上昇するように、ドアストッパー10が構成されている。
【0087】
ドアストッパー10がこのように構成されていることの利点を示すために、
図18を参照しながら、比較例に係るドアストッパー10Aの構成について説明する。比較例に係るドアストッパー10Aは、回転体150の構成及び動作において本実施形態と異なっており、その他の点については概ね本実施形態と同じである。
【0088】
図18(A)には、扉Dが所定位置に保持(仮保持)されている状態から、扉Dが閉じられ始めた直後における状態が示されている。扉Dが閉方向側に移動し始めるのに伴って、この比較例でも、回転体150が時計回り方向に回転している。尚、比較例における回転体150の下方側部分には、第2爪部153のみが形成されており、第1爪部152は形成されていない。
【0089】
図18(A)の状態では、回転体150はその一部がケース110の内面に当接してしまっているので、これ以上時計回り方向に回転することができなくなっている。しかしながら、このときの第2爪部153は、フラップ210の貫通穴212に入り込んだ状態となっている。つまり、この比較例において、係合突起である第2爪部153は、その全体が貫通穴212から抜け切るよりも前の時点で、それ以上の回動が規制された状態となる。
【0090】
図18(A)の状態から、扉Dに対し更に閉方向の力が加えられると、第2爪部153は、貫通穴212の縁に対して押し付けられた状態となり、両者の間には摩擦力が働く。フラップ210は、当該摩擦力に抗しながら下方側へと揺動し、最終的には第2爪部153とフラップ210との係合が解除された状態となる。扉Dを閉じる操作を行っている使用者には、上記の摩擦力が、扉Dの保持を解除するために必要な力として感じられる。
【0091】
図18(B)には、
図18(A)のうち第2爪部153の先端及びその近傍の構成が模式的に描かれている。
図18(B)においては、第2爪部153のうち、扉D側において貫通穴212の縁と対向する面に、符号「153S」が付されている。当該面のことを、以下では「面153S」とも称する。
【0092】
また、
図18(B)においては、貫通穴212の縁のうち面153Sと対向する面に、符号「212S」が付されている。当該面のことを、以下では「面212S」とも称する。互いに対向する面153Sと面212Sとのなす角度が、
図18(B)ではθ1となっている。
【0093】
図18に示される例では、床面Fから扉側機構部100までの距離L1が比較的小さくなっている。このため、フラップ210が上端位置まで引き寄せられたときの、床面Fに対するフラップ210の傾斜角度は小さくなっており、その結果として、面153Sと面212Sとのなす角度、であるθ1も小さくなっている。尚、扉側機構部100は床面Fに沿って固定されているので、上記の距離L1は、床面側機構部200から扉側機構部100までの距離ということもできる。
【0094】
このような状態においては、面153Sと面212Sとの間で働く上記の摩擦力が大きくなるので、扉Dの保持を解除するために必要な力として使用者に感じられる力の大きさも比較的大きくなる。
【0095】
図19には、上記の比較例に係るドアストッパー10Aにおいて、床面Fから扉側機構部100までの距離L2が、
図18の例における距離L1よりも大きくなっている場合の例が示されている。このように、床面Fから扉側機構部100までの距離は、扉Dの取り付け状態や、扉Dに対する扉側機構部100取り付け位置等に応じて変動し得る。
【0096】
図19の例においては、上記の距離L2が大きくなっていることに伴って、床面Fに対するフラップ210の傾斜角度も大きくなっている。その結果、
図19(B)に示されるように、面153Sと面212Sとのなす角度は、θ1よりも大きなθ2となっている。
【0097】
このような状態においては、面153Sと面212Sとの間で働く摩擦力は、
図18の例の場合よりも小さくなる。このため、扉Dの保持を解除するために必要な力として使用者に感じられる力の大きさは、比較的小さくなる。
【0098】
このように、比較例に係る構成のドアストッパー10Aにおいては、床面Fから扉側機構部100までの距離が変化すると、それに伴い、扉Dの保持を解除するために必要な力として使用者に感じられる力の大きさも変動する。このような力の大きさの変化は、使用者に対し違和感を与えてしまう場合があるので好ましくない。
【0099】
これに対し、本実施形態では先に述べたように、係合部材である第2爪部153がフラップ210と係合している状態(
図11の状態)において、扉Dが閉方向に移動すると、第2爪部153が、上端位置まで引き寄せられた状態のフラップ210とは係合しない位置、である解除位置まで上昇する。第2爪部153が解除位置まで上昇した後は、更に扉Dが閉方向に移動しても、第2爪部153とフラップ210との間では摩擦力が殆ど生じない。このため、床面側機構部200から扉側機構部100までの高さが変化した場合であっても、保持された扉Dを閉じるために必要となる力の大きさは変化せず、概ね一定に保たれる。これにより、使用者に与える違和感を低減することができる。
【0100】
係合部材である第2爪部153は、フラップ210に形成された貫通穴212に上方側から入り込むことで、フラップ210に係合するものとなっている。第2爪部153は、上方側の解除位置から、下方側の係合位置までの範囲において、その位置を変化させる。
図12を参照しながら先に述べたように、解除位置とは、上端位置まで引き寄せられた状態のフラップ210、に形成された貫通穴212から、第2爪部153が上方側に抜け切る位置である。このような解除位置まで第2爪部153が抜け切るので、貫通穴212の縁と第2爪部153との間で生じる摩擦力を完全に0とすることができる。その結果、保持された扉Dを閉じるために必要となる力の大きさの変化を、より確実に防止することが可能となっている。
【0101】
本実施形態における更なる工夫点について説明する。
図13には、扉Dが開方向へと移動し、回転体150が反時計回り方向に回転する際における、扉側機構部100の状態が示されている。このとき、係合部材である第2爪部153の位置は、解除位置から係合位置へと変化している。
【0102】
先に述べたように、板ばね140は、直線部141のうち範囲AR1の部分が、ケース110の一部と扉Dの表面とによって両側から挟み込まれた状態となっている。このため、板ばね140は、範囲AR1よりも下方側の部分においてのみ弾性変形することが可能となっている。
【0103】
図13において矢印で示されるように、第2爪部153が解除位置から下方側の係合位置へと変化する際には、回転体150は反時計回り方向に回転する。この回転に伴って、板ばね140は、点線DL1で示される当初の位置から、一時的に
図13に示される位置まで弾性変形した状態となる。このような板ばね140の変形は、扉D側とは反対側に向かうように生じるので、扉Dによって妨げられることは無い。
図13の点P1は、上記のように変形する板ばね140の支点となる位置を示している。
図13の点P2は、弾性変形した板ばね140により、回転体150に力が加えられる際の作用点となる位置を示している。
【0104】
図14には、扉Dが
図13とは逆の閉方向へと移動し、回転体150が時計回り方向に回転する際における、扉側機構部100の状態が示されている。このとき、係合部材である第2爪部153の位置は、係合位置から解除位置へと変化している。
【0105】
図14において矢印で示されるように、第2爪部153が係合位置から上方側の解除位置へと変化する際には、回転体150は時計回り方向に回転する。この回転に伴って、板ばね140は、点線DL2で示される当初の位置から、一時的に
図14に示される位置まで弾性変形した状態となる。
【0106】
このときの板ばね140には、回転体150から、扉D側に向かうような力が加えられる。しかしながら、板ばね140の大部分を占める直線部141は、
図14に示される範囲AR2において、扉Dに当接した状態で支持されているので、扉D側に向かって変形することができない。従って、
図14の状態における板ばね140の変形は、屈曲部142を上方側に移動させるように生じることとなる。
図14でも、変形する板ばね140の支点である点P1と、回転体150に力が加えられる際の作用点である点P2と、が示されている。このときの点P1の位置は、直線部141と屈曲部b142との境界となる位置に概ね等しい。
【0107】
図13と
図14とを対比すると明らかなように、点P1から点P2までの距離は、
図13の場合の方が、
図14の場合よりも大きくなっている。このような距離の違いに起因して、第2爪部153の動作を妨げるように板ばね140から加えられる力の大きさは、第2爪部153が下方側の係合位置へと変化する場合(
図13)の方が、第2爪部153が上方側の解除位置へと変化する場合(
図14)よりも小さくなる。
【0108】
換言すれば、弾性部材である板ばね140は、係合部材である第2爪部153を解除位置から係合位置へと変化させるために、使用者により扉Dに加えられるべき力よりも、第2爪部153を係合位置から解除位置へと変化させるために、使用者により扉Dに加えられるべき力の方が大きくなるように、第2爪部153に力を加える部材、ということができる。このような力の大きさの違いは、使用者にとって、扉Dを操作する際の手応えの違いとして感じられることとなる。
【0109】
弾性部材である板ばね140を上記のように構成することで、扉Dを開く際には使用者が小さな力で扉Dを保持状態とすることができる一方、扉Dを保持状態とした後は、予期せぬ外力によって扉Dが閉じられてしまうことを防止することが可能となる。
【0110】
扉Dは、その一部において、板ばね140の一部を側方から支持している。
図13における範囲AR1、及び、
図14における範囲AR2では、板ばね140が扉Dによって支持されることで、各範囲における板ばね140の弾性変形が抑制されている。扉Dのうち、板ばね140の一部を上記のように支持する部分は、本実施形態における「支持部材」に該当する。
【0111】
このように、扉側機構部100は、板ばね140の一部を支持する支持部材を更に備えており、この支持部材として扉Dの一部を用いている。支持部材である扉Dは、第2爪部153を解除位置から係合位置へと変化させる際において、板ばね140を支持する範囲AR1よりも、第2爪部153を係合位置から解除位置へと変化させる際において、板ばね140を支持する範囲AR2の方が広くなるように構成されている。これにより、第2爪部153の動作を妨げるように板ばね140から加えられる力の大きさが、第2爪部153の動作方向に応じて上記のように変化する構成を、支持部材を設けることにより容易に実現している。
【0112】
尚、支持部材としては、本実施形態のように扉Dの一部を用いてもよいのであるが、例えば、ケース110に対し固定された他の部材を用いることとしてもよい。しかしながら、本実施形態のように扉Dの一部を支持部材として用いた場合には、部品点数を削減し、扉側機構部100の構造をよりシンプルなものとすることができる。
【0113】
ドアストッパー10のその他の構成について説明する。
図6や
図7等に示されるように、回転体150のうち、係合部材である第2爪部153には、上方側に向かって突出するように突起155が形成されている。また、突起155と被付勢部154との間には、下方側に向かって後退するように凹部156が形成されている。
【0114】
図6等に示されるように、カバー120の内側には、下方側に向かって突出する突起121が形成されている。突起121の幅寸法は、凹部156の幅寸法よりも僅かに小さい程度となっている。
【0115】
図10のように、扉側機構部100が床面側機構部200上方側となる位置まで到達し、回転体150が反時計回り方向に回転したとき、すなわち、係合部材である第2爪部153が下方側の係合位置にあるときには、カバー120の突起121は、凹部156の直上に位置している。
【0116】
先に述べたように、カバー120は、ケース110に対し、上下方向にスライド可能な状態で取り付けられている。
図15には、
図10の状態から、カバー120が下方側へとスライドした後の状態が示されている。
図15の状態では、カバー120のスライドに伴って突起121も下方側へと移動し、回転体150の凹部156の内側へと入り込んでいる。従って、この状態においては、回転体150は回転することができなくなっており、係合部材である第2爪部153の位置は係合位置に固定されている。
【0117】
図15の状態から、扉Dに対し閉方向に力が加えられても、回転体150の回転が規制されているので、フラップ210に対する第2爪部153の係合は解除されない。従って、扉Dは、
図15に示される所定位置において固定される。
【0118】
尚、カバー120が下方側にスライドすると、それまでカバー120の内側に隠れていた表示板160が外部に現れる。
図16に示されるように、表示板160の表面には「LOCK」の文字が刻印されているので、使用者は、第2爪部153の位置が固定された状態となっていることを認識することができる。
【0119】
図15の状態から、使用者がカバー120を上方側にスライドさせると、
図10に示される状態に戻る。これにより、第2爪部153の位置の固定は解除される。また、表示板160は、再びカバー120の内側に隠れた状態となる。以降は、扉Dに対し閉方向に力が加えられると、フラップ210に対する第2爪部153の係合は解除され、扉は閉方向に移動する。
【0120】
このように、扉側機構部100のカバー120は、係合部材である第2爪部153の位置を固定するために、使用者によって操作される部分、すなわち「操作部」としての機能を有している。ドアストッパー10は、このような操作部を有することで、使用者の操作に応じて第2爪部153の位置を固定することができる。これにより、仮保持された扉Dに閉方向の力が加えられた場合であっても、扉Dを所定位置で保持された状態のままに維持することが可能となる。
【0121】
ところで、扉側機構部100が床面側機構部200上方側となる位置に到達していないときにおいては、上記のような第2爪部153の位置の固定が行われることは好ましくない。例えば、扉Dが
図8に示される位置にあるときに、第2爪部153が下方側の係合位置まで突出した状態で固定されてしまうと、扉Dが更に開方向に移動した際に、フラップ210の先端が第2爪部153の側面に強く衝突してしまうこととなる。その結果、第2爪部15もしくはフラップ210が破損してしまう可能性がある。
【0122】
そこで、本実施形態に係るドアストッパー10では、上記のような部材間の衝突を防止するために、操作部をロックするロック機構を備えている。
図17を参照しながら、ロック機構について説明する。
【0123】
図17には、扉側機構部100が床面側機構部200の上方側となる位置まで到達しておらず、第2爪部153の位置の位置が係合位置とはなっていないとき(つまり解除位置となっているとき)の、扉側機構部100の状態が示されている。
【0124】
図17の状態では、回転体150は、回転軸151の周りにおいて回転し得る範囲のうち、最も時計回り方向側の端部となる位置まで回転し切った状態となっている。この状態においては、突起121の直下となる位置には凹部156が存在しない。突起121の下端部は、回転体150のうち突起155の根元部分、具体的には
図17において符号157が付された部分に当接した状態となっている。従って、
図17の状態から、使用者がカバー120を下方側にスライドさせることはできなくなっている。
【0125】
尚、
図17において符号157が付された部分は、
図17の状態において水平な面となり、且つ突起121の下端に当接した状態となるように、突起155の一部を切り欠いて形成した面、ということもできる。突起155、及び符号157が付された部分は、いずれも、係合部材である第2爪部153の一部ということができる。
【0126】
このように、本実施形態における扉側機構部100は、扉側機構部100が床面側機構部200の上方側となる位置まで到達しておらず、第2爪部153の位置が係合位置とはなっていないときに、操作部であるカバー120への操作が行われないように、カバー120をロックするロック機構を有している。本実施形態では、突起121と、突起155(特に、
図17で符号157が付された部分)とが、上記のロック機構に該当する。本実施形態では、このようなロック機構を備えることにより、先に述べたようなドアストッパー10の破損を防止することが可能となっている。
【0127】
ロック機構は、操作部であるカバー120に設けられた突起121が、解除位置にある係合部材の一部(
図17で符号157が付された部分)に当接することで、操作部の動作を規制するように構成されている。これにより、操作部の動作を物理的に規制することが可能となっている。
【0128】
カバー120は、突起121を含む全体が一体の樹脂成形により形成されている。つまり、突起121は、操作部であるカバー120と一体に形成されている。これにより、突起121を別体の部材として構成しカバー120に取り付けた場合に比べて、ドアストッパー10の部品点数を削減することが可能となっている。
【0129】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0130】
D 扉
F 床面
10 ドアストッパー
100 扉側機構部
120 カバー(操作部)
121 突起(ロック機構)
130 磁石
140 板ばね
150 回転体
152 第1爪部
153 第2爪部(係合部材)
200 床面側機構部
210 フラップ
212 貫通穴