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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067007
(43)【公開日】2022-05-02
(54)【発明の名称】花瓶
(51)【国際特許分類】
   A01G 5/06 20060101AFI20220422BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20220422BHJP
   A01G 9/02 20180101ALI20220422BHJP
   A47G 7/06 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
A01G5/06
A01G7/00 604C
A01G9/02 D
A01G9/02 103K
A47G7/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175671
(22)【出願日】2020-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】520408397
【氏名又は名称】二瓶 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100090413
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 康稔
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 亮
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327ND01
2B327UB14
2B327UB21
2B327VA20
(57)【要約】
【課題】 草花を従来よりも長持ちさせて、長期間楽しむことができる花瓶を提供する。
【解決手段】 花瓶本体300には、水104を入れ、草花102を活ける。花瓶本体300の下部310に真空部312が設けられているため、魔法瓶と同様の保温効果が得られ、冷水や氷を使用することで、水温を低く保って、草花102の延命を図ることができる。加えて、振動装置400の振動体410が振動させること、振動突起422が振動し、草花102や水104が振動するようになる。このような振動を与えることによっても、草花102の延命を図ることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
草花を生ける花瓶であって、
前記花瓶本体の少なくとも下部に設けた断熱手段,
前記草花に振動を与える振動手段,
該振動手段に駆動電力を供給する電源手段,
を備えたことを特徴とする花瓶。
【請求項2】
前記断熱手段を、花瓶本体の側面及び底面に設けた真空部としたことを特徴とする請求項1記載の花瓶。
【請求項3】
前記電源手段が、乾電池、もしくは、非接触で駆動用電力を供給するワイヤレス電源手段であることを特徴とする請求項1又は2記載の花瓶。
【請求項4】
前記花瓶の底に振動突起を設け、これを通じて、前記振動手段による振動が前記草花に伝わることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の花瓶。
【請求項5】
前記花瓶内の水に空気を供給する給気手段を設け、その駆動電力を前記電源手段から供給することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の花瓶。
【請求項6】
前記電源手段の駆動電力出力側に、前記花瓶内の水の有無を検知して、駆動電力の出力を制御する通電制御手段を設けたことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の花瓶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、花瓶にかかり、特に水を冷却する機能を有する花瓶の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の冷却機能を有する花瓶としては、例えば下記特許文献1に開示された「花瓶用冷却装置」がある。これは、切り花を長期保存でき、花代ならびにその維持や管理費用、作業を削減しうる簡易型の花瓶用冷却装置の提供を目的としており、冷却装置を切り花茎保護ネットで梱包し、該切り花茎保護ネットに切り花差込網を固着棒で固着し、冷却装置に接続するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-45038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、草花を長持ちさせるために冷蔵庫を使用することは一般的に行われているが、花瓶に花を生けた状態でより長持ちさせることができれば、好都合である。
【0005】
本発明は、以上のような点に着目したもので、草花を従来よりも長持ちさせて、長期間楽しむことができる花瓶を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、草花を生ける花瓶であって、前記花瓶本体の少なくとも下部に設けた断熱手段,前記草花に振動を与える振動手段,該振動手段に駆動電力を供給する電源手段,を備えたことを特徴とする。主要な形態の一つによれば、前記断熱手段を、花瓶本体の側面及び底面に設けた真空部としたことを特徴とする。他の形態によれば、前記電源手段が、乾電池、もしくは、非接触で駆動用電力を供給するワイヤレス電源手段であることを特徴とする。更に他の形態によれば、前記花瓶の底に振動突起を設け、これを通じて、前記振動手段による振動が前記草花に伝わることを特徴とする。更には、前記花瓶内の水に空気を供給する給気手段を設け、その駆動電力を前記電源手段から供給することを特徴とする。更には、前記電源手段の駆動電力出力側に、前記花瓶内の水の有無を検知して、駆動電力の出力を制御する通電制御手段を設けたことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、花瓶本体の少なくとも下部に断熱手段を設けるとともに、振動手段によって草花に振動を与えることとしたので、草花を従来よりも長持ちさせて、長期間楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の花瓶の実施例1を示す図である。(A)は外観を示し、(B)は上下を分離した状態を示す。
図2】前記実施例の主要部の縦断面と横断面を示す図である。
図3】本発明の花瓶の実施例2の主要断面を示す図である。
図4】本発明の実施例の電気的な構成部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例0010】
最初に、図1図2及び図4(A)を参照して、本発明の実施例1について説明する。図1(A)には、本実施例の花瓶100の外観が示されており、下側の充電器台200の上に、花瓶本体300を載せた構成となっている。花瓶本体300には、草花102が活けられる。図2(A)には、図1の主要縦断面の様子が示されており、図2(A)の#B-#B線に沿って矢印方向に見た様子が図2(B)に示されている。図4(A)には、電気的な構成が示されており、充電器台200は、ワイヤレス充電器(非接触充電)の充電パッド202を備えている。
【0011】
花瓶本体300は、下部310と上部320によって構成されており、下部310に、上部320が取り付けられている。図1(B)に下部310と上部320とを分離した状態を示すように、下部310は内側310Aと外側310Bによって構成されており、上部320は内側320Aと外側320Bによって構成されている。更に、下部310の内側310Aは二重構造となっており、その隙間の空気が抜かれて真空部312となっている。下部310の少なくとも真空部312を構成する二重構造の部分は、例えばステンレスによって構成されている。上部320は、ガラスやアクリルなどによって構成されている。
【0012】
下部310,上部320の内側310A,320Aは、結合部330で結合している。すなわち、下部310の内側310Aの上端に形成した結合面330Aの凹凸と、上部320の内側320Aの下端に形成した結合面330Bの凹凸とが嵌合して、結合部330となっている。一方、下部310の外側310Bと上部320の外側320Bは、結合部332で結合している。すなわち、下部310の外側310Bの上端に形成した結合面332Aと、上部320の外側320Bの下端に形成した結合面332Bが接合して、結合部332となっている。結合部332は、湾曲した形状となっている。
【0013】
花瓶本体300の底には、振動装置400が設けられている。振動装置400は、上下のケース402,404の間に振動体410と充電池412が収納されており、結合部406においてケース402,404が結合している。振動装置400の下ケース404と花瓶本体300との間には、プラスチックスペーサ420が設けられており、上ケース402上には振動突起422が設けられており、上ケース402の側面と花瓶本体300の側面との間にはゴムスペーサ424が設けられている。更に、前記振動突起422の上には、振動装置400を防水するためのシリコンゴム材426が設けられている。シリコンゴム材426は、花瓶本体300の開口から見ると、図2(B)に示すように、内側が四角柱の空間となっており、この部分に水104を入れ、更に草花102を活けるようになっている。
【0014】
振動装置400の充電池412は、充電器台200の充電パッド202から非接触で充電が行われるようになっている。このため、充電パッド202と、充電池412との間に、花瓶本体300の底の真空部312と、プラスチックスペーサ420と、下ケース404があっても、良好に充電池412に充電することができる。振動体410は、充電池412で駆動されて振動する機能を備えており、例えばスマートフォンの振動モーターや圧電素子などが用いられる。
【0015】
振動体410の振動は、上ケース402を通じて振動突起422に伝達されるようになっている。上述したように、振動装置400の下ケース404と花瓶本体300との間にはプラスチックスペーサ420が設けられており、振動が伝わりにくい。これに対し、上ケース402と花瓶本体300との間にはゴムスペーサ424が設けられており、振動が伝わりやすい。このため、振動体410の振動は、振動突起422のほうに良好に伝達されるようになる。
【0016】
次に、本実施例の全体の作用を説明する。花瓶本体300には、水104を入れ、草花102を活ける。草花102の茎の下端は、振動突起422の間に挟まれるようになる。ここで、本実施例によれば、花瓶本体300の下部310に真空部312が設けられているため、魔法瓶と同様の保温効果が得られる。従って、水104として、冷水を使用したり、更には氷や保冷剤を投入することで、水温を低く保つことができ、草花102の延命を図って長期間楽しむことができるようになる。
【0017】
加えて、本実施例では、花瓶本体300を充電器台200に置くことで、充電パッド202から非接触で充電池412が充電され、振動装置400の振動体410が振動するようになる。振動は、上ケース402を通じて振動突起422に伝達され、振動突起422が振動する。すると、草花102や水104が振動するようになる。本願に関連して行った試作品による実験によれば、このような振動を与えることによっても、草花102の延命を図ることができることが判明している。
【0018】
以上のように、本実施例によれば、花瓶本体300の下部310に真空部312を設けるとともに、振動装置400で振動を与えることとしたので、草花102の日持ちがよくなり、長期間楽しむことができるようになる。
【実施例0019】
次に、図3及び図4(B)を参照しながら、本発明の実施例2について説明する。なお、上述した実施例と同一ないし対応する構成要素については、同一の符号を用いることとする。本実施例の花瓶500は、上述した振動装置400に代えて、給気・振動装置600を備えている。給気・振動装置600は、上述した振動体410と、充電池412の他に、エアーポンプ610を備えている。エアーポンプ610には、図4(B)に示すように、充電池412から駆動電力が供給される。エアーポンプ610の吸気側は吸気口612に接続しており、送気側は空気ブロック614に接続している。
【0020】
これらのうち、吸気口612は、花瓶本体300の水104の水面から突出しており、外気を取り入れることができるようになっている。エアーポンプ610は、例えば水槽などで使用されるものである。空気ブロック614は、水槽で使用される空気石のように、エアーポンプ610から送られた空気を吐出する。振動突起622と給気・振動装置600との間には、シリコンゴム材627が設けられており、このシリコンゴム材627の中,もしくは振動突起622とシリコンゴム材627の間に、前記空気ブロック614が設けられている。本実施例の振動突起622は通気性を備えており、空気ブロック614から放出された空気泡が花瓶本体300内に供給されるようになっている。
【0021】
本実施例によれば、上述した真空部312による冷水効果や、振動体410による振動に加えて、エアーポンプ610から空気ブロック614に空気が吐出され、更には花瓶本体300内に気泡が供給されるようになる。これにより、草花102に酸素が供給されるようになり、草花102の延命を図って長期間楽しむことができるようになる。
【実施例0022】
次に、図4(C),(D)を参照しながら、本発明の実施例3について説明する。(C)の例では、充電池412と、振動体410及びエアーポンプ610との間に、通電制御回路700が設けられている。通電制御回路700には、水検知センサ702が接続されており、花瓶本体300に水が注がれたかどうかを検知するようになっている。そして、水が検知されたときに、通電制御回路700による振動体410及びエアーポンプ610への通電が行われるようになっている。振動体410及びエアーポンプ610に対する通電制御の態様としては、例えば、20分ONとして通電し100分OFFとして停止するといった具合であるが、適宜設定してよい。同図(D)の例は、前記例において、充電池412の代わりに乾電池710を使用している。もちろん、同図(A),(B)においても、同様に乾電池710をしてよい。このように、通電制御を行うことで、花瓶本体300に草花が活けられておらず、水がない状態における不要な電力の消耗や、草花が活けられている場合であっても、連続通電による電力の消耗を低減することができる。
【0023】
<他の実施例> なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示した花瓶本体300の形状は一例であり、各種の形状としてよい。
(2)前記実施例では、花瓶本体300の下部310に真空部312を設けたが、上部320にも設けるようにしてよい。また、振動装置400による振動は、花瓶本体300の外側からも内部に伝達することができるので、充電池412及び振動体410を、花瓶本体300の外側であって、底側もしくは側面側に設けるようにしてもよい。
(3)前記実施例では、充電器台200によって充電池412を充電し、この充電池412から振動体410やエアーポンプ610等に駆動電力を供給することとしたが、充電器台200から充電池412への充電を止めて、電力が消費された充電池412を交換するようにしてもよい。更に、充電器台200の充電パッド202側にトランスの一次側コイルを設け、振動装置400ないし給気・振動装置600の側に、トランスの二次側コイルを設けて、駆動電力を供給するようにしてもよい。この場合、充電池・乾電池は不要となる。更に、花瓶本体300の下部に、給電用の配線を水密に貫通させて、これから駆動電力や充電電力を供給するようにしてもよい。
(4)前記実施例では、シリコンゴム材426等を使用して防水構造としたが、各種の素材を使用してよいし、各種の防水構造としてよい。
(5)振動体410の振動周波数としては、可聴域であってもよいし、可聴域外(超音波)であってもよい。
(6)前記実施例では、真空部312によって断熱を行うこととしたが、断熱材を巻回するなど、各種の形態としてよい。また、断熱手段を、花瓶本体300の側面のみに設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明によれば、花瓶本体の少なくとも下部に断熱手段を設けるとともに、振動手段によって草花に振動を与えることとしたので、草花を従来よりも長持ちさせて、長期間楽しむことができ、草花を生ける花瓶に好適である。
【符号の説明】
【0025】
100:花瓶
102:草花
104:水
200:充電器台
202:充電パッド
300:花瓶本体
310:下部
310A,320A:内側
310B,320B:外側
312:真空部
320:上部
330:結合部
330A,330B:結合面
332:結合部
332A,332B:結合面
400:振動装置
402:上ケース
404:下ケース
406:結合部
410:振動体
412:充電池
420:プラスチックスペーサ
422:振動突起
424:ゴムスペーサ
426:シリコンゴム材
500:花瓶
600:給気・振動装置
610:エアーポンプ
612:吸気口
614:空気ブロック
622:振動突起
627:シリコンゴム材
700:通電制御回路
702:水検知センサ
710:乾電池
図1
図2
図3
図4