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  • 特開-預託品の輸送および保管システム 図1
  • 特開-預託品の輸送および保管システム 図2
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  • 特開-預託品の輸送および保管システム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067014
(43)【公開日】2022-05-02
(54)【発明の名称】預託品の輸送および保管システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220422BHJP
   G06Q 10/08 20120101ALI20220422BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175693
(22)【出願日】2020-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】597051528
【氏名又は名称】佐藤 恒
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 恒
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】預託品の保管において、預託品が輸送中の事故、保管中の地震や津波などの天災に被災したとしても、預託品を預託後に確実に預託依頼者に返送できる安心で安全な輸送及び保管のシステムを提供する。
【解決手段】管理サーバが預託依頼者と通信回線を介して、複数の預託品を同時期に複数の保管拠点で保管する旨の保管契約を結ぶ。その後、複数の保管拠点に預託品が届くと、預託品のラベルに関する情報が各保管拠点で電子化されて管理サーバに送られる。管理サーバはラベルに関する情報と契約内容とを照合して受け取りの確認を行い、全ての保管拠点で預託品を受け取ったと判断した場合に、保管が開始される。満期時に管理サーバによって保管終了の連絡が、保管拠点の情報端末とユーザーの情報端末に送信されると、その後、預託品の処理が契約内容に基づいて行われる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバが、預託を依頼するユーザーの情報端末と通信回線を介して、複数の預託品を同時期に複数の保管拠点で保管する保管契約を結ぶ手段と、管理サーバが前記複数の保管拠点を指定してユーザーの情報端末に呈示する手段と、ユーザーから前記複数の保管拠点に送られた預託品のラベルに関する情報がそれぞれの保管拠点で電子化され、保管拠点の情報端末から通信回線を介して管理サーバに送られる手段と、管理サーバが前記ラベルに関する情報と契約内容とを照合して、前記複数の保管拠点の全てで預託品を受け取ったと判断した場合に、通信回線を介して前記保管拠点の情報端末に保管開始を指示する手段と、管理サーバが保管開始時から計時を行い、保管満期時における保管終了の連絡を、前記保管拠点の情報端末とユーザーの情報端末に送信し、満期の預託品の処理が契約内容に基づいて行われる手段を備えることを特徴とする預託品の輸送および保管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータシステムとネットワークを介して行われる預託品の輸送及び保管の管理システムに関するもので、特に、高いセキュリティが要求される複数の同一物が用意できる預託品の保管に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザーから送付された預託品を保管するシステムにおいて、預託プロセスの安全性を確保するために様々な技術が呈示されてきた。
【0003】
預託品の輸送においては、例えば文献1では、ユーザー端末からの情報に基づいて、予め登録された複数の保管場所のうち、ユーザー及び物品に最も適した保管場所を選択し、かつ、予め登録された複数の配送業者からユーザー及び物品に最も適した配送業者及び配送方法を選択し、ユーザー端末に集荷及び入庫指示情報を送信している。さらにはその選択において人工知能( A I ) を用いて管理を行っていた。
最も安全性の高いベストの1つの配送ルートが選ばれ、無作為に配送業者や配送手段で物品を送付することと比べて、はるかに安全な方法であった。
【0004】
また、預託品の保管においては、例えば文献2では、倉庫内に保管品の個別撮影が可能で管理サーバと通信できる装置を用いた保管物監視システム提供している。これにより、ユーザーと倉庫業者は保管物の安全に関する有用な情報を随時取得して監視することが可能となった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-153041号公報
【特許文献2】特開2013-224196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の方法では何らかの壊滅的な災いがあった場合に対して考慮されてなく、実際には対処できないという問題があった。具体的には、輸送中の事故、保管中の火災や土砂崩れ、集中豪雨による川の氾濫や土砂崩れ、或いは地震や津波などの天災が必ずしも無いとは言えないからである。もし、そのような事態に遭遇したとなると、輸送中或いは保管中の物品が破損或いは消滅する。特に高セキュリティが求められる品物にとっては取り返しがつかないことであった。
【0007】
例えば、近年パスワードの管理が大きな問題となっている。ネットサービスの利用者は、アカウント情報を不正に使用される“なりすまし”などの不正アクセスからパスワードで身を守らねばならない。一方、自身が何らかの事故で急に亡くなった時などのことを考えると、ハッキングの対象になりやすいクラウド上ではなく、デジタルではない状態で保管しておいて、非常時に取り出せる状態にしておくことが望ましい。そういうものは紙に書いたパスワードのメモなどであるが、大変機密性の高いものであるので、その保管場所に悩んでいる人が少なくはない。存命の間は、本人以外はパスワードを知らず、図らずもパスワードが分からなくなった場合にパスワードメモを取り出したいとか、死亡した場合に家族にだけ明らかにしたいという要求が増えてきている。
【0008】
そのような要求に預託システムが利用されることがあるが、ネットバンキング、ネット証券などに保管している預貯金や有価証券に関わる重要な情報に関係する場合は、預託したとしても決して紛失などがあってはならない。セキュリティの高い預託システムが求められていた。
【0009】
本発明は、輸送中の事故、或いは保管中における火災、土砂崩れ、集中豪雨による川の氾濫や土砂崩れ、或いは地震や津波などの天災があったとしても預託品を確実に預託依頼者に返送できる安心で安全な輸送及び保管のシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
管理サーバが、預託を依頼するユーザーの情報端末と通信回線を介して、複数の預託品を同時期に複数の保管拠点で保管する保管契約を結ぶ手段と、管理サーバが前記複数の保管拠点を指定してユーザーの情報端末に呈示する手段と、ユーザーから前記複数の保管拠点に送られた預託品のラベルに関する情報がそれぞれの保管拠点で電子化され、保管拠点の情報端末から通信回線を介して管理サーバに送られる手段と、管理サーバが前記ラベルに関する情報と契約内容とを照合して、前記複数の保管拠点の全てで預託品を受け取ったと判断した場合に、通信回線を介して前記保管拠点の情報端末に保管開始を指示する手段と、管理サーバが保管開始時から計時を行い、保管満期時における保管終了の連絡を、前記保管拠点の情報端末とユーザーの情報端末に送信し、満期の預託品の処理が契約内容に基づいて行われる手段を備える。
【発明の効果】
【0011】
上記のように構成された本発明の預託品の輸送及び保管管理によれば、絶対に失ってはならないという預託品を管理サーバによる管理の下、複数ルートで輸送と保管できるので、輸送及び保管におけるリスクを分散できる。天災などの発生する確率は低いが、万が一起こったとしても、他の一方がバックアップとなれる。
【0012】
例えば、本人が亡くなった時に家族に伝えるべきパスワードメモなどの預託品は、コピーを行うことで、同じものを複数用意して保管依頼ができるので、上記の効果を享受し易い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態における預託品の輸送および保管システムの全体構成を概略的に示す図である。
図2】本発明の預託品の輸送および保管システムにおける管理サーバの構成の一例を概略的に示す図である。
図3】本発明の預託品の輸送および保管システムにおける依頼から返送までのフローチャートの一例である。
図4】本発明の管理サーバに格納されている預託保管契約の項目内容の1例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る預託品の輸送および保管システムの実施形態を、図を参照して説明する。
【実施例0015】
図1は、本発明の一実施形態における預託品の保管システムの全体構成を概略的に示す図である。
預託品の保管管理を行う管理サーバ1は、無線または有線でインターネット4の回線を介して保管拠点の情報端末3およびユーザーの情報端末2と交信する。ユーザーからは預託品5が2か所の保管拠点7に送られて、保管設備6にて保管される様子が示されている。金融機関や決済機関、或いは輸送業者なども本実施例のサービスにおいて管理サーバとインターネットを介して通信しているが、本発明を説明するものではないので、図1では割愛されている。
【0016】
本発明にて対象となる預託品は、複数の物を用意できる場合に限られているが、この実施例では保管拠点が2か所の契約である場合であることを示している。
よって、預託の依頼者であるユーザーは、預託品を2個用意して、それぞれを異なったルートで保管拠点に送付している。つまり預託品は2か所の異なった保管拠点で保管される。
預託品が、本人が亡くなった時に家族に伝えるべきパスワードメモなどの場合は、コピーを行うことで同じものを複製できるので、2系統の送付ルートで送り、離間した保管拠点で保管することで、輸送時及び保管時の不慮の事故や災害によるリスクを軽減させることができる。
【0017】
地震・津波・集中豪雨・或いは原発事故のような大きな災害からのリスク回避を考慮すると、保管拠点同士は地理的にできるだけ離間した場所であることが望ましい。
また、さらに安全性を確実なものにするには、保管拠点数は多いほどよい。しかしながら、多いほど保管コストが増大するので、実際は安全とコストの両面を鑑みて設定するのがよい。
【0018】
図2は、預託品の輸送および保管システムにおける管理サーバの構成の一例を概略的に示した図である。管理サーバ1はインターネット4に連結され、保管拠点の情報端末、ユーザーの情報端末、或いは決済機関や輸送業者の情報システムと通信制御部10で繋がって通信を行う。主制御部11でメインのデータ処理や演算を行う。入出力制御部12では入力デバイスや出力画面或いは付属メモリなどの制御を行う。
【0019】
データベースには、登録ユーザーのデータが格納してあるユーザーデータファイル16、各ユーザーとの契約内容及び輸送や保管および処理状況を格納する契約・処理状況データファイル17、保管管理サービス側の設定を格納している運用設定データファイル18、複数の保管拠点のデータを格納する保管拠点データファイル19、アプリケーションソフトを格納しているプログラムファイル20などがある。以上の全ての制御部やデータベースはバスで連結されている。
【0020】
図3は、預託品の輸送および保管システムにおける依頼から返送までのフローチャートの一例である。
最初に預託を依頼するユーザーがインターネットを介して、管理サーバにアクセスして、ユーザ登録21が行われる。次に預託品の保管に関する依頼と契約22が管理サーバとユーザー情報端末間で行われる。この時、複数の預託品であることが確認され、管理サーバは、対応する複数の保管拠点の指定23を行い、ユーザーの情報端末に送り先を呈示する。
【0021】
図4は、管理サーバに格納される契約データの項目例である。契約番号、ユーザーID、契約日、保管期間、物品サイズ、保管拠点、本人以外の引き取り取り許可者情報などが格納される。保管拠点は、サービス運営業者が保有する保管拠点の中からユーザが指定してもよいが、あらかじめサービス運営業者が指定しておいても構わない。
本人以外の引き取り取り許可者は、例えば本人が亡くなった時に預託品を引き取る人を指名しておく場合に入力される情報である。複数名を、場合によっては優先順を定めて、指名されることもある。本人以外からの引き取り依頼があった場合は、それらの情報に基づいて本人確認が行われて返送される。
【0022】
図3において、契約22が成立した後は、ユーザーは、契約保管拠点数分の預託品を用意して、指定されている保管拠点に発送24し、同時にユーザの情報端末から通信回線を介して管理サーバに発送連絡25を送信する。
保管拠点では、受け取った預託品のラベル情報を電子情報に変えて、通信回線を介して保管拠点の情報端末から管理サーバに送信する。送信されるラベルに関する情報は、ラベルの文字などを電子化したものであり、ラベルを読み取って手入力してもよいが、OCRでデジタル文字へ変換するのが望ましい。また、管理サーバ側に画像解析ソフトがある場合はラベルの写真をそのまま送ってもよい。
【0023】
管理サーバは、ユーザーからの発送連絡25と保管拠点からの送られたラベル情報27、および契約内容とを照合し、該当預託品が届いていることを確認する。そして全ての保管拠点が預託品を受け取ったことを確認した場合に、保管拠点の情報端末に保管指示29を送信する。保管開始の情報は、同時にユーザーの情報端末にも送信される。
契約時に預託品の送付先に指定した複数の保管拠点のうち、預託品を受け取っていない保管拠点がある場合は、通信回線を介して不具合としてユーザー端末に通知され、原因究明と何らかの処置が行われることになる。
【0024】
保管指示29を受信した2つの保管拠点では、直ちに保管が開始される。
【0025】
万が一保管中に、例えば土砂災害などで預託品の喪失に関わる何らかの事故が発生した場合は、通信網を介して、保管拠点の情報端末から管理サーバに連絡が行われ、さらにユーザーに通知される。その場合ユーザーとサービス運営業者間で契約内容をベースに何らかの対処が行われることになる。
【0026】
管理サーバでは、保管指示を送信すると同時に計時が行われ、随時、契約保管期間との照合が行われる。保管満期になると保管終了38の連絡が保管拠点の情報端末とユーザー端末に送信される。その後は、契約内容に基づいて預託品の処理が行われる。
【0027】
ユーザーもしくはユーザーの指定した許可引き取り人は、それぞれの情報端末から管理サーバにアクセスして預託品の引き取り、すなわち返送依頼31を行うことができる。管理サーバが返送依頼に対して契約内容と照らし合わせて問題がないことを確認32した後、預託品を保管している保管拠点の情報端末に通信網を介して発送指示33を行うことで、ユーザーは保管拠点から送られた預託品の受け取り35ができる。契約によっては、2か所の預託品の一方だけを返送し、ユーザーが受け取ったことを確認して、セキュリティ保管の目的は達成させられたとして、他の一方を保管拠点側で廃棄する契約もある。
【0028】
なお、契約のプロセスの最後には、インターネットを介して決済機関とも繋がって支払いの決済が行われるが、本発明の説明における主要事項ではないので、図3のプロセスチャートからも割愛している。
【符号の説明】
【0029】
1.管理サーバ
2.ユーザーの情報端末
3.保管拠点の情報端末
4.インターネット
5.預託品
6.保管設備
7.保管拠点
8.ユーザー側
11.通信制御部
12.主制御部
13.入出力制御部
14.画像処理部
15.決済処理部
16.顧客データファイル
17.契約・処理状況データファイル
18.運用設定データファイル
19.保管拠点データファイル
20.プログラムファイル
21.クライアント登録
22.受注契約
23.複数保管拠点の指定
24.発送
25.発送連絡
26.受け取り
27.ラベル情報
28.照合
29.保管指示
30.保管
31.返送依頼
32.確認
33.発送指示
34.発送
35.受け取り
36.契約保管期間
37.判定
38.保管終了処理
41.被災
42.被災連絡
図1
図2
図3
図4