(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067080
(43)【公開日】2022-05-02
(54)【発明の名称】外科器具に受光デバイスを取り付けるための装置
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20220422BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021169489
(22)【出願日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】20202484
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】592245823
【氏名又は名称】エルベ エレクトロメディジン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Erbe Elektromedizin GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ライテラー
(72)【発明者】
【氏名】クラウス・フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】アヒム・ブロドベック
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ミュラー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK06
4C160KK13
4C160KK30
4C160KK54
4C160KK57
4C160KK62
4C160KL03
4C160MM32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外科器具の外科ユーザまたはその助手が手術中に光分析用の受光デバイスを器具または器具部品に取り付けるのに役立つ装置を提供する。
【解決手段】装置(10)は、受光デバイスを器具(11)または器具部品(12)に取り外し可能に取り付けることが好ましい。特に、装置(10)は、受光デバイスと、受光デバイスに対して固定された電極(15b)とを備えることができる。電極(15b)は、代替的に器具(11)の一部にすることもできる。装置(10)は、特に、器具(11)または器具部品(12)に取り外し可能に取り付け可能にでき、受光デバイスを器具(11)もしくは器具部品(12)に取り付けるためのアダプタを形成できるか、または器具(11)の一部として構成することもできる。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科器具(11)の外科ユーザまたはその助手が光分析用の受光デバイス(24)を前記器具(11)または器具(11)の器具部品(12)に取り付けるための装置(10)。
【請求項2】
前記装置(10)は、前記器具部品(12)および/または前記器具(11)に対する、取り付けられる前記受光デバイス(24)の所定の様々な単一または複数の空間位置を規定する
請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記装置(10)は、電気RFエネルギーが供給され得る電極(15)を含む器具(11)用の装置(10)であり、前記電極(15)に対する、取り付けられる前記受光デバイス(24)の所定の様々な単一または複数の空間位置を規定する
請求項1または2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記装置(10)は、電極(15)を支持し、前記電極(15)に対する前記受光デバイス(24)の所定の様々な単一または複数の空間位置を規定する
請求項1~3のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項5】
軸方向(L)の可動性を除く、取付部(25)内における前記器具の可動性を制限し、かつ前記器具(11)を軸方向(L)に保持する当該取付部(25)と、前記取付部(25)内の前記器具(11)の軸方向位置を続いて規定または制限するためのデバイス(17、51、53、21、54、55)とを有する
請求項1~4のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項6】
前記軸方向位置を続いて規定または制限するための前記デバイス(17、51、53、21、54、55)は、前記軸方向(L)に対して横方向に可動の部分(21、22)を含み、前記部分(21、22)は、前記取付部(25)内の前記器具(11)の軸方向位置を規定または制限するために、前記取付部(25)内に前記器具(11)を配置した後、前記部分(21)の横移動によって前記器具(11)に係合する
請求項5に記載の装置(10)。
【請求項7】
前記部分(21、22)は、可撓性を有するように取り付けられる
請求項6に記載の装置(10)。
【請求項8】
前記装置(10)は、洗浄チャネル(28、58)を備え、前記洗浄チャネル(28、58)は、前記受光デバイス(24)の入光口(31)を横方向に通過する洗浄媒体を出力する
請求項1~7のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項9】
前記装置(10)は、前記受光デバイス(24)に対する前記洗浄チャネルの空間位置を規定する
請求項1~8のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項10】
前記受光デバイス(24)の前記入光口(31)は、前記装置(10)内部に配置される
請求項1~9のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項11】
前記入光口(31)は、前記洗浄チャネル(58)内部に配置される
請求項8~10のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項12】
前記受光デバイス(24)は、前記洗浄チャネル(58)内部に完全にまたは部分的に延在する
請求項1~11のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項13】
一方側が前記装置(10)の壁(45a、45b、46)によって制限され、他方側が前記装置(10)の電極(15)、例えば電極保持シャンク(14)の第1縦面(16a)によって制限されたチャネル部分(58)が形成され、前記チャネル部分(58)は、前記洗浄媒体で洗浄することができ、前記第1縦面(16a)と反対側の電極(15)の第2縦面(16b)、例えば電極保持シャンク(14)の第2縦面(16b)は、前記チャネル部分(58)に沿って少なくとも部分的に露出している
請求項1~12のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項14】
前記受光デバイス(24)の光軸(OA)と、前記電極(15)とは、鋭角(W)をなす
請求項1~13のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項15】
例えば請求項1~14のいずれか1項に記載の装置(10)を用いた、手術中における外科医またはその助手による外科器具(11)または前記外科器具(11)の器具部品(12)への受光デバイス(24)の取付け。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高周波外科器具によって生じ得る出現光、例えばスパークを分析する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および特許文献2において、電極と、電極に対向する様々な向きに方向付けることができる受光デバイスとを有する器具が開示されている。
【0003】
特許文献3には、遠位作業部と、光を分析するために器具の遠位端から光を伝送することができる光ファイバとを有する、ロボットによって保持することができる当該器具が示されている。
【0004】
特許文献4によれば、光ファイバが電極内に配置される。
【0005】
臨床用途での高周波外科治療により生じた出現光、特に高周波スパークの光を分析するために、光の特徴を決定する分析デバイスに連結され、かつ手術中に生体組織に関する情報を出力することができる受光デバイスとして光ファイバが使用される。光ファイバは、光ファイバの遠位端の組織接触および光ファイバと組織との接触により、また、組織の剥離および組織粒子の吹き飛びにより、血液、組織液、煙(エアロゾル)によって汚染され得、このようにして動作部への光の伝送が著しく低下するか、または完全に遮断され得る。また、間接的に光ファイバの陰になり得る分析デバイスの遠位端への組織の付着によっても、光の伝送が低下することがある。光ファイバのコンタミは、様々な量で光を吸収し得るため、その強度の光信号を曲げ得る。また、ファイバ上の液体の凝縮によっても、伝送が一時的に変化し得る。コンタミにより、波長に応じて伝送が変化することもあり、これによって分析結果に歪みが生じる場合がある。高周波手術中のエネルギーの入力が高い(例えば300ワット)ため、高周波電極の先端に非常に高い(例えば300°Cより高い)温度が生じ得る。また、高温により光ファイバが熱的に損傷する恐れがあり、それによって、光の伝送が同様に低下するか、または完全に妨害され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3284430号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第2659846号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0088772号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第2815713号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、受光デバイスの改良された概念を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に記載の装置、および請求項15に記載の方法によって解決される。
【0009】
本発明の装置は、好ましくは取り外し可能に、特に非破壊的に取り外し可能に、外科器具、特に電気外科器具、または外科器具の器具部品に取り付けられる。装置は、特に医療教育を受けたユーザ、例えば医師による光分析用の受光デバイス(特に光ファイバ)を備える。取付けは、(手術室内での)手術中に、例えば手術ステップが器具によって行われた後に行うことができる。装置は、外科器具の使用中に生じる光を受光デバイス(特に光ファイバ)によって捕らえる、または受けることを可能にする。受けた光は、光分析のために受光デバイスによって伝送することができる。装置の受光デバイスは、また、器具の使用中に光分析に適した光を捕らえることができる。
【0010】
受光デバイスは、例えば、光分析による組織情報の抽出が臨床的に望まれる場合のみ、装置によって器具のハンドルに取り付けることができる。取り外し可能な取付けのための好ましい実施形態を用いて、受光デバイスは、ユーザによって新しい清潔な受光デバイスに容易に交換することができる。この目的のために装置を破壊する必要はないことが好ましい。装置による受光デバイスと外科器具との連結は、ツールなしで可能であることが好ましい。装置は、好ましくは器具に差し込む、もしくは少なくとも部分的に器具に押し込むことができ、かつ/または、器具は、好ましくは装置に差し込む、もしくは少なくとも部分的に装置に押し込むことができ、かつ/または、装置は、器具に差し込む、もしくは少なくとも部分的に器具に押し込むことができる。
【0011】
本発明によれば、手術中における外科医またはその助手による外科器具または外科器具の器具部品への受光デバイスの取付けを含む方法が開示される。外科医またはその助手は、受光デバイスと器具または器具部品とを組み合わせて動作可能部を形成し、動作可能部によって、実施形態おいて、特に、発光分光法による監視下で高周波外科治療を行うことができる。外科医またはその助手は、例えば本明細書に開示するように、この目的のために本発明の装置を使用することができる。
【0012】
本発明の装置は、例えば、以下に示す少なくとも1つまたは複数の特徴によって具現化することができる。
【0013】
外科器具の器具部品は、例えば、器具の構成要素またはユニットにすることができる。
【0014】
装置は、(手術室内での)手術中、例えば手術ステップが器具を用いて行われた後に、医療教育を受けたユーザ、例えば医師が動作可能な外科器具に光分析用受光デバイス(特に光ファイバ)を取り付けるように構成されることが好ましい。また器具は、実施形態において、装置によって受光デバイスが器具に取り付けられる場合、装置および受光デバイスを用いることなく既に動作可能である。例えば、器具部品は、電極と共に動作可能な高周波外科器具を形成するように、装置に連結する前に既に電極に連結することができる。
【0015】
代替または追加として、装置は、受光デバイスを器具部品に取り付けている間に器具部品を完成して、動作可能な器具を形成することが好ましい。例えば、装置は、電極を支持することができる。
【0016】
特に装置が電極と受光デバイスとを備える場合、しかし他の実施形態においても、装置が電極および受光デバイスの互いに対する空間相対位置(相対ロケーションおよび/または相対向き)を規定する場合、それは好ましい。そうすることで、単一の相対ロケーションおよび/もしくは相対向きのみを可能にすることができ、または、複数の可能相対ロケーションおよび/もしくは相対向きから、1つの相対ロケーションおよび/もしくは相対向きを選択することができる。例えば、それによって、相対ロケーションおよび/または相対向きの少なくとも1つまたは厳密に単一の自由度を変更可能にすることができる。これにより、受光デバイスと電極との単一または複数の相対ロケーションおよび/または相対向きを規定することができる。例えば、電極は、その縦軸を中心とする、装置上の複数の異なる回転位置に配置することができる。
【0017】
電極が、例えばスパチュラ面が2つの側縁部間の両側に配置されるスパチュラ電極である場合、例えば、受光デバイスが、1つのスパチュラ面上の各向きそれぞれに方向付けられる、または傾斜方向のスパチュラ面上の向きのみに方向付けられることから、1以上の規定される向きを、除外される向きから区別することができる。装置は、ハンドルに連結可能であり、一方で、装置に組み込まれるか、または個別の部品を形成する電極によってハンドルを完成し、このように動作可能な器具を形成することができる。ハンドルは、また、電極で完成し、動作可能な器具を形成することができ、また、装置によって受光デバイスを器具に取り付ける必要もないことが好ましい。したがって、器具部品、例えばハンドル、それ自体は、電極を支持することが好ましい。
【0018】
装置は、器具に対する取り付けられる受光デバイスの可能空間相対位置の所定の離散選択、例えば互いに離れた離散値および/もしくは離散範囲、ならびに/または、少なくとも複数の範囲における連続選択を規定することが好ましい。選択の相対位置はすべて、(装置、器具および受光デバイスが互いに決定され合う場合)器具によって生じる出現光(例えばスパークまたは連続的に維持されるプラズマ)の十分な量の光が受光デバイスによって捕らえられることが保証される点を特徴とする。そうすることで、医師またはその助手は、意味のある光分析を保証するために十分な量の光を受光デバイスによって受けるように、常に受光デバイスを確実に器具上の正確な位置に取り付けることができる。選択には、単一の可能相対位置または複数の可能相対位置を含めることができる。空間相対位置は、器具または器具の器具部品、例えば電極もしくはハンドルに対する受光デバイス、特に受光デバイスの入光口の位置および向きによって規定される。
【0019】
選択には、可能相対位置の離散選択および/または可能相対位置の非離散(連続)選択を含めることができる。装置が無数の所定の相対位置の離散選択しか可能としない実施形態が可能である。あるいは、デバイスが離散サブ選択を規定せず、相対位置の非離散選択または調整ができる実施形態が可能である。可能相対位置の非離散選択とは、特に、ユーザが、実際の相対位置から始めて相対位置を修正することができる、すなわち実際の相対ロケーション内のクリアランスを超えて修正することができることを意味する。その結果、追加の可能相対位置が連続的に通過され得る。
【0020】
取り付けられる受光デバイスの空間相対位置は、好ましくは完全に(1以上の相対位置の離散選択または離散サブ選択の相対位置)、または、例えば1つもしくは2つの自由度(可能相対位置の連続サブ選択の相対位置)を除いて、装置により器具に対して規定される。装置は、例えば、1つまたは2つの角度を除いて、空間相対位置を規定することができる。1つの自由度、または、規定されないか、もしくは様々な値範囲を除いて規定される複数の自由度のうちの1つは、例えば、器具、例えば器具の電極を中心とする受光角にすることができる。例えば、装置は、空間相対位置を完全に規定することができ(単一の相対ロケーションのみが可能である)、これは、例えば、器具または装置の縦方向、径方向および/または回転方向において、装置内または装置に対して器具のわずかなクリアランスを含むことができ、これは光分析に影響を与えない。しかしながら、各場合、器具、例えば器具の電極に対する受光デバイスの残留位置すべてにおいて、器具の作用によりスパークおよび/またはプラズマが生じるエリアからの確実な受光が受光デバイスによって保証されることから、器具、例えば電極に対する受光デバイスの可動性は、デバイスによって制限される。受光円錐は、出現光がすべての位置に生じるエリアを含むか、または取り囲むことが好ましく、これにより、装置は、受光デバイスと器具とを互いに関連させることができる。
【0021】
本発明の装置の実施形態を用いて、開腹手術用器具、例えば高周波電極を有する高周波ハンドル((RF)アプリケータとも表される)、腹腔鏡手術用器具、または、例えばアルゴンプラズマ凝固用フレキシブルプローブとしてフレキシブル内視鏡手術用器具に受光デバイスを使用することができる。
【0022】
器具に対する取り付けられる受光デバイスの所定の様々な空間相対位置を装置が規定する場合、医師として器具の医療的使用は教育されているが、受光デバイスが動作できるような、器具に対する受光デバイスの位置の見つけ方は教育されていない器具のユーザによる受光デバイスの誤った向きが除外される。RF外科器具による医師の介入とは、例えば、まずRF外科切断器具による手術部位の切開および露出、続いて組織識別の準備を意味する。手術部位の切開および露出中、効率的な止血を可能とするが著しい損傷も起こり得る、切断のための電気的パラメータの調整が部分的に必要になる場合がある。しかしながら、組織識別中には、わずかな熱損傷しか許容されない。また、外科医が切開および露出ならびに組織識別に使用する電極形状は異なってもよい。組織の熱損傷(より高いエネルギー入力)は、遠位端における光ファイバのコンタミと相関する。本発明の装置の実施形態を用いて、外科医は、手術部位を切開し、露出させるステップが終了した場合のみ、装置によって受光デバイスをハンドルに取り付けることができる。後の組織識別のために、より小さい熱損傷での器具の調整が必要な場合、入光口におけるコンタミの危険性は低下する。
【0023】
器具は、装置とは無関係に、器具をRF外科治療に使用することができるようにRFエネルギーを付与できる電極を含むことが好ましい。器具、例えばRFアプリケータの電極は、交換可能にすることができる。器具は、例えば電極を含む、ハンドルを有するRFアプリケータにすることができる。電極は、交換可能にハンドルに取り付けることができる。ハンドルは、ハンドルに関する単一のまたは離散的様々な可能性を除いて、電極の位置および向きを可能にすることができる。代替または追加として、装置は、例えば、電極と同様に受光デバイスも備えることができる。
【0024】
電極に対する取り付けられる受光デバイスの所定の様々な空間相対位置をデバイスが規定することから、器具に対する取り付けられる受光デバイスの空間相対位置を装置が規定することが好ましい。このため、装置は、電極に対する受光デバイスの連続的または離散的様々な可能位置を規定することができる。装置は、電極に対する取り付けられる受光デバイスの単一の可能空間相対位置を規定することができる。様々な可能相対位置の規定により、電極によって器具が出現光を生成する電極上のエリアに対する受光デバイスの向きおよび距離が規定されるものとする。電極に対する受光デバイス、特に受光デバイスの入光口の向きおよび距離が予め規定される場合、受光デバイスによる光分析の特定の意味および質を保証することができる。
【0025】
装置は、取付部内における器具の可動性を一方向、特に器具、電極、取付部および/または装置の軸方向の可動性に制限する当該取付部を備えることが好ましい。装置は、取付け中、器具を取付部に方向、特に軸方向に挿入しなければならないことを取付部によって規定することが好ましい。取付部は、デバイスの遠位端に向かう軸方向の器具または器具部品の動きを制限することができる。
【0026】
装置は、最大、軸方向クリアランスを除いて、取付部内の器具の軸方向位置を続いてブロックするためのユニットを備えることが好ましく、軸方向クリアランスがあっても、例えば、電極の先端が受光デバイスの受光角内に常にとどまっているため、当該クリアランスは光分析に影響を与えない。続いてブロックするためのユニットは、装置の遠位端から遠ざかる軸方向の器具または器具部品の動きを制限することができる。
【0027】
軸方向位置を続いてブロックするためのユニットは、器具に受光デバイスを取り付ける間、器具、装置および/または電極の軸方向に対して横方向に可動の部分を含むことが好ましい。この可動部分は、取付部内の器具の軸方向位置をブロックするために、取付部内に器具を配置した後、可動部分の横移動によって器具に係合することが好ましい。可動部分は、横方向に動くことができるよう可撓性を有するように装置の他の部分に取り付けられることが好ましい。これは、可動部分が器具のさらなる部分に接合されるか、または蝶番で連結される実施形態に比べて好ましい。可動部分は、装置内に器具を配置する前に、可動部分がばね力に抗して動いた後に可動部分の初期位置の方向に自動的に戻るように弾性を有することが好ましい。可撓性部分が設けられる場合はヒンジを省略することができ、これにより、デバイスの製造が簡単になり、デバイスの殺菌および/または洗浄が簡単になる。
【0028】
装置は、洗浄チャネルを備えることが好ましく、洗浄チャネルは、洗浄媒体、例えば二酸化炭素、希ガス、窒素、または別の化学的に不活性なガスもしくはガス混合物を、好ましくは受光デバイスの入光口を通過して、受光デバイスに沿って薄層状に出力する。そうすることで、受光デバイスの入光口のコンタミを避けることができ、受光デバイスの入光口を洗浄することができ、入光口と、光の生成位置との間のエアロゾルを吹き飛ばすことができ、かつ/または、器具、特に電極を冷却することができる。
【0029】
装置は、受光デバイスに対する洗浄チャネルの空間位置、特に離散的様々な空間相対位置または単一の空間相対位置を規定することが好ましい。洗浄流は、受光デバイスまたはその入光口が対向する方向、すなわち受光角の中心軸の方向に方向付けられることが好ましい。実施形態において、洗浄流は、粒子バリアとして機能するように例えばバッフル板または流路の片側隆起によって、入光口で、または入光口とRF電極の作用エリアとの間で、さらに光軸に対して最大90°まで傾けて偏向させることができる。
【0030】
洗浄媒体の流れが強すぎる場合、これにより組織が押しやられ得る。これは、特に準備中、すなわち解剖学的構造体の正確な開腹または露出中、高い精度を得るために避けなければならない。一方、洗浄媒体の体積流量は、確実に入光口のコンタミを避けるかつ/または電極を十分に冷却するのに十分なものとする。さらに、気体または液体の媒体、例として煙、血液または液体脂肪を十分な流れで遠くに押しのけることができる。受光デバイス、特にその入光口に対する洗浄チャネルの空間位置が規定される場合、洗浄チャネルは、精度を低下させる組織変位を生じさせず、コンタミを入光口から確実に遠ざけ、光の捕捉に影響を与える媒体を除去し、かつ/または冷却を行う洗浄媒体の正確に適応した体積流量で動作させることができる。
【0031】
受光デバイスの入光口は、コンタミから入光口を保護するために装置内に配置されることが好ましい。そうすることで、装置は、特定の角度でやって来る液滴または粒子から入光口を保護することができ、他の角度から入光口に入射する光に影響を与えない。装置内に洗浄チャネルを有する実施形態では、入光口は、例えば、洗浄チャネル内部に配置することができ、または受光デバイスは、洗浄チャネル内部で終端することができる。
【0032】
洗浄チャネルを有する実施形態では、受光デバイスは、例えば洗浄チャネル内部に、または洗浄チャネルを貫通して延在することができる。同時に、受光デバイスは、装置内部における単一の規定された空間位置に動かないように配置されることが好ましい。
【0033】
受光デバイス、例えば受光デバイスの入光口に隣接し得る直線端部分ならびに/または受光デバイスの光軸および/もしくは受光デバイスの受光角の中心軸と、電極とが鋭角、例えば15°未満をなす場合、特にコンパクトな構成を得ることができる。
【0034】
装置と器具との連結が確立している場合の装置の実施形態において、流体チャネルのチャネル部分は、一方側が装置の壁によって、他方側が装置の電極および/または電極シャンクの第1縦面によって制限されるように構成されることが好ましい。洗浄媒体は、チャネル部分を流れることができる。第1縦面と反対側の電極および/または電極シャンクの第2縦面は、チャネルに沿って少なくとも部分的に露出していることが好ましい。洗浄媒体は、チャネル部分を流れている間、電極の第1縦面を冷却することができる。第2縦面は露出しているため、装置の環境、特に空気または環境内の気体媒体もしくはエアロゾル媒体に接触しており、そのため、動作中にわたって電極が過度に加熱されないように十分放熱することができる。したがって、洗浄媒体の体積流量は、電極の十分な冷却、好ましくはさらに、コンタミからの入光口の十分な保護および/または洗浄を保証する速度に調整することができる。
【0035】
受光デバイス、例えば光ファイバは、好ましくは入光口から連続的に装置内部および/または装置に隣接して(それらの間に光インタフェースなし)、装置を越えて近位側に延在し、分析の目的で光を伝送する。光インタフェースは汚染する可能性があるため、外科治療の一部に対して、入光口を有する受光デバイスが光インタフェースに連結されない場合、これは有利である。
【0036】
例えば、器具は、RF外科切断、凝固および/または失活器具にすることができる。例えば、器具は、イオン化され得、プラズマ状態に移行する気体で動作することができる。特に、器具は、アルゴンプラズマ凝固(APC)器具にすることができる。代替または追加として、器具は、誘電バリア放電を用いることができる。
【0037】
本発明によれば、さらに、器具および本発明の装置の構成は、受光デバイスが装置によって当該構成内の器具に取り付けられるように提供される。
【0038】
装置および構成の追加の特徴および有利な実施形態は、以下の説明および図から導かれる。図は、例として示す。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1a】
図1aは、本発明の装置の実施形態内に取り付けられているRFアプリケータの形態における器具の斜視図である。
【
図2a】
図2aは、
図1aおよび
図1bによる例示的な本発明の装置の側面図であり、装置の遠位端部分が部分的に縦断面図で示される。
【
図2b】
図2bは、
図2aの部分的に示された縦断面(
図2aに円で示された部分)の拡大図である。
【
図3b】
図3bは、
図1aおよび
図1bによる装置の遠位端(
図3aに円で示された部分)における部分上面図である。
【
図4a】
図4aは、
図1aによる本発明の装置の実施形態に取り付けられているRFアプリケータの形態の
図1aによる器具の実施形態における側面図である。
【
図4b】
図4bは、
図1aによる装置に取り付けられている
図1aによる器具の実施形態における上面図である。
【
図4e】
図4eは、アライメント構造体およびカウンタアライメント構造体である。
【
図5a】
図5aは、電極に対する入光口の可能相対向きの非常に概略的な図である。
【
図5b】
図5bは、電極に対する入光口の可能相対向きの非常に概略的な図である。
【
図6】
図6は、腹腔鏡手術用器具の例に連結された本発明の装置のさらなる実施形態の図である。
【
図7】
図7は、内視鏡手術用器具の例に連結された本発明の装置のさらなる実施形態の図である。
【
図8a】
図8aは、吸引部を有する本発明の装置のさらなる実施形態の図である。
【
図8b】
図8bは、吸引部を有する本発明の装置のさらなる実施形態の図である。
【
図9】
図9は、吸引部を有する本発明の装置のさらなる実施形態の図である。
【
図10a】
図10aは、吸引部を有する本発明の装置のさらなる実施形態の図である。
【
図10b】
図10bは、吸引部を有する本発明の装置のさらなる実施形態の図である。
【
図12a】
図12aは、電極とハンドルとの間に延長要素を有する本発明の装置の斜視図である。
【
図13】
図13は、本発明の装置のさらなる実施形態内に配置されている器具の遠位端に隣接するエリアの一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1aは、ここでは開腹手術用アプリケータである例示的器具11が保持される、ハンドル部の形態における本発明の装置10の実施形態の斜視図を示す。器具11は、電圧源の一方の極が患者に取り付けられる大面積の中性極(図示せず)に連結されるモノポーラRF外科用器具であることが好ましい。代替として、器具11は、バイポーラRF外科用器具にすることができる。
【0041】
器具11を形成するアプリケータは、操作要素13を有するハンドル部12を含む。ハンドル部12の遠位端部分には、電極15を有する電極保持シャンク14が取り付けられる。ハンドル部12は電線68に連結され、電線68を介して、電極15に高周波電力を印加することができる。
【0042】
装置10は、アプリケータ11が挿入される遠位部分17を備える。装置10の遠位部分17の近位端部分18は、アプリケータ11を保持するハーフシェルを含む。ハーフシェル18は、器具11の上面20で器具11の操作要素13にアクセスできるように一方の縦面19(上面)で開いている。
【0043】
デバイスは、さらに、例によれば、ハーフシェル形状を有する近位部分21を含む。近位部分21は、近位端部分18が同様に開いている装置10の縦面19で開いている。近位部分21は、可撓性を有する移行部分22によって装置10の遠位部分17に連結される。装置10は、アプリケータ11に対する導光デバイスおよび/または受光デバイス24の相対位置を規定するために、形状嵌合によりアプリケータ11を少なくとも部分的に取り囲む。導光デバイスおよび/または受光デバイスは、特に、少なくとも1つの光ファイバを含むことができる。
【0044】
装置10は、実質的に軸方向Rに近位端から遠位端まで延在する。遠位部分17および/または近位部分21は、縦方向Lと平行に延在する湾曲軸を中心とする湾曲延長部を有することができる。例によれば、移行部分22は棒状である。移行部分22は、中央位置で遠位部分17および/または近位部分21に連結され、遠位部分17または近位部分21の2つのシェル部は、それぞれのハーフシェルを形成するために中央位置から互いに反対方向に遠ざかるように湾曲している。特に、移行部分22は、遠位部分17および近位部分21に反して、アプリケータ11用の凹状取付エリアを形成しない。
【0045】
遠位部分17、移行部分22および近位部分21は、同じプラスチックからなることが好ましい。移行部分22は、遠位部分17および近位部分21に継ぎ目なく一体的に連結されることが好ましい。装置10は、特に、射出成形工程によって製造することができる。遠位部分17および近位部分21に対する移行部分22の可撓性は、例によれば、移行部分22が遠位部分17および近位部分21よりも細く形成されることで得られる。移行部分22は、特に、その延長部を横断する各方向の寸法を小さくして、可撓性を確保することができる。装置10または少なくとも遠位部分17は、手術部位の視界を改善するために透明であることが好ましい。
【0046】
特に
図1b、
図2bおよび
図4dに示すように、装置10の遠位部分17は、アプリケータ11の形状嵌合部分26のためのチャネル状第1取付部25を提供する。(第1取付チャネルとしても表すことができる)第1取付部25は、(すべての径方向の)周囲に沿って閉じられることが好ましい。第1取付部25は、形状嵌合によって、装置10内における器具11の電極15の向きを第1取付部25の縦軸Lに沿って規定する。
【0047】
さらに、例として
図2bにも特に示すように、装置10は、チャネル状に構成され、かつライン28、例えばホースまたは管のために設けられた第2取付部27を備え、少なくとも1つの光ファイバ、すなわち単一の光ファイバまたは光ファイバ素線の束が、第2取付部27を貫通して装置10の遠位部分17の遠位端29の方向に延在し、受光デバイス24を形成する。ライン28は、第2取付部27内部におけるライン28の動きに抗した第2取付部27の壁面30との圧力嵌合および/または摩擦嵌合によって第2取付部27内に取り付けられることが好ましい。ライン28は、通流チャネル(洗浄チャネル)を形成し、光ファイバ24の入光口31を洗浄し、かつ/または保護する洗浄媒体を導く働きをする。光ファイバ24は、アプリケータ11の電極15によって生じる出現光の光を捕らえる働きをする。装置10内の光ファイバ24の位置は、完全に規定されることが好ましい。
【0048】
ライン28は、装置10の遠位部分17のハーフシェル状近位部分21を通って、可撓性移行部分22とアプリケータ11との間でアプリケータ11に横方向に隣接して保護されるように延在する。
【0049】
ライン28のための第2取付部27は、ライン28を、装置10の遠位端29の方向にアプリケータ11と部分的に略平行に案内する。
図1bおよび
図2bに特に示すように、第2取付部27は、さらに、ライン28の遠位端32に隣接するライン28のライン部分33を第1取付部25の縦軸Lに対して鋭角に案内する。
図2bに特に示すように、光ファイバ24の入光口31に隣接する光ファイバ24の端部分34、または光ファイバ24の光軸OAおよび/もしくは光ファイバ24の受光角47の中心軸MAは、また、電極15または電極保持シャンク14のための第1取付部25の取付孔35の縦軸Lと、ひいては第1取付部25の縦軸Lと一致する電極15の縦軸ELAとも鋭角Wをなす。ライン部分33が第1取付部25の縦軸Lに向かって案内される鋭角は、受光角47の中心軸MAと電極15の縦軸ELAとの角度Wに一致することが好ましい。
【0050】
光ファイバ24は、ライン28の中心に保持することができるか、またはライン28の延長部に略同軸に沿うことができる。例えば、ライン28を通って装置10の遠位端29までの洗浄媒体の流れを可能にし、同時に光ファイバ28をライン28の内壁面37から距離を取って保持する、ライン28内部に配置される保持要素(図示せず)が、この目的に役立ち得る。代替として、ファイバ24は、ラインホース28内に緩く配置することができ、例えば、下記に説明するように、ファイバの端部分34を装置10に強固に連結することができる。例えば、光ファイバ24はまた、光ファイバ24の縦軸を中心とする光ファイバ24のねじれに対して固定することが好ましい。洗浄媒体の体積流は、実施形態において、光ファイバ24に対して略同心円状に案内される。代替として、体積流は、光ファイバ24の遠位端38において横方向に供給することができる。両方の実施形態において、光ファイバ24の遠位端38の周囲を流れる洗浄流は、光ファイバ24の入光口31への吹き飛び組織液滴または飛散粒子によるコンタミを避ける働きをする。
【0051】
図2aおよび
図2bに示すように、光ファイバ24は、光ファイバ24に隣接する電極保持シャンク14に対して光ファイバ24の端部分34が鋭角W2に延在するように、ライン28の遠位端32から突出する。したがって、光軸OA(例えば光ファイバの縦軸)および/または受光角47の中心軸MAは、電極縦軸ELAと、例えば15°未満、図示された7.5°の鋭角W2をなす。ライン28の遠位端32から突出する光ファイバ24の端部分34は、この目的のために、デバイスを通る縦断面(
図2b)においてベース状または凸状に見える、装置10の遠位部分17における取付壁40の支持部分39上に配置することができ、光ファイバ24の端部分34をこの位置で安定させるために、例えば物質結合で、支持部分39に強固に連結することができる。光ファイバ24は、ライン28内の光ファイバ24の屈曲部41によるその内在張力によって支持部分39に押し付けられる。これにより、第1取付部25の縦軸Lに対する光ファイバ24の位置が規定される。これは、また、
図2bの図面平面に直交する方向にも適用される。支持部分39の取付エリア42は、光ファイバ24の端部分34が広がる平面と、第1取付部25の縦軸L(軸方向)または電極15の軸方向とに対して横方向の光ファイバ24の内在張力と共に、光ファイバ24の位置を規定するために、例えばハーフシェル形状にすることができる。
【0052】
光ファイバ24のコンタミを防ぐために、光ファイバ24は、装置10と面一で終端せず、また装置10から突出しないことが好ましい。むしろ、光ファイバ24は、特定の角度からの光ファイバ24の直接的なコンタミを避けるために、
図2b、
図4dに示すように、チャネル状領域44内部において装置10の遠位端29に対して後方にずれて終端することが好ましい。
【0053】
装置10の領域44は、一方側に開いていることが好ましい。例えば、さらに、遠位部分17の近位端部分18が開いている場合、領域44は、同じ側に(例えば
図1bおよび
図2aにおいて、例えば「上部」に向かって)開くことができる。これは、特に、装置10と器具11との連結が確立されていない装置10が示される
図1b、
図2aおよび
図2bから明らかである。領域44は、逆に、反対側に向かって(「下方へ」)閉じられることが好ましい。遠位部分17の近位端部分18によって形成されるハーフシェルは、実施形態において、貫通開口部なしで構成することができ、特に横方向に閉じることができる。
【0054】
装置10は、光ファイバ24の遠位端38が装置10の遠位端29に対して後方にずれるように、光ファイバ24を越えて横方向に延在する2つの側壁部分45a、45bを領域44内に備える。そうすることで、入光口31は、光ファイバ24の面において、特定の角度から入光口31に近づく粒子および/または液滴から少なくとも保護される。側壁部分45a、45bは、例えば、
図3aと関連付けて
図2bから明らかなように、領域44または装置10がU字形またはV字形の断面を有することができるように底壁部分46を介して連結される。支持部分39は、底部分46によって少なくとも部分的に形成される。光ファイバ24の自由端38は、支持部分39をわずかに越えて突出し、ひいては、領域44内部において、すべての径方向に装置10の側壁部分45a、45b、46からわずかに離れて配置され得る。これは、装置10が光ファイバ24の受光角47を遮りすぎるのを防ぐ。
【0055】
受光角47は、説明の目的で
図1a、
図4cおよび
図4dにおいて破線で描く。受光角47は、光ファイバ24が入光口31において光を捕らえることができるすべての方向を有し、光ファイバ24は、その光を分析デバイスに伝送することができ、分析デバイスによって光を分析することができる。電極保持シャンク14内に、電極15の作用部15aが固定される。図示するように、受光角47は、電極15の先端もしくは遠位端50aまたは作用部15aを含む。電極15、特にその作用部15aまたは先端50の位置および/または向きは、器具11の形状嵌合部分26に対して明確に規定される。さらに、第1取付部25に対する光ファイバ24の位置および/または向きが明確に規定される。装置10と器具11との連結が確立されている場合、形状嵌合部分26は、第1取付部25と共に、電極15、特にその作用部15aに対する光ファイバ24の規定された位置を与える。装置10と器具11との連結が確立されている場合、装置10と器具11との形状嵌合によって、光ファイバ24の位置および/または向きは、確実に、電極15の作用部15aによって生じる出現光の光分析を可能にする。実施形態では、器具11および/または装置10に対する電極15の位置を規定することができるが、縦軸ELAを中心とする電極15の向きは、連続的な範囲内で自由に選択可能にすることができる。
【0056】
例えば、電極15の一部は、アプリケータ11の形状嵌合部分26の一部にすることができる。アプリケータ11における電極15の電極保持シャンク14の一部は、図示した実施形態において、形状嵌合部分26の一部である。形状嵌合部分26は、装置10の第1取付部25のそれぞれの相補的逆形状に嵌合する形状を有する。図示した実施形態において、電極保持シャンク14は、第1取付部25の円筒形状(孔)に嵌まる円筒形状を有する。形状嵌合部分26および第1取付部25の円筒形状の代替として、それらは、例えば互いに嵌合する多面体形状、例えば矩形状を有することができる。形状嵌合部分26と第1取付部25の対によって、第1取付部25内部における第1取付部25に対する形状嵌合部分26の相対的可動性が、第1取付部25の中心軸MAまたは電極保持シャンク14の縦軸ELAに直交するすべての方向において、ひいては電極15の作用部15aに対しても阻止される。すべての径方向において閉じることができる第1取付チャネル25によって、光ファイバ24の端部分34に対する電極15の位置が、径方向すべての方向に規定される。
【0057】
それぞれの第1停止部51(特に
図2b参照)が、装置10の壁部分52によって形成される。第1停止部51は、アプリケータ11が第1取付部25内で前進する場合、アプリケータ11の第1カウンタ停止部53(特に
図4d参照)と軸方向反対側に配置される。第1カウンタ停止部53は、例えば、電極保持シャンク14、または図示するようにハンドル部12の一部である電極シャンクオーバーモールドによって形成することができる。第1停止部51および第1カウンタ停止部53は、電極先端50aの方向または電極15もしくは電極保持シャンク14の軸方向における光ファイバ24の位置を規定する働きをする。第1停止部51および第1カウンタ停止部53によって、電極先端50aと入光口31との最大距離が規定される。電極15に対する光ファイバ24の位置は、光ファイバ24が電極15の先端50aの前方のエリアに対向するように規定されることが好ましい。光ファイバ24の光軸OAは、電極15の先端50aの前方の点において、電極先端50aの前方のエリア、好ましくは電極15の縦軸ELAと交差する。
【0058】
アプリケータ11の軸方向の固定、特に位置決めのための第2停止部54は、装置10の近位部分18に形成される。器具11の第2カウンタ停止部55は、実施形態において、アプリケータ11の近位端によって形成される(
図4c参照)。第2停止部54および第2カウンタ停止部55は、装置10の遠位端29から遠ざかるアプリケータ11の望ましくない動きを回避する。そうすることで、電極先端50aと光ファイバ24の入光口31との最小距離を維持することができる。電極15の先端50aに対する光ファイバ24の入光口31の位置は、最大、光ファイバ24による光分析に影響を与えない軸方向Rにおける器具11と装置10とのクリアランスを除いて、停止部/カウンタ停止部の対51、53、54、55によって軸方向に規定される。特に、電極先端50aは、装置10と器具11との連結が確立されている場合、
図4cおよび
図4dに示すように光ファイバ24の受光角47内に保持される。光ファイバ24の受光角47は、RF電極15の先端50aが受光角47の中心に位置し、電極15の周りの左右(一方の狭い面および反対の狭い面)で出現光を捕らえるように方向付けられることが好ましい。
【0059】
発散光源を形成するRFスパークから可能な限り多くの光を捕らえるために、光ファイバ24の入光口31の直径は、可能な限り大きくするべきであり、入光口31は、位置を維持するように電極先端50aにおいて、出現光、例えばRFスパークの生成位置に可能な限り近接して配置するべきである。しかしながら、例えば、煙粒子、エアロゾル、または、吹き飛ぶ組織液滴、例えば脂肪液滴による光ファイバ24のコンタミを防ぐためには、光ファイバ24の入光口31は、出現光の生成位置から可能な限り遠ざけて位置しなければならないであろう。アプリケータ11の位置を第1停止部51と第2停止部54との間に装置10に対して規定することによって、一方で集中的受光、そして他方で、多くても低コンタミが保証される。
【0060】
電極15の作用部分15aは、例えば、(図示するような)スパチュラ状または針状にすることができる。電極15は、装置10の遠位端29から突出するか、または装置10の遠位端29を越えて遠位方向に突出する。例えば、電極15は、電極15の(スパチュラ面としても表すことができる)平坦面50bが光ファイバ24の入光口31に斜めに対向するように方向付けられる。あるいは、電極15は、入光口31が電極15の(縁部としても表すことができる)狭い面50d、50eに対向するように方向付けることができる。電極15の縦軸ELA、例えばスパチュラ状作用部15aの縦軸を中心とする装置10または光ファイバ24の回転の向きは、例えば器具11と装置10との連結中、一例としてアライメント構造体56およびカウンタアライメント構造体57によって規定することができる。
【0061】
アライメント構造体56およびカウンタアライメント構造体57の例を
図4eに示す。1つのアライメント構造体56と1つのカウンタアライメント構造体57との対は、例えば空洞部56および突出部57からなることができ、突出部57は、空洞部56に対して動き、空洞部56内に入らねばならない。図示するように、空洞部56および/または突出部57は、それらの幅Bが空洞部56の入口から移動方向に減少するように構成することができる。電極15の縦軸ELAを中心とする光ファイバ24の向きが、器具11と装置10との連結中に規定されるように、アプリケータ11の周囲のアライメント構造体56は、例えば電極15が第1取付部25内で前進中、装置10のカウンタアライメント構造体57と係合する。明らかに、アライメント構造体56は、代替的に装置10に形成することができ、カウンタアライメント構造体57は、代替的に器具11に形成することができる。矢印Pは、連結を確立している間、器具11が装置10内で前進する移動方向を示す。
【0062】
手術中、装置10と器具11とが組み立てられている間、デバイスのユーザ、例えば外科医または外科医の助手は、例えば以下のように進めることができる。ユーザは、ここで第1取付部25内で電極15を縦軸Lに沿って動かすことができるように、装置10の近位部分21を、移行部分22のばね力に抗して遠位部分17の縦軸または第1取付部25の縦軸Lから遠ざかるように横方向に押圧する(
図2aの矢印PP参照)。第1取付部25は精密嵌合によって電極保持シャンク14を保持するため、近位部分21を横方向に押しのけることなく電極15が第1取付部25内で動き得るようにアプリケータ11を装置10に対して位置合わせすることはできない。第1カウンタ停止部53と第1停止部51とが互いに対して当接するまでに、ユーザは、ばね力により自動的に近位部分21によって行われる近位部分21の逆の動きを解放することによって、アプリケータ11を第1カウンタ停止部53と第2カウンタ停止部55との間で軸方向に装置10内に係止することができる。これにより、移行部分22は、縦軸Lに向かう方向に近位部分21を横方向に解放し、動かす。器具11を装置10内に位置決めすることによる互いへの装置10の取付けの追加または代替として、例えば、弾性可撓性部分を有する1以上のクランプまたはクリップを用いて装置10を器具11に取り付け(図示せず)、弾性変形可能部分がその間で装置10および/または器具11を締め付けることも可能である。
【0063】
器具11が装置10内に配置される場合、例として
図4b、
図4cおよび
図4dに示したように、電極15または電極保持シャンク14は、光ファイバ24が底壁部分46に対して終端する装置10の領域44をほぼ閉じる。したがって、電極15および装置10は、ライン28の遠位端32の出口と装置10の遠位端29との間のチャネル部分58を制限する。装置10を備えた器具11の動作中、チャネル部分58には、ライン28を介して洗浄媒体を供給することができる。流れまたは洗浄媒体は、チャネル部分58を制限する電極保持シャンク14および/または電極15の底面16aに接触し、冷却する。電極保持シャンク14の上面16bは、電極15が十分放熱するように、チャネル部分58に隣接する他方側で露出することが好ましい。上面16bと、装置10または器具11の環境との間には、特に、装置10の壁部分は配置されない。
【0064】
外科医は、例えば以下のように、器具11または装置10を用いて手術することができる。アプリケータは、装置10を用いなくても使用可能であることが好ましい。アプリケータ11の外科的使用中に、ユーザは、ハンドル部12によって保持することでアプリケータ11を案内し、それによって、アプリケータ11を用いて組織に作用を及ぼす。例えば、外科医は、装置10をアプリケータ11に連結することなく、アプリケータ11によってRF外科的方法で手術部位を開き、露出させることができる。医学的介入のこの段階では、通常、光分析は必要ない。したがって、光ファイバ24の不必要なコンタミは、この段階では完全に避けることができる。外科医が、説明した方法で準備介入が実行される位置を準備した場合、外科医または外科助手は、装置10ひいては光ファイバ24を器具11に正確な位置で迅速に連結することができる。ここで、信頼性のある光分析が光ファイバ24によって可能となる。
【0065】
装置10を備えるシステムは、遠位端における光ファイバ24の周りの流れによって最初からコンタミを防ぐことができるように、装置10が器具11に連結される場合は、アプリケータ11に高周波(RF)エネルギーが供給される前に、流れまたは洗浄媒体のスイッチが自動的に入るように構成することができる。例えば、洗浄媒体として気体を使用することができる。あるいは、システムは、例えば、器具11が装置10に連結されるという条件で、ライン28に洗浄媒体が供給される場合にのみ、電極15へのRFエネルギーの供給が解除されるように構成することができる。洗浄媒体流は、介入位置から吹き飛んだ液滴および/または飛散粒子が光ファイバ24の入光口31に当たらないように、それらを減速させ、可能な限り偏向させる。洗浄媒体の質量流量または体積流量は、手術精度に影響を与えず粒子および/もしくは液滴を確実に減速および/もしくは偏向させる方法で、システムによって、ある値に調整できるか、または、介入が行われる標的組織もしくは標的構造体が変位する最大値に制限できることが好ましい。また、システムによる最大体積流量および最大圧力の調整または制限によって、ガス塞栓症を避けることが好ましい。狭い体腔内において、洗浄媒体の体積流は、さらに、煙および/または血液もしくは融解脂肪などの液体媒体を除去し、ひいては手術部位の視界を改善することができる。
【0066】
外科医は、手術のために、器具11のハンドル12を含む、器具11と装置10との組立体を装置10で握ることができる。ここで装置10は、少なくとも、組立体を操作するためのハンドルピースの一部として機能する。ここで、電極15のRFエネルギー供給のスイッチが再度入れられ、外科医は、器具を用いて手術部位の作業を続けることができる。それによって生じた光、例えばスパーク光は、入光口31に入り、例えば、処置された組織に関する情報を外科医に提供するために、図示していない分析デバイスによって分析される。
【0067】
図1a~
図4eは、受光デバイス24が電極15の作用部15aの平坦面50bに斜めに対向している、すなわち、平坦面50bが入光口31に斜めに対向している装置10の実施形態を示しているが、受光デバイス24の入光口31は、また、電極15のスパチュラ状作用部15aの狭い面(または縁部)50dに対向することもできる。電極15の作用部分15aと受光デバイス24とのそのような相対位置を、例に基づいて
図5aに示す。受光角47の中心軸MAは、電極15の縦軸ELAに対して鋭角に方向付けられる。
【0068】
図5bは、受光デバイス24が電極15に対して、受光角47の中心軸MAが電極15の縦軸ELAに直交するように延在するような位置に配置される別の例を示す。
【0069】
図6は、光分析用の受光角47を規定する受光デバイス24を、トロカール59を介して腹腔60に挿入される腹腔鏡手術用の器具11に取り付けるための装置10の実施形態を示す。器具11は、電気RFエネルギーが供給され得る電極15を含む。トロカール59は、装置10が取り付けられた器具11にアクセスできるようにし、装置10および器具11は、ガスがトロカール59を通って腹腔60から望ましくない方法で漏れ得ないよう、導入されている装置10および器具11の周りのアクセスが封止された状態に保たれるように構成される。幾何学的外輪郭は、トロカール59を介したアクセスがそれぞれ封止されるように円形であることが好ましい。器具11および光ファイバ24は、機械的損傷を避けるために、管、例えばライナ管の内部に平行に案内することができる。例えば、装置10は、器具11のユーザが器具11に取り付けることができ、好ましくは器具11から取り外すことができるか、または器具11自体に形成することができるアダプタにすることができる。例えば、装置10は、必要に応じて光ファイバ24を挿入するか、または挟み込むことができる器具11上の開口部またはチャネルである。
【0070】
図7は、内視鏡手術用の器具11に光分析用の受光デバイス24を取り付けるための装置10の実施形態を示す。例えば、器具11は、電極15を有するフレキシブルプローブにすることができ、フレキシブルプローブは、RFエネルギーが供給される電極15によって切断および/または凝固を可能にし、RFエネルギーの出現光は、受光デバイス24によって調べることができる。器具11は、例えば、アルゴンプラズマ凝固プローブにすることができる。代替または追加として、器具11は、誘電バリア放電を使用することができる。
【0071】
図8a~
図10bは、選択肢として吸引部61に連結される装置10の実施形態の例を示す。吸引部61は、外科医またはその助手によって手術中に装置10に連結できることが好ましい。
図9に矢印PFで示すように、例えば装置10が器具11に連結される場合、吸引部61は、装置10上を摺動可能に移動できることが好ましい。吸引部61は、ツールを使用することなく装置10に連結可能であることが好ましく、装置10から非破壊的に外すことができる。矢印PSで示すように、吸引部61は、遠位部分61bに可撓性を有して弾性的に連結され、かつ吸引部をデバイスに連結するためにまず離れる方向に曲がらなければならない近位部分61aを有することができ、吸引部61および装置10を互いの中に摺動可能に動かした後、初期位置での弾性解放により、装置10が遠位部分61bと共に形状嵌合によって吸引部61内に取り付けられる。これは、上述のような、ハンドル12への装置10の好ましい取付けに対応する。追加または代替として、例えば、弾性可撓性部分を有する1以上のクランプまたはクリップを用いて吸引部61を装置10および/または器具11に取り付け(図示せず)、弾性変形可能部分がその間で装置10および/または器具11を締め付けることも可能である。
【0072】
吸引部61は、遠位部分61b内に入れ子状に案内され、かつ必要であれば、(
図10aに示される)近位位置から(
図10bに示される)遠位位置への遠位方向におけるスライド部分62の前方への摺動可能な動きによって変位可能である延長部分61cを含むことが好ましい。
【0073】
吸引部61は、手術部位の視界を改善するために遠位端を透明にすることができる。例えば吸引部61は、設けられるならば、少なくとも、透明プラスチックの延長部分61cからなる。好ましい実施形態では、吸引部61および装置10は、遠位端が透明である。
【0074】
上述の実施形態の代替として、吸引部61を装置10の着脱不能な部品にすることもできる。
【0075】
吸引部61は、RF外科適用中に生じる手術部位からのガスを吸引によって消散させる働きをする。吸引部61は、図示した実施形態において、遠位部分61bおよび延長部分61cを通って吸引部61の遠位端の吸引開口部63aまで延在する吸引チャネル63を含む。洗浄チャネル58を制限し、光ファイバ24を含む装置10は、吸引部61を通って、図示した実施形態においては吸引チャネル63、特に吸引開口部63aを貫通して延在する。RF電力の供給用電線68(RF供給ライン)と、洗浄媒体用ラインと、吸引ライン64とは、
図8a~
図8bにおいて、互いに隣接してハンドル12、装置10または吸引部61に向かって延在するのが示されているが、光ファイバ24も含むことが好ましい洗浄媒体用ライン28は、例えば、吸引ライン64の内部に配置されてハンドル12の近位にすることができる。
【0076】
この実施形態では、吸引開口部63aは、延長部分61cの各位置において近位方向にずれた洗浄チャネルの口部58aと比較される。
図4dにおいて、洗浄チャネルの口部58aは、例えば、装置10の遠位端におけるチャネル部分58の口部である。装置10の遠位端29における洗浄チャネル58の口部58aの開口領域および/または洗浄媒体用ライン28の開口部28aの開口領域は、ライン28の遠位端32において、吸引チャネルの吸引開口部63aの自由開口領域より小さいことが好ましい。このようにして、洗浄チャネル58の口部58aおよび/またはライン28の開口部28a内に比較的高い流速を実現することができる。しかしながら、組織の膨張または拡張を避けるためのシステムは、吸引チャネルへの吸引体積流量(例えば50~120l/min)が、洗浄チャネル58から出る洗浄体積流量(例えば約1l/min)よりも例えば少なくとも10倍高くなり得るように構成するか、または調整することができる。これは特に、システムが、洗浄媒体を用いた洗浄と吸引部61による吸引での消散とが同時に行われるように構成されるか、または調整される場合、有利である。吸引チャネル63の吸引開口部63aの自由開口領域は、電極15と、洗浄チャネル58および受光デバイス24が中に配置される装置10の遠位端29における部分とを取り囲み、洗浄チャネル58および受光デバイス24は、吸引チャネル63の吸引開口部63aを貫通して延在する。
【0077】
別の実施形態において、吸引開口部63aは、洗浄チャネル58の口部58aよりも電極15の遠位端側に配置することができる。そのような実施形態を
図13および
図14に示す。この実施形態では、洗浄媒体または吸引の他の体積流量を用いることができる。例えば、吸引の体積流量は、洗浄媒体または洗浄ガスの体積流量よりも6~8倍大きくすることができる。一実施形態では、吸引体積流量は50l/minにすることができ、洗浄媒体の洗浄体積流量は約7l/minにすることができる。
【0078】
体積流量のリットルの表示はすべて、流体の標準体積(標準リットル)を指す。
【0079】
装置10が吸引部61に連結可能か、または吸引部61が装置10から着脱不能かとは無関係に、装置10は、いくつかの、またはすべての実施形態において、アプリケータ11に対する受光デバイス24の離散的様々な可能位置を規定することができる。アプリケータ11がハンドル12に対する電極15の離散的様々な可能位置を規定する場合、装置10は、ハンドル12によって、電極15に対する受光デバイス24の離散的複数の可能位置を提供する。様々なすべての位置は、(装置10、器具11および受光デバイス24が互いに決定される場合)器具11によって生じる出現光の十分な量の光を受光デバイス24が受け得ることが保証される点を特徴とする。
図8aに示す位置(0°位置)は、電極15の縦軸ELAを中心とする、装置10ひいては受光デバイス24の(約90°回転した)異なる回転向きだけ、
図8bによる位置(90°位置)と異なる。例えば、離散位置は、
図4eに示すように、構造体56、57により、電極15の縦軸ELAを中心とする回転方向に形状嵌合によって規定することができる。
図8aおよび
図8bに示す器具11は、
図4a~
図4dによる器具11のように構成されることが好ましい。電極15の向きのみが、0°位置において、受光デバイス24が電極15の狭い面50dに対向するようになっている。したがって、90°位置において、受光デバイス24は、スパチュラ状電極15の平坦面50bに対向する。このように、外科医は、手術中、受光デバイス24がスパチュラ状電極15の縁部50d、50eに直接対向するものとするか(
図8a)、または受光デバイス24が両縁部50d、50eから光をほぼ等しく受けることができるものとするか(
図8b)を選択することができる。外科医が手術に両縁部50d、50eを使用したい場合、後者が有利であり得る。外科医が、受光デバイス24が方向付けられる縁部50dのみを手術に使用したい場合、前者が有利になり得る。その理由は、受光デバイス24が、縁部50dからの光を、反対の縁部50cからの光よりも多く受けることができるからである。
【0080】
装置10の
図11a~
図11cに示す実施形態については、
図4a~
図4dによる実施形態に関する説明を参照することができ、これらの実施形態は、
図11a~
図11cによる装置10が電極15を備えるという点で互いに区別される。電極15は、装置10がハンドル12に連結されなければならないという要件を伴わず、装置10によって支持される(
図11bの縦断面図と
図11cの縦断面図との比較)。装置10は、受光デバイス24が電極15の平坦面50bもしくは50dに対向するようなものを除いて、または代替として受光デバイス24が電極15の縁部50dもしくは50eに対向するようなものを除いて、電極15に対する受光デバイス24の位置を特に規定する。特に、装置10は、受光デバイス24に対する電極15の単一の可能位置を規定することができる。電極15の作用部15aは、取付孔35内に保持される電極保持シャンク14内に保持される。装置10ひいては光ファイバ24に対する電極保持シャンク14ひいては電極15の位置は、結合要素65によって、変わらないように設けることができる。ワンピース要素またはマルチピース要素にすることができる電極保持シャンク14は、ハンドル12を電極保持シャンク14に機械的かつ電気的に結合する形状嵌合構造体66を含むことができる。
【0081】
それぞれのハンドル12は、別個の器具部品として
図11aに側面図で示す。装置10とハンドル12との組立ては、上述したように手術中に行うことができ、それとは異なり、ハンドル12と電極15との動作可能な器具11は、組立て中に作られる。これにより、電極15が中に保持される電極保持シャンク14は、ハンドル12の取付部67に挿入され、例えば、形状嵌合構造体66によって動かないように取り付けられる。これにより、電極保持シャンク14は、ハンドル12へ向かうRF供給ライン68に電気的に接続されることが好ましい。そして、電極15には、電極保持シャンク14を介して電気エネルギーを供給することができる。
図11a~
図11cによる例の実施形態により、ハンドル12および装置10を、
図8aおよび
図8bに従い、受光デバイス24と電極15との相対位置を変えることなく(例えば、受光デバイス24は、電極15の平坦面50bに対向する)、例えば回転してずれた位置、例えば約90°で組み合わせることができる。
【0082】
図12a~
図12bは、本発明の装置10に結合されたハンドル12を示す。ハンドル12と装置10の遠位端との間に、装置10内に保持される延長要素70が配置される。延長要素70は、ハンドル12を装置10に機械的に結合し、RF供給ライン68をライン部71を介して電極15に電気的に結合する。電極15は、延長要素70または装置10によって支持することができる。電極15が延長要素71によって支持される実施形態の例については、電極15が器具11の器具部品、例えばハンドル12によって支持される実施形態に関する上記の説明を参照することができる。電極15が装置10によって支持される実施形態の例については、電極15が装置10によって支持される実施形態に関する上記の説明を参照することができる。
【0083】
外科器具11のユーザが光分析用の受光デバイス24を器具11または器具11の器具部品12に外科器具11のユーザによって取り付けるための本発明の装置10が提供される。装置10は、受光デバイス24を器具11または器具部品12に取り外し可能に取り付けることが好ましい。装置10は、繰り返し取り外すことができ、繰り返し使用することができるように構成されることが好ましい。単純な場合、器具は、電極15を有するハンドル12にすることができる。装置10の実施形態は、受光デバイス24と、受光デバイス24に対して相対的に取り付けられる電極15とを備え、装置10は、ハンドル12に取り付けることができる。電極15が装置10ではなく器具11によって支持される実施形態が可能である。しかしながら、電極15が装置10の非破壊的に取り外し可能な部分であるか、または装置10内に動かないように設置される実施形態が好ましい。装置10が、外科ユーザまたはその助手によって器具11または器具部品12に取り付け可能(好ましくは再度取り外し可能)であり、受光デバイス24を器具11または器具部品12に取り付けるためのアダプタを形成する実施形態が好ましい。他の実施形態では、装置10は、器具11上、例えば、光ファイバ24を挿入することができる器具11内のチャネル上に形成される。電極15に対する受光デバイス24の回転移動および/または並進移動は、電極15の遠位端、および/または器具11の使用中に高周波エネルギーを電極15に供給することによって生じる出現光が、受光デバイス24の受光角47内に常にとどまっているように装置10によって制限されることが好ましい。装置10の第1取付部25の形状は、電極15の先端もしくは遠位端50、および/または、器具11の使用中に高周波エネルギーを電極15に供給することによって生じる出現光が、受光デバイス24の受光角47内の任意の残留位置にあるような相対位置および相対向きを除いた、電極15に対する受光デバイス24の相対位置および相対向きを規定するために器具11の形状に合わせることが好ましい。
【符号の説明】
【0084】
10 装置
11 器具/アプリケータ
12 ハンドル
13 操作要素
14 電極保持シャンク
15 電極
15a 作用部分
16a 電極保持シャンクの底面
16b 電極保持シャンクの上面
17 遠位部分
18 近位端部分/ハーフシェル
19 縦面
20 上面
21 近位部分
22 移行部分
24 受光デバイス/光ファイバ
25 第1取付部/第1取付チャネル
26 形状嵌合部分
27 第2取付部
28 ライン
28a ラインの開口部(口部)
29 デバイスの遠位端
30 壁面
31 入光口
32 ラインの遠位端
33 ライン部分
34 光ファイバの端部分
35 取付孔
36 保持要素
37 内壁面
38 光ファイバの遠位端
39 支持部分
40 取付壁
41 屈曲部
42 取付エリア
44 領域
45a、b 側壁部分
46 底壁部分
47 受光角
50a 電極の先端
50b 電極の平坦面またはスパチュラ面
50c 電極の平坦面またはスパチュラ面
50d 電極の狭い面または縁部
50e 電極の狭い面または縁部
51 第1停止部
52 壁部分
53 第1カウンタ停止部
54 第2停止部
55 第2カウンタ停止部
56 アライメント構造体
57 カウンタアライメント構造体
58 チャネル部分
58a チャネル部分/洗浄チャネルの口部
59 トロカール
60 腹腔
61 吸引部
61a 近位部分
61b 遠位部分
61c 延長部分
62 スライド部分
63 吸引チャネル
63a 吸引開口部
64 吸引ライン
65 結合要素
66 形状嵌合構造体
67 取付部
68 供給ライン
70 延長要素
71 ライン部
B 幅
L 縦軸
OA 光軸
MA 中心軸
MAV 遠位部分の中心軸
ELA 電極縦軸
LK 受光角
W1 角度
W2 光ファイバの縦軸と第1取付部/電極との角度
P 矢印
PP 矢印
PF 矢印
PS 矢印
R 軸方向
【外国語明細書】