(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067088
(43)【公開日】2022-05-02
(54)【発明の名称】油性化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/81 20060101AFI20220422BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20220422BHJP
A61Q 1/04 20060101ALI20220422BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20220422BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
A61K8/81
A61Q1/00
A61Q1/04
A61K8/37
A61K8/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021170572
(22)【出願日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】P 2020175661
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(72)【発明者】
【氏名】木村 孝行
(72)【発明者】
【氏名】安部 睦
(72)【発明者】
【氏名】大塚 千恵
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AA112
4C083AA122
4C083AA162
4C083AB012
4C083AB172
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB432
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC111
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC242
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC472
4C083AC662
4C083AC792
4C083AC852
4C083AD022
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD072
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD572
4C083AD642
4C083AD662
4C083BB13
4C083BB60
4C083CC01
4C083CC12
4C083CC13
4C083CC14
4C083CC33
4C083DD11
4C083DD30
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【解決課題】色持ち、色移りのしにくさ、塗布時のなめらかさ、塗布膜の負担感のなさ、塗膜の均一性に優れた油性化粧料の提供。
【解決手段】
(A)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体、(B)成分(A)と25℃で混合したときに白濁かつ均一に混合することができる25℃で液状の油剤
(C)油性ゲル化剤
を含有する油性化粧料であって、該化粧料に含まれる成分(B)を含む液状油全量に対して成分(B)の含有率が50質量%以上である油性化粧料
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(C);
(A)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体
(B)成分(A)と25℃で混合したときに白濁かつ均一に混合することができる25℃で液状の油剤
(C)油性ゲル化剤
を含有する油性化粧料であって、該化粧料に含まれる成分(B)を含む液状油全量に対して成分(B)の含有率が50質量%以上である油性化粧料。
【請求項2】
成分(A)アクリル系アルキル/酢酸ビニル共重合体が、(メタ)アクリル酸アルキルと酢酸ビニルとを質量比30:70~5:95の範囲で共重合させたものである請求項1に記載の油性化粧料。
【請求項3】
成分(A)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体の数平均分子量が5万~50万である請求項1または2に記載の油性化粧料。
【請求項4】
成分(A)が、成分(B)の一部または全部を溶媒とするディスパージョンである請求項1~3のいずれかの項に記載の油性化粧料。
【請求項5】
さらに成分(D)多価アルコールを含有する請求項1~4のいずれかの項に記載の油性化粧料。
【請求項6】
成分(D)がジプロピレングリコールである請求項5に記載の油性化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は油性化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、口紅等の油性のメーキャップ化粧料においては、経時による色もち及びツヤもちのよさに加え、化粧料が衣服やカップに色移りしにくい二次付着レス効果も重要な品質として求められている。これまでにも、経時による色もちやツヤもちのよさや二次付着レス効果を具現化する様々な検討がなされている。例えば、オルガノシロキサン樹脂、特定粘度の流体ジオルガノポリシロキサンポリマー、揮発性油剤を組み合わせた、口唇に塗布され転写抵抗性(二次付着レス)を有する技術(例えば、特許文献1参照)や、モノイソステアリン酸グリセリン、特定のメチルフェニルシリコーン、水又はグリセリン及びワックスを組み合わせて二次付着レス性を有し、塗布後のツヤが持続する唇用化粧料の技術(例えば、特許文献2参照)等があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2000-501075号公報
【特許文献2】国際公開WO2010/113956
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は、二次付着レス効果には優れるものの、シリコーン樹脂によるフィルムを形成するものであるため、乾燥後の負担感を強く感じるものであった。また、特許文献2の技術は、二次付着レス性を有し、塗布後のツヤが持続するものの、口唇上での違和感や、負担感を感じることがあった。
本発明は色持ち、色移りのしにくさ、塗布時のなめらかさ、塗布膜の負担感のなさ、塗膜の均一性に優れた油性化粧料の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記実情を鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体と液状油と油性ゲル化剤とを組み合わせた油性化粧料に関し、アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体が塗布後直ちに均一性が高い柔軟な化粧膜を形成し、優れた色持ち、色移りのしにくさに優れ、更には塗布がなめらかで負担感を感じない塗布膜を形成することを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、以下のものを含むものである。
[1] 次の成分(A)~(C);
(A)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体
(B)成分(A)と25℃で混合したときに白濁かつ均一に混合することができる25℃で液状の油剤
(C)油性ゲル化剤
を含有する油性化粧料であって、該化粧料に含まれる成分(B)を含む液状油全量に対して成分(B)の含有率が50質量%以上である油性化粧料。
[2]前記成分(A)アクリル系アルキル/酢酸ビニル共重合体が、(メタ)アクリル酸アルキルと酢酸ビニルとを質量比30:70~95:5の範囲で共重合させたものである油性化粧料を提供するものである。
[3]前記成分(A)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体の数平均分子量が5万~50万である油性化粧料を提供するものである。
[4]前記成分(A)が、成分(B)の一部または全部を溶媒とするディスパージョンである油性化粧料を提供するものである。
[5]さらに成分(D)多価アルコールを含有する前記油性化粧料を提供するものである。
[6]前記成分(D)がジプロピレングリコールである油性化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の油性化粧料は、色持ち、色移りのしにくさ、塗布膜の負担感のなさに優れるものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書においては、質量%の記載を以下単に「%」とのみ記載とする場合がある。また~を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。
【0009】
本発明に用いられる成分(A)アクリル酸アルキル/酢酸ビニル共重合体は、INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)で、ACRYLATES/VA COPOLYMERとして収載される成分に相当する。成分(A)は、(メタ)アクリル酸アルキル(アクリル酸アルキル及び/又はメタクリル酸アルキル)と、酢酸ビニルとを共重合して得られるものであり、(メタ)アクリル酸アルキルとして、アルキル基の炭素数が1~4、8又は12の(メタ)アクリル酸アルキルの1種又は2種以上が用いられる。成分(A)を構成する(メタ)アクリル酸アルキルと酢酸ビニルの質量比は特に制限されるものではないが、30:70~95:5((メタ)アクリル酸アルキル:酢酸ビニル)が好ましく、40:60~70:30の範囲がより好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルの割合が上記範囲であると、成分(A)が液状油剤中で粒子状態で存在することができ、粒子同士が接着する塗布膜を作るため、化粧膜の持続性や負担感のなさの点で好ましい。
【0010】
成分(A)の数平均分子量は特に制限されるものではないが、化粧料及び塗布膜における色素や金属酸化物の分散安定性による色変わりのなさ等の観点から5万~50万が好ましく、5万~30万がより好ましい。数平均分子量は、ゲルパーミュレーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算値である。また成分(A)を構成するモノマーのうち、(メタ)アクリル酸アルキルのみを重合した重合体のガラス転移点(Tg)は、化粧料及び塗布膜における金属酸化物の分散安定性等の観点から下限として10℃以上であることが好ましく、15℃以上がより好ましく、20℃以上がさらに好ましい。上限としては50℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましい。
【0011】
成分(A)は、公知の方法によって得ることができ、例えば、非水溶媒中で、(メタ)アクリル酸アルキルと酢酸ビニルを重合反応させる方法のほか、調製したアクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体を非水溶媒中に分散させたディスパージョンの形態としても製造できる。
【0012】
本発明の油性化粧料における成分(A)の含有量は特に制限されないが、化粧料中に下限値として0.5%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、5%以上が特に好ましい。また上限値として30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下が特に好ましい。この範囲であると、化粧膜の持続性、塗布時の色変わりや負担感がない仕上がり等の点において、より優れたものとなる。
【0013】
本発明の油性化粧料において、成分(A)は後述する成分(B)の全部または一部に粒子状態で均一に分散した混合物(ディスパージョン)として用いることができる。こうしたディスパージョンとして用いると、化粧膜の柔軟性が得られやすい。この場合、成分(A)と成分(B)の含有質量比(A)/(B)は、化粧料及び塗布膜における色素や金属酸化物の分散安定性等の観点から、1以下であることが好ましい。成分(A)はあらかじめ分散媒と混合したディスパージョンとした市販品を使用することもでき、例えば、イソドデカンを分散媒とするニッセツ U-3712A(日本カーバイド工業社製)等があげられる。
【0014】
成分(A)の平均粒子径は、化粧料及び塗布膜における金属酸化物の分散安定性の観点から0.1~2μmであることが好ましい。平均粒子径は、レーザー回折法を用い、以下の方法により求められる。
レーザー光(赤色)の透過率が80%~90%になるように、成分(A)の濃度を調整したイソドデカン分散液を、縦5mm、横65mm、及び高さ80mm角のガラスセル中にパスツールピペットを用いて5mL採取し、これをレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置〔堀場製作所社製のLA-910A〕にセットする。これを、測定温度25℃±1℃の条件で測定した結果をコンピュータ処理することにより、分散液中の樹脂の粒子の平均粒子径を求め、体積平均(D50)の値を平均粒子径とする。
【0015】
成分(B)は、成分(A)と混合した場合に、白濁かつ均一に混合できる25℃で液状の油剤である。成分(B)は(A)を化粧料中に粒子状態で均一に分散したディスパージョン状態を保つことができ、負担感のない化粧膜を作ることができ好ましい。
ここで、白濁かつ均一に混合できるとは、成分(A)と成分(B)を質量比1:9で混合、撹拌し、25℃で24時間静置した後の状態が、透明溶解や、凝集、沈降などが見られず、全体が均一に白濁した分散状態を保っているものをいう。
【0016】
特に限定されないが、成分(B)として以下のものが例示される。
炭化水素油としては、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン等があげられる。
脂肪酸エステルとしては、塗布時のなめらかさ、色持ちの観点から構成する脂肪酸のアルキル基が2~18であるものが好ましく、4~16であるものがより好ましく、8~12であるものが特に好ましい。好適な脂肪酸エステルとして、例えば、ジ-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸ジエチルヘキシル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、イソノナン酸イソトリデシル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘキシル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、デカエチルヘキサン酸ポリグリセリル-10、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、トリメリト酸トリトリデシル、ヘキサイソノナン酸ジペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸ジグリセリルなどがあげられ、なかでも、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸ジエチルヘキシル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、イソノナン酸イソトリデシル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘキシル、イソステアリン酸が好ましく用いられる。
高級脂肪酸としては、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸等があげられる。
シリコーン油としては、フェニル基を含有するものが好ましく、ジフェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、トリメチルシロキフェニルジメチコン等があげられる。
成分(B)は、これらの油剤を1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0017】
成分(B)は(A)を溶解せずに、均一に分散した状態に保つため、柔軟で負担感のない化粧膜を作ることができ、好ましい。成分(B)は、特に限定されないが、色持ち、色移りしにくさの点から揮発性のものが好ましく、揮発性炭化水素油がより好適である。揮発性炭化水素油とは、常圧における沸点が260℃以下の炭化水素であり、例えば、イソオクタン、イソドデカン、イソヘキサデカン、イソエイコサエン等の側鎖を有する炭化水素、イソパラフィン、或いはこれらの混合物、イソブテン、n-ブテン等を重合或いは共重合(重合度は4~6が好ましい)した後、水素添加したもの等を挙げることができ、必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でもイソドデカン含むことが好ましい。
【0018】
成分(A)と各油剤との分散状態の確認実験を行い、その結果を表1に示す。
Tg30℃の(メタ)アクリル酸アルキルと酢酸ビニルが比率50:50の成分(A)を5gとイソドデカン5gとを均一に混合し、各種油剤40gを加え混合、撹拌したのち、ガラス瓶に充填し密封し、25℃で24時間静置したのち、状態を目視にて観察した。
【0019】
【0020】
本発明の油性化粧料には成分(B)以外の25℃で液状の油剤を含有することができ、負担感のなさにおいて不揮発性油を含むことが好ましく、脂肪酸エステル、高級脂肪酸が好ましい。
【0021】
本発明の油性化粧料における成分(B)を含む25℃で液状の油剤の含有量は下限値として50%以上であり、好ましくは55%以上であり、65%以上が特に好ましい。上限値として95%以下が好ましく、80%以下がより好ましく、70%以下が特に好ましい。成分(B)は、化粧料に含まれる液状油全量に対して成分の含有率が50質量%以上含有され、これより少ないと、化粧膜の均一性が損なわれ、色移りのなさや、色もちのよさが得られにくい。
【0022】
本発明の成分(C)は、油性成分をゲル化させるものであれば特に限定されず、例えばワックス、デキストリン脂肪酸エステル、イヌリン脂肪酸、固体の脂肪酸、金属石鹸、有機変性粘土鉱物、無水ケイ酸等が例示される。
【0023】
成分(C)の具体例としては、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、オゾケライトワックス、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス等のワックス類、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン、(パルミチン酸/ヘキシルデカン酸)デキストリン等のデキストリン脂肪酸エステル、ステアリン酸イヌリン、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ポリ12-ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸石鹸、ジメチルジステアルアンモニウムヘクトライト、ジメチルアルキルアンモニウムヘクトライト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム処理ケイ酸アルミニウムマグネシウム等の有機変性粘土鉱物、疎水化処理シリカ、シリカなどの無水ケイ酸などがあげられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0024】
成分(C)は、化粧料の性状や使用用途に応じて、適宜選択することができる。特に限定されるものではないが、25℃で流動性を有さない固形の油性化粧料においては、ワックス類を含むことが好ましく、その含有量は化粧料中に下限値として3%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、7%以上がさらに好ましい。また上限値として20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下であるとさらに好ましい。この範囲であると、化粧料の性状が維持され塗布時の滑らかさの点において好ましい。25℃で液状あるいはペースト状の油性化粧料においては、デキストリン脂肪酸エステル、イヌリン脂肪酸エステル、無水ケイ酸を含むことが好ましく、その含有量はデキストリン脂肪酸エステル、イヌリン脂肪酸エステルは、化粧料中に下限値として1%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、5%以上がさらに好ましい。また上限値として20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下であるとさらに好ましい。この範囲であると、化粧料の性状が維持され塗布時の滑らかさの点において好ましい。また、無水ケイ酸は化粧料中に下限値として0.5%以上が好ましく、1%以上がより好ましく、2%以上がさらに好ましい。また上限値として10%以下が好ましく、7%以下がより好ましく、5%以下であるとさらに好ましい。この範囲であると、化粧料の性状が維持され塗布時の滑らかさの点において好ましい。なお、これらの場合においても、成分(C)は1種または2種以上を用いることができる。
【0025】
本発明の油性化粧料は、さらに成分(D)多価アルコールを含有することで、色もちのよさ、色移りのしにくさの効果をより向上することができる。成分(D)は、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、具体的にはグリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、1,3-ブチレングリコールなどが例示される。成分(D)を含有することで、化粧膜の強度が上がり、色もちや色移りのしにくさが向上する。中でものIOB値が3以下のものが好ましく、2以下のものがより好ましい。具体的にはジプロピレングリコール(IOB=1.8)、ペンチレングリコール(IOB=2)、1,3-ブチレングリコール(IOB=2.5)などがあげられる。
【0026】
本発明の化粧料における成分(D)の含有量は特に制限されるものではないが、下限値として0.01%以上が好ましく、0.1%以上がより好ましく、0.3%以上が特に好ましい。また上限値として5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下が特に好ましい。この範囲であると色もち、色移りのしにくさの点で優れている。
【0027】
本発明の油性化粧料は、上記成分(A)~(D)以外の通常化粧料に含有される成分、例えば油性成分、水溶性高分子、保湿剤等の水性成分、粉体、界面活性剤、美容成分、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、香料等を本発明の効果を妨げない範囲で含有することができる。
【0028】
本発明の油性化粧料は色材を含有することが好ましい。色材としては、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、無機顔料、有機顔料、染料、光輝性粉体などがあげられる。具体的には酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、コンジョウ、群青、酸化鉄、オキシ塩化ビスマス等の無機粉体類、有機タール系顔料、カルミン等の有機色素、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラス末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末等の光輝性粉体などが例示される。これらの粉体は、1種又は2種以上を用いることができ、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、糖類、高級脂肪酸、アミノ酸類、界面活性剤等で表面処理を施してあってもよい。色材の含有量は、化粧料中に下限値として0.001%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましく、1%以上が特に好ましい。また上限値として10%以下が好ましく、7%以下がより好ましく、5%以下が更に好ましい。この範囲であると、化粧効果の発現が十分であり、色もち、色移りのしにくさの点で優れている。
【0029】
本発明の油性化粧料は、油性成分を主成分としたものであり、水性成分を含有しないか、1%未満含有するものであることが好ましい。液状、ペースト状、固形等のいずれの形状にも限定されないが、25℃で流動性を有しない固形であることが好ましい。また、口紅、リップグロス、リップクリーム、リップエッセンス、アイカラー、コンシーラー、メイク下地等のメークアップ化粧料に好適に用いることができ、色持ち、色移りしにくさ、塗布時のなめらかさ、塗布膜の均一性、負担感のなさに優れることから口紅、リップグロス等の口唇化粧料に特に好適に用いることができる。
【0030】
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0031】
下記表2~5に示す処方の油性化粧料を以下の製法に従って調製し、下記評価方法によって、イ.色持ちの良さ、ロ.色移りのしにくさ、ハ.塗布時のなめらかさ、ニ.塗布膜の均一性、ホ.負担感のなさ、の各項目について評価した。結果も併せて表中に示す。
実施例1~21および比較例1~3:油性固形化粧料
【0032】
【0033】
【0034】
(製造方法)
A.成分(6)、(7)と(12)~(18)を均一に混合する。
B.成分(1)~(5)、(8)~(11)を均一に混合し、100℃で溶解する。
C.Aに、成分(19)~(25)を加え、三本ローラーにて均一混合する。
D.CにAを均一に添加し、110度まで加熱、溶解する。
E.Dを容器に充填し、油性化粧料を得た。
【0035】
実施例22~36および比較例4~6:油性ペースト状化粧料
【0036】
【0037】
【0038】
(製造方法)
A.成分(6)、(7)と(12)~(18)を均一に混合する。
B.成分(1)~(5)、(8)~(11)を均一に混合し、90℃で溶解する。
C.Bに、成分(19)~(23)を加え、三本ローラーにて均一混合する。
D.CにAを添加、90度まで加熱、均一に混合する。
E.Dを容器に充填し、油性化粧料を得た。
【0039】
(評価方法)
表2~5の油性化粧料についてイ~ハの各項目について以下の評価方法により評価を行い判定基準により判定した結果を表中に記した。
【0040】
イ.色持ちの良さ:塗布3時間後に、どれだけ色味が残っているか
専門パネル20名が、各サンプルを唇に使用した後、通常の生活を行いパネル各人が下記絶対評価にて評価し、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定した。
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
3 :塗布直後と色味が変化していない
2 :わずかに色味が変化している
1 :色味が変化し、薄くなっている
0 :色味がほとんど消失している
<判定基準>
(評点平均値) :(判定)
2.5点を超える : ◎
1.5点以上2.5未満 : ○
1.5点未満 : ×
【0041】
ロ.色移りのしにくさ:塗布膜のティッシュへの移りにくさ
各サンプルについて、人工皮革に250μmの厚さで塗工し、塗工から5分後に塗膜の上からティッシュを1枚載せ、さらに上から1kgの重りを5秒間載せた後、ティッシュをはがした。はがしたティッシュの画像を取得し、単位面積あたりの白い部分(試料が色移りしていない部分)の面積の比率を算出し、下記判定基準により判定した。
<判定基準>
(白い部分の面積比率) :(判定)
70%以上 : ◎
50%以上70%未満 : ○
50%未満 : ×
【0042】
ハ.塗布時のなめらかさ:塗布時にひっかかりがなく、なめらかに塗れるかかどうか
各サンプルについて、専門パネル20名が唇に使用し、パネル各人が下記絶対評価にて評価し、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定した。
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
3 :非常になめらかである
2 :なめらかである
1 :ややなめらかさに劣っている
0 :なめらかではない
<判定基準>
(評点平均値) :(判定)
2.5点を超える : ◎
1.5点以上2.5未満 : ○
1.5点未満 : ×
【0043】
ニ.負担感のなさ:唇上で引っ張られるような感覚がなく、乾燥感を感じないかどうか
各サンプルについて、専門パネル20名が唇に使用し、パネル各人が下記絶対評価にて評価し、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定した。
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
3 :負担感や乾燥感を全く感じない
2 :負担感や乾燥感をほとんど感じない
1 :やや負担感や乾燥感を感じる
0 :負担感や乾燥感を感じる
<判定基準>
(評点平均値) :(判定)
2.5点を超える : ◎
1.5点以上2.5未満 : ○
1.5点未満 : ×
【0044】
ハ.化粧料の均一性:化粧料が均一で、凝集物・分離・沈殿などが見られないかどうか
各サンプルについて、調整後25℃で72時間経過後のサンプルの状態を目視にて下記判定基準により判定した。
<判定基準>
(サンプルの状態) :(判定)
凝集物や分離・沈殿が見られない :◎
やや凝集物が見られる :○
分離・沈澱物が見られるあり :×
【0045】
表2~5の結果から明らかなように、実施例1~35は、色持ち、色移りのしにくさ、塗布時のなめらかさ、塗布膜の負担感のなさ、塗膜の均一性に優れた化粧料であった。
一方、成分(A)を含有しない比較例1と4及び成分(C)を含有しない比較例7は、色持ちの良さと色移りのしにくさの点で劣る結果となった。成分(A)の代わりに、アクリル酸アルキル酢酸ビニル共重合体水系エマルション、トリメチルシロキシケイ酸を含有させた比較例2、3、5及び6は、評価項目のうち1つ以上について満足のいく結果が得られなかった。また、液状油全量に対し、成分(B)が50%以上とならない比較例8は均一性が著しく悪かった。
【0046】
実施例36:コンシーラー
(成分) (%)
1.(エチレン/プロピレン)コポリマー ※33 10.0
2.マイクロクリスタリンワックス ※34 2.0
3.エチルヘキサン酸セチル 残量
4.デカエチルヘキサン酸ポリグリセリル-10 5.0
5.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 3.0
6.スクワラン 2.0
7.イソドデカン ※6 20.0
8.(アクリル酸アルキル/酢酸ビニル)コポリマー ※12 15.0
9.ジプロピレングリコール 1.0
10.レモン果実エキス 0.05
11.ホウセンカエキス 0.05
12.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)
クロスポリマー ※35 7.0
13.メタクリル酸メチルクロスポリマー ※36 3.0
14.ポリメタクリル酸メチル ※37 1.0
15.酸化チタン 15.0
16.トリエトキシカプリリルシラン3%処理酸化鉄 3.0
17.香料 0.1
※33:EPSワックス (伊那貿易社製)
※34:MULTIWAX W445 (SONNEBORN社製)
※35:KSP-102 (信越化学工業社製)
※36:マツモトマイクロスフェアー M305-QD7 (松本油脂製薬社製)
※37:ケミスノーMR-5C(綜研化学社製)
(製造方法)
A:成分(1)~(6)を100℃で溶解し、均一に混合する。
B:Aに成分(9)~(17)を混合し、三本ローラーにて均一に分散する。
C:成分(7)、(8)を均一に混合しディスパージョンを得る。
D:BにCを加えた後、100℃まで加熱し、容器に充填し油性コンシーラーを得た。
以上のようにして得られたコンシーラーは、色持ち、色移りのしにくさ、塗布時のなめらかさ、塗布膜の負担感のなさ、塗膜の均一性に優れたものであった。
【0047】
実施例37:ファンデーション
(成分) (%)
1.ポリエチレン ※38 6.0
2.キャンデリラロウ ※2 2.0
3.ジカプリン酸PG 残量
4.トリエチルヘキサノイン 15.0
5.ジフェニルジメチコン 10.0
6.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5.0
7.イソドデカン ※6 10.0
8.水添ポリイソブテン ※7 5.0
9.(アクリル酸アルキル/酢酸ビニル)コポリマー ※12 10.0
10.ジプロピレングリコール 0.5
12.シャクヤク根エキス 0.05
13.ラベンダー花エキス 0.05
14.(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン
/シルセスキオキサン)クロスポリマー ※39 3.0
15.ナイロン-12 ※40 3.0
16.シリカ ※31 2.0
17.微粒子酸化亜鉛(平均粒子径35nm) 5.0
18.微粒子酸化チタン(平均粒子径25nm) 7.0
19.酸化鉄 3.0
※38:LIPWAX A-4(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※39:KSP300(信越化学工業社製)
※40:オルガソール2002D(アルケマ社製)
(製造方法)
A:成分(1)~(6)を100℃で溶解し、均一に混合する。
B:Aに成分(10)~(19)を混合し、三本ローラーにて均一に分散する。
C:成分(7)~(9)を均一に混合しディスパージョンを得る。
D:BにCを加えた後、100℃まで加熱し、容器に充填し油性ファンデーションを得た。
以上のようにして得られた油性ファンデーションは、色持ち、色移りのしにくさ、塗布時のなめらかさ、塗布膜の負担感のなさ、塗膜の均一性に優れたものであった。
【0048】
実施例38:アイカラー
(成分) (%)
1.合成ワックス ※41 4.0
2.(エチレン/プロピレン)コポリマー ※33 3.0
3.イソノナン酸イソトリデシル 残量
4.ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 5.0
5.ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 10.0
6.ミネラルオイル 3.0
7.ジメチコン ※42 3.0
8.イソドデカン ※6 10.0
9.(アクリル酸アルキル/酢酸ビニル)コポリマー ※12 10.0
10.マイカ 20.0
11.ホウケイ酸(Ca/Na) ※43 10.0
12.ポリメタクリル酸メチル ※44 3.0
13.酸化鉄 3.0
14.赤色202号 0.5
15.コンジョウ 0.2
※41:合成ワックスP-200(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※42:KF-96(6CS)(信越化学工業社製)
※43:マイクログラスメタシャイン1080RS(日本板硝子社製)
※44:マツモトマイクロスフェアM101(松本油脂製薬社製)
(製造方法)
A:成分(1)~(7)を100℃で溶解し、均一に混合する。
B:Aに成分(10)~(15)を混合し、三本ローラーにて均一に分散する。
C:成分(8)、(9)を均一に混合しディスパージョンを得る。
D:BにCを加えた後、100℃まで加熱し、容器に充填し油性アイカラーを得た。
以上のようにして得られた油性アイカラーは、色持ち、色移りのしにくさ、塗布時のなめらかさ、塗布膜の負担感のなさ、塗膜の均一性に優れたものであった。
【0049】
実施例39:ティントリップクリーム
(成分) (%)
1.ポリエチレン ※38 7.0
2.パルミチン酸デキストリン ※22 1.0
3.リンゴ酸ジイソステアリル ※3 残量
4.トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル 10.0
5.ワセリン ※45 5.0
6.トリメリト酸トリトリデシル ※25 10.0
7.イソドデカン ※6 25.0
8.(アクリル酸アルキル/酢酸ビニル)コポリマー ※12 20.0
9.ジプロピレングリコール 3.0
10.1,3-ブチレングリコール 0.3
11.ジブチルヒドロキシトルエン 0.05
12.シア脂 0.05
13.ホホバ種子油 0.05
14.ラベンダー油 0.05
15.サトザクラ花エキス 0.05
16.ジメチルシリル化シリカ ※19 0.5
17.赤色218号 0.05
※45:SNOW WHITE SPECIAL(SONNEBORN社製)
(製造方法)
A:成分(1)~(6)を100℃で溶解し、均一に混合する。
B:Aに成分(9)~(17)を混合し、三本ローラーにて均一に分散する。
C:成分(7)、(8)を均一に混合しディスパージョンを得る。
D:BにCを加えた後、100℃まで加熱し、容器に充填し油性ティントリップクリームを得た。
以上のようにして得られた油性ティントリップクリームは、色持ち、色移りのしにくさ、塗布時のなめらかさ、塗布膜の負担感のなさ、塗膜の均一性に優れたものであった。
【0050】
実施例40:口紅(金皿流し込み状)
(成分) (%)
1.合成ワックス ※41 4.0
2.ミツロウ ※46 2.0
3.パラフィン ※47 2.0
4.イソドデカン ※6 15.0
5.(アクリル酸アルキル/酢酸ビニル)コポリマー ※12 10.0
6.ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステイル/オクチルドデシル) 8.0
7.トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 15.0
8.トリイソステアリン酸ポリグリセリル―2 ※8 8.0
9.トリエチルヘキサノイン 残量
10.ペンチレングリコール 0.3
11.シリカ 1.0
12.PEG-9ポリジメチルシクロエチルヘキシルジメチコン 0.1
13.赤104号(1) 1.0
14.黄色4号アルミニウムレーキ 0.5
15.トリエトキシカプリリルシラン2%処理酸化チタン 0.5
16.黒酸化鉄 0.1
17.酸化鉄被覆雲母チタン 0.5
18.アミノプロピルトリエトキシシラン/ジメチコノール複合処理
雲母チタン 1.0
19.香料 0.01
20.アスコルビン酸ナトリウム 0.05
21.酢酸トコフェロール 0.05
22.ローズマリー葉エキス 0.5
※46:WHITE BEES WAX(三木化学社製)
※47:PARACERA 256(PARAMELT社製)
(製造方法)
A:成分(1)~(3)、(6)~(9)を100℃で溶解し、均一に混合する。
B:Aに成分(10)~(22)を混合し、三本ローラーにて均一に分散する。
C:成分(4)、(5)を均一に混合しディスパージョンを得る。
D:BにCを加えた後、100℃まで加熱し、容器に充填し油性口紅(金皿流し込み状)を得た。
以上のようにして得られた油性口紅(金皿流し込み状)は、色持ち、色移りのしにくさ、塗布時のなめらかさ、塗布膜の負担感のなさ、塗膜の均一性に優れたものであった。
【0051】
実施例41:口紅(スティック状)
(成分) (%)
1.(エチレン/プロピレン)コポリマー ※33 3.0
2.ポリエチレンワックス ※38 2.0
3.ジブチルラウロイルグルタミド ※48 1.0
4.ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド ※49 1.0
5.イソドデカン ※6 20.0
6.(アクリル酸アルキル/酢酸ビニル)コポリマー ※12 10.0
7.トリメリト酸トリトリデシル ※25 20.0
8.イソノナン酸イソトリデシル 残量
9.リンゴ酸ジイソステアリル 5.0
10.デシルテトラデカノール ※50 10.0
11.水添レシチン ※51 0.5
12.ジプロピレングリコール ※52 1.0
13.赤202号 1.0
14.赤201号 1.0
15.黄色4号アルミニウムレーキ 0.5
16.酸化チタン 0.1
17.パーフルオロヘキシルエチルトリエトキシシラン2%処理
酸化チタン被覆ガラス末 1.0
18.香料 0.01
19.ラベンダー花エキス 0.5
20.トコフェロール 0.1
※48:アミノ酸系ゲル化剤GP-1(味の素社製)
※49:アミノ酸系ゲル化剤EB-21(味の素社製)
※50:リソノール24SP(高級アルコール工業社製)
※51:ニッコールレシノールS-10(日光ケミカルズ社製)
※52:DPG-RF
(製造方法)
A.(1)~(4)、(7)~(10)を130℃で溶解し、均一に混合する。
B:Aに成分(11)~(20)を混合し、三本ローラーにて均一に分散する。
C:成分(5)、(6)を均一に混合しディスパージョンを得る。
D:BにCを加えた後、100℃まで加熱し、容器に充填し油性口紅(スティック状)を得た。
以上のようにして得られた油性口紅(スティック状)は、色持ち、色移りのしにくさ、塗布時のなめらかさ、塗布膜の負担感のなさ、塗膜の均一性に優れたものであった。
【0052】
実施例42:ペースト状リップグロス
(成分) (%)
1.パルミチン酸デキストリン ※22 5.0
2.(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン ※23 1.0
3.ジメチルシリル化シリカ ※19 3.0
4.イソドデカン ※6 20.0
5.(アクリル酸アルキル/酢酸ビニル)コポリマー ※12 10.0
6.ポリブテン ※53 25.0
7.エチルヘキサン酸セチル 10.0
8.ヘキサイソノナン酸ジペンタエリスリチル ※54 10.0
9.ジイソステアリン酸ポリグリセリルー2 ※55 2.0
10.リンゴ酸ジイソステアリル ※3 残量
11.ジプロピレングリコール 0.5
12.1,3-ブチレングリコール 0.1
13.酸化チタン被覆合成金雲母 ※56 1.0
14.パーフルオロヘキシルエチルトリエトキシシラン2%処理
酸化チタン被覆ガラス末 1.0
15.香料 0.05
16.カミツレ花エキス 0.05
※53:精製ポリブテンHV-100F(SB)(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※54:ハイルーセントDPIN6(高級アルコール工業社製)
※55:コスモール42V(日清オイリオグループ社製)
※56:HELIOS R100R(トピー工業社製)
(製造方法)
A.(1)~(3)、(6)~(10)を90℃で溶解し、均一に混合する。
B:Aに成分(11)~(16)を混合し、三本ローラーにて均一に分散する。
C:成分(4)、(5)を均一に混合しディスパージョンを得る。
D:BにCを加えた後、90℃まで加熱し、塗布体付き容器に充填し油性リップグロス(塗布体付き容器)を得た。
以上のようにして得られた油性リップグロス(塗布体付き容器)は、色持ち、色移りのしにくさ、塗布時のなめらかさ、塗布膜の負担感のなさ、塗膜の均一性に優れたものであった。
【0053】
実施例:43液状ヘアオイル
(成分) (%)
1.イソステアリン酸デキストリン ※57 0.5
2.(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル ※58 2.0
3.イソノナン酸イソトリデシル ※ 25.0
4.エチルヘキサン酸セチル ※ 30.0
5.オリーブ油 残量
6.テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル ※59 5.0
7.ジフェニルシロキシフェニルジメチコン ※ 5.0
8.ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) ※60
0.1
9.ツバキ油 0.1
10.イソドデカン ※6 10.0
11.(アクリル酸アルキル/酢酸ビニル)コポリマー ※61 12.0
12.フェノキシエタノール 0.5
13.ジプロピレングリコール 0.5
14.ジメチルシリル化シリカ 0.5
※57:ユニフィルマHVY(千葉製粉社製)
※58:ノムコートHK-G(日清オイリオグループ社製)
※59:サラコス5408(日清オイリオグループ社製)
※60:PLANDOOL LG-2(日本精化社製)
※61:ニッセツ U-3712A(日本カーバイド工業社製)
(製造方法)
A.成分(10)と(11)を予め均一に混合しディスパージョンを得る。
B.成分(1)~(9)を70℃で均一に混合溶解する。
C.AとBを均一に混合し、成分(12)~(14)を加え、均一に混合分散する。
D.Cを脱泡後、90℃に加熱して容器に充填し、室温まで冷却後、油性ヘアオイルを得た。
以上のようにして得られた油性ヘアオイルは、色持ち、色移りのしにくさ、塗布時のなめらかさ、塗布膜の負担感のなさ、塗膜の均一性に優れたものであった。