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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067249
(43)【公開日】2022-05-06
(54)【発明の名称】支持具
(51)【国際特許分類】
   F16L 3/00 20060101AFI20220425BHJP
   F16L 3/14 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
F16L3/00 D
F16L3/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175866
(22)【出願日】2020-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸 玄二
【テーマコード(参考)】
3H023
【Fターム(参考)】
3H023AA03
3H023AC03
3H023AC08
3H023AE03
(57)【要約】
【課題】配設体を安定的に支持することが可能である支持具を提供する。
【解決手段】支持具100は、軸方向に延びるボルト体11に対して配設体を支持する。支持具100は、支持具本体101と、該支持具本体101に形成され、配設体を支持するための支持面104と、該支持面104がボルト体11の軸方向に対して第1方向を向く第1姿勢で支持具本体101をボルト体11に固定するように配置された第1固定部110と、支持面104がボルト体11の軸方向に対して第1方向と異なる第2方向を向く第2姿勢で支持具本体101をボルト体11に固定するように配置された第2固定部120と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる軸体に対して配設体を支持するための支持具であって、
支持具本体と、
前記支持具本体に形成され、前記配設体を支持するための支持面と、
前記支持面が軸体の軸方向に対して第1方向を向く第1姿勢で前記支持具本体を軸体に固定するように配置された第1固定部と、
前記支持面が軸体の軸方向に対して前記第1方向と異なる第2方向を向く第2姿勢で前記支持具本体を軸体に固定するように配置された第2固定部と、を備えることを特徴とする支持具。
【請求項2】
前記第1方向は軸方向と直交する方向であり、前記第2方向は軸方向と同じ方向であることを特徴とする請求項1に記載の支持具。
【請求項3】
前記第1固定部は、前記支持具本体における前記支持面と反対側の外面に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の支持具。
【請求項4】
前記第1固定部が軸体に固定されたときに、前記支持面と反対側の外面には、軸体に対向するように軸体の軸方向に沿って延びる第1壁面が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の支持具。
【請求項5】
前記第1固定部および前記第2固定部は、それぞれ、弾性変形により軸体を受け入れ、弾性復帰力により軸体を挟持する挟持部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の支持具。
【請求項6】
前記第1固定部および前記第2固定部の少なくとも一方は、軸体に径方向から係合するフック部と、軸体の軸方向に沿って前記フック部から離間した位置で軸体を径方向から挟持する挟持部とを備え、前記フック部および前記挟持部は、互いに異なる向きで軸体を受け入れ可能に開放されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の支持具。
【請求項7】
前記フック部は、軸体を内側に配置した状態で、軸体とともに結束部材によって包囲されて締め付けられるように構成され、前記フック部の外面には、軸体の軸方向への前記結束部材の移動を規制する規制部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の支持具。
【請求項8】
前記第1固定部および前記第2固定部の少なくとも一方は、軸体を挟持するように、軸体に径方向から圧接する挟持部を備え、前記挟持部には、ねじ込まれたビスが軸体に径方向から圧接する位置にねじ込み部が設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の支持具。
【請求項9】
前記支持面は、基端から先端へと長手方向に延在し、
前記第1固定部は、前記支持具本体において長手方向に延在するとともに前記支持面と反対側を向く第1壁面にそれぞれ突出形成された、軸体に径方向から係合する第1フック部、および、前記第1フック部から軸体の軸方向に離間した位置で軸体を径方向から挟持する第1挟持部を備え、前記第1フック部および前記第1挟持部は、互いに異なる向きで軸体を受け入れ可能に開放され、
前記第2固定部は、前記支持具本体において長手方向に直交する直交方向に延在するとともに前記支持面の長手方向基端側を向く第2壁面にそれぞれ突出形成された、軸体に径方向から係合する第2フック部、および、前記第2フック部から軸体の軸方向に離間した位置で軸体を径方向から挟持する第2挟持部を備え、前記第2フック部および前記第2挟持部は、互いに異なる向きで軸体を受け入れ可能に開放されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の支持具。
【請求項10】
前記第2フック部と前記第2挟持部との間には、前記第2フック部が係合する側と反対側から軸体に当接する当接壁が設けられており、
前記第2フック部と前記当接壁との間、および、前記第2挟持部と前記当接壁との間には、軸体が通過可能な空隙が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸体に対して配設体を支持する支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋等の構造物において、配線・配管材等の配設体を支持するための種々の支持具が用いられている。これら種々の支持具の1つとして、当該支持具を吊りボルト等の軸体に固定し、且つ、当該支持具で配線・配管材等の配設体を支持することによって、構造物に配設体を設置するものがある。
【0003】
例えば、特許文献1は、吊りボルト等の棒状体に固定されて配設体を支持する支持具を開示する。以下、当該段落において、()内に特許文献1の符号を示す。支持具(1)は、吊りボルト(61)を挟持する一対の挟持片(12,13)と、これら挟持片(12,13)に連結されて配管材(71)を支持する支持部材(21)と、一対の挟持片(12,13)と吊りボルト(61)とを連結する連結具(31)とを備える。一対の挟持片(12,13)は、吊りボルト(61)を挟持した状態で、互いに対向する側端部(14a)及び側端部(15a)が平行し、かつ、吊りボルト(61)の軸方向に対して直線状に傾斜するよう形成した。連結具(31)としての連結ボルト(32)は、六角ボルトが用いられ、一対の挟持片(12,13)の各貫通孔(17)及び支持部材(21)の挿通孔(24)等を貫通し、六角ナット(33)とで締付けて一対の挟持片(12,13)と支持部材(21)とを連結しており、一対の挟持片(12,13)及び支持部材(21)に対して着脱自在に取着される。支持部材(21)は、連結ボルト(32)を僅かに緩めることにより、連結ボルト(32)の軸心を中心に吊りボルト(61)に直交する状態から支持部材(21)の連結縦板部(23)の下面が各挟持片の下端部の屈曲片(19)と当接するに至るまで時計方向に回動可能となっている。 この支持具(1)に配設体(71)を支持させるには、固定部材(11)を傾斜した吊りボルト(61)に固定した状態で、支持部材(21)を上下方向に回動させ、水平位置に達したら、連結ボルト(32)を強固に締付ける。これにより、2個の配管材(72)は水平方向に並置された状態で支持具(1)に支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-007800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の支持具は、配設体(配管材)の配設向きを変更する際、連結ボルトおよび六角ナットの締結を緩めた上で、角度を調整し、再度、連結ボルトおよび六角ナットの締結することによって、配設体の支持角度を設定する。しかしながら、このような連結ボルトおよび六角ナットを用いた固定手段では、連結ボルトおよび六角ナットの締結が振動などの外部要因によって経時的に緩んでしまい、この緩みで配設体の支持位置が変わってしまう虞があった。すなわち、従来の支持具において、配設体を軸体に対してより安定的に支持することが課題であった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、配設体を安定的に支持することが可能である支持具を提供することにある。特には、本発明の目的は、配設体を異なる角度で安定的に支持可能である支持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の支持具は、軸方向に延びる軸体に対して配設体を支持するための支持具であって、
支持具本体と、
前記支持具本体に形成され、前記配設体を支持するための支持面と、
前記支持面が軸体の軸方向に対して第1方向を向く第1姿勢で前記支持具本体を軸体に固定するように配置された第1固定部と、
前記支持面が軸体の軸方向に対して前記第1方向と異なる第2方向を向く第2姿勢で前記支持具本体を軸体に固定するように配置された第2固定部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の支持具は、請求項1に記載の支持具において、前記第1方向は軸方向と直交する方向であり、前記第2方向は軸方向と同じ方向であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の支持具は、請求項2に記載の支持具において、前記第1固定部は、前記支持具本体における前記支持面と反対側の外面に設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の支持具は、請求項3に記載の支持具において、前記第1固定部が軸体に固定されたときに、前記支持面と反対側の外面には、軸体に対向するように軸体の軸方向に沿って延びる第1壁面が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の支持具は、請求項1から4のいずれか一項に記載の支持具において、前記第1固定部および前記第2固定部は、それぞれ、弾性変形により軸体を受け入れ、弾性復帰力により軸体を挟持する挟持部を有することを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の支持具は、請求項1から5のいずれか一項に記載の支持具において、前記第1固定部および前記第2固定部の少なくとも一方は、軸体に径方向から係合するフック部と、軸体の軸方向に沿って前記フック部から離間した位置で軸体を径方向から挟持する挟持部とを備え、前記フック部および前記挟持部は、互いに異なる向きで軸体を受け入れ可能に開放されていることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の支持具は、請求項6に記載の支持具において、前記フック部は、軸体を内側に配置した状態で、軸体とともに結束部材によって包囲されて締め付けられるように構成され、前記フック部の外面には、軸体の軸方向への前記結束部材の移動を規制する規制部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の支持具は、請求項1から7のいずれか一項に記載の支持具において、前記第1固定部および前記第2固定部の少なくとも一方は、軸体を挟持するように、軸体に径方向から圧接する挟持部を備え、前記挟持部には、ねじ込まれたビスが軸体に径方向から圧接する位置にねじ込み部が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の支持具は、請求項1から5のいずれか一項に記載の支持具において、前記支持面は、基端から先端へと長手方向に延在し、
前記第1固定部は、前記支持具本体において長手方向に延在するとともに前記支持面と反対側を向く第1壁面にそれぞれ突出形成された、軸体に径方向から係合する第1フック部、および、前記第1フック部から軸体の軸方向に離間した位置で軸体を径方向から挟持する第1挟持部を備え、前記第1フック部および前記第1挟持部は、互いに異なる向きで軸体を受け入れ可能に開放され、
前記第2固定部は、前記支持具本体において長手方向に直交する直交方向に延在するとともに前記支持面の長手方向基端側を向く第2壁面にそれぞれ突出形成された、軸体に径方向から係合する第2フック部、および、前記第2フック部から軸体の軸方向に離間した位置で軸体を径方向から挟持する第2挟持部を備え、前記第2フック部および前記第2挟持部は、互いに異なる向きで軸体を受け入れ可能に開放されていることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の支持具は、請求項9に記載の支持具において、前記第2フック部と前記第2挟持部との間には、前記第2フック部が係合する側と反対側から軸体に当接する当接壁が設けられており、
前記第2フック部と前記当接壁との間、および、前記第2挟持部と前記当接壁との間には、軸体が通過可能な空隙が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の支持具によれば、支持具は、支持面が軸体の軸方向に対して第1方向を向く第1姿勢で、支持具本体を軸体に固定するように配置された第1固定部、および、支持面が軸体の軸方向に対して第1方向と異なる第2方向を向く第2姿勢で支持具本体を軸体に固定するように配置された第2固定部を備える。軸体に対して第1固定部が固定されたとき、第1方向を向く支持面に配設体を支持し、且つ、軸体に対して第2固定部が固定されたとき、第2方向を向く支持面に配設体を支持することが可能である。すなわち、軸体に固定するための第1固定部および第2固定部のいずれかを選択することにより、配設体の支持角度を変更することができるので、従来のように固定部を可動式にする必要がなくなり、固定後の安定性が低下することが防止される。したがって、本発明の支持具は、配設体を異なる角度で支持可能であるとともに、配設体を安定的に支持することが可能である。
【0018】
請求項2に記載の支持具によれば、請求項1の発明の効果に加えて、第1固定部を軸体に固定すると配設体を軸体に対して直交する方向を向く支持面に支持することが可能であり、他方、第2固定部を軸体に固定すると配設体をボルト軸と同じ方向を向く支持面に支持することが可能である。すなわち、第1および第2固定部を切り替えて軸体に固定することにより、配設体の支持角度を90度変更することができる。
【0019】
請求項3に記載の支持具によれば、請求項2の発明の効果に加えて、第1固定部が支持具本体における支持面と反対側の外面に設けられていることにより、配設体を支持面に取り付ける際、支持面が軸体によって反対側から支えられるので、その作業性が向上する。
【0020】
請求項4に記載の支持具によれば、請求項3の発明の効果に加えて、第1固定部が軸体に固定されたときに、第1壁面が軸体に対向するように延在する。当該第1壁面は、支持具本体が軸体に対して傾動することを規制するように機能し得る。
【0021】
請求項5に記載の支持具によれば、請求項1から4のいずれかの発明の効果に加えて、第1固定部および第2固定部は、弾性変形する挟持部により、軸体を容易に挟持して固定することができる。
【0022】
請求項6に記載の支持具によれば、請求項1から5のいずれかの発明の効果に加えて、フック部および挟持部が、互いに異なる向きで軸体を受け入れ可能に開放されている。すなわち、軸体がフック部の内側に配置するとともに挟持部に挟持された状態において、フック部および挟持部の開放する向きが異なることから、支持具に軸体から離隔する方向の力が加わったとしても、フック部および挟持部の少なくとも一方が軸体を係止し、支持具が軸体から簡単に離脱することを防止することができる。また、フック部に軸体を掛け止めた状態で、挟持部を軸体に押し付けることにより、固定部を軸体に簡単に固定することができる。
【0023】
請求項7に記載の支持具によれば、請求項1から6のいずれかの発明の効果に加えて、フック部および結束部材が協働して軸体を包囲することにより、軸体がフック部から離脱することを規制することができる。さらに、規制部により、結束部材が軸方向にずれて、結束部材による軸体の締め付けが解除されることが規制される。
【0024】
請求項8に記載の支持具によれば、請求項1から7のいずれかの発明の効果に加えて、ねじ込み部を介して挟持部を貫通するようにねじ込まれたビスが、軸体に径方向から圧接することにより、軸体に対して支持具が回転することを防止することができる。すなわち、ビスは、軸体を軸とする回転止めとして機能し得る。
【0025】
請求項9に記載の支持具によれば、請求項1から5のいずれかの発明の効果に加えて、第1および第2固定部の両方において、フック部および挟持部が、互いに異なる向きで軸体を受け入れ可能に開放されている。すなわち、軸体がフック部の内側に配置するとともに挟持部に挟持された状態において、フック部および挟持部の開放する向きが異なることから、支持具に軸体から離隔する方向の力が加わったとしても、フック部および挟持部の一方が軸体を規制し、支持具が軸体から簡単に離脱することを防止することができる。また、フック部に軸体を掛け止めた状態で、挟持部を軸体に押し付けることにより、第1および第2固定部をそれぞれ軸体に簡単に固定することができる。
【0026】
請求項10に記載の支持具によれば、請求項9の発明の効果に加えて、第2固定部に軸体が固定されたとき、第2フック部と第2挟持部との間で、当接壁が、第2フック部が係合する側と反対側から軸体に当接することにより、軸体から第2固定部が離脱することをより確実に防止することができる。また、第2フック部と当接壁との間、および、第2挟持部と当接壁との間には、軸体が通過可能な空隙が形成されていることにより、当該空隙に軸体を通過させて、軸体への第1および第2固定部の固定作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に係る一実施形態の支持具の(a)正面からの概略斜視図及び(b)背面からの概略斜視図。
図2図1の支持具の(a)正面図、および(b)背面図。
図3図1の支持具の(a)左側面図、および(b)右側面図。
図4図1の支持具の(a)平面図、および(b)底面図。
図5図3(a)の支持具のA-A断面図。
図6図2(a)の支持具の(a)B-B断面図、および(b)C-C断面図。
図7図2(a)の支持具のD-D断面図。
図8図2(a)の支持具の(a)E-E断面図、(b)F-F断面図および(c)G-G断面図。
図9】本発明に係る一実施形態の支持具による第1設置構造の概略正面図。
図10図9の設置構造のH-H断面図。
図11図9の設置構造の(a)I-I断面図、(b)J-J断面図および(c)K-K断面図。
図12図9の設置構造を構築する工程を示す模式図。
図13】本発明に係る一実施形態の支持具による第2設置構造の概略正面図。
図14図13の設置構造のL-L断面図。
図15図13の設置構造の(a)M-M断面図、(b)N-N断面図、(c)O-O断面図および(c)P-P断面図。
図16図13の設置構造を構築する工程を示す模式図。
図17】本発明の別実施形態の支持具を示す概略図。
図18】本発明の別実施形態の支持具を示す概略図。
図19】本発明に関連する形態の支持具を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本発明は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
【0029】
本発明の一実施形態の支持具100は、構造物に設置された軸体としてのボルト体11(吊りボルト)に固定されて、支持対象物である(ボックス、ホルダ、配線・配管材などの)配設体をボルト体11の所定の高さに所定の向きで支持するように構成されたものである。しかしながら、本発明の支持具は、本実施形態の用途・機能に限定されないことは言うまでもない。以下、図1乃至図8を参照して、本実施形態の支持具100の構成を詳細に説明する。
【0030】
図1(a),(b)は、本発明の一実施形態の支持具100の正面から見た斜視図、および背面から見た斜視図である。図2(a),(b)は、該支持具100の正面図および背面図である。図3(a),(b)は、該支持具100の左側面図および右側面図である。図4(a),(b)は、該支持具100の平面図および底面図である。図5図8は、該支持具100の各箇所での断面図である。
【0031】
一実施形態の支持具100は、基端(図2の下端)から先端(図2の上端)に延在する支持具本体101を備えてなる。支持具本体101は、硬質の合成樹脂により一体成形されてなる。しかしながら、支持具本体101は、金属などの他の材料によって形成されてもよい。支持具本体101は、基端から先端へと長手方向に延在する基部102と、該基部102から基端側の一側面(左側面)から裾広がり状に延在する拡張壁部107とからなる。
【0032】
また、支持具100は、支持具本体101に配設体を支持または固定するための支持面104と、該支持面104が軸体の軸方向に対して第1方向を向く第1姿勢で支持具本体101をボルト体11に固定するように配置された第1固定部110と、該支持面104がボルト体11の軸方向に対して第1方向と異なる第2方向を向く第2姿勢で支持具本体101をボルト体11に固定するように配置された第2固定部120とを備える。本実施形態では、第1方向は、ボルト体11の軸方向と直交する方向であり、第2方向はボルト体11の軸方向と同じ方向である。また、第1固定部110および第2固定部120は、いずれもボルト体11の側方から当該ボルト体11の中間に固定可能に構成されている。以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0033】
基部102は、長尺な矩形状を有し、基端から先端へと直線的に延在している。基部102には、拡張壁部107の反対側の側面(右側面)において、支持部としての支持壁103が設けられている。支持壁103は、長手方向に延在する所定幅を有する平板であり、その幅は基部102の矩形状部位よりも幅広である。この支持壁103の側方を向く外面が、支持具本体101に(ボックス、ホルダ、配線・配管材などの)配設体を支持または固定するための支持面104として定められた。本実施形態では、支持面104は一平面上に延在する平坦面である。支持面104は、基部102と同様に、基端から先端へと長手方向に延在し、支持具本体101の長手方向に直交する方向を向いている。換言すると、支持面104の法線は、基部102の長手方向と直交する。
【0034】
支持面104には、配設体を固定するための複数の取付孔104aが長手方向に亘って等間隔で穿設されている。取付孔104aは、長手方向に延びる長孔であり、(長手方向に直交する)幅方向に対で形成されている。当該取付孔104aにボルトや結束バンドを貫通させることにより、支持面104に対して配設体を固定することができる。また、支持面104の幅方向の略中央には、長手方向の基端から先端に延びる取付溝104bが形成されている。該取付溝104bは、タッピングネジを取り付けるように機能する。すなわち、支持面104は、取付孔104aおよび取付溝104bを使い分けて、ボルト、結束バンド、タッピングネジ等の複数種類の手段を選択して、種々の配設体を支持可能に構成されている。さらに、支持面104の最も先端の取付孔104aは、後述する第1バンド通過孔113としても機能し得る。
【0035】
基部102の支持面104の反対側の側面(左側面)には、第1壁面106が定められた。第1壁面106は、基端から先端にかけて長手方向に延在する平坦面である。該第1壁面106は、支持面104と平行に延在し、且つ、支持面104の反対側を向いている。後述するように、第1壁面106には、第1固定部110が設けられている。そして、第1壁面106は、支持具100がボルト体11に第1姿勢で固定されたとき、ボルト体11に近接または当接して対向するようにボルト体11の軸方向に沿って延びるように構成されている。
【0036】
拡張壁部107は、基部102に一体的に連結され、基部102の基端側部位で第1壁面106から延び出る略三角形状の平板として形成されている。基部102および拡張壁部107の基端側を向く外面が支持具本体101の基端面を形成する。そして、支持具本体101の基端面には、支持面104(または支持具本体101)の長手方向に直交する直交方向に延在するとともに支持面104の長手方向基端側を向く第2壁面108が定められた。後述するように、第2壁面108には、第2固定部120が設けられている。そして、第2壁面108は、支持具100がボルト体11に第2姿勢で固定されたとき、ボルト体11の軸方向に沿って延びるように構成されている。
【0037】
第1固定部110は、支持具本体101の(支持面104と反対側を向く)第1壁面106に設けられている。第1固定部110は、ボルト体11に固定されたとき、支持面104がボルト体11の軸方向に対して第1方向(直交方向)を向く第1姿勢で支持具本体101をボルト体11に固定する(図9参照)ように配置されている。
【0038】
より具体的には、第1固定部110は、図2図5および図6に示すとおり、支持面104の反対側に延び出るように、第1壁面106の先端側に突出形成された第1フック部111と、第1壁面106の基端側に突出形成された第1挟持部116とを備える。第1フック部111および第1挟持部116は、協働してボルト体11を保持可能であるように、ボルト体11の軸方向(支持具本体101の長手方向)に沿って一直線上に離隔して配置されている。なお、第1固定部110に固定されたボルト体11の軸方向を縦軸方向と定める。換言すると、第1フック部111および第1挟持部116が縦軸に整列し、第1固定部110がボルト体11の第1固定軸を縦軸に沿って形成する。
【0039】
第1フック部111は、図6(a)に示すように、断面視半円弧状の半筒壁からなり、その内周面がボルト体11の外側面に当接可能である。また、第1フック部111は、半筒壁内にボルト体11を貫通配置可能であるように、その先端および基端で縦軸方向に開放されている。そして、第1フック部111は、ボルト体11を正面から受け入れ可能であるように正面側に開放されている。また、支持具本体101の第1壁面106が、第1フック部111の対向する箇所で、第1フック部111から離隔するように傾斜している。この傾斜により、ボルト体11を第1フック部111内に配置することが容易となる。
【0040】
第1フック部111の外周面の基端および先端には、補強用のリブ112が突出形成されている。リブ112は、第1フック部111の半筒壁の外周縁に沿って相対的に肉厚となるように延在している。また、長手方向の第1フック部111に対応する位置に形成された取付孔104aの1つが、第1フック部111の外周面に巻き付けた結束バンド131を通過させるための第1バンド通過孔113である。リブ112および第1バンド通過孔113は、第1フック部111の外周面に結束バンドが巻き付けられたときに、結束バンド131(図9および図11(a)参照)が縦軸方向(支持具本体101の長手方向)にずれて第1フック部111から外れることを規制する規制部として機能する。
【0041】
第1挟持部116は、図6(b)に示すように、第1壁面106から略垂直に延び出る圧接片117を備える。第1挟持部116は、圧接片117と、当該圧接片117から第1壁面106の幅方向に離隔して延在する拡張壁部107外面との間にボルト体11を挟持するように構成されている。圧接片117は、弾性変形により拡張壁部107外面から離隔する方向に変位することでボルト体11を受け入れ可能であり、そして、弾性復帰力によりボルト体11を挟持するものである。なお、拡張壁部107の圧接片117に対向する位置には、矩形状の開口が形成されている。第1挟持部116は、圧接片117および拡張壁部107外面との間にボルト体11を貫通配置可能であるように、その先端および基端で開放されている。また、第1挟持部116は、ボルト体11を側方(第1壁面106の外側)から受け入れ可能であるように支持面104の反対側(左側面側)に開放されている。すなわち、第1フック部111および第1挟持部116は、互いに異なる向き(本実施形態では、縦軸方向を中心に90度)でボルト体11を受け入れ可能に開放されている。換言すると、第1フック部111および第1挟持部116は、径方向の相異なる側からボルト体11に係合または当接するものである。
【0042】
当該圧接片117において、円弧状の挟圧面が内面に形成されている。該挟圧面には、ボルト体11の螺旋状のネジ溝に対応したピッチで複数の突条が突設されている。この複数の突条は、圧接片117がボルト体11に対して縦軸方向に滑ることを防止する滑り止めとして機能する。
【0043】
また、圧接片117には、ビス132がねじ込まれる(図11(c)参照)、ねじ込み部118が形成されている。ねじ込み部118は、ねじ込まれたビス132がボルト体11に径方向から圧接する位置に設けられている。ビス132がボルト体11に径方向から圧接することにより、ボルト体11に対して支持具100が回転することを防止することができる。すなわち、ねじ込み部118およびビス132は、協働して、ボルト体11を軸とする回転止めとして機能し得る。特には、ねじ込まれたビス132の延長線(螺進方向)が、ボルト体11の中心を通るようにボルト体11外側面に当接することが好ましい。本実施形態では、ねじ込み部118は、縦軸と直交する方向にビス132を螺進させるように圧接片117の略中央に位置している。
【0044】
第2固定部120は、支持具本体101の基端面である第2壁面108に設けられている。第2固定部120は、ボルト体11に固定されたとき、支持面104がボルト体11の軸方向に対して第2方向(同じ方向)を向く第2姿勢で支持具本体101をボルト体11に固定する(図13参照)ように配置されている。
【0045】
より具体的には、第2固定部120は、図2図7および図8に示すとおり、支持面104の長手方向基端側に延び出るように、第2壁面108の一端側(支持面104の遠位端)に突出形成された第2フック部121と、第2壁面108の他端側(支持面104の近位端)に突出形成された第2挟持部126とを備える。第2フック部121および第2挟持部126は、協働してボルト体11を保持可能であるように、ボルト体11の軸方向(支持具本体101の直交方向)に沿って一直線上に離隔して配置されている。なお、第2固定部120に固定されたボルト体11の軸方向を横軸方向と定める。換言すると、第2フック部121および第2挟持部126が横軸に整列し、第2固定部120がボルト体11の第2固定軸を横軸に沿って形成する。
【0046】
ここで、第1固定部110の第1固定軸と第2固定部120の第2固定軸との交差角が、ボルト体11に固定したときの支持面104の第1方向および第2方向の差異を決定する。本実施形態では、第1固定軸および第2固定軸の交差角が直角であることから、第1方向および第2方向の交差角も直角となる。すなわち、第1固定軸および第2固定軸の交差角を設計することにより、支持面104の第1姿勢および第2姿勢の向きの変化量(第1方向および第2方向の交差角)を調整可能である。
【0047】
第2フック部121は、図8(a)に示すように、断面視半円弧状の半筒壁からなり、その内周面がボルト体11の外側面に当接可能である。また、第2フック部121は、半筒壁内にボルト体11を貫通配置可能であるように、その一端および他端で横軸方向に開放されている。そして、第2フック部121は、ボルト体11を受け入れ可能であるように支持具本体101の先端側に開放されている。また、第2フック部121の筒壁の他端側(支持面104の近位端)の縁が斜めに切りかかれている。当該切り欠きにより、ボルト体11を第2フック部121に配置する際、ボルト体11が第2フック部121の筒壁に干渉することを効果的に避けることができる。
【0048】
また、第2フック部121の外周面の外縁には、リブ122が突出形成されている。リブ122は、第2フック部121の半筒壁の外周縁に沿って相対的に肉厚となるように延在している。また、第2フック部121の先端縁において、リブ122の一部は部分的に切り欠かれて欠落し、欠落箇所122aが設けられている。結束バンド131を第2フック部121の外周面に巻き付ける際、この欠落箇所122aを通過させることができる。そして、拡張壁部107の第2フック部121に隣接する位置には、第2フック部121の外周面に巻き付けた結束バンド131を通過させるための第2バンド通過孔123が形成されている。第2バンド通過孔123は、横軸方向(つまり、第2固定部120にボルト体11を固定したときの軸方向)において欠落箇所122aと同じ位置にある。そして、リブ122および第2バンド通過孔123は、第2フック部121の外周面に結束バンド131が巻き付けられたときに、結束バンド131(図13および図15(a)参照)が横軸方向(支持具本体101の直交方向)にずれて、第2フック部121から外れることを規制する規制部として機能する。
【0049】
第2挟持部126は、図8(b),(c)に示すように、第2壁面108(基部102の基端面)から略垂直に延び出る一対の挟持片127,127を備える。第2挟持部126は、幅方向に離隔して延びる一対の挟持片127,127の間にボルト体11を挟持するように構成されている。一対の挟持片127,127は、弾性変形により互いに離隔する方向に変位することでボルト体11をその間に受け入れ可能であり、そして、弾性復帰力によりボルト体11を挟持するものである。第2挟持部126は、一対の挟持片127,127の間にボルト体11を貫通配置可能であるように、横軸方向(支持具本体101の直交方向)に開放されている。また、第2挟持部126は、ボルト体11を第2壁面108に対向する側から受け入れ可能であるように支持具本体101の長手方向基端側(底面側)に開放されている。すなわち、第2フック部121および第2挟持部126は、互いに異なる向き(本実施形態では反対方向)でボルト体11を受け入れ可能に開放されている。換言すると、第2フック部121および第2挟持部126は、径方向の相異なる側からボルト体11に係合または当接するものである。
【0050】
一対の挟持片127,127は、横軸方向において互いに異なる位置で重複しないように延在している。すなわち、一対の挟持片127,127は、幅方向において互いに対面しないように互い違いに配置されている。一対の挟持片127,127が互い違いに配置されていることにより、一の支持具100をボルト体11に固定した状態で他の支持具100をボルト体11の同じ位置に固定することが可能となる。固定の際、一の支持具100の挟持片127,127と、他の支持具100の挟持片127,127とが干渉することが避けられるからである。また、当該一対の挟持片127,127において、円弧状の挟圧面が内面に形成されている。該挟圧面には、ボルト体11の螺旋状のネジ溝に対応したピッチで複数の突条が突設されている。この複数の突条は、一対の挟持片127,127がボルト体11に対して縦軸方向に滑ることを防止する滑り止めとして機能する。
【0051】
また、一対の挟持片127,127の一方(第2フック部121から遠い方)には、ビス132がねじ込まれる(図15(d)参照)、ねじ込み部128が形成されている。ねじ込み部128は、ねじ込まれたビス132がボルト体11に径方向から圧接する位置に設けられている。ビス132がボルト体11に径方向から圧接することにより、ボルト体11に対して支持具100が回転することを防止することができる。すなわち、ねじ込み部128およびビス132は、協働して、ボルト体11を軸とする回転止めとして機能し得る。特には、ねじ込まれたビス132の延長線(螺進方向)が、ボルト体11の中心を通るようにボルト体11外側面に当接することが好ましい。本実施形態では、ねじ込み部128は、横軸と直交する方向にビス132を螺進させるように挟持片127の略中央に位置している。
【0052】
また、横軸に沿った第2フック部121および第2挟持部126の間には、拡張壁部107の肉部が存在していない一方で、当接壁129が設けられている。当接壁129は、拡張壁部107の正面側の外面から突出している。また、当接壁129は、第2壁面108と同一平面上に当接面を有し、固定されたボルト体11を挟んで第2フック部121の半筒壁の反対側に位置する。そして、当接壁129は、第2フック部121が係合する側と反対側からボルト体11に当接するように構成されている。また、当接壁129と第2フック部121との間、および、当接壁129と第2挟持部126との間には、ボルト体11が通過可能な空隙がそれぞれ形成されている。本実施形態では、後述するように、当接壁129と第2挟持部126との間の空隙、および、当接壁129と第2フック部121との間の空隙にボルト体11を通すことにより、ボルト体11への第1固定部110よび第2固定部120の固定作業がそれぞれ容易となる。
【0053】
次に、図9乃至図11を参照して、本実施形態の支持具100をボルト体11に第1固定部110を介して固定した第1設置構造10-1について説明する。
【0054】
図9に示すように、第1設置構造10-1は、構造物に設置された軸体としてのボルト体11と、該ボルト体11に第1姿勢で固定された支持具100と、該支持具100に支持された配設体としての配線ボックス12とから構成される。支持具100は、支持具本体101の長手方向(縦軸方向)がボルト体11の軸方向に一致する第1姿勢でボルト体11に固定されている。そして、支持具本体101の支持面104がボルト体11の軸方向に対して第1方向を向いている。ここでは、第1方向は、ボルト体11の軸方向に直交する方向である。そして、図11(b)に示すように、配設体の一例である配線ボックス12が、支持面104に固定されている。配線ボックス12は、支持具100を介してボルト体11の所定高さに支持されている。また、配線ボックス12のボックス側壁が支持面104に固定されることにより、ボックス開口が図9の正面に向くように、配線ボックス12が支持具100を介して所定の向きに支持されている。
【0055】
図10および図11を参照して、第1設置構造10-1における第1固定部110およびボルト体11の固定形態についてより詳細に説明する。図10に示すように、ボルト体11は、軸方向に離隔した位置で、第1固定部110(第1フック部111および第1挟持部116)によって支持具本体101の基端および先端に固定されている。また、第1フック部111および第1挟持部116の開放する向きが異なることから、支持具100にボルト体11から離隔する方向の力が加わったとしても、第1フック部111および第1挟持部116の少なくとも一方がボルト体11に係合し、支持具100がボルト体11から簡単に離脱することを防止される。図9に示すように、第1フック部111および第1挟持部116の間には、支持具本体101の第1壁面106がボルト体11に近接または当接して対面するように延在している。当該第1壁面106は、支持具本体101がボルト体11に対して傾動することを規制する。すなわち、第1壁面106は、支持具100およびボルト体11の固定状態を補強するように機能する。
【0056】
図11(a)に示すように、第1フック部111の半筒壁の内側にボルト体11が配置されている。第1フック部111は、背面および左側面(支持面104の反対側)からボルト体11に径方向で当接している。そして、第1フック部111の外面には、結束バンド(結束部材)131が巻き付けられている。結束バンド131は、第1フック部111およびボルト体11を包囲し、第1フック部111の開放部を閉鎖し、ボルト体11が第1フック部111から抜け出ることを規制する。また、結束バンド131は、支持壁103の第1バンド通過孔113を通過するとともに、第1フック部111の半筒壁の縦軸方向の両縁に延在するリブ112の間に配置されている。これにより、結束バンド131が縦軸方向にずれて、第1フック部111から外れることが規制されている。なお、当該規制部(リブ112、第1バンド通過孔113および結束バンド131)の構成が(それ単体であっても)、本発明の課題である、支持具100のボルト体11への安定固定に十分に貢献することができることは云うまでもない。
【0057】
図11(c)に示すように、第1挟持部116の圧接片117と拡張壁部107外面との間にボルト体11が配置されている。ボルト体11は、圧接片117と圧接し、該圧接片117から縦軸方向にずれた位置で拡張壁部107外面に圧接している(図11(b)参照)。すなわち、第1挟持部116がボルト体11を弾性的に挟持している。また、圧接片117のねじ込み部118には、ビス132がねじ込まれている。ビス132がボルト体11外周面に径方向から圧接している。これにより、ボルト体11および支持具本体101が互いに対して軸方向を中心に回転することが抑えられている。なお、ねじ込み部118およびビス132の構成が(それ単体であっても)、本発明の課題である、支持具100のボルト体11への安定固定に十分に貢献することができることは云うまでもない。
【0058】
したがって、第1設置構造10-1において、支持面104がボルト体11と直交する方向を向く第1姿勢で、支持具100が第1固定部110を介してボルト体11に安定的に固定されている。
【0059】
続いて、図12を参照して、第1設置構造10-1を構築する工程を説明する。まず、ボルト体11の配線ボックス12(支持対象物)を支持する位置を決定し、その位置に基づいてボルト体11に支持具100を取着する位置を定める。このボルト体11の取着位置に対して、その縦軸をボルト体11の軸方向に合わせるように支持具100を把持して近づける。そして、図12に示すとおり、第1フック部111の開放部からその内側にボルト体11を導入し、ボルト体11に対して縦軸が傾斜した状態で、第1挟持部116の開放部に対してボルト体11を対向させるように支持具100を把持する。このとき、ボルト体11は、拡張壁部107の当接壁129と第2挟持部126との間の空隙に配置される。そして、第1フック部111を回動中心として、支持具本体101をボルト体11に対して押し付けるように傾動させることにより、第1挟持部116の圧接片117を弾性変形させつつ、ボルト体11を圧接片117および拡張壁部107外面との間に押し込むことができる。さらに、結束バンド131を第1フック部111の周囲に巻き付け、かつ、ビス132を圧接片117のねじ込み部118にねじ込むことにより、支持具100を第1姿勢でボルト体11に固定することができる。そして、支持面104に対して、支持対象となる配線ボックス12を固定することにより、第1設置構造10-1を構築することができる。
【0060】
次いで、図13乃至図15を参照して、本実施形態の支持具100をボルト体11に第2固定部120を介して固定した第2設置構造10-2について説明する。
【0061】
図13に示すように、第2設置構造10-2は、構造物に設置されたボルト体11と、該ボルト体11に第2姿勢で固定された支持具100と、該支持具100に支持された配設体としてのケーブル支持金具13とから構成される。支持具100は、支持具本体101の直交方向(横軸方向)がボルト体11の軸方向に一致する第2姿勢でボルト体11に固定されている。そして、支持具本体101の支持面104がボルト体11の軸方向に対して第2方向を向いている。ここでは、第2方向は、ボルト体11の軸方向と同じ方向である。そして、配設体の一例であるケーブル支持金具13が、支持面104に固定されている。ケーブル支持金具13は支持具100を介してボルト体11の所定高さに支持されている。また、ケーブル支持金具13が支持面104に固定されることにより、配線・配管材が水平方向に敷設されるように、ケーブル支持金具13が支持具100を介して所定の向きに支持されている。
【0062】
図14および図15を参照して、第2設置構造10-2における第2固定部120およびボルト体11の固定形態についてより詳細に説明する。図14に示すように、ボルト体11は、軸方向に離隔した位置で、第2固定部120(第2フック部121および第2挟持部126)によって支持具本体101の横軸方向の一端および他端に固定されている。また、第2フック部121および第2挟持部126の開放する向きが異なることから、支持具100にボルト体11から離隔する方向の力が加わったとしても、第2フック部121および第2挟持部126の少なくとも一方がボルト体11に係合し、支持具100がボルト体11から簡単に離脱することを防止される。図14および図15(b)に示すように、第2フック部121および第2挟持部126の間には、空隙とともに当接壁129が延在している。当該当接壁129は、支持具本体101がボルト体11に対して傾動することを規制する。当接壁129は、ボルト体11に近接または当接して対面することにより、支持具100およびボルト体11の固定状態を補強するように機能する。
【0063】
図15(a)に示すように、第2フック部121の半筒壁の内側にボルト体11が配置されている。第2フック部121は、第2壁面108の対向する側(底面側)からのボルト体11に当接している。そして、第2フック部121およびボルト体11の外面には、結束バンド(結束部材)131が巻き付けられている。結束バンド131は、第2フック部121およびボルト体11を包囲して結束するとともに、第2フック部121の開放部を閉鎖し、ボルト体11が第2フック部121から抜け出ることを規制する。また、結束バンド131は、拡張壁部107の第2バンド通過孔123を通過するとともに、第2フック部121の半筒壁の縦軸方向の両縁に延在するリブ122(およびその欠落箇所122a)の間に配置されている。これにより、結束バンド131が縦軸方向にずれて、第2フック部121から外れることが規制されている。なお、当該規制部(リブ122、第2バンド通過孔123および結束バンド131)の構成が(それ単体であっても)、本発明の課題である、支持具100のボルト体11への安定固定に十分に貢献することができることは云うまでもない。
【0064】
図15(c),(d)に示すように、第2挟持部126の一対の挟持片127,127の間にボルト体11が配置されている。ボルト体11は、各挟持片127,127と横軸方向にずれた位置でそれぞれ圧接している。すなわち、第2挟持部126がボルト体11を弾性的に挟持している。また、片方の挟持片127のねじ込み部128には、ビス132がねじ込まれている。ビス132がボルト体11外周面に径方向から圧接している。これにより、ボルト体11および支持具本体101が互いに対して軸方向を中心に回転することが抑えられている。なお、ねじ込み部128およびビス132の構成が(それ単体であっても)、本発明の課題である、支持具100のボルト体11への安定固定に十分に貢献することができることは云うまでもない。
【0065】
したがって、第2設置構造10-2において、支持面104がボルト体11と同じ方向を向く第2姿勢で、支持具100が第2固定部120を介してボルト体11に安定的に固定されている。
【0066】
続いて、図16を参照して、第2設置構造10-2を構築する工程を説明する。まず、ボルト体11のケーブル支持金具13(支持対象物)を支持する位置を決定し、その位置に基づいてボルト体11に支持具100を取着する位置を定める。このボルト体11の取着位置に対して、その横軸をボルト体11の軸方向に合わせるように支持具100を把持して近づける。そして、図16に示すとおり、第2フック部121の開放部からその内側にボルト体11を導入し、ボルト体11に対して横軸が傾斜した状態で、第2挟持部126の開放部に対してボルト体11を対向させるように支持具100を把持する。このとき、ボルト体11は、拡張壁部107の当接壁129と第2フック部121との間の空隙に配置される。そして、第2フック部121を回動中心として、支持具本体101をボルト体11に対して押し付けるように傾動させることにより、第2挟持部126の一対の挟持片127,127を弾性変形させつつ、ボルト体11を挟持片127,127の間に押し込むことができる。さらに、結束バンド131を第2フック部121およびボルト体11の周囲に巻き付け、かつ、ビス132を挟持片127のねじ込み部128にねじ込むことにより、支持具100を第2姿勢でボルト体11に固定することができる。そして、支持面104に対して、支持対象となるケーブル支持金具13を固定することにより、第2設置構造10-2を構築することができる。
【0067】
以下、本発明に係る一実施形態の支持具100における作用効果について説明する。
【0068】
本実施形態の支持具100は、支持面104がボルト体11の軸方向に対して第1方向(直交方向)を向く第1姿勢で、支持具本体101をボルト体11に固定するように配置された第1固定部110、および、支持面104がボルト体11の軸方向に対して第2方向(同じ方向)を向く第2姿勢で支持具本体101をボルト体11に固定するように配置された第2固定部120を備える。ボルト体11に対して第1固定部110が固定されたとき、第1方向を向く支持面104に配設体12,13を支持し、且つ、ボルト体11に対して第2固定部120が固定されたとき、第2方向を向く支持面104に配設体12,13を支持することが可能である。すなわち、第1固定部110および第2固定部120の一方を選択してボルト体11に固定することにより、配設体12,13の支持角度を変更することができるので、従来のように固定部を可動式にする必要がなくなり、固定後の安定性が低下することが防止される。したがって、本実施形態の支持具100は、配設体12,13を用途や種類等に応じて異なる角度(90度変更)で支持可能であるとともに、配設体12,13を安定的に支持することが可能である。
【0069】
また、本実施形態の支持具100によれば、各固定部110,120において、フック部111,121および結束バンド131が協働してボルト体11を包囲することにより、ボルト体11がフック部111,121から離脱することを規制することができる。さらに、規制部としてのリブ112,122および第1および第2バンド通過孔113,123により、結束バンド131が軸方向にずれて、結束バンド131によるボルト体11の締め付けが解除されることが規制される。したがって、本実施形態の支持具100は、配設体12,13を安定的に支持することが可能である。
【0070】
さらに、本実施形態の支持具100によれば、各固定部110,120において、ねじ込み部118,128を介して圧接片117または挟持片127を貫通するようにねじ込まれたビス132が、ボルト体11に径方向から圧接することにより、ボルト体11に対して支持具100が回転することを防止することができる。すなわち、ビス132は、ボルト体11を軸とする回転止めとして機能し得る。したがって、本実施形態の支持具100は、配設体12,13を安定的に支持することが可能である。
【0071】
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の実施形態や変形例を取り得る。以下、本発明の複数の変形例を説明する。各実施形態において、下二桁が共通する構成要素は、特定のない限り、同一又は類似の特徴を有し、その説明を一部省略する。
【0072】
(1)本発明の支持具は、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。例えば、図17は、別実施形態の支持具200を示している。支持具200は、基部202を有する支持具本体201と、該支持具本体201に配設体を固定するための支持面204と、該支持面204が軸体の軸方向に対して第1方向を向く第1姿勢で支持具本体201を軸体に固定するように配置された第1固定部210と、該支持面204が軸体の軸方向に対して第1方向と異なる第2方向を向く第2姿勢で支持具本体201を軸体に固定するように配置された第2固定部220と、を備える。図17に示すように、支持面204には、配設体としてのケーブルホルダ14が一体的に固定されている。すなわち、本発明において、支持面に対する配設体の固定手段は、上記実施形態に限定されず、一体成形、接着、磁着等などの任意の手段を取ってもよい。また、支持面の形状も、上記実施形態の長手平面に限定されず、配設体を固定可能であればどのような形状をとってもよい。
【0073】
(2)本発明の支持具は、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。図18は、別実施形態の支持具300を示している。支持具300は、支持具本体301と、該支持具本体301に配設体を支持または固定するための支持面304を有する支持部303と、該支持面304が軸体の軸方向に対して第1方向を向く第1姿勢で支持具本体301を軸体に固定するように配置された第1固定部310と、該支持面304が軸体の軸方向に対して第1方向と異なる第2方向を向く第2姿勢で支持具本体301を軸体に固定するように配置された第2固定部320と、を備える。
【0074】
図18に示すように、支持部303および支持面304には、配設体としてのケーブルホルダ15が一体的に固定されている。ケーブルホルダ15は支持具本体301と一体であることから、その一部は支持具本体301とみなされ得る。この形態では、支持具本体301は、基部302、および、支持部303を備える。基部302の支持部303の反対側の第1壁面306には、第1固定部310(第1フック部311および第1挟持部316)が設けられている。また、支持具本体301の下面の第2壁面308(ケーブルホルダ15の下面)には、第2固定部320(第2フック部321および第2挟持部326)が設けられている。ここで、ケーブルホルダ15の一部が、支持具本体301の拡張壁部307に相当する。第1フック部311は、第1挟持部316に対して、縦軸方向において基部302から離隔した位置に設けられ、軸体に対して支持面304(またはケーブルホルダ15)と相反する方向から軸体に当接するように構成されている。第1挟持部316は、基部302から支持面304の反対側に突出し、第1挟持部316の先端は突出方向に開放しているとともに、軸体を押し込み可能な間隔で離隔している。
【0075】
第1フック部311の筒壁外面の外周縁において、リブ312が突出している。また、第1フック部311の先端縁において、リブ322には、結束部材が通過するための欠落箇所322aが形成されている。図示しないが、軸体を内挿する第1フック部311の外周面に結束部材を巻き付けると、リブ312が規制部として機能する。また、第1挟持部316には、ビスがねじ込まれるねじ込み部318が形成されている。
【0076】
第2固定部320は、一対の挟持片327,327からなる第2挟持部326のみから構成される。挟持片327には、ビスがねじ込まれるねじ込み部328が形成されている。
【0077】
(3)本発明の支持具は、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。上記実施形態では、第1固定部の固定軸および第2固定部の固定軸が直角であることにより、第1固定部または第2固定部を介して支持体を軸体に固定したときの支持面の向きを選択的に90度変更することが可能であるが、本発明において、第1固定部の固定軸および第2固定部の固定軸が直角でなくてもよく、当該角度を適宜変更することにより、各固定時の支持面の向きを所望の向きに変更することができる。
【0078】
(4)本発明の支持具は、上記実施形態に限定されず、種々の形態を取り得る。上記実施形態では、第1固定部および第2固定部は、フック部および挟持部から構成されたが、本発明は当該形態に限定されない。例えば、固定部は、挟持部のみからなってもよい。あるいは、固定部は、複数のフック部および/または複数の挟持部の組み合わせであってもよい。
【0079】
(5)図19は、当該明細書で開示した上記実施形態の支持具の特徴的な構成を有する形態を示している。図19に示すとおり、支持具400は、基部402を有する支持具本体401と、支持具本体401の基部402に形成され、配設体(配線・配管材)を支持するための支持部403と、基部402に形成され、支持具400を軸体に固定するように配置されたフック部411および挟持部416を有する固定部410と、を備える。フック部411および挟持部416は軸体を支持可能であるように同軸に整列している。固定部410は、基部402の一方の面に形成され、支持部403は、その反対側の面に形成された。また、支持部403は、面ではなく、配線・配管材を支持するケーブルホルダとして形成された。フック部411は、固定部410に固定した軸体の軸方向において、挟持部416に対して離隔した位置に設けられ、軸体に対して支持部403と相反する方向から軸体に当接するように構成されている。
【0080】
フック部411は、軸体を内側に配置した状態で、軸体とともに結束部材によって包囲されて締め付けられるように構成されている。フック部411の外面には、軸体の軸方向への結束部材の移動を規制する規制部が設けられている。より具体的には、規制部は、フック部411の外周縁に沿って突出形成されたリブ412を有する。該リブ412はその一部に欠落箇所412aを有し、欠落箇所412aは、結束部材がフック部411および軸体を包囲したときに通過可能である位置に形成されている。固定部410に固定した軸体の軸方向において、支持具本体401の肉部には、欠落箇所412aと一致する位置に結束部材の通過溝413が形成されている。結束部材が、リブ412の欠落箇所412aおよび通過溝413を通過してフック部411および軸体に巻き付けられることで、軸体の軸方向にずれることが規制される。さらに、挟持部416には、ねじ込まれたビスが軸体に径方向から圧接する位置にねじ込み部418が設けられている。挟持部416にねじ込まれたビスが軸体に圧接することにより、軸体の軸を中心に支持部403が回転することが防止される。
【0081】
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。
【0082】
(付記)
本願明細書の開示事項に従って、支持具は以下の形態をさらに取り得る。以下の形態1乃至5は、配設体を安定的に支持することが可能である支持具を提供するという課題を解決するための手段を例示する。
【0083】
(形態1)
軸方向に延びる軸体に対して配設体を支持するための支持具であって、
基部と、
前記基部の一方側に形成され、前記配設体を支持するための支持部と、
前記基部の他方側に形成され、前記支持具を軸体に固定するように配置された固定部と、を備え、
前記固定部は、前記軸体を挟持するように、前記軸体に径方向から圧接する挟持部を備え、前記挟持部には、ねじ込まれたビスが前記軸体に径方向から圧接する位置にねじ込み部が設けられていることを特徴とする支持具。
【0084】
(形態2)
前記固定部は、フック部をさらに備え、
前記フック部は、前記固定部に固定した軸体の軸方向において、前記挟持部に対して離隔するとともに、前記基部から離隔した位置に設けられ、前記軸体に対して前記支持部と相反する方向から軸体に当接するように構成され、前記挟持部は、前記基部から前記支持部の反対側に突出し、前記挟持部の先端は突出方向に開放しているとともに、軸体を押し込み可能な間隔で離隔していることを特徴とする形態1の支持具。
【0085】
(形態3)
軸方向に延びる軸体に対して配設体を支持するための支持具であって、
基部と、
前記基部の一方側に形成され、前記配設体を支持するための支持部と、
前記基部の他方側に形成され、前記支持具を前記軸体に固定するように配置されたフック部および挟持部を有する固定部と、を備え、
前記フック部は、前記固定部に固定した軸体の軸方向において、前記挟持部に対して離隔した位置に設けられ、前記軸体に対して前記支持部と相違する方向から軸体に当接するように構成され、
前記挟持部には、ねじ込まれたビスが前記軸体に径方向から圧接する位置にねじ込み部が設けられていることを特徴とする支持具。
【0086】
(形態4)
軸方向に延びる軸体に対して配設体を支持するための支持具であって、
支持具本体と、
前記支持具本体に形成され、前記配設体を支持するための支持部と、
前記支持具本体に形成され、前記支持具を前記軸体に固定するように配置されたフック部および挟持部を有する固定部と、を備え、
前記フック部は、前記固定部に固定した軸体の軸方向において、前記挟持部に対して離隔した位置に設けられ、前記軸体に対して前記支持部と相違する方向から軸体に当接するように構成され、
前記フック部は、前記軸体を内側に配置した状態で、前記軸体とともに結束部材によって包囲されて締め付けられるように構成され、前記フック部の外面には、軸体の軸方向への前記結束部材の移動を規制する規制部が設けられていることを特徴とする支持具。
【0087】
(形態5)
前記規制部は、前記フック部の外周縁に沿って突出形成されたリブ、および、前記支持具本体の肉部に形成され、前記結束部材が通過する通過孔または通過溝を備え、
前記リブは、その一部に欠落箇所を有し、前記欠落箇所は、前記結束部材が前記フック部および前記軸体を包囲したときに通過可能である位置に形成され、
前記固定部に固定した軸体の軸方向において、前記欠落箇所と一致する位置に前記通過孔または通過溝が形成されていることを特徴とする形態4の支持具。
【符号の説明】
【0088】
10-1 第1設置構造
10-2 第2設置構造
11 ボルト体(軸体)
12 配線ボックス(配設体)
13 ケーブル支持金具(配設体)
14 ケーブルホルダ(配設体)
15 ケーブルホルダ(配設体)
100 支持具
101 支持具本体
102 基部
103 支持壁(支持部)
104 支持面(支持部)
104a 取付孔
104b 取付溝
106 第1壁面
107 拡張壁部
108 第2壁面
110 第1固定部
111 第1フック部(第1固定部)
112 リブ(規制部)
113 第1バンド通過孔(規制部)
116 第1挟持部(第1固定部)
117 圧接片
118 ねじ込み部
120 第2固定部
121 第2フック部(第2固定部)
122 リブ
122a 欠落箇所(規制部)
123 第2バンド通過孔(規制部)
126 第2挟持部(第2固定部)
127 挟持片
128 ねじ込み部
129 当接壁
131 結束バンド(結束部材)
132 ビス
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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図17
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図19