(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067340
(43)【公開日】2022-05-06
(54)【発明の名称】接続構造
(51)【国際特許分類】
F16L 23/02 20060101AFI20220425BHJP
F16L 23/024 20060101ALI20220425BHJP
F16L 23/032 20060101ALI20220425BHJP
F16J 15/10 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
F16L23/02 D
F16L23/024
F16L23/032
F16J15/10 L
F16J15/10 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176003
(22)【出願日】2020-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】594165734
【氏名又は名称】イハラサイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】岸 亨
(72)【発明者】
【氏名】木村 美良
【テーマコード(参考)】
3H016
3J040
【Fターム(参考)】
3H016AA01
3H016AB08
3H016AC01
3H016AD04
3J040AA02
3J040AA12
3J040AA18
3J040BA03
3J040EA16
3J040EA22
3J040HA05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】加工費を抑えつつも調芯性を担保することができ、さらに接続構造のコンパクト化を図り、狭小な作業空間においても管部材の接続作業や取り外し作業を無理なく行えるようにする。
【解決手段】先端部にフランジ12を有する一対の管部材10を、それらのフランジ12を互いに対向させた状態で接続する管継手20と、一対の管部材10のフランジ12の間に介在する環状ガスケット30と、フランジ12の互いに対向する対向面それぞれに形成された凹部40と、を備え、それぞれの凹部40に環状ガスケット30が嵌め込まれることにより、管部材10及び環状ガスケット30の管軸を一致させるようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部にフランジを有する一対の管部材を、それらのフランジを互いに対向させた状態で接続する管継手と、
前記一対の管部材の前記フランジの間に介在する環状ガスケットと、
前記フランジの互いに対向する対向面それぞれに形成された凹部と、を備え、
それぞれの前記凹部に前記環状ガスケットが嵌め込まれることにより、前記管部材及び前記環状ガスケットの管軸が一致する、接続構造。
【請求項2】
前記環状ガスケットが、前記凹部の一方に嵌め込まれる部分と、前記凹部の他方に嵌め込まれる部分とが同径の円筒状をなすものである、請求項1記載の接続構造。
【請求項3】
前記環状ガスケットに取り付けられた状態で、一方の前記フランジに固定されるリテーナをさらに備える、請求項1又は2記載の接続構造。
【請求項4】
前記リテーナと前記環状ガスケットとの間に介在して、前記リテーナを前記環状ガスケットに係止させる係止機構を備え、
前記リテーナが、円環の一部を切り欠いた形状をなし、
前記係止機構が、前記リテーナの内周面又は前記環状ガスケットの外周面の一方に設けられた係止溝と、前記リテーナの内周面又は前記環状ガスケットの外周面の他方に設けられて前記係止溝に嵌る突出部とからなる、請求項3記載の接続構造。
【請求項5】
前記リテーナが、その外周面の複数箇所から軸方向に延びる複数の爪部を有し、
前記複数の爪部が一方の前記フランジの外周面に嵌め込まれることにより、前記リテーナが前記一方の前記フランジに固定される、請求項3又は4記載の接続構造。
【請求項6】
前記管継手が、
隣り合うもの同士が互いに回転可能に連結された一連のユニット部材と、
両端のユニット部材を連結して前記一連のユニット部材を環状にする締結具とを具備し、
前記一対の管部材の前記フランジを互いに対向させた状態で、前記ユニット部材を前記各管部材の前記フランジに外嵌させるとともに前記締結具を締め付けることによって前記一対の管部材を接続するものである、請求項1乃至5のうち何れか一項に記載の接続構造。
【請求項7】
前記管継手が、
前記一方の管部材の外周に嵌め込まれて、外周面に雄ねじ部が形成された第1ナット部材と、
前記他方の管部材の外周に嵌め込まれて、内周部に前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部が形成された第2ナット部材とを具備し、
前記第1ナット部材の前記雄ねじ部と前記第2ナット部材の前記雌ねじ部を螺合させることにより、前記一対の管部材を接続するものである、請求項1乃至5のうち何れか一項に記載の接続構造。
【請求項8】
前記管継手が、
前記一対の管部材の前記フランジの裏側それぞれに設けられた一対の挟込部材と、
前記一対の挟込部材を締結する締結具とを具備し、
前記締結具により前記一対の前記挟込部材を締め付けることにより、前記一対の管部材を接続するものである、請求項1乃至5のうち何れか一項に記載の接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の管部材を管継手により接続してなる接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の接続構造としては、特許文献1に示すように、一対の管部材の先端部に設けられたフランジを互いに対向させるとともに、これらの間にシール性を担保するための環状ガスケットを介在させ、それら一対の管部材を管継手により接続してなるものがある。
【0003】
この接続構造では、一対の管部材や環状ガスケットの調芯性を得るためのガイドリングを用いている。具体的には、まず、フランジの互いに対向する対向面に凹部を設けて、この凹部にガイドリングを嵌め込む。そして、このガイドリングには、軸方向に座繰った段部が設けられており、この段部に環状ガスケットを配置させることで、管部材と環状ガスケットの管軸を一致させている。
【0004】
しかしながら、このようにガイドリングを用いた構成であると、フランジに凹部を形成するための加工が必要となり、加工費が増大するうえ、凹部を形成するためにフランジが大きくなり、狭小な作業空間での使用が難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、加工費を抑えつつも調芯性を担保することができ、さらに接続構造のコンパクト化を図ることで、狭小な作業空間においても管部材の接続作業や取り外し作業を無理なく行えるようにすることをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明に係る接続構造は、先端部にフランジを有する一対の管部材を、それらのフランジを互いに対向させた状態で接続する管継手と、前記一対の管部材の前記フランジの間に介在する環状ガスケットと、前記フランジの互いに対向する対向面それぞれに形成された凹部と、を備え、それぞれの前記凹部に前記環状ガスケットが嵌め込まれることにより、前記管部材及び前記環状ガスケットの管軸が一致することを特徴とするものである。
【0008】
このように構成された接続構造によれば、一対の管部材のフランジの対向面に形成された凹部に環状ガスケットを嵌め込むことで、管部材及び環状ガスケットの管軸を一致させることができるので、従来の調芯に用いられていたガイドリングを不要にすることができる。
これにより、加工費を抑えつつも調芯性を担保することができ、さらに接続構造のコンパクト化が可能となり、狭小な作業空間においても管部材の接続作業や取り外し作業を無理なく行うことができる。
【0009】
前記環状ガスケットが、前記凹部の一方に嵌め込まれる部分と、前記凹部の他方に嵌め込まれる部分とが同径の円筒状をなすものであることが好ましい。
これならば、環状ガスケットの取り付け方向に制約がなく、環状ガスケットをどちらの向きで用いてもシール性を発揮させることができる。
【0010】
前記環状ガスケットに取り付けられた状態で、一方の前記フランジに固定されるリテーナをさらに備えることが好ましい。
これならば、リテーナをフランジに固定することで環状ガスケットが調芯された状態で保持されるので、管接続の作業性のさらなる向上を図れる。
【0011】
前記リテーナと前記環状ガスケットとの間に介在して、前記リテーナを前記環状ガスケットに係止させる係止機構を備え、前記リテーナが、円環の一部を切り欠いた形状をなし、前記係止機構が、前記リテーナの内周面又は前記環状ガスケットの外周面の一方に設けられた係止溝と、前記リテーナの内周面又は前記環状ガスケットの外周面の他方に設けられて前記係止溝に嵌る突出部とからなることが好ましい。
これならば、リテーナを簡単に環状ガスケットに取り付けることができる。
【0012】
前記リテーナが、その外周面の複数箇所から軸方向に延びる複数の爪部を有し、前記複数の爪部が一方の前記フランジの外周面に嵌め込まれることにより、前記リテーナが前記一方の前記フランジに固定されることが好ましい。
これならば、リテーナに所謂止め輪の機能を発揮させることができ、リテーナを管部材のフランジに簡単に固定することができる。
【0013】
具体的な実施態様としては、前記管継手が、隣り合うもの同士が互いに回転可能に連結された一連のユニット部材と、両端のユニット部材を連結して前記一連のユニット部材を環状にする締結具とを具備し、前記一対の管部材の前記フランジを互いに対向させた状態で、前記ユニット部材を前記各管部材の前記フランジに外嵌させるとともに前記締結具を締め付けることによって前記一対の管部材を接続するものである態様を挙げることができる。
【0014】
また、別の実施態様としては、前記管継手が、前記一方の管部材の外周に嵌め込まれて、外周面に雄ねじ部が形成された第1ナット部材と、前記他方の管部材の外周に嵌め込まれて、内周部に前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部が形成された第2ナット部材とを具備し、前記第1ナット部材の前記雄ねじ部と前記第2ナット部材の前記雌ねじ部を螺合させることにより、前記一対の管部材を接続するものである態様を挙げることができる。
【0015】
さらに別の実施態様としては、前記管継手が、前記一対の管部材の前記フランジの裏側それぞれに設けられた一対の挟込部材と、前記一対の挟込部材を締結する締結具とを具備し、前記締結具により前記一対の前記挟込部材を締め付けることにより、前記一対の管部材を接続するものである態様を挙げることができる。
【発明の効果】
【0016】
上述した本発明によれば、加工費を抑えつつも調芯性を担保することができ、さらに接続構造のコンパクト化が可能となり、狭小な作業空間においても管部材の接続作業や取り外し作業を無理なく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態における接続構造の断面図。
【
図2】同実施形態における管継手の非連結状態を示す断面図。
【
図3】同実施形態における管継手の連結状態を示す断面図。
【
図5】同実施形態におけるリテーナの構成を示す模式図。
【
図6】同実施形態における管継手の連結手順を説明するための断面図。
【
図7】その他の実施形態における接続構造の断面図。
【
図8】その他の実施形態における接続構造の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
本実施形態の接続構造100は、一対の管部材10を管継手20により接続してなるものであり、具体的には
図1に示すように、一対の管部材10を対向させた状態で接続する管継手20と、一対の管部材10の間に介在する環状ガスケット30とを備え、これら一対の管部材10を気密に接続する構造である。
【0020】
管部材10は、管本体11と、管本体11の端部に設けられたフランジ12とを有するものである。フランジ12には、その先端面に、円環状の突起13が設けられており、その裏面には、この実施形態では先端へ向かうにつれ径が大きくなる傾斜面14が形成されている。更に、フランジ12の外周面には、径寸法を小さくしてなる段部15が形成されている。
【0021】
管継手20は、対向させたフランジ12に外嵌されてこれらを緊締結合するものであり、
図2及び
図3に示すように、互いに隣り合うもの同士が互いに軸を中心として回転可能に連結された複数(ここでは3つ)のユニット部材21と、両端のユニット部材21を連結して一連のユニット部材21を環状にする締結具22とを有する、所謂クランプ式のものである。
【0022】
ユニット部材21は、ここでは軸方向から視て円環を3分割した形状をなすものである。ユニット部材21の内周面には、
図3に示すように、対向した1対のフランジ12の外周縁部に外嵌させることができる幅を有した凹溝211が、周方向に延びるように設けられており、この凹溝211の側面には、フランジ12の裏面の傾斜面14に対応した傾斜面212が形成されている。
【0023】
締結具22は、
図2及び
図3に示すように、例えば、ボルト部材221とナット部材222とを具備したものである。ボルト部材221は、両端のユニット部材21の先端部に形成された貫通孔に挿通する。そして、ナット部材222にボルト部材221を螺合させることによって、両端のユニット部材21を連結するとともに、管継手20の内周径を拡縮することができる。
【0024】
環状ガスケット30は、
図4に示すように、上述した一対の管部材10のフランジ12の間に介在し、これらのフランジ12に挟まれて突起13が食い込むことにより、気密性を担保するものである。
【0025】
然して、本実施形態の接続構造100は、
図4に示すように、上述した管部材10のフランジ12の互いに対向する対向面それぞれに形成された凹部40を利用して構成されたものであって、この凹部40に上述した環状ガスケット30が嵌め込まれることにより、管部材10及び環状ガスケット30の管軸が一致するように構成されている。
【0026】
より具体的に説明すると、本実施形態の環状ガスケット30は、円筒状をなすものであり、この環状ガスケット30の外周面30aと、上述した凹部40の内周面40aとが接触することで、一対の管部材10及び環状ガスケット30の管軸が一致する。
【0027】
本実施形態では、一方の管部材10の凹部40に嵌め込まれる円筒部分と、他方の管部材10の凹部40に嵌め込まれる円筒部分とが、同径のものであり、これらの円筒部分の外周面30aと、凹部40の内周面40aとが調芯機能を発揮するものである。
【0028】
なお、環状ガスケット30は、上述したように突起13により潰されることで、径方向に僅かに膨らむことになる。従って、環状ガスケット30は、凹部40に対して若干のガタを有して嵌め込まれ、その後、突起13に潰されることで、円筒部分それぞれの外周面30aと凹部40の内周面40aとが面接触するように構成されている。
【0029】
さらに、本実施形態の接続構造100は、
図4及び
図5に示すように、環状ガスケット30に取り付けられた状態で、一方のフランジ12に固定されるリテーナ50を備えている。
【0030】
リテーナ50は、
図5に示すように、所謂止め輪の機能を発揮するものであり、具体的には、円環の一部を切り欠いた形状をなし、その外周面の複数箇所から軸方向に延びる複数(ここでは3つ)の爪部51を有している。これら複数の爪部51は、一方のフランジ12の外周面に嵌め込まれて引っ掛かり、これによりリテーナ50とともに環状ガスケット30を一方のフランジ12に固定させることができる。もちろん、爪部51の向きを反対に向ければ、他方のフランジ12にリテーナ50や環状ガスケット30を固定できる。
【0031】
このリテーナ50と環状ガスケット30との間には、
図4に示すように、リテーナ50を環状ガスケット30に係止させる係止機構60が介在している。より具体的に説明すると、この実施形態では、環状ガスケット30の外周面30aに係止溝61が設けられており、リテーナ50の内周面に係止溝61に嵌る突出部62が設けられており、これらの係止溝61及び突出部62が係止機構60を構成している。なお、係止溝61をリテーナ50の内周面に設けるとともに、突出部62を環状ガスケット30の外周面30aに設けても構わない。
【0032】
係止溝61は、環状ガスケット30の外周面30aを径方向内側に凹ませたものであり、ここでは環状ガスケット30の外周面30aの全周に亘って形成されている。ただし、係止溝61としては、環状ガスケット30の外周面30aの複数箇所に間欠的に設けられていても良い。
【0033】
突出部62は、リテーナ50の内周面から径方向内側に突出させたものであり、ここではリテーナ50の内周面の複数箇所(ここでは3箇所)に設けられている。より具体的には、これらの突出部62は、リテーナ50の周方向において爪部51と対応した位置に設けられており、言い換えれば、複数箇所に設けられた爪部51それぞれの内側に突出部62が設けられている。
【0034】
次に、上述した接続構造100による一対の管部材10の接続方法について、
図6を参照しながら説明する。
【0035】
まず、環状ガスケット30にリテーナ50を取り付ける(
図6a)。具体的には、環状ガスケット30の外周面30aに形成された係止溝61に、リテーナ50の内周面に設けられた突出部62を嵌め込む。これにより、係止機構60が機能して、環状ガスケット30にリテーナ50が係止される。
【0036】
次に、リテーナ50の爪部51を一方の管部材10のフランジ12の外周面に嵌め込んで引っ掛けるとともに、環状ガスケット30の一方の管部材10を向く円筒部分を、その管部材10のフランジ12に設けられた凹部40に嵌め込む(
図6b)。これにより、この円筒部分の外周面30aと、凹部40の内周面40aとが調芯機能を発揮して、一方の管部材10と環状ガスケット30の管軸が一致する。
【0037】
続いて、環状ガスケット30の他方の管部材10を向く円筒部分を、その管部材10のフランジ12に設けられた凹部40に嵌め込む(
図6c)。これにより、この円筒部分の外周面30aと、凹部40の内周面40aとが調芯機能を発揮して、一対の管部材10の管軸が一致する。
【0038】
そして、これら一対の管部材10を管継手20により接続する。具体的には、一連のユニット部材21を環状にしながら、一対の管部材10のフランジ12の周りを包み込み、両端のユニット部材21を連結して一連のユニット部材21を環状にする(
図6d)。これにより、ユニット部材21の傾斜面212が、フランジ12の裏面の傾斜面14を押圧して、突起13が環状ガスケット30に食い込み、一対の管部材10が気密に接続される。
【0039】
このように構成された本実施形態の接続構造100によれば、一対の管部材10のフランジ12の対向面に形成された凹部40に環状ガスケット30の円筒部分を嵌め込むことで、管部材10及び環状ガスケット30の管軸を一致させることができるので、従来の調芯に用いられていたガイドリングを不要にすることができる。
これにより、加工費を抑えつつも調芯性を担保することができ、さらに接続構造100のコンパクト化が可能となり、狭小な作業空間においても管部材10の接続作業や取り外し作業を無理なく行うことができる。
【0040】
また、環状ガスケット30の軸方向両側の円筒部分が同径であるので、環状ガスケット30の取り付け方向に制約がなく、環状ガスケット30をどちらの向きで用いてもシール性を発揮させることができる。
【0041】
さらに、環状ガスケット30にリテーナ50を取り付けており、このリテーナ50をフランジ12に固定することで環状ガスケット30が保持されるので、管接続の作業性のさらなる向上を図れる。
【0042】
加えて、リテーナ50と環状ガスケット30との間に係止機構60を介在させているので、リテーナ50を簡単に環状ガスケット30に取り付けることができる。
【0043】
そのうえ、リテーナ50が、複数の爪部51を有し、止め輪の機能を発揮するので、リテーナ50を簡単に管部材10のフランジ12に固定することができる。
【0044】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0045】
例えば、前記実施形態では、管継手20がクランプ式のものであったが、
図7に示すように、管継手20が、一方の管部材10の外周に嵌め込まれて、外周面に雄ねじ部が形成された第1ナット部材71と、他方の管部材10の外周に嵌め込まれて、内周部に雄ねじ部と螺合する雌ねじ部が形成された第2ナット部材72とを具備し、第1ナット部材71の雄ねじ部と第2ナット部材72の雌ねじ部を螺合させることにより、一対の管部材10を接続するものであっても良い。
【0046】
より具体的に説明すると、第1ナット部材71は、その先端部711が一方の管部材10のフランジ12を裏側から押し込むものである。
また、第2ナット部材72は、一対の管部材10それぞれのフランジ12を収容する収容凹部721が設けられたものであり、この収容凹部721の底面により他方の管部材10のフランジ12を裏側から受けるように構成されている。
かかる構成により、第1ナット部材71の雄ねじ部と第2ナット部材72の雌ねじ部を螺合させることで、第1ナット部材71が一方の管部材10のフランジ12を裏側から押し込むとともに、第2ナット部材72が他方の管部材10のフランジ12を裏側から受け、突起13が環状ガスケット30に食い込んで一対の管部材10が気密に接続される。
【0047】
また、別の実施態様としては、
図8に示すように、管継手20が、一対の管部材10のフランジ12の裏側それぞれに設けられた一対の挟込部材80と、一対の挟込部材80を締結する締結具90とを具備し、締結具90により一対の込部材を締め付けることにより、一対の管部材10を接続するものであっても良い。
【0048】
より具体的に説明すると、一方の挟込部材80は、一方の管部材10のフランジ12を裏側から押し込むものであり、他方の挟込部材80は、他方の管部材10のフランジ12を裏側から受けるものである。
かかる構成により、締結具90により一対の込部材を締め付けることで、一方の挟込部材80が一方の管部材10のフランジ12を裏側から押し込むとともに、他方の挟込部材80が他方の管部材10のフランジ12を裏側から受け、突起13が環状ガスケット30に食い込んで一対の管部材10が気密に接続される。
【0049】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0050】
100・・・接続構造
10 ・・・管部材
11 ・・・管本体
12 ・・・フランジ
13 ・・・突起
14 ・・・傾斜面
15 ・・・段部
20 ・・・管継手
21 ・・・ユニット部材
211・・・凹溝
212・・・傾斜面
22 ・・・締結具
221・・・ボルト部材
222・・・ナット部材
30 ・・・環状ガスケット
30a・・・外周面
40 ・・・凹部
40a・・・内周面
50 ・・・リテーナ
51 ・・・爪部
60 ・・・係止機構
61 ・・・係止溝
62 ・・・突出部
71 ・・・第1ナット部材
711・・・先端部
72 ・・・第2ナット部材
721・・・収容凹部
80 ・・・挟込部材
90 ・・・締結具