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特開2022-67350エレベーターのロープ溝測定装置の支持体およびエレベーターのロープ溝測定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067350
(43)【公開日】2022-05-06
(54)【発明の名称】エレベーターのロープ溝測定装置の支持体およびエレベーターのロープ溝測定装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20220425BHJP
   B66B 7/06 20060101ALI20220425BHJP
   B66B 11/08 20060101ALI20220425BHJP
   G01B 5/00 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
B66B5/00 D
B66B7/06 L
B66B11/08 M
G01B5/00 L
G01B5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176017
(22)【出願日】2020-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 博之
【テーマコード(参考)】
2F062
3F304
3F305
3F306
【Fターム(参考)】
2F062AA01
2F062AA15
2F062BC01
2F062EE04
2F062EE62
2F062FF03
2F062GG11
2F062GG29
2F062HH05
2F062MM01
3F304BA13
3F304EA29
3F305BB02
3F305BC15
3F305DA21
3F306BB08
3F306BB15
(57)【要約】
【課題】より確実に、第1の脚部を一方の山部に接触させ、第2の脚部を他方の山部に接触させることができるエレベーターのロープ溝測定装置を得る。
【解決手段】エレベーターのロープ溝測定装置は、支持体1と、支持体1に支持された深さ測定装置2と、を備え、支持体1は、綱車の外周部に形成された互いに隣り合う一対の山部32のうちの一方の山部32に接触する第1の脚部11と、一対の山部32のうちの他方の山部32に接触する第2の脚部12と、を有し、深さ測定装置2は、第1の脚部11が一方の山部32に接触し、第2の脚部12が他方の山部32に接触する場合に、第1の脚部11と第2の脚部12との間に配置されたロープ5の部分に接触し、第1の脚部11と第2の脚部12との間の距離は、一対の山部32の間の距離に対応して調節可能となっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
綱車の外周部に形成された互いに隣り合う一対の山部のうちの一方の山部に接触する第1の脚部と、
前記一対の山部のうちの他方の山部に接触する第2の脚部と、
前記第1の脚部および前記第2の脚部に渡って設けられ、深さ測定装置が取り付けられる支持部と、
を備え、
前記第1の脚部と前記第2の脚部との間の距離は、前記一対の山部の間の距離に対応して調節可能となっているエレベーターのロープ溝測定装置の支持体。
【請求項2】
前記支持部は、前記第1の脚部が接続された第1の支持片と、前記第2の脚部が接続された第2の支持片と、を有し、
前記第1の脚部と前記第2の脚部との間の距離は、前記第1の支持片に対して前記第2の支持片がスライドすることによって、調節可能となっている請求項1に記載のエレベーターのロープ溝測定装置の支持体。
【請求項3】
前記第1の脚部は、
第1の脚部本体と、
前記第1の脚部本体に設けられ、それぞれが前記綱車の周方向に互いに離れて前記一方の山部に接触する一対の第1のローラと、
を有し、
前記第2の脚部は、
第2の脚部本体と、
前記第2の脚部本体に設けられ、それぞれが前記周方向に互いに離れて前記他方の山部に接触する一対の第2のローラと、
を有している請求項1または請求項2に記載のエレベーターのロープ溝測定装置の支持体。
【請求項4】
支持体と、
前記支持体に支持された深さ測定装置と、
を備え、
前記支持体は、
綱車の外周部に形成された互いに隣り合う一対の山部のうちの一方の山部に接触する第1の脚部と、
前記一対の山部のうちの他方の山部に接触する第2の脚部と、
前記第1の脚部および前記第2の脚部に渡って設けられ、前記深さ測定装置が取り付けられる支持部と、
を有し、
前記深さ測定装置は、前記第1の脚部が前記一方の山部に接触し、前記第2の脚部が前記他方の山部に接触する場合に、前記第1の脚部と前記第2の脚部との間に配置されたロープの部分に接触し、
前記第1の脚部と前記第2の脚部との間の距離は、前記一対の山部の間の距離に対応して調節可能となっているエレベーターのロープ溝測定装置。
【請求項5】
前記支持部は、前記第1の脚部が接続された第1の支持片と、前記第2の脚部が接続された第2の支持片と、を含み、
前記第1の脚部と前記第2の脚部との間の距離は、前記第1の支持片に対して前記第2の支持片がスライドすることによって、調節可能となっている請求項4に記載のエレベーターのロープ溝測定装置。
【請求項6】
前記第1の脚部は、
第1の脚部本体と、
前記第1の脚部本体に設けられ、それぞれが前記綱車の周方向に互いに離れて前記一方の山部に接触する一対の第1のローラと、
を含み、
前記第2の脚部は、
第2の脚部本体と、
前記第2の脚部本体に設けられ、それぞれが前記周方向に互いに離れて前記他方の山部に接触する一対の第2のローラと、
を含んでいる請求項4または請求項5に記載のエレベーターのロープ溝測定装置。
【請求項7】
前記深さ測定装置は、
前記支持体に接続される固定部と、
前記固定部に対してスライド可能な可動部と、
前記可動部に設けられた第3のローラと、
を有し、
前記第3のローラは、前記一対の第1のローラが前記一方の山部に接触し、前記一対の第2のローラが前記他方の山部に接触する場合に、前記ロープの部分に接触する請求項6に記載のエレベーターのロープ溝測定装置。
【請求項8】
機械室の壁または昇降路の壁に対して固定され、前記支持体を支持する腕体をさらに備えている請求項4から請求項7までの何れか一項に記載のエレベーターのロープ溝測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターのロープ溝測定装置の支持体およびエレベーターのロープ溝測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、支持体と、支持体に支持された深さ測定装置と、を備えたエレベーターのロープ溝測定装置が知られている。支持体は、第1の脚部と、第2の脚部と、支持部と、を有している。第1の脚部は、綱車の外周部に形成された互いに隣り合う一対の山部のうちの一方の山部に接触する。第2の脚部は、一対の山部のうちの他方の山部に接触する。支持部は、第1の脚部と第2の脚部とに渡って設けられている。支持部には、深さ測定装置が取り付けられている。深さ測定装置は、支持体に固定された固定部と、固定部に対してスライド可能なピン形状の可動部と、を有している。第1の脚部が一方の山部に接触し、第2の脚部が他方の山部に接触した状態で、深さ測定装置の可動部の先端部は、第1の脚部と第2の脚部との間に配置されたロープの部分に接触する。これにより、山部からのロープの突出量が測定される。その結果、綱車に形成されているロープ溝の摩耗量が測定される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-238323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、第1の脚部と第2の脚部との間の距離は、一定となっている。一方、一対の山部の間の距離は、ロープ溝の幅方向の寸法に対応して設定されている。言い換えれば、例えば、直径が12(mm)のロープが巻き掛けられる綱車に形成された一対の山部の間の距離と、直径が14(mm)のロープが巻き掛けられる綱車に形成された一対の山部の間の距離とは、互いに異なる。したがって、幅方向の寸法が互いに異なるロープ溝が形成されている複数の種類の綱車のそれぞれに対応して、第1の脚部を一方の山部に接触させ、第2の脚部を他方の山部に接触させることができないという問題点があった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、より確実に、第1の脚部を一方の山部に接触させ、第2の脚部を他方の山部に接触させることができるエレベーターのロープ溝測定装置の支持体およびエレベーターのロープ溝測定装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーターのロープ溝測定装置の支持体は、綱車の外周部に形成された互いに隣り合う一対の山部のうちの一方の山部に接触する第1の脚部と、一対の山部のうちの他方の山部に接触する第2の脚部と、第1の脚部および第2の脚部に渡って設けられ、深さ測定装置が取り付けられる支持部と、を備え、第1の脚部と第2の脚部との間の距離は、一対の山部の間の距離に対応して調節可能となっている。
本開示に係るエレベーターのロープ溝測定装置は、支持体と、支持体に支持された深さ測定装置と、を備え、支持体は、綱車の外周部に形成された互いに隣り合う一対の山部のうちの一方の山部に接触する第1の脚部と、一対の山部のうちの他方の山部に接触する第2の脚部と、を有し、深さ測定装置は、第1の脚部が一方の山部に接触し、第2の脚部が他方の山部に接触する場合に、一対の脚部と第2の脚部との間に配置されたロープの部分に接触し、第1の脚部と第2の脚部との間の距離は、一対の山部の間の距離に対応して調節可能となっている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るエレベーターのロープ溝測定装置の支持体およびエレベーターのロープ溝測定装置によれば、より確実に、第1の脚部を一方の山部に接触させ、第2の脚部を他方の山部に接触させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るエレベーターのロープ溝測定装置を示す正面図である。
図2図1のエレベーターのロープ溝測定装置を示す分解斜視図である。
図3図1の支持体を示す正面図である。
図4図3の支持体を示す平面図である。
図5図3の支持体が変形した状態を示す正面図である。
図6図5の支持体を示す平面図である。
図7図1のエレベーターのロープ溝測定装置を用いてエレベーターの綱車のロープ溝の摩耗量を測定する様子を示す図である。
図8図7の支持体を示す拡大図である。
図9図7の支持体の変形した状態を示す図である。
図10】実施の形態2に係るエレベーターのロープ溝測定装置を示す正面図である。
図11図10のエレベーターのロープ溝測定装置を示す側面図である。
図12図11のエレベーターのロープ溝測定装置を用いてエレベーターの綱車のロープ溝の摩耗量を測定する様子を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエレベーターのロープ溝測定装置を示す正面図である。図2は、図1のエレベーターのロープ溝測定装置を示す分解斜視図である。実施の形態1に係るエレベーターのロープ溝測定装置は、支持体1と、支持体1に支持された深さ測定装置2と、を備えている。
【0010】
支持体1は、第1の脚部11と、第2の脚部12と、第1の脚部11および第2の脚部12に渡って設けられた支持部13と、を有している。第1の脚部11および第2の脚部12は、互いに対向するように配置されている。第1の脚部11および第2の脚部12のそれぞれは、支持部13から一方向に延びるように配置されている。
【0011】
第1の脚部11および第2の脚部12が互いに対向する方向を幅方向D1とする。第1の脚部11および第2の脚部12のそれぞれが支持部13から延びる方向を高さ方向D2とする。幅方向D1および高さ方向D2は、互いに直交している。幅方向D1および高さ方向D2のそれぞれに直交する方向を奥行方向D3とする。
【0012】
支持部13は、平板形状に形成されている。支持部13は、高さ方向D2に対して直交する面に沿って配置されている。
【0013】
支持部13は、第1の脚部11に固定された第1の支持片131と、第2の脚部12に固定された第2の支持片132と、を有している。第1の支持片131および第2の支持片132は、幅方向D1に互いに隣り合っている。
【0014】
第1の支持片131における第2の支持片132側の部分には、幅方向D1に延びた溝133が形成されている。第2の支持片132は、支持片基部134と、支持片基部134に一体に形成され、溝133に挿入される突起部135を有している。突起部135は、支持片基部134から幅方向D1に突出している。
【0015】
図3は、図1の支持体1を示す正面図である。図4は、図3の支持体1を示す平面図である。図5は、図3の支持体1が変形した状態を示す正面図である。図6は、図5の支持体1を示す平面図である。
【0016】
突起部135は、溝133に対して幅方向D1に移動可能となっている。突起部135が溝133に対して幅方向D1に移動することによって、第1の支持片131に対して第2の支持片132が幅方向D1にスライドする。第1の支持片131に対して第2の支持片132がスライドすることによって、第1の脚部11と第2の脚部12との間の距離が調節される。第1の脚部11と第2の脚部12との間の距離とは、第1の脚部11と第2の脚部12との間の幅方向D1の距離である。
【0017】
第2の支持片132には、高さ方向D2に延びた貫通孔136が形成されている。貫通孔136は、第2の支持片132の突起部135に形成されている。高さ方向D2に垂直な面で切った場合の貫通孔136の断面形状は、円形状となっている。なお、高さ方向D2に垂直な面で切った場合の貫通孔136の断面形状は、幅方向D1の寸法が奥行方向D3の寸法よりも大きい楕円形状であってもよい。
【0018】
図1および図2に示すように、深さ測定装置2は、固定部21と、可動部22と、固定部21に設けられた表示部23と、を有している。固定部21は、支持体1に固定されている。可動部22は、固定部21から高さ方向D2に延びている。可動部22は、固定部21に対して高さ方向D2に移動可能となっている。可動部22が固定部21に対して移動することによって、深さ測定装置2は、固定部21に対する可動部22の高さ方向D2の移動量を測定する。固定部21に対する可動部22の高さ方向D2の移動量が測定されることによって、後述する綱車のロープ溝の摩耗量が測定される。表示部23には、測定された可動部22の移動量が表示される。
【0019】
貫通孔136には、可動部22が挿入可能となっている。可動部22が貫通孔136に挿入されることによって、可動部22の端部が、第1の脚部11と第2の脚部12との間に配置される。
【0020】
次に、実施の形態1に係るエレベーターのロープ溝測定装置を用いて、エレベーターの綱車のロープ溝の摩耗量を測定する手順について説明する。図7は、図1のエレベーターのロープ溝測定装置を用いてエレベーターの綱車のロープ溝の摩耗量を測定する様子を示す図である。
【0021】
エレベーターの綱車は、綱車本体3と、一対の外れ止め板4と、を有している。綱車本体3は、円柱形状に形成されている。一対の外れ止め板4の間に綱車本体3が配置されている。一対の外れ止め板4のそれぞれは、綱車本体3の軸方向端面のそれぞれに1個ずつ配置されている。なお、エレベーターの綱車は、外れ止め板4を有していない構成であってもよい。
【0022】
綱車本体3の外周面には、複数のロープ溝31が形成されている。図7では、4個のロープ溝31が示されている。複数のロープ溝31は、綱車本体3の軸方向に並べて配置されている。それぞれのロープ溝31には、ロープ5が1個ずつ挿入される。
【0023】
綱車本体3に複数のロープ溝31が形成されることによって、綱車本体3の外周部には、複数の山部32が形成されている。図7では、5個の山部32が示されている。複数の山部32は、綱車本体3の軸方向に並べて配置されている。それぞれの山部32は、綱車本体3の周方向に延びている。
【0024】
一対の山部の間の距離は、ロープ溝の幅方向の寸法に対応して設定されている。言い換えれば、直径が12(mm)のロープが巻き掛けられる綱車に形成された一対の山部の間の距離と、直径が14(mm)のロープが巻き掛けられる綱車に形成された一対の山部の間の距離とは、互いに異なる。
【0025】
図8は、図7の支持体1を示す拡大図である。図9は、図7の支持体1が変形した状態を示す図である。支持体1は、支持体1の幅方向D1が綱車本体3の軸方向と一致するように配置される。支持体1は、互いに隣り合う一対の山部32のうちの一方の山部32に第1の脚部11が接触し、一対の山部32のうちの他方の山部32に第2の脚部12が接触する。この時、互いに隣り合う一対の山部32の距離に対応して、第1の脚部11と第2の脚部12との間の距離が調節される。
【0026】
支持体1は、磁石から構成されている。したがって、一対の山部32のうちの一方の山部32に第1の脚部11が接触し、一対の山部32のうちの他方の山部32に第2の脚部12が接触することによって、支持体1が綱車に取り付けられる。
【0027】
その後、固定部21に対して可動部22を移動させる。これにより、可動部22の端部は、第1の脚部11と第2の脚部12との間に配置されたロープ5の部分に接触する。可動部22がロープ5に接触することによって、山部32からのロープ5の突出量が測定される。山部32からのロープ5の突出量が測定されることによって、ロープ溝31の摩耗量が測定される。表示部23には、測定されたロープ5の突出量が表示される。
【0028】
ロープ5は、ロープ溝31に半周に渡って挿入されている。したがって、エレベーターのロープ溝測定装置を綱車に対して周方向にずれた複数の箇所において、山部32からのロープ5の突出量を測定する。その後、綱車を半周だけ回転させて、エレベーターのロープ溝測定装置を綱車に対して周方向にずれた複数の箇所において、山部32からのロープ5の突出量を測定する。
【0029】
それぞれのロープ溝31に関して、山部32からのロープ5の突出量を測定する。全てのロープ溝31に関して、山部32からのロープ5の突出量が測定されることによって、エレベーターの綱車のロープ溝の摩耗量の測定が終了する。
【0030】
以上説明したように、実施の形態1に係るエレベーターのロープ溝測定装置の支持体1は、第1の脚部11と、第2の脚部12と、支持部13と、を備えている。第1の脚部11は、エレベーターの綱車の外周部に形成された互いに隣り合う一対の山部32のうちの一方の山部32に接触する。第2の脚部12は、一対の山部32のうちの他方の山部32に接触する。支持部13は、第1の脚部11および第2の脚部12に渡って設けられている。支持部13には、深さ測定装置が取り付けられる。第1の脚部11と第2の脚部12との間の距離は、一対の山部32の間の距離に対応して調節可能となっている。この構成によれば、幅方向の寸法が互いに異なるロープ溝31が形成されている複数の種類の綱車のそれぞれに対応して、第1の脚部11を一方の山部32に接触させ、第2の脚部12を他方の山部32に接触させることができる。その結果、より確実に、第1の脚部11を一方の山部32に接触させ、第2の脚部12を他方の山部32に接触させることができる。
【0031】
また、支持部13は、第1の脚部11が接続された第1の支持片131と、第2の脚部12が接続された第2の支持片132と、を有している。第1の脚部11と第2の脚部12との間の距離は、第1の支持片131に対して第2の支持片132がスライドすることによって、調節可能となっている。この構成によれば、簡単な構成で、第1の脚部11と第2の脚部12との間の距離を調節することができる。
【0032】
また、実施の形態1に係るエレベーターのロープ溝測定装置は、支持体1と、支持体1に支持された深さ測定装置2と、を備えている。支持体1は、第1の脚部11と、第2の脚部12と、支持部13と、を有している。支持部13は、第1の脚部11および第2の脚部12に渡って設けられている。支持部13には、深さ測定装置2が取り付けられている。第1の脚部11が一方の山部32に接触し、第2の脚部12が他方の山部32に接触する場合に、深さ測定装置2は、第1の脚部11と第2の脚部12との間に配置されたロープ5の部分に接触する。第1の脚部11と第2の脚部12との間の距離は、一対の山部32の間の距離に対応して調節可能となっている。この構成によれば、幅方向の寸法が互いに異なるロープ溝31が形成されている複数の種類の綱車のそれぞれに対応して、第1の脚部11を一方の山部32に接触させ、第2の脚部12を他方の山部32に接触させることができる。その結果、より確実に、第1の脚部11を一方の山部32に接触させ、第2の脚部12を他方の山部32に接触させることができる。
【0033】
実施の形態2.
図10は、実施の形態2に係るエレベーターのロープ溝測定装置を示す正面図である。図11は、図10のエレベーターのロープ溝測定装置を示す側面図である。実施の形態2に係るエレベーターのロープ溝測定装置では、第1の脚部11は、第1の脚部本体111と、一対の第1のローラ112と、を有し、第2の脚部12は、第2の脚部本体121と、一対の第2のローラ122と、を有している。
【0034】
一対の第1のローラ112は、第1の脚部本体111の先端部に設けられている。一対の第1のローラ112は、奥行方向D3に互いに離れて配置されている。一対の第1のローラ112のそれぞれは、エレベーターの綱車の周方向に互いに離れて一対の山部32のうちの一方の山部32に接触する。
【0035】
一対の第2のローラ122は、第2の脚部本体121の先端部に設けられている。一対の第2のローラ122は、奥行方向D3に互いに離れて配置されている。一対の第2のローラ122のそれぞれは、エレベーターの綱車の周方向に互いに離れて一対の山部32のうちの他方の山部32に接触する。
【0036】
図12は、図11のエレベーターのロープ溝測定装置を用いてエレベーターの綱車のロープ溝の摩耗量を測定する様子を示す図である。実施の形態1では、エレベーターのロープ溝測定装置をエレベーターの綱車に対して周方向にずれた複数の箇所のそれぞれに設置して、山部32からのロープ5の突出量を別々に測定する。一方、実施の形態2では、エレベーターのロープ溝測定装置をエレベーターの綱車に対して周方向に移動させながら、山部32からのロープ5の突出量を連続して測定する。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0037】
以上説明したように、実施の形態2に係るエレベーターのロープ溝測定装置の支持体1では、第1の脚部11は、第1の脚部本体111と、一対の第1のローラ112と、を有している。一対の第1のローラ112は、第1の脚部本体111に設けられており、それぞれが綱車の周方向に互いに離れて一方の山部32に接触する。第2の脚部12は、第2の脚部本体121と、一対の第2のローラ122と、を有している。一対の第2のローラ122は、第2の脚部本体121に設けられており、それぞれが綱車の周方向に互いに離れて他方の山部32に接触する。この構成によれば、エレベーターのロープ溝測定装置をエレベーターの綱車に対して周方向に移動させながら、山部32からのロープ5の突出量を連続して測定することができる。その結果、ロープ溝の摩耗量をより正確に測定することができる。
【0038】
また、実施の形態2に係るエレベーターのロープ溝測定装置では、第1の脚部11は、第1の脚部本体111と、第1の脚部本体111に設けられ、それぞれが綱車の周方向に互いに離れて一方の山部32に接触する一対の第1のローラ112と、を含んでいる。第2の脚部12は、第2の脚部本体121と、第2の脚部本体121に設けられ、それぞれが綱車の周方向に互いに離れて他方の山部32に接触する一対の第2のローラ122と、を含んでいる。この構成によれば、エレベーターのロープ溝測定装置を綱車に対して周方向に移動させながら、山部32からのロープ5の突出量を連続して測定することができる。その結果、ロープ溝の摩耗量をより正確に測定することができる。
【0039】
なお、実施の形態2では、可動部22がロープ5に対して周方向に移動する場合に、可動部22がロープ5に擦れる深さ測定装置2の構成について説明した。しかしながら、深さ測定装置2は、支持体1に接続される固定部21と、固定部21に対してスライド可能な可動部22と、可動部22に設けられた第3のローラと、を有している構成であってもよい。一対の第1のローラ112が一方の山部32に接触し、一対の第2のローラ122が他方の山部32に接触する場合に、第3のローラは、ロープ5の部分に接触する。この構成によれば、可動部22がロープ5に対して周方向に移動する場合に、第3のローラが転がる。これにより、ロープ5に対する可動部22の周方向の移動を容易に行うことができる。
【0040】
また、実施の形態2では、作業者がエレベーターのロープ溝測定装置を把持する構成について説明した。しかしながら、エレベーターのロープ溝測定装置は、機械室の壁または昇降路の壁に対して固定され、支持体1を支持する腕体を備えた構成であってもよい。腕体が支持体1を支持した状態で、エレベーターの綱車が回転することによって、エレベーターのロープ溝測定装置がロープ溝31の摩耗量を周方向全域に渡って連続して測定することができる。これにより、ロープ溝31の摩耗量を容易に測定することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 支持体、2 深さ測定装置、3 綱車本体、4 外れ止め板、5 ロープ、11 第1の脚部、12 第2の脚部、13 支持部、21 固定部、22 可動部、23 表示部、31 ロープ溝、32 山部、111 第1の脚部本体、112 第1のローラ、121 第2の脚部本体、122 第2のローラ、131 第1の支持片、132 第2の支持片、133 溝、134 支持片基部、135 突起部、136 貫通孔。
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