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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067360
(43)【公開日】2022-05-06
(54)【発明の名称】航空機用化粧室ユニット
(51)【国際特許分類】
   B64D 11/02 20060101AFI20220425BHJP
   B05B 15/625 20180101ALI20220425BHJP
【FI】
B64D11/02
B05B15/625
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176031
(22)【出願日】2020-10-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】中尾 和司
【テーマコード(参考)】
4D073
【Fターム(参考)】
4D073AA10
4D073BB03
4D073CB02
4D073CB16
(57)【要約】
【課題】乗客が航空機用化粧室ユニットを利用する毎に手、指を消毒できるようにし、機内での新型コロナの感染予防を図る上で有利な航空機用化粧室ユニットを提供すること。
【解決手段】航空機用化粧室ユニット22の躯体フレーム22Aは、横通路20に面する第1側面壁2206を有し、横通路20の両端には搭乗口24が位置している。手、指の消毒剤を吐出可能なポンプ式ボトル30が、乗客がそのヘッド部3016を押し下げ操作可能な高さで第1側面壁2206に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の前後方向に延在する縦通路と、前記縦通路に直交して延在する横通路と、前記縦通路の両側に設けられた座席群と、前記縦通路と前記横通路の少なくとも一方の通路に面して配置された航空機用化粧室ユニットであって、
前記航空機用化粧室ユニットの躯体フレームは、前記一方の通路に面する壁部を有し、
手、指の消毒剤を吐出可能なポンプ式ボトルが、前記ポンプ式ボトルのヘッド部を乗客が押し下げ操作可能な高さで前記壁部に配置されている、
ことを特徴とする航空機用化粧室ユニット。
【請求項2】
前記躯体フレームは、前記横通路に面して設けられた側面壁を備え、
前記壁部は前記側面壁である、
ことを特徴とする請求項1記載の航空機用化粧室ユニット。
【請求項3】
前記横通路の延在方向の端部に搭乗口が設けられ、
前記ポンプ式ボトルは、前記搭乗口寄りの前記側面壁の箇所に配置されている、
ことを特徴とする請求項2記載の航空機用化粧室ユニット。
【請求項4】
前記側面壁の前記縦通路側にキャビンアテンダントの着座用のアテンダントシートが配置され、
前記ポンプ式ボトルは、前記アテンダントシートよりも前記搭乗口側の前記側面壁の箇所に配置されている、
ことを特徴とする請求項2記載の航空機用化粧室ユニット。
【請求項5】
前記躯体フレームは、前記縦通路に面して設けられた正面壁本体と、前記正面壁本体の側方に設けられた出入口とを有する正面壁を備え、
前記壁部は、前記正面壁本体である、
ことを特徴とする請求項1記載の航空機用化粧室ユニット。
【請求項6】
前記ポンプ式ボトルは、前記壁部に取り付けられた配置具を介して配置され、
前記配置具は、前記壁部に雄ねじ部材で取り付けられ前記ポンプ式ボトルの下部を支持する下部支持部材と、前記壁部に雄ねじ部材で取り付けられ前記下部支持部材と切り離され前記ポンプ式ボトルの上部を支持する上部支持部材とを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項記載の航空機用化粧室ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機用化粧室ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、世界各国で新型コロナの感染予防の対策が広く行なわれており、新型コロナの感染の多くは、物との接触により手、指にウィルスが付着し、その手、指で目、鼻、口を触ることに起因すると言われている。
航空機の機内においても新型コロナの感染予防の対策が施されることが好ましい。
そこで本発明者は、航空機の機内において、物との接触により手、指に新型コロナのウィルスが付着し、乗客から乗客へ感染の広まり防止することを重点的に考えた結果、航空機用化粧室ユニットの出入口を開閉する扉の把手に着目した。
すなわち、5、6時間以上の長距離の航路では、乗客の全員は少なくとも一度は航空機用化粧室ユニットを利用する。
言い換えると、長距離の航路では、乗客の全員が航空機用化粧室ユニットの出入口の扉の把手を触れることになる。
そこで、乗客が航空機用化粧室ユニットを利用する毎に、キャビンアテンダントが化粧室ユニットの出入口の扉の把手の消毒を行なえば、把手に新型コロナのウィルスが付着していた場合にも他の乗客に感染する虞はない。
しかしながら、航空会社によってはコスト削減などの観点からキャビンアテンダントの人数が削減され、乗客が化粧室ユニットを利用する毎に、キャビンアテンダントが化粧室ユニットの出入口の扉の把手の消毒を行なえない事態も生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-169004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような場合、新型コロナに感染したくない乗客は、航空機用化粧室ユニットを出た後に、持参した消毒液が含浸されたティッシュなどで手、指を消毒することができるが、消毒液が含浸されたティッシュなどの持参を忘れた場合には手、指を消毒できなくなる。
本発明は、前記事情に鑑み案出されたものであって、乗客が航空機用化粧室ユニットを利用する毎に手、指を消毒できるようにし、機内での新型コロナの感染予防を図る上で有利な航空機用化粧室ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明の一実施の形態は、機体の前後方向に延在する縦通路と、前記縦通路に直交して延在する横通路と、前記縦通路の両側に設けられた座席群と、前記縦通路と前記横通路の少なくとも一方の通路に面して配置された航空機用化粧室ユニットであって、前記航空機用化粧室ユニットの躯体フレームは、前記一方の通路に面する壁部を有し、手、指の消毒剤を吐出可能なポンプ式ボトルが、前記ポンプ式ボトルのヘッド部を乗客が押し下げ操作可能な高さで前記壁部に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記躯体フレームは、前記横通路に面して設けられた側面壁を備え、前記壁部は前記側面壁であることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記横通路の延在方向の端部に搭乗口が設けられ、前記ポンプ式ボトルは、前記搭乗口寄りの前記側面壁の箇所に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記側面壁の前記縦通路側にキャビンアテンダントの着座用のアテンダントシートが配置され、前記ポンプ式ボトルは、前記アテンダントシートよりも前記搭乗口側の前記側面壁の箇所に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記躯体フレームは、前記縦通路に面して設けられた正面壁本体と、前記正面壁本体の側方に設けられた出入口とを有する正面壁を備え、前記壁部は、前記正面壁本体であることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記ポンプ式ボトルは、前記壁部に取り付けられた配置具を介して配置され、前記配置具は、前記壁部に雄ねじ部材で取り付けられ前記ポンプ式ボトルの下部を支持する下部支持部材と、前記壁部に雄ねじ部材で取り付けられ前記下部支持部材と切り離され前記ポンプ式ボトルの上部を支持する上部支持部材とを含んで構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、乗客が航空機用化粧室ユニットを使用する際に、ポンプ式ボトルのヘッド部を押し下げて消毒剤を手、指に吐出させ,手、指を簡単に消毒できる。
したがって、長距離の航路で乗客の全員が航空機用化粧室ユニットの把手に触れても、航空機用化粧室ユニットの把手を介しての他の乗客への新型コロナの感染を予防する上で有利となる。
また、ポンプ式ボトルを、搭乗口寄りの側面壁の箇所に配置すると、乗客が機内に搭乗する際、乗客はポンプ式ボトルにより手、指を消毒したのち機内に搭乗することができ、機内における新型コロナの感染を予防する上で有利となる。
また、ポンプ式ボトルを、アテンダントシートの側方の側面壁の箇所に配置すると、アテンダントシートに着座したキャビンアテンダントが乗客からの呼び出しにより乗客の座席に向かう前と、乗客に対しての接客が終了後キャビンアテンダントがアテンダントシーに着座する前とに、キャビンアテンダントはポンプ式ボトルにより簡単に手、指を消毒できる。したがって、機内においてキャビンアテンダントを介しての乗客への新型コロナの感染を予防する上でも有利となる。
また、ポンプ式ボトルを、出入口の側方の正面壁本体に配置すると、乗客が航空機用化粧室ユニットを使用する際に、ポンプ式ボトルのヘッド部により手、指を簡単に消毒する上で有利となる。
また、配置具を、下部支持部材と上部支持部材との切り離された二つの部材で構成すると、配置具の軽量化を図りつつポンプ式ボトルを航空機用化粧室ユニットの壁部に配置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態が適用された航空機用化粧室ユニットの斜視図である。
図2】第1の実施の形態の配置具によりポンプ式ボトルが第1側面壁に配置された状態の斜視図であり、配置具の構造を明確化するため雄ねじ部材を省略している図である。
図3】第1の実施の形態の配置具によりポンプ式ボトルが第1側面壁に配置された状態の断面図である。
図4】(A)第1の実施の形態の下部ブラケットの斜視図、(B)は同側面図である。
図5】(A)第1の実施の形態の上部ブラケットの斜視図、(B)は同正面図である
図6】第2の実施の形態が適用された航空機用化粧室ユニットの斜視図である。
図7】(A)第3の実施の形態の下部ブラケットの斜視図、(B)は同側面図である。
図8】第4の実施の形態の配置具によりポンプ式ボトルが第1側面壁に配置された状態の斜視図であり、配置具の構造を明確化するため雄ねじ部材を省略している図である。
図9】第4の実施の形態の配置具によりポンプ式ボトルが第1側面壁に配置された状態の断面図である。
図10】(A)第4の実施の形態の下部ブラケットの斜視図、(B)は同平面図である。
図11】(A)第5の実施の形態の下部ブラケットの斜視図、(B)は下部ブラケットの底部を構成する第4ボルトが第1側面壁に取り付けられた状態を含む下部ブラケットの平面図である。
図12】第6の実施の形態の配置具によりポンプ式ボトルが第1側面壁に配置された状態の斜視図であり、配置具の構造を明確化するため雄ねじ部材を省略している図である。
図13】第6の実施の形態の配置具によりポンプ式ボトルが第1側面壁に配置された状態の断面図である。
図14】第7の実施の形態の配置具によりポンプ式ボトルが第1側面壁に配置された状態の斜視図であり、配置具の構造を明確化するため雄ねじ部材を省略している図である。
図15】第7の実施の形態の配置具によりポンプ式ボトルが第1側面壁に配置された状態の断面図である。
図16】航空機の機内の後部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明に係る航空機用化粧室ユニットの実施の形態について図面を参照して説明する。
第1の実施の形態から説明すると、図16に示すように、航空機の機体10の前部は不図示の操縦室が設けられ、操縦席の後方に不図示の隔壁が設けられ、隔壁の後方は客室12となっており、機体10の後部は圧力隔壁14となっている。
客室12は、座席群16と、縦通路18と、横通路20と、航空機用化粧室ユニット22とを含んで構成されている。
縦通路18は、機体10の前部と後部との間で機体10の前後方向に延在している。
座席群16は、縦通路18の左右両側にそれぞれ設けられている。
座席群16は、複数の座席が機体10の前方に向けて機体10の幅方向に並べられた座席列1602が機体10の前後方向に複数並べられて構成されている。
横通路20は、機体10の前後方向に間隔をおいて複数設けられ、横通路20は機体10の幅方向に延在し縦通路18に直交して設けられている。
各横通路20の延在方向の両端には搭乗口24が設けられ、図16では、機体10の後部に設けられた横通路20が示されている。
縦通路18の両側で横通路20の前部には航空機用化粧室ユニット22が設けられ、横通路20の後部には、隔壁で仕切られた複数のギャレー26が設けられている。
したがって、横通路20は、航空機用化粧室ユニット22とギャレー26との間に設けられ、航空機用化粧室ユニット22は、縦通路18と横通路20との双方の通路に面して配置されている。
【0009】
航空機用化粧室ユニット22は、機体10のフロア上で、各座席群16の最も後端に位置する座席列1602の後方にそれぞれ配置されている。
各航空機用化粧室ユニット22は、縦通路18を挟んで左右対称の形状で構成されているので、図16において縦通路18の左側に配置された航空機用化粧室ユニット22について説明する。
図1に示すように、航空機用化粧室ユニット22の躯体フレーム22Aは、フロアに設置される底壁2202と、縦通路18に面する正面壁2204と、横通路20に面する第1側面壁2206と、後端に位置する座席列1602の後方に面する第2側面壁2208と、機体10の壁部に近接した背面壁2210と、天井壁2212とを有している。
躯体フレーム22Aの内部は、図16に示すように、便器2220、洗面台2222などが設けられた化粧室2224となっている。
図1に示すように、正面壁2204は、正面壁本体2230と、その側方に設けられた航空機用化粧室ユニット22(化粧室2224)の出入口2232とを備えている。
出入口2232は、正面壁本体2230の側方に設けられた開口2234と、開口2234を開閉する扉2236とを含んで構成され、扉2236には開閉操作用の把手2238が設けられている。
第1側面壁2206の搭乗口24側の縁部は、背面壁2210に対応して湾曲状に設けられ、第1側面壁2206の縦通路18側には突出壁2240が設けられ、第1側面壁2206にはこの突出壁2240を利用してキャビンアテンダントの着座用のアテンダントシート2242が設けられている。
アテンダントシート2242は2人掛け用で、第1側面壁2206に取り付けられたフレーム2244と、フレーム2244に取り付けられた背もたれ2246と、フレーム2244に起立倒伏可能に取り付けられた座部2248とを含んで構成されている。
【0010】
そして、消毒剤を吐出可能なポンプ式ボトル30が、各航空機用化粧室ユニット22の横通路20に面し出入口2232を有していない第1側面壁2206にそれぞれ設けられ、ポンプ式ボトル30は、乗客がそのヘッド部3016を押し下げ操作可能な高さで設けられている。
ここで、乗客が押し下げ操作可能なヘッド部3016の高さとは、例えば、フロアから80cmから140cm程度上方の箇所である。
ポンプ式ボトル30は、搭乗口24寄りの第1側面壁2206の箇所に設けられている。
本実施の形態では、ポンプ式ボトル30は、アテンダントシート2242よりも搭乗口24側の第1側面壁2206の箇所に設けられている。
【0011】
図2に示すように、ポンプ式ボトル30は、手、指用の消毒剤が収容された容器3002と、容器3002内の消毒剤を吐出するポンプディスペンサー3004とを備えている。手、指用の消毒剤は、ノズル部3018から手、指に吐出されるものであればよく、液体やジェル状のものなど広く含む。
容器3002は均一外径の円筒状を呈し、上面の中央にその外周面に雄ねじが形成された筒状の小径部が上方に突出している。
ポンプディスペンサー3004は、小径部にねじ結合される中空状のキャップ3010と、キャップ3010で保持されキャップ3010の上方に突出すると共に容器3002の内部に延在するシリンダ3012と、シリンダ3012の底壁に第1一方向弁を介在した状態で取り付けられて下方に延在しその下端が容器3002の底面の近傍に位置するチューブと、シリンダ3012内を摺動しシリンダ3012の底壁との間にシリンダ室を形成するピストンと、ピストンからシリンダ3012の上端の上方に突出するピストンロッド3014と、ピストンを常時上方に付勢するスプリングと、ピストンロッド3014の上端に設けられたヘッド部3016と、ヘッド部3016から突出するノズル部3018とを備え、ピストンからノズル部3018に連通する消毒剤通路と、消毒剤通路に介設された第2一方向弁を含んで構成されている。
したがって、例えば、ヘッド部3016を押し下げた状態から手を離すと、スプリングの付勢力によりピストンが上昇して上限位置となり、ピストンの上昇によりシリンダ室が負圧になることから第2一方向弁が閉じ、第1一方向弁が開いてチューブを介して容器3002内の消毒液がシリンダ室に吸い込まれる。
また、ヘッド部3016を押し込むと、ピストンによりシリンダ室が圧縮され、第2一方向弁が開き、第1一方向弁が閉じてシリンダ室内の消毒剤が消毒剤通路を介して上昇し、ノズル部3018から消毒剤が吐出される。
なお、このようなポンプ式ボトル30には従来公知の様々な構造の市販品が使用可能である。
【0012】
図2図3に示すように、ポンプ式ボトル30は、配置具34を介して第1側面壁2206に配置されている。
配置具34は、第1側面壁2206に取り付けられポンプ式ボトル30の下部を支持する下部支持部材36と、第1側面壁2206に取り付けられ下部支持部材36と切り離されポンプ式ボトル30の上部を支持する上部支持部材38とを含んで構成されている。
詳細には、配置具34は、容器3002の水平方向の動きを規制しつつポンプ式ボトル30の下部を支える下部支持部材36と、ポンプ式ボトル30の上部においてポンプ式ボトル30の上方への移動を規制する上部支持部材38とを含んで構成されている。
【0013】
図4に示すように、下部支持部材36は第1側面壁2206に取り付けられる下部ブラケット36Aで構成されている。
下部ブラケット36Aは、合金製または繊維強化プラスチック製であり、強度、剛性、軽量性、加工性、意匠性を考慮した場合、アルミ合金製が望ましく、本実施の形態では、下部ブラケット36Aはアルミ合金製である。
下部ブラケット36Aは、基板部3602と、上板部3604と、載置板部3606と、接続板部3608とを有している。
基板部3602は矩形状を呈し、基板部3602の上部の両側の2箇所と、下部の中央の一箇所にそれぞれ第1ボルト挿通孔H1が設けられている。
図3に示すように、基板部3602は、第1側面壁2206に重ね合わされ、第1ボルト挿通孔H1に挿通された雄ねじ部材である第1ボルトB1を介して第1側面壁2206に取り付けられている。本実施の形態では、第1ボルトB1として六角レンチで回転操作される六角穴付きボルトを用いている。
図4に示すように、上板部3604は、基板部3602の上端から突出している。
上板部3604には、ポンプ式ボトル30の容器3002の下部が挿脱可能に挿通され容器3002の下部が挿通された状態で容器3002の下部の水平方向における移動を規制する円形の下部挿通孔3604Aが設けられている。
載置板部3606は、上板部3604の下方に位置する基板部3602の箇所から突出され、下部挿通孔3604Aに挿通された容器3002の底部が載置され、ポンプ式ボトル30の重量を支え、また、乗客やキャビンアテンダントがヘッド部3016を押し込む際に掛かるポンプ式ボトル30の荷重を受ける箇所である。
接続板部3608は、基板部3602の下端から斜め上方に突設され、上板部3604と載置板部3606との先端を接続している。
【0014】
下部ブラケット36Aは、航空機が乱気流に突入し、機体10に上下方向や水平方向の大きな揺れが生じた場合などに乗客がよろけてポンプ式ボトル30に手を掛けた際、あるいは、寄り掛かった際などに破損しないように、上下方向の136kg重(kgf)の力または水平方向の136kg重(kgf)の力に対して破損不能な強度、剛性で設けられている。
すなわち、下部ブラケット36Aを構成する強度、剛性を有する材料に加え、基板部3602と上板部3604と接続板部3608とからなる下部ブラケット36Aは、図4(B)に示すように、側面視ほぼ三角形の枠状を呈し、言い換えると、閉断面形状を呈し、形状自体にも強度、剛性を備え、上下方向の136kg重(kgf)の力または水平方向の136kg重(kgf)の力に対して破損不能な強度、剛性で設けられている。
また、基板部3602が第1側面壁2206に取り付けられた状態で、基板部3602と上板部3604と接続板部3608とは全て水平方向に延在しており、言い換えると同じ方向に延在しているので、下部ブラケット36Aは、押出成形で簡単に製作でき、コストダウンを図る上で有利となる。
【0015】
図5に示すように、上部支持部材38は第1側面壁2206に取り付けられる上部ブラケット38Aで構成されている。
上部ブラケット38Aは、下部ブラケット36Aと同様に、合金製または繊維強化プラスチック製であり、強度、剛性、軽量性、加工性、意匠性を考慮した場合、アルミ合金製が望ましく、本実施の形態では、上部ブラケット38Aはアルミ合金製である。
上部ブラケット38Aは、取り付け板部3802と、突出板部3804とを備えている。
取り付け板部3802は細長の矩形を呈し、取り付け板部3802には2つの第2ボルト挿通孔H2が設けられている。
図3に示すように、取り付け板部3802は、下部ブラケット36Aから上方に離れた第1側面壁2206の箇所に重ね合わされ、第2ボルト挿通孔H2に挿通された雄ねじ部材である第2ボルトB2により第1側面壁2206に取り付けられている。本実施の形態では、第2ボルトB2として六角レンチで回転操作される六角穴付きボルトを用いている。
図5に示すように、突出板部3804は、取り付け板部3802の上端から突設されている。
突出板部3804には、ポンプ式ボトル30の上部が挿脱可能に挿通されポンプ式ボトル30の上方への移動を規制する上部挿通孔3804Aが設けられている。
本実施の形態では、図2に示すように、上部挿通孔3804Aはポンプ式ボトル30の上部を構成するシリンダ3012の外径よりも大きい寸法で、かつ、キャップ3010の外径よりも小さい寸法の内径で形成され、したがって、キャップ3010が上部挿通孔3804Aの周囲の突出板部3804の箇所に当接することで、ポンプ式ボトル30の上方への移動が規制される。
したがって、航空機が乱気流に突入し、機体10に上下方向や水平方向の大きな揺れが生じた場合などに、下部ブラケット36Aと上部ブラケット38Aとを備える配置具34からポンプ式ボトル30が飛び出ることなく、ポンプ式ボトル30をしっかりと支持できるように図られている。
【0016】
図3に示すように、第1側面壁2206を含む躯体フレーム22Aの壁部は、合成繊維材からなるハニカム構造のコア2250と、コア2250の両面に取り付けられた繊維強化プラスチックからなる表面板2252とで構成されている。
下部ブラケット36Aと上部ブラケット38Aとが取り付けられる第1側面壁2206の箇所には補強フレーム40が設けられている。
補強フレーム40は、図1図3に示すように、下部ブラケット36Aの基板部3602と上部ブラケット38Aの取り付け板部3802との双方がその内側に入る大きい輪郭の2枚の薄肉補強板4002を含んで構成されている。
薄肉補強板4002は、表面板2252よりも強度、剛性を有する軽量な材料で形成され、このような材料として金属材料やガラス繊維補強プラスチックなどが採用可能である。
薄肉補強板4002は、コア2250に設けられた凹部に取着され、薄肉補強板4002の表面と、薄肉補強板4002が設けられていない箇所のコア2250の表面とが同一平面上に位置するように図られている。
また、基板部3602の第1ボルト挿通孔H1および取り付け板部3802の第2ボルト挿通孔H2に対応する第1側面壁2206の箇所には、第1ボルトB1、第2ボルトB2の雄ねじに螺合可能な雌ねじ4202を有する雌ねじ部材42が埋め込まれている。
雌ねじ部材42は合金製で大径部4204と両側の小径部4206とを有し、両側の小径部4206は、薄肉補強板4002および表面板2252の孔に挿通され、大径部4204の両側の端面が薄肉補強板4002に突き当てられて配設されている。
したがって、航空機が乱気流に突入した場合などに乗客がよろけてポンプ式ボトル30に手を掛けた際、あるいは、寄り掛かった際などに下部ブラケット36Aと上部ブラケット38Aに大きな力が作用した際に、雌ねじ部材42を介して第1側面壁2206で下部ブラケット36Aおよび上部ブラケット38Aをしっかりと保持できるように、ポンプ式ボトル30が配置される第1側面壁2206の箇所が補強フレーム40で補強されている。
また、補強フレーム40は第1側面壁2206の内部に設けられているので、航空機用化粧室ユニット22の第1側面壁2206の外観性を損なうことなく、配置具34を介してポンプ式ボトル30を航空機用化粧室ユニット22に配置する上で有利となっている。
【0017】
また、ポンプ式ボトル30に消毒剤を補充する場合には、第2ボルトB2を取り外すことで上部ブラケット38Aを第1側面壁2206から取り外し、ポンプ式ボトル30を下部ブラケット38Aから取り出すことで行ない、容器3002に消毒剤を補充したのち、再度、上部ブラケット38Aを第2ボルトB2により第1側面壁2206に取り付けることで行なう。
あるいは、第1ボルトB1を取り外すことで下部ブラケット36Aを第1側面壁2206から取り外し、キャップ3010を容器3002から外し、容器3002に消毒剤を補充したのち、再度、キャップ3010を容器3002に装着し、下部ブラケット36Aを第1ボルトB1により第1側面壁2206に取り付けることで行なう。
すなわち、下部支持部材36と上部支持部材38との少なくとも一方を壁部から取り外すことで、ポンプ式ボトル30の配置具34からの取り出しが可能となり、乗客がポンプ式ボトル30を配置具34から簡単に取りだすことができないように図られている。
【0018】
このような第1の実施の形態によれば、手、指の消毒剤を吐出可能なポンプ式ボトル30が、航空機用化粧室ユニット22の第1側面壁2206に、ヘッド部3016を乗客が押し下げ操作可能な高さで配置されている。
したがって、乗客が航空機用化粧室ユニット22を使用する際に、ポンプ式ボトル30のヘッド部3016を押し下げて消毒剤を手、指に吐出させ,手、指を簡単に消毒でき、消毒された清浄な手、指により把手2238を介して扉2236を開けて化粧室2224に入る。
また、化粧室2224の使用後は、再度、ポンプ式ボトル30のヘッド部3016を押し下げて消毒剤を手、指に吐出させ,手、指を簡単に消毒できる。
したがって、長距離の航路で乗客の全員が航空機用化粧室ユニット22の把手2238に触れても、航空機用化粧室ユニット22の把手2238を介しての他の乗客への新型コロナの感染を予防する上で有利となる。
また、乗客が機内に搭乗する際、搭乗口24近傍の横通路20を形成する第1側面壁2206に手、指の消毒剤を吐出可能なポンプ式ボトル30が配置されているため、乗客は手、指を消毒したのち機内に搭乗することができ、機内における新型コロナの感染を予防する上で有利となる。
さらに、手、指の消毒剤を吐出可能なポンプ式ボトル30が、キャビンアテンダント着座用のアテンダントシート2242の側方に配置されているため、アテンダントシート2242に着座したキャビンアテンダントが乗客からの呼び出しにより席を立つとき、呼び出しを受けた乗客の座席に向かう前に、ポンプ式ボトル30により簡単に手、指を消毒できる。また、乗客に対しての接客が終了後、キャビンアテンダントがアテンダントシート2242に着座する前に、キャビンアテンダントはポンプ式ボトル30により簡単に手、指を消毒できる。
したがって、機内においてキャビンアテンダントを介しての乗客への新型コロナの感染を予防する上でも有利となる。
また、ポンプ式ボトル30を第1側面壁2206に配置するに際して配置具34を用い、配置具34は、ポンプ式ボトル30の下部を支持する下部支持部材36と、ポンプ式ボトル30の上部を支持する上部支持部材38との切り離された二つの部材で構成されているので、配置具34の軽量化を図り、コストダウンを図る上で有利となり、したがって、軽量化を図り、コストダウンを図りつつポンプ式ボトル30を第1側面壁2206に配置することが可能となる。
【0019】
次に、図6を参照して第2の実施の形態について説明する。
なお、以下の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同様な箇所、部材について同一の符号を付しその説明を簡略化しあるいは省略し、第1の実施の形態と異なった箇所を重点的に説明する。
第2の実施の形態では、ポンプ式ボトル30の配置場所が第1の実施の形態と異なっている。
すなわち、第2の実施の形態では、ポンプ式ボトル30は配置具34を介して縦通路18に面する正面壁2204の正面壁本体2230に、乗客がそのヘッド部3016を押し下げ操作可能な高さで配置され、したがって、出入口2232の側方にポンプ式ボトル30が位置している。
正面壁本体2230は第1側面壁2206と同様に、図3に示すように、合成繊維材からなるハニカム構造のコア2250と、コア2250の両面に取り付けられた繊維強化プラスチックからなる表面板2252とで構成され、下部ブラケット36Aと上部ブラケット38Aとが取り付けられる正面壁本体2230の箇所には、2枚の薄肉補強板4002から構成される補強フレーム40が設けられている。
下部ブラケット36Aの基板部3602の第1ボルト挿通孔H1および上部ブラケット38Aの取り付け板部3802の第2ボルト挿通孔H2に挿通された第1ボルトB1、第2ボルトB2は、正面壁本体2230に埋め込まれ薄肉補強板4002で挟まれた雌ねじ部材42に螺合されている。
【0020】
このような第2の実施の形態によれば、手、指の消毒剤を吐出可能なポンプ式ボトル30が、航空機用化粧室ユニット22の出入口2232の側方の正面壁本体2230に、ヘッド部3016を乗客が押し下げ操作可能な高さで配置されている。
したがって、乗客が航空機用化粧室ユニット22を使用する際に、出入口2232の側方のポンプ式ボトル30のヘッドを押し下げて消毒剤を手、指に吐出させ,手、指を簡単に消毒でき、消毒された清浄な手、指により把手2238を介して扉2236を開けて化粧室2224に入る。
また、化粧室2224の使用後は、再度、出入口2232の側方のポンプ式ボトル30のヘッドを押し下げて消毒剤を手、指に吐出させ,手、指を簡単に消毒できる。
したがって、乗客が航空機用化粧室ユニット22を使用する前と後に、ポンプ式ボトル30が出入口2232の側方に位置しているため、手、指の消毒を簡単に行なうことができる。
したがって、長距離の航路で乗客の全員が航空機用化粧室ユニット22の把手2238に触れても、航空機用化粧室ユニット22の把手2238を介しての他の乗客への新型コロナの感染を予防する上で有利となる。
さらに、手、指の消毒剤を吐出可能なポンプ式ボトル30がアテンダントシート2242の近くに位置しているため、アテンダントシート2242に着座したキャビンアテンダントが乗客からの呼び出しにより席を立つとき、呼び出しを受けた乗客の座席に向かう前に、ポンプ式ボトル30により簡単に手、指を消毒できる。また、乗客に対しての接客が終了後、キャビンアテンダントがアテンダントシート2242に着座する前に、キャビンアテンダントはポンプ式ボトル30により簡単に手、指を消毒できる。
したがって、機内においてキャビンアテンダントを介しての乗客への新型コロナの感染を予防する上でも有利となる。
また、ポンプ式ボトル30を第1側面壁2206に配置するに際して配置具34を用い、配置具34は、ポンプ式ボトル30の下部を支持する下部支持部材36と、ポンプ式ボトル30の上部を支持する上部支持部材38との切り離された二つの部材で構成されているので、配置具34の軽量化を図り、コストダウンを図る上で有利となり、したがって、軽量化を図り、コストダウンを図りつつポンプ式ボトル30を第1側面壁2206に配置することが可能となる。
【0021】
次に、図7を参照して第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、第1、第2の実施の形態の下部ブラケット36Aの構成が異なっており、その他の構成は第1、第2の実施の形態と同様である。
まず、第3の実施の形態の下部ブラケット36Bでは、上板部3604に設けられた下部挿通孔3604Bが、第1、第2の実施の形態では円形であったのに対し第3の実施の形態では矩形で形成されている。
矩形の下部挿通孔3604Bは、第1の実施の形態と同様に、ポンプ式ボトル30の容器3002の下部が挿脱可能に挿通され容器3002の下部が挿通された状態で容器3002の下部の水平方向における移動を規制する。
また、下部ブラケット36Bは、基板部3602と、上板部3604と、載置板部3606と、接続板部3608とに加え、補強板部3610とを含んで構成されている。
補強板部3610は、載置板部3606が突出する基板部3602の箇所から斜め下方に突出され、接続板部3608に接続されている。
第1、第2の実施の形態と同様に、図7(B)に示すように、基板部3602と上板部3604と接続板部3608とにより下部ブラケット36Bは側面視ほぼ三角形の枠状を呈し、言い換えると、閉断面形状を呈し、形状自体にも強度、剛性を備え、第3の実施の形態では、補強板部3610を備えることから下部ブラケット36Bの強度、剛性がさらに高められている。
したがって下部ブラケット36Bは、航空機が乱気流に突入した場合などに乗客がよろけてポンプ式ボトル30に手を掛けた際、あるいは、寄り掛かった際などに破損しないように、上下方向の136kg重(kgf)の力または水平方向の136kg重(kgf)の力に対して破損不能な強度、剛性で設けられている。
第3の実施の形態の下部ブラケット36Bは、第1、第2の実施の形態と同様に、基板部3602が第1側面壁2206または正面壁本体2230に取り付けられた状態で、基板部3602と上板部3604と接続板部3608と補強板部3610は全て水平方向に延在しており、言い換えると同じ方向に延在しているので、下部ブラケット36Bは、押出成形で簡単に製作でき、コストダウンを図る上で有利となる。
第3の実施の形態は、下部ブラケット36Bの構造が第1の実施の形態と異なるのみであり、したがって、第3の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
【0022】
次に、図8から図10を参照して第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は、第1の実施の形態の下部ブラケット36Aの構成が異なっており、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
なお、以下の実施の形態では、ポンプ式ボトル30が第1側面壁2206に配置される場合について説明するが、以下の実施の形態は、ポンプ式ボトル30が正面壁本体2230に配置される場合にも無論適用可能である。
図8図9に示すように、第4の実施の形態の下部ブラケット36Cは第1側面壁2206に取り付けられるもので、下部ブラケット36Cは、第1の実施の形態と同様に、合金製または繊維強化プラスチック製であり、強度、軽量性、加工性、意匠性を考慮した場合、アルミ合金製が望ましく、本実施の形態では、下部ブラケット36Cはアルミ合金製である。
【0023】
図10に示すように、下部ブラケット36Cは、周壁3620と、底壁3630とを有している。
周壁3620は、ポンプ式ボトル30の容器3002の下部が挿入されポンプ式ボトル30の水平方向における移動を規制する箇所である。
周壁3620は、第1側面壁2206に重ね合わされ第1側面壁2206に取り付けられる細長の基板部3622と、基板部3622の両側から突出する両側の側板部3624と、両側の側板部3624の先端間を接続する湾曲板部3626とを含んで構成されている。
基板部3622の内面と、両側の側板部3624の内面と、湾曲板部3626の内面は、ポンプ式ボトル30の容器3002の下部が挿脱でき、また、容器3002の下部の水平方向における移動を規制できる寸法で形成されている。
基板部3622の上部の両側には第3ボルト挿通孔H3が設けられ、図9に示すように、それら第3ボルト挿通孔H3に挿通された雄ねじ部材である第3ボルトB3(六角穴付きボルト)の雄ねじは、第1の実施の形態と同様に、補強フレーム40で補強された第1側面壁2206の箇所に埋め込まれた雌ねじ部材42の雌ねじ4202に螺合される。
【0024】
底壁3630は、周壁3620に設けられポンプ式ボトル30の下部を支える箇所である。
図10に示すように、底壁3630は、周壁3620の内側において対向する周壁3620の内面の下部を接続する複数の壁部で構成されている。
本実施の形態では、底壁3630は、互いに直交する第1底壁部3632と第2底壁部3634とで構成されている。
第1底壁部3632は、湾曲板部3626の延在方向の中央部と、基板部3622の延在方向の中央部とを接続している。
第2底壁部3634は、互いに対向する湾曲板部3626と側板部3624との境の箇所を接続している。
周壁3620と底壁3630からなる下部ブラケット36Cは平面視、湾曲板部3626を含んだほぼ矩形枠状を呈し、言い換えると、閉断面形状を呈し、周壁3620の内面の互いに対向する箇所を接続する底壁3630を有することから、形状自体にも強度、剛性を備えている。
また、基板部3622が第1側面壁2206に取り付けられた状態で、周壁3620と底壁3630は鉛直方向に延在しており、言い換えると同じ方向に延在しているので、下部ブラケット36Cは、押出成形で簡単に製作でき、コストダウンを図る上で有利となる。
なお、下部ブラケット36Cは、押出成形後に、第1底壁部3632と第2底壁部3634とが周壁3620よりも低い高さに切削加工されることで設けられている。
第4の実施の形態は、下部ブラケット36Cの構造が第1の実施の形態と異なるのみであり、したがって、第4の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
【0025】
次に、図11を参照して第5の実施の形態について説明する。
第5の実施の形態は、第4の実施の形態の変形例であり、第4の実施の形態の下部ブラケット36Cの底部の構造が異なっている。
すなわち、第4の実施の形態の下部ブラケット36Cの底部が第1底壁部3632と第2底壁部3634とにより構成されていたのに対して、第5の実施の形態の下部ブラケット36Dでは、その底部が第4ボルトB4(六角穴付きボルト)と第5ボルトB5(六角穴付きボルト)との2本のボルトで構成されている。
周壁3620は、第4の実施の形態と同様に、細長の基板部3622と、両側の側板部3624と、湾曲板部3626とを含んで構成され、基板部3622の上部の両側にそれぞれ第3ボルト挿通孔H3が設けられている。
また、図11(B)に示すように、基板部3622の下部の中央と、基板部3622の下部の中央に対向する湾曲板部3626の下部の中央にそれぞれ第4ボルト挿通孔H4が同軸上に設けられている。
また、両側の側板部3624の湾曲板部3626寄りの箇所に第5ボルト挿通孔H5が同軸上に設けられている。
基板部3622の上部の第3ボルト挿通孔H3にはそれぞれ第3ボルトB3が挿通され、図9に示される第4の実施の形態と同様に、第3ボルトB3の雄ねじは、補強フレーム40で補強された第1側面壁2206の箇所に埋め込まれた雌ねじ部材42の雌ねじ4202に螺合される。
【0026】
図11(B)に示されるように、第4ボルトB4(六角穴付きボルト)は、湾曲板部3626に設けられた第4ボルト挿通孔H4から基板部3622に設けられた第4ボルト挿通孔H4に挿通され、第4ボルトB4の雄ねじは、補強フレーム40で補強された第1側面壁2206の箇所に埋め込まれた雌ねじ部材42の雌ねじ4202に螺合される。
したがって、下部ブラケット36Dの取り付け強度が第4の実施の形態に比べて高められている。
第5ボルトB5は一方の第5ボルト挿通孔H5から他方の第5ボルト挿通孔H5に挿通され、側板部3624の外側に突出する第5ボルトB5の雄ねじ部にナットNを螺合することで、第5ボルトB5は両側の側板部3624に取り付けられている。
第4ボルトB4と第5ボルトB5とは平面視した場合に直交しており、第5ボルトB5が第4ボルトB4の上に位置している。
また、基板部3622が第1側面壁2206に取り付けられた状態で、基板部3622、両側の側板部3624、湾曲板部3626は鉛直方向に延在しており、周壁3620は、押出成形で簡単に製作でき、コストダウンを図る上で有利となる。
なお、下部ブラケット36Dを第1側面壁2206から取り外す場合には、2本の第3ボルトB3に加え、第4ボルトB4も第1側面壁2206の雌ねじ部材42から外して行なう。
第5の実施の形態は、下部ブラケット36Dの構造が第1の実施の形態と異なるのみであり、したがって、第5の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
【0027】
次に、図12図13を参照して第6の実施の形態について説明する。
第6の実施の形態は、第1の実施の形態の上部ブラケット38Aの構成が異なっており、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
第6の実施の形態の上部ブラケット38Bは、第1の実施の形態と同様に、合金製または繊維強化プラスチック製であり、強度、軽量性、加工性、意匠性を考慮した場合、アルミ合金製が望ましく、本実施の形態では、上部ブラケット38Bはアルミ合金製である。
上部ブラケット38Bは、取り付け板部3810と、挟持部3820とを備えている。
取り付け板部3810は細長の矩形を呈し、取り付け板部3810には2つの第6ボルト挿通孔H6が設けられている。
取り付け板部3810は、図13に示すように、下部ブラケット36Aから上方に離れた第1側面壁2206の箇所に重ね合わされ、第6ボルト挿通孔H6に挿通された雄ねじ部材である第6ボルトB6(六角穴付きボルト)により第1側面壁2206に取り付けられている。
この第6ボルトB6の雄ねじは、第1の実施の形態と同様に、補強フレーム40で補強された第1側面壁2206の箇所に埋め込まれた雌ねじ部材42の雌ねじ4202に螺合される。
取り付け板部3810の長さ方向の中央から一対のアーム部3812が突設され、挟持部3820はこのアーム部3812の先部に設けられている。
挟持部3820は、互いに対向する円弧状の2つの挟持片3822を含んで構成されている。
【0028】
本実施の形態では、それら2つの挟持片3822の基部は接続されている。
2つの挟持片3822は、ポンプ式ボトル30の上部のキャップ3010を挟持可能に構成されている。
したがって、キャップ3010を2つ挟持片3822の間に押し込むことで、キャップ3010は2つの挟持片3822により挟持され、キャップ3010は2つの挟持片3822により水平方向の移動と上方への移動が規制される。
また、ポンプ式ボトル30の下部は、第1の実施の形態と同様に、下部ブラケット36Aにより下方から支えられると共に水平方向の移動が規制されている。
なお、ポンプ式ボトル30に消毒剤を補充する場合などに上部ブラケット38Bを第1側面壁2206から取り外す際には、2本の第6ボルトB6を第1側面壁2206の雌ねじ部材42から外して行なう。
第6の実施の形態は、上部ブラケット38Bの構造が第1の実施の形態と異なるのみであり、したがって、第6の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
【0029】
次に、図14図15を参照して第7の実施の形態について説明する。
第7の実施の形態は、配置具34の上部支持部材38の構成が第1の実施の形態と異なっており、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
上部支持部材38は、第7の実施の形態では弾性材料からなり柔軟性を有する細長のバンド38Cで構成されている。バンド38Cには金属製のメッシュが埋め込まれ、簡単に切断されないように図られ、乗客がポンプ式ボトル30を配置具34から簡単に取りだすことができないように図られている。
バンド38Cの長手方向の両端には第7ボルト挿通孔H7が設けられ、図15に示すように、下部ブラケット36Aから上方に離れた第1側面壁2206の箇所に、第7ボルト挿通孔H7に挿通された雄ねじ部材である第7ボルトB7(六角穴付きボルト)により取り付けられている。
この第7ボルトB7の雄ねじは、第1の実施の形態と同様に、補強フレーム40で補強された第1側面壁2206の箇所に埋め込まれた雌ねじ部材42の雌ねじ4202に螺合される。
バンド38Cの長手方向の中間部は、ポンプ式ボトル30の上部のキャップ3010に弾接してキャップ3010を第1側面壁2206方向に付勢し、ポンプ式ボトル30の上部の水平方向の動きと上方への移動を規制している。
また、ポンプ式ボトル30の下部は、下部ブラケット36Aにより下方から支えられると共に水平方向の移動が規制されている。
なお、消毒剤を補充する場合などにポンプ式ボトル30を配置具34から取り出す際には、バンド38Cの長手方向の一方の端部に位置する第7ボルトB7を第1側面壁2206から取り外すことで行ない、第7ボルトB7を回転操作するという面倒な操作を要することから、乗客がポンプ式ボトル30を配置具34から簡単に取りだすことができないように図られている。
第7の実施の形態は、上部支持部材38の構造が第1の実施の形態と異なるのみであり、したがって、第7の実施の形態によっても第1の実施の形態と同様な効果が奏される。
なお、第6、第7の実施の形態の上部支持部材38の構成は、第1~5実施の形態にも無論適用可能である。
【符号の説明】
【0030】
10 機体
12 客室
14 圧力隔壁
16 座席群
1602 座席列
18 縦通路
20 横通路
22 航空機用化粧室ユニット
22A 躯体フレーム
2204 正面壁
2206 第1側面壁
2208 第2側面壁
2224 化粧室
2230 正面壁本体
2232 出入口
2234 開口
2236 扉
2238 把手
2240 突出壁
2242 アテンダントシート
2250 コア
2252 表面板
24 搭乗口
26 ギャレー
30 ポンプ式ボトル
3002 容器
3004 ポンプディスペンサー
3010 キャップ
3016 ヘッド部
3018 ノズル部
34 配置具
36 下部支持部材
36A、36B、36C、36D 下部ブラケット
3602 基板部
3604 上板部
3604A、3604B 下部挿通孔
3606 載置板部
3608 接続板部
3610 補強板部
3620 周壁
3622 基板部
3624 側板部
3626 湾曲板部
3630 底壁
3632 第1底壁部
3634 第2底壁部
38 上部支持部材
38A、38B 上部ブラケット
38C バンド
3802 取り付け板部
3804 突出板部
3804A 上部挿通孔
3810 取り付け板部
3812 アーム部
3820 挟持部
3822 挟持片
40 補強フレーム
4002 薄肉補強板
42 雌ねじ部材
4202 雌ねじ
4204 大径部
4206 小径部
B1~B7 第1~第7ボルト
H1~H7 第1~第7ボルト挿通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【手続補正書】
【提出日】2021-09-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明の一実施の形態は、機体の前後方向に延在する縦通路と、前記縦通路に直交して延在する横通路と、前記縦通路の両側に設けられた座席群と、前記縦通路と前記横通路の少なくとも一方の通路に面して配置された航空機用化粧室ユニットであって、前記航空機用化粧室ユニットの躯体フレームは、前記一方の通路に面する壁部を有し、手、指の消毒剤を吐出可能なポンプ式ボトルが、前記ポンプ式ボトルのヘッド部を乗客が押し下げ操作可能な高さで配置具を介して前記壁部に配置され、前記配置具は、前記ポンプ式ボトルの水平方向の動きを規制しつつ前記ポンプ式ボトルの下部を支持する下部支持部材と、前記下部支持部材と切り離され前記ポンプ式ボトルの上部において前記ポンプ式ボトルの上方への移動を規制する上部支持部材とで構成され、前記下部支持部材と前記上部支持部材は、それぞれ雄ねじ部材により前記壁部に着脱可能に取り付けられ、前記下部支持部材と前記上部支持部材との少なくとも一方を前記壁部から取り外すことで、前記ポンプ式ボトルの前記配置具からの取り出しが可能となることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記下部ブラケットは、上下方向の136kg重(kgf)の力または水平方向の136kg重(kgf)の力に対して破損不能な強度、剛性で設けられ、前記壁部は、合成繊維材からなるハニカム構造のコアと、コアの両面に取り付けられた繊維強化プラスチックからなる一対の表面板とで構成され、前記雄ねじ部材は、前記壁部に埋め込まれた雌ねじ部材に螺合され、前記雌ねじ部材が配置される前記壁部の箇所は、前記壁部の内部に設けられた補強フレームにより補強されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記躯体フレームは、前記横通路に面して設けられた側面壁を備え、前記壁部は前記側面壁であることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記横通路の延在方向の端部に搭乗口が設けられ、前記ポンプ式ボトルは、前記搭乗口寄りの前記側面壁の箇所に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記側面壁の前記縦通路側にキャビンアテンダントの着座用のアテンダントシートが配置され、前記ポンプ式ボトルは、前記アテンダントシートよりも前記搭乗口側の前記側面壁の箇所に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記躯体フレームは、前記縦通路に面して設けられた正面壁本体と、前記正面壁本体の側方に設けられた出入口とを有する正面壁を備え、前記壁部は、前記正面壁本体であることを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の前後方向に延在する縦通路と、前記縦通路に直交して延在する横通路と、前記縦通路の両側に設けられた座席群と、前記縦通路と前記横通路の少なくとも一方の通路に面して配置された航空機用化粧室ユニットであって、
前記航空機用化粧室ユニットの躯体フレームは、前記一方の通路に面する壁部を有し、
手、指の消毒剤を吐出可能なポンプ式ボトルが、前記ポンプ式ボトルのヘッド部を乗客が押し下げ操作可能な高さで配置具を介して前記壁部に配置され、
前記配置具は、前記ポンプ式ボトルの水平方向の動きを規制しつつ前記ポンプ式ボトルの下部を支持する下部支持部材と、前記下部支持部材と切り離され前記ポンプ式ボトルの上部において前記ポンプ式ボトルの上方への移動を規制する上部支持部材とで構成され、
前記下部支持部材と前記上部支持部材は、それぞれ雄ねじ部材により前記壁部に着脱可能に取り付けられ、
前記下部支持部材と前記上部支持部材との少なくとも一方を前記壁部から取り外すことで、前記ポンプ式ボトルの前記配置具からの取り出しが可能となる、
ことを特徴とする航空機用化粧室ユニット。
【請求項2】
前記下部ブラケットは、上下方向の136kg重(kgf)の力または水平方向の136kg重(kgf)の力に対して破損不能な強度、剛性で設けられ、
前記壁部は、合成繊維材からなるハニカム構造のコアと、コアの両面に取り付けられた繊維強化プラスチックからなる一対の表面板とで構成され、
前記雄ねじ部材は、前記壁部に埋め込まれた雌ねじ部材に螺合され、
前記雌ねじ部材が配置される前記壁部の箇所は、前記壁部の内部に設けられた補強フレームにより補強されている、
ことを特徴とする請求項1記載の航空機用化粧室ユニット。
【請求項3】
前記躯体フレームは、前記横通路に面して設けられた側面壁を備え、
前記壁部は前記側面壁である、
ことを特徴とする請求項1または2記載の航空機用化粧室ユニット。
【請求項4】
前記横通路の延在方向の端部に搭乗口が設けられ、
前記ポンプ式ボトルは、前記搭乗口寄りの前記側面壁の箇所に配置されている、
ことを特徴とする請求項記載の航空機用化粧室ユニット。
【請求項5】
前記側面壁の前記縦通路側にキャビンアテンダントの着座用のアテンダントシートが配置され、
前記ポンプ式ボトルは、前記アテンダントシートよりも前記搭乗口側の前記側面壁の箇所に配置されている、
ことを特徴とする請求項記載の航空機用化粧室ユニット。
【請求項6】
前記躯体フレームは、前記縦通路に面して設けられた正面壁本体と、前記正面壁本体の側方に設けられた出入口とを有する正面壁を備え、
前記壁部は、前記正面壁本体である、
ことを特徴とする請求項1または2記載の航空機用化粧室ユニット。