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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067416
(43)【公開日】2022-05-06
(54)【発明の名称】回転式粉末圧縮成形装置
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/00 20060101AFI20220425BHJP
   B30B 11/08 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
B30B11/00 F
B30B11/08 A
B30B11/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176111
(22)【出願日】2020-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】591011384
【氏名又は名称】株式会社パウレック
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】長門 琢也
(72)【発明者】
【氏名】富田 陽介
(57)【要約】
【課題】回転式粉末圧縮成形装置において、外部滑沢技術で生じるような弊害を起こすことなく、圧縮成形される粉末に対する滑沢剤の過混合状態を抑制する。
【解決手段】回転式粉末圧縮成形装置が具備する粉末供給部4は、ホッパ部7と、滑沢剤供給管8と、混合部12と、導入部10とを備える。ホッパ部7は、混合部12に原料粉末を供給する。滑沢剤供給管8は、混合部12に滑沢剤を供給する。混合部12は、ホッパ部7と滑沢剤供給管8より下方に設けられている。混合部12には、原料粉末と滑沢剤とを撹拌混合して混合粉末を形成する第1撹拌羽根11が配設されている。導入部10は、混合部12の下方に設けられ、混合部12で形成された前記混合粉末を臼孔に導入する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に沿った軸線の周りに回転駆動される回転盤と、前記回転盤に所定の回転方向間隔で設けられた複数の臼孔と、前記回転盤の回転方向の所定位置で、原料粉末と滑沢剤との混合粉末を前記臼孔に供給する粉末供給部と、前記臼孔に相反する方向から挿入され、前記臼孔に供給された前記混合粉末を圧縮成形する一対の杵とを具備する回転式粉末圧縮成形装置において、
前記粉末供給部は、
前記原料粉末を供給する原料粉末供給部と、
前記滑沢剤を供給する滑沢剤供給部と、
前記原料粉末供給部と前記滑沢剤供給部より下方に設けられ、前記原料粉末供給部から供給された前記原料粉末と、前記滑沢剤供給部から供給された前記滑沢剤とを撹拌混合して前記混合粉末を形成する撹拌混合機構を有する混合部と、
前記混合部の下方に設けられ、前記混合部で形成された前記混合粉末を前記臼孔に導入する導入部とを備えることを特徴とする回転式粉末圧縮成形装置。
【請求項2】
前記混合部の前記撹拌混合機構が、前記原料粉末と前記滑沢剤とを撹拌混合する撹拌羽根を有することを特徴とする請求項1に記載の回転式粉末圧縮成形装置。
【請求項3】
前記導入部に、前記混合粉末を撹拌混合する撹拌羽根が配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転式粉末圧縮成形装置。
【請求項4】
前記原料粉末供給部から供給された前記原料粉末と、前記滑沢剤供給部から供給された前記滑沢剤とが共に落下する空間部が設けられていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の回転式粉末圧縮成形装置。
【請求項5】
前記混合部の上部と下部の少なくとも一方に、前記原料粉末と前記滑沢剤の流通量を調節可能なバルブが配設されたことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の回転式粉末圧縮成形装置。
【請求項6】
前記混合部に、前記混合粉末の混合度を検知可能なセンサが設けられたことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の回転式粉末圧縮成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末に圧縮成形を行なうことにより、例えば医薬品の錠剤等の圧縮成形体を製造する回転式粉末圧縮成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末に対して圧縮成形を行なうことにより、例えば医薬品の錠剤等の圧縮成形体を製造する粉末圧縮成形装置(例えば打錠機等)の1種として、回転式粉末圧縮成形装置がある。
【0003】
この回転式粉末圧縮成形装置は、上下方向に沿った軸線の周りに回転駆動される回転盤と、前記回転盤に所定の回転方向間隔で設けられた複数の臼孔と、前記回転盤の回転方向の所定位置で、粉末を前記臼孔に供給する粉末供給部と、前記臼孔に相反する方向から挿入され、前記臼孔に供給された粉末を圧縮成形する一対の杵とを具備する。
【0004】
ところで、従来、粉末圧縮成形装置を用いた錠剤等の圧縮成形体の製造方法は、ホッパ等から供給される滑沢剤混合後の粉末を圧縮成形し、圧縮成形体を形成する圧縮成形工程を備える(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-25495号公報
【特許文献2】特開2006-334515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような製造方法では、次のような問題があった。すなわち、粉末と滑沢剤を混合する滑沢剤混合工程において、混合時間の延長や混合時における過剰な撹拌力は、粉末の粒子表面上への滑沢剤の展延をもたらし、滑沢剤の過混合と呼ばれる状態を引き起こす。過混合状態で粉末を圧縮成形すると、圧縮成形体の硬度の低下や崩壊時間の遅延、また溶出速度の低下などをもたらす可能性がある。さらに滑沢剤混合工程の後の圧縮成形工程への粉末の輸送や圧縮成形装置の粉末充填フィーダの作用により、粉末と滑沢剤の混合状態が変化して過混合状態となり、圧縮成形体の特性に影響を与える可能性がある。したがって、このような状態では、望ましい圧縮成形体特性を実現できないケースが存在する。
【0007】
滑沢剤の過混合状態を抑止する方法として、圧縮成形工程内で滑沢剤を金型(臼杵)へ噴霧する外部滑沢技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかし、圧縮成形装置内で滑沢剤を噴霧することで、装置内での滑沢剤の飛散の発生や圧縮成形体に含まれる滑沢剤の量が不明瞭になるという問題が存在する。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、回転式粉末圧縮成形装置において、外部滑沢技術で生じるような弊害を起こすことなく、圧縮成形される粉末に対する滑沢剤の過混合状態を抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために創案された本願発明に係る回転式粉末圧縮成形装置は、上下方向に沿った軸線の周りに回転駆動される回転盤と、前記回転盤に所定の回転方向間隔で設けられた複数の臼孔と、前記回転盤の回転方向の所定位置で、原料粉末と滑沢剤との混合粉末を前記臼孔に供給する粉末供給部と、前記臼孔に相反する方向から挿入され、前記臼孔に供給された前記混合粉末を圧縮成形する一対の杵とを具備する回転式粉末圧縮成形装置において、前記粉末供給部は、前記原料粉末を供給する原料粉末供給部と、前記滑沢剤を供給する滑沢剤供給部と、前記原料粉末供給部と前記滑沢剤供給部より下方に設けられ、前記原料粉末供給部から供給された前記原料粉末と、前記滑沢剤供給部から供給された前記滑沢剤とを撹拌混合して前記混合粉末を形成する撹拌混合機構を有する混合部と、前記混合部の下方に設けられ、前記混合部で形成された前記混合粉末を前記臼孔に導入する導入部とを備えることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、従来の混合工程と輸送工程を省略することができ、滑沢剤の混合は粉末供給部内のみに限定されるので、過混合が起こりにくくなる。更に、粉末積層圧がかかりにくいため過混合が起きにくくなる。また、滑沢剤は滑沢剤供給部より定量的に混合部へ供給することが可能なので、外部滑沢技術のような滑沢剤の噴霧に伴う飛散を抑止することができ、圧縮成形体の滑沢剤含有量を明確にすることができる。すなわち、本願発明に係る回転式粉末圧縮成形装置によれば、外部滑沢技術で生じるような弊害を起こすことなく、圧縮成形される粉末に対する滑沢剤の過混合状態を抑制することが可能である。
【0011】
上記の構成において、前記混合部の前記撹拌混合機構が、前記原料粉末と前記滑沢剤とを撹拌混合する撹拌羽根を有していてもよい。
【0012】
この構成であれば、撹拌混合機構による混合を容易に制御することができる。
【0013】
上記の構成において、前記導入部に、前記混合粉末を撹拌混合する撹拌羽根が配設されていてもよい。
【0014】
この構成であれば、原料粉末と滑沢剤の混合を更に行なうことができる。また、混合粉末を容易に臼穴に導入することができる。
【0015】
上記の構成において、前記原料粉末供給部から供給された前記原料粉末と、前記滑沢剤供給部から供給された前記滑沢剤とが共に落下する空間部が設けられていてもよい。
【0016】
この構成であれば、原料粉末と滑沢剤の落下中に、原料粉末と滑沢剤が、自然にある程度混合される。従って、落下していない(充填された)原料粉末と滑沢剤を混合部で混合する場合より、混合の効率を向上させることができる。
【0017】
上記の構成において、前記混合部の上部と下部の少なくとも一方に、前記原料粉末と前記滑沢剤の流通量を調節可能なバルブが配設されていてもよい。
【0018】
この構成であれば、バルブにより、混合部に存在する原料粉末と滑沢剤の量や、原料粉末と滑沢剤の混合部での滞在時間を調節することが可能になる。これにより、混合部での原料粉末と滑沢剤の混合度を調節することが可能になる。
【0019】
上記の構成において、前記混合部に、前記混合粉末の混合度を検知可能なセンサが設けられていてもよい。
【0020】
この構成であれば、センサで検知された混合度に基づいて、混合度を制御することが可能である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、回転式粉末圧縮成形装置において、外部滑沢技術で生じるような弊害を起こすことなく、圧縮成形される粉末に対する滑沢剤の過混合状態を抑制することができる。また、圧縮成形される粉末に対する滑沢剤の過混合状態を抑制することができるので、圧縮成形体の硬度を安定化することや、圧縮成形体の崩壊性の変化を抑制することができる。また、従来の混合工程を省略することができるので、圧縮成形体の製造プロセスの短縮化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態に係る回転式粉末圧縮成形装置を示す概略部分側面図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る回転式粉末圧縮成形装置の粉末供給部を示す正面側の概略斜視図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る回転式粉末圧縮成形装置の粉末供給部を示す正面側の概略斜視図である。
図4】本発明の第3実施形態に係る回転式粉末圧縮成形装置の粉末供給部を示す正面側の概略斜視図である。
図5】本発明の第4実施形態に係る回転式粉末圧縮成形装置の粉末供給部を示す正面側の概略斜視図である。
図6】本発明の変形例に係る回転式粉末圧縮成形装置の粉末供給部を示す正面側の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の第1実施形態に係る回転式粉末圧縮成形装置を示す概略部分側面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る回転式粉末圧縮成形装置の粉末供給部を示す正面側の概略斜視図である。この回転式粉末圧縮成形装置1は、原料粉末と滑沢剤の混合粉末に対して圧縮成形を行なうことにより、例えば医薬品の錠剤等の圧縮成形体を製造する打錠機等である。滑沢剤と混合される原料粉末としては、例えば医薬品の錠剤を製造する場合、主薬(主剤、有効成分)、添加剤(賦形剤、結合剤等)が挙げられる。
【0024】
回転式粉末圧縮成形装置1は、回転盤2と、臼孔3と、粉末供給部4と、一対の杵(上杵5、下杵6)とを具備する。回転盤2は、上下方向に沿った回転中心軸線の周りに不図示の駆動源によって回転駆動される。臼孔3は、回転盤2に所定の回転方向間隔で複数設けられている。臼孔3は、中心軸が上下方向に沿っており、回転盤2を貫通している。粉末供給部4は、回転盤2の回転方向の所定位置で、原料粉末と滑沢剤の混合粉末を臼孔3に供給する。上杵5と下杵6は、臼孔3に相反する方向から挿入され、臼孔3に供給された混合粉末を圧縮成形する。
【0025】
粉末供給部4は、設置台T上に設置されている。粉末供給部4は、ホッパ部7(原料粉末供給部)と、滑沢剤供給管8(滑沢剤供給部)と、本体部9と、導入部10とを備える。
【0026】
ホッパ部7は、上下方向に沿って中心軸線が延びている管状体であり、下方に向かって漸次縮径している。滑沢剤供給管8は、横方向に沿って中心軸線が延びている管状体であり、径は均一である。本体部9は、上下方向に沿って中心軸線が延びている管状体であり、径は均一である。導入部10は、本体部9の下方に設けられた中空体であり、図示例では、外観形状が円盤状となっている。
【0027】
ホッパ部7の下端が、本体部9の上端に接続している。本体部9の外周部の上部に、滑沢剤供給管8の一端が接続している。本体部9の下端が、導入部10の上端の一部に接続している。
【0028】
ホッパ部7は、本体部9との接続部に形成された原料粉供給口7aを介して、本体部9に原料粉末を供給する。滑沢剤供給管8は、本体部9との接続部に形成された滑沢剤供給口8aを介して、本体部9に滑沢剤を供給する。
【0029】
本体部9において、原料粉供給口7aと滑沢剤供給口8aの下方には、ホッパ部7から供給された原料粉末と、滑沢剤供給管8から供給された滑沢剤とを撹拌混合して混合粉末を形成する第1撹拌羽根11(撹拌混合機構)が配設されている。第1撹拌羽根11は上下方向に沿った回転軸線の周りに回転する。本体部9における第1撹拌羽根11が配設されている部位が混合部12を構成する。混合部12は、ホッパ部7と滑沢剤供給管8の下方に設けられている。
【0030】
導入部10は、本体部9(混合部12)の下方に設けられている。導入部10には、本体部9との接続部に形成された接続口9aを介して、混合部12で形成された混合粉末が供給される。この供給された混合粉末は、導入部10の下部に設けられた導入口10aまで移動し、この導入口10aから、下方に位置する臼孔3に供給(導入)される。
【0031】
導入部10には、供給された混合粉末を撹拌混合する第2撹拌羽根13が複数(図示例では2つ)配設されている。また、この第2撹拌羽根13は、供給された混合粉末の導入口までの移動を促進する。第2撹拌羽根13も、上下方向に沿った回転軸線の周りに回転する。
【0032】
なお、回転式粉末圧縮成形装置1の稼働中は、ホッパ部7内には、原料粉末が常に所定量存在するようになっており、粉面Pがホッパ部7内に存在する。また、滑沢剤供給管8内には滑沢剤が常に充填されるようになっている。従って、本体部9内や導入部10内も、原料粉末、滑沢剤、それらの混合粉末がある程度充填された状態となっている。ホッパ部7への原料粉末の供給方法としては、例えば、ホッパ部7上に原料粉末を収容したコンテナを載置し、このコンテナから原料粉末を常に供給する方法、原料粉末供給経路からロータリバルブ等の定量供給機構を介して原料粉末を定量的に供給して粉面Pのレベルを一定に保つ方法等が挙げられる。
【0033】
以上のように構成された回転式粉末圧縮成形装置1によれば、以下の効果を享受できる。
【0034】
従来の混合工程と輸送工程を省略することができ、滑沢剤の混合は粉末供給部4内のみに限定されるので、過混合が起こりにくくなる。更に、粉末積層圧がかかりにくいため過混合が起きにくくなる。また、滑沢剤は滑沢剤供給管8より定量的に混合部12へ供給することが可能なので、外部滑沢技術のような滑沢剤の噴霧に伴う飛散を抑止することができ、圧縮成形体の滑沢剤含有量を明確にすることができる。すなわち、本実施形態に係る回転式粉末圧縮成形装置1によれば、外部滑沢技術で生じるような弊害を起こすことなく、圧縮成形される粉末に対する滑沢剤の過混合状態を抑制することが可能である。
【0035】
次に、図3を参照して第2実施形態について説明する。
【0036】
第2実施形態では、第1実施形態のホッパ部7が存在せず、本体部9の上端の位置は第1実施形態の本体部9と比較して高くなっている。そして、本体部9の上端開口部9bには、ロータリバルブ等の定量供給機構14が配設されている。不図示の原料粉末供給経路から定量供給機構14を介して原料粉末が定量的に本体部9内に供給される。
【0037】
また、滑沢剤供給管8は、本体部9の外周部の上下方向中央よりやや上部に接続されている。滑沢剤供給口8aは、第1実施形態と比較して上方に形成されている。滑沢剤供給口8aから滑沢剤が本体部9内に定量的に供給されるように、滑沢剤供給管8内を滑沢剤が移送される。
【0038】
第2実施形態では、粉面Pの上下方向位置が、滑沢剤供給口8aの上下方向位置と、第1撹拌羽根11の上下方向位置との間にある。定量供給機構14から供給された原料粉末は、本体部9内を粉面Pまで落下する。そして、滑沢剤供給口8aから供給された滑沢剤は、本体部9内を粉面Pまで落下する。従って、本体部9内で、滑沢剤供給口8aの上下方向位置と粉面Pの上下方向位置の間では、原料粉末と滑沢剤とが共に落下する。換言すれば、本体部9内に、原料粉末と滑沢剤とが共に落下する空間部Fが設けられている。
【0039】
なお、第2実施形態では、本体部9における滑沢剤供給口8aの上端より上方の部位を、原料粉末供給部とし、本体部9における滑沢剤供給口8aの上端の上下方向位置の内部を原料粉末供給口とする。混合部12は、この原料粉末供給部と滑沢剤供給管8の下方に設けられている。その他の構成は、第1実施形態と同様なので、同一の構成には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0040】
次に、図4を参照して第3実施形態について説明する。
【0041】
第3実施形態が、第2実施形態と異なる点は、粉面Pの上下方向位置が、第1撹拌羽根11の上下方向位置と接続口9aの上下方向位置との間にある。従って、第1撹拌羽根11は、落下中の原料粉末と滑沢剤を撹拌混合する。第3実施形態でも、本体部9内で、滑沢剤供給口8aの上下方向位置と粉面Pの上下方向位置の間では、原料粉末と滑沢剤とが共に落下する。換言すれば、本体部9内に、原料粉末と滑沢剤とが共に落下する空間部Fが設けられている。その他の構成は、第2実施形態と同様なので、同一の構成には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0042】
次に、図5を参照して第4実施形態について説明する。
【0043】
第4実施形態では、本体部9の上端部9cに、中心軸線が上下方向に対して(図で左側に)少し傾斜した原料粉末供給管15(原料粉末供給部)が接続されている。原料粉末供給管15の上端開口部15aに、定量供給機構14が配設されている。原料粉末供給管15は、下方に向かって漸次縮径している。不図示の原料粉末供給経路から定量供給機構14を介して原料粉末が定量的に原料粉末供給管15内に供給される。本体部9の上端部9cと原料粉末供給管15との接続部には、原料粉末供給管15から本体部9内に原料粉末を供給する供給口15bが形成されている。
【0044】
また、本体部9の上端部9cには、中心軸線が上下方向に対して(図で右側に)少し傾斜した滑沢剤供給管8が接続されている。滑沢剤供給口8aから滑沢剤が本体部9内に定量的に供給されるように、滑沢剤供給管8内に滑沢剤が供給される。混合部12は、原料粉末供給管15と滑沢剤供給管8の下方に設けられている。なお、本体部9の上端部9cは、原料粉末供給管15と滑沢剤供給管8が接続されている部分以外は、閉塞されている。
【0045】
第4実施形態では、粉面Pの上下方向位置は、本体部9の上端部9cの上下方向位置と、第1撹拌羽根11の上下方向位置の間にある。定量供給機構14から供給された原料粉末は、原料粉末供給管15、原料粉末供給口15b、本体部9を経由して粉面Pまで落下する。そして、滑沢剤供給口8aから供給された滑沢剤は、本体部9内を粉面Pまで落下する。従って、本体部9内では、原料粉末と滑沢剤とが共に落下する。換言すれば、本体部9内に、原料粉末と滑沢剤とが共に落下する空間部Fが設けられている。
【0046】
その他の構成は、第2実施形態と同様なので、同一の構成には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0047】
本発明は、上記実施形態に限定されるものでは無く、その技術的思想の範囲内で、様々な変形が可能である。例えば、図6に示すように、混合部12の上部と下部の少なくとも一方(図示例は両方)に、原料粉末と滑沢剤の流通量を調節可能なバルブVが配設されていてもよい。また、図6に示すように、混合部12に、混合粉末の混合度を検知可能なセンサS(例えばNIR等)が設けられていてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、導入部10に第2撹拌羽根13が2つ配設されていたが、第2撹拌羽根13は配設されていなくてもよく、また、第2撹拌羽根13は3つ以上配設されていてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 回転式粉末圧縮成形装置
2 回転盤
3 臼孔
4 粉末供給部
5 上杵
6 下杵
7 ホッパ部(原料粉供給部)
8 滑沢剤供給管(滑沢剤供給部)
9 本体部
10 導入部
11 第1撹拌羽根
12 混合部
13 第2撹拌羽根
14 定量供給機構
15 原料粉末供給管(原料粉供給部)
F 空間部
S センサ
V バルブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6