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  • 特開-ドキュメント作成装置 図1
  • 特開-ドキュメント作成装置 図2
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  • 特開-ドキュメント作成装置 図4
  • 特開-ドキュメント作成装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067515
(43)【公開日】2022-05-06
(54)【発明の名称】ドキュメント作成装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/166 20200101AFI20220425BHJP
   G06F 40/58 20200101ALI20220425BHJP
   G06Q 10/10 20120101ALI20220425BHJP
【FI】
G06F40/166
G06F40/58
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176257
(22)【出願日】2020-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000154990
【氏名又は名称】株式会社牧野フライス製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】宮下 知起
(72)【発明者】
【氏名】荒井 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】永友 朝史
(72)【発明者】
【氏名】市村 佳代子
【テーマコード(参考)】
5B091
5B109
5L049
【Fターム(参考)】
5B091AA01
5B091CD11
5B109VB01
5L049AA20
(57)【要約】
【課題】1つのドキュメントを複数の翻訳者で効率よく翻訳可能とすること。
【解決手段】複数の単位ドキュメントを結合して1つの編成ドキュメントの作成を行うドキュメント作成装置10が、編成ドキュメントを細分化した単位ドキュメントと、編成ドキュメント毎に使用する単位ドキュメントの組合せを規定する編成ドキュメント構成とを入力する入力部40、42、44と、単位ドキュメントの翻訳状況を記憶する翻訳状況記憶部38と、単位ドキュメントと、編成ドキュメント構成と、単位ドキュメントの翻訳状況とを記憶する記憶部32、34と、所望の編成ドキュメントの編成ドキュメント構成から該所望の編成ドキュメントで使用する単位ドキュメントの翻訳状況を取得し、取得した単位ドキュメントの翻訳状況に基づいて、編成ドキュメントの翻訳状況を表示する翻訳状況表示部80とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位ドキュメントを結合して1つの編成ドキュメントの作成を行うドキュメント作成装置において、
編成ドキュメントを細分化した単位ドキュメントと、編成ドキュメント毎に使用する前記単位ドキュメントの組合せを規定する編成ドキュメント構成とを入力する入力部と、
単位ドキュメントの翻訳状況を記憶する翻訳状況記憶部と、
前記単位ドキュメントと、前記編成ドキュメント構成と、前記単位ドキュメントの翻訳状況とを記憶する記憶部と、
所望の編成ドキュメントの前記編成ドキュメント構成から該所望の編成ドキュメントで使用する単位ドキュメントの翻訳状況を取得し、取得した単位ドキュメントの翻訳状況に基づいて、編成ドキュメントの翻訳状況を表示する翻訳状況表示部と、
を備えることを特徴としたドキュメント作成装置。
【請求項2】
単位ドキュメントの翻訳状況を管理する単位ドキュメント翻訳状況設定ステータス処理部を具備し、
前記翻訳状況表示部が、取得した単位ドキュメントの翻訳状況に基づいて、編成ドキュメントと該編成ドキュメントを構成する単位ドキュメントの翻訳状況を表示する請求項1に記載のドキュメント作成装置
【請求項3】
前記記憶部が、前記単位ドキュメントを記憶する単位ドキュメント記憶部と、前記単位ドキュメントを結合して作成された編成ドキュメントを記憶する編成ドキュメント記憶部と、編成ドキュメントを作成するために必要な単位ドキュメントの一覧である編成ドキュメント構成を記憶する構成記憶部と、を有し
前記編成ドキュメント構成に基づいて、前記単位ドキュメント記憶部に記憶されている単位ドキュメントを取得し、該単位ドキュメントを結合することによって、1つの編成ドキュメントに結合するドキュメント結合処理部と、
を更に具備する請求項2に記載のドキュメント作成装置。
【請求項4】
翻訳すべき言語を設定する翻訳言語設定部を更に具備する請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【請求項5】
前記翻訳言語設定部は、翻訳原文の言語と、翻訳後の言語との関係を表示する請求項1または4に記載のドキュメント作成装置。
【請求項6】
1つの単位ドキュメントにつき、設定した全ての翻訳言語への翻訳状況を表示する翻訳状況表示部を備えた請求項4に記載のドキュメント作成装置。
【請求項7】
1つの単位ドキュメントを翻訳中に、当該単位ドキュメントに関連した電子ファイルの出力を阻害する請求項1に記載のドキュメント作成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの原文となるドキュメントから複数の言語に翻訳した複数のドキュメントを管理する機能を備えたドキュメント作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、工作機械のように日本国内のみならず、外国にも輸出される製品では、輸出相手国の標準言語に翻訳したマニュアルを準備しなければならない。こうした場合、一般的に製品マニュアルは既存の類似機種のマニュアルで使える部分を流用し、必要な箇所のみを更新する形で作成しているが、多言語へ翻訳する際も更新した部分のみを翻訳対象とすることで、コスト削減と制作期間の短縮を実現している。
【0003】
例えば、特許文献1には、翻訳メモリに蓄積された過去翻訳文を流用し、翻訳対象原文を所定言語の翻訳文へ翻訳する翻訳支援装置であって、翻訳対象のドキュメントの種類に基づき複数のDBからなる翻訳メモリの構成は維持しながらも、より多くの翻訳実績から該当の翻訳文を検索できるようにし、翻訳文のマッチ率を高め、翻訳効率を向上させた翻訳支援装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-180980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の翻訳支援装置のような、従来、翻訳ツールを活用して原文テキスト(日本語)と、完全に一致している部分には、登録済みの訳文テキスト(英語、他多言語)を自動で挿入して翻訳費用を削減している。然しながら、同時期に類似する複数の機種(モデル)でマニュアルを作成しなければならない場合など、同時期に同じ文章を翻訳する場合、二重に翻訳を依頼してしまい、翻訳費用が2倍かかってしまうことも起こりうる。更に、翻訳ツールで自動挿入された訳文テキスト(本来は翻訳不要のテキスト)を、翻訳者が変更してしまうこともあり、表現が統一できない問題もある。
【0006】
本発明は、こうした従来技術の問題を解決することを技術課題としており、複数のドキュメントの翻訳を複数の翻訳者に依頼したときに、同じ文書部分を二重に翻訳することのないようにしたドキュメント作成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明によれば、複数の単位ドキュメントを結合して1つの編成ドキュメントの作成を行うドキュメント作成装置において、編成ドキュメントを細分化した単位ドキュメントと、編成ドキュメント毎に使用する前記単位ドキュメントの組合せを規定する編成ドキュメント構成とを入力する入力部と、単位ドキュメントの翻訳状況を記憶する翻訳状況記憶部と、前記単位ドキュメントと、前記編成ドキュメント構成と、前記単位ドキュメントの翻訳状況とを記憶する記憶部と、所望の編成ドキュメントの前記編成ドキュメント構成から該所望の編成ドキュメントで使用する単位ドキュメントの翻訳状況を取得し、取得した単位ドキュメントの翻訳状況に基づいて、編成ドキュメントの翻訳状況を表示する翻訳状況表示部とを備えたドキュメント作成装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、1つの編成ドキュメントを複数の単位ドキュメントに分割して、各々について翻訳状況を表示し、かつ、他の編成ドキュメントで翻訳中の単位ドキュメントは翻訳対象としない制御を行うことで、同じ文書を二重に翻訳してしまうことが防止される。また、本発明によれば、1つの編成ドキュメントを複数の単位ドキュメントに分割して、各々を翻訳かつ制御するようにしたので、複数の翻訳者が、同時に複数機種の取扱説明書の翻訳を効率的に行うことが可能となる。これにより、ドキュメントの翻訳に要する工期を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の好ましい実施形態によるドキュメント作成装置を示すブロック図である。
図2】ドキュメント構成入力画面の一例を示す図である。
図3】ドキュメント構成を提供するスプレッドシートの一例を示す図である。
図4】翻訳言語設定画面の一例を示す図である。
図5】翻訳状況管理画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照すると、本発明の好ましい実施形態によるドキュメント作成装置10は、CPU(中央演算素子)、RAM(ランダムアクセスメモリ)やROM(リードオンリーメモリ)のようなメモリ装置、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)のような記憶デバイス、出入力ポート、および、これらを相互接続する双方向バスを含むコンピュータおよび関連するソフトウェアから構成することができ、ステータス処理部14、結合処理部18、表示処理部20および記憶部30を主要な構成要素として具備している。
【0011】
ドキュメント作成装置10には、無線または有線通信手段、例えばLANやインターネットのようなネットワーク手段を介して、1または複数の、図1の例では3つのユーザ端末40、42、44を接続することができる。ユーザ端末は、パーソナルコンピュータ、タブレットやスマートフォンとすることができる。
【0012】
記憶部30は、単位ドキュメント記憶部32、編成ドキュメント記憶部34、構成記憶部36および翻訳状況記憶部38を含む。単位ドキュメント記憶部32、編成ドキュメント記憶部34、構成記憶部36および翻訳状況記憶部38は、記憶部30を構成する記憶デバイスの記憶領域により構成される。
【0013】
構成記憶部36は、編成ドキュメントに含まれる複数の単位ドキュメントを平面的並び、あるいはツリー構造の並びを含めた編成ドキュメント構成を記憶する。構成記憶部36は、複数の編成ドキュメント構成のデータベース情報、または複数のスプレッドシート電子ファイルを格納している。ドキュメント構成は、例えば、図3に示すようなスプレッドシートにより提供することができる。ドキュメント構成は、例えば、作成するドキュメントの目次の章や節に対応させて作成することできる。例えば、ドキュメントが工作機械の電子マニュアルの場合には、工作機械の操作説明や、ドキュメント構成は、各ユニットの保守、点検に関連した章や節に基づいて作成することができる。ドキュメント構成は、例えば主軸、送り軸、工具マガジン、クーラント供給装置、操作盤といった工作機械を構成するユニット毎に項目分けして作成してもよい。また、定期的な保守が行われる製品のマニュアルの場合は、定期保守を行う期日が同じ日になるユニットを一つの項目にまとめ、期日毎に項目分けして作成してもよい。
【0014】
一例として図3に示すドキュメント構成100は、工作機械を構成するユニット、または、工作機械の電子マニュアルの目次の章に相当する項目である「1.オイルエア供給装置」、項目「2.自動グリス供給装置」および項目「3.油圧」を含む。項目「1.オイルエア供給装置」は、目次の節に相当する項目「1.1油量の点検:潤滑油」、項目「1.2油の補給:潤滑油」および項目「1.3フィルタエレメントの清掃:ラインフィルタ」を含む。項目「2.自動グリス供給装置」は、目次の節に相当する項目「2.1エア抜き:自動グリス供給装置」および項目「2.2カートリッジグリスの交換」を含む。項目「3.油圧」は、目次の節に相当する項目「3.1油量の点検作動油」、項目「3.2油の補給:作動油」および項目「3.3油の交換:作動油」を含む。
【0015】
ドキュメント構成100は、更に、各項目に対応するコンテントの電子ファイル名を含む。例えば、項目「1.1油量の点検:潤滑油」に対応する電子ファイルのファイル名は、グループを表す文字列「AB123-45-001-a-001」+枝番を表す文字列「03-02」+コンテントの簡単な説明である文字列「油量の点検:潤滑油_■_Supplyer 4」を含む。
【0016】
ドキュメント構成は、例えばスプレッドシート電子ファイルを、ドキュメント構成入力部としてのユーザ端末40、42、44の入出力ポート、例えば、USBポートに外部メモリを差してUSBポートから入力することによって、構成記憶部24に記憶させることができる。或いは構成記憶部36にユーザ端末40、42、44からアクセスし、編成ドキュメント構成のデータベースを作成または変更できる。ドキュメント構成入力部は、例えば、図2に示すような、ドキュメント構成入力画面としてもよい。ドキュメント構成入力画面40は、表示処理部20によって、ユーザ端末40、42、44に表示することができる。
【0017】
一例として示すドキュメント構成入力画面40は、ドキュメント構成入力画面であることの宣言文、図2の例では「ドキュメント構成の登録」を表示する領域42を含む。ドキュメント構成入力画面40は、更に、当該ドキュメント構成に対応するドキュメントの名称を表示する領域44aおよびそのバージョンを表示する領域44bを含むことができる。
【0018】
ドキュメントの名称は、例えば、作成するドキュメントが工作機械のマニュアルである場合には、対応する工作機械のモデル名とすることができる。オペレータが、操作中のユーザ端末40、42、44のキーボードを操作して領域44aに直接入力してもよい。ドキュメントの名称は、モデル名だけでなく、機種名、型式名であってもよい。
【0019】
更に、ドキュメント構成入力画面40は、構成記憶部36へ入力またはアップロードするファイルを選択するための参照ボタン46を含むことができる。参照ボタン46をクリックすると、操作中のユーザ端末40、42、44のディレクトリまたはフォルダを参照して、そこに含まれる電子ファイルを選択することができる。
【0020】
ドキュメント構成は、入力またはアップロードに際して、ドキュメントの名称およびバージョンに関連付けて構成記憶部36に記憶される。
【0021】
単位ドキュメント記憶部32は、編成ドキュメント(電子文書)を構成する複数の単位ドキュメントを記憶する。つまり、1つの編成ドキュメントは細分化された複数の単位ドキュメントから構成されている。単位ドキュメントは、例えば、編成ドキュメントの目次の各項目に対応した電子文書または電子ファイルである。
【0022】
ドキュメント作成装置10は、ドキュメント記憶部に対して複数の言語バージョンを管理することができる。図4参照すると、好ましい実施形態による翻訳言語設定部としての翻訳言語設定画面70が示されている。
【0023】
翻訳言語設定画面70は、翻訳言語追加領域78を含む。翻訳言語追加領域78にドキュメント記憶部について、作成すべき翻訳言語を操作中のユーザ端末40、42、44のキーボードで追加ボタン78aをクリックし、追加する言語と翻訳元言語を入力することによって言語を設定できる。翻訳原文の言語と翻訳後の言語との関係を領域76に表示するようにしてもよい。図4の例では、日本語バージョンに基づいて、英語バージョンと中国語バージョンが作成され、英語バージョンに基づいてドイツ語バージョンが作成されることを示している。
【0024】
ドキュメント作成装置10のステータス処理部14は、構成ドキュメント記憶部から当該編成ドキュメントを構成する単位ドキュメントを結合処理部で結合し、一覧で表示し、構成する各単位ドキュメントの翻訳状況記憶部から翻訳状況を取得し、翻訳状況(ステータス)の一覧を生成、表示し、翻訳作業を管理することができる。図5を参照すると、翻訳状況表示部としての翻訳状況管理画面の一例が示されている。一例として示す翻訳状況管理画面80は、特に、工作機械のマニュアルの翻訳作業をユニット毎に管理する場合を示している。
【0025】
結合処理部18は、選択されたドキュメント構成に含まれる単位文書または電子ファイルを単位ドキュメント記憶部32から抽出、読み出し、ドキュメント構成に記載されている順序に配列し、1つのドキュメント100に結合する。
【0026】
表示処理部20は、ユーザ端末40、42、44からの操作に基づき、編成ドキュメント記憶部34から読み取ったドキュメント構成に基づき、編成ドキュメントを構成している単位ドキュメントを表示させ、ステータス処理部14が翻訳状況記憶部38から読み取った翻訳状況に基づいて、翻訳状況管理画面80を生成する。
【0027】
翻訳状況管理画面80は、翻訳状況管理画面であることの宣言文、図5の例では「翻訳状況の管理」を表示する領域82を含む。翻訳状況管理画面80は、更に、ドキュメントの名称を表示する領域84aおよびそのバージョンを表示する領域84bを含むことができる。翻訳状況管理画面80は、翻訳言語の一覧を表示する領域86を含む。図5では、翻訳言語として日本語(JP)、英語(EN)、韓国語(KO)、中国語(ZH)、スペイン語(ES)、ドイツ語(DE)およびフランス語(FR)が示されている。
【0028】
翻訳状況管理画面80は、翻訳の対象となる単位ドキュメントを表示する領域を含む。図6の例では、この単位ドキュメントを表示する領域には、工作機械を構成するユニット毎に区分された単位ドキュメントの一覧を表示する少なくとも1つの領域94、96を含む。図6では、領域94、96には、工作機械を構成するユニットとしてオイルエア供給装置(領域94)および自動グリス供給装置(領域96)が示されている。単位ドキュメントを表示する領域は、構成ドキュメント記憶部34から読み取ったドキュメント構成に基づき生成することができる。
【0029】
翻訳状況管理画面80は、更に、翻訳状況(ステータス)を表示する領域88を含む。翻訳状況は、「未翻訳」、「翻訳中」、「確認中」、「出図可」および「出図済」を含む。「未翻訳」は、翻訳者に翻訳原文を渡していない状態であることを意味している。あるドキュメントに関して最初に翻訳状況管理画面80を起動したとき、翻訳状況は全て「未翻訳」が設定されている。
【0030】
「翻訳中」は、翻訳者により翻訳作業が行われている状態であることを意味している。翻訳者へは電子ファイル、例えばXML形式の電子ファイルで翻訳原文を渡すので、翻訳原文がXML形式のような電子ファイルで出力されていれば、「翻訳中」であると判断することができる。また、翻訳原文が出力されていなければ、「未翻訳」であると判断することができる。
【0031】
「確認中」は、例えば工作機械の当該ユニットに関連したマニュアル部分について翻訳者(翻訳会社)から翻訳を受け取り、翻訳作業が終了しており、翻訳のチェックを行っている状態であることを意味している。「出図可」は、工作機械の当該ユニットに関連したマニュアル部分をいつでも出図可能な状態であることを意味している。「出図済」は、工作機械の当該ユニットに関連したマニュアル部分を既に出図している状態であることを意味している。
【0032】
翻訳状況管理画面80は、更に、出力操作ボタン90とステータスダイアログ92を含む。出力操作ボタン90およびステータスダイアログ92は翻訳言語86の各々に対応させて設けられている。
【0033】
各出力操作ボタン90は、例えば「Word」「PDF」出力、「XML出力」および「出図」を含むことができる。
【0034】
「XML出力」は、上述のように、翻訳者へ翻訳原文を渡すために用いることができる。例えば、構成ドキュメントを構成している単位ドキュメントのXML形式の電子ファイルが出力されると、翻訳状況記憶部38には、該単位ドキュメントに対して翻訳中であることが記憶され、ステータス処理部14は、翻訳状況を「未翻訳」から「翻訳中」に変更する。このとき、他の編成ドキュメントにて同一単位ドキュメントが使用されている場合、ステータス処理部14は、XML形式の電子ファイルが重複して出力されないように、出力操作ボタン90にロックを掛けるようにできる。これにより、同じ単位文書を二重に翻訳依頼することが防止できる。
【0035】
翻訳者から受け取った翻訳の電子ファイルは、図5の翻訳状況管理画面80から記憶部30の単位ドキュメント記憶部32にアップロードすることができる。翻訳された単位ドキュメントが単位ドキュメント記憶部32にアップロードされると、該単位ドキュメントの翻訳状況を翻訳済みとして翻訳状況記憶部に記憶され、ステータス処理部14は、翻訳状況を「翻訳中」から「確認中」に変更する。
【0036】
翻訳文を校正し、修正が必要な場合は当該電子ファイルを修正し、再度翻訳状況管理画面80から該単位ドキュメント記憶部32へアップロードすることにより、同時に翻訳状況記憶部に翻訳済みとして記憶される。修正が必要ない場合は、ステータス処理部14は、翻訳状況を「確認中」から「出図可」に変更する。或いは、ドキュメント作成装置10のオペレータが、手動にて、翻訳状況管理画面80のステータスダイアログ92で「出図可」を選択するようにしてもよい。
【0037】
編成ドキュメントを構成しているすべての単位ドキュメントの翻訳状況が「出図可」となると、オペレータは、ユーザ端末40、42、44を操作して翻訳状況管理画面80から構成ドキュメントを出図することができる。
【0038】
更に、ドキュメント作成装置10は、該ドキュメント作成装置10を操作する者(オペレータ)の編集権限を管理する権限管理部12を備え、共通ドキュメントの編集と、差分コンテントの編集とで、編集権限を異なるものにするようにしてもよい。権限管理部12は、ユーザ端末40、42、44からドキュメント作成装置10にアクセスするオペレータを、例えばIDとパスワードを通じて認証するとともに、記憶部30から該オペレータの編集権限に関する情報を取得する。編集権限に関する情報は、オペレータのIDや名称(氏名やハンドルネーム)を含んでいてもよい。
【0039】
従来では、1つのドキュメント全体が完成した後に、該ドキュメントを翻訳するようにしているが、本実施形態では、1つのドキュメント、例えば工作機械のマニュアルを複数の単位文書に分割して、ドキュメントの一部である日本語の単位文書が完成したときに、ドキュメント全体の完成を待つこと無く、複数の単位ドキュメントにつき同時、並行的に翻訳作業を開始することができるので、翻訳作業およびドキュメントの作成に要する時間を大幅に短縮することが可能となる、
【符号の説明】
【0040】
10 ドキュメント作成装置
12 権限管理部
14 ステータス処理部
16 結合処理部
18 表示処理部
30 記憶部
34 編成ドキュメント記憶部
32 単位ドキュメント記憶部
36 構成記憶部
38 翻訳状況記憶部
40 ドキュメント構成入力画面
50 単位文書入力画面
70 翻訳言語設定画面
80 翻訳状況管理画面
図1
図2
図3
図4
図5