IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 山上 洋平の特許一覧

特開2022-67527ポートフォリオ管理システム、ポートフォリオ管理装置およびポートフォリオ管理方法
<>
  • 特開-ポートフォリオ管理システム、ポートフォリオ管理装置およびポートフォリオ管理方法 図1
  • 特開-ポートフォリオ管理システム、ポートフォリオ管理装置およびポートフォリオ管理方法 図2
  • 特開-ポートフォリオ管理システム、ポートフォリオ管理装置およびポートフォリオ管理方法 図3
  • 特開-ポートフォリオ管理システム、ポートフォリオ管理装置およびポートフォリオ管理方法 図4
  • 特開-ポートフォリオ管理システム、ポートフォリオ管理装置およびポートフォリオ管理方法 図5
  • 特開-ポートフォリオ管理システム、ポートフォリオ管理装置およびポートフォリオ管理方法 図6
  • 特開-ポートフォリオ管理システム、ポートフォリオ管理装置およびポートフォリオ管理方法 図7
  • 特開-ポートフォリオ管理システム、ポートフォリオ管理装置およびポートフォリオ管理方法 図8
  • 特開-ポートフォリオ管理システム、ポートフォリオ管理装置およびポートフォリオ管理方法 図9
  • 特開-ポートフォリオ管理システム、ポートフォリオ管理装置およびポートフォリオ管理方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067527
(43)【公開日】2022-05-06
(54)【発明の名称】ポートフォリオ管理システム、ポートフォリオ管理装置およびポートフォリオ管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/06 20120101AFI20220425BHJP
【FI】
G06Q40/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176270
(22)【出願日】2020-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】520409855
【氏名又は名称】山上 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山上 洋平
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB57
(57)【要約】
【課題】ユーザのライフスタイルに応じて適切なポートフォリオ及び資産形成計画を提案する技術を提供する。
【解決手段】
ポートフォリオ管理システムであって、消費財の品目ごとに該消費財の相場の履歴情報を記憶する消費財記憶部と、金融商品ごとに該金融商品の相場の履歴情報を記憶する金融商品記憶部と、消費財の品目ごとに、該消費財の相場と金融商品の相場との相関係数を算出する相関係数算出部と、消費財の品目ごとに該消費財を継続して購入する期間と量の入力を受け付けて、該消費財の品目ごとに口座の目標となるリターン金額を設定する目標設定部と、消費財の品目ごとに、リターン金額を満足するよう該消費財の相場に相関の強い金融商品についてのポートフォリオを生成するポートフォリオ生成部と、ポートフォリオを表示する画面を生成する表示画面生成部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費財の品目ごとに該消費財の相場の履歴情報を記憶する消費財記憶部と、
金融商品ごとに該金融商品の相場の履歴情報を記憶する金融商品記憶部と、
前記消費財の品目ごとに、該消費財の相場と前記金融商品の相場との相関係数を算出する相関係数算出部と、
消費財の品目ごとに該消費財を継続して購入する期間と量の入力を受け付けて、該消費財の品目ごとに口座の目標となるリターン金額を設定する目標設定部と、
前記消費財の品目ごとに、前記リターン金額を満足するよう該消費財の相場に相関の強い前記金融商品についてのポートフォリオを生成するポートフォリオ生成部と、
前記ポートフォリオを表示する画面を生成する表示画面生成部と、
を備えるポートフォリオ管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のポートフォリオ管理システムにおいて、
前記消費財の相場と、前記金融商品の相場とを収集する市場情報収集部、
を備えるポートフォリオ管理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のポートフォリオ管理システムにおいて、
前記ポートフォリオに応じて投資を実行する投資実行部、
を備えるポートフォリオ管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載のポートフォリオ管理システムにおいて、
前記投資の実行結果に応じて前記リターン金額の満足の可能性を判定し、前記可能性が所定の範囲にない場合には前記ポートフォリオを再生成する判定を行う見直し判定部、
を備えるポートフォリオ管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載のポートフォリオ管理システムにおいて、
前記再生成したポートフォリオに応じて前記投資実行部に組み換えを指示する組換処理部、
を備えるポートフォリオ管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載のポートフォリオ管理システムにおいて、
ニュース情報を用いて、前記消費財の相場の変動と、前記金融商品の相場の変動と、を予測して前記リターン金額と前記相関係数を算出する外部要因影響推定部、
を備えるポートフォリオ管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載のポートフォリオ管理システムにおいて、
前記外部要因影響推定部は、前記消費財の相場の変動量が所定以上と予測する場合には、該消費財の代替品を特定して該代替品に置き換える提案情報を前記画面に表示させる、
ことを特徴とするポートフォリオ管理システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のポートフォリオ管理システムにおいて、
前記目標設定部は、前記リターン金額を、前記口座の所有者の購買傾向に応じて設定する、
ことを特徴とするポートフォリオ管理システム。
【請求項9】
消費財の品目ごとに該消費財の相場の履歴情報を記憶する消費財記憶部と、
金融商品ごとに該金融商品の相場の履歴情報を記憶する金融商品記憶部と、
前記消費財の品目ごとに、該消費財の相場と前記金融商品の相場との相関係数を算出する相関係数算出部と、
消費財の品目ごとに該消費財を継続して購入する期間と量の入力を受け付けて、該消費財の品目ごとに口座の目標となるリターン金額を設定する目標設定部と、
前記消費財の品目ごとに、前記リターン金額を満足するよう該消費財の相場に相関の強い前記金融商品についてのポートフォリオを生成するポートフォリオ生成部と、
前記ポートフォリオを表示する画面を生成する表示画面生成部と、
を備えるポートフォリオ管理装置。
【請求項10】
コンピュータによるポートフォリオ管理方法であって、
消費財の品目ごとに該消費財の相場の履歴情報を記憶する消費財記憶ステップと、
金融商品ごとに該金融商品の相場の履歴情報を記憶する金融商品記憶ステップと、
前記消費財の品目ごとに、該消費財の相場と前記金融商品の相場との相関係数を算出する相関係数算出ステップと、
消費財の品目ごとに該消費財を継続して購入する期間と量の入力を受け付けて、該消費財の品目ごとに口座の目標となるリターン金額を設定する目標設定ステップと、
前記消費財の品目ごとに、前記リターン金額を満足するよう該消費財の相場に相関の強い前記金融商品についてのポートフォリオを生成するポートフォリオ生成ステップと、
前記ポートフォリオを表示する画面を生成する表示画面生成ステップと、
を含むポートフォリオ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポートフォリオ管理システム、ポートフォリオ管理装置およびポートフォリオ管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「複数の決済費用支払い先が提示した消費連動金利情報をユーザが閲覧できるように提供し、ユーザが指定した特定の決済費用支払い先に対する費用の支払いが行われる消費連動金利変動型の預金商品や積金商品の加入条件情報を入力し、購入信号を発生するユーザ端末2と;前記ユーザ端末2側に消費連動金利変動型の預金商品や積金商品に対する各販売者別の消費連動金利情報を転送できるように、統合金融商品提供サーバ10にその消費連動金利情報を登録し、消費連動金利変動型の預金商品や積金商品によりユーザの決済費用を統合金融商品提供サーバ10から先に支払いを受ける販売者サーバ6と;消費連動金利変動型の預金商品や積金商品に対する各販売者別の消費連動金利情報の転送を受けてユーザが閲覧可能に登録し、ユーザの購入信号及び加入条件情報を受信して登録し、ユーザの予め決済信号によって販売者サーバ6に費用の支払いを処理し、ユーザ側には消費連動利息を提供する統合金融商品提供サーバ10と;を含むことを特徴とする消費連動金利変動型金融商品提供システム。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2018-512668
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記技術は、ユーザが対象商品やサービス、又は販売先などの購入要素を予め指定して、決済についての詳細設定値を自由に設定する積金又は予め決済を行う技術であるが、将来時点の物価変動等予測の上、購入要素を指定する必要があり、また金融商品に深い知識を求められる。
【0005】
本発明の目的は、ユーザのライフスタイルに応じた購買能力を確保するために、適切なポートフォリオ及び資産形成計画を提案する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。本発明の一態様に係るポートフォリオ管理システムは、消費財の品目ごとに該消費財の相場の履歴情報を記憶する消費財記憶部と、金融商品ごとに該金融商品の相場の履歴情報を記憶する金融商品記憶部と、前記消費財の品目ごとに、該消費財の相場と前記金融商品の相場との相関係数を算出する相関係数算出部と、消費財の品目ごとに該消費財を継続して購入する期間と量の入力を受け付けて、該消費財の品目ごとに口座の目標となるリターン金額を設定する目標設定部と、前記消費財の品目ごとに、前記リターン金額を満足するよう該消費財の相場に相関の強い前記金融商品についてのポートフォリオを生成するポートフォリオ生成部と、前記ポートフォリオを表示する画面を生成する表示画面生成部と、を備える。
【0007】
また、上記のポートフォリオ管理システムにおいて、前記消費財の相場と、前記金融商品の相場とを収集する市場情報収集部、を備えるものであってもよい。
【0008】
また、上記のポートフォリオ管理システムにおいて、前記ポートフォリオに応じて投資を実行する投資実行部、を備えるものであってもよい。
【0009】
また、上記のポートフォリオ管理システムにおいて、前記投資の実行結果に応じて前記リターン金額の満足の可能性を判定し、前記可能性が所定の範囲にない場合には前記ポートフォリオを再生成する判定を行う見直し判定部、を備えるものであってもよい。
【0010】
また、上記のポートフォリオ管理システムにおいて、前記再生成したポートフォリオに応じて前記投資実行部に組み換えを指示する組換処理部、を備えるものであってもよい。
【0011】
また、上記のポートフォリオ管理システムにおいて、ニュース情報を用いて、前記消費財の相場の変動と、前記金融商品の相場の変動と、を予測して前記リターン金額と前記相関係数を算出する外部要因影響推定部、を備えるものであってもよい。
【0012】
また、上記のポートフォリオ管理システムにおいて、前記外部要因影響推定部は、前記消費財の相場の変動量が所定以上と予測する場合には、該消費財の代替品を特定して該代替品に置き換える提案情報を前記画面に表示させる、ことを特徴とするものであってもよい。
【0013】
また、上記のポートフォリオ管理システムにおいて、前記目標設定部は、前記リターン金額を、前記口座の所有者の購買傾向に応じて設定する、ことを特徴とするものであってもよい。
【0014】
また、本発明の別の態様に係るポートフォリオ管理装置は、消費財の品目ごとに該消費財の相場の履歴情報を記憶する消費財記憶部と、金融商品ごとに該金融商品の相場の履歴情報を記憶する金融商品記憶部と、前記消費財の品目ごとに、該消費財の相場と前記金融商品の相場との相関係数を算出する相関係数算出部と、消費財の品目ごとに該消費財を継続して購入する期間と量の入力を受け付けて、該消費財の品目ごとに口座の目標となるリターン金額を設定する目標設定部と、前記消費財の品目ごとに、前記リターン金額を満足するよう該消費財の相場に相関の強い前記金融商品についてのポートフォリオを生成するポートフォリオ生成部と、前記ポートフォリオを表示する画面を生成する表示画面生成部と、を備える。
【0015】
また、本発明の別の態様に係るポートフォリオ管理方法は、情報処理装置を用いたポートフォリオ管理方法であって、前記情報処理装置は、消費財の品目ごとに該消費財の相場の履歴情報を記憶する消費財記憶部と、金融商品ごとに該金融商品の相場の履歴情報を記憶する金融商品記憶部と、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記消費財の品目ごとに、該消費財の相場と前記金融商品の相場との相関係数を算出する相関係数算出ステップと、消費財の品目ごとに該消費財を継続して購入する期間と量の入力を受け付けて、該消費財の品目ごとに口座の目標となるリターン金額を設定する目標設定ステップと、前記消費財の品目ごとに、前記リターン金額を満足するよう該消費財の相場に相関の強い前記金融商品についてのポートフォリオを生成するポートフォリオ生成ステップと、前記ポートフォリオを表示する画面を生成する表示画面生成ステップと、を実施する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、ユーザのライフスタイルに応じた購買能力を確保するために、適切なポートフォリオ及び資産形成計画を提案する技術を提供することができる。
【0017】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係るポートフォリオ管理システムの構成図である。
図2】消費財記憶部のデータ構造例を示す図である。
図3】金融商品記憶部のデータ構造例を示す図である。
図4】相関係数記憶部のデータ構造例を示す図である。
図5】購買傾向記憶部のデータ構造例を示す図である。
図6】ポートフォリオ記憶部のデータ構造例を示す図である。
図7】ポートフォリオ管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図8】ポートフォリオ管理処理のフローの例を示す図である。
図9】希望購買能力編集画面の例を示す図である。
図10】ポートフォリオ組換提案画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の一態様に係る実施形態を適用したポートフォリオ管理システム1について、図面を参照して説明する。以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0020】
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0021】
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0022】
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
【0023】
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0024】
図1は、本実施形態に係るポートフォリオ管理システム1の構成図である。ポートフォリオ管理システム1は、利用者が投資操作装置200を利用して、ネットワークを介して通信可能に接続されたポートフォリオ管理装置100を利用する。しかし、これに限られず、ポートフォリオ管理装置100に利用者のスマートフォンやパーソナルコンピュータ、タブレット装置等(以降、利用者端末と称呼)のブラウザソフトウェアやアプリケーションソフトウェアを経由して接続して利用するものであってもよい。
【0025】
なお、利用者端末からポートフォリオ管理装置100に接続する際には、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、携帯電話網等、あるいはこれらが複合した通信網であるネットワーク50を介して接続される。なお、当該ネットワーク50は、携帯電話通信網等の無線通信網上のVPN(Virtual Private Network)等であってもよい。
【0026】
利用者は、ポートフォリオ管理システム1を用いることで、ライフスタイルに応じた購買能力を確保するために、適切なポートフォリオ及び資産形成計画を得ることができる。さらには、利用者は、ポートフォリオ管理システム1を用いることで、ポートフォリオに従って実際の投資を実行し、また、投資結果あるいは世界情勢等の外部要因に応じた予測に応じてポートフォリオの組み換えの提案を受けることもできる。
【0027】
具体的には、ポートフォリオ管理装置100は、投資操作装置200あるいは利用者端末から要求を受け付けると、利用者のライフスタイル、具体的には、利用者により指定された消費財の品目ごとに、利用者の購買傾向に応じて、利用者の口座の目標となるリターン金額を設定する。そして、ポートフォリオ管理装置100は、該消費財の相場の変動に相関の強い金融商品を組み合わせてポートフォリオを生成し、生成したポートフォリオを含む画面を投資操作装置200あるいは利用者端末に送信する。
【0028】
ポートフォリオ管理装置100は、記憶部110と、処理部120と、入力部130と、出力部140と、通信部150と、が互いにバス等で通信可能に接続される。
【0029】
記憶部110には、消費財記憶部111と、金融商品記憶部112と、相関係数記憶部113と、購買傾向記憶部114と、ポートフォリオ記憶部115と、が含まれる。
【0030】
図2は、消費財記憶部のデータ構造例を示す図である。消費財記憶部111は、消費財の品目ごとに該消費財の相場の履歴情報を記憶する。消費財記憶部111には、利用者ごとに、品目ID111Aと、品目名111Bと、日時111Cと、単価111Dと、が含まれる。
【0031】
品目ID111Aは、消費財の品目を特定する情報である。品目名111Bは、品目ID111Aにより特定される消費財の名称である。日時111Cは、消費財の単価が収集された日時を特定する情報である。単価111Dは、収集された単価である。
【0032】
例えば、図2には、品目ID111Aが「001」である消費財は、品目名111Bが「米」であり、日時111Cが「2018/02/18 17:00:00」においては、単価111Dが「1,000円/kg」である情報が例示されており、同消費財については、日時111Cが「2018/02/19 17:00:00」においては、単価111Dが「1,001円/kg」である情報が例示されている。
【0033】
同様に、品目ID111Aが「002」である消費財は、品目名111Bが「小麦粉」であり、日時111Cが「2018/02/18 17:00:00」においては、単価111Dが「350円/kg」である情報が例示されており、同消費財については、日時111Cが「2018/02/19 17:00:00」においては、単価111Dが「350円/kg」である情報が例示されている。
【0034】
図3は、金融商品記憶部のデータ構造例を示す図である。金融商品記憶部112は、金融商品ごとに該金融商品の相場の履歴情報を記憶する。金融商品記憶部112には、金融商品ID112Aと、金融商品名112Bと、日時112Cと、単価112Dと、が含まれる。
【0035】
金融商品ID112Aは、金融商品を特定する識別子である。金融商品名112Bは、金融商品IDにより特定される金融商品の名称である。日時112Cは、金融商品の単価が収集された日時を特定する情報である。単価112Dは、収集された単価である。
【0036】
例えば、図3には、金融商品ID112Aが「XX001」である金融商品は、金融商品名112Bが「石油先物5年」であり、日時112Cが「2018/02/18 15:00:00」においては、単価112Dが「40.01ドル/bbl」である情報が例示されており、同商品については、日時112Cが「2018/02/19 15:00:00」においては、単価112Dが「38.99/bbl」である情報が例示されている。
【0037】
同様に、金融商品ID112Aが「ZZ001」である金融商品は、金融商品名112Bが「A株式会社」であり、日時112Cが「2018/02/18 15:00:00」においては、単価112Dが「200円/株」である情報が例示されており、同商品については、日時112Cが「2018/02/19 15:00:00」においては、単価112Dが「202円/株」である情報が例示されている。
【0038】
図4は、相関係数記憶部のデータ構造例を示す図である。相関係数記憶部113には、品目ID113Aと、金融商品ID113Bと、相関係数113Cと、が含まれる。
【0039】
品目ID113Aは、消費財の品目を特定する情報である。金融商品ID113Bは、金融商品を特定する識別子である。相関係数113Cは、品目ID113Aにより特定される消費財の品目の相場と、金融商品ID113Bにより特定される金融商品の相場と、の相関の度合を所定のアルゴリズムにより相関係数として算出した値である。
【0040】
図5は、購買傾向記憶部のデータ構造例を示す図である。購買傾向記憶部114には、アカウントID114Aごとに、品目ID114Bと、頻度114Cと、分量114Dと、年間金額114Eと、が含まれる。
【0041】
アカウントID114Aは、ポートフォリオにおいて管理する資産を管理する対象の利用者の口座を特定する情報である。品目ID114Bは、消費財の品目を特定する情報である。頻度114Cは、消費財の消費頻度の単位を特定する情報である。分量114Dは、消費財の消費頻度単位当たりの消費量を特定する情報である。年間金額114Eは、表示日時点の消費財の購入代金を年額で示す情報である。
【0042】
例えば、図5には、アカウント114Aが「ACT00001」である口座では、品目ID114Bが「001」である消費財について、頻度114Cが「日」、分量114Dが「300g」で特定され、その年間金額114Eは「50,000円」である情報が例示されている。これは、当該アカウントの所有者は、「米」を「日あたり300グラム」消費しその年額は「5万円」であることを示している。
【0043】
また例えば、図5には、アカウント114Aが「ACT00001」である口座では、品目ID114Bが「002」である消費財について、頻度114Cが「週」、分量114Dが「100g」で特定され、その年間金額114Eは「1,820円」である情報が例示されている。これは、当該アカウントの所有者は、「小麦粉」を「週あたり100グラム」消費しその年額は「1,820円」であることを示している。
【0044】
図6は、ポートフォリオ記憶部のデータ構造例を示す図である。ポートフォリオ記憶部115には、アカウントID115Aごとに、品目ID115Bと、複数の投資配分先である配分先A115Cと、配分先B115Dと、配分先C115Eと、が含まれる。
【0045】
アカウントID115Aは、ポートフォリオにおいて管理する資産を管理する対象の利用者の口座を特定する情報である。品目ID115Bは、消費財の品目を特定する情報である。配分先A115C~配分先115Eは、品目ID115Bにより特定される消費財の購入を満足するポートフォリオの投資配分の割合を特定する情報である。
【0046】
図1の説明に戻る。処理部120には、市場情報収集部121と、相関係数算出部122と、外部要因影響推定部123と、目標設定部124と、ポートフォリオ生成部125と、表示画面生成部126と、投資実行部127と、見直し判定部128と、組換処理部129と、が含まれる。
【0047】
市場情報収集部121は、図示しないポートフォリオ管理システム1外の所定の装置から、ネットワーク50を介して消費財と金融商品とについての相場の情報を収集する。具体的には、市場情報収集部121は、例えば所定の相場情報を開示する装置に対して、所定のAPI(Application Programming Interface)等を介して消費財と金融商品の相場の情報を要求する。そして、その装置から送信される相場の情報を受信して、消費財については消費財記憶部111に、金融商品については金融商品記憶部112に格納させる。
【0048】
相関係数算出部122は、消費財の品目ごとに、該消費財の相場と金融商品の相場との相関係数を算出する。具体的には、相関係数算出部122は、消費財の相場の変動傾向と金融商品の相場の変動傾向のそれぞれとを比較し、相場の変動傾向に相似性がみられる場合には、相関係数を高く算出し、特に相似性が見られない場合には相関係数を低く算出する。
【0049】
外部要因影響推定部123は、ニュース情報を用いて、消費財の相場の変動と、金融商品の相場の変動と、を予測してリターン金額と相関係数を算出する。具体的には、外部要因影響推定部123は、新聞サイト等からニューストピックの文字列情報を取得し、学習済みモデル等を利用した演算により相場の変動時期と変動量とを推定する。そして、外部要因影響推定部123は、推定した相場を用いて相関係数算出部122に相関係数を算出させ、また、目標設定部124に目標を設定させる。そして、外部要因影響推定部123は、算出した相関係数に応じてポートフォリオ生成部125にポートフォリオを生成させる。これにより、消費財、金融商品の相場の変動に応じ、消費財の購買のために必要なリターン金額と、現在の投資の維持により期待できるリターン金額の精査、および大幅な外部環境変化に伴う消費財と金融商品の相関係数の変化等を、網羅的にカバーすることが可能となる。
【0050】
目標設定部124は、消費財の品目ごとに該消費財を継続して購入する期間と量の入力を受け付けて、該消費財の品目ごとに口座の目標となるリターン金額を設定する。
【0051】
ポートフォリオ生成部125は、消費財の品目ごとに、リターン金額を満足するよう該消費財の相場に相関の強い金融商品についての資産形成計画、とくにポートフォリオを生成する。なお、このようなポートフォリオは複数生成しうるため、ポートフォリオ生成部125は、所定のポリシーに従ってポートフォリオを生成する。
【0052】
表示画面生成部126は、ポートフォリオを表示する画面を生成する。また、表示画面生成部126は、消費財の品目ごとに該消費財を継続して購入する期間と量の入力を受け付ける画面を生成する。
【0053】
投資実行部127は、ポートフォリオに応じて投資を実行する。具体的には、投資実行部127は、ポートフォリオにより決定した金融商品と投資額、投資期間に応じて、図示しない投資を実行する装置に対して、所定のAPI等を介して金融商品と投資額および投資期間を伝え、投資を実行する指示を行う。また、投資実行部127は、投資を実行する装置から投資した結果得られた差益または差損の情報を得て、運用差益の監視を行う。なお、投資実行部127は、上記の処理に限られず、金融商品と投資額および投資期間を用いて投資を実行する処理を行うものであってもよいし、証券会社等に金融商品と投資額および投資期間を伝える申込書類を所定の様式に応じて印刷する処理を行うものであってもよい。
【0054】
見直し判定部128は、投資の実行結果に応じてリターン金額の満足の可能性を判定し、可能性が所定の範囲にない場合にはポートフォリオを再生成する判定を行う。リターン金額の目標額自体が変化する可能性があるためである。
【0055】
組換処理部129は、再生成したポートフォリオに応じて投資実行部127に組み換えを指示する。具体的には、再生成したポートフォリオにより決定した金融商品と投資額、投資期間に応じて、投資実行部127に金融商品と投資額および投資期間を伝え、投資を実行する指示を行わせる。
【0056】
入力部130は、ポートフォリオ管理装置100への利用者からの入力を受け付ける。例えば、入力部130は、受け付けたタイピングやタッチ、フリック入力等の各種の接触入力、あるいは音声入力、または視線入力等の各種の入力を受け付ける。
【0057】
出力部140は、ポートフォリオ管理装置100からの利用者への出力を行う。出力される情報は、画面、帳票等の各種出力情報である。
【0058】
通信部150は、ネットワーク50を介して投資操作装置200および利用者端末との間で通信を行う。その通信には、TCP/IPプロトコルによるパケット通信を採用するが、これに限られるものではない。
【0059】
図7は、ポートフォリオ管理装置のハードウェア構成例を示す図である。ポートフォリオ管理装置100は、いわゆるサーバ装置、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、スマートフォンあるいはタブレット端末の筐体により実現されるハードウェア構成を備える。ポートフォリオ管理装置100は、プロセッサ101と、メモリ102と、記憶装置103と、入力装置104と、表示装置105と、通信装置106と、各装置をつなぐバス107と、を備える。
【0060】
プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置である。
【0061】
メモリ102は、例えばRAM(Random Access Memory)などのメモリ装置である。
【0062】
記憶装置103は、デジタル情報を記憶可能な、いわゆるハードディスク(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)あるいはフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。
【0063】
入力装置104は、キーボードやマウス、タッチパネル、マイクのいずれかまたは複数の入力を受け付ける装置である。表示装置105は、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の各種出力装置のいずれかまたは複数の表示を行う装置である。
【0064】
通信装置106は、ネットワークを介して他の装置と通信するネットワークインターフェースカード(NIC)等である。
【0065】
上記したポートフォリオ管理装置100の市場情報収集部121と、相関係数算出部122と、外部要因影響推定部123と、目標設定部124と、ポートフォリオ生成部125と、表示画面生成部126と、投資実行部127と、見直し判定部128と、組換処理部129とは、プロセッサ101に処理を行わせるプログラムによって実現される。このプログラムは、メモリ102、記憶装置103または図示しないROM装置内に記憶され、実行にあたってメモリ102上にロードされ、プロセッサ101により実行される。
【0066】
また、ポートフォリオ管理装置100の記憶部110は、メモリ102及び記憶装置103により実現される。また、入力部130および出力部140は、入力装置104、表示装置105によりそれぞれ実現される。通信部150は、通信装置106により実現される。以上が、ポートフォリオ管理装置100のハードウェア構成例である。
【0067】
ポートフォリオ管理装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0068】
また、各処理部(市場情報収集部121、相関係数算出部122、外部要因影響推定部123、目標設定部124、ポートフォリオ生成部125、表示画面生成部126、投資実行部127、見直し判定部128、組換処理部129)は、それぞれの機能を実現する専用のハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各処理部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0069】
次に、本実施形態におけるポートフォリオ管理システム1の動作を説明する。
【0070】
図8は、ポートフォリオ管理処理のフローの例を示す図である。ポートフォリオ管理処理は、共通処理と、ユーザ個別処理と、を含んで実施される。共通処理については、所定のタイミング(例えば、24時間間隔)で開始される。ユーザ個別処理については、利用者からの指示を投資操作装置200あるいは利用者端末から受け付けると、開始される。
【0071】
始めに、共通処理の例について説明する。
【0072】
まず、市場情報収集部121は、品目の相場収集および整理を行う(ステップS001)。具体的には、市場情報収集部121は、図示しない所定の相場情報を開示する装置に対して、所定のAPI等を介して消費財の相場の情報を要求する。そして、市場情報収集部121は、その装置から送信される相場の情報を受信して、消費財記憶部111に格納させる。
【0073】
そして、市場情報収集部121は、金融商品の相場収集および整理を行い、相関係数算出部122は、品目相場と金融商品の相場との相関係数を算出する(ステップS002)。具体的には、市場情報収集部121は、図示しない所定の相場情報を開示する装置、例えば投資商品発行企業のIR情報、証券会社の公示する証券価格、所定の機関が発表する先物等の各指標、株価等の少なくとも一つに関して、所定のAPI等を介して金融商品の相場の情報を要求する。そして、市場情報収集部121は、その装置から送信される相場の情報を受信して、金融商品記憶部112に格納させる。そして、相関係数算出部122は、消費財の相場の変動傾向と金融商品の相場の変動傾向のそれぞれとを比較し、相場の変動傾向に相似性がみられる場合には、相関係数を高く算出し、特に相似性が見られない場合には相関係数を低く算出する。算出した相関係数は、相関係数算出部122により、相関係数記憶部113に格納される。
【0074】
そして、外部要因影響推定部123は、国際事情などの外部要因の収集と、品目及び金融商品に対する影響の予測を行う(ステップS003)。具体的には、外部要因影響推定部123は、ニュースサイト等からニュース記事の文字列情報を取得し、該文字列をAI(人工知能)等の解析手段を用いて解析し、ニュース情報を用いて、消費財の相場の変動と、金融商品の相場の変動と、を予測してリターン金額と相関係数を算出する。算出した相関係数は、相関係数算出部122により、相関係数記憶部113に格納される。なお、このステップS003の処理は、相関係数のバリエーションを設けるという意味を有する。品目の価格が変わる可能性があると、リターン金額の目標額自体が変化する可能性があり、その変化を予測するためである。
【0075】
以上が、共通処理の流れの例である。共通処理によれば、品目と金融商品の相場を収集するとともに、それらの相関係数を求めることが可能となる。また、国際事情等の外部要因による相場及び消費財と金融商品の相関関係の変動の予測を行うことが可能となるため、投資の目論見が外れるリスクを事前に察知して、差損の回避あるいは差損を軽微に抑えるのに役立てることが可能となる。
【0076】
続いて、ユーザ個別処理の例について説明する。
【0077】
まず、目標設定部124は、品目および使用状況の入力または自動入力を購買傾向記憶部114に対して行う(ステップS101)。具体的には、目標設定部124は、利用者の支出情報の入力を表示画面等を介して受け付けて、購買傾向を分析し、購買傾向記憶部114に格納する。あるいは、目標設定部124は、電子マネー等の使用履歴を読み取って、利用者の電子マネー等による支払情報を取得し、購買傾向を分析し、購買傾向記憶部114に格納するようにしてもよい。またさらに、目標設定部124は、購買傾向記憶部114に格納した当該ユーザの品目一覧を画面表示し、その中から利用者に品目を選択させて品目を絞り込むようにしてもよい。
【0078】
そして、目標設定部124は、将来にわたり入手を確保したい品目と、投資成果の享受期間と、元金支払方法等の入力を受け付ける(ステップS102)。具体的には、目標設定部124は、表示画面等を介して、利用者が将来にわたり入手を確保したい消費財の品目(例えば、米、小麦粉、所定の持病の治療薬等)と、その消費財ごとに継続して購入するための費用を投資成果により得たい期間である享受期間(例えば、定年による退職後からの希望年数等)およびその入手量(例えば、消費頻度単位当たりの量等)と、元金支払方法(例えば、一括、分割等)等の入力を受け付ける。
【0079】
そして、目標設定部124は、各品目を享受期間に入手するのに必要十分なリターン金額を目標金額として特定する。そして、ポートフォリオ生成部125は、目標金額を必要十分に得る金融商品の選択を行い、ポートフォリオを生成する(ステップS103)。
【0080】
具体的には、目標設定部124は、消費財の品目ごとに該消費財を継続して購入する期間と量の入力を用いて、該消費財の品目ごとに口座の目標金額となるリターン金額を設定する。ここで、目標設定部124は、享受期間として「定年による退職後」等の終期があいまいな入力を受け付けた場合には、利用者の平均余命あるいは10年間等の終期を自動設定して、該消費財の購入金額の見積りを行って目標金額として設定する。そして、ポートフォリオ生成部125は、利用者が入手を確保したい消費財として入力された品目ごとに、将来期間にわたってユーザが希望する量を享受するために必要なリターン金額を満足するよう該消費財の相場に相関の強い金融商品をそれぞれ特定し、該消費財についての金融商品への投資額の割合及び具体的な投資額を含むポートフォリオを生成する。ポートフォリオは、一つ又は複数の消費財の品目を包括したものでも良い。
【0081】
そして、表示画面生成部126は、算出したポートフォリオと、消費財の品目別の購買能力とを、提示および編集可能に受け付ける画面を生成する(ステップS104)。算出したポートフォリオには、消費財の品目ごとに投資先の金融商品およびその金額が示され、複数の消費財の品目がある場合にはその合計のポートフォリオも含む。なお、この画面は、算出したポートフォリオと、消費財の品目別の購買能力とを同時に一画面上に表示するものに限られず、それぞれを別画面で表示するものであってもよい。
【0082】
図9は、希望購買能力編集画面の例を示す図である。希望購買能力編集画面400は、入力を受け付けた消費財の品目ごとに該消費財を継続して購入する期間と量を示す表401と、戻るボタン402と、修正して再計算ボタン403と、を表示する画面である。希望購買能力編集画面400では、算出したポートフォリオを微調整するために入力パラメータを調整するための編集機能を備える。具体的には、表401において、分量あるいは開始日、終了日を修正した値の入力を受け付け、修正して再計算ボタン403への入力を受け付けると該修正した値によりステップS103の再処理を行わせる。
【0083】
図8の説明に戻る。ステップS104の処理を終えると、投資実行部127は、ポートフォリオに応じて投資を実行する(ステップS105)。具体的には、投資実行部127は、ポートフォリオにより決定した金融商品と投資額、投資期間に応じて、図示しない投資を実行する装置に対して、所定のAPI等を介して金融商品と投資額および投資期間を伝え、投資を実行する指示を行う。また、投資実行部127は、投資を実行する装置から投資した結果得られた差益または差損の情報を得て、運用差益の監視を行う。
【0084】
そして、見直し判定部128は、投資の実行結果に応じてリターン金額の満足の可能性を所定のタイミング(例えば、月1回)で判定し、可能性が所定の範囲にない場合(例えば、極端にリターンが不足する場合、あるいは極端にリターンが多くなる場合)には、ポートフォリオを再生成する判定を行う(ステップS106)。
【0085】
ステップS106にてポートフォリオを再生成する判定を行った場合、組換処理部129は、国際事情などの外部要因による影響予測を反映した相関係数を相関係数記憶部113から読み出して、ポートフォリオの再生成、及び必要に応じて代替品目の選定を行う(ステップS107)。この代替品目の選定においては、消費財の相場の大幅な変更に伴い極端に投資元金の増加が求められる場合、組換処理部129はアラートを表示し、代替品目の提示(例えば、正規医薬品の代わりにジェネリック医薬品等)、あるいはその消費財を利用しない生活の提案を行うようにしてもよい。
【0086】
アレルギーや宗教的事情等により、利用者が代替不能と判断する消費財がある場合には、以降は、組換処理部129は、利用者が当該商品を購入し続けるために必要な資産の積み増し金額の算定を行ってポートフォリオを生成するようポートフォリオ生成部125に指示する。そして、組換処理部129は、再生成したポートフォリオにより決定した金融商品と投資額、投資期間に応じて、投資実行部127に金融商品と投資額および投資期間を伝える。そして、制御をステップS104に戻す。
【0087】
以上が、ユーザ個別処理の流れの例である。ユーザ個別処理によれば、ユーザの希望する消費財の将来における購買能力を維持するために適切なポートフォリオ及び資産形成計画を提案することが可能となる。また、運用差益に過不足が発生する傾向がある場合には、ポートフォリオの再生成を行うことで差損の回避あるいは差損を軽微に抑えるのに役立てることが可能となる。
【0088】
図10は、ポートフォリオ組換提案画面の例を示す図である。ポートフォリオ組換提案画面500には、現状のポートフォリオ501と、ポートフォリオの組換案502と、組換の理由の説明文章503と、戻るボタン504と、オプション1採用ボタン505と、オプション2採用ボタン506と、現在の運用維持ボタン507と、オプション2を表示ボタン508と、が含まれる。
【0089】
ポートフォリオの組換案502は、ユーザ個別処理のステップS107において再作成したポートフォリオが表示される。また、現状のポートフォリオ501との差分を強調して表示する。
【0090】
説明文章503には、組換の理由となる消費財・金融商品の相場の変動状況、世界情勢、極端に投資元金の増加が求められる旨のアラート、代替製品、消費財を利用しない生活の提案の文章が含まれる。この文章に複数の提案が含まれる場合には、それぞれの提案がオプションとして示される。
【0091】
オプション1採用ボタン505は、入力を受け付けると、ポートフォリオの組換案502を採用して、該ポートフォリオに基づく投資の組み換えの実行指示を受けたものとして組換処理部129に組換処理を開始させる。
【0092】
オプション2採用ボタン506は、入力を受け付けると、説明文章503のオプション2を採用して、該オプション2採用時のポートフォリオに基づく投資の組み換えの実行指示を受けたものとして組換処理部129に組換処理を開始させる。
【0093】
現在の運用維持ボタン507は、入力を受け付けると、ポートフォリオの組み換えを行わない指示を受けたものとして、組換処理を行わないで表示を終了する。
【0094】
オプション2を詳細表示ボタン508は、入力を受け付けると、説明文章503のオプション2を採用した場合のポートフォリオをサブウィンドウあるいはモーダルに表示する。なお、説明文章503にさらにオプション(例えば、オプション3等)が含まれる場合には、同様に当該オプションを採用した場合のポートフォリオをサブウィンドウあるいはモーダルに表示する詳細表示ボタンおよび採用ボタンが表示されるものであってもよい。
【0095】
以上の実施形態のように、ポートフォリオ管理システム1によれば、ユーザのライフスタイルに応じた購買能力を確保するために、適切なポートフォリオ及び資産形成計画を提案することができる。
【0096】
本発明は、上記の実施形態に制限されない。上記の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記の実施形態においては、ポートフォリオ管理装置100は、ネットワーク50を介して相場情報を得ているが、これに限られない。例えば、相場情報は記憶部110に予め格納されていてもよい。このようにした場合、相関係数の算出のレスポンスや精度を高めることが可能となる。
【0097】
あるいは例えば、上記の実施形態において、目標設定部124は、利用者の電子マネー口座等の決済履歴を外部装置から取得して、購買傾向を分析し、購買頻度の高い消費財の品目を頻度の順に、あるいは購買金額の高い消費財の品目を金額の順に抽出して目標として設定するようにしてもよい。利用者は必ずしも自身の消費傾向を正確に理解しているとは限らないためであり、確保する必要のある消費財を明確に認識するためである。
【0098】
あるいは例えば、上記の実施形態において、外部要因影響推定部123は、ニュース等の情報に基づいて利回り等に変動が出る時期を所定の確度以上で予測可能な場合は、ポートフォリオの変更時期についてもスケジュールを立て、変更時期が近づくと再度ポートフォリオの変更を提案するようにしてもよい。例えば、雇用統計等のスケジュールされた白書や報告書が公開されるタイミングで投資市場は大きな変動がある傾向にある場合には、外部要因影響推定部123は、該時期の所定日数前(例えば、一週間前等)に相場の変動を予測し、ポートフォリオの変更を提案するようにしてもよい。このようにすることで、より迅速に金融商品の相場に適応し、選択した品目において将来における購買能力を確保することが可能となる。
【0099】
また、ポートフォリオ管理装置100の機能は、1つ又は複数のコンピュータで構成されるポートフォリオ管理システムによって実現してもよい。
【0100】
また、上記した実施形態の技術的要素は、単独で適用されてもよいし、プログラム部品とハードウェア部品のような複数の部分に分けられて適用されるようにしてもよい。
【0101】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。
【符号の説明】
【0102】
1・・・ポートフォリオ管理システム、50・・・ネットワーク、100・・・ポートフォリオ管理装置、110・・・記憶部、111・・・消費財記憶部、112・・・金融商品記憶部、113・・・相関係数記憶部、114・・・購買傾向記憶部、115・・・ポートフォリオ記憶部、120・・・処理部、121・・・市場情報収集部、122・・・相関係数算出部、123・・・外部要因影響推定部、124・・・目標設定部、125・・・ポートフォリオ生成部、126・・・表示画面生成部、127・・・投資実行部、128・・・見直し判定部、129・・・組換処理部、130・・・入力部、140・・・出力部、150・・・通信部、200・・・投資操作装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10