(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067577
(43)【公開日】2022-05-06
(54)【発明の名称】インソールデータ生成システム及びインソールデータ生成方法
(51)【国際特許分類】
B29D 35/00 20100101AFI20220425BHJP
A43B 17/00 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
B29D35/00
A43B17/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176360
(22)【出願日】2020-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】315016468
【氏名又は名称】庄野 和
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】庄野 和
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050EA01
4F050NA90
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザの歩行時の癖に基づき、ユーザに適した矯正用のインソールの構造データを生成して提供するインソールデータ生成システムを提供する。
【解決手段】インソールデータ生成システム1は、ユーザの歩行時の癖に基づき、ユーザに適したインソールの構造データを生成して提供する情報提供サーバ10を備え、情報提供サーバは、ユーザの歩行時の癖を保存して管理する歩行データ管理部16と、歩行時の癖を矯正する矯正量を算出して矯正用のパッド構造データを生成するパッド構造データ生成部17と、ユーザの靴のサイズに適合する標準のインソールにパッド構造データを組み込んだ矯正用のインソールの構造データを生成するインソール構造データ生成部18とを有し、歩行時の癖はユーザ端末20により歩行動画から抽出されてユーザ端末から送信されるか、又はユーザ端末より送信される歩行動画から歩行データ管理部により抽出される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末により撮影されたユーザの歩行動画から抽出されるユーザの歩行時の癖に基づき、前記ユーザに適したインソールの構造データを生成して提供する情報提供サーバを備えるインソールデータ生成システムであって、
前記情報提供サーバは、前記歩行動画から抽出されるユーザの歩行時の癖を保存して管理する歩行データ管理部と、前記歩行時の癖に基づき、前記歩行時の癖を矯正する矯正量を算出して矯正用のパッド構造データを生成するパッド構造データ生成部と、予め入力されたユーザの靴のサイズを含むユーザの基本情報に基づき前記靴のサイズに適合する標準のインソールに前記パッド構造データを組み込んだ矯正用のインソールの構造データを生成するインソール構造データ生成部とを有し、
前記歩行時の癖は前記ユーザ端末に実装されたアプリケーションにより前記歩行動画から抽出されてユーザ端末から送信されるか、又はユーザ端末より送信される前記歩行動画から前記歩行データ管理部により抽出されるものであることを特徴とするインソールデータ生成システム。
【請求項2】
前記歩行動画はユーザの正面又は背面から撮影し、少なくとも左右それぞれの足による歩行動作を含む動画であり、
前記歩行時の癖は、歩行するユーザの正面又は背面から観測される体の所定箇所の中心軸又は基準線の傾きの変化であることを特徴とする請求項1に記載のインソールデータ生成システム。
【請求項3】
前記情報提供サーバは、前記インソールの構造データを3Dプリンタの入力データとして構成して出力する3Dプリンタデータ生成部をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載のインソールデータ生成システム。
【請求項4】
ユーザ端末により撮影されたユーザの歩行動画から抽出されるユーザの歩行時の癖に基づき、前記ユーザに適したインソールの構造データを生成して提供する情報提供サーバを備えるインソールデータ生成システムによるインソールデータの生成方法であって、
ユーザ端末によりユーザの歩行動画を撮影する段階と、
前記ユーザ端末又は情報提供サーバにより、前記歩行動画よりユーザの歩行時の癖を抽出する段階と、
前記情報提供サーバにより、前記歩行時の癖に基づき、前記歩行時の癖を矯正する矯正量を算出して矯正用のパッド構造データを生成する段階と、
前記情報提供サーバにより、予め入力されたユーザの靴のサイズを含むユーザの基本情報に基づき前記靴のサイズに適合する標準のインソールに前記パッド構造データを組み込んだ矯正用のインソールの構造データを生成する段階と、を有することを特徴とするインソールデータの生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インソールデータ生成システム及びインソールデータ生成方法に関し、特にユーザ端末により撮影されたユーザの歩行動画から抽出されるユーザの歩行時の癖に基づき、ユーザに適した矯正用のインソールの構造データを生成して提供するインソールデータ生成システム及びインソールデータ生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行は人間にとって最も基本的な動作の1つであるが、多くの人が長年自身の歩行姿勢を特に意識しないで歩行する結果、歩き方に癖がついてしまう傾向がある。歩き方の癖は通常は体の傾きとして現れ、連続歩行動作では体が一方又は左右に傾く歩行中の揺動として観察される。
このような歩行時の癖は長年の歩行習慣の積み重ねにより定着化される場合の他、病気やけがなどの影響で正しい歩行姿勢を取りにくいような場合にも起こり得る。
【0003】
歩行時の癖は軽度の場合は身体への影響は少ないが、程度がひどくなると膝や腰などに偏った負荷がかかり、関節の炎症や痛みなどの影響が出やすくなる。そこで歩行時の癖の強い人は身体への影響が出る前に、歩行時の癖を矯正することが重要である。
歩行時の癖を矯正するには、靴の中に入れる中敷きであるインソールを、矯正効果を持たせるような形状に形成して使用するのが一般的である。矯正効果を持たせるような形状のインソールは、足底板とも呼ばれ、これを使用するユーザの歩行時の癖に合わせて個別に製作する必要があり、そのためにはまずユーザの歩行時の癖を把握する必要がある。
歩行時の癖は、普段履いている靴の靴底の減り具合で、ある程度の傾向をつかむことはできるが、具体的にどこをどのように矯正すればよいかまでは把握できない。
【0004】
特許文献1には、感圧センサーおよび送受信手段が所定の複数箇所に配置されている中敷きを、テスト用中敷きとして所望する靴の内部に装着して、歩行時足裏に掛かる圧力を感圧センサーにより検出し、検出した圧力に基づき新たな中敷きの作製条件を求め、感圧センサーおよび送受信手段を配置した新たな中敷きを作製する中敷きの作成方法及びシステムが開示されている。
【0005】
特許文献1によれば、ユーザの歩行中に、どこにどのような圧力が加わるかを的確に評価することができるので、ユーザの歩行時の癖に見合ったインソールを製作することが見込める。しかしながら特許文献1を実施するためには、ユーザは先ずテスト用中敷きを入手して圧力測定のための歩行を行う必要があり、また圧力測定結果に基づき作成する新たな中敷きにも感圧センサーおよび送受信手段が配置されるため、製作費も高くなり、また、製作する場所が限られ、ユーザは完成品が送られてくるのを待たなければならない。さらにリピートのオーダーも同様の制約を受けるという課題がある。
そこで、感圧センサーなどの特別なツールを用意することなく、簡便にユーザの歩行時の癖が把握でき、またリピートの製作も容易に行うことが可能なインソールデータ生成システム及びインソールデータ生成方法の提供が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来のインソールデータ生成システム及びインソールデータ生成方法における問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ユーザ端末により撮影されたユーザの歩行動画から抽出されるユーザの歩行時の癖に基づき、ユーザに適した矯正用のインソールの構造データを生成して提供するインソールデータ生成システム及びインソールデータ生成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明によるインソールデータ生成システムは、ユーザ端末により撮影されたユーザの歩行動画から抽出されるユーザの歩行時の癖に基づき、前記ユーザに適したインソールの構造データを生成して提供する情報提供サーバを備えるインソールデータ生成システムであって、前記情報提供サーバは、前記歩行動画から抽出されるユーザの歩行時の癖を保存して管理する歩行データ管理部と、前記歩行時の癖に基づき、前記歩行時の癖を矯正する矯正量を算出して矯正用のパッド構造データを生成するパッド構造データ生成部と、予め入力されたユーザの靴のサイズを含むユーザの基本情報に基づき前記靴のサイズに適合する標準のインソールに前記パッド構造データを組み込んだ矯正用のインソールの構造データを生成するインソール構造データ生成部とを有し、前記歩行時の癖は前記ユーザ端末に実装されたアプリケーションにより前記歩行動画から抽出されてユーザ端末から送信されるか、又はユーザ端末より送信される前記歩行動画から前記歩行データ管理部により抽出されるものであることを特徴とする。
【0009】
前記歩行動画はユーザの正面又は背面から撮影し、少なくとも左右それぞれの足による歩行動作を含む動画であり、前記歩行時の癖は、歩行するユーザの正面又は背面から観測される体の所定箇所の中心軸又は基準線の傾きの変化であることが好ましい。
前記情報提供サーバは、前記インソールの構造データを3Dプリンタの入力データとして構成して出力する3Dプリンタデータ生成部をさらに有することが好ましい。
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明によるインソールデータの生成方法は、ユーザ端末により撮影されたユーザの歩行動画から抽出されるユーザの歩行時の癖に基づき、前記ユーザに適したインソールの構造データを生成して提供する情報提供サーバを備えるインソールデータ生成システムによるインソールデータの生成方法であって、ユーザ端末によりユーザの歩行動画を撮影する段階と、前記ユーザ端末又は情報提供サーバにより、前記歩行動画よりユーザの歩行時の癖を抽出する段階と、前記情報提供サーバにより、前記歩行時の癖に基づき、前記歩行時の癖を矯正する矯正量を算出して矯正用のパッド構造データを生成する段階と、前記情報提供サーバにより、予め入力されたユーザの靴のサイズを含むユーザの基本情報に基づき前記靴のサイズに適合する標準のインソールに前記パッド構造データを組み込んだ矯正用のインソールの構造データを生成する段階と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るインソールデータ生成システム及びインソールデータ生成方法によれば、ユーザは自身のスマートフォンなどのユーザ端末により、自身の歩行するときの動画を撮影するだけでユーザの歩行時の癖を抽出するための情報の取得が完了するため、ユーザはインソールの製作の申し込みに圧力センサや形状センサなどの特別のツールを準備する必要がなく、非常に簡便にインソールデータ生成システムを利用することができる。
【0012】
また、本発明に係るインソールデータ生成システム及びインソールデータ生成方法によれば、生成されたインソールの構造データは3Dプリンタの入力データとして構成されて出力されるので、ユーザは3Dプリンタを所有する場合、ユーザ端末に受信したインソールの構造データにより、3Dプリンタを使用して必要な時に必要な数だけ矯正用のインソールを作製することができる。ユーザ自身が3Dプリンタを所有していなくても、ユーザ端末に受信したインソールの構造データを、最寄りの3Dプリンタが利用できるショップに提供してインソールを作製することができるので、インソールデータ生成システムの遠隔地、例えば外国にいるユーザでもインソールデータ生成システムを利用して容易にインソールを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態によるインソールデータ生成システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態によるユーザの歩行動画からユーザの歩行時の癖を抽出する方法を説明するための図である。
【
図3】本発明の実施形態によるインソール装着によるユーザの歩行時の癖の改善を概略的に説明するための図である。
【
図4】本発明の実施形態によるインソールデータ生成方法の手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係るインソールデータ生成システム及びインソールデータ生成方法を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態によるインソールデータ生成システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図1を参照すると、本発明の実施形態によるインソールデータ生成システム1は、ネットワーク50を介して接続される情報提供サーバ10とユーザ端末20とを備える。
図1ではユーザ端末20は1つだけを示すが、ユーザ端末20の数は任意であり、基本的に複数である。
【0015】
本発明の実施形態によるインソールデータ生成システム1は、ユーザ端末20により撮影されたユーザの歩行動画から抽出されるユーザの歩行時の癖に基づき、ユーザに適したインソールの構造データを生成して提供するシステムである。
人は歩く時に正しい姿勢を保つことを意識していないと、一方の肩が下がったり、膝が内側か外側に曲がっていたりするような癖のある歩き方が身に付いてしまうことがある。このような歩く時の癖の程度がひどくなると、身体に局所的な痛みなど影響が出やすくなることから、靴の中に入れて歩行時の癖を矯正するインソールが利用されてきた。これまでインソールの製作には、インソールを所望するユーザの足の詳細なサイズの測定や、足裏の圧力測定などの手間のかかる事前準備が必要であった。
【0016】
本発明によるインソールデータ生成システム1は、こうした事前準備の手間を軽減し、またユーザが矯正用のインソールを製作してもらうために整形外科医院等へ出向くことなく遠隔地からでも気軽にインソールの製作を申し込める環境を提供するものである。
【0017】
本発明によるインソールデータ生成システム1によれば、インソールの使用が必要となったユーザは、ユーザ端末20により自身の歩行する動画を撮影するだけで、ユーザ端末20に実装したアプリケーションプログラム(以下アプリケーションと称す)により撮影した動画からユーザの歩行時の癖が抽出されて情報提供サーバ10に送信されるので、ユーザは容易にインソール製作のための基礎データの取得を行うことができる。
【0018】
ユーザ端末20からユーザの歩行時の癖を受信した情報提供サーバ10では、受信した歩行時の癖に基づき、歩行時の癖を矯正するための矯正量を算出して矯正用のパッド構造データを生成し、予め入力されたユーザの靴のサイズを含むユーザの基本情報に基づいて、靴のサイズに適合する標準のインソールにパッド構造データを組み込んだ矯正用のインソールの構造データを生成する。生成したインソールの構造データは3Dプリンタ(30、31)の入力データとして構成してユーザ端末20に出力されるので、ユーザが3Dプリンタ30を所有する場合は、そのまま受信したインソールの構造データを使ってその場でインソールを製作することができる。また、3Dプリンタ30を所有していない場合でも最寄りの3Dプリンタ31を設置した靴店などの店舗に受信したインソールの構造データを提供して製作してもらうことができる。
【0019】
このようにインソールデータ生成システム1は、特別なツールを使用することなく非常に簡便にデータが取得でき、又遠隔地のユーザでも気軽にインソールを製作することが可能となるシステムである。
【0020】
図1を参照すると、情報提供サーバ10は、制御部11、入出力部12、記憶部13、表示部14、ユーザ登録部15、歩行データ管理部16、パッド構造データ生成部17、インソール構造データ生成部18、及び3Dプリンタデータ生成部19を備える。
【0021】
ユーザ登録部15は、ユーザが初めてインソールデータ生成システム1を利用する際に、ユーザ端末20から送信されるユーザの氏名、メールアドレスなどのユーザの基本情報を受け取り、新たなユーザ会員としてユーザ毎の固有の識別子であるユーザIDを発行してユーザの基本情報とともに記憶部13に保存して管理する。実施形態ではユーザの基本情報は、情報提供サーバ10が提供するWebサイトの中で必要な事項を入力するように入力フォーマットを提示し、ユーザが入力して送信することでユーザ登録部15に提供される。ユーザの基本情報にはユーザの靴のサイズなどインソールの製作に必要な情報も含む。
【0022】
一実施形態では、インソールの形状をよりユーザの足に適切な形に合わせるため、インソールの製作に必要な情報には、足部の荷重状態での足部正面と側面の画像データを含む。足部の荷重状態での足部正面と側面の画像データはユーザの足幅と足部の縦のアーチ形状のデータを取得するのに利用される。足部正面と側面の画像データはユーザ端末20に実装したアプリケーションによりユーザ端末20での撮影を促すようにユーザに提示してもよい。足部正面と側面の画像データは、左右それぞれの足で撮影し、また側面の画像は、左側面と右側面を含むように撮影するのが好ましい。
ユーザ端末20から受信した足部正面と側面の画像データは、そのままユーザ登録部15がユーザの基本情報の一部として記憶部13に保存して管理してもよいし、情報提供サーバ10に、
図1には示さない画像解析部などをさらに備えて、足部正面と側面の画像データからユーザの足幅と足部の縦のアーチ形状のデータを抽出し、抽出したユーザの足幅と足部の縦のアーチ形状のデータをユーザの基本情報の一部として記憶部13に保存して管理してもよい。他の実施形態では更に足部の非荷重状態での足部正面と側面の画像データを含み、荷重状態と非荷重状態での足幅と足部の縦のアーチ形状のデータの差分を抽出し、インソール作成時の参照データとするようユーザの基本情報の一部として記憶部13に保存して管理する。
さらに、ユーザの基本情報には、歩行時の癖を矯正する矯正量を算出する際に参照するようユーザの身長などの情報を含めてもよい。
【0023】
歩行データ管理部16は、ユーザ端末20により撮影されたユーザの歩行動画から、ユーザ端末20に実装されたアプリケーションにより抽出されたユーザの歩行時の癖を受信し、ユーザIDと関連付けて記憶部13に保存して管理する。
ここでユーザの歩行動画は、ユーザの正面又は背面から撮影し、少なくとも左右それぞれの足による歩行動作を含む動画であり、少なくとも左右それぞれで2、3歩の歩行が含まれる動画であることが好ましい。また、歩行時の癖は、歩行するユーザの正面又は背面から観測される体の所定箇所の中心軸又は基準線の傾きの変化である。所定箇所の中心軸又は基準線は、例えば胴体の中心軸である体幹の軸や肩の基準線、骨盤の基準線、膝の基準線、足の基準線などを含む。
【0024】
上記の実施形態では、歩行時の癖はユーザ端末20に実装されたアプリケーションにより抽出されるとしたが、他の実施形態では、ユーザ端末20により撮影されたユーザの歩行動画はユーザ端末20に保存された後、歩行時の癖を抽出することなくそのまま情報提供サーバ10に送信される。そこで歩行データ管理部16は歩行動画から歩行時の癖を抽出する手段を備え、ユーザ端末20から受信したユーザの歩行動画から歩行時の癖を抽出し、当該ユーザのユーザIDと関連付けて記憶部13に保存して管理する。
【0025】
一実施形態では、歩行時の癖の抽出は、足の着地のタイミングから足を蹴り出して地面を離れるタイミングまでの間に、体の所定箇所の中心軸又は基準線の傾きを、足の地面への付き方又は所定の時間間隔に対応して取得するようにする。
また、一実施形態では、歩行データ管理部16は、ユーザの歩行動画に歩行時の癖を抽出する際に使用するユーザの体の所定箇所の中心軸又は基準線を重ね合わせて、ユーザが歩行中にどのように中心軸や基準線が傾いているかを可視化可能に提供する。これは例えば情報提供サーバ10が提供するWebサイトの中で、ユーザ毎に独自の情報ページをユーザのマイページとして提供し、マイページの中で閲覧可能に提供することで実現可能である。さらに、インソールデータ生成システム1を利用して製作したインソールを使用して歩行した場合の歩行動画からも同様に歩行時の癖を抽出し、インソール使用前後の軸や基準線の傾きの改善具合を可視化可能に提供するようにしてもよい。このようにすることで、ユーザは自身の歩行時の癖を視覚的に把握し、自身の歩行姿勢の改善に意識を向けやすくなる。
【0026】
尚、歩行動画は体の所定箇所の中心軸や基準線を正しく識別するために、歩行動画中ユーザの全身が含まれるように撮影される必要があるが、ユーザの身長が既知であれば、歩行開始から終了までの歩行時間とユーザの全身の画角と歩数から、ユーザの歩行距離、歩行速度、歩幅が算出可能であることから、上記Webサイトのマイページの中でユーザの歩行データとして歩行速度、歩幅などを提供するようにしてもよい。さらに、歩行データ管理部16は、ユーザに歩行速度を変えた動画の撮影を促し、歩行速度の違いによる歩行時の癖の違いを求め、その結果をインソールの製作に反映してもよい。
【0027】
パッド構造データ生成部17は、歩行データ管理部16からユーザの歩行時の癖を取得し、歩行時の癖に基づき、歩行時の癖を矯正する矯正量を算出して矯正用のパッド構造データを生成する。例えばユーザが歩行時に右に傾く癖を有する場合、右足の外側にパッドを挿入するように矯正する。その際パッドの高さは歩行時のユーザの体の所定箇所の中心軸や基準線の傾きの値を参照して傾きがなくなるようにして求める。また歩行時の癖のデータが足の着地の状態又は時間経過と対応して取得されている場合は、足の前後方向のどの位置でどれだけの矯正が必要かを算出することができるので、より細かいフィッティングが可能となる。
【0028】
パッド構造データ生成部17が生成するパッド構造データは、歩行時の傾きを矯正するため、パッドを設置する位置が靴の中心線から離れるほど高く設定することになる。そこで実施形態では、パッド構造データ生成部17は標準的な靴のサイズに合わせた形で必要なパッドの高さを算出する。他の実施形態では、ユーザ登録の際に入力されたユーザの靴のサイズ及び足部正面と側面の画像データ、又はこれら画像データから抽出されたユーザの足幅と足部の縦のアーチ形状のデータを参照し、ユーザの靴のサイズに合わせたパッドの高さを算出するように構成する。
【0029】
パッド構造データは、歩行時の癖を矯正する矯正量に基づくものであり、最終的には生成したパッド構造データを盛り込んだインソールを使用するのが望ましいが、ユーザによってはいきなり理想的なインソールを使用すると違和感を生ずることも起こり得る。そこで一実施形態では理想的な高さのパッド構造データに加えて、プラス側とマイナス側に高さを変えたパッド構造データを生成し、これらのデータを盛り込んだインソールのデータをユーザに選択可能に提供する。これによりユーザは段階的に歩行姿勢を改善することも可能となる。
【0030】
インソール構造データ生成部18は、ユーザの靴のサイズの情報に基づき靴のサイズに適合する標準のインソールにパッド構造データ生成部17から取得するパッド構造データを組み込んだ矯正用のインソールの構造データを生成する。
パッド構造データが標準的な靴のサイズに合わせた形で生成されている場合は、インソール構造データ生成部18は、ユーザの靴のサイズに適合する標準のインソールを選択した後、標準的な靴のサイズとユーザの靴のサイズの比率に基づきパッド構造データを補正して、選択したインソール上に配置するようにし、パッド構造データを組み込んだ矯正用のインソールの構造データを生成する。パッド構造データがユーザの靴のサイズ及び足部正面と側面の画像データから得られる足幅や縦のアーチ形状に合わせたパッドのデータとして生成されている場合は、インソール構造データ生成部18は、ユーザの靴のサイズに適合する標準のインソールにそのままパッド構造データを組み込み、インソールの構造データを生成する。
【0031】
3Dプリンダデータ生成部19は、インソールの構造データを3Dプリンタ(30、31)の入力データとして構成して出力する。3Dプリンタ(30、31)は個人向けの卓上型から、業務用の大型の装置など様々な機種が市販されているが、STL(Standard Triangulated Language)形式と呼ばれる形式でデータを構成すれば、基本的にはどの機種でもデータを読み込んで3次元加工を行うことができる。そこで3Dプリンダデータ生成部19は、インソール構造データ生成部18で生成したインソールの構造データをSTL形式のデータとして構成し、インソールデータの生成を申し込んだユーザ端末20に出力する。
【0032】
これによりユーザは所有する3Dプリンタ30又は3Dプリンタ31が備えられる最寄りの店舗で3次元加工して、すぐにインソールを入手することができる。勿論、遠隔地のユーザで自身も周辺の店舗も3Dプリンタ(30、31)を所有していない場合は、情報提供サーバ10の管理者が所有する3Dプリンタでインソールを製作し、完成したインソールをユーザに送り届けるようにしてもよい。
【0033】
入出力部12は、ユーザ端末20からユーザの基本情報やユーザの歩行動画又は歩行時の癖を受信したり、生成したインソール構造データの3Dプリンタ用データを送信したりするための通信手段や、情報提供サーバ10に文字データを入力するためのキーボードやデータ選択操作などのためのマウスを含む。
記憶部13は、ユーザの基本情報や生成したパッド構造データ、インソールの構造データ、3Dプリンタ(30、31)の入力データなどの各種データの他、情報提供サーバ10自身を制御する制御プログラムなどを保存する。記憶部13は、ハードディスクなどの記憶媒体により実現化され、記憶する情報が多い場合は外付けのメモリ装置として構成してもよい。
【0034】
表示部14は、記憶部13に保存した各種データや制御プログラムなどを表示する。表示部14は、液晶表示装置などで実現化される。
制御部11は、記憶部13に保存した制御プログラムに従い、情報提供サーバ10の各構成要素が上記で説明した機能を果たすように制御する。
【0035】
ユーザ端末20は、制御部21、入出力部22、記憶部23、表示部24、動画取得部25、及び3Dプリンタデータ管理部26を備える。
動画取得部25は、ユーザの歩行動画を取得するための手段である。ユーザの歩行動画は正面又は背面からユーザの歩行の状態を撮影したものであり、左右の足がそれぞれ2、3歩歩く程度の状態を撮影したものである。この間ユーザの体の所定箇所の中心軸や基準線の傾きを観察するため、歩行動画中ではユーザの全身が写り込んでいる必要がある。またユーザの歩行動画を撮影する際、ユーザの体の所定箇所の中心軸や基準線の傾きをできるだけ正しく観察するために、動画取得部25の備えるレンズは、水平で正しくユーザの歩行方向に向いて固定されている必要がある。そこでユーザ端末20に実装するインソールデータ生成システム1を利用するためのアプリケーションで、動画取得部25のレンズ又はユーザ端末20の筐体の向きを検知して、正しく固定されているか否かをユーザ端末20の表示部24に表示するようにしてもよい。動画取得部25は、取得した歩行動画を記憶部23に保存する。
動画取得部25は、動画取得に限らず静止画を取得する画像取得部を兼ねてもよい。即ち前述のように実施形態では、ユーザが初めてインソールデータ生成システム1を利用する際に送信するユーザの基本情報には、足部正面と側面の画像データを含むが、このような足部正面と側面の画像はアプリケーションの制御のもとで動画取得部25により取得するようにしてもよい。この場合足部正面と側面の画像は上述の歩行動画とは区別して記憶部23に保存されるとともに、情報提供サーバ10に送信される。
【0036】
3Dプリンタデータ管理部26は、情報提供サーバ10からインソールの構造データを3Dプリンタ(30、31)の入力データ用に構成したデータを受信して、記憶部23に保存する。インソールを製作する場合、3Dプリンタデータ管理部26は、記憶部23から3Dプリンタ(30、31)の入力データを呼び出し、ユーザが所有する3Dプリンタ30又は最寄りの店舗が備える3Dプリンタ31に出力する。前述のように一実施形態で、情報提供サーバ10から理想的な高さのパッド構造データを組み込んだインソールの他に、プラス側とマイナス側に高さを変えたパッド構造データを組み込んだインソールを出力した場合は、どのインソールデータを使用するかを選択可能にユーザ端末20の表示画面に表示し、ユーザの選択したデータを3Dプリンタ30または31に出力する。
【0037】
またユーザ端末20は、取得した歩行動画から歩行時の癖を抽出する場合、歩行データ管理部27をさらに備える。歩行データ管理部27は、ユーザ端末20に実装するアプリケーションに従い、取得した歩行動画からユーザの体の所定箇所の中心軸の傾き又は基準線の変化を歩行時の癖として抽出する。歩行データ管理部16に関して前述したように、実施形態では、歩行時の癖の抽出は、足の着地のタイミングから足を蹴り出して地面を離れるタイミングまでの間に、体の所定箇所の中心軸や基準線の傾きを足の地面への付き方又は所定の時間間隔に対応して取得するようにする。
【0038】
抽出した歩行時の癖はユーザ端末20から情報提供サーバ10に送信される。
この場合も、ユーザ端末20に保存した歩行動画を再生する際に、ユーザの歩行時の癖を抽出する際に使用する中心軸線や基準線を重ね合わせて、ユーザが自身の歩行時の癖を認識しやすいように表示するようにしてもよい。
【0039】
入出力部22は、ユーザの基本情報やユーザの歩行動画又は歩行時の癖を送信したり、情報提供サーバ10からインソール構造データの3Dプリンタ用データを受信したりするための通信手段や、ユーザ端末20に文字を入力する文字入力手段や、表示部24に表示されたデータを選択したり表示画面を移動したりする表示画面操作手段を備える。文字入力手段や表示画面操作手段はタッチパネルにより実現可能である。
【0040】
記憶部23は、歩行動画や歩行動画から抽出される歩行時の癖などのデータの他、ユーザ端末20の基本動作を制御する制御プログラムやインソールデータ生成システム1を利用するためのアプリケーションなどのプログラムを保存する。
表示部24は歩行動画や歩行時の癖などの各種データの他、必要により記憶部23に保存した各種プログラムを表示する。
【0041】
制御部21は、記憶部23に保存した制御プログラムに従い、ユーザ端末20の各構成要素が上記機能を果たすように制御する。
ユーザ端末20はカメラを備えるスマートフォンやタブレット端末などにより実現可能である。
情報提供サーバ10とユーザ端末20とを接続するネットワーク50は、海外からもアクセス可能な広域な通信網であることが好ましく、実施形態ではインターネットである。
【0042】
図2は、本発明の実施形態によるユーザの歩行動画からユーザの歩行時の癖を抽出する方法を説明するための図である。
図2(a)はユーザ端末20により取得された歩行動画の1画面を示す図であり、
図2(b)は歩行動画から歩行時の癖を抽出するための所定箇所の軸及び基準線を重ね合わせた図である。
【0043】
図2(b)を参照すると、歩行時の癖を抽出する歩行データ管理部16または27は、歩行動画の画像データの中で画像認識によりユーザを認識し、ユーザの外形からユーザの胴の中心線となる体幹の軸200、両肩を結ぶ肩の基準線210、左右の骨盤の高さを結ぶ骨盤の基準線220、大腿部の中心軸230と下腿部の中心軸231の交点で示される膝の基準線、及び足の幅方向の中心線となる足の基準線240などを求め、これらの軸と鉛直線又は水平線とのずれ角度を歩行時の癖として抽出する。肩の基準線210、骨盤の基準線220は水平線とのずれ角度として示すが、肩幅の中心、骨盤幅の中心でそれぞれの垂線を引いて中心軸を求め、これらの中心軸と鉛直線とのずれ角度を求めてもよい。
このように所定箇所の中心軸や基準線の傾きを求めることにより矢印A、B、Cで示すように体全体の相対的な傾きの状況を明確にすることができる。
【0044】
図3は、本発明の実施形態によるインソール装着によるユーザの歩行時の癖の改善を概略的に説明するための図である。
図3(a)は、インソール装着前の歩行動画の一画面に代表的な中心軸及び基準線を重ね合わせた図であり、
図3(b)はインソール装着後の歩行動画の一画面に代表的な中心軸及び基準線を重ね合わせた図であり、いずれも実際の歩行動画の一画面をトレースして模式化した図である。
【0045】
図3(a)を参照すると、代表的な中心軸及び基準線として体幹の軸200と肩の基準線210を重ね合わせているが、左肩が下がり、上半身が左に傾く傾向が認められる。
図3(b)を参照すると、
図3(a)の歩行時の癖を解消するようにパッド310が組み込まれたインソール300を装着して歩行した歩行動画の一画面では、肩の基準線210が水平になり、体幹の軸200も正しく鉛直方向に向くように矯正されたことが認められる。
【0046】
図3のユーザの例では、時間を追ったユーザの歩行時の各軸の傾きの状況から、左足の着地の時点から左に傾く傾向があり、インソール300は特に左足の左側に長くパッド310を組み込む形で生成される。
【0047】
図4は、本発明の実施形態によるインソールデータ生成方法の手順を説明するためのフローチャートである。
図4を参照すると、段階S410にてユーザ端末20によりユーザの歩行動画を撮影する。ユーザの歩行動画はユーザの全身を正面又は背面から撮影し、少なくとも左右それぞれの足による歩行動作を含む動画である。歩行時の癖をできる限り正確に把握するため、ユーザ端末20に実装するアプリケーションにより、歩行動画は複数回撮影するようにユーザに指示するようにしてもよい。また別の実施形態で所定の距離を何往復か歩行するようにユーザに指示を出し、1回の撮影で複数回の動画をまとめて撮影するようにしてもよい。
【0048】
次に段階S420にて、ユーザ端末20の歩行データ管理部16、又はユーザ端末20から歩行動画を受信した情報提供サーバ10の歩行データ管理部27によりユーザの歩行時の癖を抽出する。歩行時の癖の抽出は、画像認識により歩行者の外形を認識し、体幹の軸200や肩の基準線210などの体の所定箇所の中心軸又は基準線を求め、これらの中心軸や基準線の鉛直線又は水平線との傾きを求めることで抽出することができる。上記の様に複数の歩行動画を撮影した場合は、それぞれの中心軸や基準線の平均的な傾きを求めることでより正確な歩行時の癖を抽出することができる。また、往復の歩行動画を撮影した場合は、往路、復路をそれぞれ1回の歩行動画として抽出し、上記の様に平均的な歩行時の癖を抽出する。
【0049】
抽出された歩行時の癖は、情報提供サーバ10のパッド構造データ生成部17に送られ、パッド構造データ生成部17は段階S430にて歩行時の癖に基づき、歩行時の癖を矯正する矯正量を算出して矯正用のパッド構造データを生成する。パッド構造データは標準的なサイズの靴に対するパッドの高さとして算出する。尚、矯正量を算出する際、ユーザ登録時に入力したユーザの身長を参照してユーザの肩幅や骨盤の幅を求め、肩や骨盤の左右の高さの差を算出して矯正量の算出に利用するようにしてもよい。
【0050】
情報提供サーバ10のインソール構造データ生成部18は、段階S440にて、予め入力されたユーザの靴のサイズ及び足部正面と側面の画像データ、又はこれら画像データから抽出されたユーザの足幅と足部の縦のアーチ形状のデータに基づき、靴のサイズに適合する標準のインソールにパッド構造データを組み込んだ矯正用のインソールの構造データを生成する。インソール構造データ生成部18は、パッド構造データを組み込む際、標準的なサイズの靴とユーザの靴のサイズとの違いによりパッド構造データにおけるパッドの高さを補正するようにする。
【0051】
最後に段階S450にて情報提供サーバ10の3Dプリンダデータ生成部19は、インソールの構造データを3Dプリンタ(30、31)の入力データとして構成してユーザ端末20に出力する。
【0052】
インソールの構造データを受信したユーザが実際にインソールを製作する場合、ユーザは受信したインソールの構造データである3Dプリンタ(30、31)の入力データを、ユーザが所有する3Dプリンタ30に送信して(段階S460)加工を行う(段階S470)。
ユーザが3Dプリンタ30を所有していない場合、ユーザは3Dプリンタ31を備える最寄りの店舗に赴くか、最寄りの店舗にデータを送信してインソールを製作してもらうこともできる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 インソールデータ生成システム
10 情報提供サーバ
11、21 制御部
12、22 入出力部
13、23 記憶部
14、24 表示部
15 ユーザ登録部
16 歩行データ管理部
17 パッド構造データ生成部
18 インソール構造データ生成部
19 3Dプリンダデータ生成部
20 ユーザ端末
25 動画取得部
26 3Dプリンタデータ管理部
30、31 3Dプリンタ
50 ネットワーク
200 体幹の軸
210 肩の基準線
220 骨盤の基準線
230 大腿部の中心軸(膝の基準線)
231 下腿部の中心軸(膝の基準線)
240 足の基準線
300 インソール
310 パッド
【手続補正書】
【提出日】2022-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末により撮影されたユーザの歩行動画から抽出されるユーザの歩行時の癖に基づき、前記ユーザに適したインソールの構造データを生成して提供する情報提供サーバを備えるインソールデータ生成システムであって、
前記情報提供サーバは、前記歩行動画から抽出されるユーザの歩行時の癖を保存して管理する歩行データ管理部と、前記歩行時の癖に基づき、前記歩行時の癖を矯正する矯正量を算出して矯正用のパッド構造データを生成するパッド構造データ生成部と、予め入力されたユーザの靴のサイズを含むユーザの基本情報に基づき前記靴のサイズに適合する標準のインソールに前記パッド構造データを組み込んだ矯正用のインソールの構造データを生成するインソール構造データ生成部とを有し、
前記歩行時の癖は前記ユーザ端末に実装されたアプリケーションにより前記歩行動画から抽出されてユーザ端末から送信されるか、又はユーザ端末より送信される前記歩行動画から前記歩行データ管理部により抽出されるものであり、
前記歩行データ管理部は、ユーザの前記歩行動画に前記歩行時の癖を抽出する際に使用するユーザの体の所定箇所の中心軸又は基準線を重ね合わせて、ユーザが歩行中にどのように中心軸や基準線が傾いているかを可視化可能にユーザに提供することを特徴とするインソールデータ生成システム。
【請求項2】
前記歩行動画はユーザの正面又は背面から撮影し、少なくとも左右それぞれの足による歩行動作を含む動画であり、
前記歩行時の癖は、歩行するユーザの正面又は背面から観測される体の所定箇所の中心軸又は基準線の傾きの変化であることを特徴とする請求項1に記載のインソールデータ生成システム。
【請求項3】
前記情報提供サーバは、前記インソールの構造データを3Dプリンタの入力データとして構成して出力する3Dプリンタデータ生成部をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載のインソールデータ生成システム。
【請求項4】
ユーザ端末により撮影されたユーザの歩行動画から抽出されるユーザの歩行時の癖に基づき、前記ユーザに適したインソールの構造データを生成して提供する情報提供サーバを備えるインソールデータ生成システムによるインソールデータの生成方法であって、
ユーザ端末によりユーザの歩行動画を撮影する段階と、
前記ユーザ端末又は情報提供サーバにより、前記歩行動画よりユーザの歩行時の癖を抽出する段階と、
ユーザの前記歩行動画に前記歩行時の癖を抽出する際に使用するユーザの体の所定箇所の中心軸又は基準線を重ね合わせて、ユーザが歩行中にどのように中心軸や基準線が傾いているかを可視化可能にユーザに提供する段階と、
前記情報提供サーバにより、前記歩行時の癖に基づき、前記歩行時の癖を矯正する矯正量を算出して矯正用のパッド構造データを生成する段階と、
前記情報提供サーバにより、予め入力されたユーザの靴のサイズを含むユーザの基本情報に基づき前記靴のサイズに適合する標準のインソールに前記パッド構造データを組み込んだ矯正用のインソールの構造データを生成する段階と、を有することを特徴とするインソールデータの生成方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明によるインソールデータ生成システムは、ユーザ端末により撮影されたユーザの歩行動画から抽出されるユーザの歩行時の癖に基づき、前記ユーザに適したインソールの構造データを生成して提供する情報提供サーバを備えるインソールデータ生成システムであって、前記情報提供サーバは、前記歩行動画から抽出されるユーザの歩行時の癖を保存して管理する歩行データ管理部と、前記歩行時の癖に基づき、前記歩行時の癖を矯正する矯正量を算出して矯正用のパッド構造データを生成するパッド構造データ生成部と、予め入力されたユーザの靴のサイズを含むユーザの基本情報に基づき前記靴のサイズに適合する標準のインソールに前記パッド構造データを組み込んだ矯正用のインソールの構造データを生成するインソール構造データ生成部とを有し、前記歩行時の癖は前記ユーザ端末に実装されたアプリケーションにより前記歩行動画から抽出されてユーザ端末から送信されるか、又はユーザ端末より送信される前記歩行動画から前記歩行データ管理部により抽出されるものであり、前記歩行データ管理部は、ユーザの前記歩行動画に前記歩行時の癖を抽出する際に使用するユーザの体の所定箇所の中心軸又は基準線を重ね合わせて、ユーザが歩行中にどのように中心軸や基準線が傾いているかを可視化可能にユーザに提供することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明によるインソールデータの生成方法は、ユーザ端末により撮影されたユーザの歩行動画から抽出されるユーザの歩行時の癖に基づき、前記ユーザに適したインソールの構造データを生成して提供する情報提供サーバを備えるインソールデータ生成システムによるインソールデータの生成方法であって、ユーザ端末によりユーザの歩行動画を撮影する段階と、前記ユーザ端末又は情報提供サーバにより、前記歩行動画よりユーザの歩行時の癖を抽出する段階と、ユーザの前記歩行動画に前記歩行時の癖を抽出する際に使用するユーザの体の所定箇所の中心軸又は基準線を重ね合わせて、ユーザが歩行中にどのように中心軸や基準線が傾いているかを可視化可能にユーザに提供する段階と、前記情報提供サーバにより、前記歩行時の癖に基づき、前記歩行時の癖を矯正する矯正量を算出して矯正用のパッド構造データを生成する段階と、前記情報提供サーバにより、予め入力されたユーザの靴のサイズを含むユーザの基本情報に基づき前記靴のサイズに適合する標準のインソールに前記パッド構造データを組み込んだ矯正用のインソールの構造データを生成する段階と、を有することを特徴とする。