(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067628
(43)【公開日】2022-05-06
(54)【発明の名称】モーター角度算出方法
(51)【国際特許分類】
H02P 21/24 20160101AFI20220425BHJP
H02P 21/18 20160101ALI20220425BHJP
H02P 21/12 20160101ALI20220425BHJP
【FI】
H02P21/24
H02P21/18
H02P21/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021141669
(22)【出願日】2021-08-31
(31)【優先権主張番号】10-2020-0136242
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】520355529
【氏名又は名称】ポステック・リサーチ・アンド・ビジネス・ディヴェロップメント・ファウンデイション
【氏名又は名称原語表記】POSTECH RESEARCH AND BUSINESS DEVELOPMENT FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】(JIGOK‐DONG), 77, CHEONGAM‐RO,NAM‐GU, POHANG‐SI, GYEONGSANBUK‐DO 37673,REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヒクワン
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ヒョンソク
(72)【発明者】
【氏名】ナム、クワンヒ
(72)【発明者】
【氏名】イ、テヨン
【テーマコード(参考)】
5H505
【Fターム(参考)】
5H505BB06
5H505DD08
5H505EE08
5H505EE41
5H505JJ04
5H505JJ22
5H505LL13
5H505LL41
5H505LL57
5H505MM12
5H505MM13
(57)【要約】
【課題】いずれのセンサーが故障しても代替駆動が可能なフェイルオーバー(Failover)機能も行い、フォールト(Fault)状況でも正確な角度情報へのスムーズな切替を行うことができるようにするモーター角度算出方法の提供。
【解決手段】本発明に係るモーター角度算出方法は、センサード電圧モデルを介してモデルベースのセンサード電流ベクトルを導出するステップと、センサーレス電圧モデルを介してモデルベースのセンサーレス電流ベクトルを導出するステップと、実際電流ベクトルとモデルベースのセンサード電流ベクトルとの外積、および実際電流ベクトルとモデルベースのセンサーレス電流ベクトルとの外積を用いてセンサー重みとセンサーレス重みを導出するステップと、センサー重みとセンサーレス重みをそれぞれセンサー角度とセンサーレス角に適用して最終的なモーター角度を算出するステップと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサード電圧モデルを介してモデルベースのセンサード電流ベクトルを導出するステップと、
センサーレス電圧モデルを介してモデルベースのセンサーレス電流ベクトルを導出するステップと、
実際電流ベクトルとモデルベースのセンサード電流ベクトルとの外積、および実際電流ベクトルとモデルベースのセンサーレス電流ベクトルとの外積を用いてセンサー重みとセンサーレス重みを導出するステップと、
センサー重みとセンサーレス重みをそれぞれセンサー角とセンサーレス角に適用して最終的なモーター角度を算出するステップと、を含む、モーター角度算出方法。
【請求項2】
センサード電圧モデルは、モーターの固定軸電圧指令ベクトル、センサー角およびセンサー角速度を入力とし、モデルベースのセンサード電流ベクトルを出力とすることを特徴とする、請求項1に記載のモーター角度算出方法。
【請求項3】
センサーレス電圧モデルは、モーターの固定軸電圧指令ベクトル、センサーレス推定角およびセンサーレス推定角速度を入力とし、モデルベースのセンサーレス電流ベクトルを出力とすることを特徴とする、請求項1に記載のモーター角度算出方法。
【請求項4】
センサード電圧モデルとセンサーレス電圧モデルは、常微分方程式と積分器で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のモーター角度算出方法。
【請求項5】
センサー重みとセンサーレス重みを導出するステップでは、実際電流ベクトルとモデルベースのセンサード電流ベクトルとの外積を二乗してセンサード誤差を求め、実際電流ベクトルとモデルベースのセンサーレス電流ベクトルとの外積を二乗してセンサーレス誤差を求めることを特徴とする、請求項1に記載のモーター角度算出方法。
【請求項6】
センサー重みとセンサーレス重みを導出するステップでは、センサード誤差とセンサーレス誤差をそれぞれ正規化してセンサー重みとセンサーレス重みを導出することを特徴とする、請求項5に記載のモーター角度算出方法。
【請求項7】
最終的なモーター角度を算出するステップでは、センサー角にセンサー重みを乗じ、センサーレス角にセンサーレス重みを乗じて加えることにより、最終的なモーター角度を算出することを特徴とする、請求項1に記載のモーター角度算出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UAM(Urban Air Mobility)高出力モーターの角度センサー融合技法に係り、さらに詳細には、いずれのセンサーが故障しても代替駆動が可能なフェイルオーバー(Failover)機能も行い、フォールト(Fault)状況でも正確な角度情報へのスムーズな切替を行うことができるようにするモーター角度算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモーター角度を算出する方式では、必須的に3つ以上の角度センサーが必要とされ、投票によって優先順位を決定し、一つの角度で駆動される。しかし、この場合、優先順位の高い角度センサーに異常が発生した場合、次の優先順位のセンサーにハードトランジション(hard transition)されるが、これにより不安定なフェイルオーバー(failover)が問題として提起された。具体的には、従来は、3つのセンサーa、b、cの角度誤差の絶対値を求め、最も誤差の小さい角度情報に高い優先順位を与える。角度情報a、b、cがそれぞれ入った角度誤差の平均を出したときに最も小さい誤差を有するセンサーbで動作する方式であったが、これは不安定なフェイルオーバーが問題となった。
【0003】
別の方式としては、低コストのセンサーと逆起電力を利用したセンサーレス技法によって得た角度を融合させる技法があり、この場合は、カルマンフィルタを用いて重み(weight)を調整し、新しい角度情報を出力する。ところが、これも平均値の選定が曖昧であり、統計的なデータに基づくという点で、平均値を出力するためにデータを保存する時間が長くかかるという欠点があった。
【0004】
前述の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解増進のためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に、既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1470025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、UAM(Urban Air Mobility)高出力モーターの角度センサー融合技法であって、いずれのセンサーが故障しても代替駆動が可能なフェイルオーバー(Failover)機能も行い、フォールト(Fault)状況でも正確な角度情報へのスムーズな切替を行うことができるようにするモーター角度算出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明に係るモーター角度算出方法は、センサード電圧モデルを介してモデルベースのセンサード(sensored)電流ベクトルを導出するステップと、センサーレス(sensorless)電圧モデルを介してモデルベースのセンサーレス電流ベクトルを導出するステップと、実際電流ベクトルとモデルベースのセンサード電流ベクトルとの外積、および実際電流ベクトルとモデルベースのセンサーレス電流ベクトルとの外積を用いてセンサー重みとセンサーレス重みを導出するステップと、センサー重みとセンサーレス重みをそれぞれセンサー角とセンサーレス角に適用して最終的なモーター角度を算出するステップと、を含む。
【0008】
センサード電圧モデルは、モーターの固定軸電圧指令ベクトル、センサー角およびセンサー角速度を入力とし、モデルベースのセンサード電流ベクトルを出力とすることができる。
【0009】
センサーレス電圧モデルは、モーターの固定軸電圧指令ベクトル、センサーレス推定角およびセンサーレス推定角速度を入力とし、モデルベースのセンサーレス電流ベクトルを出力とすることができる。
【0010】
センサード電圧モデルとセンサーレス電圧モデルは、常微分方程式と積分器で構成できる。
【0011】
センサー重みとセンサーレス重みを導出するステップでは、実際電流ベクトルとモデルベースのセンサード電流ベクトルとの外積を二乗してセンサード誤差を求め、実際電流ベクトルとモデルベースのセンサーレス電流ベクトルとの外積を二乗してセンサーレス誤差を求めることができる。
【0012】
センサー重みとセンサーレス重みを導出するステップでは、センサード誤差とセンサーレス誤差をそれぞれ正規化してセンサー重みとセンサーレス重みを導出することができる。
【0013】
最終的なモーター角度を算出するステップでは、センサー角にセンサー重みを乗じ、センサーレス角にセンサーレス重みを乗じて加えることにより、最終的なモーター角度を算出することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のモーター角度算出方法によれば、UAM(Urban Air Mobility)高出力モーターの角度センサー融合技法であって、いずれのセンサーが故障しても代替駆動が可能なフェイルオーバー(Failover)機能も行い、フォールト(Fault)状況でも正確な角度情報へのスムーズな切替を行うことができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法のセンサード電圧モデルを示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法のセンサーレス電圧モデルを示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法の電流ベクトルベースの外積ブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法の角度融合ブロック図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法の融合した角度の速度情報を出力する推定器を示す図である。
【
図7】1秒となる瞬間にセンサー(レゾルバ)の出力からフォールト(Fault)が発生するときのシミュレーション結果である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法を示すブロック図、
図2は本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法のセンサード電圧モデルを示す図、
図3は本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法のセンサーレス電圧モデルを示す図、
図4は本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法の電流ベクトルベースの外積ブロック図、
図5は本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法の角度融合ブロック図、
図6は本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法の融合した角度の速度情報を出力する推定器を示す図である。
【0017】
本発明に係るモーター角度算出方法は、センサード電圧モデルを介してモデルベースのセンサード電流ベクトルを導出するステップと、センサーレス電圧モデルを介してモデルベースのセンサーレス電流ベクトルを導出するステップと、実際電流ベクトルとモデルベースのセンサード電流ベクトルとの外積、および実際電流ベクトルとモデルベースのセンサーレス電流ベクトルとの外積を用いてセンサー重みとセンサーレス重みを導出するステップと、センサー重みとセンサーレス重みをそれぞれセンサー角とセンサーレス角に適用して最終的なモーター角度を算出するステップと、を含む。
【0018】
具体的には、
図1は、本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法のブロック図である。
図1を参照すると、モーターの固定軸電圧指令ベクトル100は、永久磁石型の実際モーター200、プロセッサ内に作成されたセンサード電圧モデル202およびセンサーレス電圧モデル203に共通に印加され、センサーからセンシングされたセンサー角104とセンサー角速度106は、センサード電圧モデル202の入力として使用され、センサーレス制御から推定されたセンサーレス角105とセンサーレス角速度107は、センサーレス電圧モデル203の入力として使用される。
【0019】
実際モーター200でセンシングされた三相電流iabcは、固定軸への座標変換器201を経て、固定軸の実際電流ベクトル101を得る。センサード電圧モデル202とセンサーレス電圧モデル203からモデルベースのセンサード電流ベクトル102とセンサーレス電流ベクトル103を推定する。センサー角104或いはセンサーレス角105が実際モーター回転子の角度と一致する場合には、電流ベクトル同士の外積が0になるという事実を利用して、電流ベクトルベースの外積ブロック204では、実際電流ベクトル101とセンサード電流ベクトル102との外積を求め、同様の方法で実際電流ベクトル101とセンサーレス電流ベクトル103との外積を計算する。
【0020】
計算された外積値が二乗の形態で重みベースのセンサー融合ブロック205に入力され、正規化された後、センサー誤差が増加すると減少するセンサー重みρsen、およびセンサーレス誤差が増加すると減少するセンサーレス重みρstを生成し、これに基づいて融合角度情報108を出力する。
【0021】
まず、以下の説明で使用される重要変数の意味は、次のとおりである。
【0022】
【0023】
具体的には、本発明では、まず、センサード電圧モデルを介してモデルベースのセンサード電流ベクトルを導出するステップと、センサーレス電圧モデルを介してモデルベースのセンサーレス電流ベクトルを導出するステップとを行う。センサード電圧モデルとセンサーレス電圧モデルは、常微分方程式と積分器で構成できる。センサード電圧モデルは、モーターの固定軸電圧指令ベクトル、センサー角およびセンサー角速度を入力とし、モデルベースのセンサード電流ベクトルを出力とすることができ、センサーレス電圧モデルは、モーターの固定軸電圧指令ベクトル、センサーレス推定角およびセンサーレス推定角速度を入力とし、モデルベースのセンサーレス電流ベクトルを出力とすることができる。
【0024】
具体的には、
図2および
図3は、本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法のセンサード電圧モデルおよびセンサーレス電圧モデルを示す図である。
図2を参照すると、センサードモーター固定軸電圧モデル202は、固定軸電圧指令ベクトル100、センサー角104およびセンサー角速度106を入力として、モデルベースのセンサード電流ベクトル102を出力する。
【0025】
センサードモーター固定軸電圧モデル202の内部は、固定軸電圧モデルの常微分方程式400と積分器401で構成されている。固定軸電圧モデルの常微分方程式400は、固定子抵抗rs、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq、インダクタンスの合計LΣ、インダクタンスの差LΔおよび逆起電力定数ψmが必須的に入り、下記の数式のとおりである。
【0026】
【0027】
図3を参照すると、センサーレスモーター固定軸電圧モデル203は、固定軸電圧指令ベクトル100、センサーレス角105およびセンサーレス角速度107を入力とし、モデルベースのセンサーレス電流ベクトル103を出力する。センサーレスモーター固定軸電圧モデル203の内部は、センサードモーター固定軸電圧モデルと同様に、固定軸電圧モデルの常微分方程式400と積分器401で構成されている。
【0028】
図4は本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法の電流ベクトルベースの外積ブロック図であり、
図5は本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法の角度融合ブロック図であり、
図6は本発明の一実施形態に係るモーター角度算出方法の融合した角度の速度情報を出力する推定器を示す図である。
【0029】
本発明では、先立って導出された実際電流ベクトルとモデルベースのセンサード電流ベクトルの外積、および実際電流ベクトルとモデルベースのセンサーレス電流ベクトルとの外積を用いてセンサー重みとセンサーレス重みを導出するステップを行う。
【0030】
具体的には、センサー重みとセンサーレス重みを導出するステップでは、実際電流ベクトルとモデルベースのセンサード電流ベクトルとの外積を二乗してセンサード誤差を求め、実際電流ベクトルとモデルベースのセンサーレス電流ベクトルとの外積を二乗してセンサーレス誤差を求めることができる。センサー重みとセンサーレス重みを導出するステップでは、センサード誤差とセンサーレス誤差をそれぞれ正規化してセンサー重みとセンサーレス重みを導出することができる。
【0031】
本発明は、センサー重みとセンサーレス重みをそれぞれセンサー角とセンサーレス角に適用して最終的なモーター角度を算出するステップを行う。具体的には、最終的なモーター角度を算出するステップでは、センサー角にセンサー重みを乗じ、センサーレス角にセンサーレス重みを乗じて加えることにより、最終的なモーター角度を算出することができる。
【0032】
まず、
図4を参照すると、電流ベクトルベースの外積ブロック204では、固定軸実際電流ベクトル101とモデルベースのセンサード電流ベクトル102との外積402を取って誤差成分を求め、これを二乗403して実際電流とセンサード電流ベクトルとの誤差301を計算し、同様の方法で固定軸実際電流ベクトル101とモデルベースのセンサーレス電流ベクトル103との外積402を求めた後、これを二乗403して実際電流とセンサーレス電流ベクトルとの誤差302を得ることができる。実際電流とセンサード電流ベクトルとの誤差301、および実際電流とセンサーレス電流ベクトルとの誤差302は、次の数式のとおりである。
【0033】
【0034】
図5を参照すると、重みベースのセンサー融合ブロック205は、実際電流とセンサード電流ベクトルとの誤差301、および実際電流とセンサーレス電流ベクトルとの誤差302を用いて重みを計算する正規化ブロック404と、計算された重みを用いてセンサー角104とセンサーレス角105を融合させる角度融合ブロック405とで構成される。センサー重みρ
senとセンサーレス重みρ
st、および最終的に計算される融合角度108は、次の数式のとおりである。
【0035】
【0036】
図7のシミュレーション結果は、1秒となる瞬間にセンサー(レゾルバ)の出力からフォールト(Fault)が発生するときを示す。sinとcosの出力コイルにおける一方が短絡したときを示す。まず、本発明のセンサー融合方法によって、センサー角とセンサーレス角に割り当てる重みを計算する。フォールト(Fault)以前は、両方のセンサーの角度差が微々たるものなので、0.5の重みがそれぞれ割り当てられる。フォールト(Fault)以後は、約0.12秒の重みの過渡状態を経て、過渡状態以後は、故障したセンサー角には重みとして0(zero)が割り当てられ、センサーレス角には重みとして1が割り当てられる。これにより、モーターのベクトル制御は、継続的に融合した角度情報で行われ、フォールト(Fault)状況でも強靭な角度情報を提供することが分かる。
【0037】
一般に、モーターは、速度制御の特性上、安定した速度センシングも重要である。しかし、センサーの角度情報にフォールト(Fault)以後は速度情報に非常にエラーが発生するという問題があった。これに対し、本発明の角度融合方法で抽出した速度情報にはエラーが大きく発生しないことが分かる。
【0038】
本発明のモーター角度算出方法によれば、UAM(Urban Air Mobility)高出力モーターの角度センサー融合技法に関するもので、いずれのセンサーが故障しても代替駆動が可能なフェイルオーバー(Failover)機能も行い、フォールト(Fault)状況でも正確な角度情報へのスムーズな切替を行うことができるようにする。
【0039】
本発明の特定の実施形態に関連して図示および説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想を逸脱することなく、本発明に多様な改良および変化を加え得ることは、当該技術分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。