(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067631
(43)【公開日】2022-05-06
(54)【発明の名称】階段状通気パネル
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20220425BHJP
G06F 1/20 20060101ALI20220425BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
G06F1/16 312D
G06F1/20 B
G06F1/20 C
H05K7/20 G
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021155357
(22)【出願日】2021-09-24
(31)【優先権主張番号】63/094,129
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/158,775
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508018934
【氏名又は名称】廣達電腦股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Quanta Computer Inc.
【住所又は居所原語表記】No.188,Wenhua 2nd Rd.,Guishan Dist.,Taoyuan City 333,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】陳 朝榮
(72)【発明者】
【氏名】黄 玉年
(72)【発明者】
【氏名】林 永慶
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322BA01
5E322BB03
(57)【要約】
【課題】ラックに挿入可能なシステムシャーシを提供する。
【解決手段】ラックに挿入可能なシステムシャーシが開示される。システムシャーシは、第一エンドパネルを有する。第一エンドパネルは、第一ベース表面と、第一コンポーネントスロットと、第一の複数の通気孔と、第一突起と、を有する。第一ベース表面は、第一部分と第二部分とを有する。第一コンポーネントスロットは、第一ベース表面の第一部分に形成されている。第一コンポーネントスロットは、第一システムコンポーネントを受け入れる。第一の複数の通気孔は、第一ベース表面の第一部分に形成されており、第一コンポーネントスロットを囲む。第一突起は、第一ベース表面の第二部分から延在する。第一突起は、第二の複数の通気孔と、第二コンポーネントスロットと、を有する。第二コンポーネントスロットは、第二システムコンポーネントを受け入れる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックに挿入可能なシステムシャーシであって、
前記システムシャーシは、第一エンドパネルを有し、
前記第一エンドパネルは、
第一部分と、第二部分と、を有する第一ベース表面と、
前記第一ベース表面の前記第一部分に形成された第一コンポーネントスロットであって、第一システムコンポーネントを受け入れるように構成された第一コンポーネントスロットと、
前記第一ベース表面の前記第一部分に形成された第一の複数の通気孔であって、前記第一コンポーネントスロットを囲む第一の複数の通気孔と、
前記第一ベース表面の前記第二部分から延在する第一突起であって、第二の複数の通気孔と、第二システムコンポーネントを受け入れるように構成された第二コンポーネントスロットと、を有する第一突起と、
を備えることを特徴とするシステムシャーシ。
【請求項2】
前記第一エンドパネルの前記第一突起は、前記第一ベース表面に平行な第一前表面を有し、前記第二コンポーネントスロットは、前記第一エンドパネルの前記第一突起の前記第一前表面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステムシャーシ。
【請求項3】
前記第一エンドパネルの前記第一突起は、前記第一前表面に対して垂直であるとともに、前記第一ベース表面に対して垂直である第一上表面を有しており、前記第二の複数の通気孔は、前記第一エンドパネルの前記第一突起の前記第一上表面に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のシステムシャーシ。
【請求項4】
前記第一エンドパネルの前記第一突起は、前記第一前表面に対して垂直であるとともに、前記第一ベース表面に対して垂直である第一底表面を有しており、前記第一エンドパネルは、前記第一エンドパネルの前記第一底表面に形成された第四の複数の通気孔をさらに有することを特徴とする請求項3に記載のシステムシャーシ。
【請求項5】
前記第一エンドパネルの前記第一突起は、前記第一ベース表面から前記第一前表面に傾斜する第一底表面を有することを特徴とする請求項3に記載のシステムシャーシ。
【請求項6】
前記第一エンドパネルは、
前記第一突起の前記第一前表面から延在する第二突起をさらに有しており、前記第二突起は、第三の複数の通気孔と、第三システムコンポーネントを受け入れるように構成された第三コンポーネントスロットと、を有することを特徴とする請求項2に記載のシステムシャーシ。
【請求項7】
前記第一エンドパネルの前記第二突起は、前記第一ベース表面に平行な第二前表面を有しており、前記第三コンポーネントスロットは、前記第一エンドパネルの前記第二突起の前記第二前表面に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のシステムシャーシ。
【請求項8】
前記第一エンドパネルは、(i)前記第二突起の前記第二前表面に対して垂直であるとともに、(ii)前記第一ベース表面に対して垂直である第二上表面を有することを特徴とする請求項7に記載のシステムシャーシ。
【請求項9】
前記第一エンドパネルは、前記第一ベース表面に対して垂直であるとともに、前記第二突起の前記第二前表面に対して垂直である第二横表面を有することを特徴とする請求項7に記載のシステムシャーシ。
【請求項10】
前記第一エンドパネルの前記第二横表面は、前記第一ベース表面から前記第二突起の前記第二前表面に傾斜することを特徴とする請求項9に記載のシステムシャーシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバシステムの通気に関し、特に、サーバシステム上の通気パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なサーバシステム及びコンピュータストレージシステムは、入/出力カード(I/Oカード)を支持する。
図1及び
図2に示すように、一般的に、I/Oカードは、それらのシステムシャーシの前パネル又は後パネルの何れかに配置されている。
【0003】
図1及び
図2を参照すると、従来のサーバシステム10は、前パネル14と、後パネル16と、上パネル18と、を有するサーバシャーシ12を有する。前パネル14は、六個のスロット20a,20b,20c,20d,20e,20fを有しており、六個の対応するカード(例えば、I/Oカード)を受け入れる。後パネル16は、二個の電源供給ユニット(PSU)30,32間に配置された四個のスロット22a,22b,22c,22dを有しており、四個の対応するカード(例えば、I/Oカード)を受け入れる。
【0004】
スロットが空の場合、スロットは、従来のサーバシステム10の通気スロットとして機能する。しかし、従来のサーバシステム10は、前パネル14の六個のスロット20a,20b,20c,20d,20e,20f内の六個の対応するカードの全てを支持し、後パネル16の四個のスロット22a,22b,22c,22d内の四個の対応するカードの全てを支持することが要求される場合がある。カードが挿入されると、スロット20a~20f及び22a~22dは、従来のサーバシステム10の通気スロットとして利用することができない。よって、
図1に示すように、前パネル14は、換気を促すための複数の開口40を有してもよい。
図2に示すように、後パネル16も、換気を促すための複数の開口42を有してもよい。
図1及び
図2の両方において、前パネル14及び後パネル16にI/Oカードが完全に装着されている場合、従来のサーバシステム10の換気は、少量及び/又は不足する。
【0005】
換気が少量又は不足するサーバシステムは、熱効率が悪く、及び/又は、高いシステムファン電力の利用を必要とする。高いファン電力は、システムファンを高速で動作させて、システムの適切な気流を維持することが必要である。混雑したサーバシステムの気流を増加させる既存の試みは、サーバシャーシの上パネル、底パネル又は横パネル上に開口を追加することを含む。例えば、
図3は、従来のサーバシステム10のサーバシャーシ12の上パネル18を示しており、追加の開口44が上パネル18上に配置されている。しかし、従来のサーバシステム10がサーバラックに挿入されると、上パネル18、底パネル及び横パネル上の任意の開口は、サーバラック自身、及び/又は、隣接するサーバシステムによりブロックされる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって、適切な通気を有し、且つ、サーバシステムがサーバラックに挿入される場合に制限されないサーバシステムが必要である。本発明は、これらの問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態という用語及び同様の用語は、本開示及び以下の特許請求の範囲の主題の全てを広範に言及することを意図している。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載された主題を限定するものではなく、又は、以下の特許請求の範囲の意味や範囲を限定するものではないと理解すべきである。本明細書でカバーされる本発明の実施形態は、以下の特許請求の範囲により定義され、この概要により定義されるのではない。この概要は、開示される各態様の高レベルの概要であり、且つ、以下の詳細な説明のセクションでさらに説明される概念の一部を紹介するものである。この概要は、特許請求の範囲の主題の重要又は必須の特徴を特定することを意図しておらず、また、特許請求の範囲に記載されている主題の範囲を決定するために単独で使用されることを意図していない。主題は、本開示の明細書全体、一部又は全ての図面、及び、各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ラックに挿入可能なシステムシャーシが以下のように開示される。システムシャーシは、第一エンドパネルを有する。第一エンドパネルは、第一ベース表面と、第一コンポーネントスロットと、第一の複数の通気孔と、第一突起と、を有する。第一ベース表面は、第一部分と第二部分とを有する。第一コンポーネントスロットは、第一ベース表面の第一部分に形成されている。第一コンポーネントスロットは、第一システムコンポーネントを受け入れるように構成されている。第一の複数の通気孔は、第一ベース表面の第一部分に形成されており、第一コンポーネントスロットを囲む。第一突起は、第一ベース表面の第二部分から延在する。第一突起は、第二の複数の通気孔と、第二コンポーネントスロットと、を有する。第二コンポーネントスロットは、第二システムコンポーネントを受け入れるように構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態において、第一エンドパネルの第一突起は、第一ベース表面に平行な第一前表面を有する。第二コンポーネントスロットは、第一エンドパネルの第一突起の第一前表面に形成されている。
【0010】
いくつかの実施形態において、第一エンドパネルの第一突起は、第一前表面に対して垂直であるとともに、第一ベース表面に対して垂直な第一上表面を有する。第一エンドパネルは、第一エンドパネルの第一突起の第一上表面に形成された第三の複数の通気孔をさらに有する。
【0011】
いくつかの実施形態において、第一エンドパネルの第一突起は、第一ベース表面から第一前表面に向かって傾斜する第一上表面を有する。第一エンドパネルは、第一エンドパネルの第一突起の第一上表面に形成された第三の複数の通気孔をさらに有する。
【0012】
いくつかの実施形態において、第一エンドパネルは、第一エンドパネルの第一横表面に形成された第三の複数の通気孔をさらに有する。いくつかの実施形態において、第一エンドパネルの第一横表面は、第一前表面に垂直であるとともに、第一ベース表面に垂直である。いくつかの実施形態において、第一エンドパネルの第一横表面は、第一ベース表面から第一突起の第一前表面へ傾斜している。
【0013】
いくつかの実施形態において、第一エンドパネルの第一突起は、第一前表面に垂直であるとともに、第一ベース表面に垂直な第一底表面を有する。第一エンドパネルは、第一エンドパネルの第一底表面に形成された第四の複数の通気孔をさらに有する。
【0014】
いくつかの実施形態において、第一エンドパネルの第一突起は、第一ベース表面から第一前表面に向かって傾斜する第一底表面を有し、第一エンドパネルは、第一エンドパネルの第一底表面に形成された第四の複数の通気孔をさらに有する。
【0015】
いくつかの実施形態において、第一エンドパネルは、第一突起の第一前表面から延在する第二突起をさらに有する。第二突起は、第三の複数の通気孔と、第三コンポーネントスロットと、を有する。第三コンポーネントスロットは、第三システムコンポーネントを受け入れるように構成されている。いくつかのこのような実施において、第一エンドパネルの第二突起は、第一ベース表面に平行な第二前表面を有する。第三コンポーネントスロットは、第一エンドパネルの第二突起の第二前表面に形成されている。
【0016】
いくつかの実施形態において、第一エンドパネルは、(i)第二突起の第二前表面に垂直であり、且つ、(ii)第一ベース表面に垂直である第二上表面を有する。第三の複数の通気孔は、第一エンドパネルの第二上表面に形成されている。
【0017】
いくつかの実施形態において、第一エンドパネルは、第一ベース表面に垂直であるとともに、第二突起の第二前表面に垂直である第二横表面を有する。いくつかの実施形態において、第一エンドパネルの第二横表面は、第一ベース表面から第二突起の第二前表面に傾斜している。
【0018】
いくつかの実施形態において、システムシャーシは、第一エンドパネルとは反対側の第二エンドパネルをさらに有する。第二エンドパネルは、第二ベース表面と、第三コンポーネントスロットと、第三の複数の通気孔と、第三突起と、を有する。第二ベース表面は、第一部分と第二部分とを有する。第三コンポーネントスロットは、第二ベース表面の第一部分に形成されている。第三コンポーネントスロットは、第三システムコンポーネントを受け入れるように構成されている。第三の複数の通気孔は、第二ベース表面の第一部分に形成されており、第三コンポーネントスロットを囲む。第三突起は、第二ベース表面の第二部分から延在する。第三突起は、第四の複数の通気孔と、第四コンポーネントスロットと、を有する。第四コンポーネントスロットは、第四システムコンポーネントを受け入れるように構成されている。
【0019】
いくつかの実施形態において、第二エンドパネルの第三突起は、第二エンドパネルの第二ベース表面に平行な前表面を有する。第四コンポーネントスロットは、第二エンドパネルの第三突起の前表面に形成されている。
【0020】
いくつかの実施形態において、第二エンドパネルの第三突起は、(i)第二エンドパネルの上表面に垂直であり、且つ、(ii)第二エンドパネルの第二ベース表面に垂直である上表面を有する。第二エンドパネルは、第二エンドパネルの第三突起の上表面に形成された第五の複数の通気孔をさらに有する。
【0021】
いくつかの実施形態において、第二エンドパネルは、第二エンドパネルの横表面に形成された第五の複数の通気孔をさらに有する。第二エンドパネルの横表面は、第二エンドパネルの第二ベース表面から第二エンドパネルの前表面に傾斜する。
【0022】
いくつかの実施形態において、第二エンドパネルは、第三突起から延在する第四突起をさらに有する。第四突起は、第五の複数の通気孔と、第五コンポーネントスロットと、を有する。第五コンポーネントスロットは、第五システムコンポーネントを受け入れるように構成されている。いくつかのこのような実施形態において、第二エンドパネルの第四突起は、第二エンドパネルの第二ベース表面に平行な前表面を有する。第五コンポーネントスロットは、第二エンドパネルの第四突起の前表面に形成されている。
【0023】
上記の概要は、本発明の各実施形態又は各態様を示すことを意図していない。むしろ、上記の概要は、本明細書で説明される新規な態様と特徴の例を提供するに過ぎない。添付図面及び添付の特許請求の範囲と関連して考慮すると、本発明の上記の特徴及び利点と、他の特徴及び利点とは、本発明を実施するのに用いられる代表的な実施形態及びモードの以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0024】
本システムは、従来のサーバシステムよりも気流を約30%多くすることができる。
【0025】
以下の詳細な説明を読み、図面を参照することによって、本発明の上記及び他の利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】従来の技術による、従来のサーバシャーシの前パネルの斜視図である。
【
図2】従来の技術による、従来のサーバシャーシの後パネルの斜視図である。
【
図3】従来の技術による、従来のサーバシャーシの上パネルの斜視図である。
【
図4】本発明のいくつかの実施形態による、サーバシャーシの階段状通気前パネルの斜視図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態による、サーバシャーシの階段状通気後パネルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、添付図面を参照して説明され、類似する符号は、類似又は同様の要素を示すために用いられる。図面は、縮尺通りに描かれておらず、単に本発明を説明するためだけに用いられる。説明される例示的な応用を参照して、本開示のいくつかの態様が以下に説明される。本発明の十分な理解を得るために、多数の具体的な詳細、関係及び方法が記載されていることを理解すべきである。しかし、当業者であれば、本発明は、一つ以上の具体的の詳細がなくても又は別の方法で実施できることを容易に理解するであろう。他の例では、本発明が曖昧になるのを回避するために、周知の構造や操作を詳細に示していない。本発明は、動作や事象の図示された順序に限定されず、いくつかの動作は、異なる順序で発生し、及び/又は、別の動作や事象と同時に発生する可能性がある。さらに、本発明による方法を実行するために、図示された全ての動作や事象が必要なわけではない。
【0028】
本発明は、前パネル及び/又は後パネルに通気孔を有するシステムシャーシに関する。通気孔は、システムシャーシの前パネル及び/又は後パネルの階段状表面に形成されており、システムシャーシがラックに挿入された場合、及び/又は、別のシステムシャーシに隣接して配置された場合に、通気孔は、追加の気流がシステムを流れるようにする。階段状表面は、前パネル及び/又は後パネルにより多くの通気孔を形成することができ、(i)システムの圧力降下を減少させ、(ii)システムファンの消費電力を減少させるとともに、(iii)システムの冷却能力を向上させるのを補助することができる。
【0029】
図4及び
図5を参照すると、例示的なコンピューティングシステム100は、サーバシャーシ112を有する。サーバシャーシ112は、第一側壁111と、第二側壁113と、上パネル118と、底パネル115と、階段状通気フロントパネル114と、後パネル116(
図5)と、を有する。いくつかの実施形態において、コンピューティングシステム100は、一つ以上のプロセッサと、ベースボードマネジメントコントローラーと、電源ユニットと、一つ以上のシステムファンと、一つ以上のメモリと、一つ以上の拡張スロットと、一つ以上のネットワークインターフェースと、他のコンポーネントと、を有する。コンピューティングシステム100は、サーバシャーシ112の底パネル115の一部に結合された、及び/又は、底パネル115に配置されたマザーボードをさらに有する。
【0030】
サーバシャーシ112の階段状通気フロントパネル114は、ベース140と、突起150と、を有する。いくつかの実施形態において、ベース140は、ベース140の上部分(例えば、第一部分)に三個のコンポーネントスロット(例えば、第一コンポーネントスロット120a、第二コンポーネントスロット120b、第三コンポーネントスロット120c)を有する。三個のコンポーネントスロット120a,120b,120cは、ベース140のベース表面142に形成されてもよい。いくつかの実施形態において、三個のコンポーネントスロット120a,120b,120cは、三個の対応するコンポーネント(例えば、I/Oカード、ネットワークPCIeカード、グラフィックカード、サウンドカード等)を受け入れるように構成されているが、より多い又はより少ないコンポーネントスロットも考えられる。
【0031】
いくつかの実施形態において、ベース140は、三個のコンポーネントスロット120a,120b,120cを囲むベース表面142に形成された第一の複数の通気開口(例えば、通気孔)144を有する。さらに又は代替的に、突起150は、フロントパネル114に用いられる追加の階段状表面を有することができる。これらの追加の階段状表面は、フロントパネル114上の開口の数を増加させるための追加の通気のために利用され得る。
【0032】
図4に示すように、突起150は、ベース140の下部分(例えば、第二部分)から延在する。いくつかの実施形態において、突起150は、均一な高さ(例えば、ベース140の高さの約半分)、幅(例えば、ベース140の幅の約80%~約100%)、及び、深さ(例えば、約5mm~約3cm)を有する。突起150は、上表面152と、上表面152と反対側の底表面154と、第一横表面156と、第一横表面156と反対側の第二横表面158と、ベース表面142に平行な前表面160と、を有する。この例において、各表面は、その隣接する表面に対して垂直に配置されている。別の例において、一つ以上の表面は、傾斜及び/又はテーパ状であってもよい。いくつかの実施形態において、突起150は、突起150の前表面160に形成された三個のコンポーネントスロット120d,120e,120fを有する。
【0033】
ベース表面142に形成された第一の複数の通気孔144に加え、突起150の一つ以上の追加の表面(152,154,156,158,160)は、通気及び/又は気流を提供するための追加の複数の通気孔を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、上表面152は、第二の複数の通気孔162を有する。いくつかのこのような実施形態において、上表面152の第二の複数の通気孔162は、(例えば、サーバシャーシ112の上パネル118の既存の開口に加えて)Z方向の追加の通気及び/又は気流を提供する。或いは、いくつかの別の実施形態において、上表面152の第二の複数の通気孔162は、この方向(例えば、Z方向)の適切な気流を提供することができるので、サーバシャーシ112の上パネル118に開口を必要としない。
【0034】
別の例として、いくつかの実施形態において、第二横表面158は、第三の複数の通気孔168を有する。いくつかのこのような実施形態において、第二横表面158の第三の複数の通気孔168は、(例えば、サーバシャーシ112の横パネル172の既存の開口に加えて)X方向の追加の通気及び/又は気流を提供する。或いは、いくつかの他の実施形態において、第二横表面158に形成された第三の複数の通気孔168が、この方向(例えば、X方向)の適切な気流を提供することができるので、サーバシャーシ112の横パネル172に開口を必要としない。さらに追加的又は代替的に、前表面160は、三個のコンポーネントスロット120d,120e,120fを囲む第四の複数の通気孔170を有する。
【0035】
図4は、ベース140の下部分の幅Wの実質的に全体に亘って形成された1個の突起150を示しているが、異なる高さ、幅及び/又は深さの一つ以上の突起をベース140から延在させて、より多い又はより少ない階段状表面を形成することができる。例えば、
図5は、フロントパネル114上に実装可能な別の構成を示す。
【0036】
図4に示す階段状通気フロントパネル114の構成は、後パネル116(
図5)に実装されてもよい。追加的又は代替的に、サーバシャーシ112の後パネル116は、
図5に示す階段状通気構成を有し、同じ符号は、
図4における同じ又は類似する要素を参照する。後パネル116は、PSU130,132間に配置されてもよい。後パネル116は、ベース176と、ベース176の上部から延在する第一突起180と、を有する。いくつかの実施形態において、ベース176は、ベース176の下部に二個のコンポーネントスロット122c,122dを有する。二個のコンポーネントスロット122c,122dは、ベース176のベース表面178に形成されてもよい。いくつかの実施形態において、コンポーネントスロット122c,122dは、二個の対応するコンポーネント(例えば、I/Oカード)を受け入れるように構成されているが、より多い又はより少ないコンポーネントスロットも考えられる。
【0037】
いくつかの実施形態において、ベース176は、コンポーネントスロット122c,122dを囲むベース表面178に形成された第一の複数の通気孔174を有する。追加的又は代替的に、第一突起180は、後パネル116において、追加の階段状表面を形成することができる。これらの追加の表面が追加の通気に用いられて、後パネル116の開口の数を増加させることができる。突起180は、上表面182と、上表面182と反対側の底表面184と、第一横表面186と、第一横表面186と反対側の第二横表面188と、ベース表面178に平行な前表面190と、を有する。いくつかの実施形態において、第一突起180は、第一突起180の前表面190に形成されたコンポーネントスロット122aを有する。
【0038】
さらに、追加的又は代替的に、より多くの表面を形成するために、後パネル116は、第一突起180よりもさらに深く延在する第二突起192を有する。第二突起192は、上表面182、底表面184及び第二横表面188を第一突起180と共有する。さらに、第二突起192は、第二横表面188と反対側の別の横表面194と、別の前表面196と、を有する。いくつかの実施形態において、第二突起192は、第二突起192の前表面196に形成されるコンポーネントスロット122bを有する。
【0039】
図5に示すように、横表面194及び第二横表面188は、別の前表面196に対して垂直ではなく、傾斜している。傾斜した表面は、多くの延長を必要とせずに追加の表面積及び追加の通気孔を可能にし、よって、シャーシ112をさらに細長くするのを防止する。
【0040】
ベース表面178に形成された第一の複数の通気孔174に加えて、第一突起180及び第二突起192によって形成された一つ以上の追加の表面(182,184,186,188,190,194,196)は、通気及び/又は気流を提供するための追加の複数の通気孔を有してもよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、第一突起180及び第二突起192は、一体化されている。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態において、第一突起180及び/又は第二突起192は、ベース176と一体化されている。
【0042】
有利なことは、サーバシャーシ112において階段状通気フロントパネル114及び階段状通気後パネル116の両方を有するシステムは、
図1~
図3に示す従来のサーバシステム10よりも約30%多い気流を有する。
【0043】
例示的なコンピューティングシステム100は、サーバシャーシ112を有し、上述した階段状構成は、通気を必要とするシャーシを有する任意のコンピューティングシステムに内蔵される。このようなコンピューティングシステムは、例えば、ストレージデバイス、ネットワークスイッチ、通信装置、任意のタイプのサーバ等を含む。
【0044】
以下の請求項1~請求項10の何れかの一つ以上の要素、態様、ステップ又は任意の部分は、他の請求項1~請求項10の何れかの一つ以上の要素、態様、ステップ若しくは任意の部分又はこれらの組み合わせと結合して、本発明の一つ以上の追加の実装及び/又は請求項を形成することができる。
【0045】
本発明の様々な実施形態を上述したが、これらは例示であって、限定するものではないことを理解されたい。本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本明細書の開示に従って、開示された例に対して多くの変更を行うことができる。よって、本発明の幅及び範囲は、上述した実施形態によって限定されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は、以下の請求項及びその均等物に従って定義されるべきである。
【0046】
開示された実施形態を、一つ以上の実施形態に関して図示及び説明したが、本明細書及び添付の図面を読んで理解することにより、当業者であれば同等の変更及び修正を行うことができるであろう。さらに、いくつかの実施形態のうち何れかに関して、本発明の特定の特徴を開示したが、このような特徴は、所定の又は特定のアプリケーションに対して所望且つ有利であるように、他の実施形態の一つ以上の他の特徴と組み合わせることができる。
【0047】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するものであって、本発明を限定することを意図するものではない。特に定義されない限り、本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」及び「その(the)」は、複数形も含む。さらに、「含む」、「有する」又はこれらの変形は、詳細な説明及び/又は特許請求の範囲に使用される限りにおいて、「備える」という用語と同様に包括的であることが意図される。
【0048】
特に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【符号の説明】
【0049】
100…コンピューティングシステム
111…第一側壁
112…サーバシャーシ
113…第二側壁
114…階段状通気フロントパネル
115…底パネル
118…上パネル
120a,120b,120c,120d,120e,120f…コンポーネントスロット
140…ベース
142…ベース表面
144…第一の複数の通気孔
150…突起
152…上表面
154…底表面
156…第一横表面
158…第二横表面
160…前表面
162…第二の複数の通気孔
168…第三の複数の通気孔
170…第四の複数の通気孔
172…横パネル