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▶ カール マイヤー シュトール アールアンドディー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフツングの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067643
(43)【公開日】2022-05-06
(54)【発明の名称】経糸の整経方法及び部分整経機
(51)【国際特許分類】
   B65H 65/00 20060101AFI20220425BHJP
   D04B 35/22 20060101ALI20220425BHJP
【FI】
B65H65/00 Z
D04B35/22
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021169999
(22)【出願日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】20202693.6
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】521088402
【氏名又は名称】カール マイヤー シュトール アールアンドディー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フア, マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ストークマン, イェンス
【テーマコード(参考)】
4L054
【Fターム(参考)】
4L054AA02
4L054LA11
4L054NA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】整経工程を少なくとも部分的に自動化できる設備を提供する。
【解決手段】経糸の整経方法が特定され、複数の糸を有するリボンをリボン供給装置7を介して整経ドラム1に送り、リボンは整経ドラム1上に取り付けられ、整経ドラム1上に所定の巻数で巻き付けられ、所定の巻数に達した後、リボンが切断されてリボンの第1の端部と第2の端部とが形成され、リボンの糸が少なくとも一方の端部で集められることで実現可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の糸を有するリボン(6)がリボン供給装置(7)を介して整経ドラム(1)に供給され、リボン(6)が整経ドラム(1)に取り付けられ、所定の巻数を持って整経ドラム(1)上に巻き付けられ、所定の巻数に達した後、リボン(6)が切断され、リボン(6)の第1の端部(18)及び第2の端部(25)が形成されて、リボン(6)の糸は少なくとも1つの端部(18、25)で一緒に集められる経糸の整経方法であって、
リボン(6)の糸は、圧着スリーブ(19,26)を用いた圧着操作によって少なくとも1つの端部(18,25)で一緒に集められる工程を含む、整経方法。
【請求項2】
前記リボン(6)は、圧着操作後に分離される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
糸の端部(18、25)が開口した圧着スリーブ内に挿入される工程と、圧着スリーブが糸の周りで圧縮される工程を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
糸の長手方向に沿って少なくとも一方が他方の後方に配置された少なくとも2つの変形領域を有する圧着スリーブ(19、26)が使用される、請求項1乃至3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
第2の端部(25)上に圧着スリーブ(26)が用いられて、第2の端部(25)を整経ドラム(1)に取り付ける工程を含む、請求項1乃至4の何れかに記載の方法。
【請求項6】
前記整経ドラム(1)上の前記リボン(6)によって形成された巻回されたリボン(21)の最後の巻回上に補助装置(20)が前記リボン(6)の下にて巻き付けられ、
前記リボン(6)の前記第1の端部(18)において圧着スリーブ(19)が前記補助装置(20)内に挿入される工程と、前記圧着スリーブ(19)が挿入された後に、前記補助装置(20)が巻回されたリボン(21)から取り外される工程を含む、請求項1乃至5の何れかに記載の方法。
【請求項7】
圧着操作に圧着装置(9)が使用され、該圧着装置(9)内にリボン(6)が操作装置(14)によって挿入される、請求項1乃至6の何れかに記載の方法。
【請求項8】
リボン(6)を供給するリボン供給装置(7)と、整経ドラム(1)とを備え、前記整経ドラム(1)は、前記リボン(6)の一端(26)を取り付けるための装置を有する部分整経機において、
圧着装置(9)が設けられ、前記圧着装置(9)は、前記リボン(6)の糸を圧着装置の端部(18、25)で一緒に集めることを特徴とする、部分整経機。
【請求項9】
操作装置(14)が設けられ、該操作装置(14)によってリボン(6)は圧着装置(9)の圧着領域(11、12)に移動される、請求項8に記載の部分整経機。
【請求項10】
前記圧着装置(9)は、整経ドラム(1)及びリボン供給装置(7)と隣接するように配置されている、請求項8又は9に記載の部分整経機。
【請求項11】
前記圧着装置(9)が2つの圧着領域(11、12)を有し、該圧着領域(11、12)はリボン(6)の長手方向に距離をおいて,、リボン(6)に作用する、請求項8乃至10の何れかに記載の部分整経機。
【請求項12】
分離装置(13)が備えられ、該分離装置(13)にて、リボン(6)は2つの圧着領域(11、12)の間で分離される、請求項11に記載の部分整経機。
【請求項13】
前記整経ドラム(1)には少なくとも1つの開口部(27)があり、該開口部(27)内に圧着スリーブ捕捉装置(28)が配置されている、請求項8乃至12の何れかに記載の部分整経機。
【請求項14】
前記圧着スリーブ捕捉装置(28)は磁石(30)を有する、請求項13に記載の部分整経機。
【請求項15】
圧着スリーブ捕捉装置を有する整経ドラム(1)上に形成された巻回されたリボン(21)内に巻き付けられた状態で、巻回されたリボン(21)から突出した第1の端部(22)と、該第1の端部(22)の反対側にて巻回されたリボン(21)から突出した第2の端部(23)を有する補助装置(20)が提供され、補助装置(20)が巻回されたリボン(21)から引き出される、請求項8乃至14の何れかに記載の部分整経機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の糸を有するリボンがリボン供給装置を介して整経ドラムに送られ、前記リボンが前記整経ドラム上に取り付けられ、前記整経ドラム上に所定の巻数で巻き付けられ、前記所定の巻数に達した後、前記リボンが切断されて前記リボンの第1の端部と第2の端部とが形成され、前記リボンの糸が少なくとも一方の端部で一緒に集められる経糸の整経方法に関する。
本発明は、さらに、リボンを供給するためのリボン供給装置と、整経ドラムとを備えた部分整経機に関し、整経ドラムは、リボンの一端部を取り付けるための装置を有する。
【背景技術】
【0002】
例えば、織物または経編物を製造するために使用される経糸は、多数の糸を有する。通常、糸の数はあまりにも多いため、全ての糸をクリールから巻き戻し、同時に巻き戻すことはできない。このため、限られた数の糸が使用されており、それらはクレールから引き出されて一緒に巻き戻される。これらの糸は「リボン」とも呼ばれる。経糸の望ましい幅を得るために、第1のリボンが巻かれた後、巻き取り工程が繰り返され、第2のリボンは、第1のリボンに対して1つのリボン幅だけオフセットされる。
【0003】
リボンの巻き取りのために、リボンは整経ドラムに取り付けられ、整経ドラムは、リボンが望ましい回転数または予め定められた回転数で巻き付けられるまで、回転される。リボンはその後切断され、2つの端部が得られる。第1の端部は、巻きつけられたリボンの一部に属する。第2の端部は、その後の巻き取り工程で巻き付けられなければならないリボンの部分に属する。リボンの糸を互いに固定するために、結び目がリボンの少なくとも1つの端部に作られる。しかし、結び目は通常はリボンの両端部に作られる。
次に、リボンの第1の端部は、巻回されたリボンの半径方向外側領域における巻き部の下を通過し、それによって、第1の端部を巻回されたリボンに固定する。
第2の端部における結び目を使用して、リボンの第2の端部の始点を整経ドラムに取り付けることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この手続きは成功を収めたが、比較的高い水準の人件費を必要とする。生成される経糸の長さと、整経ドラムの回転速度に応じて、切断、結び付け、取り付けの工程が、数分ごとに繰り返されなければならない。反復間の時間間隔が非常に短いため、オペレータはその間、実際上は他の作業を行うことができない。
本発明は、整経工程を少なくとも部分的に自動化することができる手段を特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、少なくとも1つの端部にて圧着スリーブによってリボンの糸を圧着することによって、導入されるタイプの方法によって達成される。
圧着は、リボンの糸の周囲に圧着スリーブを配置し、リボンと圧着スリーブを一緒に押し付けることを含む。次いで、糸は、圧着スリーブ内に固定される。圧着は、それ自体、電気工学又は電気設備の分野から公知の技術であり、例えば、導体の接続及び要素の互いの接続である。圧着操作は、結び作業に置換される。圧着操作は、圧着装置によって行うことができ、これは、自動又は半自動で操作することができ、特に、PLC制御される。
リボンの端部が圧着操作によって一緒に集められると、端部に圧着スリーブが位置し、これは、リボンの糸を互いに対して固定することに加えて、問題のリボンの端部を確立するためにも使用することができる。次に、操作装置、例えば、ロボットは、端部を圧着スリーブで把持し、所定の位置に移動させることができる。
【0006】
リボンは、圧着操作後に切断することが望ましい。切断プロセスの前に、リボンは依然として密着している。すなわち、リボンの解放された端部は存在せず、更なる操作を容易にする。特に、リボンは、圧着操作の前に、締め付け又は長さ方向に整列させることができるので、圧着スリーブの適用が容易になる。
【0007】
糸の端部は、開口した圧着スリーブに挿入されるのが好ましく、圧着スリーブは、糸の周りで圧縮される。開口した圧着スリーブは、糸を圧着スリーブに通す必要がなく、代わりに圧着スリーブに横方向の開口部があり、これを通して糸を挿入することができるという利点がある。
【0008】
糸の長手方向に沿って、一方が他方の後方に配置された少なくとも2つの変形領域を有するのが好ましい圧着スリーブが使用される。次に、変形領域がリボンの糸の周りにて圧縮される。2つ以上の変形領域が設けられている場合には、圧着スリーブが所望の方法でリボンの糸を一緒に保持している確度が高まる。
【0009】
第2の端部を整経ドラムに固定するために、第2の端部に圧着スリーブを使用することが好ましい。リボンの第2の端部に圧着スリーブが設けられている場合、圧着スリーブによる第2の端部の直径が増大する。次に、リボンの第2の端部を整経ドラムに引っ掛ける。こうして、圧着スリーブはリボンの第2の端部が再び引き出されることを防ぐ。
【0010】
整経ドラム上のリボンによって形成された巻回されたリボンの最後の巻回中に、補助装置がリボンの下に巻き付けられるのが好ましく、圧着スリーブがリボンの第1の端部にて補助装置に挿入され、補助装置は、圧着スリーブの挿入後に巻回されたリボンから取り外される。
このように、補助装置は、巻回されたリボンの最後の巻回の下で、リボンの第1の端部を引っ張るために使用され、それによって、リボンの第1の端部を巻回されたリボンに固定する。圧着スリーブは、前述のように、リボンの第1の端部の僅かに拡大した直径を形成する。この第1の端部を圧着スリーブと共に補助装置に挿入することにより、補助装置によってリボンの第1の端部に一定の引っ張り力を加えることができ、ひいては巻回されたリボンの半径方向外側領域において巻回されたリボンを通してこの第1の端部を引っ張ることができる。
【0011】
圧着動作には、操作装置によってリボンを挿入する圧着装置を使用することが好ましい。操作装置は、例えば、単一アームのロボットのように、比較的単純であり得る。
操作装置は、リボンを圧着装置に挿入し、必要に応じてリボンを整列させることができればよいだけである。この目的のために複雑な動きは必要ない。
【0012】
本発明の目的は、リボンの糸をその端部で一緒に集める圧着装置を設けることによって、上述したタイプの部分整経機において達成される。
このように、圧着装置は、少なくとも一端部にて圧着継手を作り、この圧着継手にて、圧着スリーブが糸の周囲で一緒に押圧される。その後、糸は、圧着スリーブによって一緒に保持される。同時に、所定の係合点が作成され、そこで問題となるリボンの端部が操作される。
【0013】
操作装置は、リボンを圧着装置の圧着領域内に移動させるために備えられているのが望ましい。最も単純な場合、圧着装置が巻き取り中にリボンが案内される領域の外側に配置されている場合、操作装置はリボンを横方向に動かすだけでよい。このような配置は便利である、何故ならば、この圧着装置は巻き取り工程に更なる干渉をしないからである。
【0014】
ここでは、圧着装置が、整経ドラムと糸供給装置に隣接して配置されることが望ましい。圧着装置が整経ドラムと糸供給装置との間に配置されることが特に好ましいが、圧着装置は巻き取り中にリボンの糸が走行する領域から横方向にオフセットされる。
【0015】
圧着装置は、リボンの長手方向に互いに距離を置いてリボンに作用する2つの圧着領域を有するのが好ましい。
次いで、圧着装置は、2つの圧着継手、即ちリボンの第1の端部における圧着継手、及びリボンの第2の端部における圧着継手を作製することができる。これにより、リボンの操作が簡単になる。
2つの圧着領域の間でリボンを切断することができる切断装置が提供されるのが好ましく、該切断装置にて、2つの圧着領域間でリボンを切断することができる。すなわち、2つの端部が準備された後に、ここでは糸を分離することができないようにリボンを切断することができる。これにより、操作はさらに単純化される。
【0016】
望ましい整経ドラムは、少なくとも1つの開口部を含み、該開口部内には、圧着スリーブ捕捉装置が配置されている。最も単純な場合では、圧着スリーブ捕捉装置は、リボンの端部が挿入されるスロットを有する。このスロットは、圧着スリーブの直径よりも僅かに小さい幅を有するため、圧着スリーブは圧着スリーブ捕捉装置の後ろに引っ掛かる。スロットは、その開口部において、圧着スリーブが引っ掛かる位置よりも、十分に大きな幅を有している。これにより、糸処理が容易になる。
【0017】
また、圧着スリーブ捕捉装置が磁石を有することも有利である。多くの場合、圧着スリーブは、磁石に吸着される金属から形成される。次いで、磁石を使用して、圧着スリーブ及びリボンの端部を、圧着スリーブ捕捉装置内に十分に深く引っ張ることができる。
【0018】
また、圧着スリーブ捕捉装置を有する整経ドラム上に形成された巻回されたリボン内に巻き付けられた状態で、巻回されたリボンから突出した第1の端部と、該第1の端部の反対側にて巻回されたリボンから突出した第2の端部を有する補助装置が提供され、補助装置が巻回されたリボンから引き出されることも有利である。その後、補助装置は次に、リボンの第1の端部を巻回されたリボンに固定するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
なお、以下では、図面と併せて実施形態の好ましい例を参考に発明を説明する。
図1】部分整経機の一部を高度に模式化した平面図である。
図2】圧着動作前の第1相におけるリボンの進路を示す図である。
図3】圧着動作前の第2相におけるリボンの進路を示す図である。
図4】把持器で把持されたリボン端部を圧着スリーブとともに示す図である。
図5】巻回されたリボンへの補助装置の巻き付けを示す概略図である。
図6】巻回されたリボンに巻き付けられた補助装置を示す図である。
図7】リボンの第2の端部の整経ドラムへの取付けを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、部分整経機として構成された整経機の一部の平面図である。整経機は、整経ドラム1を有する。整経ドラム1は、円錐部2を有する。整経キャリッジ3が整経ドラム1と平行に配置されており、このキャリッジは整経ドラム1と平行なガイド上を移動することができる。整経キャリッジ3上には、測定ローラ5が配置されている。整経ドラム1に巻き取られるリボン6(図2及び図3)は、リボン供給装置7によって供給される。ここでは、リボン供給装置7を模式的に示したに過ぎない。周知の方法で、読み取りユニットと糸リードを有することができる。リボン供給装置7と測定ローラ5との距離は可変とすることができる。
【0021】
リボン6を整経ドラム1に巻き付ける場合、リボン6の開始部が整経ドラムに取り付けられる。整経ドラムが回転し、リボン6を巻き取る。同時に、整経キャリッジ3と整経ドラム1との間の相対的な移動が整経ドラム1の軸8に平行に生じ、これにより巻き取られるリボン6が円錐部2の上方に案内される。
【0022】
所望の長さのリボン6が整経ドラム1に巻き付けられたとき、リボン6は切断される。巻回されたリボン6の部分の端部は、第1の端部と呼ばれる。続いて巻き付けられるリボン6の部分の端部は、第2の端部と呼ばれる。以前は、各端部に結び目を作成して、リボンの糸を各端部で一緒に集めていた。しかし、結び目の作成は、リボンが切断された後にのみ可能であった。
結び目を作成するには、オペレータが通常は2本の手を必要とする。第1の端部における結び目は、その後の巻き付け動作中に第1の端部が巻き付られたけリボンから切り離されることを防ぐために、巻き付けリボンに挿入された。第2の端部の結び目は、リボンの第2の端部を整経ドラムに固定し、別の巻き取り動作を開始するために使用された。このプロセスは、経糸の望ましい幅が達成されるまで繰り返される。
【0023】
整経プロセスの少なくとも一部を自動化する可能性を提供するために、整経装置は、整経キャリッジ3の隣に横方向に配置された圧着装置9を有する。しかしながら、圧着装置9をキャリッジ3上に配置する必要はなく、比較的大きな質量を持つこともできる。圧着装置9は移動する必要はない。
【0024】
圧着装置9は、第1の圧着領域11及び第2の圧着領域12を有する圧着ゾーン10を有する。2つの圧着領域11、12は、リボン6の移動方向に沿って一方が他方の後方に配置され、互いに離れている。圧着装置9は、各圧着領域11、12内のリボン6に圧着スリーブを適用することができ、リボン6の周囲に圧着スリーブを押圧することができる。このプロセスは「圧着」と呼ばれる。
【0025】
切断装置13は、圧着領域11、12の間の空間に配置され、切断装置13を用いて、リボン6は、2つの圧着領域11、12の間に切断することができる。
リボン6用の「走行領域」が、リボン供給装置7と測定ローラ5との間に配置されている。圧着ゾーン10は、リボンの走行を妨げないように走行領域の外側に配置されていることが分かる。
【0026】
リボン6は、圧着動作のために走行領域から押し出されるだけである。この目的のために、リボンが測定ローラから下方に移動するのを防止するために、測定ローラ5に、例えばディスクの形態で横方向の限界を設けることが有用である。
整経キャリッジ3の反対側には、単一アームのロボットとして構成された操作装置14が設けられている。操作装置14は、ロボットアーム15を有し、ロボットアーム15を用いて、以下に説明するように、リボン6又はリボン6の端部を操作することが可能である。
【0027】
操作装置14も整経キャリッジ3上に配置されていない。圧着装置9と操作装置14との間の距離は、整経キャリッジ3が、リボン6を円錐部2から十分遠くまで巻き取るのに十分な程度に整経ドラム1に対して移動できるようになっている。
リボン6が所定の巻数で整経ドラム1に巻き取られると、整経ドラム1は停止される。ここで、ロボットアーム15は、図2に示すように、2つの圧着領域11、12の間でリボン6を圧着領域内に押圧する。これにより、リボン6の糸が一緒に集められる点16が作成される。この圧着装置9は糸が一緒に集められた後、該糸をこの点16で保持する。
【0028】
ロボットアーム15は、今度は第1の圧着領域11の反対側に移動し、第2の点17で再び糸を集める。これにより、2つの点16、17の間のリボン6は、もはやフラットな形ではなく、糸の束を形成する。
この糸の束は、ロボットアームによって、より詳細には示されていない圧着スリーブに挿入され、該圧着スリーブは第1の圧着領域11に配置されるか、または圧着装置9によって提供されている。ここでは、側方が開口した圧着スリーブが使用されており、この中にリボン6の糸を挿入することができる。次いで、圧着装置9は、第1の圧着領域11において圧着スリーブを圧縮し、圧着によってリボン6の糸を一緒にする。
【0029】
同様に、測定ローラ5とは反対側の圧着ゾーン10の側では、第2の圧着領域12に配置された第2の圧着スリーブにリボンを挿入するために、リボン6はロボットアーム15によって圧縮される。ここで、圧着装置9は、圧着によりリボン6の糸を一緒に再び集めることができる。
また、圧着装置9は、両方の圧着領域11、12を同時に作動させることができ、その結果、リボン6は、互いに離間された2つの位置に圧着スリーブを備える。
【0030】
2つの圧着作業が完了した後、リボンは2つの圧着スリーブの間の切断装置13によって切断される。
これにより、リボン6の第1の端部は第1の圧着スリーブを有し、リボン6の第2の端部は第2の圧着スリーブを有する。これで、圧着装置9は、リボンの第2の端部を第2の圧着領域12に保持することができる。ロボットアーム15は、図4に示すように、第1の圧着スリーブ19が配置されたリボンの第1の端部18を把持することができる。しかしながら、第1の圧着スリーブ19の重量のために、第1の端部18にてリボンは、重力の影響下で多少垂れ下がるので、さらなる操作は、リボンのこの変形を考慮しなければならない。
【0031】
前述したように、発明の目的は、すでに整経ドラム1上に生成された巻回されたリボン内に第1の端部18を固定することである。この目的のために、補助装置20が使用され、これは、図5及び図6により詳細に示されている。
【0032】
補助装置20は、すでに整経ドラム1上に形成された巻回されたリボン21と供給されるリボン6の間に巻き付けられ、より望ましくは、リボン6の最後の巻きと、圧着の前の間にて巻き付けられる。
この補助装置20は、巻回されたリボン21に巻き付けられた時点で、巻回されたリボン21から突出した第1の端部22と、第1の端部とは反対側にて巻回されたリボン21から突出した第2の端部23を備えている。第2の端部23は、巻回されたリボンを越えて半径方向に突出する。第1の端部22は、片側が開いたスロット24を有し、その幅は半径方向外側に広がる。スロットの半径方向内側端部、すなわち閉じた端部は、第1の圧着スリーブ19の直径よりも小さい幅を有する。
従って、第1の圧着スリーブ19が補助装置20の第1の端部22に引っ掛かるように、ロボットアーム15を用いてリボン6の第1の端部18をスロット24内に挿入することが可能である。これで、ロボットアーム15は、リボンの第1の端部18を解放し、補助装置20の第2の端部23と係合して、補助装置20を巻回されたリボンから引き出すことができる。その際、リボン6の第1の端部18は、第1の圧着スリーブ19に引っ張られ、これが補助装置20の第1の端部22に引っ掛けられ、このようにして、リボン6の第1の端部18が巻回されたリボンを通して引っ張られ、その後、巻回されたリボンに固定される。
【0033】
次いで、ロボットアーム15は、スロット24の開口部が整経ドラム1に対向するように補助装置20を回転させるだけでよく、第1の圧着スリーブ19を備えたリボン6の第1の端部18が補助装置20から滑り出る。
【0034】
図7は、第2の圧着スリーブ26を備えたリボン6の第2の端部25を示す。リボン6の第2の端部25は、この目的のために一連の開口部27を有する整経ドラム1に挿入される。圧着スリーブ捕捉装置28が各開口部27に配置されており、この装置は片側が開口し、その開口部に向かって拡幅するスロット29も備えている。スロット29の閉じた端部に磁石30が配置される。第2の圧着スリーブ26は、磁石30によって吸着されることができる。
【0035】
ロボットアーム15は、リボン6の第1の端部を巻回されたリボン21に固定した後、第2の端部25を把持して開口部27に挿入する。
次いで、ロボットアーム15は、第2の端部25がスロット29に挿入されるように、第2の端部25を動かすだけでよい。第2の圧着スリーブ26は、閉じた端部にてスロット29の幅よりも大きい直径を有する。磁石30が第2の圧着スリーブ26を吸着する点で挿入が容易となる。次に、整経ドラム1を回転させると(図7を参照)、圧着スリーブ捕捉装置28が上から下に移動し、リボン6の第2の端部25を捉え、第2の圧着スリーブ26に作用する。これにより、リボン6は再び整経ドラム1に巻き付けられることになる。
【0036】
2つの圧着スリーブ19、26はここでは概略的にしか示していない。しかしながら、リボン6の糸の長手方向又は走行方向に一方が他方の後方に配置された2つの変形領域を有する圧着スリーブ19、26を用いることは便利である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】