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  • 特開-電動圧縮機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067667
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】電動圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/42 20060101AFI20220426BHJP
   F02B 33/40 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
F04D29/42 H
F02B33/40
F04D29/42 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019053106
(22)【出願日】2019-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀輝
(74)【代理人】
【識別番号】100122781
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 寛
(72)【発明者】
【氏名】飯嶋 海
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 裕司
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 達身
(72)【発明者】
【氏名】福井 達哉
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 国彰
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 光
(72)【発明者】
【氏名】湯本 良介
(72)【発明者】
【氏名】勝 義仁
【テーマコード(参考)】
3G005
3H130
【Fターム(参考)】
3G005EA04
3G005EA20
3G005FA41
3H130AA13
3H130AB07
3H130AB27
3H130AB47
3H130AC13
3H130BA24A
3H130BA24C
3H130BA24E
3H130BA53A
3H130BA53C
3H130CA21
3H130CB05
3H130DA02Z
3H130DB01Z
3H130DB08Z
3H130DC12X
3H130DD01Z
3H130EA07A
3H130EA07C
3H130EA07E
3H130EA07F
3H130EB01C
3H130EB02A
3H130EC17C
(57)【要約】
【課題】電動圧縮機において、連通孔の孔径を抑えながらも軸受を通過するガスの気流を低減する。
【解決手段】電動圧縮機1は、仕切壁11で仕切られたコンプレッサ室7とモータ室9とを有するハウジング2と、コンプレッサ室7に収容されるインペラ3と、インペラ3が設けられ、仕切壁11を貫通してコンプレッサ室7とモータ室9とに亘って延びるシャフト13と、モータ室9に収容されシャフト13を回転させるモータ部5と、シャフト13と仕切壁11との間に介在する軸受33と、インペラ背面31に対面する位置で仕切壁11を貫通し、コンプレッサ室7とモータ室9とを連通させる連通孔39と、を備えている。インペラ背面31と仕切壁11との間に設けられ、連通孔39と軸受33との間をシールするラビリンスシール部41が形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切壁で仕切られたコンプレッサ室とモータ室とを有するハウジングと、
前記コンプレッサ室に収容されるインペラと、
前記インペラが設けられ、前記仕切壁を貫通して前記コンプレッサ室と前記モータ室とに亘って延びるシャフトと、
前記モータ室に収容され前記シャフトを回転させるモータ部と、
前記シャフトと前記仕切壁との間に介在する軸受と、
前記インペラの背面に対面する位置で前記仕切壁を貫通し、前記コンプレッサ室と前記モータ室とを連通させる連通孔と、を備え、
前記インペラの背面と前記仕切壁との間に設けられ、前記連通孔と前記軸受との間をシールするラビリンスシール部が形成されている、電動圧縮機。
【請求項2】
前記ラビリンスシール部は、前記インペラの背面に形成された部位を有する、請求項1に記載の電動圧縮機。
【請求項3】
前記インペラは樹脂製である、請求項1又は2に記載の電動圧縮機。
【請求項4】
前記ラビリンスシール部は、
前記インペラの回転軸線を中心とする同心円をなし、前記仕切壁に向けて前記回転軸線方向に延びるように前記インペラの背面に形成された複数のリブを有する、請求項1~3の何れか1項に記載の電動圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に記載の遠心圧縮機が知られている。この遠心圧縮機は、コンプレッサ室に収容されたインペラをモータ室に収容されたモータで回転させるものである。インペラが取付けられるシャフトは、コンプレッサ室とモータ室とを仕切る仕切壁を貫通して延びており、仕切壁に設置された軸受によって軸支されている。ここで、コンプレッサ室とモータ室との圧力差が発生すると、コンプレッサ室とモータ室との間でガスの気流が発生する。このガスの気流は、軸受を通過し軸受のグリースを流出させて当該軸受の性能を劣化させる虞がある。従って、上記のようなコンプレッサ室とモータ室との圧力を平衡化するために、仕切壁には、インペラの背面の位置において、コンプレッサ室とモータ室とを連通させる連通孔が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2017/057482号公報
【特許文献2】国際公開WO2014/096786号公報
【特許文献3】実開平05-012693号公報
【特許文献4】特開2014-169699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コンプレッサ室からモータ室への水の侵入のリスクがあるので、連通孔の孔径を極端に大きくすることは好ましくない。このため、連通孔によるコンプレッサ室とモータ室との圧力平衡化の速さには限界があった。従って、インペラの加速時などコンプレッサ室の急な圧力変動が発生するときには、連通孔による圧力の平衡化が間に合わず、その結果、軸受を通過するガスの気流を十分に抑えられない虞がある。
【0005】
本開示は、連通孔の孔径を抑えながらも軸受を通過するガスの気流を低減する電動圧縮機を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電動圧縮機は、仕切壁で仕切られたコンプレッサ室とモータ室とを有するハウジングと、コンプレッサ室に収容されるインペラと、インペラが設けられ、仕切壁を貫通してコンプレッサ室とモータ室とに亘って延びるシャフトと、モータ室に収容されシャフトを回転させるモータ部と、シャフトと仕切壁との間に介在する軸受と、インペラの背面に対面する位置で仕切壁を貫通し、コンプレッサ室とモータ室とを連通させる連通孔と、を備え、インペラの背面と仕切壁との間に設けられ、連通孔と軸受との間をシールするラビリンスシール部が形成されている、電動圧縮機である。
【0007】
ラビリンスシール部は、インペラの背面に形成された部位を有することとしてもよい。インペラは樹脂製であることとしてもよい。ラビリンスシール部は、インペラの回転軸線を中心とする同心円をなし、仕切壁に向けて回転軸線方向に延びるようにインペラの背面に形成された複数のリブを有することとしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の電動圧縮機によれば、連通孔の孔径を抑えながらも軸受を通過するガスの気流を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の電動圧縮機の断面図である。
図2】実施形態の電動圧縮機の軸受近傍を拡大して示す断面図である。
図3】実施形態の電動圧縮機のインペラを背面側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照しながら、実施形態に係る電動圧縮機1について説明する。電動圧縮機1は、回転軸線X周りに回転するインペラ3と動力源のモータ部5とを備え、たとえば車両や船舶の内燃機関に圧縮空気を供給する遠心圧縮機である。以下の説明で単に「軸方向」、「径方向」、「周方向」と言うときには、インペラ3の回転の軸方向、径方向、周方向を意味するものとする。
【0011】
電動圧縮機1のハウジング2は、インペラ3が収容されるコンプレッサ室7と、モータ部5が収容されるモータ室9とを有している。ハウジング2は、コンプレッサ室7とモータ室9とを軸方向に分割して仕切る仕切壁11を有している。なお、図1の例では、主に軸方向に連結された3つの部品でハウジング2が構成されているが、この形態には限定されず、ハウジング2を構成する部品や組み合わせ方は自由に設計可能である。なお、ハウジング2の材料は、軽量化に有利であるためアルミニウムが好適であるが、たとえばステンレスや炭素鋼を採用することもできる。
【0012】
電動圧縮機1は、回転軸線X上に延在するシャフト13を備えている。シャフト13は、仕切壁11を貫通しコンプレッサ室7とモータ室9とに亘って延在している。シャフト13の一端には上記インペラ3が取付けられている。シャフト13の他端には、上記モータ部5のロータ15が取付けられている。モータ部5は、上記ロータ15と、当該ロータ15の周囲に配置されたステータ17とを有する。ステータ17はモータ室9においてハウジング2の内壁面に固定される。モータ部5は、ほぼ閉じた空間であるモータ室9内に収容されている。
【0013】
コンプレッサ室7は、インペラ3の外周側に設けられたディフューザ19と、ディフューザ19の外周側に設けられたスクロール21とを有している。また、コンプレッサ室7は、回転軸線X上に設けられた吸気口23と、スクロール21の出口である吐出口27とを通じて、外部に開口されている。
【0014】
モータ部5に電力が供給されると、ステータ17に対してロータ15及びシャフト13が回転軸線X周りに回転する。これにより、コンプレッサ室7内のインペラ3が回転すると、外部のガスが吸気口23を通じて軸方向にインペラ3に吸引されインペラ3から径方向に排出される。その後ガスは、ディフューザ19及びスクロール21を通じて圧縮され、吐出口27を通じて、圧縮空気として外部に排出される。この圧縮空気が、前述のとおり内燃機関に供給される。
【0015】
電動圧縮機1は、ハウジング2に対してシャフト13を回転可能に支持する軸受33,35を備える。軸受33,35は、モータ部5を軸方向に挟むように配置され、シャフト13を両持ちで支持している。インペラ3に近い側の一方の軸受33は、仕切壁11に埋込まれるように設置され、シャフト13と仕切壁11との間に介在している。他方の軸受35は、モータ室9の内壁面から張出した支持部36に固定されている。
【0016】
軸受33は、グリース封入型の玉軸受である。軸受33においては、外輪と内輪との間に周方向に配列される複数のボールが介在している。外輪と内輪との間のスペースには、上記ボールを浸漬するようにグリースが封入される。グリースが封入されたスペースの両端面に、グリースの漏出や異物の侵入を防止するためのシールが設けられる。上記シールは、接触型シールであっても非接触型シールであってもよい。図1及び図2は軸受33等の各要素を模式的に示すものであり、上記シール及びグリースの図示は省略されている。なお、この種の玉軸受の構成は公知であるので、更なる詳細な説明は省略する。軸受33の外輪が仕切壁11に固定され、軸受33の内輪がシャフト13に固定されるので、シャフト13が仕切壁11に対して円滑に回転する。
【0017】
続いて、図2を参照しながら、コンプレッサ室7及び軸受33の近傍の構造について更に説明する。コンプレッサ室7は、ハウジング2内部空間のうち仕切壁11よりも吸気口23側の空間であり、吸気口23から吐出口27までの空間を指すものとする。コンプレッサ室7には、インペラ3と仕切壁11との間に軸方向に挟まれた狭小な空間が含まれる。以下では、インペラ3と仕切壁11との間に軸方向に挟まれた上記空間を背面空間37と呼ぶ。また、仕切壁11に対して軸方向に対向するインペラ3の面をインペラ背面31と呼ぶ。
【0018】
仕切壁11には、コンプレッサ室7とモータ室9との圧力を平衡化するための連通孔39が設けられている。連通孔39は、仕切壁11を軸方向に貫通するように形成され、コンプレッサ室7とモータ室9とを連通している。連通孔39は、インペラ背面31に対して、軸方向に対面する位置に設けられている。連通孔39は、仕切壁11に複数形成されてもよい。連通孔39を通じてコンプレッサ室7とモータ室9との間でガスが行き来することにより、コンプレッサ室7とモータ室9との圧力が平衡化される。
【0019】
仮に連通孔39が無い場合、コンプレッサ室7とモータ室9との圧力差が発生したときに、軸受33内を貫通する回転軸線X方向の気流(以下「貫通気流」と呼ぶ)が発生し得る。そして、このような貫通気流によって軸受33のグリースが流出し軸受33の軸受機能が劣化する虞がある。上記の連通孔39によれば、このような軸受33の貫通気流が低減され、軸受33の劣化が抑制される。
【0020】
しかしながら、コンプレッサ室7からモータ室9への水の侵入のリスクがあるので、連通孔39の孔径を極端に大きくすることは好ましくない。このため、連通孔39によるコンプレッサ室7とモータ室9との圧力平衡化の速さには限界があった。従って、インペラ3の加速時などコンプレッサ室7の急な圧力変動が発生するときには、軸受33の貫通気流を十分に抑えられない虞がある。
【0021】
そこで、この対策として、背面空間37内にはラビリンスシール部41が設けられている。ラビリンスシール部41は、連通孔39と軸受33との間の領域に環状に設けられている。図3は、インペラ3をインペラ背面31側から見た図である。図2及び図3に示されるように、ラビリンスシール部41は、複数(本実施形態の場合は5つ)のリブ43を有している。リブ43は、インペラ背面31に回転軸線Xを中心として同心円状に設けられている。各リブ43は、インペラ背面31に形成され、回転軸線Xを筒軸とする円筒状をなし、仕切壁11側に向けて軸方向に延びている。各リブ43は、仕切壁11の直近まで延びており、背面空間37の軸方向の幅を狭窄している。
【0022】
また、背面空間37のうちラビリンスシール部41よりも内周側の空間37aは、比較的容積が大きい空間に形成されている。以下では、背面空間37のうちラビリンスシール部41よりも内周側の空間を内周背面空間37aと呼び、背面空間37のうちラビリンスシール部41よりも外周側の空間を外周背面空間37bと呼ぶ。なお、インペラ3は樹脂製であり射出成形によって製作される。上記のリブ43も、射出成形時にインペラ3の一部位として一体的に形成される。
【0023】
このようなラビリンスシール部41によって、連通孔39と軸受33との間がシールされ、連通孔39と軸受33との間のガスの流れが阻害され低減される。すなわち、内周背面空間37aと外周背面空間37bとの間のガスの流れが阻害され低減される。
【0024】
上記のようなラビリンスシール部41による作用効果について説明する。仮にラビリンスシール部41が存在しない場合に、コンプレッサ室7の急な圧力上昇が発生した場合を考える。この場合、背面空間37の圧力上昇によって、連通孔39を通じてガスがモータ室9に移動する。連通孔39の孔径が十分でない場合には、前述のとおり、モータ室9の圧力上昇にある程度の時間がかかる。そうすると、コンプレッサ室7の圧力上昇の直後には、モータ室9よりも背面空間37の方が高圧になり、背面空間37からモータ室9に向けて軸受33の貫通気流が発生し得る。
【0025】
これに対して、ラビリンスシール部41が存在する場合には、外周背面空間37bから内周背面空間37aへのガスの流れがラビリンスシール部41によって阻害されるので、内周背面空間37aの圧力上昇にもある程度の時間がかかる。また、前述したように、内周背面空間37aの容積が比較的大きいことも、内周背面空間37aの圧力上昇に時間がかかる要因となる。その一方で、ラビリンスシール部41は、連通孔39よりも内周側に位置するので、外周背面空間37bから連通孔39へのガスの流れは阻害しない。
【0026】
そうすると、内周背面空間37aの圧力上昇とモータ室9の圧力上昇の速度が近くなる。その結果、コンプレッサ室7の圧力上昇の直後における、モータ室9と内周背面空間37aとの圧力差が緩和されるので、内周背面空間37aからモータ室9に向けた軸受33の貫通気流が低減される。従って、電動圧縮機1によれば、連通孔39の孔径を極端に大きくすることなく、軸受33の貫通気流を低減することができる。
【0027】
また、ラビリンスシール部41がインペラ背面31と仕切壁11との間の位置に設けられるので、内周背面空間37aの容積を確保し易く、内周背面空間37aの圧力上昇を適切に遅らせることができる。これに対し、例えば、ラビリンスシール部41に代えて、軸受33とインペラ3との間の位置で、シャフト13と仕切壁11との間をシールリング等によってシールすることも考えられる。しかしながらこの場合、シールと軸受33との間の空間に、大きい容積を確保することが難しく、その結果、当該空間の圧力上昇を適切に遅らせることが難しい。
【0028】
また、仮に、上記のようなシールリングを採用した場合、シールリングの封止性の高さゆえに、当該シールリングを通過するガスの流れは極端に阻害される。従って、コンプレッサ室7の圧力上昇の直後においては、シールリングと軸受33との間の空間よりもモータ室9の方が速く圧力上昇することになる。そうすると、モータ室9からシールリングに向けて逆流するように、軸受33の貫通気流が発生することも考えられる。従って、本実施形態のようなラビリンスシール部41を設ける構成は、シャフト13と仕切壁11との間にシールリングを設ける構成よりも好ましい。
【0029】
また、射出成形によって複数のリブ43をインペラ3に一体的に形成することでラビリンスシール部41が形成されるので、電動圧縮機1の部品点数の増加、及びインペラ3の製作の手間の増加も回避することができる。また、ラビリンスシール部41は、外周背面空間37bと内周背面空間37aとの間のガスの流れをある程度阻害するものであればよく、高いシール性を求められるものではない。従って、リブ43の厳しい寸法精度は不要であり、射出成形による寸法精度でインペラ3が製作可能である。
【0030】
また、射出成形による樹脂製のインペラ3にあっては、射出成形の欠陥の抑制のために、インペラ3の肉厚を可能な限り抑え、均一にすることが好ましい。その一方、インペラ3の機械的強度を確保することも必要である。本実施形態のインペラ3によれば、インペラ背面31に複数の同心円状のリブ43が設けられるので、インペラ3の肉厚低減と機械的強度とを両立し易い。また、各リブ43は軸方向に延びる円筒状をなすので、射出成形時には、インペラ背面31側の金型を軸方向に離型することが可能であり、射出成形による製作が比較的容易である。
【0031】
本開示は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。また、実施形態に記載されている技術的事項を利用して、変形例を構成することも可能である。各実施形態の構成を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0032】
上述の実施形態では、背面空間37を狭窄するリブ43がインペラ背面31に設けられているが、このような背面空間37を狭窄するための凹凸形状部は仕切壁11に設けられてもよい。また、このような凹凸形状部は、インペラ3と一体に形成されることは必須ではなく、凹凸形状部を有する別体の部品をインペラ背面31に接合するようにしてもよい。同様に、上記のような凹凸形状部を有する別体の部品を仕切壁11に接合するようにしてもよい。また、上述の実施形態ではインペラ3が樹脂製であり射出成形で製作されるが、これには限定されず、インペラ3の材料や製作方法は適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 電動圧縮機
2 ハウジング
3 インペラ
5 モータ部
7 コンプレッサ室
9 モータ室
11 仕切壁
13 シャフト
31 インペラ背面
33 軸受
39 連通孔
41 ラビリンスシール部
43 リブ
X 回転軸線
図1
図2
図3