(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022006773
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】害虫駆除具用容器
(51)【国際特許分類】
A01M 1/20 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
A01M1/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020109237
(22)【出願日】2020-06-25
(71)【出願人】
【識別番号】000149181
【氏名又は名称】株式会社大阪製薬
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】池田 直子
(72)【発明者】
【氏名】梶原 寛
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA11
2B121BA52
2B121CA02
2B121CA15
2B121CC02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】玄関の外側の把手、勝手口の外側の把手、ベランダや軒下の物干し竿、屋内の窓際のカーテンレールなどに吊すなどして使用するときに、取り付ける把手等が太い場合などにおいて、容器本体が大きく傾いて見た目が不格好とならないだけなく、害虫による屋内への侵入を十分に防ぐことができる害虫駆除具用容器を提供する。
【解決手段】揮散性の害虫駆除剤が含浸された薬剤保持体を収容する容器本体1と、容器本体1に設けられた本体側係止部2と、一端側にて容器本体1に取設され、他端側にて本体係止部2と係止する支持部側係止部31を有する支持部3を備え、支持部3が弾性樹脂からなる害虫駆除具用容器。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮散性の害虫駆除剤が含浸された薬剤保持体(S)を収容する容器本体(1)と、
前記容器本体(1)に設けられた本体側係止部(2)と、
一端側にて前記容器本体(1)に取設され、他端側にて前記本体係止部(2)と係止する支持部側係止部(31)を有する支持部(3)を備え、
前記支持部(3)が弾性樹脂からなることを特徴とする害虫駆除具用容器。
【請求項2】
前記弾性樹脂が、熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の害虫駆除具用容器。
【請求項3】
前記本体側係止部(2)が係止孔(2a)又は係止突部(2b)であって、支持部側係止部(31)が、前記係止孔(2a)に挿通され前記係止孔(2a)の径より大きい係止体(31a)又は前記係止突部(2b)を挿通し前記係止突部(2b)の径より小さい挿通孔(31b)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の害虫駆除具用容器。
【請求項4】
前記支持部側係止部(31)において、前記係止体(31a)又は前記挿通孔(31b)が所定間隔で複数設けられていることを特徴とする請求項3に記載の害虫駆除具用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蚊、アブ、ブユ等の害虫を寄せ付けないように又は死滅させるための害虫駆除具に用いられる容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蚊、アブ、ブユ等の害虫を寄せ付けないように又は死滅させるために、揮散性の害虫駆除剤が含浸された薬剤保持体を容器に収容して、玄関の外側の把手、勝手口の外側の把手、ベランダや軒下の物干し竿、屋内の窓際のカーテンレールなどに吊すなどして使用されている。
【0003】
このような害虫駆除具には、容器本体に風を通す貫通孔が穿設されており、その貫通孔を通り抜ける風が揮散性の害虫駆除剤を飛散させることによって、周囲の害虫が屋内に侵入することを防いだり、害虫を死滅させたりしている。
【0004】
例えば、特許文献1において、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリアクリルニトリルなどのプラスチック樹脂をインサート成型することによって作製され、薬剤保持体を収容可能なように枠状に形成され、吊り下げるためのフック部と、害虫駆除剤を揮散させるための複数の開口とを有する防虫用薬剤揮散具用の容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の防虫用薬剤揮散具用の容器は、すべてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの常温では変形しにくい比較的硬いプラスチック樹脂によって作製されているため、玄関の外側の把手、勝手口の外側の把手、ベランダや軒下の物干し竿、屋内の窓際のカーテンレールなどに吊すなどして使用するときに、容器本体を繋ぎとめる支持部材も変形しにくいことから、取り付ける把手等が太いと容器本体が大きく傾いて見た目が不格好なだけなく、害虫による屋内への侵入を十分に防げず、また、風が吹くと容器が揺れることでその支持部材によって取り付けられた箇所が傷付けられるという課題があった。
【0007】
そこで、本発明では玄関の外側の把手、勝手口の外側の把手、ベランダや軒下の物干し竿、屋内の窓際のカーテンレールなどに吊すなどして使用するときに、取り付ける把手等が太い場合などにおいて、容器本体が大きく傾いて見た目が不格好とならないだけなく、害虫による屋内への侵入を十分に防ぐことができ、また、風が吹いても取り付けられた箇所が傷付けられない害虫駆除具用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
〔1〕すなわち、本発明は、揮散性の害虫駆除剤が含浸された薬剤保持体(S)を収容する容器本体(1)と、前記容器本体(1)に設けられた本体側係止部(2)と、一端側にて前記容器本体(1)に取設され、他端側にて前記本体係止部(2)と係止する支持部側係止部(31)を有する支持部(3)を備え、前記支持部(3)が弾性樹脂からなることを特徴とする害虫駆除具用容器である。
【0009】
〔2〕そして、前記弾性樹脂が、熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の害虫駆除具用容器である。
【0010】
〔3〕そして、前記本体側係止部(2)が係止孔(2a)又は係止突部(2b)であって、支持部側係止部(31)が、前記係止孔(2a)に挿通され前記係止孔(2a)の径より大きい係止体(31a)又は前記係止突部(2b)を挿通し前記係止突部(2b)の径より小さい挿通孔(31b)であることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の害虫駆除具用容器である。
【0011】
〔4〕そして、前記支持部側係止部(31)において、前記係止体(31a)又は前記挿通孔(31b)が所定間隔で複数設けられていることを特徴とする前記〔3〕に記載の害虫駆除具用容器である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、玄関の外側の把手、勝手口の外側の把手、ベランダや軒下の物干し竿、屋内の窓際のカーテンレールなどに吊すなどして使用するときに、支持部が弾性変形することにより、取り付ける把手等が太くとも容器本体が大きく傾くことなく見た目が不格好とならないだけなく、容器本体が屋内側に近づくことで害虫による屋内への侵入を十分に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の害虫駆除具用容器の第一実施形態において、係止孔(2a)と係止体(31a)が係止している状態を示す正面図である。
【
図2】本発明の害虫駆除具用容器の第一実施形態において、係止孔(2a)と係止体(31a)が係止していない状態を示す背面図である。
【
図3】本発明の害虫駆除具用容器の第一実施形態において、係止孔(2a)と係止体(31a)が係止している状態を示すA-A線断面図である。
【
図4】(a)本発明の害虫駆除具用容器の第二実施形態において、係止突部(2b)と挿通孔(31b)が係止している状態を示す正面図である。(b)本発明の害虫駆除具用容器の第二実施形態において、係止突部(2b)と挿通孔(31b)が係止している状態を示す右側面図である。
【
図5】本発明の害虫駆除具用容器の第二実施形態において、係止突部(2b)と挿通孔(31b)が係止している状態を示すB-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の害虫駆除具用容器に関する実施形態について詳しく説明する。なお、説明中における範囲を示す表記「~」のある場合は、上限と下限を包含するものである。
【0015】
〔第一実施形態〕
本実施形態の害虫駆除具用容器は、容器本体1、本体側係止部2、支持部3などから構成されており、少なくとも支持部3は弾性樹脂によって形成されている。
【0016】
容器本体1は、揮散性の害虫駆除剤が含浸された薬剤保持体Sを収容する部材である。容器本体1は、中空の略板状又は枠状の形状を有しており、その内部の空間に薬剤保持体Sを収容する。本実施形態において、
図1から
図3に示すように、容器本体1は、矩形状で薄板様の形状を有しており、そのうちの一面である表面1Aには、容器本体1の外形より一回り小さな開口である第1開口部11が穿設されており、その裏面1Bには、円形状の小さな開口である第2開口部12が格子状に複数配設されている。容器本体1は、本実施形態において、矩形状であるが、他の実施形態において、三角形、五角形、六角形などの他の多角形や、円形、楕円形など曲線からなる形状とすることもできる。また、第2開口部12は、本実施形態において、円形状であるが、他の実施形態において、三角形、四角形、五角形、六角形などの他の多角形や、楕円形など他の曲線からなる形状とすることもできる。
【0017】
そして、
図3に示すように、薬剤保持体Sは、容器本体1の第1開口部11からを挿入されて容器本体1の内部の空間に収容される。これにより、容器本体1と薬剤保持体Sが一体として、害虫駆除具として使用される。また、他の実施形態において、容器本体1の表面1A及び裏面1Bを囲む外周面の内側に、薬剤保持体Sの外縁を嵌合させる窪みである溝を設けることができる。また、本実施形態において、薬剤保持体Sを容器本体1の内部に嵌合させているが、他の実施形態において、
図3の容器本体1を、後述する第二実施形態のように表面1A側と裏面1B側に中央近傍で分離可能なものとし、薬剤保持体Sをそれらの間に挟んでから一体の容器本体1として形成することで容器本体1に挟持させて内包させることもできる。
【0018】
本体側係止部2は、本実施形態において、容器本体1に設けられた部材であり、係止孔2aを有する部材である。本体側係止部2の係止孔2aは、支持部3を挿入することができる貫通孔である。本体側係止部2により、害虫駆除具用容器を扉の把手、物干し竿、カーテンレールなどに吊り下げて取り付けることができる。害虫駆除具用容器を吊り下げたときに、本体側係止部2と支持部3が風により容易に外れないようにするために、本実施形態において、係止孔2aの径が支持部3の係止体31aの直径よりも小さいことが好ましい。このとき、本体側係止部2は、後述する支持部3と同様に弾性樹脂からなり、係止孔2aが拡張し得ることから、支持部3の係止体31aを係止孔2aに挿通することで、本体側係止部2と係止体31aが係止して害虫駆除具用容器を吊り下げた状態とすることができる。そして、害虫駆除具用容器を吊り下げた状態では、本体側係止部2と係止体31aの係止しているために、風による力では外れず、その状態を維持することができる。また、使用者は係止体31aが本体側係止部2と係止している状態から支持部3が容器本体1から離れるようにさらに力を入れると、係止孔2aが拡張することによって、係止体31aが係止孔2aを通り抜けるので本体側係止部2と支持部3との係止は解除され、害虫駆除具用容器を吊り下げた箇所から取り外すことができる。
【0019】
本実施形態において、
図1及び
図2に示すように、本体側係止部2は、容器本体1の表面1A及び裏面1Bを囲む外周面の一部に配設されている。本体側係止部2は、本実施形態では、容器本体1の表面1A及び裏面2Bを囲む外周面の一部に突設されているが、他の実施形態において、容器本体1の一部として、支持部3を挿入することができるように容器本体1の一部を穿設して係止孔2aと同様の機能を有するようにすることもできる。
【0020】
支持部3は、本体側係止部21係止可能な支持部側係止部31である係止体31aと、容器本体1より突設され係止孔2aに挿通可能で基部となる紐状体32aを有する部材である。支持部3において、紐状体32aは線状などの細長い形状を有する部材であり、その一部に係止体31aが設けられている。支持部3は、害虫駆除具用容器を扉の把手、物干し竿、カーテンレールなどに吊り下げて取り付けられたときに、本体側係止部2と係止された支持部3は、容器本体1に取設される一端側から他端側に向かってループ状、リング状などの円弧を形成することによって、支持部3の一部がそれら扉の把手、物干し竿、カーテンレールなどに当接して容器本体1を支持する。
【0021】
本実施形態において、
図1から
図3に示すように、支持部3の基部となる紐状体32aは線状などの細長い形状を有する部材であり、その一部に所定間隔で略球状である係止体31aが複数設けられている。前述したように、支持部3の係止体31aの直径は、係止孔2aの径よりも大きいことが好ましく、より具体的には、支持部3の係止体31aにおける最小となる径が係止孔2aにおける最大となる径よりも大きいことが好ましく、拡張し得る係止孔2aに係止体31aを挿通することで、係止体31aと本体側係止部2が係止して害虫駆除具用容器を扉などに吊り下げた状態とすることができる。また、係止体31aが紐状体32aに所定間隔で複数設けられていることにより、吊り下げる扉、物干し竿などの太さを形状が異なるような部材に対しても円滑に取り付けることができる。
【0022】
係止体31aは、本実施形態において、略球形状であるが、他の実施形態において、係止孔2aへ入れやすいように、少なくとも支持部3を係止孔2aに入れる側、すなわち少なくとも先端側が紡錘状、楕円状など紐状体32aの径と係止体31aの最大径をなだらかに繋ぐ曲面を有する形状とすることもできる。さらに他の実施形態において、係止体31aは、略球状でなく、紐状体32aの先端に略J状などの鉤状として形成することができ、これにより係止孔2aと係止可能なようにすることができる。
【0023】
上述したように、少なくとも支持部3は、弾性樹脂によって形成されている。支持部3を弾性樹脂とすることにより、支持部3の着脱が容易になるだけでなく、支持部3が弾性変形することにより、取り付ける把手等が太い場合などにおいて、容器本体1がその自重により垂れ下がり、容器本体が大きく傾いて見た目が不格好とならないだけなく、容器本体1が垂れ下がることで屋内側に近づいて害虫による屋内への侵入を十分に防ぐことができる。そして、外気に曝される環境に設置されて風が吹いて容器本体1が揺れ動いても、支持部3が弾性変形することにより、取り付けている把手等を傷付けることもない。弾性樹脂としては、熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。支持部3は、それぞれ容器本体1に取り付けられる別部材として形成されていてもよいし、それぞれの根元で繋がっており容器本体1の内部又は外部で容器本体1に取り付けられる一体化された部材として形成されていてもよい。また、容器本体1は、支持部3と同様に弾性樹脂から形成されてよいし、弾性樹脂とは異なりポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑樹脂など、すなわち常温で弾性変形しない樹脂のみから形成されていてもよい。
【0024】
熱可塑性エラストマーは、TPE(Thermo Plastic Elastomer)とも呼ばれ、使用環境によってゴムであったりプラスチックであったりする性質を持つ樹脂であり、弾性などの物性において、20~30℃の常温でゴムとプラスチックの中間的な値を有することからプラスチック様の硬さを有しながらもゴム様の柔軟性及び伸縮性を有している。熱可塑性エラストマーは、ゴムとは異なり架橋構造を有さないために、15~25℃など人間が快適に過ごせる常温よりもずっと高い高温では流動性(可塑性)を持つため、型枠に流し込んだりして、加工・成型が容易でプラスチックと同様の設備で加工することができる。また、熱可塑性エラストマーには、紫外線吸収剤、充填剤や軟化剤、状況に応じて酸化防止剤などが添加されてもよい。熱可塑性エラストマーは、具体的に、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーから選ばれる少なくとも一種であることがより好ましい。また、熱可塑性エラストマーは、弾性を増強するため、或いは剛性を増強するために、他の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂と組みあせて使用することができる。
【0025】
シリコーン樹脂は、結合の主骨格がシロキサン結合と呼ばれるケイ素と酸素が交互に配設された結合を有し、側鎖に有機基を有する化合物であって、20~30℃の常温でゴム様の柔軟性及び伸縮性を有する三次元網状構造を備えた樹脂である。シリコーン樹脂は、耐熱性、耐候性などに優れていることから、特に屋外における用途において好ましい。
【0026】
そして、弾性樹脂を用いることにより、支持部3の破断強度を20~50N(約2~5kgf)とすることが好ましく、支持部3の破断伸び率を100~1000%とすることが好ましく、200~950%とすることがより好ましい。支持部3の強度と伸び率をこのような範囲とすることにより、外気に曝され強風に煽られても破断することなく吊り下げた状態を保持することができ、係止孔2aに支持部3を挿通するときにも破断せず円滑に使用することができる。
【0027】
また、薬剤保持体Sは、害虫を駆除するために容器本体1に収容して使用される。具体的に、薬剤保持体Sとして、害虫駆除剤を含浸させた不織布など多孔質体、害虫駆除剤を混練した樹脂成型体、液状の害虫防除剤が徐放性を有する容器内に収容された液密封体などが使用される。また、その害虫駆除剤として、ピレスロイド系などの汎用されている揮散性の薬効成分を含有する製剤が好ましく、その薬効成分が薬剤保持体Sから徐々に外部に拡散されることで害虫を駆除することができる。
【0028】
〔第二実施形態〕
本実施形態の害虫駆除具用容器は、第一実施形態と同様に、容器本体1、本体側係止部2、支持部3などから構成されており、少なくとも支持部3は弾性樹脂によって形成されている。第二実施形態においては、主として第一実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0029】
容器本体1は、本実施形態において、
図4及び
図5に示すように、矩形状で薄板様の箱形状を有しており、そのうちの一面である表面1A及びその反対側の裏面1Bには、円形状の小さな開口である第2開口部12が格子状に複数配設されている。容器本体1は、本実施形態において、
図5に示すように、おおよそ同形状の部材が中央部で係合してなる。このため、薬剤保持体Sは、分離可能な容器本体1に挟まれるように内包される。
【0030】
本体側係止部2は、本実施形態において、容器本体1に設けられた係止突部2bである。具体的には、
図4及び
図5に示すように、本体側係止部2の係止突部2bは、容器本体1の側面の両方に突設された先端側が張り出した略棒状の部材である。本体側係止部2により、害虫駆除具用容器を扉の把手、物干し竿、カーテンレールなどに吊り下げて取り付けることができる。害虫駆除具用容器を吊り下げたときに、本体側係止部2と支持部3が風により容易に外れないようにするために、本実施形態において、係止突部2bの径が支持部3の挿通孔31bの径よりも大きいことが好ましい。このとき、支持部3は第一実施形態に記載したように弾性樹脂からなり、支持部3の挿通孔31bが拡張し得ることから、本体側係止部2の係止突部2bを挿通孔31bに挿通することで、係止突部2bと支持部3が係止して害虫駆除具用容器を吊り下げた状態とすることができ、風による力では外れず、その状態を維持することができる。また、使用者は係止突部2bが支持部3と係止している状態から支持部3が容器本体1から離れるようにさらに力を入れると、挿通孔31bが拡張することによって、係止突部2bが挿通孔31bを通り抜けるので本体側係止部2と支持部3との係止は解除され、害虫駆除具用容器を吊り下げた箇所から取り外すことができる。
【0031】
支持部3は、本体側係止部21係止可能な支持部側係止部31である挿通孔31bと、挿通孔31bが穿設されている支持部3の基部となる帯状体32bを有する部材である。支持部3において帯状体32bは厚みよりも横幅が広く細長い形状を有する部材であり、その一部に挿通孔31bが所定間隔で複数穿設されている。支持部3は、害虫駆除具用容器を扉の把手、物干し竿、カーテンレールなどに吊り下げて取り付けられたときに、本体側係止部2と係止された支持部3は、容器本体1に取設される一端側から他端側に向かってループ状、リング状などの円弧を形成することによって、支持部3の一部がそれら扉の把手、物干し竿、カーテンレールなどに当接して容器本体1を支持する。
【0032】
また、前述したように、支持部3の挿通孔31bの径は、本体側係止部2の係止突部2bの径よりも小さいことが好ましく、より具体的には、支持部3の挿通孔31bにおける最小となる径が係止突部2bにおける最大となる径よりも小さいことが好ましく、拡張し得る挿通孔31bに係止突部2bを挿通することで、係止突部2bと支持部3が係止して害虫駆除具用容器を扉などに吊り下げた状態とすることができる。また、挿通孔31bが支持部3に所定間隔で複数設けられていることにより、吊り下げる扉、物干し竿などの太さを形状が異なるような部材に対しても円滑に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0033】
1・・・容器本体
1A・・・表面
1B・・・裏面
11・・・第1開口部
12・・・第2開口部
2・・・本体側係止部
2a・・・係止孔
2b・・・係止突起
3・・・支持部
31・・・支持部側係止部
31a・・・係止体31b・・・挿通孔
32a・・・紐状体
32b・・・帯状体