IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゼネラルパッカー株式会社の特許一覧

特開2022-67742連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機
<>
  • 特開-連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機 図1
  • 特開-連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機 図2
  • 特開-連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機 図3
  • 特開-連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機 図4
  • 特開-連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機 図5
  • 特開-連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機 図6
  • 特開-連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機 図7
  • 特開-連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機 図8
  • 特開-連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機 図9
  • 特開-連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機 図10
  • 特開-連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機 図11
  • 特開-連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機 図12
  • 特開-連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機 図13
  • 特開-連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機 図14
  • 特開-連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067742
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/093 20120101AFI20220426BHJP
【FI】
B65B9/093
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176507
(22)【出願日】2020-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000108281
【氏名又は名称】ゼネラルパッカー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】大島 雅志
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA03
3E050CA04
3E050CB03
3E050DB04
3E050DB07
3E050DD03
3E050FA10
3E050FB01
3E050FB08
3E050FC08
3E050FC10
3E050GB02
3E050GB09
3E050GC06
3E050GC07
3E050HA02
3E050HA03
3E050HA07
3E050HB08
3E050JA04
(57)【要約】
【課題】袋張り装置の袋把持部が十分な把持力を有して連包状包装袋のサイドシール部を確実に把持することで、袋口開口工程、被包装物充填工程またはシール工程等を的確に補助することができる連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機を提供する。
【解決手段】袋張り装置20は、連包状包装袋5に所定距離離隔して形成されたサイドシール部3を連包状包装袋5の表裏から挟持する対となる開閉可能な袋把持部25(25a,25b)と、対となる袋把持部25(25a,25b)による連包状包装袋5に対する把持力を保持するための把持力保持機構9を有している。
【選択図】図11

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連包状包装袋のサイドシール部を把持して前記サイドシール部間の離隔距離を変更することで単位包装袋の袋口を開放または閉鎖する袋張り装置であって、該袋張り装置は、前記連包状包装袋に所定距離離隔して形成された前記サイドシール部を前記連包状包装袋の表裏から挟持する対となる開閉可能な袋把持部と、前記対となる袋把持部による前記連包状包装袋に対する把持力を保持するための把持力保持機構を有していることを特徴とする連包状製袋充填包装機における袋張り装置。
【請求項2】
前記把持力保持機構は、前記対となる袋把持部の一方に設けられた第1磁石または磁性体と、前記対となる袋把持部の他方に設けられ前記第1磁石または磁性体に吸着可能な第2磁石または磁性体を有している請求項1に記載の連包状製袋充填包装機における袋張り装置。
【請求項3】
前記把持力保持機構は、前記対となる袋把持部間に設けられ内側に向かって閉じるように付勢された付勢部材を有している請求項1に記載の連包状製袋充填包装機における袋張り装置。
【請求項4】
前記付勢部材は、バネ部材である請求項3に記載の連包状製袋充填包装機における袋張り装置。
【請求項5】
前記連包状製袋充填包装機における袋張り装置は、前記対となる袋把持部を開閉するための袋把持部開閉機構を有し、該袋把持部開閉機構は、前記対となる袋把持部に設けられた開閉操作部と、該開閉操作部を往復動させるための第1往復動部とを有している請求項3または4に記載の連包状製袋充填包装機における袋張り装置。
【請求項6】
前記連包状製袋充填包装機における袋張り装置は、前記対となる袋把持部の開状態を維持するためのロック機構を有している請求項1ないし5のいずれかに記載の連包状製袋充填包装機における袋張り装置。
【請求項7】
前記袋張り装置は、搬送経路と並行するガイドレールと、該ガイドレール上を走行する前記対となる袋把持部を備えた複数個のムーバーと、前記ムーバーと前記ガイドレールの一方に永久磁石を取り付け、他方に電磁石を取り付けて、前記ムーバーをリニア駆動で各個独立して前記ガイドレール上を移動させる駆動手段と、前記ガイドレール上における前記各ムーバーの位置をそれぞれ検知して所定位置に停止させるムーバー位置制御手段を備え、一の前記ムーバーとその直後のムーバーの停止位置を制御して一のサイドシール部とその直後のサイドシール部との間隔を調整することにより、前記単位包装袋の袋口を開放又は閉鎖するように構成されている請求項1ないし6のいずれかにに記載の連包状製袋充填包装機における袋張り装置。
【請求項8】
連包状製袋充填包装機における袋張り装置は、前記対となる袋把持部、前記ムーバーまたは前記ガイドレールを遮蔽するための遮蔽板を有している請求項7に記載の連包状製袋充填包装機における袋張り装置。
【請求項9】
前記請求項1ないし8のいずれかの前記袋張り装置を備えていることを特徴とする連包状製袋充填包装機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連包状製袋充填包装機において製袋工程を経て袋状に形成された連包状包装袋のサイドシール部を把持してサイドシール部間の距離を変更することで袋口を開放または閉鎖する、連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば長尺状フィルムを折り畳んで袋状とした後、所定間隔で両サイドをサイドシールして連包状包装袋を形成し、その連包状包装袋の単位包装袋の袋口を開口して、被包装物の充填および袋口のシール等を行う連包状製袋充填包装機が種々提案されている。
【0003】
この連包状製袋充填包装機においては、製袋工程を経て袋状に形成された連包状包装袋のサイドシール部を把持してサイドシール部間の離隔距離を変更することで袋口を開放または閉鎖し、袋口開口工程、被包装物充填工程またはシール工程等を補助する袋張り装置が使用されている(例えば本件出願人が提案した特願2020-047366号)。
【0004】
この連包状製袋充填包装機における袋張り装置(特願2020-047366号においては袋口開閉装置)は、連包状包装袋に所定距離離隔して形成されたサイドシール部を連包状包装袋の表裏から挟持する対となる開閉可能な袋把持部を複数有しており、袋把持部間の離隔距離を制御することで袋口を開放または閉鎖するように構成されている。
【0005】
ところで、上記袋張り装置を効果的に作用させるためには、対となる袋把持部が確実に連包状包装袋のサイドシール部を把持することが重要である。そして、この問題を解決する手段としては、例えば連包状包装袋の表裏からそれぞれシリンダーで袋把持部を押圧することや、カム機構で対となる袋把持部を加圧することなどが考えられる。
【0006】
しかし、連包状製袋充填包装機においては、袋把持部が周回するため、前者のシリンダーでは構造的に困難であった。また、後者によって、カム機構で袋把持部を加圧しながらのフィルム搬送または袋張り調整は困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特願2020-047366号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の課題は、袋張り装置の袋把持部が十分な把持力を有して連包状包装袋のサイドシール部を確実に把持することで、袋口開口工程、被包装物充填工程またはシール工程等を的確に補助することができる連包状製袋充填包装機における袋張り装置およびそれを備えた連包状製袋充填包装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するものは、連包状包装袋のサイドシール部を把持して前記サイドシール部間の離隔距離を変更することで単位包装袋の袋口を開放または閉鎖する袋張り装置であって、該袋張り装置は、前記連包状包装袋に所定距離離隔して形成された前記サイドシール部を前記連包状包装袋の表裏から挟持する対となる開閉可能な袋把持部と、前記対となる袋把持部による前記連包状包装袋に対する把持力を保持するための把持力保持機構を有していることを特徴とする連包状製袋充填包装機における袋張り装置である。
【0010】
前記把持力保持機構は、前記対となる袋把持部の一方に設けられた第1磁石または磁性体と、前記対となる袋把持部の他方に設けられ前記第1磁石または磁性体に吸着可能な第2磁石または磁性体を有していることが好ましい(請求項2)。前記把持力保持機構は、前記対となる袋把持部間に設けられ内側に向かって閉じるように付勢された付勢部材を有するものであってもよい(請求項3)。前記付勢部材は、バネ部材であることが好ましい(請求項4)。前記連包状製袋充填包装機における袋張り装置は、前記対となる袋把持部を開閉するための袋把持部開閉機構を有し、該袋把持部開閉機構は、前記対となる袋把持部に設けられた開閉操作部と、該開閉操作部を往復動させるための第1往復動部とを有していることが好ましい(請求項5)。前記連包状製袋充填包装機における袋張り装置は、前記対となる袋把持部の開状態を維持するためのロック機構を有していることが好ましい(請求項6)。前記袋張り装置は、搬送経路と並行するガイドレールと、該ガイドレール上を走行する前記対となる袋把持部を備えた複数個のムーバーと、前記ムーバーと前記ガイドレールの一方に永久磁石を取り付け、他方に電磁石を取り付けて、前記ムーバーをリニア駆動で各個独立して前記ガイドレール上を移動させる駆動手段と、前記ガイドレール上における前記各ムーバーの位置をそれぞれ検知して所定位置に停止させるムーバー位置制御手段を備え、一の前記ムーバーとその直後のムーバーの停止位置を制御して一のサイドシール部とその直後のサイドシール部との間隔を調整することにより、前記単位包装袋の袋口を開放又は閉鎖するように構成されていることが好ましい(請求項7)。前記連包状製袋充填包装機における袋張り装置は、前記袋把持部、前記ムーバーまたは前記ガイドレールを遮蔽するための遮蔽板を有していることが好ましい(請求項8)。
【0011】
上記課題を解決するものは、前記請求項1ないし8のいずれかの前記袋張り装置を備えていることを特徴とする連包状製袋充填包装機である(請求項9)。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の連包状製袋充填包装機における袋張り装置によれば、袋張り装置の袋把持部が十分な把持力を有して連包状包装袋のサイドシール部を確実に把持することで、袋口開口工程、被包装物充填工程またはシール工程等を的確に補助することができる。
請求項2に記載の連包状製袋充填包装機における袋張り装置によれば、把持力保持機構を簡素な構造で構成できる。
請求項3に記載の連包状製袋充填包装機における袋張り装置によれば、把持力保持機構を簡素な構造で構成できる。
請求項4に記載の連包状製袋充填包装機における袋張り装置によれば、付勢部材をより簡素な構造で構成できる。
請求項5に記載の連包状製袋充填包装機における袋張り装置によれば、袋把持部を確実かつスムーズに開閉できる。
請求項6に記載の連包状製袋充填包装機における袋張り装置によれば、袋把持部を開いた状態を確実に維持することで開閉動作をより正確に行うことができる。
請求項7に記載の連包状製袋充填包装機における袋張り装置によれば、袋把持部を備えた複数個のムーバーを自在に周回させて単位包装袋の袋口を開放又は閉鎖することができる。
請求項8に記載の連包状製袋充填包装機における袋張り装置によれば、電磁波等を遮断することができる。
請求項9に記載の連包状製袋充填包装機によれば、請求項1ないし3の効果を奏する連包状製袋充填包装機が構成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の連包状製袋充填包装機の一実施例の構成の概略を示すレイアウト図である。
図2図1に示した連包状製袋充填包装機のサイドシールユニットの構成の概略を示す装置側面の説明図である。
図3図1に示した連包状製袋充填包装機の搬送装置及びカッター装置の構成の概略を示す装置正面及び装置側面を含む説明図である。
図4図1に示した連包状製袋充填包装機の袋張り装置の構成の概略を示す装置の一部正面及び装置側面を含む説明図である。
図5図1に示した連包状製袋充填包装機の始端側包装袋送り装置の構成の概略を示す装置正面及び装置側面を含む説明図である。
図6図1に示した連包状製袋充填包装機の充填装置の構成の概略を示す装置側面の説明図である。
図7図1に示した連包状製袋充填包装機の充填ノズル近傍の構成の概略を示す部分拡大断面図である。
図8図1に示した連包状製袋充填包装機のガス置換装置の構成の概略を示す装置側面の説明図である。
図9図1に示した連包状製袋充填包装機の包装工程に係る全体構成の概略を示す説明図である。
図10図1に示した連包状製袋充填包装機の包装工程を構成する各工程の構成の概略を示す説明図である。
図11図1に示した連包状製袋充填包装機における袋張り装置の袋把持部を説明するための説明図である。
図12図1に示した連包状製袋充填包装機のおける袋張り装置の袋把持部の作用を説明するための説明図である。
図13】本発明の連包状製袋充填包装機における袋張り装置の他の実施例および袋把持部の作用を説明するための説明図である。
図14図13に示した連包状製袋充填包装機のおける袋張り装置の袋把持部の作用を説明するための説明図である。
図15図13に示した連包状製袋充填包装機のおける袋張り装置の袋把持部の作用を説明するための説明図である。
【実施例0014】
本発明の連包状製袋充填包装機における袋張り装置の袋把持部を図1ないし図12に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の連包状製袋充填包装機における袋張り装置20は、連包状包装袋5のサイドシール部3を把持してサイドシール3部間の離隔距離を変更することで単位包装袋4の袋口を開放または閉鎖する袋張り装置であって、袋張り装置20は、連包状包装袋5に所定距離離隔して形成されたサイドシール部3を連包状包装袋5の表裏から挟持する対となる開閉可能な袋把持部25(25a,25b)を複数有し、対となる袋把持部25(25a,25b)の一方(袋把持部25a)には第1磁石または磁性体26が設けられ、対となる袋把持部25(25a,25b)の他方(袋把持部25b)には第1磁石または磁性体26に吸着可能な第2磁石または磁性体27が設けられていることを特徴とする連包状製袋充填包装機における袋張り装置である。以下、袋張り装置20およびそれを備えた連包状製袋充填包装機10の各構成について順次詳述する。
【0015】
この実施例の連包状製袋充填包装機10は、図1に示すように、包装袋を供給する給袋装置11と、包装袋を引っ張って搬送する搬送装置12を有し、給袋装置11と搬送装置12間に包装袋が搬送される搬送経路13を有している。直線状に構成された搬送経路13に沿って、包装袋の袋口を開閉する袋張り装置20が配置され、袋張り装置20と搬送経路13が並行している区間には、搬送経路13の上流側から、袋開口装置14、充填装置15およびガス置換装置16が順に配置されている。
【0016】
給袋装置11は、図1に示すように、フィルムローラー30、テンションローラー31、補助プレート32、折り重ねローラー33、サイドシールユニット34とからなり、搬送経路13の始端側に配置されている。
【0017】
フィルムローラー30は、長尺フィルム1が巻かれたフィルムロール2を回動可能に軸支している。これによって、当該フィルムローラー30に軸支されたフィルムロール2から長尺フィルム1を繰り出すことができる。
【0018】
テンションローラー31は、複数個のローラーからなり、繰り出された長尺フィルム1に所定のテンションをかけて、シワを伸ばし、補助プレート32に対して所定の範囲内で長尺フィルム1の幅方向にズレが生じないように長尺フィルム1を送り出すように構成されている。
【0019】
補助プレート32は、図9に示すように三角形状に形成されており、底辺が長尺フィルム1の幅方向に沿った底辺と、折り重ねローラー33間下方を指向して長尺フィルム1の搬送方向に対して斜め下方を向く頂点を有している。これによって、補助プレート32下面に沿って繰り出された長尺フィルム1は、対向配置された一対の折り重ねローラー33間を通ったとき、幅方向中心が補助プレート32によって押し下げられ、幅方向に谷折りで二つに折り重ねられる。
【0020】
サイドシールユニット34は、図2に示すように、シリンダー35と、一対のシーラー36a,36bと、当該シーラー36a,36bとシリンダー35をロッド38a,38b,38cを介して接続するリンクプレート37を有している。当該シーラー36a,36bは、シリンダー35に接続されたロッド38cが押し下げられたとき、リンクプレート37とロッド38aが一方のシーラー36aを引っ張り、リンクプレート37とロッド38bが他方のシーラー36bを押して、相対するシーラー36a,36bを開放するように構成されている。
【0021】
そして、シリンダー35に接続されたロッド38cが引っ張り上げられたとき、リンクプレート37とロッド38aが一方のシーラー36aを押し、リンクプレート37とロッド38bが他方のシーラー36bを引っ張って、相対するシーラー36a,36bを閉鎖するように構成されている。シーラー36a,36bが閉鎖されたとき、当該シーラー36a,36bは、折り重ねローラー33を通過した長尺フィルム1を搬送方向に沿って所定の間隔で挟み込んでヒートシールするように形成されている。これによって、長尺フィルム1を所定の間隔で区画するサイドシール部3を順次形成することができる。
【0022】
サイドシールユニット34は、図1に示すように、長尺フィルム1の搬送方向に沿って設けられた第1ベースフレーム39に所定の間隔で等間隔に複数台を設置可能に構成されている。本実施例において、サイドシールユニット34は、所定の間隔で等間隔に4台配置されている。一のサイドシールユニット34と他のサイドシールユニット34との距離は自在に設定することができ、これによって、サイドシールユニット34を第1ベースフレーム39の長さに係る所定の範囲内において、所定の間隔で等間隔自在に配置することができる。
【0023】
このように、長尺フィルム1は、シーラー36a,36bがヒートシール処理を施した隣り合うサイドシール部3,3間に上端開口部(袋口)を有する単位包装袋4が連続して形成される。すなわち、給袋装置11は、長尺フィルム1から、サイドシール部3を介して連続する単位包装袋4を有する連包状包装袋5を形成して、搬送経路13へ送り出すように構成されている。
【0024】
搬送経路13の終端側には、図1に示すように、連包状包装袋5を引っ張って搬送する搬送装置12が配置されている。搬送装置12は、図3に示すように、開閉自在な第1グリップ40を有し、搬送方向に沿って設けられた第2ベースフレーム41にサーボモータ(図示略)によって往復移動可能に取り付けられている。
【0025】
第2ベースフレーム41の終端側下方には、図3に示すように、湾曲した面を備え、連包状包装袋5が滑り落ちる搬出滑り台42が設置されており、当該搬出滑り台42の上方には、連包状包装袋5を振り分け可能に軸支された振り分け器43が設けられ、搬出滑り台42の下方には、連包状包装袋5の単位包装袋4を所定の数ごとに切り離してなる袋製品を搬出する搬出コンベア44が設置されている。
【0026】
第1グリップ40は、連包状包装袋5の上端近傍の所定位置を把持可能に構成されている。第1グリップ40が連包状包装袋5の単位包装袋4の上端を把持したとき、搬送装置12は、第2ベースフレーム41上を終端側に向って滑動する。これによって、連包状包装袋5は、搬送方向に沿って引っ張られて搬送され、所定数の単位包装袋4が振り分け器43上方に配される。そして、後述する切断カッター装置81がサイドシール部3を切断すると共に、第1グリップ40が連包状包装袋5を放すと、当該連包状包装袋から所定数の単位包装袋4を切り離してなる袋製品が振り分け器43上に落下し、搬出滑り台42を滑り落ちて搬出コンベア44によって搬出される。
【0027】
第1グリップ40が連包状包装袋5を放した後、搬送装置12は、第2ベースフレーム41上を始端側に向って滑動し、初期位置に戻るように構成されている。これによって、第1グリップ40は、次の連包状包装袋5の単位包装袋4の上端を把持することができる。ここで、本実施例に係る搬送装置12は、第2ベースフレーム41を滑動する距離を調節制御することによって、袋製品に含まれる単位包装袋4が一つの単包製品から、3つの3連包製品まで自在に設定することができるように構成されている。
【0028】
なお、上記した本実施例の搬送装置12に替えて、連包状包装袋5を巻き取るドラムを備えた巻取装置を用いて、搬送経路13の終端側で連包状包装袋5を引っ張って搬送しながら巻き取るようにしても良い。また、搬出装置12の近傍には、図3に示すように、連包状包装袋5を所定数の単位包装袋4毎にサイドシール部3を切り離す切断カッター装置81および単位包装袋4を容易に切り離すことができるようにサイドシール部3へ点線状のミシン目からなる切り取り線加工を施す複数台のミシン目カッター装置80が設置されているが、これらの各装置については後述する。
【0029】
搬出経路13近傍には、図1に示すように、当該搬出経路13に沿って袋張り装置20が並行して配置されている。
袋張り装置20は、ガイドレール21を有している。ガイドレール21は、一対の直線レールユニット21a,21bと、一対の半円レールユニット21c,21dとからなる周回軌道に構成されている。ガイドレール21上には、複数個のムーバー22が周回軌道に沿って走行自在に配置されている。
【0030】
ここで、搬送経路13近傍に配されている一方の直線レールユニット21aを、ムーバー22が搬送方向に沿って走行する往路とする。往路(直線レールユニット)21aの終端には一方の半円レールユニット21cの一端が接続され、当該半円レールユニット21cの他端は、往路21aと並行する他方の直線レールユニット21bからなる復路に接続されている。また、復路21bの終端には、往路21aの始端と接続された他方の半円レールユニット21dが接続されている。これによって、搬送経路13と並行する往路21a上で動作するムーバー22は、往路21a終端から一方の半円レールユニット21c、復路21b、他方の半円レールユニット21dと周回軌道に沿って走行して、往路21a始端へ帰還するように形成されている。
【0031】
ガイドレール21は、図4に示すように、基台23にブラケット24を介して取り付けられている。ガイドレール21は、ブラケット24に対して上下移動可能に構成されている。これによって、ガイドレール21は、搬送経路13に対して相対的に遠近自在に上下移動するように構成されている。そのため、連包状包装袋5に係る長尺フィルム1の幅を変更して、連包状包装袋5の高さを高くしたり、また低くした場合であっても、ガイドレール21を上下方向へ移動させて調整することによって、連包状包装袋5に対してムーバー22の位置を容易に対応させることができる。
【0032】
なお、本実施例においてはガイドレール21を上下移動可能に構成したが、これに限定されるものではなく、ブラケット24を基台23に対して上下移動可能に構成して、搬送経路13に対してガイドレール21を遠近自在にしても良い。
【0033】
ムーバー22は、図11または図12に示すように、開閉可能な袋把持部25を有している。袋把持部25は、往路21a上で、搬送経路13上を搬送される連包状包装袋5のサイドシール部3を把持可能に構成されている。
【0034】
具体的には、袋把持部25は、連包状包装袋5に所定距離離隔して形成されたサイドシール部3を連包状包装袋5の表裏から挟持する対となる開閉可能な袋把持部25a,25bを有すると共に、袋把持部25a,25bによる連包状包装袋5に対する把持力を保持するための把持力保持機構9を有している。この実施例の把持力保持機構9は、対となる袋把持部25の一方(袋把持部25a)に設けられた第1磁石または磁性体26と、対となる袋把持部25の他方(袋把持部)25bに設けられ第1磁石または磁性体26に吸着可能な第2磁石または磁性体27を有している。
【0035】
この実施例の袋把持部25(対となる袋把持部25a,25b)は、それぞれ揺動支点7を軸として回動可能に構成され、図12の状態(開状態)では、対となる袋把持部25a,25bは、それぞれ図中、水平方向に延在する。他方、図11の状態(閉状態)では、対となる袋把持部25a,25bは、それぞれ図中、垂直方向に向かって起立し、連包状包装袋5に所定距離離隔して形成されたサイドシール部3を把持するように構成されている。
【0036】
また、対となる袋把持部25a,25bは、それぞれ図11の状態(閉状態)に示すように、内側にゴム製の挟持体28,29を有し、挟持体28,29は、それぞれ下部に第1磁石または磁性体26、または第2磁石または磁性体27を有している。そして、図11の状態(閉状態)では、対となる袋把持部25a,25bは、連包状包装袋5に所定距離離隔して形成されたサイドシール部3を挟持体28,29の内面で挟持して把持するように構成されている。このとき、第1磁石または磁性体26または第2磁石または磁性体27は、挟持体28,29の下部において吸引または吸着して挟持体28,29間の挟持力(把持力)を高めるように作用する。これにより、本発明の袋張り装置の袋把持部は、必要かつ十分な把持力を保持して連包状包装袋のサイドシール部を確実に把持することができ、袋口開口工程、被包装物充填工程またはシール工程等を的確に補助することができるように構成されている。
【0037】
なお、第1磁石または磁性体26としては、永久磁石、通電時のみ磁石となる電磁石または強磁性体が好適に使用され、第2磁石または磁性体27としても、永久磁石、通電時のみ磁石となる電磁石または強磁性体が好適に使用される。なお、第2磁石または磁性体27は、第1磁石または磁性体26に吸着または吸引可能であることが必要であるため、第1磁石または磁性体26が磁石であれば、第2磁石または磁性体57は磁石でも磁性体でもよいが、第1磁石または磁性体26が磁性体である場合は、第2磁石または磁性体27は磁石であることが必要である。好ましくは、第1磁石または磁性体26、および第2磁石または磁性体27は共に永久磁石などの磁石であることが好ましい。
【0038】
また、第1磁石または磁性体26と第2磁石または磁性体27から発生する磁界が両者以外に影響を与えたり、電磁波が外部に漏出することを防止するために、第1磁石または磁性体26と第2磁石または磁性体27の周囲、袋把持部25の周囲、ムーバー22の周囲またはガイドレールの周囲には内部で発生した磁界、電界または電磁波等を遮断する遮蔽板が配されていることが好ましい。この実施例では、図9に示すように、ガイドレール21の周囲に遮蔽板6が配されている。
【0039】
そして、対となる袋把持部25a,25bは、図11または図12に示すように、袋把持部25bが回動操作部8を有し、この回動操作部8が押圧されることにより、リンク機構(図示しない)により同期して開閉動作する袋把持部25a,25bが閉じるように構成されている。具体的には、この実施例では、袋把持部25bの回動操作部8(開閉コロ)が、図11に示すように、上方に向かって押圧されることにより、対となる袋把持部25a,25bが、それぞれ揺動支点7を軸として上方に向かって回動して起立し閉じるように構成されている。
【0040】
そして、袋把持部25は、図1に示すように、往路21a終端で連包状包装袋5を放した後、図9に示すように、一方の半円レールユニット21c上では倒伏して解放状態となる。さらに、袋把持部25は、復路上でムーバー22のベース22aにぶら下がり、復路21b終端から他方の半円レールユニット21d上で、一方の半円レールユニット21c上を走行していたときと同様に、相反して倒伏する解放状態となる。その後、袋把持部25は、往路21a始端で起動して相対して立ち上がり、連包状包装袋5のサイドシール部3を把持するように構成されている。
【0041】
さらに、袋張り装置20は、ムーバー22をガイドレール21に沿って走行させる駆動手段と、当該駆動手段を制御する制御手段を有している。
【0042】
駆動手段は、ムーバー22を各個独立してリニア駆動するように構成されている。リニア駆動は、ガイドレール21とムーバー22の対向面の一方に電磁石を取り付け、他方に永久磁石を取り付けて、電磁石の極性を次々に所定のスイッチング動作で反転切り替えさせたとき、電磁石の磁極が、対向する永久磁石と同極となった場合に、ムーバー22を反発させ、対極となった場合に、ムーバー22を引っ張るようにして、ムーバー22をガイドレール21に沿って駆動させるものである。
【0043】
なお、本実施例では、ガイドレール21に沿って周回軌道の全周に亘って複数個の電磁石が敷設され、ムーバーのベース22a底面に永久磁石が取り付けられている。ガイドレール21上の電磁石の磁極を切り替えることによって、ムーバー22を周回軌道上で自在に駆動させることができる。
【0044】
制御手段は、センサ(図示略)を有し、駆動手段を制御してムーバー22を所定の位置に停止させるように形成されている。当該センサは、ガイドレール21上に配置されている個々のムーバー22の位置を検知可能に形成されている。検知したムーバー22の位置に基づいて、制御手段は、当該ムーバー22をガイドレール21上の所定位置で停止させるか、又は駆動手段によってガイドレール21上を移動させるかを制御している。これによって、一のムーバー22の停止位置と、搬送方向に沿ったその直後のムーバー22の停止位置を制御して、一のムーバー22と、その直後のムーバー22間の距離を制御することができる。すなわち、ムーバー22が有する袋把持部25が連包状包装袋5のサイドシール部3を把持しているので、一のサイドシール部3と、搬送方向に沿った直後のサイドシール部3間の距離を調整することができる。
【0045】
上記のように、給袋装置11と搬送装置12間に連包状包装袋5の搬送経路13が形成される。そして、搬送経路13の始端側で給袋装置11の下流側には、始端側包装袋送り装置50が配置されている。
【0046】
始端側包装袋送り装置50は、図5に示すように、搬送方向に対して互い違いに配置された3本のローラー51a、51b、51cを有している。連包状包装袋5は、図5に示すように、互い違いに配置された当該ローラー51a,51b,51cの間を通過するように構成されている。これらのローラー51a,51b,51cを搬送方向に沿った同一直線上へ近づけるように移動させることによって、連包状包装袋5により強くテンションがかかり、搬送方向に沿った同一直線上から離すことによって、連包状包装袋5に係るテンションを緩めることができる。このようにローラーの位置を調整することによって、連包状包装袋には適切なテンションがかけられると共に、ローラーが回転することによって、連包状包装袋5を搬送方向に沿って送り出すことができる。
【0047】
一方、搬送経路13の終端側で搬送装置12の上流側には、終端側包装袋送り装置55が配置されている。この終端側包装袋送り装置55は、図1に示すように、搬送方向に沿って両側から連包状包装袋を挟み込む一対のローラーからなる。終端側包装袋送り装置55は、搬送装置12の第1グリップ40が連包状包装袋5を放したとき、または切断カッター装置81が連包状包装袋5を切り離したとき、すなわち、搬送経路13終端で、連包状包装袋5を引っ張るテンションが抜けたときに、連包状包装袋5を保持すると共に、テンションが抜けた連包状包装袋5へシワが寄ることを防止することができる。また、ローラーが連包状包装袋5を挟み込んでいることから、終端側包装袋送り装置55と始端側包装袋送り装置50との間に張架されている連包状包装袋5を、始端側包装袋送り装置50と協働して保持することができる。
【0048】
搬送方向に沿って搬送される連包状包装袋5は、図1または図4に示すように、各単位包装袋4間に形成されたサイドシール部3が袋把持部25でそれぞれ把持されている。そして、袋把持部25に係るムーバー22間の距離を調整することによって、連包状包装袋5が有する単位包装袋4が搬送経路13の始端側から終端側に向って移動するとき、当該単位包装袋4の上端開口部(袋口)4aは、搬送経路13上の所定の箇所で開放又は閉鎖するように構成されている。
【0049】
ここで、搬送経路13上の所定の箇所とは、単位包装袋4に対して被包装物を充填して封止し、連包状包装袋5に基づいて袋製品を形成する包装工程に係る処理が行われる箇所であって、当該包装工程に係る各種装置が設置されている箇所である。この各種装置は、搬送経路13の上流側から袋開口装置14、充填装置15、ガス置換装置16、シール装置17、カッター装置18である。
【0050】
袋開口装置14は、図1に示すように、搬送経路13に沿って2台一組で移動可能なガイドユニットを有している。これによって、袋開口装置14は、連包状包装袋5の単位包装袋4の上端開口部4aを二つずつ開口することができる。ガイドユニットは、先端部が接離自在に形成された一対の案内ヘラ60を有している。単位包装袋4の上端開口部4aへ差し込まれた案内ヘラ60を相反して離隔させることによって、単位包装袋4の上端開口部4aを開口させることができる。上端開口部4aを開口させるとき、当該上端開口部4aを開けやすくするため、搬送方向に沿って往路21aを移動する一のムーバー22とその直後のムーバー22間の距離は、袋開口装置14と並行する箇所では、連包状包装袋5が給袋装置11から搬送経路13へ給袋された直後より短くなるように構成されている。
【0051】
袋開口装置14は、図1に示すように、搬送経路13に沿った開口経路61aを含む所定の第1循環経路61を有している。第1循環経路61は、搬送方向に沿った上流側の初期位置からガイドユニットを降下させて、単位包装袋4の上端開口部4aへ案内ヘラ60を差し込む経路と、搬送方向に沿って案内ヘラ60を移動させながら、当該案内ヘラの先端部を相反して離隔させる開口経路61aと、開口経路61a終端でガイドユニットを上昇させて上端開口部4aから案内ヘラ60を引き抜き、ガイドユニットを初期位置に戻す経路からなる。2台一組でガイドユニットを移動させることによって、連包状包装袋5の単位包装袋4を2つずつ開口させることができる。なお、本実施例では、2台一組のガイドユニットを二組分4台図示したがこれに限定されるものではなく、6台乃至8台設置するようにしても良い。これによって、ガイドユニットを第1循環経路61に沿って循環させて、単位包装袋4の上端開口部4aを開口する開口工程を効率よく行うことができる。
【0052】
充填装置15は、図1に示すように、搬送経路13と並行して2台並べて配置され、搬送方向に沿って移動してきた二つの単位包装袋4に対して被包装物を充填するように形成されている。単位包装袋4へ被包装物を充填させるとき、上端開口部4aを大きく開いて被包装物を充填しやすくするため、搬送方向に沿って往路21a上を移動する一のムーバー22とその直後のムーバー22間の距離は、充填装置15と並行する箇所では、袋開口装置14と並行する箇所よりも短くなるように構成されている。これによって、上端開口部4aを大きく開口させることができる。
【0053】
充填装置15は、図6に示すように、単位包装袋4へ被包装物を充填する充填ノズル65と、充填ノズル65に被包装物を供給する充填ジョウゴ66と、被包装物を充填した単位包装袋4を脱気する脱気ユニット67とからなる。本実施例に係る被包装物は、たとえば、小麦粉、ペットフードのような粉粒体状のものであるが、これに限定されず、たとえば、削り節のようなものであっても良い。
【0054】
充填装置15の上方には、図6に示すように、被包装物が貯められたストッカー68が配置されている。ストッカー68は、被包装物を充填装置へ注ぐロングノズル68aを有している。ロングノズル68aは、上端から下端に向って漸次縮径するジョウゴを複数個連接させて形成されている。ロングノズル68aは、先端にシャッター68bが開閉可能に取り付けられ、当該先端下方には充填ジョウゴ65が配置されている。これによって、ロングノズル68a上方のストッカー68から供給された被包装物はロングノズル68aの内側を滑り落ちて、先端部へ集積される。シャッター68bは、搬送方向に沿った単位包装袋4の移動と同期した所定の周期で開閉するように形成されている。これによって、ストッカー68からロングノズル68aを介して単位包装袋4へ収納する所定量の被包装物を充填ジョウゴ65へ供給することができる。
【0055】
充填ジョウゴ66は、図6に示すように、上端から下端に向って漸次縮径するように形成されている。これによって、内側面を滑り落ちた被包装物を充填ノズル65へ供給することができる。充填ジョウゴ66の下端は、充填ノズル65上端に連接している。
【0056】
充填ノズル65は、図6に示すように、充填ジョウゴ66に連接して縦方向に配置された筒体状のノズル本体65aを有している。当該ノズル本体65aは、側面部に筒体状の袖部65bが連通し、下端部近傍には、図7に示すように、複数個の小さな穴66cが開けられている。充填ジョウゴ66と充填ノズル65は、図6に示すように、上下動可能に構成されている。これによって、被包装物を単位包装袋4へ充填するとき、当該ノズル本体65aの下端部近傍を、図7の点線で示すように、当該単位包装袋4内へ挿入することができる。袖部65b先端は、脱気ホース(図示略)の一端が接続され、当該脱気ホースの他端は脱気ポンプ(図示略)に接続されている。これによって、袖部65bを通じて充填ノズル65内と単位包装袋4内を脱気する脱気工程を行うことができる。当該脱気工程は、次に記載する脱気ユニット67による脱気工程と共に行われる。
【0057】
脱気ユニット67は、脱気パイプと、脱気ポンプ(図示略)からなる。脱気パイプは、図7に示すように、アッパーパイプ67aと、当該アッパーパイプ67aと連通するロワーパイプ67bとからなり、ロワーパイプ67b下端は先細り形状のパイプ先端部67cが形成されている。パイプ先端部67cは、先端部近傍に複数個の小さな穴67dが開けられ、パイプ先端部67cは頂部が丸められた略円錐状に形成されている。脱気ユニット67は、図6に示すように、脱気パイプが上下動可能に構成されている。これによって、被包装物を単位包装袋4へ充填するとき、充填ノズル65のノズル本体65aの下端縁部を通過して、図7の点線で示すように、脱気パイプのパイプ先端部67cを、単位包装袋4内の底付近まで押し込むことができる。すなわち、単位包装袋4内の底付近に複数個の小さな穴67dを有するパイプ先端部67cが配置され、単位包装袋4の上端縁近傍に複数個の小さな穴65cを有するノズル本体65a下端部が配置されるように構成されている。さらに、単位包装袋4内に充填した被包装物を、パイプ先端部67cで押し込むことも可能である。
【0058】
アッパーパイプ67aの上端は、上記袖部65bと同様に、脱気ホース(図示略)の一端が接続され、当該脱気ホースの他端は脱気ポンプに接続されている。これによって、脱気パイプ67を通じて単位包装袋4内を脱気する脱気工程を行うことができる。
【0059】
ガス置換装置16は、図1に示すように、搬送方向に沿って充填装置15の下流側に2台一組で動作するように配置されている。単位包装袋4内をガス置換装置16でガス置換するとき、上端開口部4aを絞り込んで不活性ガスが漏れ出ることを防止するため、搬送方向に沿って往路21a上を移動する一のムーバー22とその直後のムーバー22間の距離は、ガス置換装置16と並行する箇所では、充填装置15と並行する箇所よりも長く、上端開口部4aがやや閉鎖されるように構成されている。
【0060】
ガス置換装置16は、図8に示したガスノズル70と、仮シールユニット74を有している。ガスノズル70は、先端部が単位包装袋へ差し込み可能に形成され、基端部にガスパイプ70aの一端が接続されている。これによって、ガスノズル70は、単位包装袋内へ不活性ガスを充填して、脱気後の単位包装袋内を当該不活性ガスで満たすガス置換を行うことができる。ガスパイプ70aの他端は、図8に示すように、ガス供給ユニット71に接続されている。
【0061】
ガス供給ユニット71は、ガス置換装置16のそれぞれに設置されるガスバルブ71aと、当該ガスバルブ71aとフレキシブルチューブ72aで接続されるガス供給源72とからなる。ガスバルブ71aは逆止弁(図示略)を有している。ガス供給源72は、ガス置換装置16が循環する第2循環経路73の中心部近傍に設置され、ガス置換装置16の循環移動と同期して回転可能に形成されている。ガス供給源72から所定の圧力で不活性ガスを供給することによって、ガスバルブ71aを通じて、ガス置換装置16へ不活性ガスを供給することができる。本実施例に係る不活性ガスは、窒素ガス又は二酸化炭素ガスであるが、これに限定されず被包装物の酸化を防止可能な不活性ガスであれば適宜選択可能である。
【0062】
第2循環経路73は、搬送経路13と並行する置換経路73aを含み、ガス置換装置16が2台一組で移動可能に形成されている。第2循環経路73は、ガス置換装置16の初期位置から、当該ガス置換装置16の降下と共にガスノズル70を単位包装袋4内へ差し込んでセットする経路と、当該経路に始端が連接し、ガスノズル70から単位包装袋4へ不活性ガスが送り込まれる置換経路73aと、当該置換経路73aの終端からガス置換装置16を上昇させて初期位置へ戻す経路とからなる。
【0063】
第2循環経路73上を、図1に示すように2台一組で複数組のガス置換装置16が循環移動している。このように複数台のガス置換装置16を用いることで、十分な時間をかけて単位包装袋4内の空気を不活性ガスへガス置換することができ、単位包装袋4内のガス置換効率を上げることができる。2台一組のガス置換装置16は、置換経路73aを搬送方向に沿った単位包装袋4の移動と同調して移動するように構成されている。これによって、ガス置換装置16が有するガスノズル70は、単位包装袋4の移動に合わせて、所定時間で単位包装袋4内のガス置換を行うことができる。
【0064】
置換経路73aの始端側には、図1に示すように、仮シールユニット74が配置されている。仮シールユニット74は、単位包装袋4の上端開口部4aの両端を搬送方向に沿って前後のサイドシール部3,3から所定範囲をヒートシールするように構成されている。これによって、上端開口部4aを狭めることができる。そのため、ガス置換装置16の上流側に設けられた充填装置15において、単位包装袋4内を脱気した後、上端開口4aから余計な空気が入り込むことを防止することができ、また、ガス置換工程において余分な不活性ガスが上端開口部4aから漏れ出ることを防止することができる。
【0065】
置換経路73aの終端近傍には、図1に示すように、シール装置17が配置されている。シール装置17は、対向配置された一対のシーラーを有し、連包状包装袋5の上端縁部をヒートシール可能に構成されている。これによって、シール装置17は、連包状包装袋5の上端縁部に含まれ、仮シールされた上端開口部4aをヒートシールすることができ、単位包装袋4を封止することができる。シール装置17が連包状包装袋5の上端縁部をヒートシールするとき、シワが寄ってシール不良となることを防止するため、シール装置17と搬送経路13が並行する箇所では、少なくとも連包状包装袋5の上端縁部をピンと張ることができるように、搬送方向に沿って往路21a上を移動する一のムーバー22とその直後のムーバー22間の距離が、ガス置換装置16が搬送経路13と並行する箇所よりも長くなるように構成されている。
【0066】
シール装置17が連包状包装袋5の上端縁部をヒートシールした後、図1に示すように、ムーバー22が有する袋把持部25は相反して拡開し、サイドシール部3を離すように構成されている。ムーバー22から解放された連包状包装袋5は、搬送装置12で搬送方向に沿って引っ張られる。
【0067】
搬送方向に沿って、シール装置17の下流側で搬送装置12の上流側には、図1に示すように、カッター装置18が配置されている。カッター装置18は、図3に示すように、ミシン目カッター装置80と切断カッター装置81とからなる。搬送方向に沿ってカッター装置18の上流側には、図3に示すように、連包状包装袋5のサイドシール部3を検知するマークセンサ82が設けられている。マークセンサ82がサイドシール部3,3間の距離を計測することによって、カッター装置18は、サイドシール部3に対して、ミシン目または切断加工することができる。
【0068】
ミシン目カッター装置80は、図3に示すように、鋸歯状のミシン目刃部83と、当該ミシン目刃部83に対向配置された刃当て部84を有している。ミシン目刃部83と刃当て部84は、搬送方向に沿って移動する連包状包装袋5のサイドシール部3に対して互いに接離可能に構成されている。ミシン目刃部83と刃当て部84がサイドシール部3を挟んで当接したとき、サイドシール部3には点線状のミシン目を形成することができる。これによって、連包状包装袋5から単位包装袋4を一つずつ切り離しやすくすることができる。また、ミシン目カッター装置80がサイドシール部3にミシン目を形成するとき、ヒートシールした連包状包装袋5の上端縁部のやや下方のサイドシール部3へ切れ込みを入れるようにしても良い。これによって、当該切れ込みは、単位包装袋4を一つずつ切り離したとき、袋を開ける時にサイドシール部3を破るきっかけとすることができる。このミシン目カッター装置80は、図3に示すように、2台一組で動作し、搬送方向に沿って単位包装袋4の前後サイドシール部3,3に対して同時にミシン目を設けるように構成されている。
【0069】
切断カッター装置81は、図3に示すように、直刃状の切断刃部85と、当該切断刃部85に対向配置された刃当て部84を有している。切断刃部85と刃当て部84は、搬送方向に沿って移動する連包状包装袋5のサイドシール部3に対して互いに接離可能に構成されている。切断刃部85と刃当て部84がサイドシール部3を挟んで当接したとき、サイドシール部3を切断することができる。これによって、連続した連包状包装袋5から所定数の単位包装袋4を有する袋製品を切り離して形成することができる。形成された袋製品は、下方に落下し、上記した搬出滑り台42を滑り落ちて、搬出コンベア44から搬出される。
【0070】
上記の構成を有する連包状製袋充填包装機10の包装工程について、添付した図面にしたがって以下に説明する。図9は本実施例に係る連包状製袋充填包装機10による包装工程の構成の概略を示した説明図であり、図10は本実施例に係る連包状製袋充填包装機10による包装工程の各処理工程の概略を示した説明図である。
【0071】
連包状製袋充填包装機10では、図9に示すように、搬送方向に沿って上流から下流に向って搬送される長尺フィルム1に対して施す複数の処理工程を組み合わせてなる包装工程100が行われる。当該包装工程100は、図10に示すように、給袋工程101、印字・検査工程102、袋開口工程103、充填工程104、ガス置換工程105、シール工程106、ミシン目付工程107および切断工程108を有している。
【0072】
給袋工程101は、図10の(1)~(5)の処理工程からなる。(1)工程はフィルムロール2から長尺フィルム1が繰り出される繰り出し工程である。(2)工程では、搬送方向に対して長尺フィルムが正しく繰り出されているか調整する処理が行われる。続く(3)工程は、長尺フィルム1を幅方向に谷折りで二つ折りにする折り重ね工程である。
【0073】
折り重ね工程は、長尺フィルム1の幅方向に沿った底辺と、折り重ねローラー33間の下方を指向する頂点を備えた三角形状の補助プレート32を用いて行われる。補助プレート32下面に沿って搬送された長尺フィルム1は、補助プレート32頂点の下流側に配された折り重ねローラー対33,33の間を通過したとき、幅方向に谷折りで二つに折り重ねられる。
【0074】
折り重ね工程に続く(4)工程は、折り重ねた長尺フィルム1を所定の間隔で区画してサイドシール部3を形成すると共に、当該サイドシール部3,3間に単位包装袋4を形成するサイドシール工程である。サイドシールユニット34が長尺フィルム1を挟み込んでヒートシールした後、サイドシール部2が形成された長尺フィルム1はサイドシールユニット34のシーラー36a,36bから解放され冷却される。このように、給袋工程101によって、長尺フィルム1からサイドシール部3で区画され連続した単位包装袋4を有する連包状包装袋5が形成される。
【0075】
印字・検査工程102は、連包状包装袋5の単位包装袋4に対して、たとえば、製造年月日、賞味期限、消費期限等を印字する処理を行う工程と、サイドシール部3の良・不良を検査する処理を行う検査工程からなる。印字・検査工程102を通過した連包状包装袋5は、始端側包装袋送り装置50によって、搬送経路13に送り出される。
【0076】
搬送経路13は、図1に示すように、始端側包装袋送り装置50の下流側で袋張り装置20のガイドレール21と合流するように構成されており、図9に示すように、順次送り出される連包状包装袋5のサイドシール部3をそれぞれ相対するムーバー22が挟み込むので、始端側包装袋送り装置50を通過した連包状包装袋5は、ムーバー22が備える袋把持部25によってサイドシール部3が挟持される。以降の工程では、一のムーバー22と、その直後のムーバー22との距離を調整することによって、単位包装袋4の上端開口部4aが開放又は閉鎖され、上端開口部4aが開放されている場合であっても、処理工程に応じて上端開口部4aの開放度合いが調整される。
【0077】
袋開口工程103は、図9または図10に示すように、単位包装袋の上端開口部を開口する処理を行う工程である。袋開口工程103に差し掛かったとき、一のムーバー22と、その直後のムーバー22との距離は、始端側包装袋送り装置50の直後のムーバー22がサイドシール部3へあてがわれた当初の距離よりも縮められ、上端開口部4aは開けやすくされている。次に、袋開口装置14の案内ヘラ60が上方から上端開口部4aへ差し込まれる。単位包装袋4へ差し込まれた案内ヘラ60は、先端部が相反するように離隔され、上端開口部4aを押し広げる。このとき、一のムーバー22とその直後のムーバー22間の距離をさらに縮めるようにしても良い。これによって、上端開口部4aを大きく拡げることができる。
【0078】
そして、案内ヘラ60は上昇して単位包装袋4から抜かれ、第1循環経路に沿って初期位置へ戻される。一方、一のムーバー22とその直後のムーバー22は、上端開口部4aの開口状態を維持するようにサイドシール部3を保持し、次の充填工程104へ移動する。
【0079】
充填工程104は、図9および図10に示すように、単位包装袋4へ被包装物を充填する処理を行う工程である。一のムーバー22とその直後のムーバー22間の距離は、袋開口工程103で上端開口部4aを押し広げた開口状態で維持されている。まず、充填ノズル65が開口された上端開口部4aへ差し込まれ、ストッカー68のシャッター68bが開いて所定量の被包装物が単位包装袋4内へ充填される。つぎに、充填ノズル65の上方から下方の単位包装袋4に向って脱気ユニットのロワーパイプ67bが押し込まれる。パイプ先端部67cで被包装物を単位包装袋4内へ押し込み充填した後、単位包装袋4内がパイプ先端部67cの小穴67dと充填ノズル65の小穴65cから脱気される。脱気が終了して、ロワーパイプ67bと充填ノズル65が単位包装袋4から引き抜かれると共に、一のムーバー22とその直後のムーバー22間の距離は拡げられて、上端開口部4aが閉鎖される。一のムーバー22とその直後のムーバー22は、上端開口部4aの閉鎖状態を維持するようにサイドシール部3を保持し、次のガス置換工程105へ移動する。
【0080】
ガス置換工程105は、図9および図10に示すように、単位包装袋4内の空気を不活性ガスへガス置換する処理を行う工程である。ガス置換工程105では、図10の(5)工程に示すように、まず、一のムーバー22とその直後のムーバー22によって閉鎖状態が維持された上端開口部4aを仮シールする仮シール工程が行われる。仮シール工程は、一のムーバー22に係る単位包装袋4前方のサイドシール部3と、その直後のムーバー22に係る単位包装袋4後方のサイドシール部3の単位包装袋4の前後両端から上端開口部4a中央に向って所定の範囲をヒートシールする工程である。これによって、上端開口部4aの中央近辺にシールされていない部分が残されるので、仮シール後に一のムーバー22とその直後のムーバー22間の距離を詰めると、上端開口部4a中央近辺に、ガスノズル70を差し込み可能な小さな穴を形成することができる。その後、図の(6)工程に示すように、当該穴にガスノズル70を差し込んで単位包装袋4内を不活性ガスで置換するガス置換処理が行われる。仮シール工程によって、上端開口部4aを絞り込んで小さな穴を形成するようにしたので、ガス置換中に不活性ガスが単位包装袋4内から漏れ出す量を抑制することができる。また、図9に示すように、ガス置換工程105は、搬送経路13と並行する距離が他の処理工程と比べて比較的長く設定したので、他の処理工程よりも時間をかけて単位包装袋4内をガス置換することができる。ガス置換が終了し、単位包装袋4内からガスノズルが抜かれたとき、一のムーバー22とその直後のムーバー22間の距離は離されて、上端開口部4aに形成された小さな穴は閉鎖される。この閉鎖状態を維持して単位包装袋は次のシール工程106へ移動する。
【0081】
シール工程106は、図9および図10に示すように、上端開口部4aをヒートシールして封止する処理を行う工程である。シール工程106が終了したとき、図9に示すように、袋把持部25はサイドシール部3を離すように構成されている。サイドシール部3を離した袋把持部25に係るムーバー22は、図9に示すように、ガイドレール21に沿って周回軌道上をリニア駆動で走行し、始端側包装袋送り装置50から送り出されたサイドシール部3を把持して、次の包装工程に加わるように構成されている。
【0082】
また、図10に示すように、シール工程106で上端開口部4aをヒートシールした後、続いて封止した単位包装袋4内のガス濃度を測定する検査工程が行われる。図10に示すように、ガス濃度測定装置106aは、レーザー式ガス濃度測定装置であって、単位包装袋4内の気体に対して所定帯域のレーザー光を照射して、当該レーザー光の吸光度に基づいて単位包装袋4内の不活性ガスに混入している酸化ガスのガス濃度を測定するものである。これによって、ガス置換が正常に行われたか否かを検知測定することができる。シール工程106を終了した連包状包装袋5は、搬送方向に沿って、次のミシン目付工程107へ移動する。
【0083】
ミシン目付工程107は、図9および図10に示すように、サイドシール部3に点線状のミシン目からなる切り取り線を加工する処理を行う工程である。搬送方向に沿って終端側包装袋送り装置55から送り出された連包状包装袋5のサイドシール部3が、ミシン目カッター装置80のミシン目刃部83と刃当て部84間に位置したとき、ミシン目刃部83と刃当て部84がサイドシール部3を挟み込み、サイドシール部3には、上端開口部4a側から単位包装袋4下方に向って点線状の切り取り線が刻み込まれる。これによって、連包状包装袋5から単位包装袋4を一つずつ切り離しやすくすることができる。
【0084】
上記のミシン目付工程106後、連包状包装袋5の先端部は、図10に示すように、搬送装置12の第1グリップ40で把持され、搬送方向に沿って引っ張られて搬送される。
【0085】
そして、切断工程108は、図9および図10に示すように、搬送装置12が連包状包装袋5の所定の箇所を引っ張って搬送した後、サイドシール部3を切断カッター装置81で切り離す処理を行う工程である。これによって、長尺フィルム1に基づいて連続する連包状包装袋から所定の単位包装袋4を切り離してなる袋製品を形成することができる。本実施例に係る袋製品は、たとえば、単位包装袋4を一つ備えた単包、単位包装袋を2つ備えた2連包、又は単位包装袋を3つ備えた3連包といったものがある。連包状包装袋5から切り離された単包乃至3連包の袋製品は、図9または図1に示すように、搬出滑り台42と搬出コンベア44によって搬出される。このとき、サイドシール部3又は上端開口部4aのシール不良に係る袋製品、或いは先の検査工程で不活性ガスのガス濃度不良に係る袋製品は、振り分け器43で搬出滑り台42外へ廃棄されるように構成されている。
【0086】
なお、図10に示した搬送装置12の第1グリップ40で連包状包装袋5を引っ張って搬送するように構成するのではなく、例えば、巻取芯を取り付けた回転ドラムを有する巻取装置を設け、連包状包装袋5の先端部を巻取芯に巻き付けてから、回転ドラムで連包状包装袋5を引っ張りながら巻き取るようにしても良い。所定数の単位包装袋4を巻き取った後は、切断カッター装置81によってサイドシール部3を切り離すことで袋製品を形成することができる。
【0087】
さらに、図13ないし図15に示した本発明の連包状製袋充填包装機における袋張り装置の他の実施例について説明する。
この実施例の連包状製袋充填包装機のおける袋張り装置110と前述した袋張り装置20との基本的な相違点は、把持力保持機構が磁石ではなく、付勢部材で構成されている点である。
【0088】
具体的には、 ムーバー111は、図13ないし図15に示すように、開閉可能な袋把持部112を有している。袋把持部112は、往路21a上で、搬送経路13上を搬送される連包状包装袋5のサイドシール部3を把持可能に構成されている。
【0089】
袋張り装置110は、連包状包装袋5に所定距離離隔して形成されたサイドシール部3を連包状包装袋5の表裏から挟持する対となる開閉可能な袋把持部112a,112bを有すると共に、対となる袋把持部112a,112bによる連包状包装袋5に対する把持力を保持するための把持力保持機構113を有している。そして、この実施例の把持力保持機構113は、対となる袋把持部112a,112b間に設けられ内側に向かって閉じるように付勢された付勢部材114(バネ部材、引張コイルばね)にて構成されている。
【0090】
この実施例の袋把持部112(対となる袋把持部112a,112b)は、それぞれ揺動支点115を軸として回動可能に構成され、図13または図14の状態(開状態)では、対となる袋把持部112a,112bは、図中V字形に延在する。他方、図15の状態(閉状態)では、対となる袋把持部112a,112bは、それぞれ図中、垂直方向に向かって起立し、連包状包装袋5に所定距離離隔して形成されたサイドシール部3を把持するように構成されている。
【0091】
対となる袋把持部112a,112bは、それぞれ図15の状態(閉状態)に示すように、内側にゴム製の挟持体116,117を有し、図15の状態(閉状態)では、対となる袋把持部112a,112bは、連包状包装袋5に所定距離離隔して形成されたサイドシール部3を挟持体116,117の内面で挟持して把持するように構成されている。そして、このとき、対となる袋把持部112a,112b間に設けられ内側に向かって閉じるように付勢された付勢部材114(バネ部材)は、挟持体116,117の下方において挟持体116,117間の挟持力(把持力)を高めるように作用する。これにより、本発明の袋張り装置の袋把持部は、必要かつ十分な把持力を保持して連包状包装袋のサイドシール部を確実に把持することができ、袋口開口工程、被包装物充填工程またはシール工程等を的確に補助することができるように構成されている。
【0092】
この実施例の前記連包状製袋充填包装機における袋張り装置110は、対となる袋把持部112a,112bを開閉するための袋把持部開閉機構118を有し、この袋把持部開閉機構118は、袋把持部112aに設けられた開閉操作部119と、開閉操作部119を往復動させるための第1往復動部120を有している。対となる袋把持部112a,112bは、図13ないし図15に示すように、この開閉操作部119が第1往復動部120により図13ないし図15中左右方向に往復動されることにより、リンク機構(図示しない)により同期して開閉動作する袋把持部112a,112bが開閉されるように構成されている。
【0093】
具体的には、この実施例の袋把持部開閉機構118は、第1往復動部120が昇降装置122により昇降可能に構成されており、これにより、第1往復動部(シリンダー)120の伸縮ロッド123の先端に設けられた係合片124が昇降可能に構成されている。そして、係合片124が図15に示すように降下して開閉操作部119の開閉コロ121と係合した状態で、第1往復動部120の伸縮ロッド123が伸縮することで、対となる袋把持部112a,112bが開閉するように構成されている。
【0094】
また、連包状製袋充填包装機における袋張り装置110は、対となる袋把持部112a,112bの開状態を維持するためのロック機構125を有している。このロック機構125は、袋把持部112aに設けられた第1係止部126と、上部に設けられ第1係止部126と係合する第2係止部127と、下部に設けられた被押圧部128とを有し回動軸129を軸として回動可能に設けられた回動部材130と、第1係止部126と第2係止部127との係合を解除するために被押圧部128を押圧するための押圧部133を備えた第2往復動部(シリンダー)131とを有している。そして、図13に示すように、第2往復動部(シリンダー)131の伸縮ロッド132が収縮(図中左方向に後退)して、回動部材130の被押圧部128に対する押圧部133の押圧が解除されることにより、回動部材130が回動して第1係止部126と第2係止部127とが係合し、対となる袋把持部112a,112bの開状態がロックされるように構成されている。
【0095】
そして、袋把持部25は、図1に示すように、往路21a終端で連包状包装袋5を放した後、図9に示すように、一方の半円レールユニット21c上では倒伏して解放状態となる。さらに、袋把持部25は、復路上でムーバー22のベース22aにぶら下がり、復路21b終端から他方の半円レールユニット21d上で、一方の半円レールユニット21c上を走行していたときと同様に、相反して倒伏する解放状態となる。その後、袋把持部25は、往路21a始端で起動して相対して立ち上がり、連包状包装袋5のサイドシール部3を把持するように構成されている。
【0096】
具体的には、第1往復動部120、第2往復動部131および昇降装置122は、往路21aの始端付近または往路21aの終端付近にそれぞれ配されており、往路21aの始端では、図14に示すように、対となる袋把持部112a,112bの開状態におけるロックが解除され、往路21aの終端付近では、図13に示すように、対となる袋把持部112a,112bが開状態でロックされるように構成されている。
【0097】
すなわち、往路21aの始端では、対となる袋把持部112a,112bが開状態でロックされた状態(図13の状態)のムーバー111が順次ガイドレール21上を周回してくる。そのため、図14に示すように、まず、昇降装置122によって第1往復部120が下降して係合片124が開閉コロ121に当接する。その後、第2往復動部(シリンダー)131の伸縮ロッド132が伸長(図中右方向に進行)して、押圧部133が回動部材130の被押圧部128を押圧することによって、回動部材130が回動して第1係止部126と第2係止部127とが係合が解除される。つぎに、図15に示すように、第1往復動部(シリンダー)120の伸縮ロッド123が伸長(図中右方向に進行)して、袋把持部112a,112bが閉状態となる。この時、付勢部材114により袋把持部112a,112b間の把持力が保持されて連包状包装袋5のサイドシール部3を把持するように構成されている。この状態で、ムーバー111は各包装行程を経て往路21aの終端付近まで移行する。
【0098】
往路21aの終端付近では、図14に示すように、第1往復動部(シリンダー)120の伸縮ロッド123が収縮(図中左方向に進行)して、袋把持部112a,112bが開状態となる。この状態で、図13に示すように、第2往復動部(シリンダー)131の伸縮ロッド132が収縮(図中左方向に後退)して、回動部材130の被押圧部128に対する押圧部133の押圧が解除されることにより、回動部材130が回動して第1係止部126と第2係止部127とが係合し、対となる袋把持部112a,112bが開状態でロックされる。その後、昇降装置122により第1往復部120が上昇して係合片124と開閉コロ121との当接が解除される。その後、ムーバー111は、ガイドレール21上を往路21aの始端付近に向かって周回するように構成されている。
【0099】
以上のように、この実施例の連包状製袋充填包装機における袋張り装置110では、付勢部材により、袋張り装置の袋把持部が十分な把持力を有して連包状包装袋のサイドシール部を確実に把持することで、袋口開口工程、被包装物充填工程またはシール工程等を的確に補助することができる。また、袋把持部開閉機構により袋把持部を確実かつスムーズに開閉できる。さらに、ロック機構により、袋把持部を開いた状態を確実に維持することで開閉動作をより正確に行うことができるように構成されている。
【符号の説明】
【0100】
1…長尺フィルム、2…フィルムロール、3…サイドシール部、4…単位包装袋、4a…上端開口部、5…連包状包装袋、6…遮蔽板、7…揺動支点、8…回動操作部、9…把持力保持機構、
10…連包状製袋充填包装機、11…給袋装置、12…搬送装置、13…搬送経路、
14…袋開口装置、15…充填装置、16…ガス置換装置、17…シール装置、18…カッター装置、
20…袋張り装置、21…ガイドレール、22…ムーバー、25…対となる袋把持部、26…第1磁石または磁性体、27…第2磁石または磁性体、28…挟持体、29…挟持体、
30…フィルムローラー、31…テンションローラー、32…補助プレート、33…折り重ねローラー、34…サイドシールユニット、
35…シリンダー、36a,36b…シーラー、37…リンクプレート、38a,38b,38c…ロッド、39…第1ベースフレーム、
40…第1グリップ、41…第2ベースフレーム、42…搬出滑り台、43…振り分け器、44…搬出コンベア、
50…始端側包装袋送り装置、55…終端側包装袋送り装置、
60…案内ヘラ、61…第1循環経路、
65…充填ノズル、65a…ノズル本体、65b…袖部、66…充填ジョウゴ、67…脱気ユニット、67a…アッパーパイプ、67b…ロワーパイプ、67c…パイプ先端部、65c,67d…小穴、68…ストッカー、68a…ロングノズル、68b…シャッター、
70…ガスノズル、70a…ガスパイプ、71…ガス供給ユニット、71a…ガスバルブ、72…ガス供給源、72a…フレキシブルチューブ、
73…第2循環経路、73a…置換経路、
74…仮シールユニット、
80…ミシン目カッター装置、81…切断カッター装置、
82…マークセンサ、83…ミシン目刃部、84…刃当て部、85…切断刃部、
110…袋張り装置110、111…ムーバー、112…袋把持部、113…把持力保持機構、114…付勢部材(バネ部材)、115…揺動支点、116,117…挟持体、118…袋把持部開閉機構、119…開閉操作部、120…第1往復動部、121…開閉コロ、122…昇降装置、123…伸縮ロッド、124…係合片、125…ロック機構、126…第1係止部、127…第2係止部、128…被押圧部、129…回動軸、130…回動部材、131…第2往復動部(シリンダー)、132…伸縮ロッド、133…押圧部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15