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特開2022-67763添付文書表示装置、利用者端末、確認システム、添付文書表示方法、確認方法、コンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067763
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】添付文書表示装置、利用者端末、確認システム、添付文書表示方法、確認方法、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20220426BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176535
(22)【出願日】2020-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】小池 俊介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 悟
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 亮憲
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】薬剤師における業務効率を向上することが可能な添付文書表示装置を提供する。
【解決手段】医薬関連物品に添付される添付文書を表す添付文書データのうち、表示する対象の領域を指定する指定情報の入力を受け付ける指定情報入力部と、表示する対象の添付文書データが指定されると、当該指定された添付文書データから前記指定情報に対応する領域を検出する検出部と、検出された領域が表示画面に含まれるように表示部に表示する表示制御部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬関連物品に添付される添付文書を表す添付文書データのうち、表示する対象の領域を指定する指定情報の入力を受け付ける指定情報入力部と、
表示する対象の添付文書データが指定されると、当該指定された添付文書データから前記指定情報に対応する領域を検出する検出部と、
検出された領域が表示画面に含まれるように表示部に表示する表示制御部と、
を有する添付文書表示装置。
【請求項2】
前記指定情報入力部は、前記添付文書データに含まれる複数の項目のうちいずれかの項目が指定されると、指定情報として入力を受け付け、
前記表示制御部は、前記指定情報に対応する項目が表示画面に含まれるように表示部に表示する
請求項1記載の添付文書表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記指定情報に対応する項目に属する本文部分が、表示画面の中央側に位置するように表示する
請求項2記載の添付文書表示装置。
【請求項4】
利用者端末と医師端末とが通信可能に接続される確認システムにおける利用者端末であって、
医薬関連物品に添付される添付文書を表す添付文書データのうち、処方箋に基づいた問い合わせ事項に関連する領域を指定する指定領域の入力を受け付ける指定領域入力部と、
前記指定された領域を含む画像を確認画像として前記処方箋の発行元である医師の医師端末に対して送信する通信部と、
を有する利用者端末。
【請求項5】
利用者端末と医師端末とが通信可能に接続される確認システムであって、
前記利用者端末は、
医薬関連物品に添付される添付文書を表す添付文書データのうち、処方箋に基づいた問い合わせ事項に関連する領域を指定する指定領域の入力を受け付ける指定領域入力部と、
前記指定された領域を含む画像を確認画像として前記処方箋の発行元である医師の医師端末に対して送信する通信部と、を有し、
前記医師端末は、
前記利用者端末から送信される確認画像を表示する表示部と、
を有する確認システム。
【請求項6】
前記利用者端末は、
前記処方箋を撮像して撮像画像を生成する撮像部を有し、
前記通信部は、前記撮像画像と前記確認画像とをともに前記医師端末に送信し、
前記医師端末の表示部は、
前記撮像画像と前記確認画像とをともに表示する
請求項5に記載の確認システム。
【請求項7】
前記利用者端末は、
前記利用者と前記医師とが通話機能を有する通信端末を用いて、当該医師から前記利用者に対して確認したことを示す指示が伝えられたことに応じて、確認済みを示す確認済み情報の入力を受け付ける確認情報入力部、を有し、
前記利用者端末の通信部は、
前記確認済み情報を前記医師端末に送信し、
前記医師端末の表示部は、
前記受信した確認済み情報を表示する
請求項5または請求項6に記載の確認システム。
【請求項8】
指定情報入力部が、医薬関連物品に添付される添付文書を表す添付文書データのうち、表示する対象の領域を指定する指定情報の入力を受け付け、
検出部が、表示する対象の添付文書データが指定されると、当該指定された添付文書データから前記指定情報に対応する領域を検出し、
表示制御部が、検出された領域が表示画面に含まれるように表示部に表示する
添付文書表示方法。
【請求項9】
利用者端末と医師端末とが通信可能に接続される確認システムにおける確認方法であって、
前記利用者端末の指定領域入力部が、医薬関連物品に添付される添付文書を表す添付文書データのうち、処方箋に基づいた問い合わせ事項に関連する領域を指定する指定領域の入力を受け付け、
前記利用者端末の通信部が、前記指定された領域を含む画像を確認画像として前記処方箋の発行元である医師の医師端末に対して送信し、
前記医師端末の表示部は、前記利用者端末から送信される確認画像を表示する
確認方法。
【請求項10】
コンピュータに、
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の添付文書表示装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
請求項4に記載の利用者端末としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、添付文書表示装置、利用者端末、確認システム、添付文書表示方法、確認方法、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品の製造販売業者(製薬メーカ)は、製造した医薬品について添付文書を作成し添付している。添付文書は、医薬品医療機器法に基づいて、医師や薬剤師等に対して必要な情報が記載されている。製薬メーカは、医薬品について審査・承認を得る際、審査機関(例えば、PMDA:独立行政法人医薬品医療機器総合機構)に対して添付文書の提出が義務付けられている。また、製薬メーカは、医薬品に添付文書を同封する必要がある。
下記の示す特許文献1には、添付文書に記載された事項を基に、薬剤師が患者に対して服薬指導をする際に利用する薬剤師支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6730485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、薬剤師は、処方箋に基づく調剤や監査等を行うため、業務が多い。例えば、調剤や監査を行うにあたり、必要に応じて添付文書の内容を確認したり、場合によっては処方箋の内容について医師に疑義照会を行う場合がある。このように、薬剤師にとっては業務が多いため、業務効率を向上できることが望まれる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、薬剤師における業務効率を向上することが可能な添付文書表示装置、利用者端末、確認システム、添付文書表示方法、確認方法、コンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、医薬関連物品に添付される添付文書を表す添付文書データのうち、表示する対象の領域を指定する指定情報の入力を受け付ける指定情報入力部と、表示する対象の添付文書データが指定されると、当該指定された添付文書データから前記指定情報に対応する領域を検出する検出部と、検出された領域が表示画面に含まれるように表示部に表示する表示制御部と、を有する。
【0007】
また、本発明の一態様は、利用者端末と医師端末とが通信可能に接続される確認システムにおける利用者端末であって、医薬関連物品に添付される添付文書を表す添付文書データのうち、処方箋に基づいた問い合わせ事項に関連する領域を指定する指定領域の入力を受け付ける指定領域入力部と、前記指定された領域を含む画像を確認画像として前記処方箋の発行元である医師の医師端末に対して送信する通信部と、を有する。
【0008】
また、本発明の一態様は、利用者端末と医師端末とが通信可能に接続される確認システムであって、前記利用者端末は、医薬関連物品に添付される添付文書を表す添付文書データのうち、処方箋に基づいた問い合わせ事項に関連する領域を指定する指定領域の入力を受け付ける指定領域入力部と、前記指定された領域を含む画像を確認画像として前記処方箋の発行元である医師の医師端末に対して送信する通信部と、を有し、前記医師端末は、前記利用者端末から送信される確認画像を表示する表示部と、を有する確認システムである。
【0009】
また、本発明の一態様は、指定情報入力部が、医薬関連物品に添付される添付文書を表す添付文書データのうち、表示する対象の領域を指定する指定情報の入力を受け付け、検出部が、表示する対象の添付文書データが指定されると、当該指定された添付文書データから前記指定情報に対応する領域を検出し、表示制御部が、検出された領域が表示画面に含まれるように表示部に表示する添付文書表示方法である。
【0010】
また、本発明の一態様は、利用者端末と医師端末とが通信可能に接続される確認システムにおける確認方法であって、前記利用者端末の指定領域入力部が、医薬関連物品に添付される添付文書を表す添付文書データのうち、処方箋に基づいた問い合わせ事項に関連する領域を指定する指定領域の入力を受け付け、前記利用者端末の通信部が、前記指定された領域を含む画像を確認画像として前記処方箋の発行元である医師の医師端末に対して送信し、前記医師端末の表示部は、前記利用者端末から送信される確認画像を表示する確認方法である。
【0011】
また、本発明の一態様は、コンピュータに、添付文書表示装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。
また、本発明の一態様は、コンピュータに、利用者端末としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、この発明によれば、薬剤師における業務効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の一実施形態による添付文書管理システムの構成を示す概略図である。
図2】添付文書管理装置30の機能を説明する概略機能ブロック図である。
図3】管理情報記憶部301に記憶されるデータの一例を示す図である。
図4】端末装置40の機能を説明する概略ブロック図である。
図5】添付文書管理システム1の動作を説明する流れ図である。
図6】端末装置40が添付文書データを表示する動作について説明するフローチャートである。
図7】添付文書データが端末装置40に表示される場合について説明する概念図である。
図8】添付文書管理システム1を適用した確認システム2の構成を示す概念図である。
図9】利用者端末40Aの機能を説明する概略機能ブロック図である。
図10】確認システム2の動作について説明する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態による添付文書管理システムについて図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態による添付文書管理システムの構成を示す概略図である。
添付文書管理システム1は、メーカ端末10、添付文書サーバ20、添付文書管理装置30及び端末装置40がネットワーク50に接続される。
【0015】
メーカ端末10は、添付文書の添付が必要な医薬品や医療機器を提供するメーカによって利用される。添付文書は、用法・用量、使用上の注意、服用した際の効能、副作用などが記載された文書であり、医薬品や医療機器である医薬関連物品に添付が義務づけられている。添付文書は、主に医師や薬剤師等の医療従事者によって利用され、医薬品や医療機器を患者のために安全かつ正しく利用するために用いられる。
メーカ端末10は、キーボードやマウス等の入力装置、各種情報を表示する表示装置、ネットワーク50を介して添付文書サーバ20、添付文書管理装置30と通信を行う通信部を有する。
このメーカ端末10は、1つのみ図示されているが、複数であって、メーカ毎に設けられていてもよい。
【0016】
添付文書サーバ20は、ネットワーク50を介してメーカ端末10、添付文書管理装置30と通信を行う機能を有する。また、添付文書サーバ20は、添付文書の電子データである添付文書データを記憶する記憶装置(添付文書データ記憶部)を有するサーバ装置である。この添付文書サーバ20に記憶される添付文書データは、公開用の添付文書データである。すなわち、医療従事者が医薬品や医療機器についての添付文書を閲覧する場合に、この添付文書サーバ20に記憶された添付文書データが提供される。添付文書は、審査機関に登録が義務付けされているが、この登録された添付文書データを記憶するのが添付文書サーバ20であってもよい。この場合、添付文書サーバ20は、例えば、医薬品や医療機器の審査や承認を行う審査機関によって運用されてもよいし、医療情報システムの運用者等によって運用されてもよい。
添付文書サーバ20に記憶される添付文書データは、任意のデータ形式であってもよいが、例えば、米国アドビシステムズ社が提唱するPDF(Portable Document Format)形式であってもよい。
また、添付文書サーバ20は、メーカ端末10または添付文書管理装置30から添付文書データに対応する版情報を取得した場合には、版情報とともに添付文書データを記憶するようにしてもよい。
【0017】
また、添付文書サーバ20は、医療情報を医療従事者に提供する医療情報システムに構築されていてもよい。この医療情報システムでは、医薬品や医療機器毎に付帯された医薬品識別情報等も記憶している。
【0018】
添付文書管理装置30は、ネットワーク50を介して、メーカ端末10、添付文書サーバ20、端末装置40と通信を行う機能を有する。
【0019】
端末装置40は、医療機関や薬局において、医師や薬剤師等の医療従事者によって利用される。端末装置40は、スマートフォン、タブレット、コンピュータ等のうちいずれであってもよい。端末装置40は、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置、各種情報を表示する表示装置(例えば液晶パネル)、ネットワーク50を介して添付文書サーバ20、添付文書管理装置30と通信を行う通信部を有する。
この端末装置40は、1つのみ図示されているが、複数であって、異なる医療従事者にそれぞれに利用されてもよい。
【0020】
ネットワーク50は、メーカ端末10、添付文書サーバ20、添付文書管理装置30、端末装置40等に接続される。ネットワーク50は、有線の通信網であるが、少なくとも一部に無線の通信区間があってもよい。
【0021】
次に、添付文書管理装置30について説明する。
図2は、添付文書管理装置30の機能を説明する概略機能ブロック図である。
添付文書管理装置30は、管理情報記憶部301、書き込み部302、チェックコード生成部303、判定部304、通信部305、制御部306を含む。
【0022】
管理情報記憶部301は、チェックコードを記憶する。
図3は、管理情報記憶部301に記憶されるデータの一例を示す図である。
管理情報記憶部301は、医薬品を識別する医薬品識別情報、添付文書データ、チェックコード、URL情報、版情報をともに記憶する。
医薬品識別情報は、医薬品や医療機器を個々に識別することが可能な識別情報である。例えば、医薬品識別情報は、医薬品や医療機器を識別するために付与された識別コードであってもよい。この識別コードは、例えば、GS1バーコードであってもよい。このようなバーコードは、一般に、医薬品の容器や医療機器に貼付されたラベルに印字されていたり、医薬品や医療機器が収容された箱に印字されている。
添付文書データは、任意のデータ形式であってもよいが、例えば、米国アドビシステムズ社が提唱するPDF(Portable Document Format)形式であってもよい。
チェックコードは、添付文書データから生成されたチェックコードである。チェックコードは、対象のデータ(添付文書データ)が改ざんされているか否かのチェックをすることができるコードであればよく、例えば、チェックサム、ハッシュ値、MD5(Message Digest Algorithm 5)等であってもよい。この実施形態においては、チェックサムを利用する場合を一例として説明する。
URL情報は、添付文書サーバ20に記憶された添付文書データを所在位置を特定することが可能なURL(uniform resource locator)である。
版情報は、添付文書データが最初に作成されてから何回改訂・更新されたかを表す情報である。
【0023】
書き込み部302は、メーカ端末10から送信される医薬品識別情報と添付文書データとURl情報と版情報を取得して管理情報記憶部301に記憶する。この書き込み部302による書き込みは、メーカによって作成または更新された添付文書データが添付文書サーバ20に登録されるとともに管理情報記憶部301に登録される際に書き込む。すなわち、管理情報記憶部301には、メーカ端末10が作成する最新の添付文書データが記憶される。
【0024】
チェックコード生成部303は、添付文書データからチェックコードを生成する。
チェックコード生成部303は、実行タイミングが到来する毎に、管理情報記憶部301に記憶された添付文書データからチェックコードを生成する。実行タイミングは、一定時間毎(定期的)であってもよいし、添付文書管理装置30のオペレータによって添付文書データのチェックを行うこと指示する操作入力がなされたタイミングであってもよい。
【0025】
チェックコード生成部303は、医薬品メーカ等のメーカ端末10から登録(記憶)される添付文書データからチェックコードを生成する。チェックコード生成部303がチェックコードを生成する対象の添付文書データは、書き込み部302によって管理情報記憶部301に記憶された添付文書データである。チェックコード生成部303がチェックコードを生成する対象の添付文書データは、メーカ端末10から受信したデータであれば、管理情報記憶部301に書き込まれる前の添付文書データであってもよい。
【0026】
チェックコード生成部303がチェックコードを生成する場合としては、2つある。1つは、メーカ端末10から添付文書データが登録された登録時であり、このメーカ端末10から登録された添付文書データを対象としてチェックコードを生成する。登録時において生成されたチェックコードは、管理情報記憶部301に登録され、改ざんがされているか否かを判定する基準となるチェックコード(登録チェックコード)として用いられる。もう1つは、添付文書サーバ20に記憶された添付文書データが改ざんされていないかをチェックする時であり、添付文書サーバ20に所定期間毎にアクセスし、この添付文書サーバ20に記憶された添付文書データを対象としてチェックコードを生成する。チェック時に生成されたチェックコードは、登録時のチェックコードと比較されることで、添付文書サーバ20に記憶された添付文書データが改ざんされていないかをチェックすることができる。
【0027】
判定部304は、添付文書サーバ20に記憶された添付文書データからチェックコード生成部303によって新たなチェックコードが生成されると、当該新たなチェックコードと、新たなチェックコードよりも前に生成され管理情報記憶部301に記憶されたチェックコードとに基づいて、添付文書データ記憶部に記憶された添付文書データが正しいか否かを判定する。
【0028】
通信部305は、端末装置40からチェックコードの送信要求に応じて、管理情報記憶部301に記憶されたチェックコードを読み出して端末装置40に送信する。
通信部305は、端末装置において医薬品に付帯された医薬品識別情報を撮像することで認識された医薬品識別情報とともにチェックコードの送信要求を受けたことに応じて、送信要求された医薬品識別情報に対応するチェックコードを管理情報記憶部から読み出して前記端末装置に送信する。
制御部306は、添付文書データの管理に関する各種情報処理を行う。
【0029】
図4は、端末装置40の機能を説明する概略ブロック図である。
端末装置40は、通信部401、チェックコード生成部402、判定部403、表示部404、撮像部405、制御部406、指定情報入力部407、検出部408、表示制御部409とを含んで構成される。
通信部401は、医薬品メーカによって登録される添付文書データを記憶する添付文書サーバ20の添付文書データ記憶部に記憶された添付文書データを取得する。
チェックコード生成部402は、取得した添付文書データのチェックコードを生成する。
チェックコード生成部402がチェックコードを生成する方式は、添付文書管理装置30のチェックコード生成部303がチェックコードを生成する方式と同じ方式である。
【0030】
判定部403は、添付文書管理装置から送信されるチェックコードと、第2チェックコード生成部が生成したチェックコードとに基づいて、取得された添付文書データが正しいか否かを判定する。判定部403は、添付文書管理装置から送信されるチェックコードと、第2チェックコード生成部が生成したチェックコードとを比較し、一致する場合には、改ざんされていないと判定し、添付文書管理装置から送信されるチェックコードと、第2チェックコード生成部が生成したチェックコードとが一致しない場合には、改ざんされている可能性があるとして判定する。
表示部404は、例えば、表示パネルや表示装置であり、各種情報を表示する。
【0031】
撮像部405は、撮像対象を撮像する。撮像部405は、例えばカメラである。
【0032】
制御部406は、判定部403の判定結果において、取得された添付文書データが改ざんされていないと判定された場合には、表示部404に添付文書データを表示し、取得された添付文書データが改ざんされている可能性があると判定された場合には、表示部404に添付文書データを表示しない。これにより、改ざんされた可能性がある添付文書データが表示されてしまうことを防ぐことができる。
【0033】
指定情報入力部407は、医薬関連物品に添付される添付文書を表す添付文書データのうち、表示する対象の領域を指定する指定情報の入力を受け付ける。
指定情報入力部407は、添付文書データに含まれる複数の項目のうちいずれかの項目が指定されると、指定情報として入力を受け付ける。
【0034】
検出部408は、表示する対象の添付文書データが指定されると、当該指定された添付文書データから指定情報に対応する領域を検出する。
表示制御部409は、検出された領域が表示画面に含まれるように表示部に表示する。この表示制御部409の機能は、制御部406において実現されてもよい。
表示制御部409は、指定情報に対応する項目が表示画面に含まれるように表示部に表示する。
表示制御部409は、指定情報に対応する項目に属する本文部分が、表示画面の中央側に位置するように表示する。
【0035】
上述した管理情報記憶部301や添付文書サーバ20の添付文書データ記憶部は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
この管理情報記憶部301や添付文書サーバ20の添付文書データ記憶部は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0036】
次に、上述した添付文書管理システム1の動作を説明する。図5は、添付文書管理システム1の動作を説明する流れ図である。
医薬品メーカのコード管理担当者は、メーカ端末10の管理画面から操作入力することで、公開する対象の添付文書データを添付文書サーバ20に登録する指示を入力する。メーカ端末10は、この操作指示に応じて、添付文書データを添付文書サーバ20に送信する(ステップS1)。
添付文書サーバ20は、メーカ端末10から送信される添付文書データを受信すると、添付文書データを記憶する(ステップS2)。この登録された添付文書データを閲覧可能なURLを示すURL情報は、医薬品メーカのコード管理担当者が決め、メーカ端末10からの指定に基づいて割り当てられるが、添付文書サーバ20が割り当て、URL情報をメーカ端末10に送信するようにしてもよい。
メーカ端末10は、登録した添付文書データのURL情報と、添付文書サーバ20に送信した添付文書データと同じ添付文書データと、添付文書データを付帯させる対象の医薬品や医療機器の医薬品識別情報とを、添付文書管理装置30に送信する(ステップS3)。
【0037】
添付文書管理装置30の通信部305が、メーカ端末10からURL情報、添付文書データ、医薬品識別情報とを受信すると、書き込み部302は、通信部305が受信したこれらのURL情報、添付文書データ、医薬品識別情報を管理情報記憶部301に書き込む(ステップS4)。次に添付文書管理装置30のチェックコード生成部303は、書き込み部302によって管理情報記憶部301に書き込まれた添付文書データを対象としてチェックコードを生成し(ステップS5)、生成したチェックコードを、添付文書データに対応付けて管理情報記憶部301に書き込む。制御部306は、添付文書データが管理情報記憶部301に書き込まれたことに応じた版情報を生成し(ステップS6)、添付文書データに対応付けて管理情報記憶部301に書き込む。制御部306は、メーカ端末10から受信した医薬品識別情報が既に管理情報記憶部301に記憶されている場合には、既に記憶された版情報をカウントアップすることで版情報を生成し、メーカ端末10から受信した医薬品識別情報が管理情報記憶部301に記憶されていなければ、版情報の初期値(例えば1)を版情報として生成する。制御部306は、添付文書データに版情報が記述されている場合には、その版情報を抽出することで、版情報を生成してもよい。
【0038】
このように添付文書データが登録されると、添付文書データが登録された医薬品や医療機器が、出荷されることで流通する。このような医薬品や医療機器は、医療機関や薬局等において利用される。
【0039】
医療従事者(例えば薬剤師)は、医薬品について添付文書を確認する場合、確認対象の医薬品に付帯されたバーコード(GS1バーコード)を、端末装置40の撮像部405によって撮像することで読み取る(ステップS7)。制御部406は、バーコードを読み取ることで、医薬品識別情報を認識することができる。端末装置40は、URL情報とチェックコードとを要求するリクエストとともに添付文書管理装置30に医薬品識別情報を送信する(ステップS8)。
添付文書管理装置30は、端末装置40からURL情報とチェックコードとを要求するリクエストと、医薬品識別情報とを受信すると、受信した医薬品識別情報に対応するURL情報とチェックコードと版情報とを管理情報記憶部301から読み出して端末装置40に送信する(ステップS9)。
【0040】
端末装置40は、URL情報とチェックコードと版情報とを受信すると(ステップS10)、制御部406は、受信したURL情報が示すURLにアクセスすることで、添付文書サーバ20に記憶された添付文書データを取得する(ステップS11)。ここでは、制御部306は、URLにアクセスした際に、ステップS10において受信した版情報と一致する版情報が付与された添付文書データを取得するようにしてもよい。
【0041】
端末装置40は、添付文書サーバ20から添付文書データが得られると、端末装置40のチェックコード生成部402は、得られた添付文書データからチェックコードを生成する(ステップS12)。判定部403は、生成されたチェックコードと、添付文書管理装置30から得られたチェックコードとが一致するか否かを判定する(ステップS13)。制御部406は、判定部403の判定結果に基づいて、生成されたチェックコードと、添付文書管理装置30から得られたチェックコードとが一致する場合には、添付文書サーバ20から得られた添付文書データが改ざんされていないとし、添付文書サーバ20から得られた添付文書データを表示部404に表示させる(ステップS14)。これにより、端末装置40の表示画面には、端末装置40が受信した添付文書データが改ざん等がされていないことを確認した上で、表示することができるため、真正性を確保しつつ、添付文書を提供することができる。ここでは、添付文書サーバ20に記憶された添付文書データが改ざんされていないかを確認することができるが、添付文書データを添付文書サーバ20から端末装置40が受信する通信経路において改ざんされていないかについても確認できる。
【0042】
一方、制御部406は、判定部403の判定結果に基づいて、生成されたチェックコードと、添付文書管理装置30から得られたチェックコードとが一致しない場合には、「受信した添付文書は、エラーにより表示することができません」等のメッセージを表示する。これにより、端末装置40の表示画面には、添付文書データが改ざんや意図しない内容を含む状態で表示されてしまうことを防止することができる。
【0043】
一方、添付文書管理装置30の制御部406は、チェックタイミングが到来したか否かを監視している。制御部406は、チェックタイミングが到来すると、チェック対象の添付文書データに対応するURL情報を管理情報記憶部301から読み出し、そのURLにアクセスし、添付文書サーバ20から添付文書データを取得する(ステップS20)。
添付文書管理装置30のチェックコード生成部303は、添付文書サーバ20から得られた添付文書データを対象としてチェックコードを生成する(ステップS21)。判定部304は、チェック対象の添付文書データに対応するチェックコードを管理情報記憶部301から読み出し、読み出したチェックコードと生成されたチェックコードとが一致するか否かに基づいて、添付文書サーバ20に記憶された添付文書データが改ざんされているか否かを判定する(ステップS22)。
添付文書管理装置30の制御部306は、読み出したチェックコードと生成されたチェックコードとが一致する場合には、添付文書サーバ20に記憶された添付文書データが改ざんされていないとして、チェックを終了する。制御部306は、このときのチェック結果をログとして管理情報記憶部301に記憶してもよい。
一方、読み出したチェックコードと生成されたチェックコードとが一致しない場合には、改ざんがあった可能性があるとし、メーカ端末10や添付文書サーバ20に、チェックコードが一致しなかったことを通知する。これにより、メーカ端末10のコード管理担当者や、添付文書サーバ20の運営者は、必要な対応を取ることができる。
【0044】
ステップS20からステップ22のチェックは、チェックタイミングが到来するごとに、実施される。これにより、添付文書サーバ20に記憶された添付文書データが改ざんされていないか、あるいは、データ自体が破損していないか等を監視することができる。
【0045】
なお、上述した実施形態において、メーカ端末10は、メーカ端末10において作成または更新された添付文書データを添付文書サーバ20と添付文書管理装置30とに対して並行して書き込むようにしたが、メーカ端末10が添付文書データを添付文書サーバ20に登録し、この登録された添付文書データを添付文書サーバ20から添付文書管理装置30に送信して添付文書管理装置30に登録するようにしてもよい。同様に、メーカ端末10が添付文書データを添付文書管理装置30に登録し、この登録された添付文書データを添付文書管理装置30から添付文書サーバ20に送信して添付文書管理装置30に登録するようにしてもよい。
【0046】
次に、端末装置40が添付文書データを表示する動作についてさらに説明する。ここでは、端末装置40は、薬局の監査台に載置された状態で利用されるか、監査台の近傍で利用される。また、端末装置40が利用される場面としては、例えば、処方監査時である。
図6は、端末装置40が添付文書データを表示する動作について説明するフローチャートである。この表示処理については、図5を用いて説明した添付文書データの改ざん有無の判定が行われ、改ざんされていないと判定された添付文書データを対象として実行されてもよいし、一般的に流通している添付文書データを対象として実行されてもよい。
端末装置40を利用して添付文書データを表示させる場合には、様々な場合があるが、表示させる場面の一つとして、例えば、医師によって発行された処方箋が患者等から薬剤師に提出され、薬剤師がこの処方箋をもとに医薬品を調剤する場合がある。このような場合において、薬剤師は、処方箋の内容を閲覧し、その内容に疑義がないかを確認する。薬剤師は、必要に応じて、処方された医薬品の添付文書を閲覧する場合がある。ここで、添付文書には多数の項目があり、記載内容も多い。薬剤師は、処方箋の内容に疑義がないかを確認するにあたり、添付文書の全文を読むのではなく、参照する部分がある程度決まっている場合が多い。例えば、患者が特定の条件に該当する場合には、その条件に合った注意事項を確認するために、添付文書の「特定の背景を有する患者に関する注意事項」に属する内容のうち、患者に応じて「小児等」の項目や「妊婦」の項目など、参照することが多い項目がある。そのため、薬剤師は、添付文書データが表示されたあと、表示画面をスクロールさせれば閲覧できるが、スクロールする手間がかかる。例えば、端末装置40としてスマートフォンやタブレットが用いられている場合には、スクロール量が多い場合には、スワイプ操作の回数も多くなってしまう。そこで、この実施形態では、スクロール等を行う手間をなるべく省くことで業務の効率を向上させることができる。
【0047】
以下、その表示処理について説明する。
端末装置40の指定情報入力部407は、添付文書データのうち、表示する対象の領域を指定する指定情報の入力を受け付ける(ステップS101)。ここで入力される指定情報は、添付文書データに含まれる複数の項目のうちいずれの項目を表示させるのか、その項目を指定してもらうようにしてもよい。ここで、添付文書は、一般に、医薬品名や、承認された時期等の項目があり、注意事項(禁忌など)、組成・性状、効能又は効果、用法及び用量、重要な基本的注意、特定背景を有する患者に関する注意、相互作用、副作用、薬物動態、臨床成績などの項目に沿って順に記載される。これらの項目が記載される順や、項目の名称等についても、多数の医薬品においてある程度共通している。そのため、指定情報としては、項目名に記述される文字列(キーワード)、項目番号等を用いることができる。指定情報の入力は、テキスト入力されてもよいし、指定情報として指定可能な項目名が列記されたメニュー画面のなかから、いずれかを指定することで入力するようにしてもよい。
【0048】
次に、端末装置40の制御部406は、添付文書データを表示する指示が入力されたか否かを判定する(ステップS102)。制御部406は、添付文書データを表示する指示が入力されたか否かの判定において、図5のステップS1からステップS14まで実行された際において、添付文書データを表示する処理を実行された場合に、添付文書データを表示する指示が入力されたと判定してもよい。また、図5ステップS1からステップS14の処理とは別の処理において取得された添付文書データのうち、表示する対象の添付文書データが指定入力されることで、端末装置40の利用者(薬剤師)によって添付文書データを表示する指示が入力されたと判定してもよい。
【0049】
制御部406は、添付文書データを表示する指示が入力されていない場合には(ステップS102-NO)、予め決められたウエイト時間を経過したあとに、再度ステップS102の判定を行い、添付文書データが特定されるとともに表示する指示が入力された場合には(ステップS102-YES)、表示する対象の添付文書データがいずれであるかを検出部408に指示する。検出部408は、表示対象の添付文書データが指示されると、指示された添付文書データから指定情報に対応する領域を検出する(ステップS103)。
検出部408は、添付文書データが文字検索することでその文字が記述された位置を特定することが可能な形式で保存されたデータである場合には、添付文書データを対象として、指定された項目番号あるいは項目名の文字列を検索することで、指定された項目番号と一致する文字が記述された位置を検出する。
また、検出部408は、添付文書データが、文字や図形が画像として表現された画像データである場合には、検出部408は、その画像データをOCR(Optical character recognition;光学文字認識)処理をし、得られた文字列から、指定された項目番号または項目名の文字列と一致する文字が記述された位置を検出する。
【0050】
検出部408は、指定情報に応じた文字が含まれる位置を添付文書データから検出すると、この指定情報に応じた文字列を含む領域を検出する。ここでは、指定情報に応じた文字列が記述された領域と、検出された指定情報の項目名に属する記載内容が記述された領域とを含む領域を、指定情報に応じた領域(表示対象領域)として検出する。
【0051】
指定情報に応じた領域が検出されると、表示制御部409は、検出された領域が表示画面に含まれるようにして、添付文書データを表示部404に表示する。
【0052】
図7は、添付文書データが端末装置40に表示される場合について説明する概念図である。
表示対象の添付文書データD1のうち、検出部408は、指定情報に応じた領域R1を検出すると、表示制御部409は、表示画面に領域R1が収まるように表示する。例えば、表示制御部409は、領域R1が表示画面の中央側に位置するように、表示画面上における表示位置を調整した上で表示する。また、このとき、表示制御部409は、表示画面のサイズに合うように、領域R1のサイズを変更して表示する。例えば、表示制御部409は、表示画面の横方向のサイズまたは縦方向のサイズに一致するように、領域R1の横方向のサイズまたは縦方向のサイズを変更する。サイズの変更は、拡大であってもよいし、縮小であってもよい。
【0053】
このように、添付文書データのうち指定情報に応じた領域を表示画面に表示するようにしたので、利用者(例えば薬剤師)は、添付文書データが表示された際に、自分が閲覧したい領域が画面に表示されるまでスワイプ操作等によってスクロールをすることなく、目的の部分を閲覧することができる。また、指定情報に応じた領域を、画面サイズに応じて拡大または縮小して表示するようにしたので、利用者は、自分が閲覧したい領域が表示画面に表示された際に、表示画面の大きさに合うように拡大または縮小操作をする必要がない。
【0054】
なお、上述したステップS101における指定情報の受け付けは、添付文書データを表示する機能の初期設定において行うようにしてもよい。これにより、例えば、添付文書データを表示するアプリケーションプログラムが起動されたとしても、この指定情報がリセットされることなく、指定情報が有効のまま継続する。これにより、指定情報を一度設定した後は、アプリケーションプログラムを終了し、再起動したとしても、添付文書データを表示する場合には、指定情報に応じた領域が表示画面上に表示される。
【0055】
また、上述したステップS101における指定情報の受け付けは、添付文書データを表示するアプリケーションプログラムが起動された後に行い、このアプリケーションプログラムが終了するまでの間、指定情報が有効のまま継続するようにしてもよい。これにより、アプリケーションプログラムを終了するまでの間においては、指定情報に応じた領域が表示画面上に表示される。そして、アプリケーションプログラムを再起動した場合には、再度指定情報を入力すればよい。
【0056】
また、上述の実施形態において、ステップS102における、添付文書データを表示する指示は、表示対象の医薬品に付帯されたバーコードが端末装置40の撮像部405によって撮像され、制御部406によって医薬品識別情報が認識されたことによって、この医薬品識別情報に対応する添付文書データを表示対象として表示する指示が入力されたと判定するようにしてもよい。これにより、利用者は、添付文書データを閲覧したい対象の医薬品のバーコードを端末装置40によって撮像することで、速やかに閲覧したい添付文書データの対象領域を閲覧することができる。
【0057】
次に、上述した添付文書管理システム1を適用した確認システムについて説明する。図8は、添付文書管理システム1を適用した確認システム2の構成を示す概念図である。
確認システム2は、メーカ端末10A、添付文書サーバ20A、添付文書管理装置30A、利用者端末40A、ネットワーク50A、医師端末60を含んで構成される。医師端末60は、1つのみ図示されているが、複数であって、異なる医師によってそれぞれ利用されてもよい。
メーカ端末10A、添付文書サーバ20A、添付文書管理装置30A、利用者端末40A、ネットワーク50Aは、図1におけるメーカ端末10、添付文書サーバ20、添付文書管理装置30、端末装置40、ネットワーク50と同じ機能を有しているため、その説明を省略し、異なる機能について説明する。
利用者端末40Aは、図1における端末装置40に対応しており、端末装置40の機能を有する。
【0058】
図9は、利用者端末40Aの機能を説明する概略機能ブロック図である。
利用者端末40Aは、通信部401A、チェックコード生成部402A、判定部403A、表示部404A、撮像部405A、制御部406A、指定情報入力部407A、検出部408A、表示制御部409A、指定領域入力部410、確認情報入力部411、確認履歴記憶部412を含んで構成される。
利用者端末40Aにおいて、通信部401A、チェックコード生成部402A、判定部403A、表示部404A、撮像部405A、制御部406A、指定情報入力部407A、検出部408A、表示制御部409Aは、それぞれ、通信部401、チェックコード生成部402、判定部403、表示部404、撮像部405、制御部406、指定情報入力部407、検出部408、表示制御部409と同じ機能であるため、その説明を省略する。
【0059】
指定領域入力部410は、医薬関連物品に添付される添付文書を表す添付文書データのうち、処方箋に基づいた問い合わせ事項に関連する領域を指定する指定領域の入力を受け付ける。この受け付けは、例えば、添付文書データが表示された表示部404Aにおいて、対象となる領域を示す範囲が指定されることで、入力を受け付ける。
確認情報入力部411は、利用者と医師とが通話機能を有する通信端末を用いて、当該医師から前記利用者に対して確認したことを示す指示が伝えられたことに応じて、確認済みを示す確認済み情報の入力を受け付ける。
確認履歴記憶部412は、処方箋の内容について、添付文書データを用いて疑義照会を行った確認結果を記憶する。
【0060】
撮像部405Aは、撮像部405の機能の他に、処方箋を撮像して撮像画像を生成する機能を有する。
【0061】
通信部401Aは、通信部401の機能の他に、指定領域入力部410によって指定された領域を含む画像を確認画像として処方箋の発行元である医師の医師端末60に対して送信する機能を有する。送信先となる医師端末60については、例えば、送信先のリストのなかから、利用者端末40Aの利用者によって指定されてもよい。
また、通信部401Aは、撮像画像と確認画像とをともに医師端末に送信する機能を有するまた、通信部401Aは、確認済み情報を医師端末60に送信する機能を有する。
【0062】
医師端末60は、利用者端末40Aから送信される確認画像を表示する表示部を有する。この表示部は、例えば、利用者端末40Aから受信した撮像画像と前記確認画像とをともに表示する。また表示部は、利用者端末40Aから受信した確認済み情報を表示する。
【0063】
次に、確認システム2の動作について説明する。ここでは、薬剤師が、処方箋の内容に確認事項が見つかった場合に、医師に対して確認を行う場合について説明する。
図10は、確認システム2の動作について説明する流れ図である。
まず、薬剤師は、医師によって発行された処方箋をもとに、調剤を行う。この調剤をする段階、または調剤後の監査時において、処方箋の内容について確認する事項が見つかった場合、医師に対して疑義照会を行う。この疑義照会を行う際に、添付文書の内容を伝えることがある。この実施形態においては、疑義照会を行う場合において添付文書の内容を伝えるにあたり、口頭で伝えようとすると、説明時間が長引いたり、伝わり難い場合がある。そこで、本実施形態においては、利用者端末40Aを利用することで、薬剤師と医師との間において疑義照会にかかる時間が長引かないようにし、業務の効率化を図ることができる。
【0064】
薬剤師は、疑義照会を行うにあたり、疑義照会に用いる添付文書データを指定し、添付文書データを表示させる指示を入力する(ステップS201)。例えば、薬剤師は、表示する対象の添付文書データをメニュー画面のなかから指定するようにしてもよいし、撮像部405によって、添付文書データに対応する医薬品に付帯されたバーコードを撮像することで指定するようにしてもよい。
表示部404は、表示対象の添付文書データを表示する(ステップS202)。薬剤師は、表示された添付文書データのうち、医師に対して問い合わせをする事項が記載された部分を特定し、この部分を医師に伝える対象の領域として取り囲むようにタッチパネル等から操作入力する。例えば、矩形領域を指定するような操作入力をする。指定領域入力部410は、この薬剤師からの操作入力を受け付け(ステップS203)、添付文書データのうち、指定された領域の画像を、医師端末60に送信する対象の領域(部分画像)として取得する(ステップS204)。
さらに、薬剤師は、撮像部405によって、疑義照会を行う対象の処方箋を撮像する。撮像部405Aは、薬剤師から撮像指示に応じて、処方箋を撮像し、撮像画像を生成する(ステップS205)。
【0065】
指定された領域の画像が部分画像として取得され、処方箋を撮像した撮像画像が得られると、通信部401Aは、部分画像と撮像画像を医師端末60に送信する(ステップS206)。どの医師端末60に送信するかについて、送信先の指定は、例えば、送信先を選択するメニュー画面から薬剤師によって選択入力される。
【0066】
医師端末60は、利用者端末40Aから送信された、部分画像と撮像画像を受信すると(ステップS251)、表示画面に、部分画像と撮像画像とをともに表示する(ステップS252)。この状態において、利用者端末40Aの薬剤師と、医師端末60の医師とが、お互いに携帯電話などを利用して、通話をして疑義照会を行う。ここでは、利用者端末40Aの表示画面と、医師端末60の表示画面には、それぞれ、添付文書データの部分画像と処方箋の撮像画像とが表示される。そのため、薬剤師と医師とが添付文書データの部分画像と処方箋の撮像画像を共有しながら通話することができる。そのため、薬剤師は、処方箋に記載された内容を画像として医師に提示するとともに、添付文書データにおいて疑義が生じた該当部分を提示しつつ、疑義照会をすることができるため、添付文書データの内容を口頭で読み上げたり、実際に添付文書データの該当箇所を医師に確認してもらうことができる。これにより、疑義照会における時間を短縮することができ、業務効率を向上させることができる。
【0067】
薬剤師は、医師と通話することで疑義が解消された場合には、利用者端末40Aから確認済みを示す指示を入力する。この指示は、例えば、「確認済み」ボタンを押すことで入力してもよい。確認情報入力部411は、「確認済み」のボタンが押されることで、確認済みであることの入力を受け付ける(ステップS207)。通信部401Aは、確認済みであることが受け付けられたことを医師端末60に送信する(ステップS208)。
確認済みであることを送信すると、制御部406Aは、添付文書データの部分画像と処方箋の撮像画像と確認済みであることと確認日時を対応づけて、確認履歴記憶部412に記憶する。これにより、確認した履歴をあとから参照することができる。また、制御部406Aは、さらに、確認を行った薬剤師と医師との氏名を確認履歴記憶部412に記憶するようにしてもよい。確認を行った薬剤師については、利用者端末40Aにログインした際のユーザIDに基づいて特定してもよい。また、確認を行った医師については、医師端末60にログインした際のユーザIDに基づいて特定してもよい。さらに、利用者端末40Aの現在位置を検出する位置測定機能が利用者端末40Aに設けられている場合には、制御部406Aは、利用者端末40Aによって疑義確認が行われたときの利用者端末40Aの位置情報を取得し、位置情報とともに確認履歴記憶部412に記憶するようにしてもよい。
【0068】
医師端末60は、確認済みであることを示す情報を受信すると、「確認済み」のメッセージを画面上に表示する。これにより医師は、今回の疑義照会が終了したことを確認することができる。また、確認済みであることを利用者端末40Aにおいて入力してもらい、医師端末60に表示されるため、医師自らが医師端末60に対して操作入力をしなくても、確認済みであることを履歴として残すことができる。仮に、確認が完了していない段階で確認済みのメッセージが表示された場合には、薬剤師に対して電話等を利用して確認が完了していないことを伝えることで、医師は、確認済みであることを取消してもらうこともできる。
【0069】
上述した実施形態において、端末装置40における通信部401、チェックコード生成部402、判定部403、表示部404、撮像部405、制御部406、指定情報入力部407、検出部408、表示制御部409の機能は、これらの機能を実現することが可能なアプリケーションプログラムとして添付文書管理装置30または添付文書サーバ20に記憶されており、端末装置40にダウンロードされ、インストールされることで、端末装置40の機能として実現されてもよい。
また、上述した実施形態において、利用者端末40Aにおける通信部401A、チェックコード生成部402A、判定部403A、表示部404A、撮像部405A、制御部406A、指定情報入力部407A、検出部408A、表示制御部409A、指定領域入力部410、確認情報入力部411、確認履歴記憶部412の機能は、これらの機能を実現することが可能なアプリケーションプログラムとして添付文書管理装置30または添付文書サーバ20に記憶されており、端末装置40にダウンロードされ、インストールされることで、端末装置40の機能として実現されてもよい。
【0070】
上述した実施形態における添付文書管理装置30、添付文書管理装置30Aをコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0071】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1…添付文書管理システム、2…確認システム、10…メーカ端末、10A…メーカ端末、20…添付文書サーバ、20A…添付文書サーバ、30…添付文書管理装置、30A…添付文書管理装置、40…端末装置、40A…利用者端末、50…ネットワーク、50A…ネットワーク、60…医師端末、301…管理情報記憶部、302…書き込み部、303…チェックコード生成部、304…判定部、305…通信部、306…制御部、401,401A…通信部、402,402A…チェックコード生成部、403,403A…判定部、404,404A…表示部、405,405A…撮像部、406,406A…制御部、407,407A…指定情報入力部、408,408A…検出部、409,409A…表示制御部、410…指定領域入力部、411…確認情報入力部、412…確認履歴記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10