(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067799
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】広告提供システム及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220426BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176597
(22)【出願日】2020-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】320009978
【氏名又は名称】日本後継者育成支援協会株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】伊沢 敏一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】 事前に登録されたユーザ属性情報に加えて、日々変化して行くユーザ属性情報を収集してアップデートしながら、ユーザの実際の消費行動や行動パターンにマッチする最適な広告をユーザに提供し、更に、広告について関連情報をリンクさせてユーザの趣味嗜好等の属性情報を取得しやすくした広告提供システム及びそのプログラムを提供する。
【解決手段】 広告提供サーバ1が、CMをクリックしたユーザにポイントを付与するCM専用サイトを実現し、ユーザ登録したユーザ基本属性情報だけでなく、CM及びCM関連情報のクリックの履歴情報をユーザ属性DB22に記憶しておき、その履歴情報から関心度(嗜好)を分析すると共に、その関心度の変遷も分析してユーザ追加属性情報を生成し、ユーザの変化する嗜好を反映させたCMをユーザに提供する広告提供システムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上で広告を提供し、当該広告を閲覧したユーザにポイントを付与する広告提供サーバを有する広告提供システムであって、
前記広告のデータと前記広告の属性情報を広告属性情報として記憶する広告情報記憶部と、
前記ユーザが登録したユーザの基本的な属性情報をユーザ基本属性情報として記憶するユーザ情報記憶部と、
前記ユーザの広告閲覧によって前記ユーザ毎に前記広告属性情報を取得し、前記取得した広告属性情報を特定期間集計して分析し、前記分析した広告属性情報を前記ユーザの追加的な属性情報に含め、ユーザ追加属性情報として前記ユーザ情報記憶部に記憶し、提供された広告について閲覧したユーザの前記ユーザ基本属性情報と前記ユーザ追加属性情報とに基づいて前記ユーザに広告を提供する制御部とを有することを特徴とする広告提供システム。
【請求項2】
制御部は、ユーザが広告を閲覧した回数又は閲覧時間に基づいて当該広告の広告属性情報を、関心事項の関心度を示す指標として数値化して分析することを特徴とする請求項1記載の広告提供システム。
【請求項3】
広告情報記憶部には、広告に関連する広告関連情報と当該広告関連情報の属性情報が広告関連属性情報として記憶されており、
制御部は、ユーザによって前記広告関連情報が閲覧されると、前記広告関連属性情報を取得し、当該取得した広告関連属性情報を特定期間集計して分析し、前記分析した広告関連属性情報を前記ユーザ追加属性情報に含めることを特徴とする請求項1又は2記載の広告提供システム。
【請求項4】
制御部は、ユーザが広告関連情報を閲覧した回数又は閲覧時間に基づいて前記広告関連属性情報を、関心事項の関心度を示す指標として数値化して分析することを特徴とする請求項3記載の広告提供システム。
【請求項5】
制御部は、ユーザ基本属性情報とユーザ追加属性情報とに基づいて閲覧された広告のユーザアクセスのレポートを生成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の広告提供システム。
【請求項6】
ネットワーク上で広告を提供し、当該広告を閲覧したユーザにポイントを付与する広告提供サーバで動作するコンピュータプログラムであって、
前記広告提供サーバを、前記ユーザの広告閲覧によって前記ユーザ毎に前記広告の広告属性情報を取得し、前記取得した広告属性情報を特定期間集計して分析し、前記分析した広告属性情報を前記ユーザの追加的な属性情報に含め、ユーザ追加属性情報として前記ユーザ情報記憶部に記憶し、提供された広告について閲覧したユーザの基本的な属性情報となるユーザ基本属性情報と前記ユーザ追加属性情報とに基づいて前記ユーザに広告を提供するよう機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
広告提供サーバを、ユーザによって広告に関連する広告関連情報が閲覧されると、広告関連属性情報を取得し、当該取得した広告関連属性情報を特定期間集計して分析し、前記分析した広告関連属性情報をユーザ追加属性情報に含めるよう機能させることを特徴とする請求項6記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告を提供するシステムに係り、特に、ポイントを付与することにより広告に対するユーザのクリックを誘導し、そのクリックに応じて日々変化するユーザ属性情報を収集し、最新のユーザ属性・特性に基づいてユーザに広告を提供できる広告提供システム及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来の広告サイトでは、インターネット上の広告をユーザがクリックするとポイントを付与するものがある。
【0003】
[関連技術]
尚、関連する先行技術文献として、特開2002-032398号公報「広告システム」(特許文献1)、特開2008-077521号公報「キャンペーン実施システム」(特許文献2)、特開2010-157162号公報「会員制インターネット接続料金無料サービス」(特許文献3)、特許第5112823号公報「ポイント還元システム」(特許文献4)がある。
【0004】
特許文献1には、ユーザの属性を収集し、ユーザログイン時にユーザの関心があると考えられる公告を提供するシステムが示されている。尚、ユーザ属性に獲得ポイントが含まれている。
特許文献2には、ユーザ端末に通知されたキャンペーンURL(Uniform Resource Locator)にアクセスがあると、ユーザにポイントを付与して対応する広告を閲覧させるシステムが示されている。
【0005】
特許文献3には、Webサーバが、会員によって広告が閲覧されるとインターネット接続料金を無料とするポイントサービスシステムが示されている。
特許文献4には、サーバが、個人情報が必要となるサービスを利用したユーザに対して所定のポイントを還元するシステムが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-032398号公報
【特許文献2】特開2008-077521号公報
【特許文献3】特開2010-157162号公報
【特許文献4】特許第5112823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の広告システムでは、広告をユーザにクリックさせてポイントを付与するものがあるが、事前に登録されたユーザ属性は登録時点におけるものであり、日常生活におけるユーザの趣味嗜好等は、日々変化するものであるから、登録されたユーザ属性と広告閲覧行動による最新かつ詳細なユーザ属性に基づいて、ユーザの実際の消費行動や行動パターンにマッチする最適な広告がユーザに提供されていないという問題点があった。
【0008】
尚、特許文献1~4には、事前に記録されたユーザ登録情報を基に日々変化するユーザの趣味嗜好等を閲覧された広告から分析して、ユーザの実際の消費行動や行動パターンにマッチする最適な広告をユーザに提供することについての記載がない。
【0009】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、事前に登録されたユーザ属性情報に加えて、日々変化して行くユーザ属性情報を収集してアップデートしながら、ユーザの実際の消費行動や行動パターンにマッチする最適な広告をユーザに提供し、更に、広告について関連情報をリンクさせてユーザの趣味嗜好等の属性情報を取得しやすくした広告提供システム及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、ネットワーク上で広告を提供し、当該広告を閲覧したユーザにポイントを付与する広告提供サーバを有する広告提供システムであって、広告のデータと広告の属性情報を広告属性情報として記憶する広告情報記憶部と、ユーザが登録したユーザの基本的な属性情報をユーザ基本属性情報として記憶するユーザ情報記憶部と、ユーザの広告閲覧によってユーザ毎に広告属性情報を取得し、取得した広告属性情報を特定期間集計して分析し、分析した広告属性情報をユーザの追加的な属性情報に含め、ユーザ追加属性情報としてユーザ情報記憶部に記憶し、提供された広告について閲覧したユーザのユーザ基本属性情報とユーザ追加属性情報とに基づいてユーザに広告を提供する制御部とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記広告提供システムにおいて、制御部が、ユーザが広告を閲覧した回数又は閲覧時間に基づいて当該広告の広告属性情報を、関心事項の関心度を示す指標として数値化して分析することを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記広告提供システムにおいて、広告情報記憶部には、広告に関連する広告関連情報と当該広告関連情報の属性情報が広告関連属性情報として記憶されており、制御部が、ユーザによって広告関連情報が閲覧されると、広告関連属性情報を取得し、当該取得した広告関連属性情報を特定期間集計して分析し、分析した広告関連属性情報をユーザ追加属性情報に含めることを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記広告提供システムにおいて、制御部が、ユーザが広告関連情報を閲覧した回数又は閲覧時間に基づいて広告関連属性情報を、関心事項の関心度を示す指標として数値化して分析することを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記広告提供システムにおいて、制御部が、ユーザ基本属性情報とユーザ追加属性情報とに基づいて閲覧された広告のユーザアクセスのレポートを生成することを特徴とする。
【0015】
本発明は、ネットワーク上で広告を提供し、当該広告を閲覧したユーザにポイントを付与する広告提供サーバで動作するコンピュータプログラムであって、広告提供サーバを、ユーザの広告閲覧によってユーザ毎に広告の広告属性情報を取得し、取得した広告属性情報を特定期間集計して分析し、分析した広告属性情報をユーザの追加的な属性情報に含め、ユーザ追加属性情報としてユーザ情報記憶部に記憶し、提供された広告について閲覧したユーザの基本的な属性情報となるユーザ基本属性情報とユーザ追加属性情報とに基づいてユーザに広告を提供するよう機能させることを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記プログラムにおいて、広告提供サーバを、ユーザによって広告に関連する広告関連情報が閲覧されると、広告関連属性情報を取得し、当該取得した広告関連属性情報を特定期間集計して分析し、分析した広告関連属性情報をユーザ追加属性情報に含めるよう機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ネットワーク上で広告を提供し、当該広告を閲覧したユーザにポイントを付与する広告提供サーバを有する広告提供システムであって、広告のデータと広告の属性情報を広告属性情報として記憶する広告情報記憶部と、ユーザが登録したユーザの基本的な属性情報をユーザ基本属性情報として記憶するユーザ情報記憶部と、ユーザの広告閲覧によってユーザ毎に広告属性情報を取得し、取得した広告属性情報を特定期間集計して分析し、分析した広告属性情報をユーザの追加的な属性情報に含め、ユーザ追加属性情報としてユーザ情報記憶部に記憶し、提供された広告について閲覧したユーザのユーザ基本属性情報とユーザ追加属性情報とに基づいてユーザに広告を提供する制御部とを有する広告提供サーバであり、日々変化して行くユーザ属性情報を収集してアップデートしながら広告主への適正なレポートを提供できる効果がある。
【0018】
本発明によれば、広告情報記憶部には、広告に関連する広告関連情報と当該広告関連情報の属性情報が広告関連属性情報として記憶されており、制御部が、ユーザによって広告関連情報が閲覧されると、広告関連属性情報を取得し、当該取得した広告関連属性情報を特定期間集計して分析し、分析した広告関連属性情報をユーザ追加属性情報に含める上記広告提供システムとしているので、広告について関連情報をリンクさせてユーザの趣味嗜好等の属性情報を取得しやすくできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】ユーザ属性DB22内のデータ構造を示す概略図である。
【
図3】ユーザ履歴DB23内のデータ構造を示す概略図である。
【
図4】CM属性情報とCM関連属性情報の取得処理の概略を示すフロー図である。
【
図5】ユーザの関心度生成処理の概略を示すフロー図である。
【
図6】レポート生成処理の概略を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る広告提供システム(本システム)は、広告(CM)動画を視聴したユーザにポイントを付与するCM専用サイトを実現するもので、ユーザ登録したユーザ情報だけでなく、CM視聴の履歴情報を記憶しておき、その履歴情報から関心度(嗜好)を分析すると共に、その関心度の変遷も分析して、ユーザ嗜好を反映させたCMをユーザに提供可能とし、また、ユーザの変化する嗜好を反映させたCM視聴のレポートを広告主に提供できるものである。
【0021】
また、本システムは、CMの解説を行い、関連する楽曲、タレント、ロケ地等の関連情報(CM関連情報)もユーザに提供することで、CM関連情報へのユーザのアクセスによる反応によってユーザの関心度を更に収集することができ、日々変化するユーザの属性情報を容易に取得することができるものである。
【0022】
[本システム:
図1]
本システムについて
図1を参照しながら説明する。
図1は、本システムの概略図である。
本システムは、
図1に示すように、広告提供サーバ1と、広告データベース(DB)21と、ユーザ属性データベース(DB)22と、ユーザ履歴データベース(DB)23と、ネットワーク3と、複数のユーザ端末4(4a,4b)とを基本的に備えている。
【0023】
広告提供サーバ1に広告DB21、ユーザ属性DB22、ユーザ履歴DB23が接続され、ネットワーク3に広告提供サーバ1、ユーザ端末4a,4bが接続している。
尚、
図1では、ユーザ端末4を2つ示しているが、実際は更に多くのユーザ端末がネットワーク3に接続するものである。
【0024】
[広告提供サーバ1]
広告提供サーバ1は、制御部11と、記憶部12と、インタフェース部13とを有している。
記憶部12は、以下に説明する機能を実現する処理プログラムを記憶し、その処理に必要なデータ、パラメータ等を記憶している。
インタフェース部13は、外部へ接続するものであり、ネットワーク3、広告DB21、ユーザ属性DB22、ユーザ履歴DB23に接続している。
【0025】
制御部11は、記憶部12から処理プログラムを読み込み、CM提供手段、ユーザ登録手段、CM属性情報取得手段、CM関連属性情報取得手段、ユーザ関心度分析手段、ポイント付与手段、レポート生成手段等の機能を実現するものである。これら具体的な機能実現手段については後述する。
【0026】
[広告DB21]
広告DB21は、広告提供サーバ1がCM専用サイトで提供する広告データを記憶している。
広告(CM)データには、広告内容の画像データ(静止画又は動画のデータ)、文字データ、音声データに加えてCMの属性情報(CM属性情報)、更に、CMに関連する情報(CM関連情報)が含まれる。本実施の形態では、CMデータは主に動画データを扱っており、その動画データを視聴(閲覧)することでユーザにポイントを付与するようになっている。
【0027】
CM属性情報は、CMで示される商品又はサービスのジャンル、ターゲットとする年齢層・性別、掲載期間、広告主、CM作成者等のCMの特性を示す情報である。
CM関連情報は、CMの解説情報、関連する楽曲情報(曲名、作詞家、作曲家、編曲者、演奏者、シンガー等の情報)、CMに登場するタレント情報、CMのロケ地等のCM関連の特性情報であり、これら情報にはURLが割り当てられており、各々のURLをクリックすると、具体的な関連情報にアクセスできるようになっている。また、CM関連情報は、CM専門サイトで提供する検索機能を用いて表示させるようにしてもよい。
【0028】
[ユーザ属性DB22]
ユーザ属性DB22は、CMを視聴したユーザの現在の消費行動や行動パターンを予測するために、ユーザの基本的な情報(ユーザ基本属性情報)と、ユーザがCM又はCM関連情報をクリックすることで得られた情報を元に分析されたユーザの趣味嗜好(関心度)等が反映された追加情報(ユーザ追加属性情報)を記憶する。
【0029】
[ユーザ履歴DB23]
ユーザ履歴DB23は、視聴されたCM又はクリックされたCM関連情報について、CM-IDに対して、視聴等を行ったユーザのユーザID、開始時刻、終了時刻、ジャンル、楽曲情報等の情報(ユーザ履歴情報)を時系列的に記憶するものである。つまり、ユーザがCMを視聴し、CM関連情報にアクセスする度に、ユーザの視聴又はアクセスの履歴情報がユーザ履歴DB23に記憶される。
そして、ユーザ履歴DB23に記憶された履歴情報を基に、ユーザ毎のCM属性情報、ユーザ毎のCM関連属性情報が生成され、ユーザ属性DB22に記憶される。
【0030】
ユーザ基本属性情報は、ユーザが登録したユーザ氏名、性別、生年月日、住所、メールアドレス等の個人情報(ユーザ登録基本情報)とユーザの趣味嗜好に関するユーザ登録趣味嗜好情報とから成る。
ユーザ登録基本情報及びユーザ登録趣味嗜好情報は、アンケート等を用いて収集するものである。また、ユーザ登録趣味嗜好情報に関するアンケートの質問項目は、ユーザ登録基本情報の内容に基づいて異なるものとしている。そして、ユーザ基本属性情報の項目に、ユーザ登録基本情報及びユーザ登録趣味嗜好情報の回答事項が設定されるものである。
ユーザ追加属性情報は、ユーザが視聴又はアクセスしたCMのCM属性情報又はCM関連情報を基に当該ユーザの趣味嗜好(関心度)等を分析した、ユーザ登録後の後発的な属性情報である。関心度の具体的な分析については後述する。
【0031】
[ユーザ属性DB22内のデータ構造:
図2]
ここで、ユーザ属性DB22内のデータ構造について
図2を参照しながら説明する。
図2は、ユーザ属性DB22内のデータ構造を示す概略図である。特に、(a)がユーザ基本属性情報、(b)がユーザ追加属性情報、(c)がユーザ毎のCM属性情報、(d)がユーザ毎のCM関連属性情報である。
図2に示すように、ユーザ属性DB22内のデータは、ユーザ毎に、ユーザ基本属性情報、ユーザ追加属性情報、収集されたCM属性情報、収集されたCM関連属性情報を記憶している。
【0032】
ユーザ基本属性情報は、
図2(a)に示すように、ユーザIDに対応してユーザの氏名、性別等のユーザの基本属性情報である。
ユーザ追加属性情報は、
図2(b)に示すように、ユーザIDに対応してCM属性情報から得られたユーザ関心度、CM関連属性情報から得られたユーザ関心度である。
図2(b)では、前者を「ユーザ関心度(CM属性情報)」と表し、後者を「ユーザ関心度(CM関連属性情報)」と表している。
【0033】
図2(b)の左側に示す「関心度」(関心度A、関心度B、…)は、例えば、アウトドア派、読書好き、料理好き、スポーツ好き、投資好き、映画好き、ドラマ好き、アニメ好き等の関心事項が設定されて、その関心度がユーザ毎の閲覧回数又は閲覧時間、若しくはその両方に基づいて演算され、数値が設定されるようになっている。
CM属性情報に含まれるCMのジャンル等の情報から関心事項のキーワード、例えば、アウトドア派等が特定されるようになっている。
【0034】
また、
図2(b)の右側に示す「関心度」(関心度X,…)には、例えば、ポップス好き、アイドル好き等の関心事項が設定され、その関心度がユーザ毎の閲覧回数又は閲覧時間、若しくはその両方に基づいて演算され、数値が設定されるようになっている。
CM関連属性情報に含まれるCMの楽曲情報、タレント情報等の情報から関心事項のキーワード、例えば、ポップス好き等が特定されるようになっている。
ユーザ関心度(CM関連属性情報)における関心度は、ユーザ基本属性情報に基づいて重み付けして数値化してもよい。
【0035】
つまり、
図2(b)に示したユーザ追加属性情報は、各ユーザが、CM属性情報とCM関連属性情報に基づいて、どのような事柄に関心を持っているのかを指標として数値化して蓄積しているものである。
【0036】
収集されたCM属性情報は、
図2(c)に示すように、ユーザID毎にアクセスされたCMについてのCM-ID(CMの識別子)、アクセス開始時刻、アクセス終了時刻等の日時、CMのジャンル等のCMの属性情報である。アクセス開始時刻とアクセス終了時刻は、CMへの滞在時間を示すものとなる。
収集されたCM関連属性情報は、
図2(d)に示すように、ユーザID毎にアクセスされたCM関連情報についてのCM-ID、アクセス開始時刻、アクセス終了時刻等の日時、CM関連情報の楽曲情報、タレント情報等のCM関連の属性情報である。
【0037】
ここで、ユーザ毎のCM属性情報及びCM関連属性情報は、ユーザ履歴DB23に記憶されたユーザ履歴情報を基にして収集されるものである。
ユーザ履歴DB23には、ユーザ履歴情報が時系列にCM-IDに対応してユーザID、開始時刻等が記憶されており、そのユーザ履歴情報からユーザIDを基にしてユーザ毎のCM属性情報又はCM関連属性情報を生成してユーザ属性DB22に記憶する。
【0038】
[ユーザ履歴DB23内のデータ構造:
図3]
次に、ユーザ履歴DB22内のデータ構造について
図3を参照しながら説明する。
図3は、ユーザ履歴DB23内のデータ構造を示す概略図である。特に、
図3(a)がユーザCM履歴情報、(b)がユーザCM関連履歴情報である。
ユーザ履歴DB23内のデータ構造は、
図3に示すように、ユーザCM履歴情報とユーザCM関連履歴情報とから成る。
【0039】
ユーザCM履歴情報は、
図3(a)に示すように、ユーザが視聴したCMのCM-IDに対して時系列にユーザID、開始時刻、終了時刻、ジャンル等の属性情報を記憶している。
ユーザCM関連履歴情報は、
図3(b)に示すように、ユーザがアクセスしたCM関連情報のCM-ID(正確にはCM関連IDだが、CM-IDとして扱う)に対して時系列にユーザID、開始時刻、終了時刻、楽曲情報等の属性情報を記憶している。
図3のデータは、ユーザがCMを視聴し、CM関連情報にアクセスした場合に順次蓄積されるものである。
【0040】
ネットワーク3は、インターネットを想定している。
ユーザ端末4aは、ノートパソコン等のパーソナルコンピュータ(PC)で有線又は無線によりネットワーク3を介して広告提供サーバ1が提供するCMを視聴し、CM関連情報にアクセスする。
ユーザ端末4bは、スマートフォン、タブレット等の端末装置で無線によりネットワーク3を介して広告提供サーバ1が提供するCMを視聴し、CM関連情報にアクセスする。
【0041】
[機能実現手段]
次に、広告提供サーバ1の制御部11が記憶部12に記憶される処理プログラムを実行することによって実現される機能実現手段について具体的に説明する。
機能実現手段として、CM提供手段、ユーザ登録手段、CM属性情報取得手段、CM関連属性情報取得手段、ユーザ関心度分析手段、ポイント付与手段、レポート生成手段等がある。以下、各手段を説明する。
【0042】
[CM提供手段]
CM提供手段は、広告DB21に記憶する広告(CM)データを運営するCM専用サイトに提供するものであり、ユーザ端末4からそれらCMへアクセスして視聴等の閲覧することが可能となる。
また、後述するCM属性情報、CM関連属性情報に基づいて分析されたユーザ関心度に応じて関心度が高いCMを上位に表示してもよい。これにより、ユーザにとって現実の嗜好に応じたCMを視聴でき、商品購入又はサービス利用の利便性を向上させることができるものである。
更に、CM提供手段は、CMを検索するための検索機能を備え、キーワード入力によるCMの検索を実現している。検索結果について、ユーザ基本属性情報によって重み付けして表示するようにしてもよい。
【0043】
[ユーザ登録手段]
ユーザ登録手段は、CMを閲覧したユーザにポイントを付与することで、ポイントの獲得を目的としてユーザ登録する必要があるため、ユーザ自らユーザの個人情報(ユーザ氏名、性別、年齢、生年月日、住所、メールアドレス等)を入力して登録すると、ユーザ属性DB22にユーザIDに対応付けてユーザ基本属性情報として記憶するものである。ユーザIDは、制御部11から割当てられるようになっている。
尚、ユーザの個人情報は、ユーザのレベルによって入力情報に差を付けるようにしてもよい。
【0044】
[CM属性情報取得手段]
CM属性情報取得手段は、CM専用サイトに提供されたCMについてユーザがアクセスして閲覧(視聴)した場合に、CMデータに対応するCM属性情報(CM特性情報)を取得し、CM-IDにユーザIDを対応付けてユーザCM履歴情報としてユーザ履歴DB23に記憶し、更に、ユーザCM履歴情報からユーザID毎にCM属性情報を取得し、ユーザ属性DB22に記憶するものである。
【0045】
[CM関連属性情報取得手段]
CM関連属性情報取得手段は、CM専用サイトに提供されたCM関連情報についてユーザがアクセスして閲覧した場合に、CM関連情報に対応するCM関連属性情報(CM関連特性情報)を取得し、CM-IDにユーザIDを対応付けてユーザCM関連履歴情報としてユーザ履歴DB23に記憶し、更に、ユーザCM関連履歴情報からユーザID毎にCM関連属性情報を取得し、ユーザ属性DB22に記憶するものである。
上述したように、CM属性情報及びCM関連属性情報は、広告DB21に記憶している広告データに含まれている。
【0046】
[ユーザ関心度分析手段]
ユーザ関心度分析手段は、ユーザ属性DB22においてユーザID毎に収集されたCM属性情報とCM関連属性情報について特定期間においてアクセスしたCM属性情報とCM関連属性情報の内容を、それぞれ集計して分析し、ユーザの趣味嗜好を関心度として算出し、
図2(b)に示したユーザ追加属性情報として生成する。
【0047】
具体的には、ユーザのアクセスした広告のジャンル、ターゲットとする年齢層・性別等のCM属性情報をアクセス回数、アクセス時間、遷移先等で重み付けを行い、CMに対する当該ユーザの関心度を分析して数値化する。
同様に、CM解説情報、楽曲情報、タレント情報、ロケ地等のCM関連情報をアクセス回数、アクセス時間等で重み付けを行い、CM関連情報に対するユーザの関心度を分析して数値化する。例えば、ユーザが、どのようなCM解説、楽曲、タレント、ロケ地に関心を示したか、関心度を評価する基準となるキーワードを抽出して数値化するものである。
【0048】
そして、ユーザ関心度分析手段は、CM属性情報から得られたユーザの関心度とCM関連属性情報から得られたユーザの関心度とを用いてユーザ追加属性情報を生成し、ユーザ属性DB22に記憶する。
図2のユーザ追加属性情報では、CM属性情報から得られたユーザの関心度を「関心度(CM属性情報)」とCM関連属性情報から得られたユーザの関心度を「関心度(CM関連属性情報)」と表している。
【0049】
[ポイント付与手段]
ポイント付与手段は、CMにアクセスしてCMを閲覧したユーザに対してポイント付与の基準に従いポイントを付与し、ユーザ端末4に通知する。通常、CMの閲覧回数が多いユーザに多くのポイントが付与されることになる。
また、ポイント付与手段は、付与したポイント情報について、ユーザID、取得日時、取得ポイント数、更にポイント数の合計をユーザ属性DB22に記憶する。
【0050】
[レポート生成手段]
レポート生成手段は、ユーザ属性DB22に記憶されたユーザ追加属性情報のCM属性情報から特定のCMにアクセスしたユーザを抽出する。そして、当該特定のCMにアクセスした個々のユーザのユーザ基本属性情報とユーザ追加属性情報を参照し、それらユーザ基本属性情報とユーザ追加属性情報を集計(合計又は平均化)して、総合的な趣味や嗜好を示す情報(総合的な属性情報)を求め、広告主へのレポートとして生成する。
この処理については、後述する。
【0051】
[処理の概要]
本システムの広告提供サーバ1の処理の概要について説明する。
広告提供サーバ1は、広告を提供して、アクセスがあったユーザにポイントを付与するものであり、CM又はCM関連情報へのアクセスにより、ユーザの関心度を分析し、当該関心度を用いてユーザ追加属性情報を生成し、ユーザ基本属性情報とユーザ追加属性情報とによりユーザの総合的な属性情報を形成するもので、その総合的な属性情報に基づいて広告主にレポートを提供する。
更に、ユーザ追加属性情報を時間の経過に従って変遷についても分析し、関心度の移り変わりもレポートに加える。
例えば、特定期間における関心事項(アウトドア、読書、…)ごとの関心度の変化をグラフで表したり、関心度の高い特定数の関心事項(ベスト3等)を時系列で表してもよい。
【0052】
[広告提供サーバでの具体的処理:
図4~6]
次に、本システムの広告提供サーバにおける具体的な処理について
図4~6を参照しながら説明する。
図4は、CM属性情報とCM関連属性情報の取得処理の概略を示すフロー図であり、
図5は、ユーザの関心度生成処理の概略を示すフロー図であり、
図6は、レポート生成処理の概略を示すフロー図である。
尚、
図4の処理は、CM属性情報取得手段、CM関連属性情報取得手段が実行し、
図5は、ユーザ関心度分析手段が実行し、
図6は、レポート生成手段が実行するものである。
【0053】
[CM属性情報とCM関連属性情報の取得処理:
図4]
CM属性情報とCM関連属性情報の取得処理は、
図4に示すように、制御部11がCM専用サイトで提供しているCMに視聴があったかどうか判定し(S1)、CMに視聴があったならば(Yesの場合)、当該CMのCM属性情報を取得し、ユーザID毎にユーザ属性DB22に記憶する(S2)。
【0054】
次に、CM関連情報にアクセスがあったかどうかを判定する(S3)。尚、判定処理S1でCM関連情報にアクセスがなければ(Noの場合)、判定処理S3に移行する。CM関連情報にアクセスがあるとは、CM関連情報に遷移するか、CM関連情報を検索して表示させることである。
判定処理S3で、CM関連情報にアクセスがあれば(Yesの場合)、当該CM関連情報のCM関連属性情報を取得し、ユーザID毎にユーザ属性DB22に記憶し(S4)、処理を終了する。
また、判定処理S3でCM関連情報にアクセスがなければ(Noの場合)、処理を終了する。
【0055】
[ユーザの関心度生成処理:
図5]
ユーザの関心度生成処理は、
図5に示すように、制御部11がユーザ属性DB22にアクセスし、ユーザ毎にCM属性情報を集計し分析する(S11)。
ユーザの関心度生成処理は、例えば、広告の閲覧回数又は閲覧時間、若しくは閲覧回数及び閲覧時間に基づいて関心度の関心事項(例えば「アウトドア」)を集計し、数値として算出する。尚、数値そのものでもよいが、当該数値に基づいてランクを特定してもよい。
そして、CM属性情報に基づくユーザ関心度を演算し、ユーザ追加属性情報に組み込む(S12)。
【0056】
次に、制御部11がユーザ属性DB22にアクセスし、ユーザ毎にCM関連属性情報を集計し分析する(S13)。CM関連属性情報の分析は、上記のCM属性情報の分析と同様である。
そして、CM関連属性情報に基づくユーザ関心度を演算し、ユーザ追加属性情報に組み込む(S14)。
【0057】
このようにして、CM属性情報とCM関連属性情報に基づくユーザの関心度を用いてユーザ追加属性情報を生成するものである。
また、CM属性情報、CM関連属性を収集する期間を特定期間として、その特定期間におけるユーザ追加属性情報を生成してもよいし、その特定期間を2018年、2019年、2020年のように複数年とし、ユーザ追加属性情報の変遷を比較可能としてもよい。
【0058】
[レポート生成処理:
図6]
レポート生成処理は、
図6に示すように、制御部11がユーザ属性DB22を参照し(S21)、レポート生成する特定のCMについて、当該CM-IDを含むユーザ追加属性情報を取得し、収集する(S22)。
そして、制御部11は、取得されたユーザ追加属性情報に対応するユーザ基本属性情報を取得し(S23)、特定のCMにアクセスした複数のユーザのユーザ基本属性情報とユーザ追加属性情報を用いて広告主へのレポートを生成する(S24)。
【0059】
[応用例1]
ユーザが企業の許可なく個人が勝手に作成した広告風作品(勝手CM)を本システムの広告専門サイトで掲載可能とし、広告提供サーバ1が正規CMに関連付けて、若しくはユーザ基本属性情報に関連付けて勝手CMを表示してもよい。
本システムでは、勝手CMを広告主に販売する仲介サイトを運営し、勝手CMが他人の著作権を侵害していないことを管理し、勝手CM作成のユーザに著作権問題についての助言を行い、広告主の企業と勝手CM作成者との連携を図るものである。
また、本システムでは、アクセス数が多い勝手CMを正規CMに関連付けて上位に表示するようにしてもよい。
【0060】
[応用例2]
ユーザは、正規CMとは関係ない個人又は企業のCM(自分CM)を本システムの広告専用サイトに掲載することができる。
通常、自分CMは、上記サイトにおける検索によって表示されるものであるが、有料のユーザ又はポイント数の高いユーザには、広告専用サイトでURLを付与して表示させるようにする。
【0061】
[実施の形態の効果]
本システムによれば、広告提供サーバ1が、CMを視聴したユーザにポイントを付与するCM専用サイトを実現し、ユーザ登録したユーザ基本属性情報だけでなく、CM及びCM関連情報のアクセスの履歴情報をユーザ履歴DB23に一旦記憶し、そのユーザ履歴情報からユーザ毎のCM属性情報及びCM関連属性を生成し、それらの情報から関心度(嗜好)を分析すると共に、その関心度の変遷も分析してユーザ追加属性情報を生成し、ユーザの変化する嗜好を反映させたCMアクセスのレポートを広告主に提供でき、更に、ユーザ嗜好を反映させたCMをユーザに提供できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、事前に登録されたユーザ属性情報に加えて、日々変化して行くユーザ属性情報を収集してアップデートしながら、ユーザの実際の消費行動や行動パターンにマッチする最適な広告をユーザに提供し、更に、広告について関連情報をリンクさせてユーザの趣味嗜好等の属性情報を取得しやすくした広告提供システム及びそのプログラムに好適である。
【符号の説明】
【0063】
1…広告提供サーバ、 3…ネットワーク、 4,4a,4b…ユーザ端末、 11…制御部、 12…記憶部、 13…インタフェース部、 21…広告データベース(DB)、 22…ユーザ属性データベース(DB)、 23…ユーザ履歴データベース(DB)