(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067811
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】測量機
(51)【国際特許分類】
G01C 15/06 20060101AFI20220426BHJP
G01C 15/00 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
G01C15/06 T
G01C15/00 103A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176621
(22)【出願日】2020-10-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-18
(71)【出願人】
【識別番号】504173437
【氏名又は名称】玉川 雅文
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】玉川 雅文
(57)【要約】
【課題】反射シートの角に自動視準可能な測量機の提供。
【解決手段】この測量機1は、
反射偏光軸で偏光させて反射光β1を発する反射シート28と、
反射偏光軸に交差する減光偏光軸で反射光β1を偏光させる減光区画と減光区画に隣接する透光区画と、減光区画と透光区画との境界に形成される第一境界線及び第二境界線と、第一境界線と第二境界線とが交差する位置にある基準点とを備える、偏光フィルタと、
反射シート28が発する反射光β1を偏光フィルタ16を通して受光する視準受光器17とを備える。好ましくは、第一境界線と前記第二境界線とが直交している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射偏光軸で偏光させて反射光を発する反射シートと、
前記反射偏光軸に交差する減光偏光軸で前記反射光を偏光させる減光区画と、前記減光区画に隣接する透光区画と、前記減光区画と前記透光区画との境界に形成される第一境界線及び第二境界線と、前記第一境界線と前記第二境界線とが交差する位置にある基準点とを備える、偏光フィルタと、
前記反射シートが発する前記反射光を前記偏光フィルタを通して受光する視準受光器と
を備える、測量機。
【請求項2】
前記第一境界線と前記第二境界線とが直交している、請求項1に記載の測量機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動視準可能な測量機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動視準可能な測量機が開示されている。この測量機では、4分割センサが反射シートの反射光を受光する。この4分割センサによって、反射光による上下での出力が等しく且つ左右での出力が等しくなる向きに、測量機の望遠鏡の向きが合わされる。これにより、望遠鏡の向きは、反射シートの中心に合わせられる。この測量機では、反射シートは、その中心を測定地点に一致させて配置される。これにより、望遠鏡の向きは、測定地点に合わせられる。この様にして、自動視準が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
測定地点が構造物の隅である場合、反射シートの中心を構造物の隅に一致させる必要がある。構造物によって、構造物の隅に反射シートの中心を一致させることが困難な場合がある。次善の策として、構造物の隅に反射シートの角を一致させることが考えられる。しかしながら、前述の視準機では、望遠鏡の向きは反射シートの中心に合わされ、その角に合わせられない。従って、反射シートの中心と角とのずれを補正する必要がある。この補正は、測量者の経験に依存する。この補正を伴う測定は精度に劣る。
【0005】
本発明の目的は、反射シートの角に自動視準可能な測量機の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る測量機は、
反射偏光軸で偏光させて反射光を発する反射シートと、
前記反射偏光軸に交差する減光偏光軸で前記反射光を偏光させる減光区画と、前記減光区画に隣接する透光区画と、前記減光区画と前記透光区画との境界に形成される第一境界線及び第二境界線と、前記第一境界線と前記第二境界線とが交差する位置にある基準点とを備える、偏光フィルタと、
前記反射シートが発する前記反射光を前記偏光フィルタを通して受光する視準受光器と
を備える。
【0007】
好ましくは、前記第一境界線と前記第二境界線とが直交している。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る測量機では、反射シートで偏光された反射光は、偏光フィルタの減光区画と透光区画とを通して視準受光器で受光される。測量機は、反射光の反射光域と減光区画及び透光区画との組み合わせにより、反射光域が偏光フィルタと重なる位置関係を判定できる。測量機は、反射光域と偏光フィルタの第一境界線及び第二境界線との組み合わせにより、反射光域が基準点と重なる位置関係を判定できる。この測量機は、反射シートの角に自動視準可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る測量機が示された概念図である。
【
図2】
図2は、
図1の測量機が備える反射板が示された説明図である。
【
図3】
図3は、
図1の測量機が備える偏光フィルタが示された説明図である。
【
図4】
図4は、
図1の測量機が備える視準受光器が示された説明図である。
【
図5】
図5(A)は
図1の測量機の使用状態の説明図であり、
図5(B)はこの測量機の他の使用状態の説明図であり、
図5(C)はこの測量機の更に他の使用状態の説明図である。
【
図6】
図6(A)は
図1の測量機の更に他の使用状態の説明図であり、
図6(B)はこの測量機の更に他の使用状態の説明図であり、
図6(C)はこの測量機の更に他の使用状態の説明図である。
【
図7】
図7(A)は
図1の測量機の更に他の使用状態の説明図であり、
図7(B)はこの測量機の更に他の使用状態の説明図であり、
図7(C)はこの測量機の更に他の使用状態の説明図である。
【
図8】
図8は
図1の測量機の更に他の使用状態の説明図である。
【
図9】
図9は
図1の測量機の更に他の使用状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0011】
図1には、測量機1の構成が示されている。この測量機1は、視準光α1を発光する視準光源2と、視準光α1を平行光にするコリメータレンズ3と、視準光α1の方向を変える反射ミラー4と、視準光α1が透過するダイクロイックミラー5と、視準光α1の方向を変える反射プリズム6と、視準光α1が透過する対物ガラス7とを備える。この測量機1では、視準光源2から発せられた視準光α1は、コリメータレンズ3、反射ミラー4、ダイクロイックミラー5及び反射プリズム6を介して、対物ガラス7から発せられる。
【0012】
測量機1は、視準光α1を反射する反射板8を更に備える。反射板8は、目標物Tの目標位置に配置されている。視準光α1は、反射板8に向かって発せられる。この反射板8は、視準光α1を反射光β1として反射する。
【0013】
この反射光β1は、対物ガラス7を透過する。測量機1は、この反射光β1が透過する対物レンズ9と、反射光β1の方向を変えるダイクロイックプリズム10及びダイクロイックプリズム11と、反射光β1が透過するレンズ12と、反射光β1の方向を変えるダイクロイックプリズム13及びダイクロイックプリズム14と、反射光β1の集光レンズ15と、反射光β1が通される偏光フィルタ16と、反射光β1を受光する視準受光器17とを更に備える。
【0014】
測量機1は、測距光α2を発光する測距光源18と、測距光α2を平行光にするコリメータレンズ19とを更に備える。この測量機1では、ダイクロイックミラー5は、測距光α2の方向を変える。反射プリズム6は、更に測距光α2の方向を変える。測距光α2は、対物ガラス7から反射板8に向かって発せられる。反射板8は、測距光α2を反射光β2として反射する。
【0015】
この反射光β2は、対物ガラス7及び対物レンズ9を透過する。反射光β2は、ダイクロイックプリズム10及びダイクロイックプリズム11によって、その方向を変えられる。反射光β2は、レンズ12、ダイクロイックプリズム13及びダイクロイックプリズム14を透過する。この測量機1は、この反射光β2の集光レンズ20と、反射光β2を受光する測距受光部21とを更に備える。この測量機1では、測距受光部21が反射光β2を受光することで、反射板8までの距離が測定可能である。
【0016】
この反射板8は、可視光を反射する。この可視光は、対物ガラス7、対物レンズ9、ダイクロイックプリズム10及びダイクロイックプリズム11を透過する。この測量機1は、この可視光を集光する合焦レンズ22と、上下を逆転させる正立プリズム23と、焦点板24及び接眼レンズ25を更に備える。この測量機1では、接眼レンズ25から測量者Pが覗くことで、測量者Pは反射板8を目視可能である。
【0017】
図示されないが、測量機1は、反射板8を除く視準光源2から接眼レンズ25を含む望遠鏡26と、この望遠鏡26の向きを水平方向に回動する水平回動装置と、望遠鏡26の向きを鉛直方向に回動する鉛直回動装置とを備える。
【0018】
図示されないが、測量機1は、反射板8に対する望遠鏡26の向きのずれを検知する機能と、水平回動装置と鉛直回動装置とを制御して望遠鏡26の向きを回動させる機能とを備える制御装置を備える。この測量機1は、自動視準可能である。この制御装置は、水平回動装置と鉛直回動装置とを制御して、反射光β1に基づき、移動する反射板8を追尾する機能を備える。この測量機1は、自動追尾可能である。この制御装置は、測距受光部21が受光する反射光β2に基づいて、反射板8までの距離を算出する機能を備える。この測量機1は、自動測距可能である。
【0019】
図2に示される様に、反射板8は基板27及び反射シート28を備える。この基板27の形状は矩形であるが、この形状は特に限定されない。反射シート28は、基板27の表面に貼り付けられている。反射シート28の第一縁29と第二縁30とは直交している。反射シート28は、第一縁29と第二縁30との交差する角である目標点31を備える。この反射シート28では、第一縁29は、基板27の一方の縁に沿って延びている。第二縁30は、基板27の一方の縁に直交する他方の縁に沿って延びている。反射シート28の第三縁32は、第一縁29及び第二縁30に交差して延びている。この反射シート28の形状は三角形である。なお、反射シート28は、第一縁29、第二縁30及び目標点31が特定可能であればよく、その形状は特に限定されない。例えば、第三縁32は、円弧でもよい。
【0020】
反射シート28は、受けた光を偏光して反射させる反射偏光軸33を備える。この反射シート28では、反射偏光軸33は、第一縁29に平行に延びている。反射偏光軸33は、第二縁30に直交して延びている。反射シート28は、受けた光を偏光して反射させる機能を備えていればよく、特に限定されない。反射シート28は、例えば、反射部材と偏光部材とを貼り合わせるなど、組み合わせて形成されてもよい。
【0021】
図3に示される様に、偏光フィルタ16は、2つの減光区画34と2つの透光区画35と備える。偏光フィルタ16は、減光区画34と透光区画35との境界に形成される第一境界線36及び第二境界線37備える。この測量機1では、第一境界線36と第二境界線37とは直交している。偏光フィルタ16は、第一境界線36と第二境界線37との交差する位置に、基準点38を備える。
【0022】
この第一境界線36と第二境界線37とは必ずしも直交しなくともよい。また、基準点38は第一境界線36と第二境界線37との交差する位置であればよく、第一境界線36と第二境界線37とは現実に交差していなくともよい。また、偏光フィルタ16は、第一境界線36と第二境界線37とが特定できる様に減光区画34及び透光区画35が形成されていればよい。減光区画34の数及び透光区画35の数は、それぞれ1つでもよいし、3以上の複数であってもよい。
【0023】
減光区画34は、光を偏光させる減光偏光軸39を備える。この減光偏光軸39は、第一境界線36と直交して延びている。この偏光フィルタ16では、基準点38を間にして、一対の減光区画34が対向している。
【0024】
透光区画35は、光を偏光させる透光偏光軸40を備える。この透光偏光軸40は、減光区画34の減光偏光軸39と直交して延びている。この偏光フィルタ16では、基準点38を間にして、一対の透光区画35が対向している。
【0025】
図4に示される様に、視準受光器17は、光を受光するセンサ42、水平方向の望遠鏡26の向きを制御するための水平サーボアンプ43と、鉛直方向の望遠鏡26の向きを制御するための鉛直サーボアンプ44とを備える。この測量機1では、センサ42は、水平方向及び鉛直方向に分割された4分割センサである。4分割されたセンサ42A、42B、42C及び42Dのそれぞれが、反射光β1を検知可能である。水平サーボアンプ43は、センサ42A、42B、42C及び42Dのそれぞれの受光量の差から、水平方向における望遠鏡26の向きのずれを算出する機能を備える。鉛直サーボアンプ44は、センサ42A、42B、42C及び42Dのそれぞれの受光量の差から、鉛直方向における望遠鏡26の向きのずれを算出する機能を備える。
【0026】
図5(A)には、測量機1の使用状態での、偏光フィルタ16と反射光β1の反射光域41の位置が示される。反射光域41の形状は、反射シート28の形状に対応して形成される。反射光域41の縁41Aが反射シート28の第一縁29に対応し、反射光域41の縁41Bが反射シート28の第二縁30に対応し、反射光域41の縁41Cが反射シート28の第三縁32に対応している。
【0027】
図5(A)では、偏光フィルタ16の上方に、反射光域41が位置している。この偏光フィルタ16では、減光区画34の減光偏光軸39は反射シート28の反射偏光軸33に直交している。反射光β1は、この減光区画34で遮断されている。透光区画35の透光偏光軸40は反射シート28の反射偏光軸33と平行である。反射光β1は、この透光区画35を透過している。
【0028】
図5(B)では、偏光フィルタ16の上方の透光区画35に、反射光域41が位置している。反射光域41全体の反射光β1が、この透光区画35を透過している。
【0029】
図5(C)では、上下の透光区画35及び上下の減光区画34に、反射光域41が位置している。反射光域41内に基準点38が位置している。反射光β1は、偏光フィルタ16の上下の透光区画35を透過している。反射光β1は、2つの減光区画34で遮断されている。
【0030】
図6(A)では、偏光フィルタ16の下方の透光区画35と、上下2つの減光区画34とに、反射光域41が位置している。反射光域41の縁41Cが基準点38に重なっている。反射光β1は、偏光フィルタ16の下方の透光区画35を透過している。反射光β1は、2つの減光区画34で遮断されている。
【0031】
図6(B)では、偏光フィルタ16の上方の透光区画35と下方の減光区画34とに、反射光域41が位置している。反射光域41の縁41Aが第一境界線36に重なっている。反射光β1は、上方の透光区画35を透過している。反射光β1は、下方の減光区画34で遮断されている。
【0032】
図6(C)では、偏光フィルタ16の上方の透光区画35と上方の減光区画34とに、反射光域41が位置している。反射光域41の縁41Bが第二境界線37に重なっている。反射光β1は、上方の透光区画35を透過している。反射光β1は、上方の減光区画34で遮断されている。
【0033】
図7(A)では、偏光フィルタ16の上方の透光区画35に反射光域41が位置している。反射光域41の縁41Aが第一境界線36に重なり、縁41Bが第二境界線37に重なっている。反射光β1は、上方の透光区画35を透過している。
【0034】
図7(B)では、偏光フィルタ16の下方の透光区画35に反射光域41の一部が位置している。反射光β1は、下方の透光区画35を透過している。
【0035】
図7(C)では、偏光フィルタ16の下方の透光区画35に、反射光域41が位置している。反射光域41の略全体の反射光β1が、この透光区画35を透過している。
【0036】
図8には、反射光域41と偏光フィルタ16との位置関係が示されている。
図8の符号VAは、
図5(A)の使用状態における基準点38の位置を示されている。同様に、符号VBからVIIAは、符号に対応する
図5(B)から
図7(A)の使用状態における基準点38の位置を示されている。測量機1では、望遠鏡26を回動することで、偏光フィルタ16の向きが変化する。これにより、
図8に示される様に、位置決めされた反射シート28の反射光域41と偏光フィルタ16との相対位置が変化する。
【0037】
以下、
図1から
図8を参照しつつ、この測量機1を用いた自動視準方法が説明される。ここでは、目標物Tの凹みの隅での測量を例に説明がされる。図示されないが、目標物Tの凹みの隅に、反射シート28の目標点31を合わせて反射板8が配置される(STEP1)。この行程(STEP1)では、基板27の長手方向に延びる縁を水平方向にして、反射シート28は
図2に示される様に配置される。
【0038】
測量機1の制御装置は、水平回動装置と鉛直回動装置とを制御し、反射シート28を捉える様に望遠鏡26を回動させる(STEP2)。この行程(STEP2)では、偏光フィルタ16と反射光域41との位置関係が、
図5(A)に示される状態にされる。視準受光器17は上方の透光区画35に位置する反射光域41の反射光β1を受光する。
【0039】
この制御装置は、水平回動装置と鉛直回動装置とを制御し、上方の透光区画35と反射光域41との重なりが最大となる様に、望遠鏡26を回動させる(STEP3)。この行程(STEP3)では、偏光フィルタ16と反射光域41との位置関係が、
図5(B)に示される状態にされる。視準受光器17は上方の透光区画35で反射光域41全体の反射光β1を受光する。
【0040】
この制御装置は、水平回動装置と鉛直回動装置とを制御し、第一境界線36及び第二境界線37が反射光域41の縁41A及び縁41Bに重なる向きに、且つ基準点38が反射光域41を横切る向きに、望遠鏡26を回動する(STEP4)。この行程(STEP4)では、偏光フィルタ16と反射光域41との重なりの位置関係が、
図5(C)に示される状態にされる。この状態では、反射光域41の中央に基準点38が重なっている。視準受光器17は、上下2つの透光区画35に重なる反射光域41の反射光β1を受光し、上下2つの減光区画34に重なる反射光域41の反射光β1を受光しない。
【0041】
この行程(STEP4)では、反射光域41の中央に基準点38が重なっているが、視準受光器17は減光区画34に重なる反射光域41の反射光β1を受光しない。制御装置は、目標物Tに配置されたものが、反射偏光軸33を備えた反射シート28であることを判定する(STEP4-1)。制御装置は、反射シート28に対応させて、以下に述べる行程(STEP5)以降の実行を決定する(STEP4-2)。
【0042】
この制御装置は、水平回動装置と鉛直回動装置とを制御し、第一境界線36及び第二境界線37が反射光域41の縁41A及び41Bに重なる向きに、且つ基準点38が反射光域41を横切る向きに、更に、反射光域41が上方の透光区画35から外れるまで、望遠鏡26を回動させる(STEP5)。この行程(STEP5)では、偏光フィルタ16と反射光域41との位置関係が、
図6(A)に示される状態にされる。この状態では、反射光域41の縁41Cが基準点38に重なっている。視準受光器17は、下方の透光区画35に重なる反射光域41の反射光β1を受光する。
【0043】
この制御装置は、
図6(A)の状態における、水平回動装置の水平角度と鉛直回動装置の鉛直角度とを記憶する(STEP6)。
【0044】
この制御装置は、水平回動装置を制御し、反射光域41が下方の透光区画35から外れるまで望遠鏡26を水平方向に回動させる(STEP7)。この行程(STEP7)では、偏光フィルタ16と反射光域41との位置関係が、
図6(B)に示される状態にされる。この状態では、反射光域41の縁41Aが第一境界線36に重なっている。視準受光器17は、上方の透光区画35に重なる反射光域41の反射光β1を受光し、下方の透光区画35では反射光β1を受光しない。
【0045】
この制御装置は、
図6(B)の状態における、水平回動装置の水平角度を記憶する(STEP8)。制御装置は、
図6(A)の状態から
図6(B)の状態までの水平回動装置の水平角度を記憶する。
【0046】
この制御装置は、水平回動装置を制御し、
図6(A)の状態に戻るまで望遠鏡26を水平方向に回動させる(STEP9)。この行程(STEP9)では、偏光フィルタ16と反射光域41との位置関係が、
図6(A)の状態に戻される。
【0047】
この制御装置は、鉛直回動装置を制御し、反射光域41が下方の透光区画35から外れるまで望遠鏡26を鉛直方向に回動させる(STEP10)。この行程(STEP10)では、偏光フィルタ16と反射光域41との位置関係が、
図6(C)に示される状態にされる。この状態では、反射光域41の縁41Bが第二境界線37に重なっている。視準受光器17は上方の透光区画35に重なる反射光域41の反射光β1を受光し、下方の透光区画35では反射光β1を受光しない。
【0048】
この制御装置は、
図6(C)の状態における、鉛直回動装置の鉛直角度を記憶する(STEP11)。制御装置は、
図6(A)の状態から
図6(C)の状態までの鉛直回動装置の鉛直角度を記憶する。
【0049】
この制御装置は、水平回動装置と鉛直回動装置とを制御し、
図6(A)の状態を基準にして、行程(STEP8)で記憶した水平角度に、且つ行程(STEP11)で記憶した鉛直角度に、望遠鏡26を回動させる(STEP12)。この行程(STEP12)では、偏光フィルタ16と反射光域41との位置関係が、
図7(A)に示される状態にされる。この状態では、反射光域41の縁41Aが第一境界線36に重なり、縁41Bが第二境界線37に重なっている。目標点31に対応する反射光域41の角が基準点38に重なっている。視準受光器17は上方の透光区画35に重なる反射光域41全体の反射光β1を受光する。
【0050】
前述の行程(STEP4-1)において、透光区画35と減光区画34との両方で反射光域41の反射光β1を受光した場合、制御装置は、反射偏光軸33を備えない従来の反射シートであると判定する。この場合には、制御装置は、従来の反射シートに対応させて、従来の視準行程の実行を決定する。従来の視準行程では、制御装置は、センサ42Aから42Dによって、反射光による上下での出力が等しく且つ左右での出力が等しくなる向きに、望遠鏡26の向きを合わせる。これにより、望遠鏡26の向きは、従来の反射シートの中心に合わされる。
【0051】
この視準方法では、
図5(A)に示される様に、上方の透光区画35で反射光域41を捉えた状態から視準が実行されたが、下方の透光区画35で反射光域41を捉えた状態からでも、同様に視準が実行される。
【0052】
例えば、この制御装置は、水平回動装置と鉛直回動装置とを制御し、反射シート28を捉える様に望遠鏡26を回動させる(STEP2)。この行程(STEP2)では、偏光フィルタ16と反射光域41の位置関係が、
図7(B)に示される状態にされる。視準受光器17は下方の透光区画35に重なる反射光域41の反射光β1を受光する。
【0053】
この制御装置は、水平回動装置と鉛直回動装置とを制御し、下方の透光区画35と反射光域41との重なりが最大となる様に、望遠鏡26を回動させる(STEP3’)。この行程(STEP3’)では、偏光フィルタ16と反射光域41の位置関係が、
図7(C)に示される状態にされる。視準受光器17は下方の透光区画35で反射光域41の反射光β1を受光する。
【0054】
この制御装置は、水平回動装置と鉛直回動装置とを制御し、第一境界線36及び第二境界線37が反射光域41の縁41A及び41Bに重なる向きに、且つ基準点38が反射光域41を横切る向きに、望遠鏡26を回動させる(STEP4’)。この行程(STEP4’)では、前述の行程(STEP4)と同様に、偏光フィルタ16と反射光域41の位置関係が、
図5(C)の状態にされる。この行程(STEP4’)では、行程(STEP4)と同様に、制御装置は、目標物Tに配置されたものが、反射偏光軸33を備えた反射シート28であることを判定する。制御装置は、反射シート28に対応させて、行程(STEP5)以降を実行する。
【0055】
この様に、この視準方法では、下方の透光区画35で反射光域41を捉えた状態からでも視準が実行される。なお、ここでは、
図7(B)の状態が
図7(C)の状態にされたが、
図7(B)の状態が
図5(B)の状態にされてもよい。その様にして、視準が実行されてもよい。
【0056】
この測量機1では、反射シート28が、反射偏光軸33で偏光させて反射光β1を発する。この反射光β1は、減光区画34と透光区画35とを備える偏光フィルタ16に通される。減光区画34は、反射偏光軸33に直交する減光偏光軸39で反射光β1を偏光させ、反射光β1を遮断する。透光区画35は反射偏光軸33と同じ透光偏光軸40で偏光させるので、反射光β1を透過させる。反射光β1は、減光区画34で遮断され、透光区画35を透過する。視準受光器17は、偏光フィルタ16を通して、透光区画35の反射光β1を受光する。
【0057】
視準受光器17は、減光区画34及び透光区画35に対する反射光β1の反射光域41の位置を検知する。この測量機1は、減光区画34と透光区画35との境界に形成される第一境界線36及び第二境界線37とに対して、反射光域41の位置を検知できる。これにより、この測量機1は、反射シート28の端としての第一縁29、第二縁30及び第三縁32に、視準可能である。この測量機1は、反射シート28の角としての目標点31に、視準可能である。この測量機1は、基準点38の位置に対する、反射シート28の目標点31の位置を容易に検知できる。
【0058】
この偏光フィルタ16では、減光偏光軸39が反射シート28の反射偏光軸33に直交し、透光偏光軸40が反射偏光軸33に平行にされたがこれに限定されない。減光区画34を通過する反射光β1が、透光区画35を通過するそれより減光されていればよい。言い換えれば、減光区画34より透光区画35を反射光β1が透過し易くされていればよい。例えば、減光偏光軸39と反射偏光軸33との交差角度が、透光偏光軸40と反射偏光軸33とのそれより直交に近づく様に大きくされていればよい。また、減光区画34が減光偏光軸39を備え、透光区画35が透光偏光軸40を備えなくてもよい。
【0059】
この偏光フィルタ16では、第一境界線36と第二境界線37とが直交している。反射シート28の目標点31の位置に対する、基準点38の位置は、第一境界線36に直交する方向と第二境界線37に直交する方向とで特定される。これにより、容易に且つ精度よく、基準点38と目標点31との位置合わせが可能である。
【0060】
この偏光フィルタ16では、第二境界線37が水平方向に延びており、第一境界線36が鉛直方向に延びている。この測量機1は、鉛直回動装置によって、第二境界線37に対して直交する方向に偏光フィルタ16の向きを変えることができる。この測量機1は、水平回動装置によって、第一境界線36に対して直交する方向に偏光フィルタ16の向きを変えることができる。この測量機1は、反射シート28の目標点31の位置に対して基準点38の位置を容易に合わせることができる。この観点から、第一境界線36及び第二境界線37のいずれか一方が水平方向に延びており他方が鉛直方向の延びていることが好ましい。
【0061】
この2つの透光区画35と2つの減光区画34とのそれぞれは、基準点38を間にして対向している。下方左の透光区画35に反射光域41の一部又は全部が位置するとき、偏光フィルタ16の第一境界線36と反射光域41の縁41Aとは同じ鉛直方向に延びているので、測量機1は、水平回動装置を制御して、下方左の透光区画35と下方右の減光区画34とで反射光域41の縁41Aの位置の水平角度を検知することができる。
【0062】
同様に、下方左の透光区画35に反射光域41の一部又は全部が位置するとき、偏光フィルタ16の第二境界線37と反射光域41の縁41Bとは同じ水平方向に延びているので、測量機1は、鉛直回動装置を制御して、下方左の透光区画35と上方左の減光区画34とで反射光域41の縁41Bの位置の鉛直角度を検知することができる。
【0063】
この測量機1は、前述の水平角度及び鉛直角度に合わせることにより、上方右の透光区画35で偏光フィルタ16の第一境界線36を反射光域41の縁41Aに合わせることができ、第二境界線37を反射光域41の縁41Bに合わせることができる。これにより、基準点38を目標点31に合わせることができる。
【0064】
この測量機1では、視準受光器17は上下及び左右に4分割された4分割センサを備える。この偏光フィルタ16では、第二境界線37と第一境界線36とが偏光フィルタ16を4つの区画に分割している。2つの減光区画34と2つの透光区画35とが、4分割センサのそれぞれに対応している。この測量機1では、4分割センサを備える視準受光器17によって、偏光フィルタ16と反射光域41との位置関係が容易に把握される。
【0065】
図9では、反射板8の基板27が、
図2の状態に対して90°回転させられている。反射シート28の反射偏光軸33が透光偏光軸40に直交する様に、この反射板8は目標物Tに配置されている。この状態では、反射偏光軸33は減光偏光軸39に平行にされている。この状態では、減光区画34を反射光β1が透過し、透光区画35で反射光β1が遮断されている。
【0066】
図9に示される様に、この測量機1は、減光区画34と透光区画35との位置関係を入れ替えて使用できる。この測量機1では、目標物Tの形状に合わせて、反射板8の配置を変えることが可能である。この観点から、減光偏光軸39と透光偏光軸40とが直交することが好ましい。また、反射シート28の配置変えを容易にする観点から、反射シート28の第一縁29と第二縁30とが直交することが好ましい。
【0067】
この偏光フィルタ16では、透光区画35における第一境界線36と第二境界線37となす角度は90°であり、反射シート28の第一縁29と第二縁30とのなす角度は90°である。この偏光フィルタ16と反射シート28では、第一境界線36の延びる方向に第一縁29の延びる方向を合わせることで、第二境界線37の延びる方向に第二縁30の延びる方向が合わせられる。これにより、第一境界線36に直交する方向と、第二境界線37に直交する方向とに、反射光域41の位置が特定される。この観点から、第一境界線36と第二境界線37となす角度は、反射シート28の第一縁29と第二縁30とのなす角度に等しくされることが、好ましい。なお、この観点では、第一境界線36と第二境界線37となす角度が反射シート28の第一縁29と第二縁30とのなす角度に等しければよく、大きさは90°に限定されない。
【0068】
この反射シート28は、第一縁29及び第二縁30のそれぞれに交差する第三縁32を備える。反射光β1の反射光域41は、第三縁32に対応する縁41Cを備える。この
図6(A)の状態から、第一縁29に対応する縁41Aが第一境界線36に重なる位置に、反射光域41に対して偏光フィルタ16の向きが変えられる。この
図6(A)の状態から、第二縁30に対応する縁41Bが第二境界線37に重なる位置に、反射光域41に対して偏光フィルタ16の向きが変えられる。この第三縁32を備えることで、反射光域41の縁41Aと第一境界線36と位置合わせが容易にされ、反射光域41の縁41Bと第二境界線37と位置合わせとが容易にされている。この観点から、反射シート28の第三縁32は、第一縁29及び第二縁30のそれぞれに交差する方向に延びることが好ましい。
【0069】
ここでは、偏光フィルタ16では、減光偏光軸39が第二境界線37に平行され、透光偏光軸40が第一境界線36に平行にされたが、これに限られない。減光偏光軸39が第二境界線37に傾斜して延びて、透光偏光軸40が第一境界線36に傾斜して延びてもよい。なお、この場合でも、減光偏光軸39と透光偏光軸40とは直交することが、好ましい。
【0070】
この測量機1では、行程(STEP4)及び行程(STEP4’)で、制御装置が反射偏光軸33を備える反射シート28か否かを判定している。制御装置は、反射偏光軸33を備える反射シート28のときに、この反射シート28に対応させて行程(STEP5)以降を実行する。制御装置は、従来の反射シートのときに、従来の反射シートに対応させて従来の行程を実行する。この測量機1は、反射偏光軸33を備える反射シート28と従来の反射シートのどちらにでも自動で視準を実行できる。
【0071】
この測量機1では、反射シート28の全面が反射偏光軸33で偏光されているが、これに限られない。反射シート28は、一部の領域に反射偏光軸33を備えなくてもよい。例えば、反射シート28は、目標点31の周囲に反射偏光軸33を備えない領域を形成してもよい。この反射シート28は、従来の反射シートと同様に、目標点31の周囲で偏光されていない反射光を発する。測距受光部21は、偏光されていない反射光を受光できる。言い換えると、測距受光部21は、減光されていない反射光を受光できる。目標点31の周囲に反射偏光軸33を備えない反射シート28は、反射板8までの距離の測定精度の維持向上に寄与する。
【0072】
なお、目標点31の周囲に反射偏光軸33を備えない領域が形成された反射シート28は、第一縁29及び第二縁30を備えることで目標点31を特定される。この反射シート28を用いても、反射光域41に基づいて目標点31に対応する位置に偏光フィルタ16の基準点38を合わせることが可能である。この反射シート28を用いても、測量機1は、反射シート28の角に自動視準可能である。
【符号の説明】
【0073】
1・・・測量機
16・・・偏光フィルタ
17・・・視準受光器
26・・・望遠鏡
28・・・反射シート
33・・・反射偏光軸
34・・・減光区画
35・・・透光区画
36・・・第一境界線
37・・・第二境界線
38・・・基準点
39・・・減光偏光軸
40・・・透光偏光軸
41・・・反射光域
【手続補正書】
【提出日】2021-01-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一縁と、第二縁と、前記第一縁と前記第二縁とが交差する目標点とを備え、反射偏光軸で偏光させて反射光を発する反射シートと、
前記反射偏光軸に交差する減光偏光軸で前記反射光を偏光させる減光区画と、前記減光区画に隣接する透光区画と、前記減光区画と前記透光区画との境界に形成される第一境界線及び第二境界線と、前記第一境界線と前記第二境界線とが交差する位置にある基準点とを備える、偏光フィルタと、
前記反射シートが発する前記反射光を前記偏光フィルタを通して受光する視準受光器と、
前記偏光フィルタと前記反射光の反射光域との水平方向の位置関係を変化させる水平回動装置と、
前記偏光フィルタと前記反射光の反射光域との鉛直方向の位置関係を変化させる鉛直回動装置と、
前記水平回動装置を制御して前記第一縁に対応する前記反射光域の縁に前記第一境界線を重ねて前記水平回動装置の水平角度を記憶し、前記鉛直回動装置を制御して前記第二縁に対応する前記反射光域の縁に前記第二境界線を重ねて前記鉛直回動装置の鉛直角度を記憶する、制御装置と
を備え、
前記制御装置が、記憶した前記水平角度と前記鉛直角度とに基づいて、前記第一縁に対応する前記反射光域の縁に前記第一境界線を重ね、前記第二縁に対応する前記反射光域の縁に前記第二境界線を重ね、前記目標点に前記基準点を重ねる、測量機。
【請求項2】
前記第一境界線と前記第二境界線とが直交しており、
前記偏光フィルタが、前記第一境界線と前記第二境界線とによって、前記基準点を間にして対向する2つの前記減光区画と、前記基準点を間にして対向する2つの前記透光区画とに分割されている、請求項1に記載の測量機。
【請求項3】
前記視準受光器が、前記反射光を検知する4つのセンサに分割された4分割センサを備え、
前記4分割センサのそれぞれのセンサに、2つの前記減光区画と2つの前記透光区画とが対応している、請求項2に記載の測量機。
【請求項4】
前記制御装置が、
前記視準受光器が2つの前記透光区画に重なる反射光域の反射光を受光し2つの前記減光区画に重なる反射光域の反射光を受光しない場合に、前記反射シートであると判定し、前記第一縁に対応する前記反射光域の縁に前記第一境界線を合わせ、前記第二縁に対応する前記反射光域の縁に前記第二境界線を合わせ、前記目標点に前記基準点を合わせ、
前記視準受光器が前記透光区画と前記減光区画との両方で反射光域の反射光を受光した場合、前記反射偏光軸を備えない他の反射シートであると判定し、前記他の反射シートに対応させて視準行程の実行を決定する、請求項2又は3に記載の測量機。
【手続補正書】
【提出日】2021-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一縁と、第二縁と、前記第一縁と前記第二縁とが交差する目標点とを備え、反射偏光軸で偏光させて反射光を発する反射シートと、
前記反射偏光軸に交差する減光偏光軸で前記反射光を偏光させる減光区画と、前記減光区画に隣接する透光区画と、前記減光区画と前記透光区画との境界に形成される第一境界線及び第二境界線と、前記第一境界線と前記第二境界線とが交差する位置にある基準点とを備える、偏光フィルタと、
前記反射シートが発する前記反射光を前記偏光フィルタを通して受光する視準受光器と、
前記偏光フィルタと前記反射光の反射光域との水平方向の位置関係を変化させる水平回動装置と、
前記偏光フィルタと前記反射光の反射光域との鉛直方向の位置関係を変化させる鉛直回動装置と、
前記水平回動装置を制御して前記第一縁に対応する前記反射光域の縁に前記第一境界線を重ねて前記水平回動装置の水平角度を記憶し、前記鉛直回動装置を制御して前記第二縁に対応する前記反射光域の縁に前記第二境界線を重ねて前記鉛直回動装置の鉛直角度を記憶する、制御装置と
を備え、
前記制御装置が、記憶した前記水平角度と前記鉛直角度とに基づいて、前記第一縁に対応する前記反射光域の縁に前記第一境界線を重ね、前記第二縁に対応する前記反射光域の縁に前記第二境界線を重ね、前記目標点に前記基準点を重ねる、測量機。
【請求項2】
前記第一境界線と前記第二境界線とが直交しており、
前記偏光フィルタが、前記第一境界線と前記第二境界線とによって、前記基準点を間にして対向する2つの前記減光区画と、前記基準点を間にして対向する2つの前記透光区画とに分割されている、請求項1に記載の測量機。
【請求項3】
前記視準受光器が、前記反射光を検知する4つのセンサに分割された4分割センサを備え、
前記4分割センサのそれぞれのセンサに、2つの前記減光区画と2つの前記透光区画とが対応している、請求項2に記載の測量機。
【請求項4】
前記制御装置が、
前記視準受光器が2つの前記透光区画に重なる反射光域の反射光を受光し2つの前記減光区画に重なる反射光域の反射光を受光しない場合に、前記反射シートであると判定し、 前記水平回動装置を制御して前記第一縁に対応する前記反射光域の縁に前記第一境界線を重ねて前記水平回動装置の水平角度を記憶し、前記鉛直回動装置を制御して前記第二縁に対応する前記反射光域の縁に前記第二境界線を重ねて前記鉛直回動装置の鉛直角度を記憶し、
前記第一縁に対応する前記反射光域の縁に前記第一境界線を合わせ、前記第二縁に対応する前記反射光域の縁に前記第二境界線を合わせ、前記目標点に前記基準点を合わせ、
前記視準受光器が前記透光区画と前記減光区画との両方で反射光域の反射光を受光した場合に、前記反射偏光軸を備えない他の反射シートであると判定し、前記他の反射シートに対応させて視準行程の実行を決定する、請求項2又は3に記載の測量機。