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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067835
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】解凍装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/08 20060101AFI20220426BHJP
【FI】
F24F13/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176659
(22)【出願日】2020-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】520320446
【氏名又は名称】中部電力パワーグリッド株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】506259379
【氏名又は名称】株式会社菱豊フリーズシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(72)【発明者】
【氏名】長 伸朗
(72)【発明者】
【氏名】森 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】二宮 大朗
(72)【発明者】
【氏名】内海 恵介
(72)【発明者】
【氏名】西谷 章
【テーマコード(参考)】
3L081
【Fターム(参考)】
3L081AA02
3L081AA10
3L081AB06
(57)【要約】
【課題】解凍能力を向上させること。
【解決手段】解凍装置100は、蒸気の流入口25および流出口26を有し、蒸気で被解凍物を解凍する解凍室28と、蒸気の吹出部53と、流入口25と流出口26とに接続されると共に、吹出部53が設けられ、吹出部53から吹き出された蒸気が解凍室28との間で循環する循環流路3と、循環流路3において流出口26から吹出部53へ向かって流れる蒸気から水分を分離させる分離機構8とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気の流入口および流出口を有し、蒸気で被解凍物を解凍する解凍室と、
蒸気の吹出部と、
前記流入口と前記流出口とに接続されると共に、前記吹出部が設けられ、前記吹出部から吹き出された蒸気が前記解凍室との間で循環する循環流路と、
前記循環流路において前記流出口から前記吹出部へ向かって流れる蒸気から水分を分離させる分離機構とを備えている
ことを特徴とする解凍装置。
【請求項2】
請求項1に記載の解凍装置において、
前記分離機構は、前記循環流路における前記流出口から前記吹出部までの部分に設けられ、蒸気が衝突することによって蒸気中の水分が付着する衝突板を有している
ことを特徴とする解凍装置。
【請求項3】
請求項2に記載の解凍装置において、
前記流出口は、蒸気が水平方向に流出するように構成され、
前記循環流路は、前記流出口に接続されると共に前記吹出部よりも上流側に位置し、鉛直方向に延びる鉛直流路を有し、
前記衝突板は、前記鉛直流路において前記流出口と対向するように設けられている
ことを特徴とする解凍装置。
【請求項4】
請求項3に記載の解凍装置において、
前記鉛直流路は、蒸気が鉛直上方へ向かって流れるように構成され、
前記衝突板は、鉛直上方へ向かうに従って前記流出口側へ傾いている
ことを特徴とする解凍装置。
【請求項5】
請求項4に記載の解凍装置において、
前記衝突板は、前記鉛直流路において鉛直方向に複数配列されている
ことを特徴とする解凍装置。
【請求項6】
請求項2乃至5の何れか1項に記載の解凍装置において、
前記衝突板は、多数の孔が形成されている多孔板である
ことを特徴とする解凍装置。
【請求項7】
請求項3乃至5の何れか1項に記載の解凍装置において、
前記循環流路において蒸気を循環させるファンをさらに備え、
前記ファンは、前記鉛直流路における前記流出口と前記衝突板との間に設けられている
ことを特徴とする解凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、蒸気で解凍を行う解凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、蒸気で被解凍物を解凍する解凍装置が知られている。例えば特許文献1に開示されている解凍装置は、蒸気を放出する放出体を備え、該放出体と解凍室との間で蒸気を循環させることで解凍室の被解凍物を解凍する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-290046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような解凍装置では、解凍室で発生した水分も蒸気と共に循環し得るため、解凍能力が低下するという問題がある。つまり、解凍室では、蒸気が凝縮し、その凝縮に伴う潜熱によって被解凍物が解凍される。そのため、循環する蒸気には、蒸気の凝縮によって発生した水分も含まれ得る。そうすると、循環蒸気には、水分が含まれている分だけ、放出体から放出された新たな蒸気が含まれにくくなる。その結果、解凍室に流入する蒸気の量が低下するので、解凍能力が低下してしまう。
【0005】
本願に開示の技術は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、解凍能力を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示の技術は、解凍室と、蒸気の吹出部と、循環流路と、分離機構とを備えている。前記解凍室は、蒸気の流入口および流出口を有し、蒸気で被解凍物を解凍する。前記循環流路は、前記流入口と前記流出口とに接続されると共に、前記吹出部が設けられ、前記吹出部から吹き出した蒸気が前記解凍室の間で循環する。前記分離機構は、前記循環流路において前記流出口から前記吹出部へ向かって流れる蒸気から水分を分離させる。
【発明の効果】
【0007】
本願に開示の技術によれば、解凍能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、解凍装置の概略構成を開放して示す正面図である。
図2図2は、解凍装置の要部を拡大して示す図である。
図3図3は、その他の実施形態に係る解凍装置の要部を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本願に開示の技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0010】
本実施形態の解凍装置100は、蒸気の潜熱で被解凍物を解凍するものである。図1は、解凍装置100の概略構成を開放して示す正面図である。解凍装置100は、解凍部2と、循環流路3と、ファン4と、蒸気供給機構5と、冷却部6と、分離機構8とを備えている。
【0011】
具体的に、解凍装置100は、解凍部2、循環流路3、ファン4、蒸気供給機構5および分離機構8が収容されるキャビネット1を備えている。
【0012】
キャビネット1は、略矩形体に形成されている。キャビネット1は、水平方向に延びる底板11および天板14と、鉛直方向に延びる左側板12および右側板13と、図示しない正面板および背面板とを有している。キャビネット1は、その内部空間が仕切板15によって左右方向に仕切られている。つまり、キャビネット1の内部空間は、仕切板15によって第1室16と第2室17とに仕切られている。第1室16は、第2室17よりも大きい。
【0013】
解凍部2は、第1室16に収容されている。解凍部2は、略矩形体に形成されている。解凍部2は、水平方向に延びる底板21および天板24と、鉛直方向に延びる左側板22および右側板23と、図示しない正面板および背面板とを有している。
【0014】
解凍部2は、複数(本実施形態では、7つ)の解凍室28を有している。解凍部2は、その内部空間が複数(本実施形態では、6つ)の仕切板27によって上下方向に7つの空間に仕切られている。この7つの空間のそれぞれが、解凍室28を構成している。つまり、解凍部2の内部空間は、上下方向に7つの解凍室28に仕切られている。なお、上述した解凍室28の数量は、単なる一例であり、1つであってもよいし、7つ以外の複数であってもよい。
【0015】
複数の解凍室28のそれぞれは、蒸気の流入口25および流出口26を有している。具体的に、解凍部2の左側板22には、多数の開口が形成されている。この左側板22の多数の開口が、各解凍室28の流入口25となっている。また、解凍部2の右側板23には、多数の開口が形成されている。この右側板23の多数の開口が、各解凍室28の流出口26となっている。流入口25は蒸気が水平方向に流入するように構成され、流出口26は蒸気が水平方向に流出するように構成されている。すなわち、解凍室28では、蒸気が水平方向(キャビネット1の左右方向)に通過する。各解凍室28は、通過する蒸気で被解凍物を解凍する。
【0016】
循環流路3は、解凍室28の流入口25と流出口26とに接続されると共に、後述する吹出部53が設けられ、吹出部53から吹き出した蒸気が解凍室28との間で循環する流路である。循環流路3は、解凍部2と同様、第1室16に設けられている。
【0017】
より具体的に、循環流路3は、水平流路31と、左側の鉛直流路32と、右側の鉛直流路33とを有している。水平流路31は、水平方向に延びる流路であり、キャビネット1の天板14と解凍部2の天板24との間に形成されている。左側の鉛直流路32は、鉛直方向に延びる流路であり、キャビネット1の仕切板15と解凍部2の左側板22との間に形成されている。右側の鉛直流路33は、鉛直方向に延びる流路であり、キャビネット1の右側板13と解凍部2の右側板23との間に形成されている。
【0018】
水平流路31は、左側の鉛直流路32と右側の鉛直流路33とに接続されている。左側の鉛直流路32は、水平流路31と解凍室28の流入口25とに接続されている。右側の鉛直流路33は、水平流路31と解凍室28の流出口26とに接続されている。循環流路3では、流出口26から流出した蒸気が、右側の鉛直流路33、水平流路31および左側の鉛直流路32の順に流れて、流入口25から解凍室28に流入する。つまり、左側の鉛直流路32は、蒸気が鉛直下方へ向かって流れるように構成され、右側の鉛直流路33は、蒸気が鉛直上方へ向かって流れるように構成されている。こうして、循環流路3において蒸気が循環する。
【0019】
ファン4は、循環流路3において上述したように蒸気を循環させるものである。ファン4は、右側の鉛直流路33に設けられている。より具体的に、ファン4は、複数(本実施形態では、2つ)設けられている。2つのファン4は、鉛直方向、すなわち複数の解凍室28の並び方向に配列されている。ファン4の吸い込み側は、流出口26と対向しており、ファン4の吹き出し側は、キャビネット1の右側板13と対向している。ファン4は、回転数が可変に構成されている。
【0020】
蒸気供給機構5は、蒸気を生成して循環流路3に供給する。具体的に、蒸気供給機構5は、蒸気生成機51と、供給管52と、吹出部53とを有している。
【0021】
蒸気生成機51は、蒸気を生成する。蒸気生成機51は、キャビネット1の第2室17に収容されている。例えば、蒸気生成機51は、図示しないが、給水タンクおよび加熱タンクを有する。蒸気生成機51では、給水タンクから加熱タンクに適宜給水される。そして、加熱タンクでは、給水タンクから供給された水が加熱されることによって蒸気が生成される。
【0022】
供給管52は、蒸気生成機51に接続されている。より具体的に、供給管52の一端(流入端)は蒸気生成機51に接続され、供給管52の他端(流出端)はキャビネット1の第1室16に位置している。つまり、供給管52は、仕切板15を貫通し、第2室17と第1室16とに跨って配置されている。
【0023】
吹出部53は、供給管52の他端に接続されている。吹出部53は、蒸気生成機51から供給管52を介して供給された蒸気を吹き出す。吹出部53は、第1室16の循環流路3に設けられている。より具体的に、吹出部53は、水平流路31と左側の鉛直流路32との接続部に位置している。このように、蒸気供給機構5では、蒸気生成機51で生成された蒸気が、循環流路3供給される。
【0024】
冷却部6は、循環流路3における蒸気を冷却する例えば冷却熱交換器である。例えば、冷却部6は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置(図示省略)の一部を構成している。より具体的に、冷却部6は、水平流路31に設けられている。冷却部6は、吹出部53よりも上流側(図1において右側)に設けられている。
【0025】
分離機構8は、循環流路3において流出口26から吹出部53へ向かって流れる蒸気から水分を分離させるものである。つまり、分離機構8は、流出口26から流出した蒸気が吹出部53に流れるまでに、その蒸気中に含まれる水分を分離する。
【0026】
具体的に、分離機構8は、蒸気が衝突することによって蒸気中の水分が付着する衝突板81を有している。衝突板81は、循環流路3における流出口26から吹出部53までの部分に設けられている。より詳しくは、衝突板81は、右側の鉛直流路33において前記流出口と対向するように設けられている。さらに、衝突板81は、鉛直上方へ向かうに従って流出口26側へ傾いている。
【0027】
さらに、衝突板81は、鉛直流路33において鉛直方向に複数配列されている。複数の衝突板81は、キャビネット1の右側板13の内面に取り付けられている。つまり、複数の衝突板81は、基端側が右側板13に固定され、先端側が鉛直上方へ向かうに従って右側板13から離隔するように延びている。そして、ファン4は、流出口26と衝突板81との間に設けられている。つまり、ファン4の吹き出し側は、衝突板81と対向している。
【0028】
また、解凍装置100は、複数の風向板7を備えている。複数の風向板7は、左側の鉛直流路32に設けられている。複数の風向板7は、鉛直方向に配列されている。風向板7は、可変式のものである。風向板7は、回転角度を変更することにより、各解凍室28に流入する蒸気の量を変更するように構成されている。
【0029】
また、解凍装置100は、制御部9を備えている。制御部9は、ファン4の回転数、吹出部53からの蒸気の吹き出し量、冷却部6の冷却能力、風向板7の回転角度を制御するように構成されている。
【0030】
〈運転動作〉
上記のように構成された解凍装置100の運転動作について説明する。図1に矢印で示すように、吹出部53から吹き出された蒸気は、ファン4によって、複数の解凍室28との間で循環する。具体的には、吹出部53から吹き出された蒸気は、左側の鉛直流路32に流れて、流入口25から各解凍室28に流入し、流出口26から流出する。こうして、蒸気が解凍室28を通過することにより、解凍室28では、蒸気の潜熱によって被解凍物が解凍される。その際、蒸気の凝縮によって水分が発生し、蒸気と共に流出口26から流出する。
【0031】
また、解凍室28では、流出口26側に設けられたファン4の吸い込み動作によって、蒸気が流通する。そのため、例えば、ファンが解凍室28の流入口25側に設けられ、ファンの吹き出し動作によって蒸気が解凍室28を流通する場合に比べて、解凍室28における蒸気の風速(風量)を均一にすることができる。そのため、蒸気の風速ムラによって生じる被解凍物の解凍ムラを抑制することができる。このとき、制御部9によって風向板7の回転角度も適宜制御することによって、解凍室28における蒸気の風速(風量)を高精度に均一化させることができる。
【0032】
図2は、解凍装置100の要部を拡大して示す図である。蒸気は、解凍室28から右側板13へ向かって流出する。そのため、流出口26から流出した蒸気は、図2に実線の矢印で示すように、衝突板81に衝突する。蒸気が衝突板81に衝突することにより、蒸気中に含まれる水分が衝突板81に付着する。さらに、蒸気はファン4によって衝突板81(右側板13)へ向かって吹き出されるため、衝突板81に蒸気がより強く衝突する。そのため、蒸気中に含まれる水分が衝突板81により付着する。
【0033】
蒸気中に含まれる水分が衝突板81に付着することにより、蒸気から水分が分離される。こうして水分が分離された蒸気は、図2に破線の矢印で示すように、上方へ向かって流れる。ここで、衝突板81は、鉛直方向に複数設けられており、しかも鉛直上方へ向かうに従って流出口26側に傾いているので、蒸気は上方へ向かって流れる際も衝突板81に衝突し得る。これによっても、蒸気中の水分が衝突板81に付着し分離される。衝突板81に付着した水分は、衝突板81に沿って流下し、次いで、右側板13に沿って流下する。
【0034】
水分が分離された蒸気は、水平流路31に流れ、冷却部6において適宜冷却される。冷却部6を通過した蒸気は、吹出部53まで流れる。吹出部53まで流れた蒸気は、水分が分離されているため、その分、吹出部53から吹き出された新たな蒸気と共に循環し易くなる。そうすると、解凍室28に流入する蒸気の量が実質増加することとなり、解凍能力が向上する。
【0035】
また、上記の解凍装置100では、複数のファン4のそれぞれの回転数を変化させたり、複数の風向板7のそれぞれの回転角度を変化させたりすることにより、複数の解凍室28のそれぞれにおいて蒸気の風速を任意に制御することができる。そのため、例えば解凍特性が異なる複数種類の被解凍物であっても、それらを別々の解凍室28に配置することにより、同時に解凍することが可能である。
【0036】
以上のように、上記実施形態の解凍装置100は、解凍室28と、蒸気の吹出部53と、循環流路3と、分離機構8とを備えている。解凍室28は、蒸気の流入口25および流出口26を有し、蒸気で被解凍物を解凍する。循環流路3は、流入口25と流出口26とに接続されると共に、吹出部53が設けられ、吹出部53から吹き出された蒸気が解凍室28との間で循環する。分離機構8は、循環流路3において流出口26から吹出部53へ向かって流れる蒸気から水分を分離させる。
【0037】
上記の構成によれば、解凍室28では、蒸気の潜熱によって被解凍物が解凍される。流出口26から流出した蒸気には、解凍室28において蒸気の凝縮によって発生した水分が含まれている。この水分が含まれる蒸気は、吹出部53に流れるまでに、分離機構8によって水分が分離される。そのため、水分が分離された蒸気は、吹出部53から吹き出された新たな蒸気と共に循環し易くなる。これにより、解凍室28に流入する蒸気の量が実質増加するので、解凍能力を向上させることができる。
【0038】
また、上記実施形態の解凍装置100において、分離機構8は、循環流路3における流出口26から吹出部53までの部分に設けられ、蒸気が衝突することによって蒸気中の水分が付着する衝突板81を有している。
【0039】
上記の構成によれば、蒸気が衝突板81に衝突することによって蒸気中の水分が衝突板81に付着することにより、蒸気から水分を分離させることができる。そのため、簡易な構成で蒸気中の水分を分離させることができる。
【0040】
また、上記実施形態の解凍装置100において、流出口26は、蒸気が水平方向に流出するように構成されている。循環流路3は、流出口26に接続されると共に吹出部53よりも上流側に位置し、鉛直方向に延びる鉛直流路33を有している。衝突板81は、鉛直流路33において流出口26と対向するように設けられている。
【0041】
上記の構成によれば、鉛直流路33において衝突板81が流出口26と対向しているので、流出口26から流出した蒸気を衝突板81に効果的に衝突させることができる。そのため、蒸気中の水分を衝突板81により付着させることができる。
【0042】
また、上記実施形態の解凍装置100において、鉛直流路33は、蒸気が鉛直上方へ向かって流れるように構成されている。衝突板81は、鉛直上方へ向かうに従って流出口26側へ傾いている。
【0043】
上記の構成によれば、衝突板81が鉛直上方へ向かに従って流出口26側に傾いているので、衝突板81に付着した水分が、衝突板81に衝突した後に鉛直上方へ向かって流れようとする蒸気に連行され難くなる。そのため、衝突板81に付着した水分が蒸気と共に鉛直上方へ流れることを抑制することができる。
【0044】
また、上記実施形態の解凍装置100において、衝突板81は、鉛直流路33において鉛直方向に複数配列されている。
【0045】
上記の構成によれば、蒸気は鉛直流路33を上方へ向かって流れる際も衝突板81に衝突し得る。これによっても、蒸気中の水分を衝突板81に付着させて分離させることができる。
【0046】
また、上記実施形態の解凍装置100は、循環流路3において蒸気を循環させるファン4をさらに備えている。そして、ファン4は、鉛直流路33における流出口26と衝突板81との間に設けられている。
【0047】
上記の構成によれば、蒸気はファン4によって衝突板81(右側板13)へ向かって吹き出されるため、蒸気を衝突板81により強く衝突させることができる。そのため、蒸気中に含まれる水分を衝突板81により付着させることができる。したがって、蒸気を循環させるためのファン4を利用して、水分の分離効率を高めることができる。
【0048】
(その他の実施形態)
本願に開示の技術は、上記実施形態において以下のような構成としてもよい。
【0049】
例えば、分離機構8は、上述した衝突板81に代えて、図3に示すように、多孔板82を備えるようにしてもよい。多孔板82は、小さな孔が多数設けられている板部材である。多孔板82は、例えば、鉛直流路33と水平流路31との接続部に設けられる。この場合、流出口26から鉛直流路33に流出した蒸気は、多孔板82を通過して水平流路31に流れる。蒸気が多孔板82を通過する際、蒸気中に含まれる水分は多孔板82に付着する。これにより、蒸気中の水分を分離させることができる。この場合も、上記実施形態と同様、解凍能力を向上させることができる。
【0050】
また、上記実施形態の衝突板81として、多数の孔が形成された多孔板を用いるようにしてもよい。その場合、水分の付着効率を向上させることができる。
【0051】
また、上記実施形態の衝突板81は、衝突面を凹凸状に形成するようにしてもよい。これにより、水分の付着効率を向上させることができる。
【0052】
また、上記実施形態において、キャビネット1の右側板13を、衝突板として兼用するようにしてもよい。
【0053】
また、ファン4の数量は、1つであってもよいし、2つ以外の複数であってもよい。また、風向板7の数量は、1つであってよいし、省略するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本願に開示の技術は、蒸気で解凍を行う解凍装置について有用である。
【符号の説明】
【0055】
100 解凍装置
3 循環流路
4 ファン
8 分離機構
28 解凍室
33 鉛直流路
53 吹出部
81 衝突板
82 多孔板
図1
図2
図3