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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067862
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】日射遮蔽装置及び高さ調整装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/388 20060101AFI20220426BHJP
   E06B 9/326 20060101ALI20220426BHJP
   E06B 9/382 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
E06B9/388
E06B9/326
E06B9/382
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176703
(22)【出願日】2020-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000109923
【氏名又は名称】トーソー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】金子 敦
(72)【発明者】
【氏名】山下 純平
(72)【発明者】
【氏名】星 裕之
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA01
2E043AA04
2E043BB02
2E043DA02
2E043DA06
2E043DA07
(57)【要約】
【課題】昇降コードの垂れ下がりによる意匠性の低下を抑える。
【解決手段】ヘッドボックスから垂下されていて複数のスラット160を支持するとともに、下端でボトムレール150を支持するラダーコード131,132と、ヘッドボックスから垂下されていて下端でボトムレール150に連結されて該ボトムレール150を昇降させる少なくとも昇降コード141,142と、ボトムレール150に取り付けられて該ボトムレール150の高さ位置を調整する高さ調整装置1と、を備え、高さ調整装置1は、ラダーコード131,132及び昇降コード141,142を巻き付けるための軸線に沿って延びる筒状の巻取軸30を有し、巻取軸30は、軸線に交差する方向において巻取軸30を貫通する孔である一対の孔部33,34を有し、ラダーコード130及び昇降コード140は、一対の孔部33,34と係合して巻取軸30に巻き取られる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドボックスから垂下されていて複数のスラットを支持するとともに、下端でボトムレールを支持するラダーコードと、
前記ヘッドボックスから垂下されていて下端で前記ボトムレールに連結されて該ボトムレールを昇降させる昇降コードと、
前記ボトムレールに取り付けられて該ボトムレールの高さ位置を調整する高さ調整装置と、
を備え、
前記高さ調整装置は、前記ラダーコード及び前記昇降コードを巻き付けるための軸線に沿って延びる筒状の巻取軸を有し、
前記巻取軸は、前記軸線に交差する方向において前記巻取軸を貫通する孔である一対の孔部を有し、
前記ラダーコード及び前記昇降コードは、前記一対の孔部と係合して前記巻取軸に巻き取られる
ことを特徴とする日射遮蔽装置。
【請求項2】
前記ラダーコードは、互いに対向する一対のラダーコードであり、
記昇降コードは、互いに対向する一対の昇降コードであり、
前記ボトムレールに取り付けられ、前記巻取軸を前記軸線周りに回転自在に収容するように形成された前記軸線に沿って延びる筒状の軸支持部材をさらに備え、
前記軸支持部材は、該軸支持部材の外部と内部とを連通する空間である一対の案内空間を有し、
前記一対のラダーコードはそれぞれ、互いに対向する前記一対の案内空間から前記軸支持部材の内部に案内され、互いに対向する前記一対の孔部において係止されており、
前記一対の昇降コードはそれぞれ、前記一対の案内空間及び前記一対の孔部の一方から挿入されて、他方から導出されて前記軸支持部材に係止されている
ことを特徴とする請求項1に記載の日射遮蔽装置。
【請求項3】
前記軸支持部材は、前記一対の昇降コードをそれぞれ対向する側で係止可能に形成された部分である係止部を有することを特徴とする請求項2に記載の日射遮蔽装置。
【請求項4】
前記ボトムレールに取り付けられ、前記巻取軸を前記軸線周りに回転自在に収容するように形成された前記軸線に沿って延びる筒状の軸支持部材をさらに備え、
前記ラダーコードは、互いに対向する一対のラダーコードであり、
前記昇降コードは、一本の昇降コードであり、
前記巻取軸は、前記軸線に沿って前記昇降コードを内部に案内する孔である案内孔部をさらに有し、
前記一対のラダーコードはそれぞれ、互いに対向する前記一対の案内空間から前記軸支持部材の内部に案内され、互いに対向する前記一対の孔部において係止されており、
前記昇降コードは、前記ヘッドボックスの側から前記案内孔部から前記巻取軸の内部に案内され、前記巻取軸の外周面に巻き取り可能に前記巻取軸に係合している
ことを特徴とする請求項1に記載の日射遮蔽装置。
【請求項5】
日射遮蔽装置におけるボトムレールの高さ調整装置であって、
ラダーコード及び昇降コードを巻き付けるための軸線に沿って延びる筒状の巻取軸と、
前記巻取軸を収容して前記軸線周りに回転自在に支持するように形成された前記軸線に沿って延びる筒状の軸支持部材と、
を備え、
前記巻取軸は、前記軸線に交差する方向において前記巻取軸を貫通する孔である一対の
孔部を有しており、
前記ラダーコード及び前記昇降コードは、前記巻取軸の回転に伴い前記一対の孔部に係合して前記巻取軸に巻き取られる
ことを特徴とする高さ調整装置。
【請求項6】
日射遮蔽装置におけるボトムレールの高さ調整装置であって、
ラダーコード及び昇降コードを巻き付けるための軸線に沿って延びる筒状の巻取軸と、
前記巻取軸を収容して前記軸線周りに回転自在に支持するように形成された前記軸線に沿って延びる筒状の軸支持部材と、
を備え、
前記巻取軸は、前記軸線に交差する方向において前記巻取軸を貫通する孔である一対の孔部と、前記軸線に沿って前記昇降コードを内部に案内する孔である案内孔部と、を有し、
前記ラダーコード及び前記昇降コードは、前記巻取軸の回転に伴い前記一対の孔部に係合して前記巻取軸に巻き取られる
ことを特徴とする高さ調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日射遮蔽装置及び日射遮蔽装置におけるボトムレールの高さ調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日射遮蔽装置は、全開時のボトムレールの下限位置(高さ位置)を調整する高さ調整装置を備える。日射遮蔽装置においてボトムレールは、ラダーコードによって支持されている。日射遮蔽装置の設置後のボトムレールの下限位置は、高さ調整装置によりラダーコードを所望の長さに調整することにより調整される。また、ボトムレールの昇降動作は、昇降コードの一端側をヘッドボックスに巻き取り及びヘッドボックスから巻き出すことにより行われる。昇降コードの他端側は、ボトムレールに連結されている。
【0003】
従来、ボトムレールに設けられ、ボトムレールに係止されるボトムベースと、ボトムベースに支持される巻取軸とを有する高さ調整装置が知られている。ボトムベースは、中央に筒部を有し、巻取軸は筒部内に下方から挿入されて回転可能に支持されている。筒部から抜け出た一対のラダーコードそれぞれの下端部が巻取軸の上面から巻取軸の内部に進入し、下端部が巻取軸の内部で互いに連結されて、ラダーコードが高さ調整装置において巻取り及び繰出し可能になっており、ラダーコードの長さが調整可能になっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-31481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような従来の高さ調整装置おいて、ボトムレールの下面の側から案内されたラダーコードは、筒部の下端から上端に筒部に沿って案内され、筒部の上端を超えて筒部内に進入して巻取軸に固定されている。これに対して、昇降コードは、他端が巻取軸に連結されているだけである。このように、従来の高さ調整装置によるボトムレールの高さ調整の際には、昇降コードは、ボトムレール上に垂れ下がる又はヘッドレール付近において垂れ下がることになり、日射遮蔽装置の美観を損なうことがあり、昇降コードの垂れ下がりによる日射遮蔽装置の意匠性の低下を抑えたいという需要がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、昇降コードの垂れ下がりによる意匠性の低下を抑える技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る日射遮蔽装置は、ヘッドボックスから垂下されていて複数のスラットを支持するとともに、下端でボトムレールを支持するラダーコードと、前記ヘッドボックスから垂下されていて下端で前記ボトムレールに連結されて該ボトムレールを昇降させる少なくとも昇降コードと、前記ボトムレールに取り付けられて該ボトムレールの高さ位置を調整する高さ調整装置と、を備え、前記高さ調整装置は、前記ラダーコード及び前記昇降コードを巻き付けるための軸線に沿って延びる筒状の巻取軸を有し、前記巻取軸は、前記軸線に交差する方向において前記巻取軸を貫通する孔である一対の孔部を有し、前記ラダーコード及び前記昇降コードは、前記一対の孔部と係合して前記巻取軸に巻き取られることを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様に係る日射遮蔽装置において、前記ラダーコードは、互いに対向する一対のラダーコードであり、前記昇降コードは、互いに対向する一対の昇降コードであり、前記ボトムレールに取り付けられ、前記巻取軸を前記軸線周りに回転自在に収容するように形成された前記軸線に沿って延びる筒状の軸支持部材をさらに備え、前記軸支持部材は、該軸支持部材の外部と内部とを連通する空間である一対の案内空間を有し、前記一対のラダーコードはそれぞれ、互いに対向する前記一対の案内空間から前記軸支持部材の内部に案内され、互いに対向する前記一対の孔部において係止されており、前記一対の昇降コードはそれぞれ、前記一対の案内空間及び前記一対の孔部の一方から挿入されて、他方から導出されて前記軸支持部材に係止されている。
【0009】
本発明の一態様に係る日射遮蔽装置において、前記軸支持部材は、前記一対の昇降コードをそれぞれ対向する側で係止可能に形成された部分である係止部を有している。
【0010】
本発明の一態様に係る日射遮蔽装置において、前記ラダーコードは、互いに対向する一対のラダーコードであり、前記昇降コードは、一本の昇降コードであり、前記巻取軸は、前記軸線に沿って前記昇降コードを内部に案内する孔である案内孔部をさらに有し、前記一対のラダーコードはそれぞれ、互いに対向する前記一対の案内空間から前記軸支持部材の内部に案内され、互いに対向する前記一対の孔部において係止されており、前記昇降コードは、前記ヘッドボックスの側から前記第1孔部から前記巻取軸の内部に案内され、前記巻取軸の外周面に巻き取り可能に前記巻取軸に係合している。
【0011】
さらに、上記課題を解決するために、本発明に係る、日射遮蔽装置におけるボトムレールの高さ調整装置は、ラダーコード及び昇降コードを巻き付けるための軸線に沿って延びる筒状の巻取軸と、前記巻取軸を収容して前記軸線周りに回転自在に支持するように形成された前記軸線に沿って延びる筒状の軸支持部材と、を備え、前記巻取軸は、前記軸線に交差する方向において前記巻取軸を貫通する孔である一対の孔部を有しており、前記ラダーコード及び前記昇降コードは、前記巻取軸の回転に伴い前記一対の孔部に係合して前記巻取軸に巻き取られることを特徴とする。
【0012】
さらに、上記課題を解決するために、本発明に係る、日射遮蔽装置におけるボトムレールの高さ調整装置は、ラダーコード及び昇降コードを巻き付けるための軸線に沿って延びる筒状の巻取軸と、前記巻取軸を収容して前記軸線周りに回転自在に支持するように形成された前記軸線に沿って延びる筒状の軸支持部材と、を備え、前記巻取軸は、前記軸線に交差する方向において前記巻取軸を貫通する孔である一対の孔部と、前記軸線に沿って前記昇降コードを内部に案内する孔である案内孔部と、を有し、前記ラダーコード前記昇降コードは、前記巻取軸の回転に伴い前記一対の孔部に係合して前記巻取軸に巻き取られることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、昇降コードの垂れ下がりによる意匠性の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る日射遮蔽装置の正面図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係る日射遮蔽装置の側面図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に係る日射遮蔽装置におけるボトムレールを示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)はボトムレールの延び方向に交差する断面における断面図である。
図4】高さ調整装置の構成を示す高さ調整装置の斜視図である。
図5】高さ調整装置におけるボトムベースを示す図であり、(a)はボトムベースを下側から見た斜視図であり、(b)はボトムベースを上側から見た斜視図である。
図6】高さ調整装置における軸支持部材を示す図であり、(a)は軸支持部材の斜視図であり、(b)は軸支持部材の上面図である。
図7】高さ調整装置における巻取軸を示す図であり、(a)は巻取軸の斜視図であり、(b)は巻取軸の正面図である。
図8図4に示すA-A線に沿った断面における高さ調整装置及びボトムベースの断面図である。
図9】軸支持部材及び巻取軸におけるラダーコード及び昇降コードの配置を示す図であり、軸支持部材及び巻取軸を下側から見た図である。
図10】第1の実施の形態に係る日射遮蔽装置の高さ調整装置において巻取軸にラダーコード及び昇降コードを巻き取る工程を説明するための日射遮蔽装置の断面図であり、(a)はラダーコード及び昇降コードが巻き取られていない状態を示す断面図であり、(b)はラダーコード及び昇降コードが巻き取られている状態を示す部分断面図である。
図11】第2の形態に係る日射遮蔽装置の側面図である。
図12】第2の実施の形態に係る日射遮蔽装置の高さ調整装置において巻取軸にラダーコード及び昇降コードを巻き取る工程を説明するための日射遮蔽装置の断面図であり、(a)はラダーコード及び昇降コードが巻き取られていない状態を示す断面図であり、(b)はラダーコード及び昇降コードが巻き取られている状態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
本発明に係る日射遮蔽装置は、ボトムレールの高さ位置を調整する高さ調整装置を備える横型ブラインドである。本発明に係る日射遮蔽装置は、公知の横型ブラインドであり、特定の横型ブラインドに限定されない。
【0017】
日射遮蔽装置100;200は、窓枠等に固定されて、室内からの外部の視認を可能にしたり、外部からの室内の視認を妨げたり、また、室内への光や風の取り入れを可能にしたり、室内への光や風の進入を防いだりする覆いである。
【0018】
本発明に係る日射遮蔽装置100;200は、ヘッドボックス110から垂下されていて複数のスラット160を支持するとともに、下端でボトムレール150を支持するラダーコード130と、ヘッドボックス110から垂下されていて下端でボトムレール150に連結されてボトムレール150を昇降させる少なくとも昇降コード140;240と、ボトムレール150に取り付けられてボトムレール150の高さ位置を調整する高さ調整装置1と、を備える。高さ調整装置1は、ラダーコード130及び昇降コード140;240を巻き付けるための軸線xに沿って延びる筒状の巻取軸を有する。巻取軸30は、軸線xに交差する方向において巻取軸30を貫通する孔である一対の孔部33,34を有する。ラダーコード130及び昇降コード140;240は、一対の孔部33,34と係合して巻取軸30に巻き取られる。以下、日射遮蔽装置100;200の構成について具体的に説明する。
【0019】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る日射遮蔽装置100の正面図であり、図2は、本発明の第1の実施の形態に係る日射遮蔽装置100の側面図である。日射遮蔽装置100は、ヘッドボックス110と、操作コード120と、一対のラダーコード130と、一対の昇降コード140と、ボトムレール150と、スラット160とを備える。なお、説明の便宜上、図面において、図1,2に示すように、日射遮蔽装置100のヘッドボックス110の延び方向を長手方向LRとし、図1において左側を左側Lと、図1において右側を右側Rとする。また、ボトムレール150の昇降する方向を高さ方向UDとし、高
さ方向UDにおいてヘッドボックス110側を上側Uと、高さ方向UDにおいてボトムレール150側を下側Dとする。また、図2において、左右方向を前後方向(幅方向)FBとし、前後方向FBにおいて左側を前側(室内側)F、右側を後側(室外側)Bとする。前側Fは、操作コード120がヘッドボックス110から垂下している側である。
【0020】
ヘッドボックス110は、窓枠に取り付けられる部分であり、ブラケット(図示せず)を有する。ヘッドボックス110は、ブラケットを介して、例えば窓枠に取り付けられる。ヘッドボックス110の右側Rからは操作コード120が垂下している。また、ヘッドボックス110からは長手方向LRにおいて等間隔にラダーコード130及び昇降コード140が垂下している。
【0021】
ヘッドボックス110は、その内部に駆動機構(図示せず)と、巻取りドラム(図示せず)とを有している。駆動機構及び各巻取りドラムは、共通の回転軸により連結されている。駆動機構には操作コード120が連結されている。巻取りドラムは、ラダーコード130及び昇降コード140が垂下している位置にそれぞれ設けられている。巻取りドラムには、ラダーコード130が所定の長さだけヘッドボックス110内に引き込まれる又はヘッドボックス110から送り出されるように取り付けられていて、かつ、昇降コード140が巻き取られる又は巻き解かれるように巻き付けられている。
【0022】
操作コード120は、ループ状のコードである。操作コード120を操作することにより、ヘッドボックス110内に配置された駆動機構に回転駆動力が伝達される。この回転駆動力は、上述の共通の回転軸を介して巻取りドラムに伝達され、ラダーコード130が上下動させられるとともに、昇降コード140が巻き取られる又は巻き解かれるようになっている。また、操作コード120を操作することにより、ラダーコード130を介して後述するスラット160の傾動(チルト)及びボトムレール150の昇降に関する操作が行われるようになっている。
【0023】
一対のラダーコード130は、下側Dでボトムレール150を支持していて、ボトムレール150は、ラダーコード130によってヘッドボックス110から吊り下げた状態にしている。ラダーコード130は、1本の前側ラダーコード131と、1本の後側ラダーコード132と、を有する。前側ラダーコード131は、日射遮蔽装置100の前側Fにおいてヘッドボックス110から垂下している。後側ラダーコード132は、日射遮蔽装置100の後側Bにおいてヘッドボックス110から垂下している。
【0024】
前側ラダーコード131の上端部及び後側ラダーコード132の上端部は、ヘッドボックス110内の巻取りドラムに取り付けられている。前側ラダーコード131の下端部及び後側ラダーコード132の下端部は、それぞれボトムレール150において高さ調整装置1により保持されている。
【0025】
前側ラダーコード131の下端部及び後側ラダーコード132の下端部にはそれぞれ結び目131a,132aが形成されている(図7参照)。なお、「結び目131a」とは、前側ラダーコード131の下端部を結んで形成された瘤のことであり、「結び目132a」とは、後側ラダーコード132の下端部を結んで形成された瘤のことである。前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132のそれぞれの結び目131a,132aは、結び目131a,132a以外の前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132の部分よりも太くなった部分である。
【0026】
前側ラダーコード131と後側ラダーコード132とは互いに連結糸群133によって連結されている。連結糸群133は、高さ方向UDにおいて所定の間隔をあけた2本で一
組の糸群により形成されている。連結糸群133は、高さ方向UDにおける同じ高さ位置で、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132の左側L及び右側Rの端部にそれぞれ設けられている。連結糸群133の各糸群は、高さ方向UDにスラット160を収容するだけの僅かな間隔をおいて対をなして設けられている。後述するスラット160は、各糸群の糸の間に挿入されている。前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132が巻取りドラムに巻き取られるとことによりスラット160は傾動する。
【0027】
一対の昇降コード140は、長手方向LRにおいてラダーコード130とほぼ同じ位置で、かつ、前後方向FBにおいてヘッドボックス110の略中央部分から垂下している。昇降コード140は、前側昇降コード141と、後側昇降コード142と、を有する。前側昇降コード141は、前後方向FBにおいてヘッドボックス110の前側Fから垂下している。後側昇降コード142は、前後方向FBにおいてヘッドボックス110の後側Bから垂下している。
【0028】
前側昇降コード141及び後側昇降コード142はそれぞれ、上側Uの上端部において、ヘッドボックス110内の巻取りドラムに巻き付けられている。前側昇降コード141及び後側昇降コード142は、下側Dの下端部において、高さ調整装置1に保持されている。前側昇降コード141及び後側昇降コード142が巻取りドラムに巻き取られるとことにより、ボトムレール150は上側Uに移動(上昇)する。また、前側昇降コード141及び後側昇降コード142が巻取りドラムから巻き解かれることにより、ボトムレール150は下側Dに移動(降下)する。
【0029】
前側昇降コード141は、ヘッドボックス110から高さ方向UDにおいて所定の箇所で前側ラダーコード131の連結糸群133の一対の糸の間を通ってボトムレール150まで延びている。後側昇降コード142は、ヘッドボックス110から高さ方向UDにおいて所定の箇所で後側ラダーコード132の連結糸群133の一対の糸の間を通ってボトムレール150まで延びている。
【0030】
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る日射遮蔽装置100におけるボトムレール150を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)はボトムレール150の延び方向に交差する断面における断面図である。ボトムレール150は、日射遮蔽装置100において高さ方向UDにおける最も下側Dの位置(下限位置)に設けられている。ボトムレール150は、ヘッドボックス110に面する上面151と、ヘッドボックス110とは反対側に面する下面152と、を有する。
【0031】
ボトムレール150は、収容孔153を有する。収容孔153は、後述する高さ調整装置1の軸支持部材20及び巻取軸30を収容する円形の孔である。収容孔153は、上面151から下面152に亘って貫通している。収容孔153は、小収容孔部154と大収容孔部155と、を含む。小収容孔部154は巻取軸30を収容するように形成されている。大収容孔部155は軸支持部材20を収容するように形成されている。小収容孔部154は、大収容孔部155よりも小径であり、大収容孔部155に対して上面151側に位置する。小収容孔部154と大収容孔部155とは、互いに同軸状に形成されている。
【0032】
スラット160は、薄板状の遮蔽材であり、各スラット160は、高さ方向UDにおいて同じ位置にあるラダーコード130の連結糸群133の一対の糸群の間に挿通されている。スラット160は、ラダーコード130によってチルト可能に支持されている。
【0033】
上述の構成を有する日射遮蔽装置100には、高さ調整装置1が設けられている。図4は、第1の実施の形態に係る高さ調整装置1の構成を示す高さ調整装置1の斜視図である。日射遮蔽装置100におけるボトムレール150の高さ調整装置1は、ラダーコード1
30及び昇降コード140を巻き付けるための軸線xに沿って延びる筒状の巻取軸30と、巻取軸30を収容して軸線x周りに回転自在に支持するように形成された軸線xに沿って延びる筒状の軸支持部材20と、を備える。巻取軸30は、軸線xに交差する方向において巻取軸30を貫通する孔である一対の孔部33,34を有している。ラダーコード130及び昇降コード140は、巻取軸30の回転に伴い一対の孔部33,34に係合して巻取軸30に巻き取られる。以下、高さ調整装置1の構成について具体的に説明する。高さ調整装置1は、ボトムベース10と、軸支持部材20と、巻取軸30と、を有している。
【0034】
図5は、高さ調整装置1におけるボトムベース10を示す図であり、(a)はボトムベース10を下側から見た斜視図であり、(b)はボトムベース10を上側から見た斜視図である。ボトムベース10は、軸支持部材20を軸線x周りに回動不能に支持するように形成されており、ボトムレール150に取り付けられる。ボトムベース10は、上側Uから見て平面視矩形の板状の部材である。ボトムベース10は、ボトムレール150の長手方向LRに沿ってボトムレール150に取り付けられる。
【0035】
ボトムベース10は、下側Dに面する表面11と、上側Uに面する裏面12と、を有する。ボトムベース10は、2つの貫通孔13を有する。各貫通孔13は、長手方向LRにおける左側Lの端部及び右側Rの端部にそれぞれ形成されていて、ボトムベース10を厚さ方向に貫通している。貫通孔13には、ボトムベース10をボトムレール150に固定するためのねじ(図示せず)が挿通される孔部である。
【0036】
ボトムベース10は、外周壁部14と、一対の内壁部15a,15bと、収容凹部16と、を有する。外周壁部14は、裏面12の側でボトムベース10の外縁に沿って環状に、表面11とは反対側に向かって立設している。外周壁部14は、一対の案内凹部14a,14bを有する。各案内凹部14a,14bは、裏面12側から表面11側に凹む部分である。案内凹部14aは、ボトムベース10がボトムレール150に取り付けられた取付状態(以下、「ボトムベース10の取付状態」ともいう)において、長手方向LRにおける外周壁部14の中央で前後方向FBにおいて前側Fを向くようになっている。前側Fの案内凹部14aは、ボトムベース10の取付状態において、前側ラダーコード131及び前側昇降コード141を案内するように形成されていて、後側Bの案内凹部14bは、ボトムベース10の取付状態において、長手方向LRにおける外周壁部14の中央で前後方向FBにおいて外周壁部14の後側Bを向くようになっている。前側Fの案内凹部14aは、前側ラダーコード131及び前側昇降コード141を案内するように形成されており、後側Bの案内凹部14bは、後側ラダーコード132及び後側昇降コード142を案内するように形成されている。
【0037】
各内壁部15a,15bは、ボトムベース10の取付状態において、前側F及び後側Bの外周壁部14の間を延在している。内壁部15a,15bは、各貫通孔13と案内凹部14a,14bとの間に位置する。内壁部15aは、ボトムベース10の取付状態において、左側Lの貫通孔13よりも右側Rに位置する。内壁部15bは、ボトムベース10の取付状態において、右側Rの貫通孔13よりも左側Lに位置する。内壁部15bは、外周壁部14の側に向かって円弧状に形成されている。
【0038】
収容凹部16は、ボトムベース10の裏面12側で、ボトムベース10の取付状態において、前後方向FBにおいて外周壁部14によって、長手方向LRにおいて内壁部15a,15bによって画定されている。収容凹部16は、軸支持部材20を軸線x方向における一方の側(下側D)において収容するように形成された凹部である。
【0039】
収容凹部16の中央には凸部16aが形成されている。凸部16aは、ボトムベース1
0の裏面12から表面11とは反対の側に突出して環状に延在している部分である。凸部16aによって画定された領域16bは、巻取軸30を回動自在に収容するように形成されている。
【0040】
図6は、第1の実施の形態に係る高さ調整装置1における軸支持部材20を示す図であり、(a)は軸支持部材20の斜視図であり、(b)は軸支持部材20の平面図である。軸支持部材20は、凹述する巻取軸30を収容して軸線x周りに回転自在に支持するように形成された軸線xに沿って延びる筒状の部材である。
【0041】
軸支持部材20は、円筒状の円筒壁部21と、2つの固定部22,23と、を有する。円筒壁部21及び固定部22,23は互いに一体に形成されている。円筒壁部21は、軸支持部材20がボトムベース10に収容されてボトムレール150へ取り付けられた取付状態(以下、「軸支持部材20の取付状態」ともいう)において、固定部22,23に対して上側Uに位置する。円筒壁部21は、円筒状に形成されている。円筒壁部21は、軸支持部材20の取付状態において、ボトムレール150の大収容孔部155に収容される。大収容孔部155において円筒壁部21は、大収容孔部155の内壁と接触していても、接触していなくてもよい。
【0042】
円筒壁部21は、4つのスリット21aを有する。各スリット21aは、周方向に等間隔をあけて設けられている。例えば、各スリット21aは、それぞれ周方向に90°の角度間隔をあけて形成されている。なお、スリット21aの数は、特に限定されず、1つのみ設けられていてもよい。スリット21aは、軸線xに沿って固定部22,23とは反対側の上端部21bの側から固定部22側の下端部21cに向かって、軸線xに沿って円筒壁部21の中央部付近まで延びている。
【0043】
軸支持部材20の取付状態において、左側Lの固定部22は、円筒壁部21の中心に対して左側Lに位置する。軸支持部材20の取付状態において、右側Rの固定部23は、円筒壁部21の中心に対して右側Rに位置する。固定部22及び固定部23は、それぞれ円筒壁部21の下側Dの下端部21cに一体に形成されている。固定部22及び固定部23は、長手方向LRにおいて所定の間隔をあけて設けられている。
【0044】
長手方向LRにおける固定部22と固定部23との間に一対の案内空間25,26が形成されている。一対の案内空間25,26は、軸支持部材20の外部と内部とを連通する空間である。軸支持部材20がボトムベース10に取り付けられた状態において、案内空間25,26は、円筒壁部21、ボトムベース10及び固定部22,固定部23によって画定されている。
【0045】
固定部22及び固定部23は、それぞれ案内保持部22a,23aを有する。固定部22の案内保持部22aは、軸支持部材20の取付状態において、前側Fに設けられている。固定部23の案内保持部23aは、軸支持部材20の取付状態において、後側Bに設けられている。各案内保持部22a,23aは、案内孔部22b,23bと、係止部22c,23cと、を有する。
【0046】
案内孔部22bは、後側昇降コード142を円筒壁部21とは反対側から円筒壁部21側に通し、案内孔部23bは、前側昇降コード141を円筒壁部21側から円筒壁部21側に通す。各係止部22c,23cは、軸支持部材20の取付状態において、固定部22及び固定部23の長手方向LRにおける端部に形成された凹の部分である。前側Fの係止部22cにおいて、後側昇降コード142の下端部に形成された結び目142aは係止されるようになっており、後側Bの係止部23cにおいて、前側昇降コード141の下端部に形成された結び目141aは係止されるようになっている。なお「結び目141a」と
は、前側昇降コード141の下端部を結んで形成された瘤のことであり、「結び目142a」とは、後側昇降コード142の下端部を結んで形成された瘤のことである。前側昇降コード141及び後側昇降コード142のそれぞれの結び目141a,142aは、結び目141a,142a以外の前側昇降コード141及び後側昇降コード142の部分よりも太くなった部分である。
【0047】
軸支持部材20がボトムベース10に取り付けられた状態において、収容凹部16の前後方向FBにおける外周壁部14の内面14c同士の間隔W図5参照)は、軸支持部材20を固定部22,23において収容して保持可能な間隔になっている。軸支持部材20がボトムベース10に取り付けられた状態において、固定部22,23の前後方向FBにおける外面同士の間隔Wと略同じになっている。これにより、軸支持部材20は、固定部22,23において収容凹部16の前後方向FBにおける外周壁部14間で回動不能に収容される。
【0048】
図7は、高さ調整装置1における巻取軸30を示す図であり、(a)は巻取軸30の斜視図であり、(b)は巻取軸30の正面図である。巻取軸30は、ボトムレール150を前側F及び後側Bから挟んで対峙する前側ラダーコード131及び前側昇降コード141並びに後側ラダーコード132及び後側昇降コード142がそれぞれ外周面31cに巻き付けられる。巻取軸30は、軸支持部材20の円筒壁部21内に固定部22,23とは反対側から挿入される。巻取軸30は、軸支持部材20に回転自在に支持されるようになっている。
【0049】
巻取軸30は、円筒部31と、フランジ部32と、を有する。巻取軸30の円筒部31は、一端が閉鎖された筒状に形成されている。円筒部31は、軸線xに沿って延びる有底円筒状の部分であり、円筒状の閉鎖部31aと、円筒状の巻付部31bとを有する。フランジ部32は、円筒部31の外周面31cから径方向外側に突出して全周にわたって延在している部分である。閉鎖部31aは、巻取軸30が軸支持部材20に収容されてボトムレール150に取り付けられた状態において、フランジ部32に対してボトムレール150の上面151側に位置し、巻付部31bは、フランジ部32に対してボトムレール150の下面152側に位置する。
【0050】
閉鎖部31aは、円筒部31を一端側で閉鎖する。閉鎖部31aは、ボトムレール150の小収容孔部154に回転可能に収容される。閉鎖部31aは、小収容孔部154において該小収容孔部154の内壁と接触していても、接触していなくてもよい。閉鎖部31aには巻取軸30を回転させる工具が係合可能な溝部が形成されている。例えば、閉鎖部31aには、凹の十字状の溝部31dが形成されている。溝部31dに、例えばマイナスドライバーの先端や、コイン等が係合可能である。溝部31dの中心には貫通した孔である案内孔部31eが形成されている。
【0051】
巻付部31bは、ボトムレール150を前後方向FBにおいて挟んで対峙する前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132並びに前側昇降コード141及び後側昇降コード142をそれぞれ外周面31cに巻き付けるための部分である。
【0052】
巻付部31bは、径方向に対向する位置に形成された一対の孔部33,34を有する(図8参照)。各孔部33,34は、巻付部31bの軸線xに直交する方向(以下、径方向ともいう)に貫通している。孔部33,34の各々は、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132並びに前側昇降コード141及び後側昇降コード142を巻取軸30の内部に案内する。孔部33,34は、挿入部33a,34aと、係止部33b,34bとを有する。挿入部33a,34aは、軸線x方向において係止部33b,34bに続く空間である。挿入部33a,34aは、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード1
32並びに前側昇降コード141及び後側昇降コード142が挿入可能な大きさを有している。
【0053】
係止部33b,34bは、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132並びに前側昇降コード141及び後側昇降コード142が係合可能に形成された部分である。係止部33b,34bは、周方向において挿入部33aよりも小さく形成された空間である。係止部33b,34bは、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132を固定可能であり、前側昇降コード141及び後側昇降コード142が挿通可能な幅を有する軸線xに沿って延びる間隙である。具体的には、挿入部33a,34aは、フランジ部32に対して閉鎖部31aとは反対側に形成されている。係止部33b,33bは、閉鎖部31aとは反対側で挿入部33a,34aの端部に連続して形成されている。
【0054】
挿入部33a,34aは、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132それぞれの結び目131a,132aを巻付部31bの内部に案内可能な程度の大きさである。巻付部31bの周方向における挿入部33aの幅は、係止部33b,34bに向かって徐々に狭まるように形成されている。
【0055】
係止部33b,34bは、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132それぞれの結び目131a,132aが巻付部31bの内部から外部へ通過不能な程度の大きさである。巻付部31bの周方向における係止部33b,34bの幅は、軸線xに沿って略同じであり、結び目131a,132aよりも小さく形成されている。結び目131a,132aは、巻付部31bの内部で係止部33b,34bの周縁部に引っ掛かり係止される。
【0056】
フランジ部32は、巻付部31bの外周面31cから径方向外側に突出して環状に形成されている。フランジ部32は、複数の係合凸部32aを有していて、フランジ部32は、軸支持部材20に巻取軸30が取り付けられた状態において、円筒壁部21のスリット21aに対応する4つの係合凸部32aを有している。各係合凸部32aは、周方向に等間隔をあけて設けられている。例えば、各係合凸部32aは、それぞれ周方向に90°の角度間隔をあけて形成されている。なお、係合凸部32aの数は、特に限定されず、スリット21aの数に対応していればよい。
【0057】
軸支持部材20と巻取軸30とは回転自在に係合する。具体的には、軸支持部材20のスリット21aと巻取軸30の係合凸部32aとは、互いに係合可能でありかつ係合解除可能である。巻取軸30の係合凸部32aは、それぞれ軸支持部材20の各スリット21aに対して周方向及び軸線x方向に抜け出し可能に嵌まり込む。軸支持部材20と巻取軸30との間には、互いに係合可能な係合部が設けられている。係合部は、少なくとも一対の凸部及び凹部を有している。凸部は軸線xに交差する方向に突出した部分であり、凹部は凸部を収容可能に凹む部分である。凸部は巻取軸30の係合凸部32aであり、凹部は軸支持部材20のスリット21aである。
【0058】
次に、高さ調整装置1における、ボトムベース10、軸支持部材20及び巻取軸30の配置について説明する。図8は、図4に示すA-A線に沿った断面における高さ調整装置1及びボトムベース10の断面図である。高さ調整装置1において、ボトムベース10の各案内凹部14a,14bと軸支持部材20の案内空間25,26とが重なるようになっている。巻取軸30が軸支持部材20内に収容されてボトムベース10に取り付けられた状態において、案内空間25は、前側ラダーコード131及び前側昇降コード141を円筒壁部21の内部に案内するとともに、後側昇降コード142を円筒壁部21の外部に案内するようにボトムベース10の案内凹部14aに連通している。巻取軸30が軸支持部材20内に収容されてボトムベース10に取り付けられた状態において、案内空間26は
、後側ラダーコード132及び後側昇降コード142を円筒壁部21の内部に案内するとともに、前側昇降コード141を円筒壁部21の外部に案内するようにボトムベース10の案内凹部14bに連通している。
【0059】
巻取軸30が軸支持部材20内に収容された状態において、巻付部31bの外周面31cと、軸支持部材20の円筒壁部21の内周面との間には、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132並びに前側昇降コード141及び後側昇降コード142が巻き付けられるために十分な間隔Sが設けられている。
【0060】
巻取軸30は、軸支持部材20に収容された状態において、ボトムベース10の凸部16aの内側の領域16bで回転可能に支持される。高さ方向UDにおいて下側Dの巻取軸30の端部は、その外周面において環状に延在する凸部16aの内周面と接触している。これにより、巻取軸30を収容した軸支持部材20をボトムベース10に対して簡単に位置決めすることができる。
【0061】
軸支持部材20の円筒壁部21における案内空間25,26は、巻取軸30の巻付部31bにおける孔部33,34の係止部33b,34bよりもボトムベース10側に位置する。具体的には、ボトムベース10に対向する案内空間25,26の上端25a,26aの軸線x方向(高さ方向UD)における位置が、ボトムベース10側の係止部33b,34bの下端33c,34cの位置よりもボトムベース10の側にある。
【0062】
次に、高さ調整装置1における前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132並びに前側昇降コード141及び後側昇降コード142の挿通状態を説明する。図9は、軸支持部材20及び巻取軸30におけるラダーコード130及び昇降コード140の配置を示す図であり、軸支持部材20及び巻取軸30を下側Dから見た図である。
【0063】
日射遮蔽装置100において前側ラダーコード131は、前側Fから軸支持部材20の案内空間25を通って軸支持部材20の内部に案内され、一方の孔部33を通じて巻取軸30の内部に案内されている。前側ラダーコード131は、結び目131aによって係止部33bにおいて係止されている。日射遮蔽装置100において後側ラダーコード132は、前側Bから軸支持部材20の案内空間26を通って軸支持部材20の内部に案内され、他方の孔部34を通じて巻取軸30の内部に案内されている。後側ラダーコード132は、結び目132aによって係止部34bにおいて係止されている。
【0064】
前側昇降コード141は、前側Fから軸支持部材20の案内空間25を通じて軸支持部材20の内部に案内されている。次いで、軸支持部材20の内部に通された前側昇降コード141は、巻取軸30の一対の孔部33,34に係合するように一方の孔部33から他方の孔部34へと通されて巻取軸30の外部に案内されている。他方の孔部34から外部に出た前側昇降コード141は、後側Bの案内空間26から円筒壁部21の外部に案内され、下側Dから案内孔部23bを通じて円筒壁部21側に導出され、結び目141aによって係止部23cにおいて係止されている。
【0065】
後側昇降コード142は、後側Bから軸支持部材20の案内空間26を通じて軸支持部材20の内部に案内されている。次いで、軸支持部材20の内部に通された後側昇降コード142は、巻取軸30の一対の孔部33,34に係合するように他方の孔部34から一方の孔部33へと通されて巻取軸30の外部に案内されている。一方の孔部33から外部に出た後側昇降コード142は、前側Fの案内空間25から円筒壁部21の外部に案内され、下側Dから案内孔部22bを通じて上側Uに導出され、結び目142aによって係止部22cにおいて係止されている。
【0066】
以下に、高さ調整装置1によるボトムレール150の高さ調整の工程を説明する。図10は、第1の実施の形態に係る日射遮蔽装置100の高さ調整装置1において巻取軸30にラダーコード130及び昇降コード140を巻き取る工程を説明するための日射遮蔽装置100の断面図であり、(a)はラダーコード131,132及び昇降コード141,142が巻き取られていない状態を示す断面図であり、(b)はラダーコード131,132及び昇降コード141,142が巻き取られている状態を示す部分断面図である。
【0067】
上述のように組み付けられた高さ調整装置1において、軸支持部材20及び巻取軸30をボトムレール150の収容孔153に挿入され、ボトムベース10をボトムレール150にねじにより固定されている。この状態において、高さ調整装置1の巻取軸30における閉鎖部31aの溝部31dは、ボトムレール150の上面151において露出している。作業者は、ボトムレール150の上面151側から閉鎖部31aの溝部31dに所定の公知の道具(例えば、ドライバ、コイン)等を係合させて巻取軸30を回転させる。
【0068】
巻取軸30を回転させることにより、フランジ部32の係合凸部32aは、嵌まり込んでいた軸支持部材20のスリット21aから抜け出して、回転方向に隣接する他のスリット21aに嵌まり込むまで移動する。巻取軸30の回転に伴い、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132並びに前側昇降コード141及び後側昇降コード142は、巻取軸30の巻付部31bの外周面31cに巻き付けられて、ボトムレール150はヘッドボックス110に向かって上昇する。
【0069】
以上のような日射遮蔽装置100によれば、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132は、巻取軸30の一対の孔部33,34に係止されているとともに、前側昇降コード141及び後側昇降コード142は、前後方向FBにおいて巻取軸30の一対の孔部33,34に通されている。これにより、回転方向に関係なく巻取軸30を回転させれば、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132並びに前側昇降コード141及び後側昇降コード142を確実に巻取軸30に巻き取ることができる。ボトムレール150の高さ調整を行った場合であっても、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132並びに前側昇降コード141及び後側昇降コード142が巻取軸30に巻き取られることにより、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132並びに前側昇降コード141及び後側昇降コード142が垂れ下がることなく、日射遮蔽装置100の意匠性が損なわれることを抑制する。
【0070】
高さ調整装置1において、前側昇降コード141及び後側昇降コード142は、軸支持部材20の外部で係止部22c,23cにおいてそれぞれ係止されており、軸支持部材20及び巻取軸30の内部において前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132との絡み合いを回避することができる。また、高さ調整装置1におけるラダーコード130及び昇降コード140の整然とした配置が可能になる。
【0071】
<その他>
上記の実施の形態においてボトムベース10と軸支持部材20とは、別体に形成されていたが、ボトムベース10と軸支持部材20とは一体に形成されていてもよい。さらに、上記の実施の形態においてラダーコード130は、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132を含んでいたが、一本のラダーコード又はラダーテープであってもよい。この場合、ラダーコード130の一端及び他端は、巻取りドラムに取り付けられており、一端と他端との間においてボトムレール150を支持するようになっている。
【0072】
<第2の実施の形態>
図11は、第2の形態に係る日射遮蔽装置200の側面図である。なお、図11において、第1の実施の形態と対応する部分には同一符号を付している。以下では、主として第
1の実施の形態との相違点を説明する。日射遮蔽装置200は、ヘッドボックス110と、操作コード120と、一対のラダーコード130と、一本の昇降コード240と、ボトムレール150と、複数のスラット160とを備える。第2の実施の形態に係る日射遮蔽装置200において、高さ調整装置1は、ラダーコード130及び昇降コード240を巻き付けるための軸線xに沿って延びる筒状の巻取軸30と、巻取軸30を収容して軸線x周りに回転自在に支持するように形成された軸線xに沿って延びる筒状の軸支持部材20と、を備える。巻取軸30は、軸線xに交差する方向において巻取軸30を貫通する孔である一対の孔部33,34と、軸線xに沿って昇降コード240を内部に案内する孔である案内孔部31eと、を有する。ラダーコード130及び昇降コード240は、巻取軸30の回転に伴い一対の孔部33,34に係合して巻取軸30に巻き取られる。
【0073】
第2の実施の形態に係る日射遮蔽装置200において昇降コード240は、前後方向FBにおいてヘッドボックス110の中央部分から垂下している。昇降コード240は、ヘッドボックス110からスラット160の前後方向FBにおいて中央に形成された開口部(図示せず)を抜けて、ボトムレール150内に取り付けられた巻取軸30に軸線xに沿って閉鎖部31aに係合している。
【0074】
図12は、高さ調整装置1において巻取軸30にラダーコード130及び昇降コード240を巻き取る工程を説明するための日射遮蔽装置200の断面図であり、(a)はラダーコード130及び昇降コード240が巻き取られていない状態を示す断面図であり、(b)はラダーコード130及び昇降コード240が巻き取られている状態を示す部分断面図である。
【0075】
日射遮蔽装置200において一本の昇降コード240の下端部は、ヘッドボックス110の側から案内孔部31eから巻取軸30の内部に案内されていて、例えば、巻取軸30の内部から一対の孔部33,34の一方の孔部33から巻取軸30の外部に案内され、軸支持部材20の一方の案内保持部22a;23aにおいて結び目により固定されている。
【0076】
昇降コード240が係合した巻取軸30が軸支持部材20に円筒壁部21の側から挿入されていて、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132が巻取軸30に係合されていて、巻取軸30を収容した軸支持部材20がボトムベース10に装着されている。前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132は、ボトムベース10の案内凹部14a,14bから外側に導出されており、高さ調整装置1の軸支持部材20及び巻取軸30は、ボトムレール150の収容孔153に挿入されていて、ボトムベース10は、ボトムレール150にねじにより固定されている。
【0077】
以上のような日射遮蔽装置200によれば、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132は、巻取軸30の一対の孔部33,34に係止されており、昇降コード240は、巻取軸30の一方の孔部33;34から外部に導出されて、軸支持部材20の一方の案内保持部22a;23aにおいて係止されている。これにより、回転方向に関係なく巻取軸30を回転させれば、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132並びに昇降コード240を確実に巻取軸30に巻き取ることができる。ボトムレール150の高さ調整を行った場合であっても、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132並びに昇降コード240が巻取軸30に巻き取られることにより、前側ラダーコード131及び後側ラダーコード132並びに昇降コード240が垂れ下がることなく、意匠性を損なうことはない。
【0078】
以上、本発明の好適な実施の形態1,2について説明したが、本発明は上記の実施の形態1,2に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を
適宜選択的に組み合わせてもよい。また、例えば、上記実施の形態1,2における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。例えば、巻取軸30に対するラダーコード130及び昇降コード140;240の巻き取り態様は、上記第1,2の実施の形態における態様に限定されず、種々の態様がある。
【符号の説明】
【0079】
1…高さ調整装置、10…ボトムベース、11…表面、12…裏面、12c…スリット、13…貫通孔、14…外周壁部、14a,14b…案内凹部、15…内壁部、15a,15b…内壁部、16…収容凹部、16a…凸部、16b…領域、20…軸支持部材、21…円筒壁部、21a…スリット、21b…上端部、21c…下端部、22,23…固定部、22a,23a…案内保持部、22b,23b…案内孔部、22c,23c…係止部、25,26…案内空間、25a,26a…上端、30…巻取軸、30a…外周面、31…円筒部、31a…閉鎖部、31b…巻付部、31c…外周面、31d…溝部、31e…案内孔部、32…フランジ部、32a…係合凸部、33,34…孔部、33a,34a…挿入部、33b,34b…係止部、33c,34c…下端、40…係合部、100,200…日射遮蔽装置、110…ヘッドボックス、120…操作コード、130…ラダーコード、131…前側ラダーコード、131…ラダーコード、131a…結び目、132…後側ラダーコード、132a…結び目、133…連結糸群、140,240…昇降コード、141…前側昇降コード、141a,240a…結び目、142…後側昇降コード、142a…結び目、150…ボトムレール、151…上面、152…下面、153…収容孔、154…小収容孔部、155…大収容孔部、160…スラット
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