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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067883
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】装置及び通電方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20220426BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
H02M3/155 H
A61B5/0245 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176739
(22)【出願日】2020-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】399131116
【氏名又は名称】トライポッド・デザイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】特許業務法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 聰
【テーマコード(参考)】
4C017
5H730
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA08
4C017AA16
4C017AA19
4C017AB02
4C017AC16
4C017FF18
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS11
5H730AS12
5H730BB13
5H730BB14
5H730DD02
5H730FD21
5H730FD61
5H730FF09
5H730FG01
5H730ZZ01
5H730ZZ04
5H730ZZ12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自立した電源で稼働することができる装置を提供する。
【解決手段】装置10は、第一導電部1及び第二導電部2と、機能部3とを備える。第一導電部及び機能部は接続されている。第二導電部及び機能部は接続されている。第一導電部及び第二導電部は、互いに非接触であり、第一導電部及び第二導電部を身体に接触させることで通電する。また、装置10は、昇圧回路を備え、第一導電部と第二導電部との間で生じた起電力を、昇圧回路により昇圧する。さらに、第一導電部及び第二導電部は、可撓性を有する。さらに、装置10は、装置の内部インピーダンス及び/又は装置内の所定の電圧を測定する測定部を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一導電部及び第二導電部と、
機能部と
を備え、
第一導電部及び機能部は接続されており、
第二導電部及び機能部は接続されており、
第一導電部及び第二導電部は、互いに非接触であり、
第一導電部及び第二導電部を身体に接触させることで通電する、装置。
【請求項2】
昇圧回路を備え、
第一導電部と第二導電部との間で生じた起電力を、昇圧回路により昇圧する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第一導電部及び第二導電部が可撓性を有する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
装置の内部インピーダンス及び/又は装置内の所定の電圧を測定する測定部
を備える、請求項1~3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
所定のセンサを備えるものであり、
第一導電部及び第二導電部を身体に接触させることで通電することにより、センサが稼働する、請求項1~3のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
測定部により測定した装置の内部インピーダンス及び/若しくは装置内の所定の電圧、又は、所定のセンサにより取得した情報を、他のコンピュータ装置へ送信する通信部
を備える、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
第一導電部が、第二導電部とは異なる標準電極電位を有する、請求項1~6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
第一導電部及び第二導電部を身体に接触させた状態で固定するための固定部
を備える、請求項1~7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
第一導電部及び第二導電部を身体に接触させることで生じた電圧により、身体に電気的な刺激を与えるための電流を発生する電気刺激発生部
を備える、請求項1~8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
第一導電部及び第二導電部と、機能部とを備え、第一導電部及び機能部は接続されており、第二導電部及び機能部は接続されており、第一導電部及び第二導電部は、互いに非接触である装置を、
第一導電部及び第二導電部を身体に接触させることで通電する、通電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自立した電源で稼働する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートウォッチなど、心拍数などを測定することのできる機能を搭載している装置が普及している。
【0003】
しかしながら、心拍数などを測定することのできる機能を搭載している装置は、連続して稼働できる時間が限られており、使用状況によって、充電を行う必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の少なくとも1つの目的は、自立した電源で稼働することができる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、上記目的は、[1]~[10]により解決することができる。
[1]第一導電部及び第二導電部と、機能部とを備え、第一導電部及び機能部は接続されており、第二導電部及び機能部は接続されており、第一導電部及び第二導電部は、互いに非接触であり、第一導電部及び第二導電部を身体に接触させることで通電する、装置;
[2]昇圧回路を備え、第一導電部と第二導電部との間で生じた起電力を、昇圧回路により昇圧する、[1]に記載の装置;
[3]第一導電部及び第二導電部が可撓性を有する、[1]又は[2]に記載の装置;
[4]装置の内部インピーダンス及び/又は装置内の所定の電圧を測定する測定部を備える、[1]~[3]のいずれかに記載の装置;
[5]所定のセンサを備えるものであり、第一導電部及び第二導電部を身体に接触させることで通電することにより、センサが稼働する、[1]~[3]のいずれかに記載の装置;
[6]測定部により測定した装置の内部インピーダンス及び/若しくは装置内の所定の電圧、又は、所定のセンサにより取得した情報を、他のコンピュータ装置へ送信する通信部を備える、[4]又は[5]に記載の装置;
[7]第一導電部が、第二導電部とは異なる標準電極電位を有する、[1]~[6]のいずれかに記載の装置;
[8]第一導電部及び第二導電部を身体に接触させた状態で固定するための固定部を備える、[1]~[7]のいずれかに記載の装置;
[9]第一導電部及び第二導電部を身体に接触させることで生じた電圧により、身体に与える電気的な刺激を発生する電気刺激発生部を備える、[1]~[8]のいずれかに記載の装置;
[10]第一導電部及び第二導電部と、機能部とを備え、第一導電部及び機能部は接続されており、第二導電部及び機能部は接続されており、第一導電部及び第二導電部は、互いに非接触である装置を、第一導電部及び第二導電部を身体に接触させることで通電する、通電方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、自立した電源で稼働することができる装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態にかかる、装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態にかかる、電力変換部の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態にかかる、装置を表す図である。
図4】本発明の実施の形態にかかる、装置内のトランジスタのON-OFFを切り替えた場合における、時間と電流Iの関係を示す図である。
図5】本発明の実施の形態にかかる、装置の例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態にかかる、装置の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下、効果に関する記載は、本発明の実施の形態の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。
【0009】
図1は、本発明の実施の形態にかかる、装置の構成を示すブロック図である。図1に図示するように、装置は、第一導電部1と、第二導電部2と、機能部3とから構成される。第一導電部1及び機能部3、並びに、機能部3及び第二導電部2は、それぞれ電気的に接続されている。「電気的に接続」とは、例えば、導線等により通電可能に接続されることをいう。
【0010】
装置の第一導電部1及び第二導電部2は、互いに非接触である。「非接触」とは、例えば、第一導電部1と第二導電部2とが直接接触していない状態をいう。
【0011】
装置は、第一導電部1及び第二導電部2を、身体に接触させることで通電する。これは、第一導電部1及び第二導電部2を、身体に接触させることで、第一導電部1及び第二導電部2の一部又は全部が、後述する、媒体となるものと接触するためである。
【0012】
第一導電部1と第二導電部2の間の距離は、5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることがさらに好ましく、0.5mm以下であることがとりわけ好ましく、0.3mm以下であることが特に好ましく、0.1mm以下であることが特別に好ましく、0.05mm以下であることが最も好ましい。第一導電部1と第二導電部2の間の距離は、一定であっても、部分的に異なっていてもよい。第一導電部1と第二導電部2の間の距離が部分的に異なる場合には、第一導電部1と第二導電部2の間の距離の中で、最も近い部分の距離が、上記範囲内であることが好ましい。また、第一導電部1と第二導電部2の間の距離が部分的に異なる場合には、第一導電部1と第二導電部2の間の距離の平均値が、上記範囲内であることが好ましい。第一導電部1と第二導電部2の間の距離が上記範囲内にあることで、第一導電部1と第二導電部2が効率的に媒体に接触することが可能となり、装置が通電しやすくなる。
【0013】
第一導電部1及び第二導電部2は、いずれも導電性を有することが好ましい。ここで、第一導電部1及び第二導電部2の素材として、例えば、金属、導電性ポリマー、カーボン、導電性繊維、導電性ゴム等が挙げられる。
【0014】
第一導電部1及び第二導電部2の形状は、特に限定されない。第一導電部1及び第二導電部2の形状は、直方体状、円柱状(棒状)、角錐状、円錐状、板状、シート状、フィルム状、紐状又は粉末状であってもよく、形状を問わない。
【0015】
また、第一導電部1及び第二導電部2には、導電性を有しない素材を、導電性を有する素材で被覆したものや、導電性を有しない素材の中に、導電性を有する素材を配合したものなどを用いてもよい。例えば、プラスティックフィルムを金属で被覆したものや、クリーム状のペーストに金属粉末を配合したものを用いてもよい。また、第一導電部1及び第二導電部2は、可撓性を有していてもよい。
【0016】
第一導電部1及び第二導電部2に用いられる金属としては、例えば、銀、銅、金、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、白金、スズ、チタン、ステンレス、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、又は、その他上述の金属夫々の酸化物などから適宜選択して用いることができる。また、所定の金属に、所定の金属とは異なる他の金属や、他の導電性を有する材料が被膜されていてもよい。
【0017】
第一導電部1と第二導電部2の素材は、異なる種類のものを用いてもよく、同じ種類のものを用いてもよい。例えば、第一導電部1に、シート状のステンレスを用い、第二導電部2にシート状の亜鉛を用いることができる。この場合、第一導電部1及び第二導電部2は、機能部3または昇圧回路・降圧回路と導線により接続される。
【0018】
交流インピーダンス法を用いて、第一導電部1及び第二導電部2の少なくとも一方に対して分極抵抗を測定した場合に、測定値が100Ω以上であることが好ましい。
【0019】
ここで、電流の起点となる導電部を第一導電部1として定義し、終点となる導電部を第二導電部2として定義する。いずれの導電部が第一導電部1として機能するかは、導電部の材質、又は、導電部を取り巻く環境(例えば、温度、湿度、気圧、pHなど)により決定される。第一導電部1又は第二導電部2と媒体の界面で、化学反応が行われ、導電部に自由電子が発生する。
【0020】
例えば、第一導電部1と第二導電部2において異なる金属を用いた場合には、標準電極電位が低い金属を用いた方が第一導電部1に、標準電極電位が高い金属を用いた方が第二導電部2になる。この場合、第二導電部2から機能部3へ向かって電子が移動し、機能部3から第一導電部1へ向かって電子が移動する。すなわち、第一導電部1側から機能部3を介して第二導電部2側へ電流が生じる。例えば、第二導電部2では、導電部を構成する金属が媒体中に陽イオンとして溶出して、自由電子が発生し、第一導電部1では、媒体の水中の陽イオンが電子と反応し、電気的に中和される。
【0021】
標準電極電位の高低は、物質同士の標準電極電位の相対的な値(相対値)を比較して定められるものであって、標準電極電位の絶対値を用いて比較するものではない。例えば、標準電極電位が-5Vの物質Aと+2Vの物質Bとを比較した場合に、物質Aの標準電極電位は低く、物質Bの標準電極電位は高い。
【0022】
一方、導電部に同一の金属を用いた場合でも、例えば、温度、湿度、気圧、pHなど、導電部の周辺環境の条件により、いずれかの導電部が第一導電部1として、他方の導電部が第二導電部2として機能し、電流が生じる。よって、2つの導電部の周囲温度、湿度、気圧、pHなどの条件が変われば、第一導電部として機能していたものが第二導電部として機能し、第二導電部として機能していたものが第一導電部として機能することもあり得る。
【0023】
第一導電部1及び第二導電部2から生じる起電力は、0.9V以下であることが好ましく、0.35V以下であることがより好ましく、0.25V以下であることがさらに好ましい。また、第一導電部1及び第二導電部2から生じる起電力は、5mV以上であることが好ましい。
【0024】
また、図示しないが、装置は、複数の第一導電部1及び複数の第二導電部2を備えることとしてもよい。例えば、複数の第一導電部1a、1b・・・1n(nは、2以上の整数)を並列に、電気的に接続するようにしてもよい。また、複数の第二導電部2a、2b、・・・2m(mは、2以上の整数)を並列に、電気的に接続するようにしてもよい。なお、複数の第一導電部1a、1b・・・1nを直列に、電気的に接続するようにしてもよい。さらに、複数の第二導電部2a、2b、・・・2mを直列に、電気的に接続するようにしてもよい。
【0025】
機能部3は、例えば、通電することで所定の機能を実行するものをいう。機能部3は、電力を消費して所定の機能を発揮する電力消費部、導電部にて発生した電気を蓄電する蓄電部、昇圧回路や降圧回路のように出力する電圧を変換する出力電圧変換部等、回路を制御するマイコン等の制御部、他の装置と無線による通信が可能な通信部、情報を表示するための表示部等を含むことができる。
【0026】
電力消費部としては、例えば、白熱電球や発光ダイオードなどの光源、熱を発する発熱体、音を発する発音体、信号を発する発信体、又は、所定の情報を感知するセンサ等を採用することができる。蓄電部は、昇圧回路又は降圧回路に含まれていてもよい。マイコン等の制御部は、回路を制御して、蓄電部に蓄電した電気を所定の条件で放出させることができる。放出された電気は、電力消費部にて消費される。また、マイコン等の制御部においても、わずかではあるが電力が消費されるため、制御部を起動させるのに必要な電力を確保しつつ、蓄電した電気を放出するように制御することができる。
【0027】
機能部3は、電力消費部、蓄電部、出力電圧変換部、通信部、表示部及び制御部のいずれか1つを備えていればよく、電力消費部、蓄電部、出力電圧変換部、通信部、表示部及び制御部のいずれか2つ以上を組み合わせて構成したものを機能部3としてもよい。また、機能部3は、電力消費部、蓄電部、出力電圧変換部、通信部、表示部及び制御部のいずれか2つ以上を一体に構成したものであってもよく、電力消費部、蓄電部、出力電圧変換部、通信部、表示部及び制御部のいずれかを、電気的に接続しつつ、それぞれ別々に構成したものであってもよい。
【0028】
機能部3における入力インピーダンスは、1kΩ以上であることが好ましく、10kΩ以上であることがより好ましい。また、機能部3の入力インピーダンスは、非線形な電流-電圧特性(I-V特性)を有することが好ましい。非線形な電流-電圧特性とは、例えば、機能部3に電流を流した際の電圧変化において、電流値が大きくなるに従って電圧値が高くなるが、電流値が大きくなるに従って、電流値を大きくするために必要となる電圧値の上がり幅が大きくなり、電圧が電流に比例しないような場合をいう。言い換えると、機能部3に加えた電圧値が高くなるに従って電流値が大きくなるが、電圧値が高くなるに従って、電圧値を高くすることで電流値が大きくなる度合が小さくなり、電流値が電圧値に比例しないような場合をいう。機能部3における入力インピーダンスが非線形な電流-電圧特性を有することで、第一導電部1と第二導電部2との間で生じた起電力が維持しやすくなる。
【0029】
機能部3は、出力インピーダンスを変換する機能を有することが好ましい。これにより、機能部3の入力信号に与える影響を制御することができる。
【0030】
また、機能部3は、蓄電部を有し、第一導電部及び/又は第二導電部から供給される電荷を蓄積する。制御部は、電荷を蓄積するのに要した時間よりも短い時間で、蓄積した電荷を放出するように制御する。
【0031】
機能部3の動作電圧の下限値は、0.9V以下で動作することが好ましい。0.35V以下で動作することがより好ましく、20mV以下で動作することがさらに好ましい。
【0032】
媒体は、第一導電部1又は第二導電部2と化学反応を起こし、イオン化するものであれば、特に限定されない。例えば、媒体には、汗などが含まれる。汗の主な成分は水である。汗は、液体であっても、蒸発して気体となっていてもよい。また、汗には、電解質、乳酸塩、尿素、皮脂、微量元素などが含まれていてもよい。さらに、汗には、泥、土、砂などの異物が混ざっていてもよい。
【0033】
媒体に含まれる電解質のうち、陽イオンの濃度は、1mol/L以下であってもよく、0.6mol/L以下であってもよく、0.1mol/L以下であってもよく、0.01mol/L以下であってもよく、さらには、0.001mol/L以下であってもよい。
【0034】
媒体の第一導電部1と第二導電部2間の抵抗値は、1kΩ以上であることが好ましく、10kΩ以上であることがより好ましい。
【0035】
図2は、本発明の実施の形態にかかる、電力変換部の構成を示すブロック図である。図2(A)は、本発明の実施の形態にかかる、昇圧回路の回路図である。昇圧回路又は降圧回路は、機能部3の一例であり、蓄電部を備えている。
【0036】
図示するように、インダクタL、ダイオードD、トランジスタTr、及びコンデンサCが電気的に接続されている。例えば、入力端子A1は、第一導電部1と接続され、入力端子A2は、第二導電部2と接続されている。出力端子B1及び出力端子B2は、電力消費部や制御部等と接続されている。なお、制御部は、昇圧回路と、第一導電部1及び第二導電部2との間で、昇圧回路と並列になるように接続されていてもよい。
【0037】
トランジスタTrがONである場合に、入力電圧VINが印加されると、インダクタLに電気エネルギーが蓄電される。入力電圧VINは、接続点Pと接続点Pの電位差である。トランジスタTrがOFFである場合に、入力電圧VINに由来する電気エネルギーに、インダクタLに蓄電されたエネルギーが加算され、ダイオードDを介して出力される。その結果、入力電圧VINよりも接続点Pと接続点Pの電位差である出力電圧VOUTの方が高い電圧となる。昇圧回路は、入力電圧VINが所定の電圧よりも低い電圧であることを前提にするもので、所定の電圧よりも高い電圧では昇圧制御が実行されないようなものであってもよい。昇圧回路の入力電圧VINは、5mV以上であることが好ましい。なお、トランジスタTrのON/OFFは、制御部により制御される。
【0038】
図2(B)は、本発明の実施の形態にかかる、降圧回路の回路図である。図示するように、トランジスタTr、インダクタL、ダイオードD、及びコンデンサCが電気的に接続される。例えば、入力端子A1は、第一導電部1と接続され、入力端子A2は、第二導電部2と接続されている。出力端子B1及び出力端子B2は、電力消費部や制御部等と接続されている。なお、制御部は、降圧回路と、第一導電部1及び第二導電部2との間で、降圧回路と並列になるように接続されていてもよい。
【0039】
トランジスタTrがONの場合には、インダクタLに電気エネルギーが蓄電される。入力電圧VINは、接続点P11と接続点P12の電位差であり、出力電圧VOUTは、接続点P13と接続点P14の電位差である。この場合、入力電圧VINは、出力電圧VOUTとほぼ等しくなる。トランジスタTrがOFFとなると、インダクタLの左端にある接続点P15の電位が接続点P14の電位よりも低くなるため、出力電圧VOUTの方が低い電圧となる。降圧回路は、入力電圧VINが所定の電圧よりも高い電圧であることを前提にするもので、所定の電圧よりも低い電圧では降圧制御が実行されないようなものであってもよい。なお、トランジスタTrのON/OFFは、制御部により制御される。
【0040】
次に、本発明の装置の内部インピーダンスの測定方法について説明をする。図3は、本発明の実施の形態にかかる、装置を表す図である。第一導電部1及び第二導電部2の電位差をV INと定義し、接続点Pと接続点Pの電位差をV INと定義することができる。接続点Pと接続点Pの電位差をV OUTと定義し、接続点Pと接続点Pの電位差をV OUTと定義することができる。本発明の装置が通電すると、第一導電部1と第二導電部2との間で、起電力V INにより電流Iが接続点Pと接続点Pの方向に流れる。
【0041】
図3に図示するように、第一導電部1は接続点Pにて、第二導電部2は接続点Pにて昇圧回路と接続されている。昇圧回路は、インダクタL、ダイオードD、トランジスタTr、及びコンデンサCが電気的に接続されている。
【0042】
図4は、本発明の実施の形態にかかる、装置内のトランジスタのON-OFFを切り替えた場合における、時間と電流Iの関係を示す図である。ここで、V OUTとV INの関係は、インダクタLに流れる電流IとインダクタンスL1を用いて、式(1):V OUT-V IN=-L1×dI/dtで表すことができる。トランジスタTrがONの場合は、V OUT=0なので、式(2):V IN=L1×dI/dtを導き出すことができる。この場合、dI/dtは正の値であり、時間と共に電流Iは増加する。一方で、トランジスタTrがOFFの場合は、V OUT>V INとなるから、式(1):V OUT-V IN=-L1×dI/dtから、dI/dtは負の値となることが分かる。この場合、時間と共に電流Iは減少する。トランジスタTrのONとOFFは定期的に繰り返される。
【0043】
ここで、第一導電部1、第二導電部2及び媒体を1種の電池として捉えると、起電力V INにより電流Iが流れると考えることができる。この場合に、媒体により起因する内部インピーダンスをZと定義すると、入力電圧と内部インピーダンスとの関係は、式(3):V IN=Z×I+V INで表すことができる。
【0044】
また、トランジスタTrがOFFとなっている間(以下、TOFF期間という)、電流IによってコンデンサCに電荷Qがチャージされる。TOFF期間中に、接続点Pにおいて上昇した電圧をΔVとし、コンデンサCのコンデンサ容量をC1とすると、式(4):Q=∫Idt=C1×ΔVが成立する。
【0045】
式(2)と式(3)から、V IN=L1×dI/dt+Z×Iが導きだされる。この方程式を解くと、Aを積分定数として、式(5):I(t)=V IN/Z+A×e(-Z/L1×t)が導き出される。トランジスタTrがOFFからONに切り替わった時間をt=0とした場合、図4から明らかなように、t=0の時、電流Iはゼロである。そこで、t=0、I=0を式(5)に代入すると、A=-V IN/Zの関係が成立することが分かる。このA=-V IN/Zを式(5)に代入すると、式(6):I(t)=V IN/Z×(1-e(-Z/L1×t))を導きだすことができる。トランジスタTrがONとなっている間(以下、Ton期間という)の電流Iは、式(6)より算出できる。トランジスタTrがONになっている時間を十分にとると、電流Iの最大値はV IN/Zとなる。
【0046】
on期間が終了し、Toff期間が開始した時(つまり、トランジスタTrがOFFからONに切り替わってから時間T1が経過した時)における電流Iは、式(6)にt=T1を代入することにより算出することができる。これは、図4からもわかるように、電流Iには、連続性があるためである。(1-e(-Z/L1×T1))=K(定数)と置き換えると、t=T1における電流Iは、I(T1)=V IN/Z×(1-e(-Z/L1×T1))=K×V IN/Zで表すことができる。なお、Kは0≦K<1の関係を満たし、Z/L1×T1の値が十分に大きくなると、Kは1に近似することができる。
【0047】
次に、式(1)と式(3)により、式(7):L1×dI/dt+Z×I=V IN-V OUTを導きだすことができる。さらに、式(4)より、V OUTは、∫Idt/C1+Vstartで表すことができる。ここで、Vstartは、Toff期間の開始時(t=T1)のコンデンサCの電圧であり、定数である。ダイオードDの閾値電圧をVとすれば、式(8):V OUT=V OUT+V=∫Idt/C1+Vstart+V=∫Idt/C1+V´outを導きだすことができる。なお、ここでV´out=Vstart+Vは定数である。
【0048】
さらに、式(7)及び式(8)から、式(9):∫Idt/C1+Z×I+L1×dI/dt=V IN-V´outを導きだすことができる。式(9)の微分方程式を解くことで、Toff期間の電流Iを時間t、コンデンサ容量C1、内部インピーダンスZ、インダクタンスL1、V IN、V´out、Kの関数で表すことができる。Toff期間の開始時間をt=0とした場合に、その時の電流Iの初期値I(0)はI(0)=K×V IN/Zである。Toff期間が終了した時(つまり、トランジスタTrがONからOFFに切り替わってから時間T2が経過し、電流Iがゼロとなった時)、I(T2)=0である。コンデンサ容量C1、インダクタンスL1、V´outは定数であり、I(0)、T2を測定すれば、V INとZの値をそれぞれ算出することができる。
【0049】
Zについては、上で述べた方法と異なり、簡易的に求めることも可能である。Toff期間中、V OUTは、V INに比べて10倍ほど大きい電圧であるため、dI/dtも大きな値となる。この場合、式(4)における∫Idtは、図4において三角形Sの面積に相当する。従って、式(4)より式(9):∫Idt=K×V IN/Z×T2/2=C1×ΔVが導きさせる。ここで、Ton時間を十分に長くとればK≒1と近似できるから、式(9)にK=1を代入すると、式(10):V IN/Z×T2/2=C1×ΔVが導き出される。C1は定数であり、Toff期間を十分に長くとった時点(電流Iが最小値となった時点)でのΔV、Toff期間を十分に長くとった時点(電流Iが最小値となった時点)でのV IN、T2(V OUTがV INと等しくなったときの時間)から、Zを算出することができる。なお、Toff期間を十分に長くとった時点(電流Iが消費された時点)では、V IN=V INであるため、V INを測定することで、V INを特定することができる。
【0050】
なお、内部インピーダンスZの算出は、制御部により実行される。
【0051】
(装置の第一の実施の形態)
図5は、本発明の実施の形態にかかる、装置の例を示す図である。図5(A)は、装置10aを身体に固定する際の形状を示す図である。以下、装置10aを身体に固定する際に目視できる面を表面とし、装置10aを身体に固定する際に目視できない面を裏面とする。図5(B)は、装置10aの裏面の形状を示す図である。
【0052】
図5に図示するように、装置10aは、全体として、腕時計のような形状をしている。装置10aは、機能部3を含む本体部11、及び装置10aを身体に固定する固定部12を備えている。そして、図5(B)に図示するように、本体部11の裏側に、第一導電部1、及び第二導電部2を備えている。
【0053】
前述のように、第一導電部1及び機能部3は接続されており、第二導電部2及び機能部3は接続されており、第一導電部1及び第二導電部2は、互いに非接触である。また、前述のように、装置10aは、第一導電部1及び第二導電部2を身体に接触させることで通電する。
【0054】
図示しないが、本体部11には孔が設けられており、該孔を通して、第一導電部1及び第二導電部2と、機能部3が、導線などで接続されることとしてもよい。
【0055】
本体部11の形状は、図5に示した例に限定されず、機能部3を含むことができるような形状であればよい。例えば、本体部11の形状は、図5のように四角形の扁平な形状であっても、多角形の扁平な形状であっても、楕円形の扁平な形状であっても、円形の扁平な形状であってもよい。また、本体部11の形状は、扁平でなく、立体的な形状であってもよいが、第一導電部1及び第二導電部2が備えられている本体部11の裏面は、略平面状であることが好ましい。本体部11の裏面が平らな形状であることで、第一導電部1及び第二導電部2が身体に接触しやすくなる。
【0056】
本体部11の素材は、特に限定されないが、導電性を有しないものが好ましい。例えば、本体部11の素材には、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどの合成樹脂などを用いることができる。
【0057】
このように、装置が、第一導電部及び第二導電部と、機能部とを備え、第一導電部及び機能部は接続されており、第二導電部及び機能部は接続されており、第一導電部及び第二導電部は、互いに非接触であり、第一導電部及び第二導電部を身体に接触させることで通電することで、自立した電源で稼働することができる装置を提供することができる。
【0058】
図5(B)に図示するように、装置10aは、本体部11の両側に、固定部12a、及び固定部12bを備えている。そして、一般的な腕時計と同様の機構により、つまり、固定部12a、及び固定部12bを、連結するための部品を介して連結させることで、身体に固定することができる。装置10aを身体に固定する際には、装置10aは、図5(A)に示すような形状となる。図5(A)においては、固定部12a、及び固定部12bを連結した状態で、併せて固定部12と示している。装置10aをこのように固定することで、装置10aの第一導電部1及び第二導電部2を身体に接触させた状態で固定することができる。
【0059】
固定部12の形状は、図5に示した例に限定されず、装置10aを身体に固定できるような形状であればよい。例えば、固定部12の形状は、ブレスレットのようにリング状のものであってもよい。あるいは、固定部12の形状は、後述するように、テープ状のものであってもよい。
【0060】
装置10aを固定する身体の部位は、固定部12により装置10aを固定できる部位であれば特に限定されない。例えば、装置10aを固定する身体の部位は、手首、腕、足首、脚などの、ある程度細く、また、身体を動かしても形状が変わりにくい部位であることとしてもよい。
【0061】
固定部12の素材は、特に限定されない。固定部12の素材には、一般的な腕時計と同様のものを用いることができる。例えば、固定部12の素材には、ポリウレタン、ラバー、シリコンなどの合成樹脂、ナイロンなどの合成繊維、クロコダイル、カーフ、コードバン、リザード、ピッグスキン、バッファロー、ガルーシャ、シャーク、オーストリッチ、パイソンなどの動物由来の皮革、ポリエステルなどの合成皮革、ステンレス、チタン、真鍮などの金属などを用いることができる。あるいは、固定部12の素材には、後述するような、一般的な医療用のテープと同様のものを用いることができる。
【0062】
このように、装置が、第一導電部及び第二導電部を身体に接触させた状態で固定する固定部を備えることで、装置を身体に固定し、通電させることが容易となる。
【0063】
図5(B)に図示するように、装置10aは、本体部11の裏側に、第一導電部1、及び第二導電部2を備えている。図5(B)では、本体部11の裏側には、長方形のシート状の第一導電部1、及び第二導電部2が備えられている。
【0064】
第一導電部1及び第二導電部2については、前述の記載を必要な範囲で採用することができる。例えば、第一導電部1及び第二導電部2は、可撓性を有していてもよい。
【0065】
また、第一導電部1及び第二導電部2として金属を用いる場合には、第一導電部1は、第二導電部2とは異なる標準電極電位を有することとしてもよい。つまり、第一導電部1及び第二導電部2として、異なる種類の金属を用いることとしてもよい。
【0066】
このように、第一導電部1が、第二導電部2とは異なる標準電極電位を有することで、電流の流れる向きを一定にすることができる。
【0067】
装置10aの機能部3については、前述の記載を必要な範囲で採用することができる。
【0068】
装置10aは、機能部3として、昇圧回路を備えることとしてもよい。そして、第一導電部1と第二導電部2との間で生じた起電力を、昇圧回路により昇圧することとしてもよい。
【0069】
このように、装置が、昇圧回路を備え、第一導電部と第二導電部との間で生じた起電力を、昇圧回路により昇圧することで、起電力が小さくとも、高い電圧を得ることができる。
【0070】
装置10aは、機能部3に含まれる制御部に、装置10aの内部インピーダンス及び/又は装置10a内の所定の電圧を測定する測定部を備えることとしてもよい。装置の内部インピーダンス及び/又は装置内の所定の電圧を測定する方法は、前述の記載を必要な範囲で採用することができる。
【0071】
装置の内部インピーダンス及び/又は装置内の所定の電圧は、装置の第一導電部及び第二導電部が媒体に接触する面積や、装置の第一導電部及び第二導電部が接触している媒体の性質などにより変化する。例えば、装置の装着者の発汗量が少ない場合と多い場合では、装置の内部インピーダンス及び/又は装置内の所定の電圧は、異なる値となる。また、例えば、装置の装着者の汗の中の電解質の量が少ない場合と多い場合では、装置の内部インピーダンス及び/又は装置内の所定の電圧は、異なる値となる。
【0072】
このように、装置が、装置の内部インピーダンス及び/又は装置内の所定の電圧を測定する測定部を備えることで、装置の第一導電部及び第二導電部に接触している媒体の量や性質を知ることができる。そして、装置の第一導電部及び第二導電部に接触している媒体の量や性質から、装置の装着者の体の状態の変化を知ることができる。
【0073】
装置10aは、機能部3として、所定のセンサを備えるものであることとしてもよい。そして、装置10aの第一導電部1及び第二導電部2を身体に接触させることで通電することにより、センサが稼働することとしてもよい。
【0074】
センサの種類は、特に限定されず、所定の情報を感知、又は計測するものであればよい。例えば、センサの種類は、装置の装着者の心拍数、心電位、血圧、体温などを、感知、又は計測するものであることとしてもよい。あるいは、センサの種類は、加速度、外気温、気圧、照度、紫外線照射量などを、感知、又は計測するものであることとしてもよい。
【0075】
このように、装置が、所定のセンサを備えるものであり、第一導電部及び第二導電部を身体に接触させることで通電することにより、センサが稼働することで、装置の装着者の体の状態、及び/又は装置の装着者の外部の環境の状態を知ることができる。
【0076】
また、装置10aは、機能部3として、測定部により測定した装置10aの内部インピーダンス及び/若しくは装置10a内の所定の電圧、又は、所定のセンサにより取得した情報(以下、装置取得情報という)を、他のコンピュータ装置へ送信する通信部とを備えることとしてもよい。さらに、装置10aは、機能部3として、時計機能を備えていることとしてもよい。そして、装置10aは、装置取得情報と共に、時刻に関する情報を、他のコンピュータ装置へ送信することとしてもよい。
【0077】
コンピュータ装置は、通信部、及び制御部を有するコンピュータ装置であれば特に限定されないが、例えば、サーバ装置、端末装置などが挙げられる。コンピュータ装置が端末装置の場合は、本発明の装置に対応した、専用のアプリケーションがインストールされていることが好ましい。
【0078】
また、コンピュータ装置は記憶部を備えることとしてもよい。そして、記憶部には、通信部により受信した装置取得情報、及び時刻に関する情報が記憶されることが好ましい。
【0079】
さらに、コンピュータ装置は入力部を備えることとしてもよい。そして、コンピュータ装置に装置の装着者の体調に関する情報を入力できることとしてもよい。コンピュータ装置に装置の装着者の体調に関する情報を入力できることで、装置の装着者の体調と装置取得情報との関連性についての情報を得ることができる。また、コンピュータ装置の記憶部に、装置の装着者の、平時の装置取得情報、及び、過去の体調不良時の装置取得情報が記憶されることとしてもよい。
【0080】
また、コンピュータ装置は、表示部、又はサウンド処理部を備えることとしてもよい。そして、コンピュータ装置が受信した装置取得情報が平時の装置取得情報と異なるものであったとき、あるいは、コンピュータ装置が受信した装置取得情報が過去の体調不良時の装置取得情報と同様のものであったときには、コンピュータ装置の表示部にその旨が表示される、又は通知音が発信されることとしてもよい。また、ユーザの操作により、コンピュータ装置の表示部に、装置取得情報、及び時刻情報の詳細が表示されることとしてもよい。
【0081】
このように、装置が、測定部により測定した装置の内部インピーダンス及び/若しくは装置内の所定の電圧、又は、所定のセンサにより取得した情報を、他のコンピュータ装置へ送信する通信部を備えることで、装置の装着者の体の状態の変化、又は、装置の装着者の体の状態、及び/若しくは装置の装着者の外部の環境の状態について、他のコンピュータ装置において確認することができる。
【0082】
あるいは、装置10aは測定部、及び所定のセンサを備えており、装置取得情報には、測定部により測定した装置10aの内部インピーダンス及び/若しくは装置10a内の所定の電圧、及び、所定のセンサにより取得した情報の両方が含まれることとしてもよい。
【0083】
また、装置10aは、上記以外にも、様々な機能を備えていてもよい。例えば、装置10aは表示部を備えており、表示部に、時刻や、装置取得情報が表示されることとしてもよい。あるいは、装置10aは、後述するような電気刺激発生部、電気刺激接続部、及び電気刺激付与部を備えていてもよい。
【0084】
また、装置10aは、防水機能を備えていることが好ましい。
【0085】
(装置の第二の実施の形態)
図6は、本発明の実施の形態にかかる、装置の例を示す図である。図6(A)は、装置10bの表面の形状を示す図である。図6(B)は、装置10bの裏面の形状を示す図である。図6(C)は、装置10bの装着例を示す図である。
【0086】
図6に図示するように、装置10bは、機能部3を含む本体部11、装置10bを身体に固定する固定部12、身体に電気的な刺激を与える電気刺激付与部15、及び、後述する電気刺激発生部と電気刺激付与部15を接続する電気刺激接続部16を備えている。そして、図6(B)に図示するように、固定部12は、第一導電部1、及び第二導電部2を備えている。
【0087】
前述のように、第一導電部1及び機能部3は接続されており、第二導電部2及び機能部3は接続されており、第一導電部1及び第二導電部2は、互いに非接触である。また、前述のように、装置10bは、第一導電部1及び第二導電部2を身体に接触させることで通電する。
【0088】
図示しないが、本体部11の裏面には、機能部3と接続した導電性の部位が2カ所備えられており、該導電性の部位のそれぞれに、第一導電部1及び第二導電部2が接触することで、第一導電部1及び第二導電部2と、機能部3が接続されることとしてもよい。
【0089】
本体部11の形状は、図6に示した例に限定されず、機能部3を含むことができるような形状であればよい。例えば、本体部11の形状は、図6のように楕円形の扁平な形状であっても、円形の扁平な形状であっても、四角形の扁平な形状であっても、多角形の扁平な形状であってもよい。また、本体部11の形状は、扁平でなく、立体的な形状であってもよいが、本体部11の裏面は、略平面状であることが好ましい。本体部11の裏面が略平面状であることで、装置10bを身体に装着しやすくなる。
【0090】
本体部11の素材に関しては、装置10aの記載を必要な範囲で採用できる。
【0091】
このように、装置が、第一導電部及び第二導電部と、機能部とを備え、第一導電部及び機能部は接続されており、第二導電部及び機能部は接続されており、第一導電部及び第二導電部は、互いに非接触であり、第一導電部及び第二導電部を身体に接触させることで通電することで、自立した電源で稼働することができる装置を提供することができる。
【0092】
図6(B)に図示するように、装置10bは、本体部11の裏面に、固定部12を備えている。装置10bの固定部12は、テープ状のものであり、図6(C)に図示するように、装置10bを身体に固定することができる。装置10bの固定部12は、両面に粘着面を備えることが好ましい。そして、固定部12の粘着面のうち、本体部11に貼付される面、つまり表面は粘着力が強く、身体に貼付される面、つまり裏面は粘着力が弱いことが好ましい。固定部12の粘着面のうち、身体に貼付される面には、第一導電部1、及び第二導電部2が備えられている。装置10bを図6(C)に図示するように固定することで、装置10bの第一導電部1及び第二導電部2を身体に接触させた状態で固定することができる。
【0093】
装置10bの固定部12は、可撓性と粘着性を有するものであれば、特に限定されない。例えば、装置10bの固定部12には、医療用のテープなどを用いることができる。装置10bの固定部12は、かぶれにくいものであることが好ましい。
【0094】
固定部12の形状は、図6に示した例に限定されず、装置10bを身体に固定できるような形状であればよい。例えば、固定部12の形状は、図6のように楕円形であっても、円形であっても、四角形であっても、多角形であってもよい。
【0095】
装置10bを固定する身体の部位は、固定部12により装置10bを固定できる部位であれば特に限定されない。例えば、装置10bを固定する身体の部位は、首、胸、腹部、背中、腰などの、立体的で、また、身体を動かすことで形状が変わりやすい部位であることとしてもよい。装置10bの固定部12はテープ状であり、可撓性と粘着性を有するため、このような部位においても装置10bを身体に固定することが可能である。
【0096】
固定部12の素材は、装置10bを身体に固定できるものであれば、特に限定されない。例えば、固定部12の素材には、一般的な医療用のテープと同様のものを用いることができる。具体的には、固定部12の支持体の素材には、ポリエステル、不織布などを用いることができる。また、具体的には、固定部12の粘着面の素材には、合成ゴム、アクリルなどを用いることができる。
【0097】
このように、装置が、第一導電部及び第二導電部を身体に接触させた状態で固定する固定部を備えることで、装置を身体に固定し、通電させることが容易となる。
【0098】
図6(B)に図示するように、装置10bの固定部12は、第一導電部1、及び第二導電部2を備えている。図6(B)では、装置10bの固定部12は、半楕円形のシート状の第一導電部1、及び第二導電部2を備えている。
【0099】
第一導電部1、及び第二導電部2は、固定部12と一体的に形成されていることとしてもよい。つまり、第一導電部1、及び第二導電部2の周囲に固定部12が設けられており、固定部12の裏面からも表面からも、第一導電部1、及び第二導電部2の全体の形状が目視できることとしてもよい。そして、固定部12を装置10bの本体部11の裏面に備えた場合に、第一導電部1及び第二導電部2と、機能部3が接続されることとしてもよい。
【0100】
あるいは、第一導電部1、及び第二導電部2は、固定部12と一体的ではなく、別々に形成されていることとしてもよい。つまり、固定部12の裏面の粘着面に、第一導電部1、及び第二導電部2が設けられており、固定部12の裏面からは第一導電部1、及び第二導電部2の全体の形状が目視できるが、固定部12の表面からは第一導電部1、及び第二導電部2の全体の形状が目視できないこととしてもよい。この場合、固定部12を装置10bの本体部11の裏面に備えた場合に、第一導電部1及び第二導電部2と、機能部3が接続されるように、固定部12に孔が設けられていることが好ましい。
【0101】
装置10bの第一導電部1、及び第二導電部2は、可撓性を有することとしてもよい。固定部12と、第一導電部1及び第二導電部2が、共に可撓性を有している場合、首、胸、腹部、背中、腰などの、身体の立体的な部位においても、第一導電部1及び第二導電部2を身体に接触させた状態で固定することが可能となる。
【0102】
このように、装置の第一導電部及び第二導電部が可撓性を有することで、身体の様々な箇所において、第一導電部及び第二導電部が身体に接触することが可能となる。そして、身体の様々な個所において、装置が通電することが可能となる。
【0103】
また、第一導電部1及び第二導電部2として金属を用いる場合には、第一導電部1は、第二導電部2とは異なる標準電極電位を有することとしてもよい。つまり、第一導電部1及び第二導電部2として、異なる種類の金属を用いることとしてもよい。
【0104】
このように、第一導電部1が、第二導電部2とは異なる標準電極電位を有することで、電流の流れる向きを一定にすることができる。
【0105】
また、第一導電部1及び第二導電部2については、前述の記載を必要な範囲で採用することができる。
【0106】
装置10bの固定部12並びに/又は第一導電部1及び第二導電部2は、使用した後に破棄し、新しいものと交換することが可能であることとしてもよい。この場合、固定部12並びに/又は第一導電部1及び第二導電部2は、一回使用する毎に破棄することとしてもよく、複数回した後に破棄することとしてもよい。
【0107】
装置10bの機能部3については、前述の記載を必要な範囲で採用することができる。
【0108】
装置10bは、機能部3として、昇圧回路を備えることとしてもよい。そして、第一導電部1と第二導電部2との間で生じた起電力を、昇圧回路により昇圧することとしてもよい。
【0109】
このように、装置が、昇圧回路を備え、第一導電部と第二導電部との間で生じた起電力を、昇圧回路により昇圧することで、起電力が小さくとも、高い電圧を得ることができる。
【0110】
装置10bは、機能部3に含まれる制御部に、装置10bの内部インピーダンス及び/又は装置10b内の所定の電圧を測定する測定部を備えることとしてもよい。装置の内部インピーダンス及び/又は装置内の所定の電圧を測定する方法は、前述の記載を必要な範囲で採用することができる。
【0111】
装置の内部インピーダンス及び/又は装置内の所定の電圧は、装置の第一導電部及び第二導電部が媒体に接触する面積や、装置の第一導電部及び第二導電部が接触している媒体の性質などにより変化する。例えば、装置の装着者の発汗量が少ない場合と多い場合では、装置の内部インピーダンス及び/又は装置内の所定の電圧は、異なる値となる。また、例えば、装置の装着者の汗の中の電解質の量が少ない場合と多い場合では、装置の内部インピーダンス及び/又は装置内の所定の電圧は、異なる値となる。
【0112】
このように、装置が、装置の内部インピーダンス及び/又は装置内の所定の電圧を測定する測定部を備えることで、装置の第一導電部及び第二導電部に接触している媒体の量や性質を知ることができる。そして、装置の第一導電部及び第二導電部に接触している媒体の量や性質から、装置の装着者の体の状態の変化を知ることができる。
【0113】
装置10bは、機能部3として、所定のセンサを備えるものであることとしてもよい。そして、装置10bの第一導電部1及び第二導電部2を身体に接触させることで通電することにより、センサが稼働することとしてもよい。
【0114】
センサの種類に関しては、装置10aの記載を必要な範囲で採用できる。
【0115】
このように、装置が、所定のセンサを備えるものであり、第一導電部及び第二導電部を身体に接触させることで通電することにより、センサが稼働することで、装置の装着者の体の状態、及び/又は装置の装着者の外部の環境の状態を知ることができる。
【0116】
また、装置10bは、機能部3として、装置取得情報を、他のコンピュータ装置へ送信する通信部とを備えることとしてもよい。さらに、装置10bは、機能部3として、時計機能を備えていることとしてもよい。そして、装置10bは、装置取得情報と共に、時刻に関する情報を、他のコンピュータ装置へ送信することとしてもよい。
【0117】
コンピュータ装置に関しては、装置10aの記載を必要な範囲で採用できる。
【0118】
このように、装置が、測定部により測定した装置の内部インピーダンス及び/若しくは装置内の所定の電圧、又は、所定のセンサにより取得した情報を、他のコンピュータ装置へ送信する通信部を備えることで、装置の装着者の体の状態の変化、又は、装置の装着者の体の状態、及び/若しくは装置の装着者の外部の環境の状態について、他のコンピュータ装置において確認することができる。
【0119】
あるいは、装置10bは測定部、及び所定のセンサを備えており、装置取得情報には、測定部により測定した装置10bの内部インピーダンス及び/若しくは装置10b内の所定の電圧、及び、所定のセンサにより取得した情報の両方が含まれることとしてもよい。
【0120】
また、装置10bは、機能部3として、第一導電部1及び第二導電部2を身体に接触させることで生じた電圧により、身体に電気的な刺激を与えるための電流を発生する電気刺激発生部を備えることとしてもよい。そして、装置10bは、図6に図示するように、身体に電気的な刺激を与える電気刺激付与部15、及び電気刺激付与部15と電気刺激発生部を接続する電気刺激接続部16を備えることとしてもよい。
【0121】
図6では、装置10bは、電気刺激付与部15、及び電気刺激接続部16を2つずつ備えている。そして、電気刺激発生部と電気刺激付与部15aが電気刺激接続部16aにより、電気刺激発生部と電気刺激付与部15bが電気刺激接続部16bにより、それぞれ接続されている。
【0122】
装置10bは、電気刺激付与部15、及び電気刺激接続部16を、1つ以上備えていればよい。例えば、2つでも、3つでも、5つでも、それ以上でもよい。
【0123】
装置10bは、例えば、図6(C)に図示するように、本体部11を、固定部12を用いて身体の胸に装着し、電気刺激付与部15a及び15bを、身体の両肩に1つずつ装着することが可能である。
【0124】
装置10bをこのように装着することで、固定部12に備えられた第一導電部1及び第二導電部2が身体に接触し、電圧が生じる。生じた電圧により、電気刺激発生部は、身体に電気的な刺激を与えるための電流を発生する。電気刺激発生部により発生した電流は、電気刺激接続部16により電気刺激付与部15に伝達される。そして、電気刺激付与部15により、電気刺激発生部により発生した電流が、身体に付与される。
【0125】
電気刺激発生部は、身体に電気的な刺激を与えるための電流を発生するものであれば、特に限定されない。例えば、電気刺激発生部には、電気治療器に用いられる電気刺激発生部などを用いることができる。
【0126】
装置10bは入力部を備えており、入力部により、電気刺激発生部から発生する電流の大きさが調整できることとしてもよい。また、入力部により、電気刺激発生部により発生する電流のON/OFFを切り替えられることとしてもよい。
【0127】
電気刺激接続部16は、電気刺激発生部と電気刺激付与部15を電気的に接続するものであれば、特に限定されない。例えば、電気刺激接続部16には、導線を絶縁体で被覆したコードなどを用いることができる。
【0128】
電気刺激付与部15は、電気刺激発生部により発生した電流を身体に付与し、身体に電気的な刺激を与えるものであれば、特に限定されない。電気刺激付与部15は、導電性を有するものであることとしてもよい。また、電気刺激付与部15は、可撓性、及び粘着性を有するものであることとしてもよい。あるいは、電気刺激付与部15は、導電性を有するものと、可撓性、及び粘着性を有するものが組み合わされていることとしてもよい。
【0129】
電気刺激付与部15の素材として、例えば、金属、導電性ポリマー、カーボン、導電性繊維、導電性ゴム等が挙げられる。
【0130】
また、電気刺激付与部15には、導電性を有しない素材を、導電性を有する素材で被覆したものや、導電性を有しない素材の中に、導電性を有する素材を配合したものなどを用いてもよい。例えば、プラスティックフィルムを金属で被覆したものや、クリーム状のペーストやゲル状のものに金属粉末を配合したものを用いてもよい。
【0131】
電気刺激付与部15の形状は、特に限定されない。電気刺激付与部15の形状は、直方体状、円柱状(棒状)、角錐状、円錐状、板状、シート状、フィルム状、針状、紐状又は粉末状であってもよく、形状を問わない。
【0132】
また、電気刺激付与部15は、鍼灸用の微小な針のようなものであってもよい。さらに、電気刺激付与部15は、鍼灸用の微小な針を、医療用のテープに固定したものであってもよい。
【0133】
あるいは、電気刺激付与部15は、図6(C)に図示するように、経皮的に身体に電気的な刺激を与えるものではなく、皮膚の下に埋め込まれ、身体内の臓器や神経に電気的な刺激を与えるものであることとしてもよい。この場合、装置10bも、皮膚の下に埋め込まれることとしてもよい。
【0134】
このように、装置が、第一導電部及び第二導電部を身体に接触させることで生じた電圧により、身体に電気的な刺激を与えるための電流を発生する電気刺激発生部を備えることで、身体から得た電圧により、身体に電気的な刺激を与えることが可能となる。
【0135】
また、装置10bは、上記以外にも、様々な機能を備えていてもよい。例えば、装置10bは表示部を備えており、表示部に、時刻や、装置取得情報が表示されることとしてもよい。
【0136】
また、装置10bは、防水機能を備えていることが好ましい。
【0137】
本発明の実施の形態において、「導電部」とは、例えば、通電可能部材であればよく、材質を問わない。「機能部」とは、例えば、電流を流すことで所定の機能を実行するものをいう。機能は、電気を光や熱等のエネルギーに変換するもの、回路を制御するものであってもよい。
【0138】
本発明の実施の形態において、「電解液」とは、例えば、イオン性物質を極性溶媒に溶解させた、電気伝導性を有する溶液をいう。「昇圧回路」とは、例えば、入力電圧を昇圧して出力する回路をいう。「降圧回路」とは、例えば、入力電圧を降圧して出力する回路をいう。「導電性ポリマー」とは、例えば、電気伝導性を持つ高分子化合物をいう。「カーボン」とは、例えば、導電性を有する炭素繊維をいう。「一体的に構成」とは、例えば、異なる物体同士を接合させることをいい、より具体的には、接着剤による接着、他の部材を使用した機械的接合、溶接、圧着等、化学的及び/又は物理的な力により接合させることが挙げられる。
【0139】
[参考例]
以下、参考例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの参考例により何ら限定されるものではない。
【0140】
(参考例1)
以下の試験は、常温、常圧で行った。図1に示す、第一導電部1、第二導電部2、及び機能部3の構成を備える装置と、媒体を用いてシステムを構築した。第一導電部1として、ステンレス製(オーステナイト、SUS304系)の板状部材(0.5mm厚、10cm×15cm)を用い、第二導電部2として、亜鉛メッキ鋼板(鉄)製の板状部材(0.5mm厚、10cm×15cm)を用い、第一導電部1、第二導電部2及び機能部3を、それぞれ銅製の導線で接続した。機能部3は、電力消費部、出力電圧変換部及び制御部を備えている。また、その入力インピーダンスは1kΩ以上であり、非線形な電流-電圧特性を有するものを用いた。電力消費部には、2mA以上の電流が流れると点灯するLED電球を用いた。出力電圧変換部には、図2(A)に示す昇圧回路を用い、システムを構成した。
【0141】
第一導電部1を、出力電圧変換部の昇圧回路の入力端子A1に接続し、また、昇圧回路の出力端子B1をLED電球に接続した。さらに、第二導電部2を、昇圧回路の入力端子A2に接続し、また、昇圧回路の出力端子B2を、LED電球の出力端子B1と接続されている端子とは反対側の端子で接続した。
【0142】
アクリル製容器(外径15cm×15cm×15cmの立方体、内径14.5cm)に高さ7.5cmまで、純水(古河薬品工業株式会社製、高純度精製水、温度25度:媒体)を入れ、第一導電部1及び第二導電部2を浸してシステムを構築した。第一導電部1及び第二導電部2は非接触であり、第一導電部1及び第二導電部2の距離は12cmであり、第一導電部1と第二導電部2の板状の平面が平行になるように設置した。
【0143】
構築したシステムについて、第一導電部1及び第二導電部2との間の電圧を測定した(測定1)。測定には、Agilent Technologies社製の34401Aマルチメーターを使用した。結果を表1に示す。参考例1に示したシステムでは、LED電球は270~330秒おきに点滅を繰り返した。すなわち、第一導電部1及び/又は第二導電部2から、起電していることを確認できた。
【0144】
次に、第一導電部1及び第二導電部2を浸し、アクリル製容器(外径15cm×15cm×15cmの立方体、内径14.5cm)に高さ7.5cmまで、純水(古河薬品工業株式会社製、高純度精製水、温度25度:媒体)を入れ、第一導電部1及び第二導電部2を浸した。第一導電部1及び第二導電部2は非接触であり、第一導電部1及び第二導電部2の距離は12cmであり、第一導電部1と第二導電部2の板状の平面は、平行になるように設置した。また、第一導電部1及び第二導電部2が、電気的に接続されていない状態とした。そして、34401Aマルチメーターを用いて、第一導電部1及び第二導電部2との間の電圧を測定した(測定2)。さらに、この状態において、第一導電部1と第二導電部2との間の媒体の抵抗値を測定した(測定3)。
【0145】
(参考例2)
媒体を、土(株式会社プロトリーフ製、観葉植物の土)に変更したこと以外は、参考例1と同様にして、測定1~3を実施した。結果を表1に示す。参考例2に示したシステムでは、LED電球は21~23秒おきに、略等間隔に点滅を繰り返した。すなわち、第一導電部1及び/又は第二導電部2から、起電していることを確認できた。
【0146】
(参考例3)
純水(参考例1のものと同じ)50gに塩(伯方塩業株式会社製、伯方の塩)5gを溶かした水溶液に浸したウエスを、媒体と接触する第一導電部1及び第二導電部2の面に貼り付け、媒体を砂(トーヨーマテラン株式会社製、粒度ピーク(重量比)が、約0.9mmの珪砂)に変更したこと以外は、参考例1と同様にして、測定1~3を実施した。結果を表1に示す。参考例3に示したシステムでは、LED電球は80~100秒おきに点滅を繰り返した。すなわち、第一導電部1及び/又は第二導電部2から、起電していることを確認できた。
【0147】
【表1】
【0148】
(参考例4)
参考例1において、アクリル製容器に、高さ7.5cmまで純水を入れていたところ、高さ10cmまで純水を追加した。純水を追加することで、前述したシステムの内部インピーダンスの変化を確認できた。また、純水を追加することで、Toff期間が開始した時の入力電圧V INの変化を確認できた。なお、内部インピーダンスは、上述した算定方法により算定した。
【0149】
(参考例5)
参考例1において、アクリル製容器に、高さ7.5cmまで純水を入れていたところ、5分間をかけて、高さ10cmまで純水を追加した。前述したシステムの内部インピーダンスの単位時間当たりの変化量が変化するのを確認できた。また、純水を追加することで、入力電圧の単位時間当たりの変化量が変化するのを確認できた。なお、内部インピーダンスは、上述した算定方法により算定した。入力電圧は、Toff期間が開始した時の入力電圧V INである。
【符号の説明】
【0150】
1 第一導電部、2 第二導電部、3 機能部、10 装置、11 本体部、12 固定部、15 電気刺激付与部、16 電気刺激接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6