IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ Diverdyne株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-フェンスの施工方法 図1
  • 特開-フェンスの施工方法 図2
  • 特開-フェンスの施工方法 図3
  • 特開-フェンスの施工方法 図4
  • 特開-フェンスの施工方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067938
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】フェンスの施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/16 20060101AFI20220426BHJP
【FI】
E04H17/16 104
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176819
(22)【出願日】2020-10-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】516072395
【氏名又は名称】Diverdyne株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 達也
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142AA01
2E142AA03
2E142EE03
2E142HH01
2E142HH12
2E142HH26
2E142JJ06
2E142LL01
2E142LL02
2E142NN05
(57)【要約】
【課題】 施工が容易なフェンスの施工方法等の一例を開示する。
【解決手段】 大地に固定された複数本の柱材Pが各壁材Wの挿入穴H1、H2に嵌り込むように各壁材Wを各柱材Pに装着する。これによれば、各柱材Pの長手方向が鉛直方向と平行であれば、完成したフェンスが水平方向に対して大きく傾くことはない。また、各壁材Wは工場にて製造されるので、各挿入穴H1、H2の穴寸法、及び各壁材Wの外形寸法等は、現場にて加工する場合に比べて、比較にならないほど、寸法精度が高い。したがって、当該フェンスの施工方法等の外構工事方法によれば、高い職人的な技量を必要とすることなく、完成したフェンスが水平方向に対して大きく傾くことを抑制でき得る。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁状のフェンスを施工するための施工方法において、
複数本の柱材それぞれが互いに平行となり、かつ、その長手方向が鉛直となるように、それら柱材を施工現場の大地に固定する基礎工程と、
前記基礎工程の施工前に工場にて実施される壁材製造工程であって、前記フェンスを構成する壁材の製造と併せて、当該壁材の水平方向一端側及び他端側に前記柱材が挿入可能な挿入穴を形成する壁材製造工程とを備え、
前記施工現場では、大地に固定された前記複数本の柱材が前記挿入穴に嵌り込むように前記壁材を当該柱材に装着するフェンスの施工方法。
【請求項2】
前記挿入穴の大きさは、前記柱材が挿入されたときに、当該挿入穴の内壁の少なくとも一部が当該柱材の表面に圧接可能な大きさである請求項1に記載のフェンスの施工方法。
【請求項3】
全ての前記壁材が前記柱材に装着された状態において、当該柱材の上端は、完成したフェンスの上端面より下方に位置する請求項1又は2に記載のフェンスの施工方法。
【請求項4】
完成したフェンスの上端面と前記柱材の上端との間の前記挿入穴には、モルタルが充填されている請求項3に記載のフェンスの施工方法。
【請求項5】
前記壁材の表面には、前記壁材製造工程にて塗装が施されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載のフェンスの施工方法。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフェンスの施工方法に用いられる壁部材において、
矩形板状の本体部と、
前記本体部の水平方向一端部及び他端部に設けられ、当該端部から突出した突起部であって、前記挿入穴が設けられた突起部と
を備える壁部材。
【請求項7】
前記突起部が上下方向一端側のみに設けられた第1の本体部、及び
前記突起部が上下方向中間部のみに設けられた第2の本体部の2種類にて構成されている請求項6に記載の壁部材。
【請求項8】
前記突起部の先端側は、略円弧状に構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の壁部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フェンスの施工方法等の外構工事、及び当該施工に用いられる壁部材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なフェンスの施工方法は、例えば、特許文献1に記載されているように、大地を掘削して形成した溝に打設したコンクリート製の基礎部を形成した後、壁部材の下部を当該基礎部に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-218880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、水平な溝を掘削することは、職人的な技量を要する。そして、上記の施工方法では、壁部材の下部が基礎部に設置されるので、例えば、基礎部が水平面に対して傾いていると、完成したフェンスの上端面も傾いてしまう。
【0005】
しかし、近年、職人的な技量を備える作業者の高齢化に伴って、そのような技量を備える人材が枯渇しつつある。本開示は、当該点に鑑みたフェンスの施工方法等の一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
壁状のフェンスを施工するための施工方法は、例えば、複数本の柱材(P)それぞれが互いに平行となり、かつ、その長手方向が鉛直となるように、それら柱材(P)を施工現場の大地に固定する基礎工程と、基礎工程の施工前に工場にて実施される壁材製造工程であって、フェンスを構成する壁材()の製造と併せて、当該壁材()の水平方向一端側及び他端側に柱材(P)が挿入可能な挿入穴(H1、H2)を形成する壁材製造工程とを備え、施工現場では、大地に固定された複数本の柱材(P)が挿入穴(H1、H2)に嵌り込むように壁材(W)を当該柱材(P)に装着することが望ましい。
【0007】
これにより、当該施工方法によれば、各柱材(P)の長手方向が鉛直方向と平行であれば、完成したフェンスが水平方向に対して大きく傾くことはない。
【0008】
すなわち、壁材(W)は工場にて製造されるので、挿入穴(H1、H2)の穴寸法、及び壁材(W)の外形寸法等は、現場にて加工する場合に比べて、比較にならないほど、寸法精度が高い。
【0009】
また、複数本の柱材(P)それぞれが互いに平行となり、かつ、その長手方向が鉛直となるように、それら柱材(P)を施工現場の大地に固定することは、水平な溝を掘削する工事に比べて、格段に容易である。
【0010】
したがって、当該フェンスの施工方法等の外構工事方法によれば、高い職人的な技量を必要とすることなく、完成したフェンスが水平方向に対して大きく傾くことを抑制でき得る。
【0011】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係るフェンスの構成を示す図である。
図2】Aは第1壁材を示す図であり、Bは第2壁材を示す図である。
図3】第1実施形態に係るフェンスの施工方法における基礎工程を示す図である。
図4】A及びBは、第2実施形態に係るフェンスの構成を示す図である。
図5】第3実施形態に係る壁材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0014】
なお、各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び各部材又は部位の形状を理解し易くするために記載されたものである。したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されない。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示すものではない。
【0015】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示されたフェンスの施工方法及び壁部材は、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位を備える。
【0016】
(第1実施形態)
本実施形態は、一般住宅用の外壁(フェンス)に本開示に係るフェンスの施工方法及び壁部材の一例が適用されたものである。図1は、フェンスの施工方法が完了した状態を示す図である。
【0017】
<1.フェンスの構成>
完成したフェンス1は、図1に示されるように、複数本の柱材P及び少なくとも1枚の壁材W等を有して構成される。壁材Wは、図2に示されるように、第1壁材W1及び第2壁材W2の少なくとも2種類にて構成される。
【0018】
なお、図1では、隣り合う壁材W間に隙間が存在するように記載されているが、現実のフェンスは異なる。具体的には、隣り合う壁材W間に大きな隙間が存在しないように、密着した状態で配置されている。
【0019】
第1壁材W1は、図2Aに示されるように、矩形板状の第1本体部B1、及び2つの突起部Pr1を有する。2つの突起部Pr1(以下、第1突起部Pr1という。)それぞれは、第1本体部B1の水平方向一端部及び他端部それぞれに設けられている。
【0020】
各第1突起部Pr1は、当該端部から外側に突出している。そして、各第1突起部Pr1には、柱材Pが貫通可能な上下方向に延びる挿入穴H1(以下、第1挿入穴H1という。)が設けられている。
【0021】
同様に、第2壁材W2は、図2Bに示されるように、矩形板状の第2本体部B2、及び2つの突起部Pr2を有する。2つの突起部Pr2(以下、第1突起部Pr2という。)それぞれは、第2本体部B2の水平方向一端部及び他端部それぞれに設けられている。
【0022】
各第2突起部Pr2は、当該端部から外側に突出している。そして、各第2突起部Pr2には、柱材Pが貫通可能な上下方向に延びる挿入穴H2(以下、第2挿入穴H2という。)が設けられている。
【0023】
第1挿入穴H1及び第2挿入穴H2それぞれの大きさは、柱材Pが挿入されたときに、それら挿入穴H1、H2の内壁の少なくとも一部が当該柱材Pの表面に圧接可能な大きさである。
【0024】
なお、本実施形態に係る柱材Pは、金属製のパイプ材にて構成されている。このため、各挿入穴H1、H2は、柱材Pの外直径と同一の直径を有する丸穴、又は柱材Pの外直径より僅かに小さい直径を有する丸穴である。
【0025】
そして、2つの第1突起部Pr1それぞれは、上下方向一端側(図2Aのでは、上端側)のみに設けられている。2つの第2突起部Pr2それぞれは、上下方向中間部のみに設けられている。
【0026】
第1本体部B1及び2つの突起部Pr1、並びに第2本体部B2及び2つの突起部Pr2それぞれは、発泡スチロール等の発泡樹脂製の一体品である。第1壁材W1及び第2壁材W2それぞれは、フェンスの施工前に工場にて製造される。
【0027】
つまり、第1壁材W1及び第2壁材W2(以下、総称する際には、壁材Wと表記する。)の外形寸法、及び挿入穴H1、H2の穴寸法等は、機械加工と同等の精度を有する。そして、本実施形態に壁材Wの表面は、工場にて塗装が施されている。
【0028】
<2.フェンスの施工方法>
フェンスの施工を行う現場の作業者(以下、単に、作業者という。)は、先ず、図3に示されるように、複数本の柱材Pそれぞれが互いに平行となり、かつ、その長手方向が鉛直となるように、それら柱材Pを施工現場の大地に固定する(以下、当該作業を基礎工程という。)。
【0029】
本実施形態に係る基礎工程においては、各柱材Pの下端側は、コンクリートにて大地に固定されている。なお、本実施形態に係る柱材Pは、金属製のパイプ材等の汎用品にて構成されている。
【0030】
次に、作業者は、基礎工程が終了した各柱材Pが、壁材Wの挿入穴H1、H2に嵌り込むように壁材Wを上から各柱材Pに装着する。このとき、作業者は、図1に示されるように、第1突起部Pr1、及び第2突起部Pr2によって構成される凹凸が互いに嵌合するように、第1壁材W1と第2壁材W2とを上下方向に重ねていく。
【0031】
つまり、作業者は、柱材Pを挟んで水平方向一方側(例えば、右側)に位置する壁材Wと、柱材Pを挟んで水平方向他方側(例えば、左側)に位置する壁材Wとに、同一の柱材Pが挿入された状態となるように、第1壁材W1と第2壁材W2とを各柱材Pに装着する。
【0032】
本実施形態では、全ての壁材Wが柱材Pに装着された状態において(図1参照)、各柱材Pの上端は、完成したフェンスの上端面Usより下方に位置する。このため、本実施形態では、完成したフェンスの上端面Usと各柱材Pの上端との間の挿入穴H1、H2には、モルタルが充填されている。
【0033】
なお、完成したフェンスの下端面と大地との隙間が大きい場合には、作業者は、モルタル又は盛り土等にてその隙間を閉塞する場合もある。なお、作業者は、必要(顧客からの要望)がある場合には、モルタルが充填された部位に壁材Wと同様な塗装を施工する。
【0034】
<3.本実施形態に係るフェンスの施工方法の特徴>
本実施形態に係るフェンスの施工方法によれば、各柱材Pの長手方向が鉛直方向と平行であれば、完成したフェンスが水平方向に対して大きく傾くことはない。
【0035】
すなわち、各壁材Wは工場にて製造されるので、各挿入穴H1、H2の穴寸法、及び各壁材Wの外形寸法等は、現場にて加工する場合に比べて、比較にならないほど、寸法精度が高い。
【0036】
また、複数本の柱材Pそれぞれが互いに平行となり、かつ、その長手方向が鉛直となるように、それら柱材Pを施工現場の大地に固定することは、水平な溝を掘削する工事に比べて、格段に容易である。
【0037】
したがって、当該フェンスの施工方法等の外構工事方法によれば、高い職人的な技量を必要とすることなく、完成したフェンスが水平方向に対して大きく傾くことを抑制でき得る。
【0038】
各挿入穴H1、H2の大きさは、柱材Pが挿入されたときに、当該柱材Pの表面に圧接可能な大きさである。したがって、作業者が各壁材Wを各柱材Pに装着した後に、壁材Wを固定するための施工を行うことなく、各壁材Wをガタツキ無く固定することが可能となる。
【0039】
各壁材Wは発泡スチロール製であるので、各壁材Wは極めて軽量である。したがって、施工現場で作業者が柱材Pに壁材Wを装着する際の作業負荷及び作業時間が大幅に削減される。なお、大地震により、仮に、当該フェンスが倒壊等した場合であっても、各壁材Wが発泡スチロール製であるので、大事に至る可能性は極めて低い。
【0040】
各壁材Wは、工場にて塗装(模様も含む。)がされるため、季節や天候に影響を受けることなく、均質な塗装を施すことが可能となるとともに、顧客の要望に応じた色や模様とすることが可能である。
【0041】
全ての壁材Wが柱材Pに装着された状態において、各柱材Pの上端は、完成したフェンスの上端面Usより下方に位置する(図1参照)。これにより、完成したフェンスの上端面Usから各柱材Pの上端が突出してしまうことを未然に防止できるので、見映えの良いフェンスを得ることができる。
【0042】
(第2実施形態)
上述の実施形態に係るフェンスは、複数枚の壁材Wが水平方向に直線状に配置された構成であった。これに対して、本実施形態は、複数枚の壁材Wが水平方向に直線状に配置されていないフェンスに本実施形態に係るフェンスの施工方法を適用した例である。
【0043】
なお、図4Aは、複数枚の壁材WがL字状に配置された例である。図4Bは、隣り合う壁材Wが同一の柱材Pを共用しない場合の例である。つまり、本開示係るフェンスの施工方法においては、隣り合う壁材Wが同一の柱材Pを共用する構成に限定されない。
【0044】
なお、上述の実施形態と同一の構成要件等は、上述の実施形態と同一の符号が付されている。このため、本実施形態では、重複する説明は省略されている。
【0045】
(第3実施形態)
上述の実施形態に係る突起部Pr1、Pr2の先端側は、矩形状であった。これに対して、本実施形態に係る突起部Pr1、Pr2の先端側は、図5に示されるように、略円弧状に構成されている。
【0046】
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係る壁材Wは、発泡スチロール製であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、金属製の壁材Wであってもよい。
【0047】
上述の実施形態では、各挿入穴H1、H2の大きさは、柱材Pが挿入されたときに、当該柱材Pの表面に圧接可能な大きさであった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、挿入穴H1、H2の直径が柱材Pの外直径より僅かに大きい寸法であってもよい。なお、この場合は、柱材Pと壁材Wとを固定する工事を施工することが望ましい。
【0048】
上述の実施形態では、全ての壁材Wが柱材Pに装着された状態において、当該柱材Pの上端は、完成したフェンスの上端面より下方に位置する構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、柱材Pの上端が完成したフェンスの上端面と一致する構成、又は柱材Pの上端が完成したフェンスの上端面から突出した構成であってもよい。
【0049】
上述の実施形態では、完成したフェンスの上端面と柱材Pの上端との間の各挿入穴H1、H2には、モルタルが充填されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、モルタルが充填されていない構成であってもよい。
【0050】
上述の実施形態では、作業者が各壁材Wを各柱材Pに装着した後に、壁材Wを固定するための施工を実施しなかった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、壁材Wを固定するための施工を実施してもよい。
【0051】
上述の実施形態では、工場にて壁材Wの表面に塗装が施されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、施工現場にて壁材Wの表面に塗装を施工する構成であってもよい。
【0052】
上述の実施形態に係る壁材Wは、突起部Pr1、Pr2の位置が異なる2種類の第1壁材W1及び第2壁材W2にて構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、全て単純な矩形形状であってもよい。
【0053】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1… フェンス
P… 柱材
W… 壁材
W1… 第1壁材
W2… 第2壁材
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-01-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁状のフェンスを施工するための施工方法において、
複数本の柱材それぞれが互いに平行となり、かつ、その長手方向が鉛直となるように、それら柱材を施工現場の大地に固定する基礎工程と、
前記基礎工程の施工前に工場にて実施される壁材製造工程であって、前記フェンスを構成する壁材の製造と併せて、当該壁材の水平方向一端側及び他端側に前記柱材が挿入可能な挿入穴を形成する壁材製造工程とを備え、
前記施工現場では、大地に固定された前記複数本の柱材が前記挿入穴に嵌り込むように前記壁材を当該柱材に装着し、
さらに、前記挿入穴の大きさは、前記柱材が挿入されたときに、当該挿入穴の内壁の少なくとも一部が当該柱材の表面に圧接可能な大きさであるフェンスの施工方法。
【請求項2】
全ての前記壁材が前記柱材に装着された状態において、当該柱材の上端は、完成したフェンスの上端面より下方に位置する請求項に記載のフェンスの施工方法。
【請求項3】
完成したフェンスの上端面と前記柱材の上端との間の前記挿入穴には、モルタルが充填されている請求項に記載のフェンスの施工方法。
【請求項4】
前記壁材の表面には、前記壁材製造工程にて塗装が施されている請求項1ないしのいずれか1項に記載のフェンスの施工方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のフェンスの施工方法に用いられる壁部材において、
矩形板状の本体部と、
前記本体部の水平方向一端部及び他端部に設けられ、当該端部から突出した突起部であって、前記挿入穴が設けられた突起部とを備え
前記突起部が上下方向一端側のみに設けられた第1の本体部、及び
前記突起部が上下方向中間部のみに設けられた第2の本体部の2種類にて構成されている壁部材。
【請求項6】
前記突起部の先端側は、略円弧状に構成されていることを特徴とする請求項記載の壁部材。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁状のフェンスを施工するための施工方法において、
複数本の柱材それぞれが互いに平行となり、かつ、その長手方向が鉛直となるように、それら柱材を施工現場の大地に固定する基礎工程と、
前記基礎工程の施工前に工場にて実施される壁材製造工程であって、前記フェンスを構成する壁材の製造と併せて、当該壁材の水平方向一端側及び他端側に前記柱材が挿入可能な挿入穴を形成する壁材製造工程とを備え、
前記施工現場では、大地に固定された前記複数本の柱材が前記挿入穴に嵌り込むように複数の前記壁材を当該柱材に装着し、
前記壁材は、第1壁材及び第2壁材の2種類にて構成されており、
前記第1壁材は、矩形板状の第1本体部、及び2つの突起部(以下、第1突起部という。)を有し、2つの前記第1突起部それぞれは、前記第1本体部の水平方向一端部及び他端部それぞれにおいて、当該端部から外側に突出しているとともに、上下方向に貫通して延びる前記挿入穴(以下、第1挿入穴という。)が設けられ、
前記第2壁材は、矩形板状の第2本体部、及び2つの突起部(以下、第2突起部という。)を有し、2つの前記第2突起部それぞれは、前記第2本体部の水平方向一端部及び他端部それぞれにおいて、当該端部から外側に突出しているとともに、上下方向に貫通して延びる前記挿入穴(以下、第2挿入穴という。)が設けられ、
前記第1挿入穴及び前記第2挿入穴は、前記柱材が挿入されたときに、それら挿入穴の内壁の少なくとも一部が当該柱材の表面に圧接可能であって、前記壁材をガタツキ無く固定することが可能であり、
前記第1壁材は、前記第2壁材が上下に2分割された形状と略合同であって、かつ、2つの前記第1突起部それぞれは、前記第1本体部の上下方向一端側のみに設けられ、2つの前記第2突起部それぞれは、前記第2本体部の上下方向中間部のみに設けられ、
複数の前記壁材が前記柱材に装着された状態において、水平方向において互いに隣合う前記壁材の境界は、矩形波状に構成され
さらに、前記フェンスの上端及び下端において、前記第1壁材と前記第2壁材とが水平方向に交互に存在しているフェンスの施工方法。
【請求項2】
前記第1挿入穴及び前記第2挿入穴それぞれは、前記柱材の外直径と同一の直径を有する丸穴、又は当該柱材の外直径より僅かに小さい直径を有する丸穴である請求項1に記載のフェンスの施工方法。
【請求項3】
全ての前記第1壁材及び前記第2壁材が前記柱材に装着された状態において、当該柱材の上端は、完成したフェンスの上端面より下方に位置する請求項1又は2に記載のフェンスの施工方法。
【請求項4】
前記第1壁材及び第2壁材の表面には、前記壁材製造工程にて塗装が施されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフェンスの施工方法。
【請求項5】
長手方向が鉛直となるように大地に固定された複数本の柱材であって、それぞれが互いに平行な柱材と、
水平方向一端側及び他端側に前記柱材が挿入可能な挿入穴を有する複数の壁材とを備えて構成されたフェンスにおいて、
前記壁材は、第1壁材及び第2壁材の2種類にて構成されており、
前記第1壁材は、矩形板状の第1本体部、及び2つの突起部(以下、第1突起部という。)を有し、2つの前記第1突起部それぞれは、前記第1本体部の水平方向一端部及び他端部それぞれにおいて、当該端部から外側に突出しているとともに、上下方向に貫通して延びる前記挿入穴(以下、第1挿入穴という。)が設けられ、
前記第2壁材は、矩形板状の第2本体部、及び2つの突起部(以下、第2突起部という。)を有し、2つの前記第2突起部それぞれは、前記第2本体部の水平方向一端部及び他端部それぞれにおいて、当該端部から外側に突出しているとともに、上下方向に貫通して延びる前記挿入穴(以下、第2挿入穴という。)が設けられ、
前記第1挿入穴及び前記第2挿入穴は、前記柱材が挿入されたときに、それら挿入穴の内壁の少なくとも一部が当該柱材の表面に圧接可能であって、前記壁材をガタツキ無く固定することが可能であり、
前記第1壁材は、前記第2壁材が上下に2分割された形状と略合同であって、かつ、2つの前記第1突起部それぞれは、前記第1本体部の上下方向一端側のみに設けられ、2つの前記第2突起部それぞれは、前記第2本体部の上下方向中間部のみに設けられ、
複数の前記壁材が前記柱材に装着された状態において、水平方向において互いに隣合う前記壁材の境界は、矩形波状に構成され
さらに、上端及び下端において、前記第1壁材と前記第2壁材とが水平方向に交互に存在しているフェンス。
【請求項6】
前記第1挿入穴及び前記第2挿入穴それぞれは、前記柱材の外直径と同一の直径を有する丸穴、又は当該柱材の外直径より僅かに小さい直径を有する丸穴である請求項5に記載のフェンス。