(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067945
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】教材オーサリングシステム
(51)【国際特許分類】
G09B 19/00 20060101AFI20220426BHJP
【FI】
G09B19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176829
(22)【出願日】2020-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】597078477
【氏名又は名称】株式会社デジタル・ナレッジ
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(72)【発明者】
【氏名】▲はが▼ 弘明
(72)【発明者】
【氏名】中山 真一
(57)【要約】 (修正有)
【課題】各シーンにおける最適な表示時間を設定可能な教材オーサリングシステムを提供する。
【解決手段】少なくとも静止画を含むスライドで構成される第1資料と、少なくとも音声及び/又は動画を含む第2資料と、一のスライドを表示するスライド表示部と、第1資料と第2資料とを組合せた教材資料をオーサリングするオーサリング手段と、オーサリングの実行有無の状態に関わらず、スライド表示部に表示しているスライドの次のスライドを選択可能とし、選択したスライドをスライド表示部に表示可能な第1選択表示手段と、オーサリングが実行されていない状態では複数のスライドのうち何れかを選択可能とし、選択したスライドをスライド表示部に表示するが、オーサリングが実行されている状態ではスライドを選択不可能とする第2選択表示手段と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも静止画を含むスライドで構成される第1資料と、
少なくとも音声及び/又は動画を含む第2資料と、
一のスライドを表示する第1スライド表示部と、
第1資料と第2資料とを組合せた教材資料をオーサリングするオーサリング手段と、
オーサリングの実行有無の状態に関わらず、第1スライド表示部に表示しているスライドの次のスライドを選択可能とし、選択したスライドを第1スライド表示部に表示可能な第1選択表示手段と、
オーサリングが実行されていない状態では複数のスライドのうち何れかを選択可能とし、選択したスライドを第1スライド表示部に表示するが、オーサリングが実行されている状態ではスライドを選択不可能とする第2選択表示手段と、を備える教材オーサリングシステム。
【請求項2】
複数のスライドを並べて表示する第2スライド表示部と、
第1スライド表示部に表示しているスライドに対応した第2スライド表示部のスライドを特別な表示態様にて表示する特別表示態様表示手段と、を備える請求項1に記載の教材オーサリングシステム。
【請求項3】
特別表示態様表示手段は、オーサリングの実行有無の状態に関わらず、第1スライド表示部に表示しているスライドに対応した第2スライド表示部のスライドを特別な表示態様にて表示する請求項2に記載の教材オーサリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
教材オーサリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
テキストデータ、音声データ、イメージデータ及び動画データ等により各シーンを構成し、この各シーン間を編集してプレゼンテーションの資料を作成するオーサリングシステムであって、プレゼンテーション時間に基づいてシーン総数及びシーン総数に対応したテンプレートを決定するオーサリングシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなオーサリングシステムによって、プレゼンテーション時間に基づいてシーン総数が決定されてしまうと、必要数のシーンを教材資料に設定することができない虞がある。また、プレゼンテーション時間に基づいて各シーンの表示時間が決定されてしまうと、各シーンにおける最適な表示時間を設定できないことが想定される。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、各シーンにおける最適な表示時間を設定可能な教材オーサリングシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による教材オーサリングシステムの特徴は、
少なくとも静止画を含むスライドで構成される第1資料と、
少なくとも音声及び/又は動画を含む第2資料と、
一のスライドを表示する第1スライド表示部と、
第1資料と第2資料とを組合せた教材資料をオーサリングするオーサリング手段と、
オーサリングの実行有無の状態に関わらず、第1スライド表示部に表示しているスライドの次のスライドを選択可能とし、選択したスライドを第1スライド表示部に表示可能な第1選択表示手段と、
オーサリングが実行されていない状態では複数のスライドのうち何れかを選択可能とし、選択したスライドを第1スライド表示部に表示するが、オーサリングが実行されている状態ではスライドを選択不可能とする第2選択表示手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
各シーンにおける最適な表示時間を設定可能な教材オーサリングシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】教材オーサリングシステムの構成を示す概略図である。
【
図2】教材作成側端末装置のディスプレイの表示内容を示す概略図である。
【
図3】本実施の形態における教材作成処理を示すフローチャートである。
【
図4】オーサリング素材の準備処理を示すフローチャートである。
【
図5】オーサリング処理におけるスライドページ設定処理を示すフローチャートである。
【
図6】オーサリング処理におけるアクション設定処理を示すフローチャートである。
【
図7】オーサリング処理におけるアニメーション設定処理を示すフローチャートである。
【
図8】アクション確認処理を示すフローチャートである。
【
図9】アクション表示ツールを用いて表示されるアクション表示の概要を示す図である。
【
図10】オーサリング確認状態におけるアクション表示の遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<<<<本実施の形態の概要>>>>
<<<第1の実施の態様>>>
<<第1-1の実施の態様>>
第1-1の実施の態様によれば、
少なくとも静止画を含むスライドで構成される第1資料と、
少なくとも音声及び/又は動画を含む第2資料と、
一のスライドを表示する第1スライド表示部と、
第1資料と第2資料とを組合せた教材資料をオーサリングするオーサリング手段と、
オーサリングの実行有無の状態に関わらず、第1スライド表示部に表示しているスライドの次のスライドを選択可能とし、選択したスライドを第1スライド表示部に表示可能な第1選択表示手段と、
オーサリングが実行されていない状態では複数のスライドのうち何れかを選択可能とし、選択したスライドを第1スライド表示部に表示するが、オーサリングが実行されている状態ではスライドを選択不可能とする第2選択表示手段と、を備える教材オーサリングシステムが提供される。
【0010】
教材オーサリングシステムは、第1資料と、第2資料と、第1スライド表示部と、オーサリング手段と、第1選択表示手段と、第2選択表示手段と、を備える。
【0011】
第1資料は、PPTファイル、画像ファイルである。第1資料は、少なくとも静止画を含むスライドで構成される。スライドは、PPTファイルのスライド、画像ファイルの画像等である。第2資料は、少なくとも音声及び/又は動画を含むメディアである。メディアは、例えば、動画メディアや音声メディアである。動画メディア、音声メディアは、時間軸を持つメディアであれば良い。例えば、動画メディアを、ブランクの動画のメディア(動画を備えていないメディア)としてもよく、音声メディアを、無音の音声のメディア(音が収録されていないメディア)としても良い。
【0012】
第1スライド表示部は、スライド表示部D2である。スライド表示部D2には、一のスライドを表示する。
【0013】
オーサリング手段は、オーサリング素材の準備処理、オーサリング処理のスライドページ設定処理、アクション設定処理、アニメーション設定処理である。オーサリング手段は、メディアとスライドとを組合せた教材資料をオーサリングする。
【0014】
第1選択表示手段は、第1のページツールT9を使用したページを表示する手段である。第1選択表示手段は、オーサリングの実行有無の状態に関わらず、スライド表示部D2に表示しているスライドの次のページのスライドを選択可能である。第1選択表示手段は、選択したスライドをスライド表示部D2に表示する。第1選択表示手段は、非オーサリング状態、オーサリング確認状態、初期オーサリング状態、追加オーサリング状態で実行可能となる。
【0015】
第2選択表示手段は、第2のページツールT11を使用したページを表示する手段である。第2選択表示手段は、オーサリングが実行されていない状態では複数のスライドのうち何れかのスライドを選択可能である。第2選択表示手段は、オーサリングが実行されていない状態で選択したスライドをスライド表示部D2に表示するが、オーサリングが実行されている状態ではスライドを選択不可能とする。第2選択表示手段は、非オーサリング状態、オーサリング確認状態で実行可能となる。第2選択表示手段は、初期オーサリング状態、追加オーサリング状態で実行不可能となる。
【0016】
このように構成することにより、オーサリングにおいて表示しているスライドの次のページのスライドを確実に選択して表示することで、各スライドにおける最適な表示時間を設定することが可能である。また、スライドを選択して表示する2つの選択表示手段を備えるが、オーサリングが実行されている状態では一方の第1選択表示手段のみを使用可能とすることにより、現在オーサリングしているスライドの次のページのスライドを確実に選択して表示することができ、スライドの繋ぎを維持したオーサリングを実行することができる。
【0017】
<<第1-2の実施の態様>>
第1-2の実施の態様は、第1-1の実施の態様において、
複数のスライドを並べて表示する第2スライド表示部と、
第1スライド表示部に表示しているスライドに対応した第2スライド表示部のスライドを特別な表示態様にて表示する特別表示態様表示手段と、を備える。
【0018】
教材オーサリングシステムは、更に、第2スライド表示部と、特別表示態様表示手段と、を備える。
【0019】
第2スライド表示部は、第2のページツールT11が有効となっている状態の表示ツール表示部D8である。第2スライド表示部には、複数のスライドを並べて表示する。
【0020】
画面情報表示手段は、表示ツール表示部D8のスライドを特別な表示態様にて表示する。特別な表示態様は、例えば、ハイライト表示の態様である。表示ツール表示部D8のスライドは、スライド表示部D2に表示しているスライドに対応したスライドである。
【0021】
複数のスライドを並べて表示する第2スライド表示部を設けることにより、複数のスライドの繋がりを分かり易く表示することができる。また、第1スライド表示部に表示しているスライドに対応した第2スライド表示部のスライドを特別な表示態様にて表示することにより、教材作成者に対してオーサリングを実行しているスライドを認識し易くすることができる。
【0022】
<<第1-3の実施の態様>>
第1-3の実施の態様は、第1-2の実施の態様において、
特別表示態様表示手段は、オーサリングの実行有無の状態に関わらず、第1スライド表示部に表示しているスライドに対応した第2スライド表示部のスライドを特別な表示態様にて表示する。
【0023】
画面情報表示手段は、オーサリングの実行有無の状態に関わらず、スライド表示部D2に表示しているスライドに対応した表示ツール表示部D8のスライドを特別な表示態様にて表示する。
【0024】
オーサリングを実行している場合は、教材作成者に対してオーサリングを実行しているスライドを認識し易くすることができるとともに、オーサリングを実行していない場合は、受講者に対して第1スライド表示部に表示しているスライドが全体のスライドに対してどの位置のスライドであるのかを認識し易くすることができる。
【0025】
<<第1-4の実施の態様>>
第1-4の実施の態様によれば、
少なくとも静止画を含むスライドで構成される第1資料と、
少なくとも音声及び/又は動画を含む第2資料と、
入力手段の入力指示に基づき第1資料と第2資料とを関連付けるとともにスライドの所定位置に強調オブジェクトを設定するオーサリング手段と、
一のスライドを表示する第1スライド表示部と、
オーサリング手段で設定した強調オブジェクトの情報を表示する強調オブジェクト情報表示部と、
強調オブジェクト情報表示部に表示されている所定の強調オブジェクトの情報の表示領域に、入力手段のカーソルが位置することに基づいて、第1スライド表示部に所定の強調オブジェクトを表示する強調オブジェクト確認手段と、を備える教材オーサリングシステムが提供される。
【0026】
教材オーサリングシステムは、第1資料と、第2資料と、入力手段と、オーサリング手段と、第1スライド表示部と、強調オブジェクト情報表示部と、強調オブジェクト確認手段と、を備える。
【0027】
第1資料は、PPTファイル、画像ファイルである。第1資料は、少なくとも静止画を含むスライドで構成される。スライドは、PPTファイルのスライド、画像ファイルの画像等である。第2資料は、少なくとも音声及び/又は動画を含むメディアである。メディアは、例えば、動画メディアや音声メディアである。
【0028】
入力手段は、例えば、マウスである。オーサリング手段は、オーサリング素材の準備処理、オーサリング処理のスライドページ設定処理、アクション設定処理、アニメーション設定処理である。オーサリング手段は、マウスの入力指示に基づきメディアとスライドとを関連付ける。オーサリング手段は、スライドの所定位置に強調オブジェクトを設定する。強調オブジェクトは、アクションの画像であり、例えば、スタンプなどの画像である。
【0029】
第1スライド表示部は、スライド表示部D2である。スライド表示部D2には、一のスライドを表示する。
【0030】
強調オブジェクト情報表示部は、表示ツール表示部D8のアクション表示の表示部D8-1等である。強調オブジェクト情報表示部には、オーサリング手段で設定した強調オブジェクトの情報を表示する。強調オブジェクトの情報は、アクションの画像を設定したタイミングの時間情報やアクションの画像の属性情報である。
【0031】
強調オブジェクト確認手段は、アクション表示の表示部D8-1に表示されている所定の強調オブジェクトの情報の表示領域に、マウスのカーソルが位置することに基づいて、スライド表示部D2に所定のアクションの画像を表示するアクション確認処理を実行する。
【0032】
スライドの所定位置に強調オブジェクトを設定するオーサリングを実行することにより、教材資料のテンプレートを決定した後であっても強調オブジェクトを設定することができる。また、強調オブジェクト情報表示部に表示されている所定の強調オブジェクトの情報の表示領域に、入力手段のカーソルが位置することに基づいて、第1スライド表示部に所定の強調オブジェクトを表示する強調オブジェクト確認手段を備えることにより、オーサリングされた教材資料を再生しながら時系列を追って各強調オブジェクトを確認することなく、スライドに設定した強調オブジェクトの確認作業を容易にすることができる。
【0033】
<<第1-5の実施の態様>>
第1-5の実施の態様は、第1-4の実施の態様において、
強調オブジェクト確認手段は、強調オブジェクト情報表示部に表示されている所定の強調オブジェクトの情報の表示領域とは異なる強調オブジェクトの情報の表示領域に、入力手段のカーソルが位置することに基づいて、第1スライド表示部に表示されている所定の強調オブジェクトを非表示にする。
【0034】
強調オブジェクト情報表示部に表示されている所定の強調オブジェクトの情報の表示領域とは異なる強調オブジェクトの情報の表示領域に、入力手段のカーソルが位置することに基づいて、第1スライド表示部に表示されている所定の強調オブジェクトを非表示にして、次の所定の強調オブジェクトを表示することにより、スライドに設定した強調オブジェクトを1個ずつ確実且つ容易に確認することができる。
【0035】
<<第1-6の実施の態様>>
第1-6の実施の態様は、第1-4の実施の態様又は第1-5の実施の態様において、
音声又は動画の時間情報を表示する時間情報表示部と、
強調オブジェクト情報表示部に表示されている所定の強調オブジェクトの情報の表示領域に、入力手段のカーソルが位置することに基づいて、所定の強調オブジェクトの情報に対応した音声又は動画の時間情報を時間情報表示部に表示する時間情報表示手段と、を備える。
【0036】
教材オーサリングシステムは、更に、時間情報表示部と、時間情報表示手段と、を備える。
【0037】
時間情報表示部は、シークバー表示部D6又は時間表示部D7である。シークバー表示部D6、時間表示部D7は、メディアの時間情報を表示する。
【0038】
時間情報表示手段は、マウスのカーソルを、アクション表示の表示部D8-1の所定の強調オブジェクトの情報の表示領域に重ねることに基づいて、所定の強調オブジェクトの時間情報に対応したメディアの時間情報をシークバー表示部D6又は時間表示部D7に表示する。
【0039】
強調オブジェクト情報表示部に表示されている所定の強調オブジェクトの情報の表示領域に、入力手段のカーソルが位置することに基づいて、所定の強調オブジェクトの情報に対応した音声又は動画の時間情報を時間情報表示部に表示する時間情報表示手段を備えることにより、スライドに設定した強調オブジェクトの確認作業だけではなく、強調オブジェクトが設定されたタイミングにおけるメディアの時間を容易に確認することができる。
【0040】
<<第1-7の実施の態様>>
第1-7の実施の態様は、第1-4の実施の態様、第1-5の実施の態様、第1-6の実施の態様において、
動画の情報を表示する動画表示部と、
強調オブジェクト情報表示部に表示されている所定の強調オブジェクトの情報の表示領域に、入力手段のカーソルが位置することに基づいて、所定の強調オブジェクトの情報に対応した動画の情報を動画表示部に表示する動画表示手段と、を備える。
【0041】
教材オーサリングシステムは、更に、動画表示部と、動画表示手段と、を備える。
【0042】
動画表示部は、メディア表示部D1である。メディア表示部D1には、メディアの動画又は静止画を表示する。
【0043】
動画表示手段は、マウスのカーソルを、アクション表示の表示部D8-1の所定の強調オブジェクトの情報の表示領域に重ねることに基づいて、所定の強調オブジェクトの時間情報に対応したメディアの情報をメディア表示部D1に表示する。メディアの情報は、例えば、メディアの静止画である。
【0044】
強調オブジェクト情報表示部に表示されている所定の強調オブジェクトの情報の表示領域に、入力手段のカーソルが位置することに基づいて、所定の強調オブジェクトの情報に対応した動画の情報を動画表示部に表示する動画表示手段を備えることにより、スライドに設定した強調オブジェクトの確認作業だけではなく、強調オブジェクトが設定されたタイミングにおけるメディアの内容も同時に確認することができる。
【0045】
<<<<本実施の形態の詳細>>>>
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0046】
<<<<教材オーサリングシステム>>>>
図1は、教材オーサリングシステムの構成を示す概略図である。教材オーサリングシステム10は、教材作成側端末装置110、受講者側端末装置120及びサーバ200からなる。教材オーサリングシステムの教材資料は、学習支援に用いる学習教材である。この教材資料は、メディア、スライド等から構成される。
【0047】
メディアは、動画と音声の両方を含むメディア、又は動画と音声の何れかを含むものである。例えば、動画メディア、音声メディア等である。動画メディアは、授業、講義、教示(例えば、職業に関する教示)等を収録した動画の媒体である。動画メディアは、音声を含んでいるが、音声を含んでいなくても良い。音声メディアは、授業、講義、各種説明(例えば、製品やサービスの説明の音声)等を収録した音声の媒体である。音声メディアは、静止画を含んでいても良いし、含んでいなくても良い。本実施の形態のオーサリング処理で収録した媒体は、動画メディアに該当することとして以下を説明する。
【0048】
スライドは、パワーポイント(登録商標)ファイルのスライド、画像ファイルの画像等である。パワーポイント(登録商標)は、以降においてPPTと示す。PPTファイルのスライドは、動画メディア、音声メディアに対応した内容のスライドである。例えば、動画メディアが英語の授業の動画であれば、スライドは英語の授業で使用される内容のものである。画像ファイルの画像は、動画メディア、音声メディアに対応した内容の画像である。例えば、動画メディアが英語の授業の動画であれば、画像は英語の授業の板書を映したものである。スライドは少なくとも静止画を含むものであれば良く、アニメーション等の動画像を含んでいても良い。PPTファイルのスライドは、1枚もしくは複数枚のスライドから構成されるものである。1枚目のスライドを1ページのスライド、2枚目のスライドを2ページのスライド、N枚目のスライドをNページのスライドとして以降を説明する。画像ファイルのスライドは、1枚もしくは複数枚の画像から構成されるものである。
1枚目の画像を1ページのスライド、2枚目の画像を2ページのスライド、N枚目の画像をNページのスライドとして以降を説明する。
【0049】
<<<教材作成側端末装置110>>>
教材作成側端末装置110は、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)、I/F(通信インターフェース装置)、ディスプレイ、操作装置(キーボード、マウス、タッチパネルなど)、カメラ、マイクなどを備えたパーソナルコンピュータ、タブレット側コンピュータ、携帯型端末装置などである。教材作成側端末装置110のディスプレイは、各種情報を表示する。ディスプレイは、教材作成側端末装置110と一体に備えられるものであっても、別体に備えられるものであっても良い。教材作成側端末装置110は、各種の演算処理及びデータ処理や、インターネットなどの通信ネットワーク100を介してサーバ200との通信処理などが可能な装置である。教材作成側端末装置110は、教材作成者が操作することができる。
【0050】
<<教材作成側端末装置110のディスプレイの表示内容>>
図2は、教材作成側端末装置110のディスプレイの表示内容を示す概略図である。教材作成側端末装置110のディスプレイには、
図2に示すように、メディア表示部D1と、スライド表示部D2と、第1オーサリング機能表示部D3(基本素材ツールを示す表示部)と、第2オーサリング機能表示部D4(基本素材ツールを示す表示部)と、第3オーサリング機能表示部D5(アクションの詳細表示部)と、シークバー表示部D6と、時間表示部D7と、表示ツール表示部D8と、ノート表示部D9と、を表示する。
【0051】
メディア表示部D1は、オーサリング処理で使用する動画メディアを表示する表示部である。メディア表示部D1は、次に説明するスライド表示部D2よりも小さい表示部であって、教材作成側端末装置110のディスプレイの左上の領域に配置されている。このようにメディア表示部D1を構成することで、メディア表示部D1に表示されるメディアが編集できないことを、教材作成者に明確に認識させることができる。
【0052】
スライド表示部D2は、オーサリング処理で使用するPPTファイルのスライドや画像ファイルの画像を表示する表示部である。スライド表示部D2は、D1~D9の表示部の中で一番大きな表示領域の表示部である。このようにスライド表示部D2を構成することで、スライド表示部D2が、オーサリング処理で使用する素材であることを、教材作成者に明確に認識させることができる。
【0053】
第1オーサリング機能表示部D3(基本素材ツールを示す表示部)は、オーサリングツールとしての基本素材ツールのうちの9つのボタン(アイコン)を表示する表示部である。この表示部には、再生・一時停止ツールT1と、停止ツールT2と、全消去ツールT3と、プロパティツールT4と、スライド追加ツールT5と、ページ切替ツールT6と、ページリストツールとT7と、保存ツールT8と、第1のページツールT9とのボタン(アイコンボタン)とツールの内容を示す文字が表示される。
【0054】
第2オーサリング機能表示部D4(基本素材ツールを示す表示部)は、基本素材ツールのうちのアクションツールT10のボタンを表示する表示部である。
【0055】
第3オーサリング機能表示部D5(アクションの詳細表示部)は、アクションツールT10の詳細を表示する表示部である。
【0056】
シークバー表示部D6は、メディアの再生時間や収録時間をシークバーで示す表示部である。
【0057】
時間表示部D7は、シークバー表示部D6のシークバーに対応した時間を示す表示部であって、メディアの再生時間や収録時間を詳細な時間により示す表示部である。この時間表示部D7は、例えば、0.1秒の値まで示すことができ、1:25.06(1分25.06秒)等と表示することができる。
【0058】
表示ツール表示部D8は、オーサリングツールとしての表示ツールを表示する表示部である。この表示部には、ページ表示ツールT11と、タイムライン表示ツールT12と、アクション表示ツールT13と、アニメーション表示ツールT14とのボタンと、その表示ツールの詳細が表示される。
【0059】
ノート表示部D9は、オーサリングツールとしてのノート入力ツールを表示する表示部であり、スライド表示部D2に表示しているスライドの説明等を入力しておく表示部である。ノート表示部D9に入力された説明等は、受講者側端末装置120において表示される。
【0060】
<<オーサリング>>
オーサリングは、スライドとメディアとの組合せ(オーサリング素材の準備処理)をしたり、スライドのページとメディアとを関連付け(スライドページ設定処理)をしたり、スライドにアクションを設定(アクション設定処理)したり、スライドにアニメーションを設定(アニメーション設定処理)したりすることである。
【0061】
<<オーサリングの状態>>
オーサリングの状態として、準備オーサリング状態と、初期オーサリング状態と、追加オーサリング状態との3つの状態を有する。オーサリングの状態以外の状態として、非オーサリング状態(オーサリングを実行していない状態)と、オーサリング確認状態(オーサリングされた教材資料を確認する状態)との2つの状態を有する。準備オーサリング状態では、オーサリング素材の準備処理を実行する。初期オーサリング状態では、スライドページ設定処理を実行する。追加オーサリング状態では、アクション設定処理と、アニメーション設定処理とを実行する。オーサリング確認状態では、アクション確認処理を実行する。
【0062】
<<オーサリングツール>>
本実施の形態では、教材資料のオーサリングにオーサリングツールを用いる。オーサリングツールには、基本素材ツール、ノート入力ツールが予め用意されている。
【0063】
<基本素材ツール>
基本素材ツールは14種類ある。具体的には、再生・一時停止ツールT1と、停止ツールT2と、全消去ツールT3と、プロパティツールT4と、スライド追加ツールT5と、ページ切替ツールT6と、ページリストツールとT7と、保存ツールT8と、第1のページツールT9と、アクションツールT10と、第2のページツールT11と、タイムライン表示ツールT12と、アクション表示ツールT13と、アニメーション表示ツールT14である。
【0064】
再生・一時停止ツールT1は、オーサリングを開始し、一時停止するツールである。非オーサリング状態又はオーサリング確認状態で、教材作成者が再生・一時停止ツールT1のボタンを押したことに基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、オーサリングを開始する。オーサリングがされている状態(初期オーサリング状態又は追加オーサリング状態)で、教材作成者が再生・一時停止ツールT1のボタンを押したことに基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、オーサリングを一時停止する。再度、教材作成者が再生・一時停止ツールT1のボタンを押したことに基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、オーサリングを再開する。
【0065】
停止ツールT2は、オーサリングを停止するツールである。オーサリングがされている状態(初期オーサリング状態又は追加オーサリング状態)で、教材作成者が停止ツールT2のボタンを押したことに基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、オーサリングを停止し、オーサリングを終了する。
【0066】
全消去ツールT3は、全てのページ遷移(オーサリングによるスライドのページ切替タイミングの設定)、全てのページのアクションを削除してオーサリングをやり直すツールである。オーサリングを実行した後の非オーサリング状態又はオーサリング確認状態で、教材作成者が全消去ツールT3のボタンを押したことに基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、スライドの全てのページ遷移、スライドの全てのページのアクションを削除して、素材の準備処理が完了した状態の素材に戻す。
【0067】
プロパティツールT4は、素材のプロパティを表示するツールである。非オーサリング状態又はオーサリング確認状態で、教材作成者がプロパティツールT4のボタンを押したことに基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、素材の名称、素材の形式、スライドの数(スライドのページ数)、素材の作成日時、素材の更新日時、スライドリストの表示有無、ノートリストの表示の有無を表示する。スライドリストの表示の有無は、表示有、表示無の設定が可能であり、受講者側端末装置120のディスプレイにスライドリストを表示させるか否かを設定することができる。ノートリストの表示の有無は、表示有、表示無の設定が可能であり、受講者側端末装置120のディスプレイにノートリストを表示させるか否かを設定することができる。
【0068】
スライド追加ツールT5は、PPTファイルや画像ファイルを追加してスライドを追加するツールである。非オーサリング状態又はオーサリング確認状態で、教材作成者がスライド追加ツールT5のボタンを押した後にPPTファイルや画像ファイルを選択したことに基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、選択したPPTファイルや画像ファイルをオーサリングした教材資料に追加する。
【0069】
ページ切替ツールT6は、スライドのページの切替タイミングを変更するツールである。非オーサリング状態又はオーサリング確認状態で、教材作成者がページ切替ツールT6のボタンを押すことに基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、ページ切替タイミングの変更画面をディスプレイに表示する。ページ切替タイミングの変更画面では、既にオーサリングを一度実行したスライドのページ切替タイミングを変更することができる。
【0070】
ページリストツールT7は、スライドのページの順番入替、スライドのページ削除などの編集を行うツールである。非オーサリング状態で、教材作成者がページリストツールT7のボタンを押すことに基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、ページリスト編集画面をディスプレイに表示する。ページリスト編集画面では、オーサリングで用いるスライドのページの順番を入れ替えたり、スライドのページを削除したりすることができる。なお、全消去ツールT3を用いて全てのページ遷移、全てのページのアクションを削除した状態の素材に対して、ページリストツールT7を有効とするようにしても良い。
【0071】
保存ツールT8は、オーサリングした教材資料を保存するツールである。非オーサリング状態又はオーサリング確認状態で、教材作成者が保存ツールT8のボタンを押すことに基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、オーサリングした教材資料を保存する。オーサリングを一旦終了した後においても、保存した教材資料を用いて再度オーサリング処理が実行できるようになっている。
【0072】
第1のページツールT9は、スライドのページを次のページに送ったり、前のページに戻したりするツールである。オーサリングがされている状態(初期オーサリング状態又は追加オーサリング状態)で、教材作成者が第1のページツールT9の右ボタンを押したことに基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、スライドのページを次のページに送る。初期オーサリング状態又は追加オーサリング状態では、教材作成者は第1のページツールT9の左ボタンは押せないようになっており、教材作成側端末装置110のCPUは、前のページへのページ戻しを禁止するようにしている。オーサリングがされていない状態(非オーサリング状態又はオーサリング確認状態)では、教材作成者が第1のページツールT9の右ボタンを押したことに基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、スライドのページを次のページに送り、教材作成者が第1のページツールT9の左ボタンを押したことに基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、スライドのページを前のページに戻す。図では表示していないが、右ボタンと左ボタンの間には、スライドのページ数を表示するページ表示部がある。このページ表示部は、スライド表示部D2に表示しているスライドのページ数を表示する。例えば、全体のページ数が4、現在オーサリングで表示しているページが1の場合、1/4と表示する。
【0073】
アクションツールT10は、7種類のアクションを用いて、素材のスライドをオーサリングするツールである。7種類のアクションのツールは、ペンツール、直線ツール、矩形ツール、円ツール、指さしツール、スタンプツール、アニメーションツールである。オーサリングがされている状態(初期オーサリング状態又は追加オーサリング状態)で、マウスを用いた入力指示に基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、アクションツールT10の種類に応じたアクションを素材のスライドに挿入(設定、入力)する。ペンツールは、スライドにフリーハンドで線描等を入力するツールである。直線ツールは、スライドに直線を入力するツールである。矩形ツールは、スライドに矩形の図形を入力するツールである。円ツールは、スライドに円形の図形を入力するツールである。指示入力ツールは、スライドに矢印や指差しの図を入力するツールである。スタンプツールは、花まるや三角、ビックリマーク等のイラスト(デザイン、図形、図案)からなるスタンプを入力するツールである。アニメーションツールT10は、PPTファイルのスライドに予め設定されているアニメーションを教材作者が指定するタイミングでスライドに設定するツールである。例えば、PPTファイルのスライドに予め設定されている星の図形がスライドの左端から右端まで動くアニメーションを、教材作成者が指定したタイミングでスライドに設定するツールである。
【0074】
第2のページツールT11は、スライドのページを次のページに送ったり、前のページに戻したりするツールであり、教材作成者がマウスを用いて選択した任意のページに切り替えることもできるツールである。また、第2のページツールT11は、
図2に示すように素材で用いられている全てのページのスライドを縮小した状態で表示するページ表示ツールT11でもある。このように表示することで、各ページのスライドを各々選択してスライド表示部D2に表示しなくても各ページのスライドの内容が確認できるようになっている。オーサリングがされている状態(初期オーサリング状態又は追加オーサリング状態)では、教材作成者は第2のページツールT11を用いてスライドのページを送ったり戻したりすることができないようになっており、教材作成側端末装置110のCPUは、次のページへのページ送り及び前のページへのページ戻しを禁止するようにしている。詳細には、初期オーサリング状態又は追加オーサリング状態では、マウスを用いてスライドのページを選択できないようになっている。非オーサリング状態又はオーサリング確認状態では、教材作成者はマウスを用いてスライドのページを選択し、選択したページのスライドに変更できるようになっている。
【0075】
タイムライン表示ツールT12は、スライドの各ページのタイムラインを表示するツールである。非オーサリング状態又はオーサリング確認状態で、教材作成者がタイムライン表示ツールT12のボタンを押したことに基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、オーサリングされたスライドのページ切換タイミングをメディアの時間と関連付けて表示する。
【0076】
例えば、全体が4ページで構成されるスライドでは、1ページ:0秒、2ページ:15秒、3ページ:22秒、4ページ:45秒と表示ツール表示部D8に表示する。例えば、
図2の表示ツール表示部D8の1~4ページの表示にメディア時間が追加されるイメージである。そして、表示ツール表示部D8の各ページをクリックすることで、各ページのメディアの頭出しができるようになっている。1ページをクリックした場合、メディア表示部D1に0秒のメディアの静止画が表示され、スライド表示部D2に、1ページのスライドが表示される。この場合、表示ツール表示部D8の1ページの表示とメディアの時間がハイライト表示される。2ページをクリックした場合、メディア表示部D1に15秒のメディアの静止画が表示され、スライド表示部D2に、2ページのスライドが表示される。この場合、表示ツール表示部D8の2ページの表示とメディアの時間がハイライト表示される。3ページをクリックした場合、メディア表示部D1に22秒のメディアの静止画が表示され、スライド表示部D2に、3ページのスライドが表示される。この場合、表示ツール表示部D8の3ページの表示とメディアの時間がハイライト表示される。4ページをクリックした場合、メディア表示部D1に45秒のメディアの静止画が表示され、スライド表示部D2に、4ページのスライドが表示される。この場合、表示ツール表示部D8の4ページの表示とメディアの時間がハイライト表示される。このようにタイムライン表示ツールT12を用いることにより、各ページに対応するメディアの頭出しが容易にできるとともに、頭出ししたメディアに対応するスライドのページ数とメディアの時間が容易に確認できるようになっている。
【0077】
アクション表示ツールT13は、入力したアクションを表示するツールである。非オーサリング状態又はオーサリング確認状態で、教材作成者がアクション表示ツールT13のボタンを押したことに基づき、教材作成側端末装置110のCPUは、アクションツールT10によって設定されたアクションの詳細の表示(以下、アクション表示を称す。)を表示ツール表示部D8に表示するアクション確認処理を実行できるようになっている。例えば、直線ツール、スタンプツール、アニメーションツール等で設定したアクションのアクション表示を表示ツール表示部D8に表示する。
【0078】
アニメーション表示ツールT14は、アニメーションツールT10を用いたオーサリングで設定されたアニメーションを表示するツールである。アクション表示ツールT13のアクション表示では、アニメーションのアクション表示を含めたアクション表示を実行するが、アニメーション表示ツールT14では、アニメーションのみのアクション表示を実行する。アニメーションのみのアクション表示は、非オーサリング状態又はオーサリング確認状態で行われ、アクション表示ツールT13のアクション表示よりも詳細な情報を表示する。例えば、アニメーションのタイプ(フェードアウトや強調等)等を追加して表示する。
【0079】
ページ表示ツールT11と、タイムライン表示ツールT12と、アクション表示ツールT13と、アニメーション表示ツールT14とを纏めて、表示ツールとする。表示ツールは、非オーサリング状態又はオーサリング確認状態で有効となるツールである。特に、オーサリング確認状態において、使用するツールとなっている。表示ツールは、ディスプレイの左上に集約して配置する。表示ツールをディスプレイの左上に集約して表示することで、視認性及び操作性を向上することができるので、ユーザビリティを高くすることができる。
【0080】
<<<受講者側端末装置120>>>
受講者側端末装置120は、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)、I/F(通信インターフェース装置)、ディスプレイ、操作装置(キーボード、マウス、タッチパネルなど)などを備えたパーソナルコンピュータ、タブレット側コンピュータ、携帯型端末装置などである。受講者側端末装置120のディスプレイは、各種情報を表示する。ディスプレイは、受講者側端末装置120と一体に備えられるものであっても、別体に備えられるものであっても良い。受講者側端末装置120は、各種の演算処理及びデータ処理や、インターネットなどの通信ネットワーク100を介してサーバ200との通信処理などが可能な装置である。受講者側端末装置120は、受講者が操作することができる。
【0081】
<<<サーバ200>>>
サーバ200は、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)、I/F(通信インターフェース装置)、操作装置(キーボード、マウス、タッチパネルなど)などを備えたコンピュータなどである。サーバ200は、各種の演算処理及びデータ処理や、インターネットなどの通信ネットワーク100を介して教材作成側端末装置110及び受講者側端末装置120との通信処理などが可能な装置である。サーバ200は、教材オーサリングシステム10の管理者が操作することができ、教材作成側端末装置110から送信されたオーサリングされた教材資料を保存したり、受講者側端末装置120にオーサリングされた教材資料を送信したりすることができる。
【0082】
<<<<処理の概要>>>>
図3は、本実施の形態における教材作成処理を示すフローチャートである。教材作成処理では、ステップS301のオーサリング素材の準備処理(
図4参照)と、ステップS303の動画、音声に合わせたスライドのページ切換タイミングの設定処理(以下、スライドページ設定処理と称する。
図5参照)と、ステップS305のアクション設定処理(
図6参照)と、ステップS307のアニメーション設定処理(
図7参照)と、を実行する。オーサリング素材の準備処理と、スライドページ設定処理と、アクション設定処理と、アニメーション設定処理との処理を、オーサリング処理と称する。本実施の形態では、教材作成処理にオーサリングツールを用いる。オーサリングツールには、教材資料を作成する際に使用する基本素材ツールが予め用意されている。
【0083】
<<<オーサリング処理>>>
次に、オーサリング処理を説明する。オーサリング処理では、オーサリング素材の準備処理と、スライドページ設定処理と、アクション設定処理と、アニメーション設定処理と、を実行して、教材資料をオーサリングする。
【0084】
<<オーサリング素材の準備処理>>
図4は、オーサリング素材の準備処理を示すサブルーチンを示すフローチャートである。オーサリング素材の準備処理は、準備オーサリング状態における教材作成側端末装置110で実行する処理である。教材資料のオーサリング素材(以下、素材と称する。)は、動画メディア、音声メディア、パワーポイントファイル、画像ファイル等の組合せで構成される。素材の準備処理では、大きく分けると、メディアの有無の決定の処理(S411)と、メディアの選択の処理(S413、S415、S421、S423、S425)と、スライドの選択の処理(S427、S419、S431)と、が実行される。
【0085】
<メディアの有無の決定の処理>
教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS411で、メディアありか否かを判断する。つまり、動画メディアや音声メディアを使用したオーサリング処理を実行するか否かを判断する。ステップS411で、メディアを使用したオーサリング処理を実行すると判断した場合(YES)、ステップS413に移行する。ステップS411で、メディアを使用しないと判断した場合(NO)、ステップS427に移行する。
【0086】
<メディアの選択の処理>
教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS413で、動画を使用するか否かを判断する。ステップS413で、動画を使用すると判断した場合(YES)は、ステップS415でオーサリング処理にて使用する動画メディアを選択する。詳細には、教材作成側端末装置110のCPUは、教材作成者が選んだ動画メディアをオーサリング処理にて使用するメディアとして選択する。ステップS413で、動画を使用しないと判断した場合(NO)は、ステップS421で、音声を使用するか否かを判断する。ステップS421で、音声を使用すると判断した場合(YES)は、ステップS423でオーサリング処理にて使用する音声メディアを選択する。詳細には、教材作成側端末装置110のCPUは、教材作成者が選んだ音声メディアをオーサリング処理にて使用するメディアとして選択する。ステップS421で、音声を使用しないと判断した場合(NO)は、ステップS425で、収録モードを設定して、ステップS427へ移行する。収録モードでは、動画の媒体を収録するため、動画メディアを選択したことと同じ処理となる。
【0087】
<スライド選択の処理>
教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS427で、スライドでPPTファイルを使用するか否かを判断する。つまり、PPTファイルを使用したオーサリング処理を実行するか否かを判断する。ステップS427で、PPTファイルを使用したオーサリング処理を実行すると判断した場合(YES)、ステップS429でオーサリング処理にて使用するPPTファイルを選択する。詳細には、教材作成側端末装置110のCPUは、教材作成者が選んだPPTファイルをオーサリング処理にて使用するスライドとして選択する。ステップS427で、PPTファイルを使用しないと判断した場合(NO)、ステップS431でオーサリング処理にて使用する画像ファイルを選択する。詳細には、教材作成側端末装置110のCPUは、教材作成者が選んだ画像ファイルをオーサリング処理にて使用するスライドとして選択する。
【0088】
このように素材の準備処理を行うことにより、動画メディア、音声メディア、パワーポイントファイル、画像ファイル等を組合せた教材資料のテンプレートを準備することができる。
【0089】
<<スライドページ設定処理>>
図5は、オーサリング処理におけるスライドページ設定処理を示すフローチャートである。スライドページ設定処理は、初期オーサリング状態における教材作成側端末装置110で実行する処理である。先ず、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS511で、オーサリング(編集)が開始されているか否かを判断する。オーサリングは、教材作成者が再生・一時停止ツールT1のボタンを押したことに基づき開始される。ステップS511で、オーサリングが開始されていないと判断した場合(NO)、オーサリングが開始されるまでステップS511の処理を繰り返す。ステップS511で、オーサリングが開始されていると判断した場合(YES)、ステップS512に移行する。
【0090】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS512で、第2のページツールT11を禁止状態に設定する。教材作成側端末装置110のCPUは、初期オーサリング状態において、第2のページツールT11を用いて、スライドの次のページへのページ送り及び前のページへのページ戻しを禁止している。なお、教材作成側端末装置110のCPUは、追加オーサリング状態においても、第2のページツールT11を用いて、スライドの次のページへのページ送り及び前のページへのページ戻しを禁止している。
【0091】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS513で、収録モードが設定されているか否かを判断する。この収録モードは、
図4のステップS425で設定されたモードである。ステップS513で、収録モードが設定されていると判断した場合(YES)、ステップS515で収録を開始する。ステップS513で、収録モードが設定されていないと判断した場合(NO)、ステップS517でメディアを再生する。このメディアは、
図4のステップS415やステップS423で選択した動画メディアや音声メディアである。
【0092】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS519で、第1のページツールT9の右ボタンが押されたか否かを判断する。ステップS519で、第1のページツールT9の右ボタンが押されたと判断した場合(YES)、ステップS521に移行する。ステップS519で、第1のページツールT9の右ボタンが押されていないと判断した場合(NO)、ステップS527に移行する。
【0093】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS521で、スライドが最終ページであるか否かを判断する。ここでのスライドは、
図4のステップS429やステップS431で選択したPPTファイルのスライドや画像ファイルの画像である。ステップS521で、スライドが最終ページであると判断した場合(YES)、ステップS523に移行する。ステップS521で、スライドが最終ページではないと判断した場合(NO)、ステップS527に移行する。
【0094】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS523で、スライドの次のページをスライド表示部D2に表示する。次ページのスライドを表示した際、スライド表示部D2のページに対応する表示ツール表示部D8のスライドのページをハイライト表示する。このようにすることで、教材作成者がオーサリング実行中のスライドのページ数を容易に把握可能とすることができる。なお、ハイライト表示でなくても良く、表示ツール表示部D8のスライドのページが特別な表示態様で表示されれば良い。また、オーサリングの実行中でない状態(非オーサリング状態やオーサリング確認状態)において、次ページ(前ページでも可)のスライドを表示した際、スライド表示部D2のページに対応する表示ツール表示部D8のスライドのページをハイライト表示するようになっている。
【0095】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS525で、スライドの次のページをスライド表示部D2に表示した時間をRAMに記憶する。この時間は、スライドの次のページをスライド表示部D2に表示したタイミングのメディアの再生時間や収録時間を示す時間であって、時間表示部D7に表示されている時間である。例えば、メディアを再生開始又は収録開始してから15秒のタイミングで2ページをスライド表示部D2に表示した場合、2ページのスライドの時間として15秒の時間情報をRAMに記憶する。
【0096】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS527で、オーサリングが終了したか否かを判断する。オーサリングは、メディアの再生が終了したタイミング、又は、教材作成者が停止ツールT2のボタンを押したタイミングで終了する。メディアを再生する場合は、メディアの再生時間が経過したタイミング、又は、教材作成者が停止ツールT2のボタンを押したタイミングでオーサリングが終了する。収録モードで収録する場合は、教材作成者が停止ツールT2のボタンを押したタイミングでオーサリングが終了する。ステップS527で、オーサリングが終了していないと判断した場合(NO)、ステップS519に移行し、ステップS519から処理を実行する。ステップS527で、オーサリングが終了したと判断した場合(YES)、本処理を終了する。
【0097】
ステップS511からステップS525までの処理にて、1ページのスライド(1つのシーン)とメディアとを関連付ける。詳細には、1ページのスライドとメディアの0~15秒の時間情報とを関連付ける。その後、ステップS527を経由してステップS519からステップS525までの処理にて、2~4ページのスライド(各シーン)とメディアとを関連付ける。2ページのスライドとメディアの15~22秒の時間情報を関連付ける。3ページのスライドとメディアの22~45秒の時間情報を関連付ける。4ページのスライドとメディアの45~60秒の時間情報を関連付ける。このスライドのページ数とメディアの時間情報との関連情報は、RAMに記憶しても良い。
【0098】
<<アクション設定処理>>
図6は、オーサリング処理におけるアクション設定処理を示すフローチャートである。アクション設定処理は、追加オーサリング状態における教材作成側端末装置110で実行する処理である。先ず、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS611で、オーサリングが開始されているか否かを判断する。ステップS611で、オーサリングが開始されていないと判断した場合(NO)、オーサリングが開始されるまでステップS611の処理を繰り返す。ステップS611で、オーサリングが開始されていると判断した場合(YES)、ステップS613に移行する。
【0099】
ステップS611で、オーサリングが開始されていると判断した場合、教材作成側端末装置110のCPUは、第2のページツールT11を用いて、スライドの次のページへのページ送り及び前のページへのページ戻しを禁止する。
【0100】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS613で、オーサリング中であるか否かを判断する。ステップS613で、オーサリング中であると判断した場合(YES)、ステップS615に移行する。ステップS613で、オーサリング中でないと判断した場合(NO)、本処理を終了する。
【0101】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS615で、所定のアクションツールT10を選択済みであるか否かを判断する。所定のアクションツールT10は、アニメーションツールを除くアクションのツールである。詳細には、アクションツールT10は、7種類のアクションのツールがあり、アニメーションツールを除く6種類の何れかのアクションのツールが選択済みであるか否かを判断する。ステップS615で、アクションツールT10(例えば、スタンプツールの三角のスタンプ)を選択済みと判断した場合(YES)、ステップS617に移行する。ステップS615で、アクションツールT10を選択済みではないと判断した場合(NO)、ステップS627に移行する。
【0102】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS615で選択したアクションのツールが操作されたか否かを判断する(ステップS617)。ステップS617で、アクションのツール(例えば、スタンプツール)が操作されたと判断した場合(YES)、ステップS619に移行する。ステップS617で、アクションのツールが操作されていないと判断した場合(NO)、ステップS627に移行する。
【0103】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS617で操作されたツールのアクション(例えば、三角のスタンプ)の画像をスライド表示部D2のスライドに設定して表示する(ステップS619)。このアクションの画像は、静止画像であっても動画像であっても良い。
【0104】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS625で、アクションの画像をスライド表示部D2のスライドに表示した時間とスライドのページ数をRAMに記憶する。この時間は、アクションをスライド表示部D2のスライドに設定したタイミングのメディアの再生時間を示す時間であって、時間表示部D7に表示されている時間である。例えば、メディアを再生開始してから10秒のタイミングでアクションをスライド表示部D2の1ページ目のスライドに設定した場合、このアクションの時間及びスライドのページ数として1ページ目、10秒の情報をRAMに記憶する。なお、アクションが設定された位置を示すスライドの座標情報もRAMに記憶する。
【0105】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS627で、オーサリングが終了したか否かを判断する。ステップS627で、オーサリングが終了していないと判断した場合(NO)、ステップS615に移行し、ステップS615から処理を実行する。ステップS627で、オーサリングが終了したと判断した場合(YES)、本処理を終了する。
【0106】
<<アニメーション設定処理>>
図7は、オーサリング処理におけるアニメーション設定処理を示すフローチャートである。アニメーション設定処理は、追加オーサリング状態における教材作成側端末装置110で実行する処理である。先ず、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS711で、オーサリングが開始されているか否かを判断する。ステップS711で、オーサリングが開始されていないと判断した場合(NO)、オーサリングが開始されるまでステップS711の処理を繰り返す。ステップS711で、オーサリングが開始されていると判断した場合(YES)、ステップS713に移行する。
【0107】
ステップS711で、オーサリングが開始されていると判断した場合、教材作成側端末装置110のCPUは、第2のページツールT11を用いて、次のページへのページ送り及び前のページへのページ戻しを禁止する。
【0108】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS713で、オーサリング中であるか否かを判断する。ステップS713で、オーサリング中であると判断した場合(YES)、ステップS715に移行する。ステップS713で、オーサリング中でないと判断した場合(NO)、本処理を終了する。
【0109】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS715で、アニメーションツールを選択済みであるか否かを判断する。ステップS715で、アニメーションツールを選択済みと判断した場合(YES)、ステップS717に移行する。ステップS715で、アニメーションツールを選択済みではないと判断した場合(NO)、ステップS727に移行する。
【0110】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、スライド表示部D2に表示しているスライドにアニメーションがあるか否かを判断する(ステップS717)。スライドのアニメーションは、PPTファイルのスライドに予め設定されているものである。ステップS717で、表示しているスライドにアニメーションがあると判断した場合(YES)、ステップS719に移行する。ステップS717で、表示しているスライドにアニメーションがないと判断した場合(NO)、ステップS727に移行する。なお、使用しているスライドが画像ファイルの画像の場合は、アニメーションが設定されていないためステップS727に移行する。
【0111】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、アニメーションツールの実行ボタンが操作されたか否かを判断する(ステップS719)。ステップS719で、実行ボタンが操作されたと判断した場合(YES)、ステップS721に移行する。ステップS719で、実行ボタンが操作されていないと判断した場合(NO)、ステップS727に移行する。
【0112】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、アニメーションの実行ボタンの操作に基づき、スライドに設定されたアニメーションをスライド表示部D2のスライドに設定して表示する(ステップS721)。
【0113】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS725で、アニメーションをスライド表示部D2のスライドに表示した時間とスライドのページ数をRAMに記憶する。この時間は、アニメーションをスライド表示部D2のスライドに設定したタイミングのメディアの再生時間を示す時間であって、時間表示部D7に表示されている時間である。例えば、メディアを再生開始してから12秒のタイミングでアニメーションをスライド表示部D2の1ページ目のスライドに設定した場合、このアニメーションの時間及びスライドのページ数として1ページ目、12秒の情報をRAMに記憶する。
【0114】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS727で、オーサリングが終了したか否かを判断する。ステップS727で、オーサリングが終了していないと判断した場合(NO)、ステップS717に移行し、ステップS717から処理を実行する。ステップS727で、オーサリングが終了したと判断した場合(YES)、本処理を終了する。
【0115】
次に、
図8、
図9、
図10を用いてスライドに設定されたアクションを確認するアクション確認処理を説明する。
【0116】
<<アクション確認処理>>
図8は、スライドに設定されたアクションを確認するアクション確認処理を示すフローチャートである。アクション確認処理は、表示部D8-1のアクションの表示領域に、マウスのカーソルを合わせることにより、スライド表示部D2にスライドに設定されているアクションの画像を表示する処理である。アクション確認処理は、オーサリング確認状態における教材作成側端末装置110で実行する処理である。
【0117】
先ず、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS813で、オーサリング中であるか否かを判断する。ステップS813で、オーサリング中ではないと判断した場合(NO)、ステップS815に移行する。ステップS813で、オーサリング中であると判断した場合(YES)、本処理を終了する。
【0118】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、スライド表示部D2に表示しているスライドにアクション(アニメーションも含む)があるか否かを判断する(ステップS815)。ステップS815で、表示しているスライドにアクションがあると判断した場合(YES)、ステップS817に移行する。ステップS815で、表示しているスライドにアクションがないと判断した場合(NO)、本処理を終了する。
【0119】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS817で、アクション表示ツールT13がオンであるか否かを判断する。アクション表示ツールT13の表示部をマウスでクリックすると、教材作成側端末装置110のCPUは、アクション表示ツールT13をオンの状態にする。また、教材作成側端末装置110のCPUは、スライドに設定されたアクション表示を表示ツール表示部D8に表示する。ステップS817で、アクション表示ツールT13がオンの状態であると判断した場合(YES)、ステップS819に移行する。ステップS817で、アクション表示ツールT13がオンではないオフの状態であると判断した場合(NO)、本処理を終了する。
【0120】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、アクション表示の表示部にマウスのカーソルがあるか否かを判断する(ステップS819)。ステップS819で、アクション表示の表示部にマウスのカーソルが位置していると判断した場合(YES)、ステップS821に移行する。例えば、
図10(a)のように1番のアクション表示の表示部D8-1にマウスのカーソル(左の矢印参照)がある場合は、ステップS819でYESと判断する。一方、ステップS819で、アクション表示の表示部にマウスのカーソルが位置していないと判断した場合(NO)、ステップS819に処理を戻す。
【0121】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS821で、スライドに設定されたアクションをスライド表示部D2のスライドに設定して表示する。例えば、
図10(a)のように1番のアクション表示の表示部D8-1にマウスのカーソル(左の矢印参照)を合わせた場合、教材作成側端末装置110のCPUは、RAMに記憶した座標情報を参照してスライドに直線を表示する。なお、スライド表示部D2にアクション表示の表示部D8-1に対応する直線のアクションを表示している状態において、アクション表示の表示部D8-2等にマウスのカーソルが位置した場合は、スライド表示部D2に表示されているアクション表示の表示部D8-1に対応する直線のアクションを非表示にして、アクション表示の表示部D8-2に対応するスタンプのアクションを表示する。
【0122】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS823で、シークバー表示部D6の時間情報の表示と、時間表示部D7の時間情報の表示を実行する。例えば、
図10(a)のように1番のアクション表示の表示部D8-1にマウスのカーソル(左の矢印参照)を合わせた場合、教材作成側端末装置110のCPUは、シークバー表示部D6に時間情報として5秒を示す画像を表示し、時間表示部D7に時間情報として5秒の値を表示する。
【0123】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS825で、メディア表示部D1の表示を実行する。例えば、
図10(a)のように1番のアクション表示の表示部D8-1にマウスのカーソル(左の矢印参照)を合わせた場合、教材作成側端末装置110のCPUは、メディア表示部D1に5秒のメディアの静止画を表示する。
【0124】
次に、教材作成側端末装置110のCPUは、ステップS827で、アクション表示ツールT13がオフであるか否かを判断する。ステップS827で、アクション表示ツールT13がオフでないと判断した場合(NO)、ステップS819に処理を戻し、ステップS819から処理を再度実行する。ステップS827で、アクション表示ツールT13がオフであると判断した場合(YES)、本処理を終了する。
【0125】
図9は、アクション表示ツールT13を用いて表示されるアクション表示の概要を示す図である。この図は、スライドの1ページを表示し、メディアの5秒を表示している。なお、オーサリングは実行されていないオーサリング確認状態である。先ず、アクション表示ツールT13の表示部をクリックし、スライドに設定されたアクション表示を表示ツール表示部D8に表示する。1ページのスライドには、直線のアクション、スタンプのアクション、円のアクションが設定されている。直線のアクションは、1ページ目のオーサリング処理で1番目に設定されたアクションであり、メディアの5秒のタイミング(詳細には、アクションの開始時間のタイミング)に設定されている。スタンプ(三角のスタンプ)のアクションは、1ページ目のオーサリング処理で2番目に設定されたアクションであり、メディアの7秒のタイミングに設定されている。円のアクションは、1ページ目のオーサリング処理で3番目に設定されたアクションであり、メディアの2秒のタイミングに設定されている。アクション表示は、オーサリング処理で設定した順番のアクションが表示ツール表示部D8に表示される。
【0126】
次に、
図10を用いて、スライドに設定されたアクションを確認する際のアクション表示の遷移を説明する。
図10は、オーサリング確認状態におけるアクション表示の遷移図である。
図10(a)のように1番のアクション表示の表示部D8-1にマウスのカーソル(左の矢印参照)を合わせると、メディアの5秒のタイミングであって、1ページのスライドに直線が表示される。この際、シークバー表示部D6が5秒を示す画像になり、時間表示部D7に5秒と表示される。また、メディア表示部D1に5秒のメディアの静止画が表示される。
【0127】
次に、
図10(b)のように2番のアクション表示の表示部D8-2にマウスのカーソルを合わせると、メディアの7秒のタイミングであって、1ページのスライドに三角のスタンプが表示される。この際、シークバー表示部D6が7秒を示す画像になり、時間表示部D7に7秒と表示される。また、メディア表示部D1に7秒のメディアの静止画が表示される。
【0128】
次に、
図10(c)のように3番のアクション表示の表示部D8-3にマウスのカーソルを合わせると、メディアの2秒のタイミングであって、1ページのスライドに円が表示される。この際、シークバー表示部D6が2秒を示す画像になり、時間表示部D7に2秒と表示される。また、メディア表示部D1に2秒のメディアの静止画が表示される。
【0129】
なお、アクション表示の表示部D8-1やD8-2、D8-3の表示領域からマウスのカーソルが外れた場合、スライドに表示されていた直線や三角のスタンプ、円を非表示にしても良い。
【0130】
5秒、7秒、2秒等の時間情報は、オーサリング処理でアクションの画像を設定したタイミングの時間情報である。また、直線、三角のスタンプ、円等の情報は、アクションの画像の属性情報である。
【0131】
このように教材作成者はアクション表示ツールT13の各アクション表示の表示部(D8-1~D8-3)にマウスのカーソルを合わせるだけで(クリックをしなくても)、設定したアクションのプレビューを確認することができる。このように、複数のアクションを設定する場合、ページ内のアクションの変化を教材作成者が追いやすくなっている。また、マウスのカーソルを合わせる動きに応じて、シークバー表示部D6で各アクションの開始時間のタイミングのシークバー表示を実行したり、時間表示部D7に詳細な時間を表示したり、メディア表示部D1で各アクションの開始時間のタイミングのメディア(メディアの静止画)表示を実行したりするので、教材作成者がオーサリングの状況を把握しやすくなっている。
【0132】
スライドの2ページ目にアクションが設定されている場合は、第1のページツールT9を用いて2ページ目を表示させることにより、1ページ目と同様なアクション表示を確認することができる。なお、第2のページツールT11を用いて2ページ目を表示させることも可能である。
【0133】
アクション表示は、1のページのアクションが設定された順番で表示を行うようになっているが、メディアの時間の順番でアクションを表示するようにしても良い。この場合、1ページの1番のアクションとして、メディアの2秒のタイミングの円のアクションの詳細を表示し、2番のアクションとして、メディアの5秒のタイミングの直線のアクションの詳細を表示し、3番のアクションとして、メディアの7秒のタイミングのスタンプのアクションの詳細を表示する。
【0134】
アクション表示は、1のページに対して設定されているアクションを表示するようになっているが、全てのページに設定されている全てのアクションを表示するようにしても良い。この場合、1ページのアクションの詳細を表示し、その次に2ページのアクションの詳細を表示し、その次に3ページのアクションの詳細を表示し、その次に4ページのアクションの詳細を表示する。
【0135】
教材作成側端末装置110のディスプレイの表示を縮小する縮小表示操作(キーボードのCtrlを押しながらマウスホイール操作)を行うと、スライド表示部D2のみが拡大表示され、その他のD1、D3~D9の表示部が縮小表示されるように構成している。D1、D3~D9の表示部を、縮小可能な限度まで縮小表示しても、表示ツール表示部D8の各タブ(アクション表示等)およびタブ内の文字の表示、第1オーサリング機能表示部D3のT1~T9のツールのアイコンボタンやツールの内容を示す文字の表示、第2オーサリング機能表示部D4のT10のツールのアイコンボタンやツールの内容を示す文字の表示が認識可能な大きさで表示されるように構成している。また、D1、D3~D9の表示部を、縮小可能な限度まで縮小表示しても、表示ツール表示部D8のアクション表示が確認可能であり、第1オーサリング機能表示部D3や第2オーサリング機能表示部D4のツールの操作が可能となっている。
【0136】
このように表示することで、スライドの細部を確認しつつオーサリングが可能なのでユーザビリティを高くすることができる。また、アクション表示やツールの操作の機能が失われないのでより一層ユーザビリティを高くすることができる。
【0137】
また、教材作成側端末装置110のディスプレイの表示を縮小する縮小表示操作を行ってD1、D3~D9の表示部が縮小表示されると、表示ツール表示部D8の表示項目数が増えるように構成している。特に、タイムライン表示ツールT12を用いた表示ツール表示部D8の表示項目数が増えるように構成している。このように表示項目数が増えると、複数ページのスライドをオーサリングする場合、各ページに対応するメディアの頭出しが容易になるという効果を奏する。
【0138】
<<<<本実施の形態の詳細>>>>
上述したように、本発明は、本実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記載及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきでない。このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことはもちろんである。
【符号の説明】
【0139】
10 教材オーサリングシステム
110 教材作成側端末装置
120 受講者側端末装置
200 サーバ