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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022067989
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】流体荷役装置用緊急離脱機構
(51)【国際特許分類】
   B67D 7/32 20100101AFI20220426BHJP
【FI】
B67D7/32 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176886
(22)【出願日】2020-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】508173901
【氏名又は名称】TBグローバルテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】高澤 和貴
(72)【発明者】
【氏名】レガル カンタン ミチエル ピエル
【テーマコード(参考)】
3E083
【Fターム(参考)】
3E083AD22
3E083BB04
(57)【要約】
【課題】緊急離脱時に、上側の弁体収容体の付設部品が下側の弁体収容体に接触することなく分離可能な流体荷役装置用緊急離脱機構を提供する。
【解決手段】夫々に流体の流通を遮断する弁体を有し上下に連結される一対の弁体収容体1,2と、この弁体収容体1,2同士の連結を保持する連結機構3と、前記両弁体を閉弁動作させる弁体作動機構4とを備え、前記連結機構3の解除動作により前記一対の弁体収容体1,2の連結保持が解除され相互に分離するように構成されており、前記一対の弁体収容体1,2が分離した際に、この一対の弁体収容体1,2の上側に位置する上側弁体収容体1を下側に位置する下側弁体収容体2に対して所定の距離Lだけ垂直方向に上昇するようにガイドするガイド機構5が設けられている流体荷役装置用緊急離脱機構。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体荷役装置の配管途中に設けられる流体荷役装置用緊急離脱機構であって、夫々に流体の流通を遮断する弁体を有し上下に連結される一対の弁体収容体と、この弁体収容体同士の連結を保持する連結機構と、前記両弁体を閉弁動作させる弁体作動機構とを備え、前記連結機構の解除動作により前記一対の弁体収容体の連結保持が解除され相互に分離するように構成されており、前記一対の弁体収容体が分離した際に、この一対の弁体収容体の上側に位置する上側弁体収容体を下側に位置する下側弁体収容体に対して所定の距離Lだけ垂直方向に上昇するようにガイドするガイド機構が設けられていることを特徴とする流体荷役装置用緊急離脱機構。
【請求項2】
請求項1記載の流体荷役装置用緊急離脱機構において、前記ガイド機構は、前記上側弁体収容体に設けられ該上側弁体収容体より垂直下方向に垂設される被ガイド部材と、前記下側弁体収容体に設けられ該下側弁体収容体より垂直上方向に立設されるガイド部材とを備え、前記所定の距離Lは、前記被ガイド部材が前記ガイド部材にガイドされる距離であることを特徴とする流体荷役装置用緊急離脱機構。
【請求項3】
請求項2記載の流体荷役装置用緊急離脱機構において、前記被ガイド部材及び前記ガイド部材は、一方が筒状体に構成され、他方がこの筒状体に嵌入する棒状体に構成されていることを特徴とする流体荷役装置用緊急離脱機構。
【請求項4】
請求項2,3記載の流体荷役装置用緊急離脱機構において、前記弁体作動機構は、前記一対の弁体収容体の外部に設けられ、さらに、前記弁体作動機構には、前記上側弁体収容体から前記下側弁体収容体へ向かって延設され、前記両弁体を同時に開閉動作させる連動体が設けられており、前記ガイド機構は、前記両弁体が閉弁状態において、前記連動体が前記一対の弁体収容体同士が接合する接合水平面から下方若しくは上方に突出している突出長さ以上である距離Lを前記垂直方向に移動するように構成されていることを特徴とする流体荷役装置用緊急離脱機構。
【請求項5】
請求項4記載の流体荷役装置用緊急離脱機構において、前記ガイド機構は、前記距離Lの移動後、前記上側弁体収容体が連設される回動継手の回転軸を回転中心として回動するように構成されていることを特徴とする流体荷役装置用緊急離脱機構。
【請求項6】
請求項1~5いずれか1項に記載の流体荷役装置用緊急離脱機構において、緊急時に前記両弁体を閉弁状態にし、この両弁体が閉弁した後に前記連結機構の解除動作により前記一対の弁体収容体の連結保持が解除され、前記上側弁体収容体が前記距離Lの上昇移動後、前記下側弁体収容体に対して回動し分離するように構成されていることを特徴とする流体荷役装置用緊急離脱機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体荷役装置の配管途中に設けられる流体荷役装置用緊急離脱機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、海上のタンカーと陸上の流体貯蔵設備との間で液化天然ガスや液化石油ガス等の各種流体の荷役作業を行う場合、ローディングアームと称される流体荷役装置が用いられている。
【0003】
また、この流体荷役装置の多くには、強風、高潮、津波等の海面変動によるタンカーの予期せぬ移動が生じた場合や、海上側、陸上側の一方で火災等の不測の事態が発生した場合等の緊急時に、速やかに流体の搬送を緊急遮断弁によって遮断し流体の外部への流出を阻止した閉弁状態とした後、流体荷役装置の搬送ラインを海上側、陸上側の夫々に分離し、この流体荷役装置やタンカー側の配管接続部の破損を防止するための緊急離脱機構が設けられている(例えば特許文献1,2)。
【0004】
この緊急離脱機構30は、一般的には、図6~8に示すように、流体荷役装置40のアウトボードアーム43の先端側途中に設けられ、夫々に流体の流通を遮断する弁体を有し上下に連結される一対の弁体収容体31,32と、この弁体収容体31,32同士の連結を保持する連結機構33と、両弁体収容体31,32の各弁体を閉弁動作させる弁体作動機構34とを備え、緊急時に、弁体作動機構34が作動し、各弁体収容体31,32の弁体を同時に閉弁状態にした後、連結機構33が解除作動し弁体収容体31,32同士の連結保持を解除して相互に分離し、流体荷役装置40の搬送ラインを海上側と陸上側とに分断することで、流体荷役装置40にかかる負荷をなくし、流体荷役装置40やタンカー50側の配管接続部51の破損を防止するように構成されている。なお、図6中の符号41はベースライザー、符号42はインボードアーム、符号44はアッパーシーブ、符号45はロアシーブ、符号46はパンタグラフケーブル、符号47はカウンターウエイト、符号60が貯蔵施設連結管である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-160350号公報
【特許文献2】特開2019-43641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、流体荷役装置40は、タンカー50の配管接続部51との接続がスムーズに行えるように、緊急離脱機構30を含めた配管の海陸方向の重心バランスが、先端スイベルジョイント48のフランジ面48aが鉛直に保持されるように設定されている。
【0007】
そのため、緊急離脱機構30が作動して流体荷役装置40の搬送ライン(アウトボードアーム43)が海上側と陸上側とに分断した場合、上記重心バランスがくずれ、緊急離脱機構30の上側に位置する上側弁体収容体31は上昇しながら下端側が海側に向う回動動作が生じて傾斜状態になるが、上昇移動よりも回動動作の方が早く動作してしまうため、上側弁体収容体31が下側に位置する下側弁体収容体32に対して十分な距離を上昇しないうちに回動動作することとなり、その結果、上側弁体収容体31に設けられ下方に突出した部品(図では弁体作動機構34の一部)が下側弁体収容体32に接触、衝突して、下側弁体収容体32や各種機構が損傷、破損することがある。
【0008】
本発明は、このような問題を解決するものであり、緊急離脱機構が作動して上側の弁体収容体と下側の弁体収容体とが分離した際、分離後の上側の弁体収容体に設けられる連結機構や弁体作動機構が下側の弁体収容体等に接触、衝突することなくスムーズに分離可能な流体荷役装置用緊急離脱機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0010】
流体荷役装置の配管途中に設けられる流体荷役装置用緊急離脱機構であって、夫々に流体の流通を遮断する弁体を有し上下に連結される一対の弁体収容体1,2と、この弁体収容体1,2同士の連結を保持する連結機構3と、前記両弁体を閉弁動作させる弁体作動機構4とを備え、前記連結機構3の解除動作により前記一対の弁体収容体1,2の連結保持が解除され相互に分離するように構成されており、前記一対の弁体収容体1,2が分離した際に、この一対の弁体収容体1,2の上側に位置する上側弁体収容体1を下側に位置する下側弁体収容体2に対して所定の距離Lだけ垂直方向に上昇するようにガイドするガイド機構5が設けられていることを特徴とする流体荷役装置用緊急離脱機構に係るものである。
【0011】
また、請求項1記載の流体荷役装置用緊急離脱機構において、前記ガイド機構5は、前記上側弁体収容体1に設けられ該上側弁体収容体1より垂直下方向に垂設される被ガイド部材6と、前記下側弁体収容体2に設けられ該下側弁体収容体2より垂直上方向に立設されるガイド部材7とを備え、前記所定の距離Lは、前記被ガイド部材6が前記ガイド部材7にガイドされる距離であることを特徴とする流体荷役装置用緊急離脱機構に係るものである。
【0012】
また、請求項2記載の流体荷役装置用緊急離脱機構において、前記被ガイド部材6及び前記ガイド部材7は、一方が筒状体に構成され、他方がこの筒状体に嵌入する棒状体に構成されていることを特徴とする流体荷役装置用緊急離脱機構に係るものである。
【0013】
また、請求項2,3記載の流体荷役装置用緊急離脱機構において、前記弁体作動機構4は、前記一対の弁体収容体1,2の外部に設けられ、さらに、前記弁体作動機構4には、前記上側弁体収容体1から前記下側弁体収容体2へ向かって延設され、前記両弁体を同時に開閉動作させる連動体4aが設けられており、前記ガイド機構5は、前記両弁体が閉弁状態において、前記連動体4aが前記一対の弁体収容体1,2同士が接合する接合水平面から下方若しくは上方に突出している突出長さ以上である距離Lを前記垂直方向に移動するように構成されていることを特徴とする流体荷役装置用緊急離脱機構に係るものである。
【0014】
また、請求項4記載の流体荷役装置用緊急離脱機構において、前記ガイド機構5は、前記距離Lの移動後、前記上側弁体収容体1が連設される回動継手8の回転軸8aを回転中心として回動するように構成されていることを特徴とする流体荷役装置用緊急離脱機構に係るものである。
【0015】
また、請求項1~5いずれか1項に記載の流体荷役装置用緊急離脱機構において、緊急時に前記両弁体を閉弁状態にし、この両弁体が閉弁した後に前記連結機構3の解除動作により前記一対の弁体収容体1,2の連結保持が解除され、前記上側弁体収容体1が前記距離Lの上昇移動後、前記下側弁体収容体2に対して回動し分離するように構成されていることを特徴とする流体荷役装置用緊急離脱機構に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上述のように構成したから、緊急離脱機構が作動して上側の弁体収容体と下側の弁体収容体とが分離した際、上側の弁体収容体に設けられる連結機構や弁体作動機構が下側の弁体収容体等に接触、衝突することなくスムーズに分離可能な流体荷役装置用緊急離脱機構となる。
【0017】
したがって、緊急離脱時において、上側の弁体収容体に設けられる連結機構や弁体作動機構が下側の弁体収容体等に接触、衝突することで設備の損傷、破損が生じることを防止できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施例の緊急離脱前の状態を示す説明図である。
図2】本実施例の緊急離脱直後の状態を示す説明図である。
図3】本実施例の緊急離脱後(ガイド機構によるガイド終了直前)の状態を示す説明図である。
図4】本実施例の緊急離脱後(ガイド機構によるガイド終了後)の状態を示す説明図である。
図5】本実施例の弁体作動機構を示す説明図である。
図6】流体荷役装置を示す概略構成説明図である。
図7】従来の流体荷役装置用緊急離脱機構(緊急離脱前)を示す説明図である。
図8】従来の流体荷役装置用緊急離脱機構(緊急離脱直後)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0020】
本発明は、連結機構3による弁体収容体1,2同士の連結が解除されると、上側に位置する上側弁体収容体1と下側に位置する下側弁体収容体2とが分離し、上側弁体収容体1が下側弁体収容体2に対して上昇移動する。
【0021】
この上昇移動の際、上側弁体収容体1はガイド機構5にガイドされることにより回動動作が規制された状態で垂直方向に所定の距離Lだけ移動する。
【0022】
ここで、上側弁体収容体1のガイド機構5にガイドされる所定の距離Lを、例えば上側弁体収容体1がこの上側弁体収容体1が連設される回動継手8の回転軸8aを回転中心として回動してもこの上側弁体収容体1に設けられる連結機構3や弁体作動機構4が下側弁体収容体2に接触、衝突しない十分な上昇位置までの距離とすれば、ガイド機構5によるガイドがなくなり上側弁体収容体1が回動動作しても、この上側弁体収容体1に設けられる連結機構3や弁体作動機構4の下側弁体収容体2への接触、衝突は回避されることとなる。
【0023】
したがって、緊急離脱時において、上側弁体収容体1に設けられる連結機構3や弁体作動機構4が下側弁体収容体2に接触、衝突することで設備の損傷、破損が生じることを防止できる実用性に優れた流体荷役装置用緊急離脱機構となる。
【実施例0024】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0025】
本願発明は、流体荷役装置の配管途中に設けられる流体荷役装置用緊急離脱機構であって、夫々に流体の流通を遮断する弁体を有し上下に連結される一対の弁体収容体1,2と、この弁体収容体1,2同士の連結を保持する連結機構3と、前記両弁体を閉弁動作させる弁体作動機構4とを備え、前記連結機構3の解除動作により前記一対の弁体収容体1,2の連結保持が解除され相互に分離するように構成されており、前記一対の弁体収容体1,2が分離した際に、この一対の弁体収容体1,2の上側に位置する上側弁体収容体1を下側に位置する下側弁体収容体2に対して所定の距離Lだけ垂直方向に上昇移動するようにガイドするガイド機構5が設けられているものである。
【0026】
以下、本実施例に係る構成各部について詳述する。なお、本実施例の弁体収容体1,2、連結機構3及び弁体作動機構4については、先行技術文献に挙げた特開2013-160350号や特開2019-43641号に開示されるような従来の流体荷役装置用緊急離脱機構と同様の構成のものが採用されているため、詳細な説明は省略する。
【0027】
また、本実施例は、図示するように、弁体作動機構4として特開2019-43641号に開示されるようなリンク機構タイプのものを採用した場合であるが、弁体作動機構4はこれに限定されるものではなく、例えば特開2013-160350号に開示されるカム機構タイプのものを採用しても良い。
【0028】
本実施例のガイド機構5は、上側弁体収容体1に設けられこの上側弁体収容体1の下端面より垂直下方向に突出するように垂設される被ガイド部材6と、下側弁体収容体2に設けられこの下側弁体収容体2の上端面より垂直上方向に突出するように立設されるガイド部材7とからなるガイド体9を備える構成であり、本実施例においては、このガイド体9を二体備える構成である。
【0029】
具体的には、被ガイド部材6及びガイド部材7は、一方が筒状体に構成され、他方がこの筒状体(円筒体)に嵌入する棒状体に構成されていて、本実施例においては、被ガイド部材6が筒状体に構成され、ガイド部材7が棒状体(円柱状棒体)に構成されている。
【0030】
なお、被ガイド部材6の内周面、ガイド部材7の外周面のいずれか一方若しくは双方には図示省略の摺動部材が設けられている。
【0031】
また、被ガイド部材6は、ガイド部材7に距離Lガイドされ上昇移動し、距離L移動後はガイド部材7から離脱し非ガイド状態になる。
【0032】
この被ガイド部材6がガイド部材7にガイドされる距離Lは、被ガイド部材6が前記ガイド部材7にガイドされる距離であり、弁体作動機構4の連動体4a、具体的には、上側弁体収容体1から下側弁体収容体2へ向かって延設され、両弁体を同時に開閉動作させる連動体4a、言い換えると、弁体収容体1,2の両弁体を同時に開閉動作させるため、各弁体の弁軸10に設けられる回動リンク部材4b間に架設される架設リンク部材4aが一対の弁体収容体1,2同士が連結する水平面、言い換えると、上側弁体収容体1の下側弁体収容体2と連結する連結フランジ面から下方に突出している突出長さ以上に設定されている。
【0033】
より具体的には、この距離Lは、上側弁体収容体1がこの上側弁体収容体1が連設される回動継手8の回転軸8aを回転中心として回動してもこの上側弁体収容体1に設けられる連弁体作動機構4の連動体4aが下側弁体収容体2に接触、衝突しない上昇位置まで上側弁体収容体1を垂直上昇移動せしめる距離に設定されている。
【0034】
なお、この距離Lは、弁体作動機構4の連動体4aの突出長さにより適宜変更し得るものである。また、距離Lを決定する対象は前記連動体4aに限定されるものではなく、上側弁体収容体1から下方に突出する他の部品、或いは下側弁体収容体2から上方に突出する部品となる場合も含むものとする。
【0035】
以上のように構成される本実施例の作用効果について以下に説明する。
【0036】
本実施例は、ガイド機構5を備える構成としたから、緊急離脱時に上側弁体収容体1と下側弁体収容体2とが分離した際、上側弁体収容体1は距離L上昇するまでガイド機構5にガイドされ、このガイド機構5にガイドされている間は、被ガイド部材6のガイド部材7に対する移動に伴い、回動動作が規制され、下側弁体収容体2に対して垂直に上昇することとなる。
【0037】
そして、このガイド機構5によるガイドが終了した状態では、上側弁体収容体1は、この上側弁体収容体1が連設される回動継手8の回転軸8aを回転中心として回動してもこの上側弁体収容体1に設けられる連弁体作動機構4の連動体4aが下側弁体収容体2に接触、衝突しない位置まで上昇しているから、回動動作が生じても連動体4aの下側弁体収容体2への接触、衝突は起こらないこととなる。
【0038】
したがって、本実施例は、緊急離脱時において、上側弁体収容体1に設けられる連結機構3や弁体作動機構4が下側弁体収容体2に接触、衝突することで設備の損傷、破損が生じることを防止でき、安全且つスムーズに緊急離脱することができる実用性に優れた流体荷役装置用緊急離脱機構となる。
【0039】
なお、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0040】
1 弁体収容体,上側弁体収容体
2 弁体収容体,下側弁体収容体
3 連結機構
4 弁体作動機構
4a 連動体
5 ガイド機構
6 被ガイド部材
7 ガイド部材
8 回動継手
8a 回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8