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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068033
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】塗布具
(51)【国際特許分類】
   A45D 24/22 20060101AFI20220426BHJP
【FI】
A45D24/22 B
A45D24/22 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020176957
(22)【出願日】2020-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】520412051
【氏名又は名称】末松 詩乃
(71)【出願人】
【識別番号】520411917
【氏名又は名称】稲田 麻里
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】末松 詩乃
(72)【発明者】
【氏名】稲田 麻里
(57)【要約】
【課題】塗布剤の頭皮における塗布ムラを防止するとともに、容易に頭皮のマッサージをすることができる塗布具を提供する。
【解決手段】塗布具は、櫛歯台と、櫛歯台に立設された第1櫛歯と、櫛歯台に立設された第2櫛歯とを備えて塗布剤を塗布する塗布具であって、第1櫛歯は、しずく形状の第1先端部と、第1先端部と連続して設けられて、第1先端部が皮膚と接触することにより撓む可撓性を有する第1本体部と、を有し、第2櫛歯は、塗布剤を吐出する吐出口が設けられたしずく形状の第2先端部と、第2先端部と連続して設けられて、第2先端部が皮膚と接触することにより撓む可撓性を有する第2本体部と、吐出口に塗布剤を供給する、第2本体部の内部に設けられた供給路と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
櫛歯台と、前記櫛歯台に立設された第1櫛歯と、前記櫛歯台に立設された第2櫛歯とを備えて塗布剤を塗布する塗布具であって、
前記第1櫛歯は、
しずく形状の第1先端部と、
前記第1先端部と連続して設けられて、前記第1先端部が皮膚と接触することにより撓む可撓性を有する第1本体部と、を有し、
前記第2櫛歯は、
塗布剤を吐出する吐出口が設けられたしずく形状の第2先端部と、
前記第2先端部と連続して設けられて、前記第2先端部が皮膚と接触することにより撓む可撓性を有する第2本体部と、
前記吐出口に塗布剤を供給する、前記第2本体部の内部に設けられた供給路と、を有する、塗布具。
【請求項2】
前記第1櫛歯は、前記櫛歯台に複数立設されて第1列を形成し、
前記第2櫛歯は、前記櫛歯台に複数立設されて、前記第1列と並列する第2列を形成する、請求項1に記載の塗布具。
【請求項3】
前記第1列は、前記第2列を中央として前記第2列の両側に並列される、請求項2に記載の塗布具。
【請求項4】
塗布剤を収納する容器に取り付け可能な取付部をさらに備え、
前記供給路は、前記取付部を介して前記容器に保存された塗布剤を供給する、請求項1から3のいずれか1項に記載の塗布具。
【請求項5】
塗布剤を加熱するヒータをさらに備え、
前記吐出口は、前記ヒータで加熱された塗布剤を吐出する、請求項1から4のいずれか1項に記載の塗布具。
【請求項6】
塗布剤を冷却するクーラをさらに備え、
前記吐出口は、前記クーラで冷却された塗布剤を吐出する、請求項1から5のいずれか1項に記載の塗布具。
【請求項7】
臭いを検出するにおいセンサをさらに備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の塗布具。
【請求項8】
前記においセンサにおいて計測された計測値に応じて表示色を変化させる表示部をさらに備える、請求項7に記載の塗布具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、毛髪に対して塗布剤をムラ無く塗布するために、複数の櫛歯を有して頭髪をかき分けながら塗布剤を塗布する塗布具が知られている。例えば、特許文献1には、内容物を収容したボトルの口部に取り付け可能であり、内容物を吐出するための吐出口が形成されているとともに複数の櫛歯を有する櫛部が設けられた櫛付きキャップにおいて、複数の櫛歯が並べて設けられている櫛付きキャップに係る技術が記載されている。
【0003】
また、頭皮に塗布した塗布剤の浸透を促すために頭皮をマッサージする場合がある。頭皮のマッサージには、指先またはマッサージブラシ等が用いられる。例えば、特許文献2には、ブラシの先端部を円弧状にすることにより、頭皮との接触を円滑にしてマッサージを行うためのマッサージブラシに係る技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-106533号公報
【特許文献2】実開昭60-079425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の塗布具は、容器に収納された内容物を頭皮等の皮膚に塗布するものではなく、毛髪に対して塗布するものであり、頭皮において塗布ムラが発生する場合があった。また、特許文献1に記載の塗布具は、全ての櫛歯に内容物を吐出する吐出口が設けられているため、櫛歯を利用して毛髪をかき分ける場合においても内容物が吐出してしまい、頭皮において塗布ムラが発生する場合があった。
【0006】
また、頭皮に塗布剤を塗布した後に頭皮をマッサージする場合、特許文献2に記載のマッサージブラシ等を別途用意しなければならず、容易に頭皮のマッサージができない場合があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、塗布剤の頭皮における塗布ムラを防止するとともに、容易に頭皮のマッサージをすることができる塗布具を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記の課題を解決するため、塗布具は、櫛歯台と、櫛歯台に立設された第1櫛歯と、櫛歯台に立設された第2櫛歯とを備えて塗布剤を塗布する塗布具であって、第1櫛歯は、しずく形状の第1先端部と、第1先端部と連続して設けられて、第1先端部が皮膚と接触することにより撓む可撓性を有する第1本体部と、を有し、第2櫛歯は、塗布剤を吐出する吐出口が設けられたしずく形状の第2先端部と、第2先端部と連続して設けられて、第2先端部が皮膚と接触することにより撓む可撓性を有する第2本体部と、吐出口に塗布剤を供給する、第2本体部の内部に設けられた供給路と、を有する。
【0009】
(2)また、実施形態の塗布具において、第1櫛歯は、櫛歯台に複数立設されて第1列を形成し、第2櫛歯は、櫛歯台に複数立設されて、第1列と並列する第2列を形成するものであってもよい。
【0010】
(3)また、実施形態の塗布具において、第1列は、第2列を中央として第2列の両側に並列されるものであってもよい。
【0011】
(4)また、実施形態の塗布具は、塗布剤を収納する容器に取り付け可能な取付部をさらに備え、供給路は、取付部を介して容器に保存された塗布剤を供給するものであってもよい。
【0012】
(5)また、実施形態の塗布具は、塗布剤を加熱するヒータをさらに備え、吐出口は、ヒータで加熱された塗布剤を吐出するものであってもよい。
【0013】
(6)また、実施形態の塗布具は、塗布剤を冷却するクーラをさらに備え、吐出口は、クーラで冷却された塗布剤を吐出するものであってもよい。
【0014】
(7)また、実施形態の塗布具は、臭いを検出するにおいセンサをさらに備えるものであってもよい。
【0015】
(8)また、実施形態の塗布具は、においセンサにおいて計測された計測値に応じて表示色を変化させる表示部をさらに備えるものであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一つの実施形態によれば、塗布具は、櫛歯台と、櫛歯台に立設された第1櫛歯と、櫛歯台に立設された第2櫛歯とを備えて塗布剤を塗布する塗布具であって、第1櫛歯は、しずく形状の第1先端部と、第1先端部と連続して設けられて、皮膚と接触することにより撓む可撓性を有する第1本体部と、を有し、第2櫛歯は、塗布剤を吐出する吐出口が設けられたしずく形状の第2先端部と、第2先端部と連続して設けられて、皮膚と接触することにより撓む可撓性を有する第2本体部と、吐出口に塗布剤を供給する、第2本体部の内部に設けられた供給路と、を有することにより、塗布剤の頭皮における塗布ムラを防止するとともに、頭皮等の皮膚のマッサージをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態における塗布具の第1の例を示す、(A)正面図、(B)側面図、(C)上面図、および(D)斜視図である。
図2】実施形態における塗布具の第2櫛歯の構造を示す図である。
図3】実施形態における塗布具の第1の例を容器に取り付けたところ示す図である。
図4】実施形態における塗布具の第2の例を示す正面図である。
図5】実施形態における塗布具の第3の例を示す、(A)正面図、(B)側面図、および(C)上面図である。
図6】実施形態における塗布具の第4の例を示す斜視図である。
図7】実施形態における塗布具の第5の例を示す正面図である。
図8】実施形態における塗布具の第6の例を示す正面図である。
図9】実施形態における塗布具の第7の例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態における塗布具について詳細に説明する。なお、本実施形態における塗布具は、塗布剤を人の頭皮(頭髪が生えた頭部の皮膚)に塗布する場合を例示して説明するが、塗布具は、人の頭皮以外に用いられるものであってもよい。例えば、塗布具は、体毛が生えた皮膚に用いられるものであってもよい。また、塗布具は、人以外の動物(例えば、犬または猫など)の皮膚に用いられるものであってもよい。
【0019】
先ず、図1を用いて、塗布具の第1の例を説明する。図1は、実施形態における塗布具の第1の例を示す、(A)正面図、(B)側面図、(C)上面図、および(D)斜視図である。
【0020】
図1において、塗布具1は、櫛歯台11、第1櫛歯12、第2櫛歯13および取付部14を備える。櫛歯台11は、塗布剤供給部111を有する。第1櫛歯12は、第1先端部121および第1本体部122を有する。第2櫛歯13は、第2先端部131、第2本体部132を有する。第2先端部131は、吐出口1311を有する。複数の第1櫛歯12は、第1列120を形成する。また、複数の第2櫛歯13は、第2列130を形成する。
【0021】
櫛歯台11は、第1櫛歯12および第2櫛歯13を立設させるための部分である。図1における櫛歯台11は、第1櫛歯12および第2櫛歯13を立設させるためのx-y平面が平な形状をしており、第1櫛歯12および第2櫛歯13は櫛歯台11のx-y平面に対して垂直に立設されている。なお、図1における櫛歯台11の形状は略立方体の形状を例示したが、櫛歯台11の形状はこれに限定されるものではない。例えば、櫛歯台11の角は適度な曲面によって面取りされていてもよい。
【0022】
第1櫛歯12および第2櫛歯13を立設させる櫛歯台11は、弾性を有していてもよい。例えば、櫛歯台11は、第1櫛歯12または第2櫛歯13が頭皮に接触して図示z軸の下向き方向の応力を受けたときに、第1櫛歯12または第2櫛歯13が、櫛歯台11の弾性によって下向き方向に沈み込むようにしてもよい。また、櫛歯台11は、第1櫛歯12または第2櫛歯13が頭皮に接触して図示x方向(またはy方向)の応力を受けたときに、第1櫛歯12または第2櫛歯13が、櫛歯台11の弾性によって櫛歯台11との接続部分を中心に回動するようにしてもよい。櫛歯台11が弾性を有することによって、第1櫛歯12または第2櫛歯13が、頭皮に接触したときの、第1櫛歯12または第2櫛歯13から頭皮への反力を小さくし、頭皮への刺激を小さくすることができる。
【0023】
櫛歯台11は、弾性体として、例えば、ゴムまたはプラスチック(合成樹脂)を材料として形成することができる。櫛歯台11は、第1櫛歯12および第2櫛歯13と同一材料で一体的に成形されるものであってもよい。また、櫛歯台11または第2櫛歯13は、その素材の一部を透明な素材とすることにより、内部の塗布剤を可視化できるようにしてもよい。
【0024】
取付部14は、櫛歯台11を塗布剤が収納された図示しない容器に取り付けるための部位であり、内部に塗布剤を櫛歯台11に供給するための空洞部141を有している。空洞部141は、容器の雄ネジに締結するための雌ネジが切られている。
【0025】
櫛歯台11は、内部に塗布剤供給部111を有する。塗布剤供給部111は、空洞であり、取付部14の空洞部141を介して供給される図示しない容器に収納された塗布剤を、第2櫛歯13に供給する。容器から櫛歯台11への塗布剤の供給は、例えば、容器の一部を利用者が押して収納された塗布剤に圧力(押圧)を掛けることにより行うことができる。また、容器を櫛歯台11より上側に位置させて、重力により塗布剤を供給するようにしてもよい。
【0026】
塗布剤供給部111の形状は任意であり、塗布剤を複数の第2櫛歯13に対して均一に供給できる形状が望ましい。例えば、図1(A)において、塗布剤供給部111は、空洞部141から5本の第2櫛歯13に対してx-z平面において扇状に広がる形状をしている。この形状によって、それぞれの第2櫛歯13に対して塗布剤を均一に供給することが可能となる。また、図1(B)において、塗布剤供給部111は、空洞部141から5第2櫛歯13に対してy-z平面において先細る形状をしている。この形状によって、第2櫛歯13における塗布剤の吐出圧力を高めることが可能となる。
【0027】
なお、塗布剤供給部111は、逆止弁の機能を有していてもよい。例えば、塗布剤供給部111は、利用者が容器に押圧を掛けたときに逆止弁を開いて塗布剤を塗布剤供給部111の内部に充填させて、利用者が押圧をなくしたときに逆止弁を閉じて塗布剤の充填を止めるようにしてもよい。塗布剤供給部111が逆止弁の機能を有することにより、塗布剤の供給量が限定されて、頭皮への必要以上の塗布剤の塗布を防止することが可能となる。
【0028】
第1櫛歯12は、頭髪をかき分けて分け目を作ることができ、塗布剤を塗布する頭皮を露わにすることができる。第1櫛歯12は、櫛歯台11に複数立設されて、第1列120を形成する。図1は、5本の第1櫛歯12がx軸方向において直線状に配置されて第1列120を形成している場合を例示している。しかし、第1列120は、1~4本または6本以上の第1櫛歯12によって形成されてもよく、また、複数の第1櫛歯12は、x軸方向において非直線的(例えば、x軸方向にジグザグ)に配置されてもよい。また、第1列120を形成するそれぞれの第1櫛歯12のz軸方向の長さは、全て同じ長さであってもよく、または異なる長さであってもよい。
【0029】
第1櫛歯12は、第1先端部121および第1本体部122を有する。第1先端部121はしずく形状を有している。しずく形状とは、第1本体部122のz軸方向の先端部において、第1本体部122のx-y平面における径より大きな径を有する球体または楕円体等を形成する形状である。第1先端部121をしずく形状とすることにより、先端部の曲面の半径を大きくすることができるため、第1先端部121が頭皮に接触したときに頭皮への刺激を軽減することができる。また、先端部の曲面の半径を大きくすることにより、頭皮との接触面積が大きくなり、頭皮と第1先端部121との隙間における塗布剤の表面張力によって、頭皮に対して塗布剤が広がりやすくなる。頭皮に塗布剤が広がりやすくなることにより、頭皮における塗布剤の塗布ムラを防止することが可能となる。
【0030】
第1本体部122は、第1先端部121と連続して設けられおり、第1先端部121が頭皮と接触することにより撓む可撓性を有している。第1本体部122が可撓性を有して撓むことによって、第1先端部121が頭皮に接触したときの、頭皮への反力を小さくし、頭皮への刺激を小さくすることができる。なお、第1本体部122または第2本体部132が「撓む」とは、第1先端部121または第2先端部131が頭皮と接触することにより櫛歯台11が撓み、第1本体部122または第2本体部132が櫛歯台11が撓みに応じて傾く場合を含む。
【0031】
また、第1櫛歯12は、頭皮のマッサージに用いられる。上述の通り、第1先端部121がしずく形状を有しているとともに、第1本体部122は、第1先端部121が頭皮と接触することにより撓む可撓性を有している。このため、第1櫛歯12は、第1先端部121が頭皮と接触させることにより容易に頭皮マッサージがすることを可能にする。例えば、塗布具1の利用者が把持した塗布具1の第1先端部121を頭皮に押し当て、さらに元に戻す動作を行うことにより、第1本体部122が撓み、さらに元に戻る。第1本体部122が撓みに応じて第1先端部121が頭皮を適度に横圧しながら頭皮上を滑るため、頭皮を容易にマッサージすることが可能となる。
【0032】
なお、第1櫛歯12は、櫛歯台11と同一の素材で一体的に形成することができる。第1櫛歯12を櫛歯台11と同一の素材で一体的に形成することにより、製造コストを低減させることが可能となる。
【0033】
第2櫛歯13の形状は、吐出口1311および後述する供給路を有すること以外は第1櫛歯12と同様であるため、第1櫛歯12と重複する説明は省略する場合がある。
【0034】
第2櫛歯13は、第1櫛歯12と同様に、頭髪をかき分けて分け目を作ることができ、塗布剤を塗布する頭皮を露わにすることができる。第2櫛歯13は、櫛歯台11に複数立設されて、第2列130を形成する。第2列130は第1列120と並列して形成される。図1は、1本の第2列130が2本の第1列120の間に並列して形成されている場合を例示している。しかし、第2列130およびの第1列120の本数はこれに限定されるものではない。例えば、1本の第2列130が1本の第1列120に並列して形成されてもよい。また、複数本の第2列130が複数本の第1列120の間に並列して形成されてもよい。また、複数本の第2列130と複数本の第1列120が交互に並列して形成されてもよい。
【0035】
また、図1は、第2櫛歯13が第1櫛歯12とx軸方向に同じ間隔で配置され、かつ第2櫛歯13と第1櫛歯12がy軸方向に直線的に配置されている場合を例示している。しかし、第2櫛歯13と第1櫛歯12の配置はこれに限定されるものではない。例えば、第2櫛歯13は、x軸方向において2つの第1櫛歯12の中間に配置するようにしてもよい。
【0036】
また、図1は、5本の第2櫛歯13がx軸方向において直線状に配置されて第2列130を形成している場合を例示している。しかし、第2列130は、第1列120と同様に、1~4本または6本以上の第2櫛歯13によって形成されてもよく、また、複数の第2櫛歯13は、x軸方向において非直線的に配置されてもよい。また、第2列130を形成するそれぞれの第2櫛歯13のz軸方向の長さは、全て同じ長さであってもよく、または異なる長さであってもよい。
【0037】
第2櫛歯13は、第2先端部131、吐出口1311および第2本体部132を有する。第2先端部131はしずく形状を有しており、先端部に吐出口1311が形成されている。吐出口1311は、塗布剤供給部111から供給された塗布剤を吐出する開口部である。第2櫛歯13は、後述する供給路を有している。供給路は塗布剤供給部111に接続されて、塗布剤供給部111から供給された塗布剤を吐出口1311に供給する。吐出口1311は、供給路から供給された塗布剤を頭皮に吐出する。第2先端部131のしずく形状に関しては第1先端部121と同様の形状であるため説明を省略する。第2先端部131がしずく形状を有することにより、頭皮に塗布剤が広がりやすくなり、頭皮における塗布剤の塗布ムラを防止することが可能となる。
【0038】
第2本体部132は、第2先端部131と連続して設けられており、第2先端部131が頭皮と接触することにより、第1本体部122と同様に撓む可撓性を有している。第2本体部132が可撓性を有して撓むことによって、第2先端部131が頭皮に接触したときの、頭皮への反力を小さくし、頭皮への刺激を小さくすることができる。
【0039】
また、第2櫛歯13は、第1櫛歯12と同様に頭皮のマッサージに用いられる。第2櫛歯13も、第2先端部131がしずく形状を有しているとともに、第2本体部132が可撓性を有していることにより、容易に頭皮マッサージをすることが可能になる。
【0040】
第2櫛歯13は、第1櫛歯12と同様に、櫛歯台11と同一の素材で一体的に形成することにより、製造コストを低減させることが可能となる。
【0041】
次に、図2を用いて、第2櫛歯13の構造を説明する。図2は、実施形態における塗布具1の第2櫛歯13の構造を示す図である。
【0042】
図2において、第2櫛歯13は、第2先端部131、吐出口1311、第2本体部132および供給路1321を有する。供給路1321は、塗布剤を吐出口1311に供給する空洞である。供給路1321は、図1で説明した塗布剤供給部111から供給された塗布剤をそのまま吐出口1311に供給する。供給路1321の太さ(例えば内径)を大きくすることにより、供給路1321における塗布剤の流体抵抗が小さくなるため、吐出口1311から吐出される塗布剤の量を大きくすることができる。一方、供給路1321の太さを小さくすることにより、供給路1321における塗布剤の流体抵抗が大きくなるため、吐出口1311から吐出される塗布剤の量を小さくすることができる。供給路1321の太さは、例えば、塗布剤の塗布量または粘度等に応じて適宜設計することができる。また、第2櫛歯13は、例えば供給路1321の空洞の一部を狭窄させて塗布剤の供給をストップさせて、容器の押圧等により塗布剤に圧力が加えられたときに塗布剤を供給する機能を有していてもよい。
【0043】
次に、図3を用いて、塗布具1の容器への取付を説明する。図3は、実施形態における塗布具の第1の例である塗布具1を容器に取り付けたところ示す図である。
【0044】
図3において、塗布具1は、櫛歯台11、取付部14および容器15を有する。容器15は、上部に設けられた雄ネジによって取付部14の空洞部141の雌ネジと締結される。容器15には塗布剤を収納することができる。容器15に収納された塗布剤は、空洞部141を介して塗布剤供給部111に供給される。例えば、利用者は、容器15を図示上下逆方向に持ち、第2櫛歯13を頭皮に接触させて重力により吐出口1311から塗布剤を吐出させて頭皮に塗布するようにしてもよい。また、利用者は、可撓性を有する容器15を押圧して塗布剤に圧力を掛けて吐出口1311から塗布剤を吐出させるようにしてもよい。
【0045】
容器15に取付部14を締結させることにより、容器を密封して容器内部を外気から遮断することができ、内部の塗布剤の保存性を向上させることが可能となる。
【0046】
なお、図3において例示した容器15の形状または材質は任意である。容器15の形状は、例えば、円筒形、チューブ形状等であってもよい。また、容器15の材質は、プラスチック、ガラス、アルミニウム等であってもよい。
【0047】
次に、図4を用いて、塗布具の第2の例を説明する。図4は、実施形態における塗布具の第2の例を示す正面図である。なお、塗布具の第2の例は、図1で説明した塗布具1の変形例であり、構造が同一の部分は説明を省略する場合がある。
【0048】
図4において、塗布具の第2の例である塗布具2は、櫛歯台21および取付部24を有する。塗布具1で説明した第1櫛歯12および第2櫛歯13に相当する部分は、塗布具2においても同一構造であるため、説明を省略する。
【0049】
取付部24は、空洞部241を有する。空洞部241は雄ネジが設けられ、雌ネジが設けられた図示しない容器と締結されることができる。容器に収納された塗布剤は空洞部241を介して塗布剤供給部211に供給される。すなわち、塗布具2は、塗布具1の空洞部141における雌ネジを空洞部241における雄ネジに変更した変形例である。なお、空洞部241の雄ネジは、雌ネジが設けられていない容器の穴部分に対しても適用することができる。例えば、紙でできた容器の穴部分に空洞部241の雄ネジをねじ込むことにより、容器に空洞部241を取り付けることが可能となる。
【0050】
次に、図5を用いて、塗布具の第3の例を説明する。図5は、実施形態における塗布具の第3の例を示す、(A)正面図、(B)側面図、および(C)上面図である。なお、塗布具の第3の例は、図1で説明した塗布具1または図4で説明した塗布具2の変形例であり、構造が同一の部分は説明を省略する場合がある。
【0051】
図5において、塗布具3は、櫛歯台31、第1櫛歯32、第2櫛歯33および取付部34を備える。櫛歯台31は、塗布剤供給部311および切欠部312を有する。第1櫛歯32は、第1先端部221および第1本体部322を有する。第2櫛歯33は、第2先端部331、第2本体部332を有する。第2先端部331は、吐出口3311を有する。複数の第1櫛歯32は、第1列320を形成する。また、複数の第2櫛歯33は、第2列330を形成する。
【0052】
櫛歯台31は、第1櫛歯32および第2櫛歯33を立設させるための部分である。図5における櫛歯台31は、第1櫛歯32および第2櫛歯33を立設させるためのx-y平面がアーチ形状をしており、図5(B)の側面図において櫛歯台31の上端はy-z平面において円弧状の形状を有している。第1櫛歯32および第2櫛歯33は櫛歯台11のy-y平面のアーチに対して垂直に立設されている。このため、第1櫛歯32および第2櫛歯33は櫛歯台31からy-z平面において放射状に立設されることになる。切欠部312は、第1列320と第2列330の間に設けられた溝状の切り欠きである。切欠部312は、第1櫛歯32および第2櫛歯33を立設する櫛歯台31の剛性を小さくする。このため、第1櫛歯32および第2櫛歯33が頭皮に接触したときに第1櫛歯32および第2櫛歯33がy軸方向に倒れやすくなり、塗布具1または塗布具2と比較して頭皮への刺激を、さらに小さくすることができる。
【0053】
また、塗布具3は、第1櫛歯32および第2櫛歯33を櫛歯台31から放射状に立設することにより、第1櫛歯32および第2櫛歯33が頭皮に対して同時に接触しにくくしている。これにより、例えば、第2櫛歯33を用いて頭皮に塗布剤を塗布するときと、第1櫛歯32を用いて頭髪をかき分けるときの、第1櫛歯32および第2櫛歯33の使い分けを容易にすることが可能となる。
【0054】
なお、図5は、櫛歯台31がy-z平面において凸状の円弧形状を有するアーチ形状を有する場合を示したが、例えば、櫛歯台31は、y-z平面において凹状の円弧形状を有するアーチ形状を有するものであってもよい。この場合、第1櫛歯32および第2櫛歯33は櫛歯台31からy-z平面において窄まるように立設されることになる。
【0055】
次に、図6を用いて、塗布具の第4の例を説明する。図6は、実施形態における塗布具の第4の例を示す正面図である。なお、塗布具の第4の例は、図5で説明した塗布具3の変形例であり、構造が同一の部分は説明を省略する場合がある。
【0056】
図6において、塗布具の第4の例である塗布具4は、櫛歯台41、第1櫛歯42、第2櫛歯43および取付部44を有する。なお、櫛歯台41、第1櫛歯42および第2櫛歯43は、塗布具3で説明した櫛歯台31、第1櫛歯32および第2櫛歯33とそれぞれ同一構造であるため、説明を省略する。
【0057】
取付部44は、図1で説明した取付部14と同様の構造を有する。すなわち、取付部44は、図示しない空洞部に雌ネジが設けられており、容器の雄ネジと締結される。すなわち、塗布具4は、塗布具3の空洞部341における雄ネジを雌ネジに変更した変形例である。
【0058】
次に、図7を用いて、塗布具の第5の例を説明する。図7は、実施形態における塗布具の第5の例を示す正面図である。なお、塗布具の第5の例は、図5で説明した塗布具3の変形例であり、構造が同一の部分は説明を省略する場合がある。
【0059】
図7において、塗布具5は、櫛歯台51、第1櫛歯52,第2櫛歯53、取付部54、ヒータ55およびスイッチ56を備える。櫛歯台51、第1櫛歯52,第2櫛歯53および取付部54の構造は、櫛歯台31、第1櫛歯32、第2櫛歯33および取付部34と同様である。
【0060】
ヒータ55は、塗布剤を加熱する。ヒータ55は、塗布剤供給部511の内部に配置されて、第2櫛歯53から吐出される塗布剤を適切な温度まで加熱する。スイッチ56は、ヒータ55のON/OFFまたは温度調整のためのスイッチである。例えば、塗布剤が常温で固体または半固体であった場合、ヒータ55は塗布剤を加熱することにより塗布剤に流動性を与えて頭皮への塗布を容易にすることができる。なお、ヒータ55の配置位置は、塗布剤供給部511の内部に限定されるものではなく、例えば、取付部54の内部であってもよい。また、ヒータ55は、塗布剤の温度を計測する図示しない測温部によって温度制御されるものであってもよい。
【0061】
次に、図8を用いて、塗布具の第6の例を説明する。図8は、実施形態における塗布具の第6の例を示す正面図である。なお、塗布具の第6の例は、図5で説明した塗布具3の変形例であり、構造が同一の部分は説明を省略する場合がある。
【0062】
図8において、塗布具6は、櫛歯台61、第1櫛歯62,第2櫛歯63、取付部64、クーラ65およびスイッチ66を備える。櫛歯台61、第1櫛歯62,第2櫛歯63および取付部64の構造は、櫛歯台31、第1櫛歯32、第2櫛歯33および取付部34と同様である。
【0063】
クーラ65は、塗布剤を冷却する。クーラ65は、塗布剤供給部611の内部に配置されて、第2櫛歯63から吐出される塗布剤を適切な温度まで冷却する。スイッチ66は、クーラ65のON/OFFまたは温度調整のためのスイッチである。例えば、夏期において塗布剤に冷感を求める場合、クーラ65は塗布剤の温度を下げることにより、塗布剤を塗布した頭皮に冷感を与えることが可能となる。なお、クーラ65の配置位置は、塗布剤供給部611の内部に限定されるものではなく、例えば、取付部64の内部であってもよい。また、クーラ65は、塗布剤の温度を計測する図示しない測温部によって温度制御されるものであってもよい。
【0064】
次に、図9を用いて、塗布具の第7の例を説明する。図9は、実施形態における塗布具の第7の例を示す正面図である。なお、塗布具の第7の例は、図5で説明した塗布具3の変形例であり、構造が同一の部分は説明を省略する場合がある。
【0065】
図9において、塗布具7は、櫛歯台71、第1櫛歯72、第2櫛歯73、取付部74、においセンサ75、スイッチ76、吸気管77、吸気歯78および表示部79を備える。櫛歯台71、第2櫛歯73および取付部74の構造は、櫛歯台31、第1櫛歯32、第2櫛歯33および取付部34と同様である。
【0066】
においセンサ75は、頭皮のにおいを計測するセンサである。頭皮のにおいは、例えば、皮膚に常在する菌が産生する脂質分解酵素リパーゼにより皮脂中のトリグリセライドが分解されて生じる、主に低級から高級にいたる脂肪酸類である。においセンサ75は、頭皮から生じるこれらの脂肪酸類のにおいを計測するものであってもよい。また、においセンサ75は、頭皮の皮脂のにおいを直接計測するものであってもよい。
【0067】
スイッチ76は、においセンサ75のON/OFFまたは吸気量を調整するためのスイッチである。吸気管77は、吸気歯78の先端から吸引した頭皮近傍の空気をにおいセンサ75に供給する。吸気歯78は、第2櫛歯13と同様に内部に空洞を有し、先端部に設けられた吸気用の開口部から空洞部を介して頭皮近傍の空気を吸気管77に提供する。吸気歯78は、第1櫛歯72と同様に頭髪をかき分けることができる。図9において吸気歯78は、第1櫛歯72と同じ列に配置される場合を示したが、例えば、吸気歯78は第2櫛歯73と同じ列に配置されてもよい。また、においセンサ75に吸引される空気は、吸気歯78の先端以外の場所から吸気されてもよい。例えば、櫛歯台71の上部または側面に吸気用の穴を設けてにおいセンサ75が吸引できるようにしてもよい。
【0068】
表示部79は、においセンサ75の計測結果を表示するランプである。例えば、表示部79は、においセンサ75の計測値が予め定められた所定値以上となったときに点灯させる。利用者は塗布具7を鏡に映すことにより表示部79の点灯を確認することができる。また、表示部79は、においセンサ75の計測値に応じて表示色を変えるようにしてもよい。例えば、表示部79は、においセンサ75の計測値の増加に応じて、表示色を、緑色→黄色→赤色と変えるものであってもよい。
【0069】
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1 塗布具
11 櫛歯台
111 塗布剤供給部
12 第1櫛歯
120 第1列
121 第1先端部
122 第1本体部
13 第2櫛歯
130 第2列
131 第2先端部
1311 吐出口
1312 供給路
132 第2本体部
1321 供給路
14 取付部
141 空洞部
2 塗布具
21 櫛歯台
211 塗布剤供給部
24 取付部
241 空洞部
3 塗布具
31 櫛歯台
311 塗布剤供給部
312 切欠部
32 第1櫛歯
320 第1列
321 第1先端部
322 第1本体部
33 第2櫛歯
330 第2列
331 第2先端部
3311 吐出口
332 第2本体部
34 取付部
341 空洞部
4 塗布具
41 櫛歯台
412 切欠部
42 第1櫛歯
43 第2櫛歯
44 取付部
5 塗布具
51 櫛歯台
511 塗布剤供給部
52 第1櫛歯
53 第2櫛歯
54 取付部
55 ヒータ
56 スイッチ
6 塗布具
61 櫛歯台
62 第1櫛歯
611 塗布剤供給部
63 第2櫛歯
64 取付部
65 クーラ
66 スイッチ
7 塗布具
71 櫛歯台
72 第1櫛歯
711 塗布剤供給部
73 第2櫛歯
74 取付部
75 においセンサ
76 スイッチ
77 吸気管
78 吸気歯
79 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9