(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068090
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】積層型キャパシタ及びその実装基板
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20220426BHJP
【FI】
H01G4/30 201G
H01G4/30 201F
H01G4/30 516
H01G4/30 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093071
(22)【出願日】2021-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0136814
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カン、ドンウー
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE01
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG10
5E082GG11
5E082GG12
(57)【要約】
【課題】外部電極の導電層と導電性樹脂層との界面で発生する浮き上がり現象を防止することができる積層型キャパシタ及びその実装基板を提供する。
【解決手段】
本発明は、複数の誘電体層及び複数の内部電極を含むキャパシタ本体と、上記キャパシタ本体の両端部にそれぞれ配置される導電層、上記導電層をカバーする導電性樹脂層及び上記導電層と上記導電性樹脂層との間に配置される還元された酸化グラフェン層(RGO:Reduced graphene oxide)を含む外部電極と、を含む積層型キャパシタ及びその実装基板を提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の誘電体層及び複数の内部電極を含むキャパシタ本体と、
前記キャパシタ本体の両端部にそれぞれ配置される導電層、前記導電層をカバーする導電性樹脂層及び前記導電層と導電性樹脂層との間に配置される還元された酸化グラフェン層(RGO:Reduced graphene oxide)を含む一対の外部電極と、を含む積層型キャパシタ。
【請求項2】
前記還元された酸化グラフェン層が、前記導電層上に連続されるように形成される、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項3】
前記還元された酸化グラフェン層が、前記導電層上にアイランド状に形成される、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項4】
前記キャパシタ本体は、互いに対向する第1及び第2面、第1及び第2面と連結され、互いに対向する第3及び第4面を含み、
前記内部電極は、前記誘電体層を間に挟んで、一端が前記キャパシタ本体の第3及び第4面を介して交互に露出し、前記キャパシタ本体の第3及び第4面にそれぞれ配置された外部電極とそれぞれ接続される第1及び第2内部電極を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項5】
前記外部電極は、前記導電性樹脂層をカバーするように形成されるめっき層をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項6】
前記めっき層は、
前記導電性樹脂層をカバーするニッケルめっき層と、
前記ニッケルめっき層をカバーするスズめっき層と、を含む、請求項5に記載の積層型キャパシタ。
【請求項7】
一面に互いに離隔されるように配置される一対の電極パッドを有する基板と、
前記基板上に実装される積層型キャパシタと、を含み、
前記積層型キャパシタは、
複数の誘電体層及び複数の内部電極を含むキャパシタ本体と、
前記キャパシタ本体の両端部にそれぞれ配置される導電層、前記導電層をカバーする導電性樹脂層及び前記導電層と導電性樹脂層との間に配置される還元された酸化グラフェン層(RGO:Reduced graphene oxide)を含み、前記一対の電極パッドにそれぞれ接続される一対の外部電極と、を含む、積層型キャパシタの実装基板。
【請求項8】
前記還元された酸化グラフェン層が、前記導電層上に連続されるように形成される、請求項7に記載の積層型キャパシタの実装基板。
【請求項9】
前記還元された酸化グラフェン層が、前記導電層上にアイランド状に形成される、請求項7に記載の積層型キャパシタの実装基板。
【請求項10】
前記キャパシタ本体は、互いに対向する第1及び第2面、第1及び第2面と連結され、互いに対向する第3及び第4面を含み、
前記内部電極は、前記誘電体層を間に挟んで、一端が前記キャパシタ本体の第3及び第4面を介して交互に露出し、前記キャパシタ本体の第3及び第4面にそれぞれ配置された外部電極とそれぞれ接続される第1及び第2内部電極を含む、請求項7から9のいずれか一項に記載の積層型キャパシタの実装基板。
【請求項11】
前記外部電極は、前記導電性樹脂層をカバーするように形成されるめっき層をさらに含む、請求項7から10のいずれか一項に記載の積層型キャパシタの実装基板。
【請求項12】
前記めっき層は、
前記導電性樹脂層をカバーするニッケルめっき層と、
前記ニッケルめっき層をカバーするスズめっき層と、を含む、請求項11に記載の積層型キャパシタの実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型キャパシタ及びその実装基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型キャパシタ(MLCC:Multi-Layered Ceramic Capacitor)は、小型でありながら高容量が保障され、実装が容易であるという特徴を有している。
【0003】
最近では、IT分野だけでなく、電装の需要が拡大し、安定した機械的特性及び高い信頼性を有する積層型キャパシタの開発が要求されている。
【0004】
このとき、積層型キャパシタの安定した機械的特性及び信頼性を確保するために、導電性樹脂を含む2次外部電極が活用されているが、1次外部電極の主成分である金属の表面と導電性樹脂からなる2次外部電極の界面で浮き上がり現象が発生する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第2015-0068622号公報
【特許文献2】特開2011-190151号公報
【特許文献3】韓国登録特許第10-2079178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、外部電極の導電層と導電性樹脂層との界面で発生する浮き上がり現象を防止することができる積層型キャパシタ及びその実装基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面は、複数の誘電体層及び複数の内部電極を含むキャパシタ本体と、上記キャパシタ本体の両端部にそれぞれ配置される導電層、上記導電層をカバーする導電性樹脂層及び上記導電層と上記導電性樹脂層との間に配置される還元された酸化グラフェン層(RGO:Reduced graphene oxide)を含む一対の外部電極と、を含む積層型キャパシタを提供する。
【0008】
本発明の一実施形態において、上記還元された酸化グラフェン層が、上記導電層上に連続されるように形成されることができる。
【0009】
本発明の一実施形態において、上記還元された酸化グラフェン層が、上記導電層上にアイランド状に形成されることができる。
【0010】
本発明の一実施形態において、上記キャパシタ本体は、互いに対向する第1及び第2面、第1及び第2面と連結され、互いに対向する第3及び第4面を含み、上記内部電極は、上記誘電体層を間に挟んで一端が上記キャパシタ本体の第3及び第4面を介して交互に露出し、上記キャパシタ本体の第3及び第4面にそれぞれ配置された外部電極とそれぞれ接続される第1及び第2内部電極を含むことができる。
【0011】
本発明の一実施形態において、上記外部電極は、上記導電性樹脂層をカバーするように形成されるめっき層をさらに含むことができる。
【0012】
このとき、上記めっき層は、上記導電性樹脂層をカバーするニッケルめっき層と、上記ニッケルめっき層をカバーするスズめっき層と、を含むことができる。
【0013】
本発明の他の側面は、一面に互いに離隔されるように配置される一対の電極パッドを有する基板と、上記基板上に実装される積層型キャパシタと、を含み、上記積層型キャパシタは、複数の誘電体層及び複数の内部電極を含むキャパシタ本体と、上記キャパシタ本体の両端部にそれぞれ配置される導電層、上記導電層をカバーする導電性樹脂層及び上記導電層と上記導電性樹脂層との間に配置される還元された酸化グラフェン層(RGO:Reduced graphene oxide)を含み、上記一対の電極パッドにそれぞれ接続される一対の外部電極と、を含む、積層型キャパシタの実装基板を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施形態によると、積層型キャパシタの外部電極において、導電層から導電性樹脂層が浮き上がる現象を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態による積層型キャパシタを概略的に示す斜視図である。
【
図2】(a)~(b)は、
図1の積層型キャパシタに適用される第1及び第2内部電極をそれぞれ示す斜視図である。
【
図4】本発明の他の実施形態による還元された酸化グラフェン層を示す断面図である。
【
図6】
図3にめっき層がさらに配置されたことを示す断面図である。
【
図7】導電層、導電性樹脂層、及び還元された酸化グラフェン層の結合構造を示す模式図である。
【
図8】
図4の積層型キャパシタが基板に実装された状態を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0017】
また、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0018】
以下、本発明の実施形態を明確に説明するために、キャパシタ本体110の方向を定義すると、図面に示されているX、Y、及びZはそれぞれ、キャパシタ本体110の長さ方向、幅方向及び厚さ方向を示す。また、本実施形態において、Z方向は、誘電体層が積層される積層方向と同一の概念として用いられる。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態による積層型キャパシタを概略的に示す斜視図であり、
図2(a)~
図2(b)は、
図1の積層型キャパシタに適用される第1及び第2内部電極をそれぞれ示す斜視図であり、
図3は、
図1のI-I'線に沿った断面図である。
【0020】
図1~
図3を参照すると、本実施形態による積層型キャパシタ100は、キャパシタ本体110と、第1及び第2外部電極130、140を含む。
【0021】
キャパシタ本体110は、複数の誘電体層111をZ方向に積層して、焼成したものであり、キャパシタ本体110の互いに隣接する誘電体層111間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0022】
このとき、キャパシタ本体110は、おおよそ六面体形状であることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。また、キャパシタ本体110の形状、寸法、及び誘電体層111の積層数が、本実施形態の図面に示されたものに限定されるものではない。
【0023】
本実施形態においては、説明の便宜のために、キャパシタ本体110のZ方向に互いに対向する両面を第1及び第2面1、2と、第1及び第2面1、2と連結され、X方向に互いに対向する両面を第3及び第4面3、4と、第1及び第2面1、2と連結され、第3及び第4面3、4と連結され、Y方向に互いに対向する両面を第5及び第6面5、6と定義する。
【0024】
また、本実施形態において、積層型キャパシタ100の実装面は、キャパシタ本体110の第1面1であることができる。
【0025】
誘電体層111は、高誘電率のセラミック材料を含むことができ、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)系セラミック粉末などを含むことができ、十分な静電容量が得られる限り、本発明がこれに限定されるものではない。
【0026】
また、誘電体層111には、上記セラミック粉末とともに、セラミック添加剤、有機溶剤、可塑剤、結合剤、及び分散剤などがさらに添加されることができる。
【0027】
上記セラミック添加剤は、例えば、遷移金属酸化物又は遷移金属炭化物、希土類元素、マグネシウム(Mg)又はアルミニウム(Al)などが用いられることができる。
【0028】
このようなキャパシタ本体110は、キャパシタの容量形成に寄与する部分としての活性領域と、上下マージン部としてZ方向に上記活性領域の上下部にそれぞれ形成される上部及び下部カバー112、113を含むことができる。
【0029】
上部及び下部カバー112、113は、内部電極を含まないことを除いては、誘電体層111と同一の材質及び構成を有することができる。
【0030】
このような上部及び下部カバー112、113は、単一の誘電体層または2つ以上の誘電体層を、上記活性領域の上下面にそれぞれZ方向に積層して形成することができ、基本的に物理的または化学的ストレスによる第1及び第2内部電極121、122の損傷を防止する役割を果たすことができる。
【0031】
第1及び第2内部電極121、122は、互いに異なる極性が印加される電極であり、誘電体層111を間に挟んでZ方向に沿って交互に配置され、一端がキャパシタ本体110の第3及び第4面3、4を介してそれぞれ露出することができる。
【0032】
このとき、第1及び第2内部電極121、122は、中間に配置された誘電体層111により互いに電気的に絶縁されることができる。
【0033】
このようにキャパシタ本体110の第3及び第4面3、4を介して交互に露出する第1及び第2内部電極121、122の端部は、後述するキャパシタ本体110の第3及び第4面3、4に配置される第1及び第2外部電極130、140の第1及び第2導電層131、141とそれぞれ接続されて電気的に連結されることができる。
【0034】
上記のような構成により、第1及び第2外部電極130、140に所定の電圧を印加すると、第1及び第2内部電極121、122の間に電荷が蓄積される。
【0035】
このとき、積層型キャパシタ100の静電容量は、活性領域でZ方向に沿って互いに重なる第1及び第2内部電極121、122の重なり面積と比例するようになる。
【0036】
また、第1及び第2内部電極121、122を形成する材料は、特に制限されず、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、パラジウム-銀(Pd-Ag)合金などの貴金属材料、及びニッケル(Ni)、銅(Cu)のうち1つ以上の物質からなる導電性ペーストを用いて形成することができる。
【0037】
このとき、上記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法又はグラビア印刷法などを用いることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0038】
第1及び第2外部電極130、140は、互いに異なる極性の電圧が提供され、キャパシタ本体110のX方向の両端部に配置され、第1及び第2内部電極121、122の露出する部分とそれぞれ接続されて電気的に連結されることができる。
【0039】
このとき、第1及び第2外部電極130、140は、キャパシタ本体110の表面にそれぞれ形成され、第1及び第2内部電極121、122とそれぞれ電気的に接続される第1及び第2導電層131、141と、第1及び第2導電層131、141をそれぞれカバーするように形成される第1及び第2導電性樹脂層132、142をそれぞれ含む。
【0040】
第1導電層131は、第1内側の接続部131a及び第1内側のバンド部131bを含むことができる。
【0041】
第1内側の接続部131aは、キャパシタ本体110の第3面3に形成されて第1内部電極121と接続される部分であり、第1内側のバンド部131bは、第1内側の接続部131aからキャパシタ本体110の第1面1の一部まで延長される部分である。
【0042】
このとき、第1内側のバンド部131bは、固着強度の向上などのためにキャパシタ本体110の第5及び第6面5、6の一部及び第2面2の一部までさらに延長されることができる。
【0043】
第2導電層141は、第2内側の接続部141a及び第2内側のバンド部141bを含むことができる。
【0044】
第2内側の接続部141aは、キャパシタ本体110の第4面4に形成されて第2内部電極122と接続される部分であり、第2内側のバンド部141bは、第2内側の接続部141aからキャパシタ本体110の第1面1の一部まで延長される部分である。
【0045】
このとき、第2内側のバンド部141bは、固着強度の向上などのためにキャパシタ本体110の第5及び第6面5、6の一部及び第2面2の一部までさらに延長されることができる。
【0046】
このとき、第1及び第2導電層131、141は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)のうち少なくとも1つを含むことができ、これに併せて、ガラス(Glass)をさらに含むことができる。
【0047】
第1導電性樹脂層132は、第1外側の接続部132a及び第1外側のバンド部132bを含むことができる。
【0048】
第1外側の接続部132aは、第1内側の接続部131aをカバーする部分であり、第1外側のバンド部132bは、第1内側のバンド部131bをカバーした状態でキャパシタ本体110の第1面1の一部まで延長される部分である。
【0049】
このとき、第1外側のバンド部132bは、第1内側のバンド部131bの構造によって、キャパシタ本体110の第5及び第6面5、6の一部及び第2面2の一部までさらに延長されることができる。
【0050】
すなわち、第1導電層131において第1内側のバンド部131bの長さは、第1導電性樹脂層132において第1外側のバンド部132bの長さよりも短く形成されることができる。
【0051】
第2導電性樹脂層142は、第2外側の接続部142a及び第2外側のバンド部142bを含むことができる。
【0052】
第2外側の接続部142aは、第2内側の接続部141aをカバーする部分であり、第2外側のバンド部142bは、第2内側のバンド部141bをカバーした状態でキャパシタ本体110の第1面1の一部まで延長される部分である。
【0053】
このとき、第2外側のバンド部142bは、第2内側のバンド部141bの構造によって、キャパシタ本体110の第5及び第6面5、6の一部及び第2面2の一部までさらに延長されることができる。
【0054】
すなわち、第2導電層141において第2内側のバンド部141bの長さは、第2導電性樹脂層142において第2外側のバンド部142bの長さよりも短く形成されることができる。
【0055】
このような第1及び第2導電性樹脂層132、142は、応力吸収効果を提供し、導電性粒子とベース樹脂としての熱硬化性樹脂を含むことができる。
【0056】
このとき、上記導電性金属は、銅、ニッケル、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)のうち、少なくとも1つであることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0057】
そして、上記熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂であることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0058】
また、第1及び第2導電性樹脂層132、142は、表面にめっき層を追加形成する際、第1及び第2導電層131、141とキャパシタ本体110の内部へのめっき液の浸透を防止することができ、外部からの衝撃による第1及び第2外部電極130、140、またはキャパシタ本体110のクラックを防止する役割を果たすことができる。
【0059】
そして、第1外部電極130は、第1導電層131と第1導電性樹脂層132との間に配置される第1還元された酸化グラフェン層(RGO:Reduced graphene oxide)133'を含むことができる。
【0060】
このとき、第1還元された酸化グラフェン層133'は、第1導電層131上に連続されるように単一体の形態で形成されることができる。
【0061】
他の例として、
図4及び
図5に示すように、第1還元された酸化グラフェン層133は、第1導電層131上にアイランド状に複数個が互いに離隔されるように形成されることができる。
【0062】
第1還元された酸化グラフェン層133'は、第1導電層131の表面に酸化グラフェンをコーティングして形成することができる。
【0063】
このとき、酸化グラフェンを均一にコーティングするために、好ましくは、スプレーコーティング法を利用することができる。
【0064】
このようなスプレーコーティング法を介して第1導電層131上に薄くコーティングされた酸化グラフェンは、第1導電性樹脂層132の硬化温度である240℃で24時間熱処理し、第1還元された酸化グラフェン層133'を形成することができる。
【0065】
そして、第1還元された酸化グラフェン層133'の好ましい厚さは、50nm以下であってもよい。
【0066】
第1還元された酸化グラフェン層133'の厚さが50nmを超えると、第1還元された酸化グラフェン層133'が正しく形成されず、第1導電層131から予期せず分離される問題が発生することがある。
【0067】
このとき、第1還元された酸化グラフェン層133'は、1nm以上であってもよい。
【0068】
このとき、第1還元された酸化グラフェン層133'の最適の厚さは、スプレー噴射量、噴射される酸化グラフェン溶液の濃度、スプレーコーティング回数を調節して得ることができる。
【0069】
第2外部電極140は、第2導電層141と第2導電性樹脂層142との間に配置される第2還元された酸化グラフェン層(RGO:Reduced graphene oxide)143'を含むことができる。
【0070】
このとき、第2還元された酸化グラフェン層143'は、第2導電層141上に連続されるように単一体の形態で形成されることができる。
【0071】
他の例として、
図4及び
図5に示すように、第2還元された酸化グラフェン層143は、第2導電層141上にアイランド状に複数個が互いに離隔されるように形成されることができる。
【0072】
第2還元された酸化グラフェン層143'は、第2導電層141の表面に還元された酸化グラフェンをコーティングして形成することができる。
【0073】
このとき、還元された酸化グラフェンを均一にコーティングするために、好ましくは、スプレーコーティング法を利用することができる。
【0074】
このようなスプレーコーティング法を介して第2導電層141上に薄くコーティングされた酸化グラフェンは、第2導電性樹脂層142の硬化温度である240℃で24時間熱処理し、第2還元された酸化グラフェン層143'を形成することができる。
【0075】
そして、第2還元された酸化グラフェン層143'の好ましい厚さは、50nm以下であってもよい。
【0076】
第2還元された酸化グラフェン層143'の厚さが50nmを超えると、第2還元された酸化グラフェン層133'が正しく形成されず、第2導電層141から予期せず分離される問題が発生することがある。
【0077】
このとき、第2還元された酸化グラフェン層143'は、1nm以上であってもよい。
【0078】
このとき、第2還元された酸化グラフェン層143'の最適の厚さは、スプレー噴射量、噴射される酸化グラフェン溶液の濃度、スプレーコーティング回数を調節して得ることができる。
【0079】
一方、
図6に示すように、第1及び第2外部電極130、140は、第1及び第2導電性樹脂層132、142をカバーするように形成されるめっき層をさらに含むことができる。
【0080】
上記めっき層は、第1及び第2導電性樹脂層132、142をそれぞれカバーする第1及び第2ニッケル(Ni)めっき層134、144と、第1及び第2ニッケルめっき層134、144をそれぞれカバーする第1及び第2スズ(Sn)めっき層135、145を含むことができる。
【0081】
外部電極が導電層及び導電性樹脂層を含む従来の積層型キャパシタは、導電層及び導電性樹脂層が10~40KJ/molの結合エネルギーを有する相対的に結合力の弱い水素結合を介してのみ互いに結合されている。
【0082】
したがって、チップのリフロー(Reflow)工程において、導電性樹脂層の内部の硬化剤で発生した二酸化炭素ガスが外部に排出されず滞留し、導電層と導電層樹脂層の間に浮き不良が発生する原因となることがある。
【0083】
本実施形態においては、エポキシが遷移金属であるZn、Cu、Feなどと導電層の表面で接着を形成するとき、遷移金属のd軌道からエポキシグループ内の酸素のp軌道とベンゼンのπ軌道に電荷移動(charge transfer)して、接着層を形成する。
【0084】
このとき、
図7に示すように、導電層131と導電性樹脂層132との間に酸素を含む様々な官能基グループを有しながら、優れた電気伝導度を有する還元された酸化グラフェン層133が配置され、導電層131と導電性樹脂層132との界面に追加的な水素結合(丸で表示)及びπ-π結合(ダイヤで表示)を提供することができる。
【0085】
そして、還元された酸化グラフェン層は、外部電極に加わる応力が導電層と導電性樹脂層との界面に安定して伝達されるようにし、アコースティックノイズを低減させることができ、導電性樹脂層の機械的特性を向上させることができる。
【0086】
このような作用によって、還元された酸化グラフェン層は、導電性樹脂層が導電層から浮き上がる現象を最小限に抑えることができる。
【0087】
したがって、本実施形態による積層型キャパシタは、アコースティックノイズの低減が必要であり、強力な曲げ強度、高耐湿性及び高容量を必要とするアプリケーション(application)などに有用に使用することができる。
【0088】
図8は、
図4の積層型キャパシタが基板に実装された状態を概略的に示す断面図である。
【0089】
図8を参照すると、本実施形態による実装基板は、基板210と、基板210の上面に互いに離隔されるように配置される第1及び第2電極パッド221、222を含む。
【0090】
このとき、積層型キャパシタ100は、第1及び第2外部電極130、140が、第1及び第2電極パッド221、222上に、それぞれ接触するように位置した状態で接続され、基板210に実装される。
【0091】
このとき、第1外部電極130は、はんだ231により第1電極パッド221と接合されて電気的及び物理的に連結されることができ、第2外部電極140は、はんだ232により第2電極パッド222と接合されて電気的及び物理的に連結されることができる。
【0092】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0093】
100 積層型キャパシタ
110 キャパシタ本体
111 誘電体層
112、113 カバー
121、122 第1及び第2内部電極
130、140 第1及び第2外部電極
131、141 第1及び第2導電層
132、142 第1及び第2導電性樹脂層
133、133' 第1還元された酸化グラフェン層
143、143' 第2還元された酸化グラフェン層
210 基板
221、222 第1及び第2電極パッド
231、232 はんだ