(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068105
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】検出アセンブリの光源の位置の調整
(51)【国際特許分類】
A61M 1/02 20060101AFI20220426BHJP
B04B 13/00 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
A61M1/02 123
B04B13/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021157481
(22)【出願日】2021-09-28
(31)【優先権主張番号】63/085,293
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】308020283
【氏名又は名称】フェンウォール、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100124648
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 和夫
(74)【代理人】
【識別番号】100060368
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 迪夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154450
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 亜紀子
(72)【発明者】
【氏名】カスタース,ベンジャミン,イー
(72)【発明者】
【氏名】マーフィ,ライアン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光源および光検出器を含む検出アセンブリの光源の位置を調整するための方法を提供する。
【解決手段】流体処理装置は、光源、調整システム、および光検出器を有する検出アセンブリを含む。光源は、流体処理装置の構成要素に関連付けられ、流体処理装置の構成要素に対して初期位置に提供され、発光するように構成される。調整システムは、光源に関連付けられており、光源の位置を調整するように構成されている。光検出器は、光源からの光の少なくとも一部を受け取り、光検出器によって受け取られた光の量を示す信号を生成するように構成される。流体処理装置は、光検出器からの信号を受信し、信号に少なくとも部分的に基づいて光源を監視位置に移動するように調整システムを制御するように構成された制御部をさらに含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知アセンブリと制御部を備える流体処理装置であって、
前記検知アセンブリは、
前記流体処理装置の構成要素と関連付けられた光源であって、前記流体処理装置の前記構成要素に対して初期位置に提供され、発光するように構成されている光源と、
前記光源に関連づけられ、前記光源の位置を前記流体処理装置の前記構成要素に対して調整するように構成された調整システムと、
前記光源からの光の少なくとも一部を受容し、受容された光の量を示す信号を生成するように構成された光検出器とを含み、
制御部は、前記光検出器からの信号を受信し、前記光源を前記流体処理装置の前記構成要素に対して前記信号の少なくとも一部に基づいて監視位置に移動させるように前記調整システムを制御するように構成されている、流体処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
(a)前記光検出器からの前記信号を受信して分析し、
(b)前記光源を異なる位置に移動させるように前記調整システムを制御し、
(c)前記光源を前記監視位置に移動させるように前記調整システムを制御する前に前記光源の複数の異なる位置について(a)と(b)を繰り返すように構成されている、請求項1に記載の流体処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記信号のパルス幅と振幅を判断するために前記光検出器からの前記信号を分析し、
前記光源の少なくとも1つの位置について、前記信号の前記パルス幅を予想のパルス幅と比較し、前記信号の前記振幅を最少の振幅と比較し、
前記信号の前記パルス幅が前記予想のパルス幅と等しいか、前記予想のパルス幅と少なくとも実質的に等しく、前記信号の前記振幅が前記最少の振幅と少なくとも等しいと最初に判断したとき、前記光源の現在の位置が前記監視位置であると判断し、前記調整システムが前記光源を移動させることを停止するように制御するように構成されている、請求項2に記載の流体処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
(a)前記信号の振幅を判断するために前記光検出器からの前記信号を受信して分析し、
(b)前記信号の前記振幅が少なくとも最初の振幅に等しいと判断したとき、前記信号のパルス幅を判断し、前記信号の前記パルス幅を予想のパルス幅と比較するために前記信号を分析し、
(c)前記光源の前記複数の異なる位置について(a)と(b)を繰り返し、
(d)前記信号の前記振幅が少なくとも最少の振幅に等しく、前記信号の前記パルス幅が前記予想のパルス幅に等しいか少なくとも前記予想のパルス幅と実質的に等しい、前記光源の前記第1の位置を判断し、
(e)前記信号の前記振幅が少なくとも前記最少の振幅に等しく、前記信号の前記パルス幅が前記予想のパルス幅と等しいか少なくとも前記予想のパルス幅と実質的に等しい、前記光源の最後の位置を判断し、そして、
(f)前記監視位置が前記第1の位置と前記最後の位置の中点であると判断するように構成されている、請求項2に記載の流体処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
(a)前記信号の振幅を判断するために前記光検出器からの前記信号を分析し、
(b)前記信号の前記振幅が少なくとも最少の振幅に等しいと判断したとき、前記信号のパルス幅を判断し、前記信号の前記パルス幅を予想されたパルス幅と比較するために前記信号を分析し、
前記光源の複数の異なる位置について(a)と(b)を繰り返し、
前記信号が前記最少の振幅に等しく、前記信号の前記パルス幅が前記予想されたパルス幅に等しいか前記予想されたパルス幅に実質的に等しい、光源の複数の位置があると判断するとき、前記信号の振幅を前記複数の位置で比較し、
前記監視位置が前記光検出器からの前記信号が最大の振幅を有する前記複数の位置の1つであると判断するように構成されている、請求項2に記載の流体処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記光源からの前記信号は最大の振幅を少なくとも2つの光源の位置において有すると判断するとき、前記少なくとも2つの位置について前記信号の前記パルス幅を比較し、
前記監視位置は、前記信号の前記パルス幅が前記予想のパルス幅に最も近い前記少なくとも2つの位置の間の位置にあると判断するように構成されている、請求項5に記載の流体処理装置。
【請求項7】
前記光源の前記初期位置が非監視位置であるように選択されている、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の流体処理装置。
【請求項8】
回転軸を中心に回転するように構成された遠心分離器をさらに備え、前記調整システムは、前記光源を前記回転軸に平行な方向において移動させるように構成されている、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の流体処理装置。
【請求項9】
前記光源は、前記回転軸に直交する平面で光を放出するように構成されており、
前記光検出器は、前記回転軸に少なくともほぼ平行な方向において前記光の少なくとも一部を受け取るように構成されている、請求項8に記載の流体処理装置。
【請求項10】
前記光源は、前記流体処理装置の静止構成要素と関連している、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の流体処理装置。
【請求項11】
前記調整システムは、
前記光源の少なくとも一部を受容するキャリッジと、
前記キャリッジに関連付けられる親ねじと、
前記制御部によって作動して前記親ねじを回転させ、それによって前記流体処理装置の前記構成要素に対して前記キャリッジおよび前記光源を動かすように構成されたステッピングモーターとを含む、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の流体処理装置。
【請求項12】
前記調整システムは、前記流体処理装置の前記構成要素に対する前記光源の初期位置を決定するように構成されたホームセンサを含む、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の流体処理装置。
【請求項13】
光源および光検出器を含む検出アセンブリの光源の位置を調整する方法であって、前記光源は流体処理装置の構成要素に関連付けられ、前記構成要素に対して初期位置に提供される方法であって、
前記光源から光を放出し、
前記光検出器で前記光の少なくとも一部を受け取り、前記光検出器が受け取った光の量を示す信号を生成し、
少なくとも部分的に前記信号に基づいて前記光源を前記流体処理装置の前記構成要素に関して監視位置に移動させることを含む、方法。
【請求項14】
(a)前記光検出器からの前記信号を受信して分析し、
(b)前記光源を別の位置に移動させ、
(c)前記光源を前記監視位置に移動する前に、複数の異なる前記光源の位置に対して(a)と(b)を繰り返すことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記光検出器からの前記信号を分析して、前記信号のパルス幅と振幅を決定し、
前記光源の少なくとも1つの位置について、前記信号の前記パルス幅を予想のパルス幅と比較し、前記信号の前記振幅を最小振幅と比較し、
前記信号の前記パルス幅が前記予想のパルス幅に等しいか、または少なくとも実質的に前記予想のパルス幅に等しいこと、および、前記信号の前記振幅が少なくとも前記最小振幅に等しいことを最初に決定すると、前記光源の現在の位置は前記光源の監視位置であると判断し、前記光源の移動を停止されることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
(a)前記光検出器からの前記信号を分析して前記信号の振幅を決定し、
(b)前記信号の前記振幅が少なくとも最小振幅に等しいと判断したとき、前記信号を分析して前記信号のパルス幅を決定し、前記信号の前記パルス幅を予想のパルス幅と比較し、
(c)前記光源の前記複数の異なる位置について(a)および(b)を繰り返し、
(d)前記信号の前記振幅が少なくとも前記最小振幅に等しく、前記信号の前記パルス幅が前記予想のパルス幅に等しいか、または少なくとも実質的に前記予想のパルス幅に等しい光源の第1の位置を決定し、
(e)前記信号の前記振幅が少なくとも前記最小振幅に等しく、前記信号の前記パルス幅が前記予想のパルス幅に等しいか、または少なくとも実質的に予想のパルス幅に等しい前記光源の最後の位置を判断し、
(f)前記監視位置が前記第1の位置と前記最後の位置の中間にあると判断することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
(a)前記光検出器からの前記信号を分析して前記信号の振幅を決定し、
(b)前記信号の前記振幅が少なくとも最小振幅に等しいと判断したとき、前記信号を分析して前記信号のパルス幅を決定し、前記信号の前記パルス幅を予想のパルス幅と比較し、
前記光源の前記複数の異なる位置について(a)および(b)を繰り返し、
前記信号が少なくとも前記最小振幅に等しく、前記信号の前記パルス幅が前記予想のパルス幅に等しいか、または少なくとも実質的に予想のパルス幅に等しい前記光源の複数の位置があると判断するとき、前記複数の位置の信号の振幅を比較し、
前記監視位置が、前記光検出器からの信号が最大の振幅を有する前記複数の位置の1つにあると判断することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記光検出器からの前記信号が前記光源の少なくとも2つの位置で最大の振幅を有すると判断したとき、前記少なくとも2つの位置の前記信号の前記パルス幅を比較し、
前記監視位置が、前記信号のパルス幅が前記予想のパルス幅に最も近い前記少なくとも2つの位置の間の位置にあると判断することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記光源の前記初期位置が非監視位置であるように選択される、請求項13から請求項18までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記光源が、遠心分離器の回転軸に平行な方向において移動するように構成されている、請求項13から請求項19までのいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連する出願の相互参照]
この出願は、2020年9月30日に出願された米国仮特許出願番号63/085,293号の利益および優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、検出アセンブリに関する。より具体的には、本開示は、検出アセンブリの光源の位置の調整に関する。
【背景技術】
【0003】
[関連する技術の説明]
様々な血液処理システムにより、全血ではなく特定の血液成分を血液源から収集することが可能になった。通常、このようなシステムでは、全血が供給源から採取され、特定の血液成分または構成成分が除去および収集され、残りの血液成分が供給源に戻される。
【0004】
全血は、通常、遠心分離によってその成分に分離される。これは、全血が供給源から取り出された後、元に戻される前に遠心分離器を通過する必要がある。供給源の汚染および感染の可能性を回避するために、血液は、遠心分離工程全体を通して、密封された滅菌流体流回路内に含まれることが好ましい。したがって、典型的な血液処理システムは、血液を回転およびポンプ輸送するハードウェア(駆動システム、ポンプ、弁アクチュエータ、プログラム可能な制御部など)を含む耐久性で再利用可能な遠心分離アセンブリ、および、ハードウェアに連携して取り付けられている使い捨ての密封された滅菌流体処理アセンブリを含む。遠心分離器アセンブリは、収集手順中に、流体処理アセンブリの使い捨ての遠心分離室と係合して回転する。ただし、血液は流体処理アセンブリとのみ実際に接触する。流体処理アセンブリは1回だけ使用され、その後廃棄される。
【0005】
全血が遠心分離器によって回転されるとき、赤血球などのより重い(より大きな比重の)成分は、回転の中心から離れて、分離室の外壁または「高G」壁に向かって半径方向外向きに移動する。血漿などの軽い(比重の低い)成分は、分離室の内壁または「低G」壁に向かって移動する。これらの成分のさまざまなものは、分離室内に適切に配置されたチャネリングシールと出口ポートを形成することにより、全血から選択的に除去することができる。
【0006】
遠心分離器内の流回路を通る血液および/または血液成分の流れを監視し、流れの様々な特性を決定するために、光学センサセンブリを使用することが知られている。例えば、PCT特許出願の国際公開第WO2018/053217 A1(これは参照により本明細書に組み込まれる)は、分離された血液成分間の界面の位置を検出および制御するための遠心分離室を観察するための光学センサセンブリに関する。このアセンブリでは、他の検出アセンブリと同様に、手順中に流体が適切に監視されていることを確実にするために、監視対象に対して検出アセンブリのさまざまな構成要素を適切に位置合わせする必要がある。流体流回路が、検出アセンブリの性能に影響を与える方法でハードウェアに取り付けられている場合があり、パフォーマンスを向上させるために、ハードウェアに取り付けられた使い捨て回路の方向に応じて(または他の要因に応じて)検出アセンブリの光源を調整できることが有利である。
【発明の概要】
【0007】
以下に記載され、請求される装置およびシステムにおいて、別個にまたは一緒に具体化され得る、本主題のいくつかの態様が存在する。これらの態様は、単独で、または本明細書に記載の主題の他の態様と組み合わせて使用することができ、これらの態様を一緒に説明することは、これらの態様を別々に使用すること、またはそのような態様を本明細書に添付された特許請求の範囲に記載されている別々にまたは異なる組み合わせで使用することを排除することを意図するものではない。
【0008】
一態様では、流体処理装置は、光源、調整システム、および光検出器を有する検出アセンブリを含む。光源は、流体処理装置の構成要素に関連付けられ、流体処理装置の前記構成要素に対して初期位置に提供され、発光するように構成される。調整システムは、光源に関連付けられており、流体処理装置の関連する構成要素に対して光源の位置を調整するように構成されている。光検出器は、光源からの光の少なくとも一部を受け取り、光検出器によって受け取られた光の量を示す信号を生成するように構成される。流体処理装置はまた、光検出器から信号を受信し、調整システムを制御して、流体処理装置の関連する構成要素に関して、少なくとも部分的に信号に基づいて監視位置に光源を移動させるように構成された制御部を含む。
【0009】
別の態様では、光源および光検出器を含む検出アセンブリの光源の位置を調整するための方法であって、光源は、流体処理装置の構成要素に関連付けられ、流体処理装置の関連する構成要素に対する初期位置に提供される方法が提供される。この方法は、光源から光を放出し、光検出器で光の少なくとも一部を受け取り、光検出器が受け取った光の量を示す信号を生成し、信号の少なくとも一部に基づいて、光源を、流体処理装置の関連する構成要素に対して監視位置へ動かすことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本開示の一態様による流体処理システムの構成要素を含む例示的な流体処理装置の斜視図である。
【0011】
図2は、本開示の一態様による流体処理システムを完成させるために
図1の流体処理装置に取り付けられ得る例示的な使い捨て流体流回路の概略図である。
【0012】
図3は、流体流回路の遠心分離室が取り付けられた、
図1の流体処理装置の例示的な遠心分離器の斜視図である。
【0013】
図4は、
図1に示される流体処理装置に関連して様々な異なる流体処理手順を実行するように作動させられ得る、流体流回路の例示的なカセットの上面図である。
【0014】
図5は、
図3の遠心分離器の斜視図であり、その選択された部分が切り離されて、界面監視アセンブリの光源を示している。
【0015】
図6は、
図3の遠心分離器の斜視図であり、光源は、光ビームを界面監視アセンブリの光検出器に送信するように動作している。
【0016】
図7は、
図3の遠心分離器の斜視図であり、その選択された部分が切り取られて、界面監視アセンブリの光源および光検出器を示している。
【0017】
図8は、流体流回路の例示的な遠心分離室の斜視図である。
【0018】
【0019】
図10は、
図8の遠心分離室を通る流体流路の底面斜視図である。
【0020】
図11は、
図8~10の遠心分離室のチャネルの一部の拡大斜視図であり、チャネル内に定義された傾斜路上の(典型的には)所望の位置に配置されている分離された流体成分間の界面を有する。
【0021】
図12は、
図11のチャネルおよび傾斜路の拡大斜視図であり、界面は、傾斜路上の(典型的には)望ましくない高い位置にある。
【0022】
図13は、
図11のチャネルおよび傾斜路の拡大斜視図であり、界面は、傾斜路上の(典型的には)望ましくない低い位置にある。
【0023】
図14は、
図8~10の遠心分離室と組み合わせて使用されるプリズム反射器の斜視図である。
【0024】
図15は、
図14のプリズム反射器の斜視図であり、光がそれを透過していることを示している。
【0025】
図16~19は、較正段階中に光源からの光の経路を通過する遠心分離室の傾斜路およびプリズム反射器の概略図である。
【0026】
図20~23は、
図16~19に示される条件の間に光検出器によって送信される電圧出力または信号の概略図である。
【0027】
図24は、
図8~10の遠心分離室のチャネルおよびプリズム反射器の斜視図であり、プリズム反射器が界面監視アセンブリの光源と適切に位置合わせされている。
【0028】
図25と
図26は、
図8~10の遠心分離室のチャネルおよびプリズム反射器の斜視図であり、プリズム反射器が界面監視アセンブリの光源と適切に位置合わせされていない。
【0029】
図27は、
図8~10の遠心分離室のチャネルおよびプリズム反射器の斜視図であり、界面監視アセンブリの光源の例示的な移動範囲を示す。
【0030】
図28は、例示の目的で選択された部分が切り取られた、界面監視アセンブリの光源の位置を調整するための例示的な調整システムの斜視図である。
【0031】
図29~31は、
図28の調整システムの斜視図であり、異なる位置にある光源を示している。
【0032】
図32~34は、本開示の一態様による、検出アセンブリの光源の位置を調整するための例示的なアプローチのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本明細書に開示される実施形態は、本主題の説明を提供することを目的としており、主題は、詳細に示されていない様々な他の形態および組み合わせで具体化され得ることが理解される。したがって、本明細書に開示される特定の意匠および特徴は、添付の特許請求の範囲で定義される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0034】
図1~34は、本主題の様々な態様を具体化する血液または流体処理システムの構成要素および態様を示す。このシステムは、血液を2つ以上の成分に分離する際の使用に関して本明細書で説明することができるが、本開示によるシステムは、様々な生物学的流体または体液(抗凝固処理された血液のように、体液および非体液の両方を含む流体を含む)を処理するために使用できることを理解されるべきである。
【0035】
本開示による流体処理システムは、典型的には、2つの主成分、耐久性があり再利用可能な流体処理装置10(
図1)および使い捨て流体流回路12(
図2)を含む。使い捨て流体流回路12は体液を処理するのに有利であり得るが、本明細書に記載の原理は非体液に適用可能であり、その場合、使い捨て流体流回路は省略され得ることが理解されるべきである。
【0036】
図示の流体処理装置10は、回転膜分離器駆動ユニット14(
図1)、遠心分離装置または遠心分離器16(
図3)、使い捨て流動回路12を通る流体の流れを制御する追加の構成要素、および制御部18(
図1)を含み、制御部は、オペレータによって選択された手順を実行するために、流体処理装置10の他の構成要素(検出アセンブリを含む)の動作を制御する。検出アセンブリの光源の調整に関して本明細書で説明される原理は、特定の流体処理システムまたは手順に限定されないので、完全な流体処理装置または手順は、本明細書で詳細に説明されない。しかしながら、
図1の流体処理装置10の詳細な説明、およびそのようなシステムを使用して実行することができる様々な例示的な手順については、PCT特許出願の国際公開第WO2018/053217 A1を参照することができる。
【0037】
I.耐久性のある流体処理装置
流体処理装置10(
図1)は、長期間使用できる耐久性のあるアイテムとして構成されている。
図1の流体処理装置10は、1つの可能な構成の単なる例示であり、本開示による流体処理装置は、異なって構成され得ることを理解されたい。
【0038】
図示の実施形態では、流体処理装置10は、単一のハウジングまたはケース20に組み込まれている。図示のケース20は、全体的に水平な部分22(視認性および人間工学を強化するために傾斜または角度を付けられた面または上面を含み得る)および全体的に垂直な部分24を含む。回転膜分離器駆動ユニット14および遠心分離器16は、ケース20の全体的に水平な部分22に組み込まれているように示され、一方、制御部18は、全体的に垂直な部分24に組み込まれているように示されている。
【0039】
A.回転膜分離器駆動ユニット
図示の流体処理装置10は、流体流回路12(
図2)の全体的に円筒形の回転膜分離器26を収容するための回転膜支持体または回転膜分離器駆動ユニット14(
図1)を含む。米国特許第5,194,145号(参照により本明細書に組み込まれる)は、流体処理装置10への組み込みに適した例示的な回転膜分離器駆動ユニットを記載しているが、回転膜分離器駆動ユニット14は、本開示の範囲から逸脱することなく異なって構成され得ることが理解されるべきである。
【0040】
典型的には、回転膜分離器は、光源を有する検出アセンブリによって監視されないので、検出アセンブリの光源の位置の調整に関する本明細書に記載の原理は、遠心分離器16により適用可能であり得る。しかしながら、回転膜分離器に出入りする導管は、光源を有する検出アセンブリによって監視することができ、したがって、本明細書に記載の光源調整原理は、そのような検出アセンブリに適用可能であり得る。さらに、回転膜が光源を有する検出アセンブリによって監視される範囲で、本明細書に記載の光源調整原理は、そのような検出アセンブリに適用可能であり得る。
【0041】
B.遠心分離器
検出アセンブリの光源の位置の調整は、本明細書では、遠心分離器16の検出アセンブリの文脈で説明されている。したがって、例示の目的で、特別に構成された遠心分離器16および関連する遠心分離室32および検出アセンブリが本明細書で説明される。しかしながら、そのような原理は、遠心分離器16の任意の構成と組み合わせて、または遠心分離器の非存在下で実施され得ることを理解されたい。
【0042】
図示の遠心分離器16は、遠心分離器16の他の構成要素を受け入れることができる遠心分離区画34を含む(
図3)。遠心分離区画34は、流体流回路12の遠心分離室32を挿入および除去するために開かれる蓋36を含み得る。分離手順の間、遠心分離室32は、遠心分離器16の電気駆動モーターまたはローター40の動力の下で軸38を中心に回転または回転するので、遠心分離室32が遠心分離区画34内に配置された状態で蓋36を閉じることができる。
【0043】
遠心分離器16の特定の構成および動作は、流体流回路12の遠心分離室32の特定の構成に依存する。一実施形態では、遠心分離器16は、構造および動作においてドイツ国バード ホムブルクのフレセニウス カビ アーゲーの関連会社である、イリノイ州レイク ズーリックのフェンウォール、インコーポレイテッドによって製造されたALYXシステムのものと類似している。詳細は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,075,468号に記載されている。より具体的には、遠心分離器16は、遠心分離室32およびヨーク部材44を保持する担持または支持体42を含み得る。ヨーク部材44は、遠心分離室32と流体流回路12のカセット48との間に延びる流体流回路12のアンビリカス46と係合する(
図4)。ヨーク部材44は、アンビリカス46を1オメガの回転速度で遠心分離室32の周りを周回させる。アンビリカス46は、遠心分離室32の周りを周回するときに、それ自体の軸を中心にねじれる。既知の設計によれば、アンビリカス46がヨーク部材44と共に1オメガで回転するときにその軸の周りでねじれることにより、遠心分離室32に2オメガの回転が与えられる。1オメガ回転速度でのヨーク部材44および2オメガ回転速度での遠心分離室32の相対回転は、アンビリカス46をねじれずに保ち、回転するの必要性を回避する。
【0044】
流体は、アンビリカス46によって遠心分離室32に導入され、回転する際の遠心力の結果として遠心分離室32内で流体は分離される(例えば、流体が血液である場合、多血小板血漿などのより密度の低い成分の層、および層に、そして流体が血液である場合、濃厚赤血球のようなより高密度の層に)。界面監視アセンブリの構成要素は、遠心分離区画16内に配置されて、遠心分離室32内の流体の分離を監視することができる。
図5~7に示されるように、界面監視アセンブリは、光源50と光検出器52を含み得、光検出器は、光源50によって放出された光の少なくとも一部を受け取るように配置および配向されている。図示の光源50および光検出器52は、遠心分離区画34の静止面に関連付けられているが、代わりに、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,316,667号にあるように、流体処理装置10の可動構造または構成要素に関連付けられ得る。さらに、本明細書でより詳細に説明するように、光源50の位置は、本開示の一態様に従って、それが関連付けられている流体処理装置10の構造または構成要素に関して調整することができる。
【0045】
界面監視アセンブリの様々な構成要素の初期またはデフォルトの配向および位置は、少なくとも部分的に、遠心分離室32の特定の構成に依存する。しかしながら、一般に、光源50は、遠心分離室32(光Lまたは光Lの少なくとも特定の波長を吸収することなく実質的に透過する材料で形成され得る)内の分離された流体成分を通して光ビーム「L」(例えば、レーザー光ビーム)を放出する。光Lの一部は、光検出器52に到達し、光検出器52は、分離された流体成分間の界面の位置を示す信号を制御部18に送信する。制御部18が、界面が間違った位置にあると判断した場合(これは、遠心分離器16の分離効率および/または分離された血液成分の品質に影響を及ぼし得る)、制御部は、界面を適切な場所に移動するように操作を変更するように、流体処理装置10の適切な構成要素にコマンドを発行することができる。
【0046】
C.流体処理装置の他の構成要素
回転膜分離器駆動ユニット14および遠心分離器16に加えて、流体処理装置10は、流体処理を支援するためにコンパクトに配置された他の構成要素を含み得る。例示的な構成要素(ポンプシステム、流体流回路12のカセット48を収容するためのカセットステーション54を含む)は、PCT特許出願の国際公開第WO2018/053217 A1にさらに詳細に記載されている。
【0047】
流体処理装置10の様々な構成要素の中には、複数の検出アセンブリD1~D3がある。本明細書に記載の調整原理は、遠心分離器16の界面監視アセンブリを参照して提示されているが、同様の原理が、他の検出アセンブリD1~D3、ならびにここに記載されているものとは異なる構成の検出アセンブリに適用され得ることが理解されるべきである。
【0048】
検出アセンブリの1つは、遠心分離器16から流出する流体の1つまたは複数の特性を決定するための遠心分離器出口センサD1を備える。遠心分離器16から流出する流体が赤血球を含む場合、遠心分離器出口センサD1は、流体のヘマトクリット値を決定するように構成され得る。遠心分離器16から流出する流体が多血小板血漿である場合、遠心分離器出口センサD1は、多血小板血漿の血小板濃度を決定するように構成され得る。遠心分離器出口センサD1は、流体が流体流回路12の管を通って流れるときに流体を光学的に監視することによって、または任意の他の適切なアプローチによって、流体の1つまたは複数の特性を検出することができる。制御部18は、遠心分離器16から流出する流体の1つまたは複数の特性を示す信号を遠心分離器出口センサD1から受信し、その信号を使用して、その特性に基づいて手順を最適化することができる。
【0049】
検出アセンブリの別の1つは、流体流回路12の回転膜分離器26から分離された流体成分を流出させる流体流回路12の管を収容する回転膜出口センサD2を含む。
【0050】
検出アセンブリの第3のものは、流体をレシピエントに流す流体流回路12の管を収容する空気検出器D3(例えば、超音波気泡検出器)を含む。空気がレシピエントに到達するのを防ぐことが有利である可能性があるため、空気検出器D3は、管内の空気の有無を示す信号を制御部18に送信することができる。管内に空気が存在することを信号が示している場合、制御部18は、アラームまたはエラー状態を開始して、オペレータにその状態を警告し、および/または、空気がレシピエントに到達するのを防ぐための是正措置(例えば、管を通る流体の流れを逆転させる、または、流れを通気位置に迂回させることによって)を講じることができる。
【0051】
D.制御部
上記のように、流体処理装置10は、流体処理装置10の動作を制御するように適切に構成および/またはプログラムされた制御部18を含む。一実施形態では、制御部18は、主処理ユニット(MPU)を備える。これは、例えば、インテルコーポレーションによって製造されたペンティアム(登録商標)タイプのマイクロプロセッサを含むことができるが、他のタイプの従来のマイクロプロセッサを使用することができる。一実施形態では、制御部18は、オペレータ・インタフェイス・ステーション(例えば、タッチスクリーン)に隣接するか、またはそれに組み込まれる、ケース20の全体的に垂直な部分24の内部に取り付けられ得る。他の実施形態では、制御部18およびオペレータ・インタフェイス・ステーションは、全体的に水平な部分22に関連付けられ得るか、または流体処理装置10に(ケーブルなどによって物理的に、または無線で)接続される別個の装置に組み込まれ得る。
【0052】
制御部18は、少なくとも1つの流体処理アプリケーションを実行するように構成および/またはプログラムされるが、より有利には、様々な異なる流体処理アプリケーションを実行するように構成および/またはプログラムされる。例えば、制御部18は、以下のうちの1つまたは複数を実行するように構成および/またはプログラムされ得る:二重ユニット赤血球収集手順、血漿収集手順、血漿/赤血球収集手順、赤血球/血小板/血漿収集手順、血小板収集手順、血小板/血漿収集手順、および、単核細胞収集手順。追加または代替の手順の適用(例えば、血漿交換、赤血球交換、およびフォトフェレーシス)は、本開示の範囲から逸脱することなく含めることができる。
【0053】
より具体的には、これらの流体処理アプリケーションのいずれか1つを実行する際に、制御部18は、以下のタスクの1つまたは複数を制御するように構成および/またはプログラムされる。流体処理装置10に取り付けられた流体流回路12内に流体を引き出し、流体流回路12を介して分離のための場所(すなわち、流体流回路12の回転膜分離器26または遠心分離室32)に流体を輸送し、必要に応じて流体を2以上の成分に分離し、分離された成分を、貯蔵容器、さらなる分離のための第2の場所(例えば、最初の分離段階で使用されなかった回転膜分離器26と遠心分離室32のいずれか)、または、レシピエント(流体が最初に引き出された供給源であり得る)に輸送する。
【0054】
これは、回転膜分離器駆動ユニット14および/または遠心分離器16に特定の回転速度で動作するように指示し、ポンプに流体流回路12の一部を通して特定の流量で流体を運ぶように指示することを含み得る。したがって、本明細書では、流体処理装置10の特定の構成要素(例えば、回転膜分離器駆動ユニット14または遠心分離器16)が特定の機能を実行すると説明することができるが、その構成要素はその機能を実行するために制御部18によって制御されることが理解されるべきである。
【0055】
手順の前、最中、および後に、制御部18は、流体処理装置10の様々な構成要素から信号を受信して、流体処理装置10の動作の様々な態様、ならびに、流体流回路12を通って流れる流体および分離された流体構成要素の特性を監視することができる。構成要素のいずれかの動作および/または流体または分離された流体構成要素の1つまたは複数の特性が許容範囲外である場合、制御部18は、警報またはエラー状態を開始して、オペレータに警告し、および/または、状態を修正することを試みるために以下の処置をとることができる。適切な是正措置は、特定のエラー状態に依存し、オペレータの関与の有無にかかわらず実行される措置を含む場合がある。
【0056】
例えば、制御部18は、界面監視アセンブリの光検出器52および遠心分離器出口センサD1から信号を受信する界面制御モジュールを含み得る。制御部18が光検出器52から受信する信号は、遠心分離室32内の分離された流体成分間の界面の位置を示し、一方、遠心分離器出口センサD1からの信号は、標的界面位置を調整すべきかどうかを示す。制御部18は、界面が間違った場所にあると判断した場合、流体処理装置10の適切な構成要素にコマンドを発行して、界面を適切な場所に移動させるようにそれらの動作を変更することができる。例えば、制御部18は、血液を異なる速度で遠心分離室32に流入させるようにポンプに指示し、および/または、分離された流体成分が異なる速度で遠心分離室32から除去されるように、および/または、遠心分離室32が遠心分離器16によって異なる速度で回転されるように、指示する。
【0057】
より詳細に説明されるように、制御部18は、改善された性能のために検出アセンブリの光源の位置が調整される較正手順を監督することができる。
【0058】
II.使い捨て流体流回路
A.概要
流体流回路または流れセット12(
図2)に関しては、それは、無菌の単一回使用の使い捨てアイテムであることを意図している。所与の手順を開始する前に、オペレータは、流体処理装置10に関連して、ケース20の流体流回路12の様々な構成要素に負荷をかける。流体処理装置10の様々な検出アセンブリの適切な動作は、検出アセンブリに対する流体流回路12の適切な配向に依存し得るので、流体流回路12を流体処理装置10に取り付けるときに注意を払うべきである。しかしながら、流体流回路12の1つまたは複数の構成要素が、流体処理装置10の関連する検出アセンブリに対して適切に配向されていない場合、その検出アセンブリの光源の位置は、検出アセンブリのパフォーマンスを向上させるために以下のように調整され得る。流体流回路12の不適切な設置または不整合は、検出アセンブリの光源の位置を調整する一般的な理由である可能性があるが、本明細書で説明される原理が使い捨て流体流回路を採用した流体処理システムでの使用に限定されないように、他の理由が存在することを理解されたい。
【0059】
流体流回路12が流体処理装置10に取り付けられると、制御部18は、オペレータからの他の入力を考慮に入れて、事前設定されたプロトコルに基づく手順を実施する。手順を完了すると、オペレータは、流体流回路12を流体処理装置10との関連付けから外す。収集された1つまたは複数の流体成分を保持する流体流回路12の部分(例えば、収集容器またはバッグ)は、ケース20から取り出され、保管、即時使用、またはさらなる処理のために保持される。流体流回路12の残りの部分は、ケース20から取り出されて廃棄される。
【0060】
様々な異なる使い捨て流体流回路を流体処理装置10と組み合わせて使用することができ、システムを使用して実行される手順に応じて適切な流体流回路を使用することができる。しかしながら、一般的に言えば、流体流回路12は、流体流回路12の他の構成要素が可撓性管によって接続されているカセット48(
図4)を含む。一実施形態では、カセット48は、米国特許第5,868,696号(参照により本明細書に組み込まれる)のカセットと同様に構成されるが、追加の構成要素(例えば、より多くの管ループT1~T6)および機能を含むように適合される。
【0061】
他の構成要素は、(例えば、処理される流体、分離された流体成分、静脈内流体、または、添加剤溶液を保持するための)複数の流体容器F1~F8、1つ以上の流体源アクセス装置(例えば流体容器内にアクセスするためのコネクタ)、および、回転膜分離器26および/または遠心分離室32を含み得る(
図2)。
【0062】
B.遠心分離室
例示的な遠心分離室32が
図8および
図9に示されている。
図10は、遠心分離室32によって規定される流体流路を示している。図示の実施形態では、遠心分離室32の本体は、可塑化されていない医療グレードのアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)などの剛性の生体適合性プラスチック材料から(例えば、射出成形によって)所望の形状および構成に予備成形される。流体分離工程に影響を与えるすべての輪郭、ポート、チャネル、および壁は、単一の射出成形操作で実行される。あるいは、遠心分離室32は、カップ形状のサブアセンブリまたは2つの対称的な半分のいずれかを入れ子にすることによって、別個の成形部品によって形成することができる。
【0063】
遠心分離室32の下側は、流体流回路12のアンビリカス46の端部を受け入れるのに適した成形レセプタクル56を含む(
図3)。適切なレセプタクル56、およびアンビリカス46がレセプタクル56と協力することで、遠心分離室32に流体を送達し、遠心分離室32から流体を除去する方法は、米国特許第8,075,468号にさらに詳細に記載されている。
【0064】
図示の遠心分離室32は、半径方向に離間した内側(低g)および外側(高g)の側壁部分58,60、底部または第1の端壁部分62、および、カバーまたは第2の端壁部分64を有する。カバー64は、遠心分離室32の本体に容易に溶接または他の方法で固定することができる単純な平らな部分を含む。壁部分58,60、底部62、およびカバー64は一緒になって、囲まれた、一般に環状のチャネル66を規定する(
図10)。
【0065】
チャネル66と連絡する入口68は、対向する半径方向の内壁70,72との間に規定される。1つの内壁70は、外(高g)壁部分60を結合し、チャネル66の上流端および下流端を分離する。内壁70,72は、遠心分離室32の入口通路68を規定し、これは、1つの流れ構成において、流体がアンビリカス管46からチャネル66の上流端に流れることを可能にする。
【0066】
図示の遠心分離室32は、第1および第2の出口74,76をそれぞれさらに含み、これらは、半径方向の内壁の対向する表面によって規定され得る。第1および第2の出口74,76の両方は、チャネル66から半径方向内側に延びる。第1の出口74は、図示の実施形態では、内側壁部分58に位置する開口部から半径方向内側に延びる一方、第2の出口76は外側側壁部分60に関連する開口部から半径方向内側に延びる。図示の第1の出口74は、入口68に隣接して(チャネル66の上流端の近くに)配置され、第2の出口76は、チャネル66の反対側の下流端に配置され得る。
【0067】
図8に示される遠心分離室32は単なる例示であり、遠心分離室32は、本開示の範囲から逸脱することなく、異なって構成され得ることを理解されたい。例えば、PCT特許出願の国際公開第WO2018/053217 A1は、他の例示的な遠心分離室構成を記載している。さらに、上記のように、検出アセンブリの光源の位置の調整に関する原理は、遠心分離室32内の流体分離を監視する検出アセンブリの文脈で本明細書に記載されているが、そのような原理は他の対象を監視するように構成された検出アセンブリに適用できることが理解されるべきである。
【0068】
1.遠心分離と界面検出の原理
チャネル66に流入した流体は、遠心分離室32が回転軸38を中心に回転するにつれて、光学的に密度の高い層「R」と光学的に密度の低い層「P」に分離する(
図11~13)。光学的に密な層Rは、遠心力の影響下で外(高g)壁部分60に向かってより大きくおよび/またはより重い流体粒子が移動するにつれて形成される。分離される流体が血液である場合、光学的に密な層Rは通常、赤血球を含むが、遠心分離室32が回転する速度に応じて、他の細胞成分(例えば、より大きな白血球)も光学的に密な層R内に存在し得る。
【0069】
分離される流体が血液である場合、光学的に密度の低い層Pは、典型的には、多血小板血漿または乏血小板血漿などの血漿成分を含む。遠心分離室32が回転する速度および血液がそこに存在する時間の長さに応じて、他の成分(例えば、より小さな白血球および抗凝固剤)もまた、より光学的に密度の低い層Pに存在し得る。
【0070】
一実施形態では、入口68を介してチャネル66に導入された流体は、光学的に密度の高い層Rが光学的に密度の低い層Pから分離するときに、(
図8の向きにおいて)ほぼ時計回りの方向に移動する。光学的に密な層Rは、それがチャネル66の長さを外側側壁部分60に沿って上流端から下流端まで移動するときに時計回り方向に移動し続け、そこで第2の出口76を介してチャネル66を出る。光学的に密な層Rから分離された光学的に密でない層Pは方向を逆にし、内側側壁部分58に沿って、入口68に隣接する第1の出口74まで反時計回りに移動する。
【0071】
光学的に密度の高い層Rとより光学的に密度の低い層Pとの間の遷移は、界面「N」と称され得る。分離される液体が血液の場合、界面Nには単核細胞と末梢血管幹細胞が含まれる。遠心分離室32のチャネル66内の界面Nの位置は、
図11~13に示すように、流体処理中に動的にシフトすることができる。界面Nの位置が高すぎる場合(すなわち、
図12のように、それが内側壁部分58および第1の出口74に近すぎる場合)、赤血球が第1の出口74に流入する可能性があり、低密度成分(多血小板血漿または乏血小板血漿)の品質に悪影響を与える可能性がある。一方、界面Nの位置が低すぎる場合(すなわち、
図13が示すように、界面Nが内壁部分58から離れすぎている場合)、システムの収集効率が損なわれる可能性がある。理想的または標的の界面位置は、実験的に決定することができ、これは、いくつかの要因(例えば、遠心分離室32の構成、遠心分離室32が回転軸38の周りを回転する速度、など)のいずれかに応じて変化し得る。
【0072】
上記のように、流体処理装置10は、界面監視アセンブリ(光源50および光検出器52を含む)、遠心分離器出口センサD1、および、界面Nの位置を監視および必要に応じで調整または修正するための界面制御モジュールを備えた制御部18を含み得る。図示の実施形態では、遠心分離室32は、チャネル66の少なくとも一部を横切って角度αで高g壁部分60から延びる傾斜路78で形成されている(
図8および
図11~13)。一実施形態では、回転軸38に対して測定される角度αは約25°である。
図11~13は、遠心分離室32の低g側壁部分58から見たときの傾斜路78の配向を示している。それは可撓性分離室を記載しているが、傾斜路78の一般的な構造および機能は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,632,893号を参照することにより、よりよく理解され得る。
【0073】
傾斜路78は、光学的に密な層Rとより光学的に密でない層Pとの間の界面Nを検出のためにより識別可能にし、光学的に密な層R、光学的に密でない層P、および界面Nを、遠心分離室32の光透過部分を通して見るために表示する。そのために、傾斜路78および傾斜路78と角度的に整列された遠心分離室32の少なくとも一部は、光透過性材料で形成され得るが、遠心分離室32全体が同じ光透過性の素材で形成されることは有利であり得る。
【0074】
図示の実施形態では、界面監視システムの光源50は、遠心分離区画34の固定具または壁に関連付けられ、
図5~7に示すように、遠心分離器16の回転軸38に向けられる光Lを放出するように配向されている。光検出器52が光源50に対してある角度で配置されている場合(図示の実施形態のように)、光源50によって放出された光Lは、光検出器52に到達する前にその初期経路から方向を変えなければならない。図示の実施形態では、光Lは、
図5および
図6に示されるように、内側側壁部分58の光透過部分に関連する反射器によって方向を変えられる。反射器は、内側側壁部分58に(例えば、それに結合されることによって)固定される別個の部品であり得るか、または遠心分離室66の本体と一体的に形成され得る。
【0075】
一実施形態では、反射器は、光源50によって放出された光Lを光検出器52に向けるように(例えば、45°の角度で)配向された、鏡などの反射面であり得る。別の実施形態では、反射器は、光透過性材料(例えば、透明なプラスチック材料)で形成され、内壁および外壁82,84と第1と第2の端壁86,88(
図14)を有するプリズム反射器80(
図7,14,15)として提供される。内壁82は、遠心分離室32の内側壁部分58に対して配置され、光源50からの光Lの初期経路に対して実質的に垂直に配向されている。これにより、光源50からの光Lは、その初期経路に沿って継続しながら、内壁82を介してプリズム反射器80に入ることができる。光Lは、第1の端壁86に遭遇するまで、その初期経路に沿ってプリズム反射器80を通過し続ける。第1の端壁86は、内壁82および第2の端壁88に対してある角度(例えば、約45°の角度)に向けられ、光Lを、第1の端壁86を介してプリズム反射器80から出すのではなく、プリズム反射器80内に向け直す。
【0076】
第1の端壁86は、光Lをその初期経路に対して第2の端壁88に向かってある角度で向ける(これは、約90°の角度であり得、これは、回転軸38に向かう経路から、回転軸にほぼ平行な経路に向けられる)(
図15)。プリズム反射器80の第1の端壁86および内壁および外壁82,84は、全反射によって第1の端壁86から第2の端壁88に向け直された光Lを伝達するように構成され得る。第2の端壁88は、光Lが第2の端壁88を介してプリズム反射器80を出て、その方向転換された経路に沿って続くように、プリズム反射器80を通る光Lの方向転換された経路に対して実質的に垂直に配向される。一実施形態では、第2の端壁88は、光Lがプリズム反射器80を出るときに光Lを拡散するように粗面化またはテクスチャ加工または他の方法で処理または調整され、光Lが光検出器52に到達することをより確実にし得る(
図7)。
【0077】
プリズム反射器80は、傾斜路78が光Lの経路内に回転されたときにのみ、光源50からの光Lがプリズム反射器80に入るように、傾斜路78と角度的に整列され得る。他のすべての時間(傾斜路78が光Lの経路内にないとき)では、光Lはプリズム反射器80に到達せず、したがって、光検出器52に到達しない。これは
図16~19に図示されており、遠心分離室32が回転軸38を中心に回転するときの傾斜路78およびプリズム反射器80を示している。
図16では、傾斜路78およびプリズム反射器80は、光源50からの光Lの初期経路内にまだ回転していない。このとき、光は光検出器52に送信されないので、光検出器52の出力電圧(すなわち、光検出器52から制御部18に送信される信号)は、低状態またはゼロ状態にある(
図20)。
【0078】
傾斜路78が最初に光源50からの光Lの初期経路内に回転されると(
図17)、光Lは、光Lを光検出器52に向けるプリズム反射器80に到達し始める。これにより、
図21に示すように、光検出器52の電圧出力(すなわち、光検出器52から制御部18に送信される信号)がゼロ以外の値または状態に増加する。
【0079】
較正段階の間、チャネル66は、光を吸収または反射するか、さもなければ光Lがプリズム反射器80に到達するのを妨げるのではなく、光Lを透過する流体で満たされ、その結果、傾斜路78およびプリズム反射器80が光源50からの光Lの初期経路を通って回転するとき、
光検出器52の電圧出力は全体的に一定のままである(
図18および
図22)そのような較正段階は、生理食塩水が流体流回路12を通してポンプで送られ、流体流回路12をプライミングするプライミング段階と一致し得るか、または別個の段階を含み得る。較正段階は、光源50および光検出器52の適切な動作を保証し、遠心分離室36の不規則性または欠陥の場合に分離手順中に取られる読み取り値を標準化し、そして、傾斜路78およびプリズム反射器80が光源50と整列しているときに光検出器52から制御部18に送信される信号のベースライン値を確立するのに有用であり得る。流体分離手順の間、傾斜路78およびプリズム反射器80は、光源50からの光Lの初期経路を通って回転するので、傾斜路78上に表される様々な流体の層は異なる量の光Lがプリズム反射器80に到達することを可能にするため、光検出器52の電圧出力は、通常、一定のままではない。
【0080】
傾斜路78およびプリズム反射器80は、最終的に、光源50との位置合わせから外れて回転し(
図19)、その時点で、光Lはプリズム反射器108に到達せず、光検出器52の電圧出力は低状態またはゼロ状態に戻る(
図23)。
【0081】
傾斜路78およびプリズム反射器80が光源50からの光Lの経路を通って回転している間、光Lはチャネル66およびチャネル66内の流体を通って継続する。光Lの少なくとも一部(すなわち、流体によって吸収または反射されない部分)は、内側側壁部分58の光透過部分に衝突して入ることによって、チャネル66を出る。光Lは、内側側壁部分58を通過し、プリズム反射器80に入り、これは、上記のように、光Lをその初期経路から光検出器52に向け直す。
【0082】
光検出器52は、制御部18の界面制御モジュールに送信される信号を生成し、これは、傾斜路78上の界面Nの位置を判断することができる。一実施形態では、界面Nの位置は、光学的に密度の低い層Pおよび光学的に密度の高い層Rを透過する光Lの量の変化に関連している。例えば、光源50は、(レーザーまたは異なる構成の光源Lからの)赤の可視光線などの、赤血球よりも多血小板血漿または乏血小板血漿によってより容易に透過される光Lを放出するように構成され得る。これは赤血球によって実質的に吸収される。光学的に密度の低い層Pおよび光学的に密度の高い層Rはそれぞれ、傾斜路78の特定の部分を占め、光検出器52は、光Lが傾斜路78上の光学密度の低い層Pまたは傾斜路78上の光学的に密な層Rを通過するかどうかに応じて、異なる量の光Lを受け取る。各層が占める傾斜路78のパーセンテージは、チャネル66内の界面Nの位置に関連している。したがって、光検出器52からの電圧出力または信号が比較的高い時間を測定することによって(光Lが傾斜路78上のより光学的に密度の低い層Pのみを通過する時間に対応する)、制御部18は、界面Nの位置を判断し、必要に応じて、界面Nの位置を修正するためのステップをとることができる。界面Nの位置を調整するための例示的なアプローチは、PCT特許出願の国際公開第WO2018/053217 A1にさらに詳細に記載されている。
【0083】
2.検出アセンブリの光源の調整
光源50からの光Lは、界面Nの位置を判断(および調整)するために、光検出器52に到達しなければならないことが理解されよう。例えば、
図24は、プリズム反射器80の第1の端壁86に対して適切な位置にある光源50を示しており、光源50からの光Lがプリズム反射器80を透過して、光検出器52に受け取られることを可能にしている。一方、
図25および
図26は、光Lが光検出器52に到達するのを妨げる、プリズム反射器80の第1の端壁86と整列していない光源50を示している。
図25の配向では、光源50は、光Lがプリズム反射器80のどの部分にも当たらないように、第1の端壁86に対して高すぎる位置に配置されている。
図26の配向では、光源50は、第1の端壁86に対して低すぎる位置に配置され、その結果、光Lは、光Lが第1の端壁86に当たらない位置においてプリズム反射器80の内壁82を介してプリズム反射器80に入る。
【0084】
可動ではない光源50の場合、光源50のデフォルト位置は、遠心分離室32の遠心分離区画34内への適切な設置および配向に依存する、プリズム反射器80の特定の向きおよび位置を想定している。したがって、遠心分離室32が適切に設置および配向されていない場合、プリズム反射器80は、光Lを光源50から光検出器52に適切に向けることができない可能性がある。遠心分離室32が適切に設置および配向されている場合でも、プリズム反射器80は、光源50から光検出器52に光Lを向けるために理想的に配置および/または配向されていない場合がある(例えば、許容差の積み重ねおよび/または遠心分離室32の構成の欠陥による)。
【0085】
本開示の一態様によれば、界面監視アセンブリは、光源50に関連し、光源50が関連づけられている遠心分離区画34の静止面に対して光源50の位置を調整するように構成された調整システムを含む。界面監視システムの光源50の場合、光源50の位置は、回転軸38に平行な方向に調整可能であり、
図27は、光源50の例示的な移動範囲を示している。
図27は、光源50の2つの極端な位置「A」および「B」を示し、Aは、調整システムによって光源50が移動され得る最も低い位置を表し、Bは、調整システムによって光源50が移動され得る最も高い位置を表す。光源50がプリズム反射器80の第1の端壁86と整列していない位置として、極限位置AおよびBを選択することが有利であり得る。より詳細に説明されるように、そのような構成によって、制御部18(または調整システムに関連する別個の制御部)は、光源50を一方の極限位置A,Bから他方の極限位置A,Bに移動させるように調整システムを制御することによって、第1の端壁86の上端および下端の位置を決定することができる可能性がある。しかしながら、調整システムは、本開示の範囲から逸脱することなく、光源50の任意の範囲の移動が可能であり得ることを理解されたい。
【0086】
調整システムは、本開示の範囲から逸脱することなく様々に構成することができるが、
図28の図示の実施形態では、調整システム90は、光源50の少なくとも一部を受け入れるキャリッジ92、キャリッジ92に関連付けられる親ねじ94、および、ステッピングモーター96を含む。図示の調整システム90は、遠心分離区画34の静止面に固定され、キャリッジ92および親ねじ94の少なくとも一部が配置される内部空間を規定するハウジング98をさらに含む。ステッピングモーター96は、ハウジング98の下端に固定され、少なくとも部分的にハウジング98の外側に配置されているように示されているが、ステッピングモーター96は、本開示の範囲から離れることなくハウジング98の内側に配置できることを理解されたい。しかしながら、ステッピングモーター96をハウジング98の内側に配置することは、キャリッジ92の移動範囲を制限する場合があり、その結果、ステッピングモーター96を少なくとも部分的にハウジング98の外側に配置することが好ましい場合がある。
【0087】
ステッピングモーター96は、(制御部18または調整システム90に関連する別個の制御部による)ステッピングモーター96の作動が親ねじ94を回転させるように、親ねじ94と動作可能に関連している。図示の実施形態では、親ねじ94の下端(図示せず)はステッピングモーター96に関連付けられ、親ねじ94の上端は、ハウジング98の上端に組み込まれたベアリング100によって回転可能に受け取られる。親ねじ94は、ステッピングモーター96の作動により、ハウジング98に対して並進運動することなく、親ねじ94がその中心軸の周りを回転するように構成される。ステッピングモーター96は可逆的であり、ステッピングモーター96を一方向(本明細書では順方向と呼ぶことができる)に作動させると、親ねじ94が第1の方向に回転し、ステッピングモーター96の反対方向(逆方向と呼ばれることもある)の作動は、第1の方向と反対の第2の方向に親ねじ94を回転させる。
【0088】
親ねじ94は、親ねじ94に沿って移動するときにキャリッジ92が回転することなく、親ねじ94の回転を親ねじ94に沿ったキャリッジ92の移動に変換する方法で、キャリッジ92に関連付けられる。ステッピングモーター96による親ねじ94の一方向への回転は、キャリッジ92(したがって、光源50)を親ねじ94に沿って一方向に(例えば、上向きに)移動させ、一方、ステッピングモーター96による親ねじ94の逆方向への回転は、キャリッジ92(したがって、光源50)を反対方向(例えば、下向き)に移動させる。親ねじ94の配向および構成は、キャリッジ92および光源50の移動範囲を規定する。図示の実施形態では、細長い親ねじ94は、回転軸38に平行な方向に延在し、したがって、キャリッジ92および光源50を、回転軸38に平行な方向に移動するように制限する。
【0089】
図29~31は、親ねじ94の一方向への回転を示し、これにより、キャリッジ92は、例示的な初期位置(
図29)から中間位置(
図30)および例示的な最終位置(
図31)に向かう方向に移動する。親ねじ94を反対方向に回転させると、キャリッジ92は、最終位置(
図31)から初期位置(
図29)に向かう方向に移動する。初期位置は、
図27の極限位置Aの1つに対応し得、一方、最終位置は、
図27の他の極限位置Bに対応し得る。
図29および
図31は、キャリッジ92および光源50の初期位置が最低位置であり、最終位置が最高位置であることを示しているが、初期位置が代わりに最高位置(
図31)であり得、最終位置が最低位置(
図29)であり得ることを理解されたい。いずれの場合も、光源50は、
図29および
図30の初期および最終位置において、プリズム反射器80の第1の端壁86と整列していない位置に配置され得、一方、
図30の中間位置で第1の端壁86と位置合わせされ得る。
【0090】
調整システム90は、本開示の範囲から逸脱することなく、追加の構成要素を含み得る。例えば、調整システム90は、制御部18(または調整システム90に関連する他の制御部)に関連付けられ、キャリッジ92が初期位置またはホーム位置にあるときを判断するように構成されたホームセンサ102をさらに含むことができる。第2のセンサ104は、キャリッジ92がいつ他の位置(例えば、最終位置)にあるかを判断するために提供され得る。
【0091】
図示の調整システム90は単なる例示であり、検出アセンブリの光源の位置を調整するための調整システムは、本開示の範囲から逸脱することなく異なって構成され得ることを理解されたい。例えば、ステッピングモーター96と親ねじ94の組み合わせは有利であり得るが(ステッピングモーター96の動作を正確に制御し、取られたステップ数を決定し、これは光源50の位置を示す能力のために)、光源の位置を調整するために他の何らかの機構を採用することは、本開示の範囲内である。たとえば、代替機構には、光源の位置の追跡を可能にする機構が好ましく、制限ではなく、空気圧または油圧シリンダー、圧電アクチュエーター、カムアクチュエーター、伸縮式リニアアクチュエーター、および磁気リニアモーターが含まれる。
【0092】
調整システムおよび関連する光源の特定の構成に関係なく、調整システムは、光源の最適化された、または少なくとも許容可能な位置(本明細書ではこの位置と「監視」位置と称する)を判断するための1つまたは複数のルーチンを実行するように制御され得る。監視対象の構成要素の位置合わせと構成は手順中に変更される傾向がないため、光源の位置の調整を1回実行するだけで十分な場合がある。一実施形態では、光源の位置は、生理食塩水が流体流回路12を介してポンプで送られ、流体流回路12をプライミングするプライミング段階中に較正される。様々な要因(例えば、流体分離手順中に分離される流体の性質)が光源の整列を評価することをより困難にする可能性があるので、これは、能動的処理中の光源の調整よりも好ましい場合がある。しかしながら、本開示による調整システムは、単一の手順の間に光源を複数回再配置することを含めて、いつでも検出アセンブリの光源を動かすために使用され得ることを理解されたい。
【0093】
図32~34は、界面監視アセンブリの光源50の監視位置を判断するための3つの可能なアプローチを示している。これらのアプローチは単なる例示であり、本開示の範囲から逸脱することなく他のアプローチを使用できることを理解されたい。さらに、これらのルーチンは、界面監視アセンブリの光源50の位置の調整の文脈で提示されるが、これらのルーチンによって示される原理は、異なる構成の検出アセンブリの光源の位置を調整する際に使用され得ることを理解されたい。
【0094】
図32のルーチンでは、遠心分離室32は、
図32の200で示されるように、回転軸38を中心に回転される。遠心分離室32の回転速度は、本開示の範囲から逸脱することなく変化することができ、回転速度は、一実施形態では能動的処理中に遠心分離室32が回転して血液を分離する速度である(約4,500rpmであり得る)。
【0095】
図32の202に示されるように、標的または予想のパルス幅は、遠心分離室32の回転速度に基づいて計算される。図示の実施形態では、標的パルス幅(PW
target)は、以下の式を使用して計算される。
【0096】
PWtarget={60×(プリズム弧長)}/{(遠心分離RPM)×(低G円周)} (1)
【0097】
「プリズム弧長」は、回転軸32の周りのプリズム反射器80の弧長である。
【0098】
「遠心分離RPM」は、遠心分離室32の回転速度である。
【0099】
「低G円周」は、遠心分離室32の低g側壁部分58の円周である。
【0100】
「PW
target」は、
図23に示される光検出器52から送信される信号のパルス幅に対応し、これは、光検出器52によってプリズム反射器80の弧長全体にわたって遠心分離室32の回転1回の間に送信される全強度信号を表す。上で説明したように、光検出器52は、プリズム反射器80が光源50によって放出される光Lの経路を通って回転しているときのみ上昇信号を送信し、プリズム反射器80が光Lと整列していないときは送信しない。
【0101】
次に、光源50は、
図32の204に示されるように、そのホーム位置または初期位置に移動される。ステッピングモーター96および1つまたは複数のセンサ102,104を使用する調整システム90の場合、光源50は、それがその初期位置にあると判断されるまで動かされ、続いて、位置ステップカウンタがゼロに設定される(すなわち、「ホーム」)。代替の実施形態では、調整システム90は、代わりに、この較正段階中ではなく、各手順の終了時に光源50をそのホームまたは初期位置に戻すように命令され得る。
【0102】
図32の206に示されているように、光源50が初期位置にある状態で、調整システム90は、光源50を所定の距離(例えば、ステッピングモーター96を使用する調整システム90の場合、所定のステップ数)移動するように命令される。図示の実施形態では、光源50がその初期位置にあるとき、光検出器52からの信号は分析されない。なぜなら、初期位置は、光源50を第1の端壁86と整列しないように配置するように選択されているからである。 プリズム反射器80(すなわち、「非監視」位置にある)。しかしながら、光源50がプリズム反射器80の第1の端壁86と整列され得るように(すなわち、潜在的な監視位置に)初期位置が選択される実施形態では、光検出器52からの信号は、 光源50がその初期位置にあることを分析することができる。
【0103】
いずれの場合も、光検出器52からの信号(もしあれば)は、
図32の208に示されるように、その振幅(「AMP」)およびパルス幅(「PW」)を判断するために分析される。振幅は、
図32の210に示されているように、最小振幅または閾値(「閾値」)と比較される。光検出器52からの信号が高強度信号であるかどうかを判断するために「閾値」が選択され、そのため、装置ごとに大きさが変化する可能性がある。一実施形態では、「閾値」は、
図23に示される全強度信号の振幅のパーセンテージであるように選択される(例えば、「閾値」は、全強度信号の振幅の80%または85%または90%である振幅に等しい。これは実験的に決定され、装置に固有である可能性がある)。
【0104】
光検出器52からの信号の振幅が最小振幅または閾値(光検出器52が信号を送信しない状況を含む)よりも小さい場合、調整システム90は、光源50を、前の信号が分析されたときの光源50の位置よりも初期位置から遠い別の場所(
図32に210から206への矢印として示されている)に動かすように命令される。次に、光源50が新しい位置にある光検出器52からの信号(もしあれば)が分析されて、その振幅およびパルス幅(208でのように)が判断され、新しい信号の振幅が最小振幅または 閾値と比較される(210でのように)。この工程は、光源50が、光検出器52からの信号が最小振幅または閾値に少なくとも等しい振幅を有する位置になるまで繰り返される。
【0105】
光検出器52からの信号の振幅が少なくとも最小振幅または閾値に等しい場合、
図32の212に示されるように、信号のパルス幅が標的パルス幅と比較される。図示の実施形態では、信号を分析して、そのパルス幅が標的パルス幅に十分に近いか、または少なくとも実質的に等しいかどうかを判断する。この比較は、
図32に次の式で表される。
【0106】
PW
target-範囲<PW<PW
target+範囲 (2)
ここで、「範囲」は、標的パルス幅と測定されたパルス幅との間の許容される差である。「範囲」の大きさは、本開示の範囲から逸脱することなく変化することができ、一実施形態では、「範囲」は20μsである。
図32は、測定されたパルス幅を標的のパルス幅と比較するための例示的なアプローチを示していることを理解されたい。例えば、別の実施形態では、異なる上限および下限範囲値を使用することができる。さらに別の実施形態では、測定されたパルス幅は、標的または予想のパルス幅に等しい必要がある場合がある。
【0107】
測定されたパルス幅が式2を満たす場合、それは、標的パルス幅に十分に近いか、または少なくとも実質的に等しいと見なされる。そうでなければ、測定されたパルス幅が式2を満たさない場合、調整システム90は、光源50を、初期位置から前の信号が分析されたときの光源50の位置よりも遠い別の位置(
図32に212から206への矢印として示される)に移動するように命令される。次に、光源50が新しい位置にある光検出器52からの信号(もしあれば)が分析されて、その振幅およびパルス幅(208でのように)が判断され、新しい信号の振幅が最小振幅または閾値(210でのように)と比較され、新しい信号のパルス幅が標的パルス幅(212でのように)と比較される。この工程は、光源50が、光検出器52からの信号が最小振幅または閾値に少なくとも等しい振幅と、標的パルス幅に十分に近いか、または少なくとも実質的に等しいパルス幅を有する位置になるまで繰り返される。
【0108】
信号の測定されたパルス幅が標的または予想のパルス幅に等しいかまたは少なくとも実質的に等しいこと、および、信号の振幅が最小振幅に少なくとも等しいことを最初に決定すると、制御部18(または、調整システム90に関連する他の制御部)は、光源50の現在の位置が監視位置であると判断し、調整システム90を制御して、光源50の移動を停止する。したがって、
図32のアルゴリズムは、最適な位置を見つけるために調整システム90の全可動域にわたって光源50を動かすのではなく、最初の許容可能な監視位置を見つける。このアプローチは、光源50の許容可能な位置を迅速に見つけることに重点が置かれている場合に有利である可能性がある。
【0109】
ここで、
図33のルーチンに目を向けると、その最初のステップは、
図32のルーチンと同じである。遠心分離室32は、回転軸38(
図33の300で示される)を中心に回転され、標的または予想のパルス幅は、式1(
図33の302で示される)を使用して計算され、光源50がホームまたは初期位置に移動する(
図33の304で示されている)。
図32のルーチンに関して上で述べたように、調整システム90は、代わりに、この較正段階の間ではなく、各手順の終わりに光源50をそのホームまたは初期位置に戻すように命令され得る。
【0110】
図32のルーチンのように、光源50がその初期位置にある状態で、調整システム90は、光源50を所定の距離(
図33の306に示されているように)および信号を動かすように命令され、光検出器52からの信号(もしあれば)は、その振幅およびパルス幅を決定するために分析される(
図33の308に示されているように)。
図32のルーチンに関して上記したように、図示の実施形態では、光源50がその初期位置にあるとき、光検出器52からの信号は分析されない。なぜなら、初期位置は、光源50がプリズム反射器80の第1の端壁86と整列していない(すなわち、「非監視」位置にある)ように選択されているからである。しかしながら、光源50がプリズム反射器80の第1の端壁86と整列され得るように(すなわち、可能な監視位置において)初期位置が選択される実施形態では、光検出器52からの信号は、光源50がその初期位置にあることを分析することができる。
【0111】
図32のルーチンのように、振幅は、
図33の310に示されているように、最小振幅または閾値と比較される。光検出器52からの信号の振幅が最小振幅または閾値よりも小さい場合(光検出器52が信号を送信しない状況を含む)、制御部18(または調整システム90に関連する別の制御部)は、
図33の312に示されているように、1つまたは複数の許容可能な信号(以下に定義される)が光検出器52から受信されたかどうかを判断する。
【0112】
光源50の初期位置が非監視位置として選択される場合(例えば、
図27に示される極限位置AおよびBの1つ)、許容可能な信号が受信される前に少なくとも1つの(そして通常は2つ以上の)測定が行われる。この場合、調整システム90は、光源50を、先の信号が分析されたときの光源50の位置よりも初期位置から遠い別の位置(
図33に312から306への矢印として示されている)に移動するように命令される。次に、光源50が新しい位置にある光検出器52からの信号(もしあれば)が分析されて、その振幅およびパルス幅(308でのように)が判断され、新しい信号の振幅が最小振幅または 閾値と比較される(310でのように)。この工程は、光源50が、光検出器52からの信号が、最小振幅または閾値に少なくとも等しい振幅を有する位置になるまで繰り返される。
【0113】
光検出器52からの信号の振幅が少なくとも最小振幅または閾値に等しい場合、
図33の314に示されるように、信号のパルス幅が標的パルス幅と比較される。図示の実施形態では、信号は、式2を使用して分析され、そのパルス幅が標的パルス幅に十分に近いか、または少なくとも実質的に等しいかどうかが判断される。
図32のルーチンに関して上で説明したように、
図33は、測定されたパルス幅を標的パルス幅と比較するための例示的なアプローチを示していることを理解されたい。他の例示的なアプローチでは、異なる上限および下限範囲値を使用することができ、または測定されたパルス幅は、標的または予想のパルス幅に等しい必要がある場合がある。
【0114】
測定されたパルス幅が式2を満たす場合、それは、標的パルス幅に十分に近いか、または少なくとも実質的に等しいと見なされる(したがって、信号を、
図33のステップ312で実行される分析のための「許容信号」にする)。そうでなければ、測定されたパルス幅が式2を満たさない場合、
図33の312に示されているように、制御部18(または調整システム90に関連する他の制御部)は、光検出器52から1つまたは複数の(上で定義された)許容可能な信号が受信されたかどうかを再び判断する。
【0115】
上で説明したように、光源50の初期位置が非監視位置として選択される場合、許容可能な信号が受信される前に、少なくとも1回(および通常は2回以上)の測定が行われる。この場合、調整システム90は、光源50を、前の信号が分析されたときの光源50の位置よりも初期位置から遠い別の位置(ここでも、
図33に312から306への矢印として示されている)に移動するように命令される。 次に、光源50が新しい位置にある光検出器52からの信号(もしあれば)が分析されて、その振幅およびパルス幅が判断され(308でのように)、新しい信号の振幅が最小振幅または閾値と比較され(310でのように)、新しい信号のパルス幅が標的パルス幅と比較される(314でのように)。この工程は、光源50が、光検出器52からの信号が最小振幅または閾値に少なくとも等しい振幅と、標的パルス幅に十分に近いかまたは少なくとも実質的に等しいパルス幅を有する位置になるまで繰り返される。
【0116】
信号の測定されたパルス幅が、標的または予想のパルス幅に等しいか、少なくとも実質的に等しいこと、および信号の振幅が最小振幅に少なくとも等しいことを決定すると、制御部18(または 調整システム90)に関連する他のいくつかの制御部は、
図33の316に示されるように、これが光検出器52から受信された最初の許容可能な信号であるかどうかを決定する。そうである場合、光源50の現在の位置は、プリズム反射器80の第1の端壁86の第1または前縁と整列していると理解される(これまでの位置では、光源50は、第1の端壁86と整列していない)。光源50が低極値位置Aから高極値位置Bに向かって上方に移動する図示の実施形態では、第1の端壁86の第1の端または前縁は、第1の端壁86の下縁となる。
【0117】
次に、光源50が再び動かされ(306でのように)、続いて、光検出器52からの信号の振幅およびパルス幅が(308、310、および314でのように)分析される。後続の信号が許容可能である場合(これは通常、プリズム反射器80の第1の端壁86の第1の端部が識別された直後の場合である)、制御部18(または調整システム90に関連する他の制御部)は再び、これが光検出器52から受信された最初の許容可能な信号であるかどうか(ここでも316でのように)判断する。これは受信された最初の許容可能な信号ではないので、
図33の318に示されるように、制御部18(または調整システム90に関連する他の制御部)は、プリズム反射器80の第1の端壁86と位置合わせされている間(すなわち、光検出器52が許容可能な信号を送信している間)に光源50が移動した距離を計算する。これは、調整システム90の性質に応じて変化し得る任意の適切なアプローチを使用して判断することができる。図示の実施形態(ステッピングモーター96が使用される)では、この距離は、以下の式を使用して決定される。
【0118】
信号ステップ = 信号ステップ + 移動ステップ (3)
【0119】
「信号ステップ」は、光源50がプリズム反射器80の第1の端壁86と位置合わせされている間にステッピングモーター96がとったステップ数の合計である。
【0120】
「移動ステップ」は、前の信号が受信されてからステッピングモーター96が移動したステップ数である。
【0121】
したがって、ステップ318で
図33に示される分析が最初に実行されるとき、「信号ステップ」はゼロであり、次に(式3に従って、「移動ステップ」を追加することによって)「移動ステップ」と等しくなるように更新される。光源50を動かし(306のように)、続いて分析されている光検出器52からの信号の振幅およびパルス幅(308,310,および314のように)および信号ステップを更新する工程(318のように)は、光検出器52が許容可能な信号を送信し続ける限り(これは、光源50がプリズム反射器80の第1の端壁86と整列したままであることを示す)繰り返される。このループの各反復中に光源50が同じ距離だけ動かされるとき、「信号ステップ」は、「移動ステップ」にステップ318の分析が実行された回数を掛けたものに等しくなることが分かるであろう(例えば、「移動ステップ」が5ステップに等しく、ステップ318の分析が7回実行された場合、「信号ステップ」は35に等しくなるであろう)。しかしながら、光源50は、ループの各反復中に必ずしも同じ距離だけ移動されるとは限らないことを理解されたいので、これは常にそうであるとは限らない。
【0122】
光検出器52が許容できない信号を送信するまで、ループは続く。光検出器52が最後に許容可能な信号を送信したときの光源50の位置は、光源50がプリズム反射器80の第1の端壁86の第2の端部または後縁と位置合わせされた位置であることが理解される(光源50は、光源50が第1の端壁86の前端と整列する位置と第1の端壁86の後端と整列する位置の間の全ての位置で、第1の端壁86と整列されている)。光源50が低い極限位置Aから高い極限位置Bに向かって上方に移動する図示の実施形態では、第1の端壁86の第2の縁または後縁は、第1の端壁86の上端となる。
【0123】
光検出器52が許容できない信号を送信すると、ルーチンはステップ312の分析に戻る。このとき、制御部18(または調整システム90に関連する他の制御部)は、
図33に312から320への矢印として示される、許容可能な信号が光検出器52から以前に受信されたことを判断する。ステップ320において、制御部18(または調整システム90に関連する他の制御部)は、光源50がプリズム反射器80の第1の端壁86の中点と整列するように移動されるまで、調整システム90に逆方向に動作するように命令する。この距離は、光検出器52が許容可能な信号を送信していた距離(図示の実施形態における「信号ステップ」に等しい)を2で割ることによって判断される。上記のように、光検出器52は、光源50が第1の端壁86の第1の端部または前縁と位置合わせされた位置と、光源50が第1の端壁86の第2の端部または後縁と位置合わせされた位置との間で許容可能な信号を送信する。その距離を2で割ることが、光源50が、第1の端壁86の後縁から逆方向に移動して、第1の端壁86の中点に到達しなければならない距離に等しくなる(すなわち、図示の実施形態における「信号ステップ」/2)。
【0124】
プリズム反射器80の第1の端壁86の前縁と後縁との間の予想される距離が既知である場合、代わりに、第1の端壁86の中点の位置を、第1の端壁86の前縁の位置のみに基づいて判断する。特に、第1の端壁86の前縁の位置が特定されると(すなわち、第1の許容可能な信号が光検出器52によって送信されると)、調整システム90は、光源50を、第1の端壁86の前縁と後縁との間の(既知の)距離の半分に等しい距離、動かすように命令され得、よって第1の端壁86の中点に到達する。このアプローチは、第1の端壁86全体をスキャンするよりも速いかもしれないが、第1の端壁86の前縁と後縁との間の実際の距離が予想される距離とわずかに異なる可能性があるため、精度が低くなる可能性がある。したがって、状況によってこれらのアプローチの両方を採用できる場合、2つのアプローチの選択は、速度または精度のどちらが優先されるかに基づいて行うことができる。
【0125】
光源50がプリズム反射器80の第1の端壁86の中点と整列している状態で、制御部18(または調整システム90に関連する他の制御部)は、
図33の322に示されているように、光検出器52によって送信された信号が許容可能かどうかを判断する。図示の実施形態では、信号の許容性は、測定された振幅を最小振幅または閾値と比較し、測定されたパルス幅を標的または予想のパルス幅と比較することによって判断される(それぞれ、310および314で実行される分析のように)。しかしながら、信号が許容可能であるかどうかを決定するために選択されるいくつかの他の基準については、本開示の範囲内である。
【0126】
信号が許容可能である場合、光源50の現在の位置は監視位置であると見なされ、調整システム90は、光源50の移動を停止するように命令される。それ以外の場合、信号が許容可能でない場合(そうであってはならない)、
図33に322から304に伸びる矢印で示されているように、較正段階が繰り返される。
【0127】
図32(光源50の最初の許容可能な位置を見つける)のアルゴリズムと比較して、
図33のアルゴリズムは、光源50を識別して監視位置に移動するのにより多くの時間を要する可能性がある。しかしながら、
図33のアルゴリズムの実行から生じる光源50の最終位置は、
図32のアルゴリズムの実行から生じる最終位置よりも強い信号をもたらす傾向があるかもしれない。したがって、
図33のアプローチは、光検出器52からの信号の強度(光源50とプリズム反射器80の第1の端壁86との位置合わせに等しい)が、光源50が監視位置に移動する速度よりも強調される場合に有利である可能性がある。
【0128】
ここで
図34のルーチンに目を向けると、その最初のステップは、
図32と
図33のルーチンと同じである。遠心分離室32は、回転軸38(
図34の400で示される)を中心に回転され、標的または予想のパルス幅は、式1を使用して計算され(
図34の402で示される)、そして、光源50がホームまたは初期位置に移動される(
図34の404に示されている)。
図32のルーチンに関して上で述べたように、調整システム90は、代わりに、この較正段階の間ではなく、各手順の終わりに光源50をそのホームまたは初期位置に戻すように命令され得る。
【0129】
図32および
図33のルーチンのように、光源50が初期位置にある状態で、調整システム90は、光源50を所定の距離移動させ(
図34の406に示されるように)、光検出器52からの信号(もしあれば)を分析して、その振幅とパルス幅を判断する(
図34の408に示されている)ように命令され得る。
図32のルーチンに関して上記したように、図示の実施形態では、光源50がその初期位置にあるとき、光検出器52からの信号は分析されない。なぜなら、光源50はプリズム反射器80の第1の端壁86と整列していない(すなわち、「非監視」位置にある)ように初期位置が選択されている。しかしながら、光源50がプリズム反射器80の第1の端壁86と整列され得るように(すなわち、可能な監視位置において)初期位置が選択される実施形態では、光検出器52からの信号は、光源50がその初期位置にあることを分析することができる。
【0130】
図32および
図33のルーチンのように、信号の振幅は、
図34の410に示されているように、最小振幅または閾値と比較される。光検出器52からの信号の振幅が最小振幅または閾値よりも小さい場合(光検出器52が信号を送信しない状況を含む)、制御部18(または調整システム90に関連する別の制御部)は、
図34の412に示されるように、1つまたは複数の許容可能な信号(
図33のルーチンの上記の議論で定義される)が光検出器52から受信されたかどうかを判断する。
【0131】
上記のように、光源50の初期位置が非監視位置として選択される場合(例えば、
図27に示される極限位置AおよびBの1つ)、少なくとも1つ(および典型的にはそれ以上)の許容可能な信号が受信される前に測定が行われる。この場合、調整システム90は、光源50を、以前の信号が分析された光源50の位置よりも初期位置から遠い別の位置(
図34に412から406への矢印として示されている)に移動するように命令される。 次に、光源50が新しい位置にある光検出器52からの信号(もしあれば)が分析されて、その振幅およびパルス幅(408でのように)が判断され、新しい信号の振幅が最小振幅または 閾値(410でのように)と比較される。この工程は、光源50が、光検出器52からの信号が、最小振幅または閾値に少なくとも等しい振幅を有する位置になるまで繰り返される。
【0132】
光検出器52からの信号の振幅が少なくとも最小振幅または閾値に等しい場合、
図34の414に示されるように、信号のパルス幅が標的パルス幅と比較される。図示の実施形態では、信号は、式2を使用して分析され、そのパルス幅が標的パルス幅に十分に近いか、または少なくとも実質的に等しいかどうかが判断される。
図32のルーチンに関して上で説明したように、
図34は、測定されたパルス幅を標的パルス幅と比較するための例示的なアプローチを示していることを理解されたい。他の例示的なアプローチでは、異なる上限および下限範囲値を使用することができ、または測定されたパルス幅は、標的または予想のパルス幅に等しい必要がある場合がある。
【0133】
測定されたパルス幅が式2を満たす場合、それは、標的パルス幅に十分に近いか、または少なくとも実質的に等しいと見なされ(すなわち、信号は、
図34のステップ412で実行される分析に対して「許容可能」である)、信号の特性(例えば、その振幅、パルス幅、および信号が送信されたときの光源50の位置)は、
図34の416に示されるように保存される。そうでなければ、測定されたパルス幅が式2を満たさない場合(つまり、信号が「許容可能」でない場合)、信号の特性は保存されない。いずれの場合も、光源50が再び動かされ(406のように)、続いて、光検出器52からの信号の振幅およびパルス幅が分析され(408、410、および414のように)、信号の特性が(受け入れ可能な場合)保存される。
【0134】
ステップ408において、信号が最小振幅または閾値よりも小さい振幅を有することが見出されたとき(これには、光源50がプリズム反射器80の第1の端壁86と整列していないために光検出器52が信号を送信できないことを含む)、制御部18(または調整システム90に関連する他の制御部)は、許容可能な信号が光検出器52から以前に受信されたかどうかを再び判断する(ここでも、412でのように)。許容可能な信号がすでに受信されているので、制御部18(または調整システム90に関連する他の制御部)は、
図34の418に示されている最終分析ステップに移動する。
【0135】
最終分析ステップ418において、制御部18(または調整システム90に関連する他の制御部)は、光源50の監視位置を判断する。図示の実施形態では、これは、(ステップ416で)保存された信号の特性を比較し、最大振幅を有する信号が光検出器52によって送信されたときの光源50の位置を選択することによって行われる。
図34のルーチンの実行の過程で、光源50は、光源50の許容可能な位置のすべてが、この分析ステップ418の間に考慮されるように、プリズム反射器80の第1の端壁86に整列するように(一方向に)移動され、次いで、整列から外れることが分かるであろう。最大振幅を有する信号は、光源50が第1の端壁86と最もよく位置合わせされる位置に対応し、その結果、
図34のアルゴリズムは、光源50の許容可能な位置だけでなく、最適な位置も判断する。
【0136】
光検出器52が飽和している場合など、複数の信号が同じ振幅を有する場合がある場合がある。その場合、これらの信号のいずれか1つを選択して、光源50の監視位置を決定することができる。そうでなければ、そのような信号のパルス幅は、光源50の監視位置を決定する信号を選択するために使用されるパルス幅と比較され得る。一実施形態では、計算された標的パルス幅に最も近いパルス幅を有する信号が選択されて、光源50の監視位置が決定され、一方、最大のパルス幅を有する信号が別の実施形態で選択される。
【0137】
いずれにせよ、信号の1つが選択されると、調整システム90は、選択された信号が光検出器52によって送信されたときに光源50があった位置に光源50を移動するように命令される。
図32および
図33に示されるアルゴリズムと比較して、
図34のアルゴリズムは、光源50を識別して監視位置に移動するために、より多くの時間がかかり、より多くの計算または操作を必要とし得る。しかしながら、
図34のアルゴリズムの実行から生じる光源50の最終位置は、
図32および
図33のアルゴリズムの実行から生じる最終位置よりも強い信号をもたらす傾向がある。したがって、
図34のアプローチは、光検出器52からの信号の強度(したがって、光源50とプリズム反射器80の第1の端壁86との位置合わせ)が優先される場合に有利である可能性がある。
【0138】
再び、図示された調整システム90および
図32~34のアルゴリズムは、単に例示的であり、1つの特別に構成された界面監視アセンブリの光源50の位置の調整に固有のものであると理解されるべきである。本明細書に記載の原理(可動光源を提供し、光源が移動するときに関連する光検出器によって送信される信号の強度を評価し、信号の少なくとも1つを光源の監視位置を判断するための基礎として使用して、光源をその監視位置に移動することを含む)は、本開示の範囲から逸脱することなく、異なる構成の検出アセンブリで使用するように適合させることができる。
【0139】
態様
態様1.検知アセンブリと制御部を備える流体処理装置であって、検知アセンブリは、流体処理装置の構成要素と関連付けられた光源であって、流体処理装置の構成要素に対して初期位置に提供され、発光するように構成されている光源と、光源に関連づけられ、光源の位置を流体処理装置の構成要素に対して調整するように構成された調整システムと、光源からの光の少なくとも一部を受容し、受容された光の量を示す信号を生成するように構成された光検出器とを含み、制御部は、光検出器からの信号を受信し、光源を流体処理装置の構成要素に対して信号の少なくとも一部に基づいて監視位置に移動させるように調整システムを制御するように構成されている、流体処理装置。
【0140】
態様2.制御部は、(a)光検出器からの信号を受信して分析し、(b)光源を異なる位置に移動させるように調整システムを制御し、(c)光源を監視位置に移動させるように調整システムを制御する前に光源の複数の異なる位置について(a)と(b)を繰り返すように構成されている、態様1に記載の流体処理装置。
【0141】
態様3.制御部は、信号のパルス幅と振幅を判断するために光検出器からの信号を分析し、光源の少なくとも1つの位置について、信号のパルス幅を予想のパルス幅と比較し、信号の振幅を最少の振幅と比較し、信号のパルス幅が予想のパルス幅と等しいか、予想のパルス幅と少なくとも実質的に等しく、信号の振幅が最少の振幅と少なくとも等しいと最初に判断したとき、光源の現在の位置が監視位置であると判断し、調整システムが光源を移動させることを停止するように制御するように構成されている、態様2に記載の流体処理装置。
【0142】
態様4.制御部は、(a)信号の振幅を判断するために光検出器からの信号を受信して分析し、(b)信号の振幅が少なくとも最初の振幅に等しいと判断したとき、信号のパルス幅を判断し、信号のパルス幅を予想のパルス幅と比較するために信号を分析し、(c)光源の複数の異なる位置について(a)と(b)を繰り返し、(d)信号の振幅が少なくとも最少の振幅に等しく、信号のパルス幅が予想のパルス幅に等しいか少なくとも予想のパルス幅と実質的に等しい、光源の第1の位置を判断し、(e)信号の振幅が少なくとも最少の振幅に等しく、信号のパルス幅が予想のパルス幅と等しいか少なくとも予想のパルス幅と実質的に等しい、光源の最後の位置を判断し、そして、(f)監視位置が第1の位置と最後の位置の中点であると判断するように構成されている、態様2に記載の流体処理装置。
【0143】
態様5.制御部は、(a)信号の振幅を判断するために光検出器からの信号を分析し、(b)信号の振幅が少なくとも最少の振幅に等しいと判断したとき、信号のパルス幅を判断し、信号のパルス幅を予想されたパルス幅と比較するために信号を分析し、光源の複数の異なる位置について(a)と(b)を繰り返し、信号が最少の振幅に等しく、信号のパルス幅が予想されたパルス幅に等しいか予想されたパルス幅に実質的に等しい、光源の複数の位置があると判断するとき、信号の振幅を複数の位置で比較し、監視位置が光検出器からの信号が最大の振幅を有する複数の位置の1つであると判断するように構成されている、態様2に記載の流体処理装置。
【0144】
態様6.制御部は、光源からの信号は最大の振幅を少なくとも2つの光源の位置において有すると判断するとき、少なくとも2つの位置について信号のパルス幅を比較し、監視位置は、信号のパルス幅が予想のパルス幅に最も近い少なくとも2つの位置の間の位置にあると判断するように構成されている、態様5に記載の流体処理装置。
【0145】
態様7.光源の初期位置が非監視位置であるように選択されている、態様1から態様6までのいずれか1項に記載の流体処理装置。
【0146】
態様8.回転軸を中心に回転するように構成された遠心分離器をさらに備え、調整システムは、光源を回転軸に平行な方向において移動させるように構成されている、態様1から態様7までのいずれか1項に記載の流体処理装置。
【0147】
態様9.光源は、回転軸に直交する平面で光を放出するように構成されており、
光検出器は、回転軸に少なくともほぼ平行な方向において光の少なくとも一部を受け取るように構成されている、態様8に記載の流体処理装置。
【0148】
態様10.光源は、流体処理装置の静止構成要素と関連している、態様1から態様9までのいずれか1項に記載の流体処理装置。
【0149】
態様11.調整システムは、光源の少なくとも一部を受容するキャリッジと、キャリッジに関連付けられる親ねじと、制御部によって作動して親ねじを回転させ、それによって流体処理装置の構成要素に対してキャリッジおよび光源を動かすように構成されたステッピングモーターとを含む、態様1から態様10までのいずれか1項に記載の流体処理装置。
【0150】
態様12.調整システムは、流体処理装置の構成要素に対する光源の初期位置を決定するように構成されたホームセンサを含む、態様1から態様11までのいずれか1項に記載の流体処理装置。
【0151】
態様13.光源および光検出器を含む検出アセンブリの光源の位置を調整する方法であって、光源は流体処理装置の構成要素に関連付けられ、構成要素に対して初期位置に提供される方法であって、光源から光を放出し、光検出器で光の少なくとも一部を受け取り、光検出器が受け取った光の量を示す信号を生成し、少なくとも部分的に信号に基づいて光源を流体処理装置の構成要素に関して監視位置に移動させることを含む、方法。
【0152】
態様14.(a)光検出器からの信号を受信して分析し、(b)光源を別の位置に移動させ、(c)光源を監視位置に移動する前に、複数の異なる光源の位置に対して(a)と(b)を繰り返すことを含む、態様13に記載の方法。
【0153】
態様15.光検出器からの信号を分析して、信号のパルス幅と振幅を決定し、
光源の少なくとも1つの位置について、信号のパルス幅を予想のパルス幅と比較し、信号の振幅を最小振幅と比較し、
信号のパルス幅が予想のパルス幅に等しいか、または少なくとも実質的に予想のパルス幅に等しいこと、および、信号の振幅が少なくとも最小振幅に等しいことを最初に決定すると、光源の現在の位置は光源の監視位置であると判断し、光源の移動を停止されることを含む、態様14に記載の方法。
【0154】
態様16.(a)光検出器からの信号を分析して信号の振幅を決定し、(b)信号の振幅が少なくとも最小振幅に等しいと判断したとき、信号を分析して信号のパルス幅を決定し、信号のパルス幅を予想のパルス幅と比較し、(c)光源の複数の異なる位置について(a)および(b)を繰り返し、(d)信号の振幅が少なくとも最小振幅に等しく、信号のパルス幅が予想のパルス幅に等しいか、または少なくとも実質的に予想のパルス幅に等しい光源の第1の位置を決定し、(e)信号の振幅が少なくとも最小振幅に等しく、信号のパルス幅が予想のパルス幅に等しいか、または少なくとも実質的に予想のパルス幅に等しい光源の最後の位置を判断し、(f)監視位置が第1の位置と最後の位置の中間にあると判断することを含む、態様14に記載の方法。
【0155】
態様17.(a)光検出器からの信号を分析して信号の振幅を決定し、(b)信号の振幅が少なくとも最小振幅に等しいと判断したとき、信号を分析して信号のパルス幅を決定し、信号のパルス幅を予想のパルス幅と比較し、光源の複数の異なる位置について(a)および(b)を繰り返し、信号が少なくとも最小振幅に等しく、信号のパルス幅が予想のパルス幅に等しいか、または少なくとも実質的に予想のパルス幅に等しい光源の複数の位置があると判断するとき、複数の位置の信号の振幅を比較し、監視位置が、光検出器からの信号が最大の振幅を有する複数の位置の1つにあると判断することを含む、態様14に記載の方法。
【0156】
態様18.光検出器からの信号が光源の少なくとも2つの位置で最大の振幅を有すると判断したとき、少なくとも2つの位置の信号のパルス幅を比較し、監視位置が、信号のパルス幅が予想のパルス幅に最も近い少なくとも2つの位置の間の位置にあると判断することを含む、態様17に記載の方法。
【0157】
態様19.光源の初期位置が非監視位置であるように選択される、態様13から態様18までのいずれか1項に記載の方法。
【0158】
態様20.光源が、遠心分離器の回転軸に平行な方向において移動するように構成されている、態様13から態様19までのいずれか1項に記載の方法。
【0159】
上記の実施形態および実施例は、本主題の原理のいくつかの適用の例示であることが理解されよう。 本明細書で個別に開示または請求される特徴の組み合わせを含む、請求される主題の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって多数の修正を行うことができる。これらの理由により、本明細書の範囲は、上記の説明に限定されず、以下の特許請求の範囲に記載されるとおりであり、特許請求の範囲は、本明細書で個別に開示または請求される特徴の組み合わせを含む、本明細書の特徴に向けられ得ることが理解される。
【外国語明細書】