(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022006812
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】フェイスシールド
(51)【国際特許分類】
A42B 3/22 20060101AFI20220105BHJP
A41D 13/11 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
A42B3/22
A41D13/11 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020109306
(22)【出願日】2020-06-25
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】591143951
【氏名又は名称】ジェイフィルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】特許業務法人竹内・市澤国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 誠
(72)【発明者】
【氏名】宮野 和之
【テーマコード(参考)】
3B107
【Fターム(参考)】
3B107AA01
3B107BA08
3B107CA03
3B107DA07
3B107DA18
(57)【要約】
【課題】ヘルメットへの取り付けや取り外しが容易であり、マスクを着用せずとも飛沫の汚染を効果的に防ぐことが可能なフェイスシールドを構成する。
【解決手段】シールド本体11の上部の両側に、ヘルメット2のヘッドバンド21に装着するための、上方へ帯状に突出した接続片部12,12を設ける。接続片部12は、その先端部分に舌片12a、根元部分に切り込み12b、その間の部分に複数本の折り曲げ罫線12cを設けて形成し、ヘッドバンド21に接続片部12を巻き付け、先端分を折り曲げ罫線12cに沿って根元部分側へ折り曲げ、舌片12aを切り込み12bに差し込んで挿通し、さらに折り曲げて係合することで、接続片部12をヘッドバンド21に取り付ける。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド本体の上部に上方へ突出した接続片部が設けられたフェイスシールドであって、
前記接続片部は、その先端部分に舌片、根元部分に切り込み、前記先端部と根元部の間の部分に複数本の折り曲げ罫線がそれぞれ形成され、前記先端部分が折り曲げ罫線に沿って前記根元部分側へ折れ曲がり、前記舌片が前記切り込みに差し込まれて係合される構成を有するフェイスシールド。
【請求項2】
シールド本体の上辺部の両側に接続片部がそれぞれ設けられた請求項1に記載のフェイスシールド。
【請求項3】
シールド本体の上辺部の中央に、上方へ突出していて表面に折り曲げ罫線が形成された保持片部が設けられた請求項1又は2に記載のフェイスシールド。
【請求項4】
シールド本体の上辺部が、下向きに湾曲した形状である請求項1から3の何れかに記載のフェイスシールド。
【請求項5】
シールド本体の下部に、その端縁部から上向きに延びた一対のスリットが設けられているとともに、両スリットの一側に差込部を形成する切り込み、他側に被差込部を形成する切り込みがそれぞれ形成された請求項1から4の何れかに記載のフェイスシールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルメット(保護帽)、ヘッドバンドを装備した軽作業帽やその他の被り物などに取り付けて使用されるプラスチックシート製のフェイスシールドに関する。
【背景技術】
【0002】
近時蔓延している新型肺炎の感染予防対策として、マスクの着用に努めることが周知徹底され、ヘルメットの着用が必要な作業現場でも、マスクの着用や単回使用型のフェイスシールドの利用といった飛沫感染防止措置が講じられている。
【0003】
従来、ヘルメットの着用が必要な作業現場で用いられるフェイスシールドとしては、アーチ状の固定板にプラスチック製のシートを取り付け、この固定板の両端部をヘルメットの左右両側の外面に取付金具で回転自在に留め付けてヘルメットに一体化させ、ヘメットを着用した作業者の顔の保護が必要なときは固定板を前側に倒して作業者の顔がシートで覆われるようにし、不要なときには固定板を上方に回転させてシートをヘルメットの上方に持ち上げ、作業者の顔の前方が開放されるようにした構成のものが知られている(例えば特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭57-116723号公報
【特許文献2】実用新案登録第3224635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来のヘルメット用のフェイスシールドは、シートを湾曲させて保持する固定板や固定板の端部をヘルメットに留め付ける金具などの金属部品を必要とし、また、ヘルメットへの加工も必要であるため、フェイスシールドの製作及び加工コストが嵩むものであった。
また、シートを取り外せないため、シート表面を殺菌したり消毒したりする作業はヘルメットに付けたまま行わなければならず、メンテナンスの取り扱いが不便であり、作業がしにくいため殺菌や消毒が不十分となる虞もあった。
【0006】
市販されている単回使用型のフェイスシールドのうち、利用者の頭部に装着するタイプのもの、例えばヘッドバンドにフェイスシールドが一体化した形態のものは、フェイスシールドを装着した状態でヘルメットを被ると前記ヘッドバンドにヘルメットのつば部が当たってヘルメットを着用することができず、一方、ヘルメットを着用した状態ではフェイスシールドの装着ができず、ヘルメットとフェイスシールドの併用ができなかった。
【0007】
ヘルメットと併用可能なフェイスシールドとして、横長帯状のシートの両端部をヘルメットの左右の顎紐や耳紐に取り付けて顔の鼻から顎に至る部分を保護する形状のものもあるが、このフェイスシールドは利用者の顔面全体を覆うものではないため上方や下方からの飛沫の汚染を受けやすいという問題があった。前記フェイスシールドの下でマスクを着用していれば飛沫の汚染は防げるが、工場内などの高温下の現場では、マスクを着用したまま作業をするのは暑苦しく、熱中症にかかりやすくなるという問題がある。
また、前記フェイスシールドは、ヘルメットから取り外す操作に手間がかかり、一動作でフェイスシールドを取り外すことができなかった。
【0008】
本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑み、ヘルメットへの取り付けや取り外しが容易であり、マスクを着用せずとも飛沫の汚染を効果的に防ぐことが可能なフェイスシールドを構成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため本発明のフェイスシールドは、シールド本体の上部に上方へ突出した接続片部が設けられたフェイスシールドであり、
前記接続片部は、その先端部分に舌片、根元部分に切り込み、前記先端部と根元部の間の部分に複数本の折り曲げ罫線がそれぞれ形成され、前記先端部分が折り曲げ罫線に沿って前記根元部分側へ折れ曲がり、前記舌片が前記切り込みに差し込まれて係合される構成を有することを特徴とする。
【0010】
本発明のフェイスシールドによれば、ヘルメットのヘッドバンドに前記接続片部を巻き付け、接続片部の先端部分を折り曲げ罫線に沿って折り曲げて舌片を、根元部分側の切り込みに差し込んで係合させることで、ヘッドバンドに直接フェイスシールドが取り付けられ、ヘルメットを着用した利用者の顔をフェイスシールドで覆って保護することが可能である。
ヘルメットを着用する際に、マスクの代わりに本発明のフェイスシールドをヘルメットに装着することで、飛沫飛散防止と熱中症予防の両方に効果的に役立つものである。
また、本発明のフェイスシールドは、頭に装着するタイプではないため、ヘルメット着用時に邪魔にならず、フェイスシールドの周囲は開放しているため接触による蒸れも生じることはなく、利用者に負荷や不快な使用感を与えることはない。
【0011】
前記のように、ヘルメットへのフェイスシールドの取り付けは、ヘッドバンドにフェイスシールドの接続片部を巻き付け、舌片を切り込みに差し込んで係合するという簡単な操作で行うことができる。
この場合、接続片部にはその表面に複数の折り曲げ罫線が形成されているので、各種のヘルメットの形状のヘッドバンドに対して、取り付けに必要な折り曲げ箇所を前記複数の折り曲げ罫線に沿って適宜に折り曲げることで、留め付け具合を調整して取り付けることが可能である。
また、接続片部はヘッドバンドに巻き付けて係合させているだけで、ヘッドバンドに固定されてはおらず、接続片部の根元部分に舌片が切り込みから抜ける方向の力を加える操作のみで、係合を解除してフェイスシールドを簡単にヘルメットから取り外すことが可能である。フェイスシールドをヘルメットに着脱する操作はフェイス面を触れずに可能であり、取り付け及び取り外しの際に感染や汚染が生じる虞はない。
【0012】
前記構成のフェイスシールドにおいて、接続片部はシールド本体の上辺部の両側にそれぞれ設けられていることが好ましい。
シールド本体の上辺部を複数個所、とくに上辺部の両側に接続片部を設けてヘッドバンドに取り付けられるようにすることで、フェイスシールドを安定してヘルメットに取り付けることが可能である。
【0013】
前記構成のフェイスシールドにおいて、シールド本体の上辺部の中央に、上方へ突出していて表面に折り曲げ罫線が形成された保持片部が設けられていてもよい。
これによれば、前記保持片部をヘッドバンドに重ね、その先端側を折り曲げ罫線に沿ってヘッドバンドの内側へ折り曲げてヘッドバンドに係合させれば、フェイスシールドの中央部をヘッドバンドの中央部にしっかりと重ねて安定的に保持させることが可能である。
【0014】
また、前記構成のフェイスシールドにおいて、シールド本体の上辺部が、下向きに湾曲した形状であることが好ましい。
シールド本体の上辺部が下向きに湾曲していれば、フェイスシールドをヘッドバンドに取り付けたときに、フェイスシールドはそのシールド本体の下部が斜め前方に張り出すようにして保持され、ヘルメットを着用した利用者の顔の表面とフェイスシールドとの間に十分な空間が確保される。そのため、利用者が眼鏡をかけていてもフェイスシールドが邪魔になることはなく、空間があることでフェイスシールドの内側が蒸れてフェイス面が曇るようなこともない。
【0015】
さらに、前記構成のフェイスシールドにおいて、シールド本体の下部に、その端縁部から上向きに延びた一対のスリットが設けられているとともに、両スリットの一側に差込部を形成する切り込み、他側に被差込部を形成する切り込みがそれぞれ形成された構成を有することが好ましい。
これによれば、シールド本体のスリットの外側の部分をスリットに沿って湾曲変形させて、スリットの内側の部分に覆い重ねたときに、前記差込部である切り込みを被差込部である切り込みに差し込むと、元の形状に戻ろうとする弾性力が作用して差込部が被差込部に係合して湾曲変形した状態が保持され、シールド本体の下部がお椀型となって、ヘルメットに取り付けたときに、利用者の顔の下部である顎の左右両側と下側を覆って保護し、口元への飛沫汚染を効果的に防ぐことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態のフェイスシールドをヘルメットに取り付けた状態の正面図である。
【
図2】
図1のヘルメットを利用者が着用した状態の側面図である。
【
図3】
図1のフェイスシールドの展開平面図である。
【
図4】フェイスシールドの取り付け工程であり、ヘルメットのヘッドバンドに接続片部を通す工程を示した図である。
【
図5】フェイスシールドの取り付け工程であり、ヘッドバンドに巻き付けた接続片部を係合させる工程を示した図である。
【
図6】フェイスシールドの取り付け工程であり、接続片部の先端部を切り込みに挿通する工程を示した図である。
【
図7】フェイスシールドの取り付け工程であり、ヘッドバンドに巻き付けた接続片部の先端部分を根元部分に係合させる工程を示した図である。
【
図8】
図1のヘルメット及びフェイスシールドの要部切断端面図である。
【
図9】
図1のフェイスシールドをヘッドバンドに取り付けて利用した他の態様を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の好適な一実施形態を、図面を参照して説明する。
なお、以下の実施形態は本発明を説明するための例示であり、本発明は実施形態のみに限定されるものではない。
【0018】
図1及び
図2は、本発明の一実施形態のフェイスシールド1をヘルメット2に取り付けた状態を示している。
両図に示されるように、フェイスシールド1は、その上部をヘルメット2の前側内周部に差し入れて取り付けられ、ヘルメット2から下方へ突出したシールド本体11で、ヘルメット2を着用した利用者3の額から顎の下側に至る顔の前方領域と、両耳の前側から両頬及び顎の左右に至る顔の左右側方領域と、顎の下方領域との顔全体を覆って保護するように形成してある。
【0019】
フェイスシールド1は、
図3に示されるように、ヘルメット2を着用した利用者3の顔全体を保護するシールド本体11の上部に、後述するヘルメット2のヘッドバンド21に係合接続する部位である接続片部12,12と保持片部13とを一体に設けて形成してある。
【0020】
詳しくは、フェイスシールド1は、透明なプラスチック材料、例えばポリプロピレンやポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、生分解性樹脂などプラスチック素材などからなる薄肉なシート材を用いて形成することができる。強度や剛性、透明性、折り曲げ加工性、耐熱変形性などの点でからは、A-PET(非晶性エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂)を用いることが好ましい。
【0021】
フェイスシールド1を成形するシート材は、その厚みが0.1mmから0.5mm程度のものを用いることができる。シート材は、やわらかすぎず、ある程度の腰を有するものであることが好ましい。また、曇り防止剤を練り込んだり、曇り留め加工が施されたりしたシート材を用いることができる。
フェイスシールド1の成形は、前記素材からなるシート材をプレス加工して、シート表面に折り曲げ罫線を設けると同時にフェイスシールド1の輪郭に型抜きすることにより行うことができる。
【0022】
フェイスシールド1の成形寸法は、そのシールド本体11でヘルメット2を着用した成人の利用者3の顔全体を覆って保護することができる程度の大きさとするのが好ましく、例えばシールド本体11の上辺部11aと下辺部11bの間隔及び左側辺部11cと右側辺部11dの間隔を、ともに250mm程度(上下250mm×左右250mm)の寸法に設定することができる。
【0023】
シールド本体11の上辺部11aは、その両側から上辺部11aの中央部に向けて下向きに湾曲した形状に設けられており、この上辺部11aの中央に保持片部13を設けてある。
また、シールド本体11は、その下辺部11bと左右側辺部11c,11dが連なる隅角部を適宜に湾曲させてあるとともに、その下部に、後述する下辺部11bの端縁部から上向きに延びた一対のスリット14,14と、一対の切り込み15,15,16,16とを形成してある。
【0024】
前記シールド本体11の上部に一体に設けられた接続片部12,12は、それぞれシールド本体11の上辺部11aの両側に張り出して、上方へ帯状に突出した部分である。
接続片部12,12は、その先端側が根元側よりも細幅に形成されており、その先端部分に舌片12a、根元部分に前記舌片12aの幅よりも若干幅広で当該舌片12aが挿通する大きさの切り込み12bを設けてあり、また、先端側と根元側の間の表面部分には、複数本の折り曲げ罫線12cが平行に形成してある。
また、接続片部12,12の先端側の部分には、後述するフェイスシールド1をヘルメット2に取り付ける操作の際にヘルメット2のヘッドバンド21の左右の装着向きがわかるように、一方に「R」、他方に「L」の刻印を形成してある。
接続片部12,12は、前記任意の折り曲げ罫線12cに沿ってその先端部分を根元部分側へ折り曲げることができ、折り曲げた先端部分の舌片12aを切り込み12bに差し込んで挿通させるとともに、さらに切り込み12bに差し込んだ舌片12aを折り曲げ罫線12cに沿って折り返すことで、舌片12aが形成された先端部分を根元部分に係合させることができるようになっている。また、折り返した先端部分に、舌片12aを切り込み12bに差し込んだ方向とは反対向きの大きな力が加わると、前記係合が外れて舌片12aが切り込み12bから抜け外れるようになっている。
【0025】
保持片部13は、シールド本体11の上辺部11aの中央部から適宜な幅で上方へ突出した部分であり、その上部表面には複数本の折り曲げ罫線13aが平行に形成してある。
保持片部13は、後述するようにフェイスシールド1をヘルメット2に取り付けたときに、これをヘッドバンド21の外面に宛がい、且つ先端部を折り曲げ罫線13aに沿ってヘッドバンド21の内面側へ折り曲げることで、ヘッドバンド21の中央部に重なって上縁部に係合するようになっている。
【0026】
シールド本体11の下部に設けられたスリット14,14は、前記下辺部11bの中央部で適宜な間隔を開けて、端縁部から上向きに延びており、両スリット14,14の内側には、それぞれ当該シールド本体11の中央寄りに向けて湾曲した半円形の切り込み15,15、外側には、それぞれスリット14に対して末広がり状に傾斜した略直線状の切り込み16,16を配置してある。
前記半円形の切り込み15は差込部、略直線状の切り込み16は被差込部を形成し、スリット14の外側の部分であるシールド本体11の前記下片部11bの湾曲した隅角部の部分をスリット14に沿って湾曲変形させて、スリット14,14の間の内側の部分に覆い重ねたときに、半円形の切り込み15を切り込み16に差し込むと、前記隅角部が元の形状に戻ろうとする弾性力が作用して半円形の切り込み15が切り込み16に係合して湾曲変形した状態が保持される。このようにシールド本体11の下辺部11bの両側を湾曲変形させることで、シールド本体11の下部がお椀型となってヘルメット2に取り付けたときに利用者3の喉元側へ湾曲し(
図2参照)、利用者3の顔の下部である顎の左右両側と下側を覆って保護することができるようになっている。
【0027】
このように形成された本形態のフェイスシールド1は、例えば以下の手順でヘルメット2に取り付けて飛沫感染の予防に利用することができる。
なお、予めシールド本体11の下部は、切り込み15,16を互いに係合させて、お椀型に湾曲変形させておく。
【0028】
先ず、
図4に示されるように、フェイスシールド1の左右の接続片部12,12のうちの一側の接続片部12を、ヘルメット2のヘッドハンド21の外側からヘルメット2内に進出させ、前記先端側の舌片12aをヘッドバンド21よりもヘルメット2内の奥側に突出するように配置する。
【0029】
次いで、
図5に示されるように、ヘッドバンド21よりもヘルメット2内の奥側に進出させた接続片部12の先端側を、適宜な位置の折り曲げ罫線12cでヘッドバンド21の内側に沿って折り曲げ、接続片部12でヘッドバンド21の内外周面を挟み込むとともに、
図6に示されるように、接続片部12の舌片12aを切り込み12bに挿通させて、舌片12aを切り込み12bから引き上げる。
【0030】
そして、
図7に示されるように、切り込み12bに舌片12aを挿通させて、切り込み12bから突出させた接続片部12の先端側の部分を折り曲げ罫線12cに沿って反対側へ折り返し、併せて当該先端側の余った部分をヘルメット2内に折り込み、接続片部12の先端部側を根元部側に係合させることにより、片方の接続片部12がヘッドバンド21に取り付けられる。
【0031】
引き続き、もう片方の接続片部12も前記と同様にしてヘッドバンド21に取り付け、さらに、保持片部13をヘッドバンド21の外面に宛がいつつ先端部を折り曲げ罫線13aに沿ってヘッドバンド21の内面側へ折り曲げて、ヘッドバンド21の中央部に重ねて係合することで(
図9を参照)、フェイスシールド1をヘルメット2に取り付ける操作が完了する。
【0032】
図8は、フェイスシールド1の接続片部12を、ヘルメット2のヘッドバンド21に取り付けた状態を示している。
同図に示されるように、フェイスシールド1の取り付けは、ヘッドバンド21に接続片部12を巻き付け、舌片12aを切り込み12bに差し込んで係合するという簡単な操作で行うことが可能である。接続片部12がヘッドバンド21に巻き付けてあるので、取り付けた位置がずれたり抜け落ちたりすることはなく、ヘルメット2を着用して作業をしているときでもフェイスシールド1は当初の取り付け位置に安定的に保持される。
また、接続片部12はヘッドバンド21に固定されてはおらず、ヘッドバンド21に巻き付けて係合させてあるだけなので、接続片部12の根元部分に舌片12aが切り込み12bから抜ける方向の力を加える操作、例えばヘルメット2を着用している状態で利用者3が前記接続片部12の根元部分を把持して下側へ引っ張る操作をするのみで、係合を解除してフェイスシールド1を簡単にヘルメット2から取り外すことが可能である。
【0033】
図9は、利用者3の額に巻くヘッドバンド4に前記形態のフェイスシールド1を取り付けた状態を示している。
ヘッドバンド4へのフェイスシールド1の取り付けは、上記と同様にして行うことができる。このように、本発明のフェイスシールド1は、ヘルメット2以外の、利用者3の頭部に装着する部材に取り付けて利用が可能である。
【0034】
なお、図示したフェイスシールド1の形態は一例であり、本発明は他の適宜な形態で構成可能である。
前記フェイスシールド1は、二つの接続片部12,12をシールド本体11の両側に配置した形態としたが、ヘッドバンド21に簡易に取り付けて、取り付け位置に安定的に保持することが可能であれば、接続片部12の数や位置は問わない。例えば、シールド本体11の中央部に比較的幅の広い接続片部12を一つだけ設けたり、前記保持片部13に代えて接続片部12をシールド本体11の中央部に配置するなどして三つ以上の接続片部12を設けたりしてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 フェイスシールド、11 シールド本体、12 接続片部、12a 舌片、12b 切り込み、12c 折り曲げ罫線、13 保持片部、13a 折り曲げ罫線、14,14 スリット、15,16 切り込み、2 ヘルメット、21 ヘッドバンド、3 利用者、4 ヘッドバンド