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特開2022-68131シリコンフォトニクスチップにおけるフリップチップボンディングのためのレーザチップ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068131
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】シリコンフォトニクスチップにおけるフリップチップボンディングのためのレーザチップ
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/0233 20210101AFI20220426BHJP
【FI】
H01S5/0233
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021172192
(22)【出願日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】17/076,162
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520078248
【氏名又は名称】マーベル アジア ピーティーイー、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シャオグアン ヘ
(72)【発明者】
【氏名】ラダクリシュナン エル. ナガラジャン
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173MA02
5F173MC03
5F173MC25
5F173MD03
5F173MD13
5F173MD27
5F173MD37
5F173MD51
5F173MD75
5F173MF03
5F173MF22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】受動アライメントフィーチャを有するシリコンフォトニクスチップにおけるフリップチップボンディングのためのレーザチップを提供する。
【解決手段】レーザチップは、垂直方向におけるp領域103とn領域105とで作製された、長手方向において前面から裏面へと延伸するチップ体と、n領域のより広い幅に基づいて、チップ体の2つの側を超えてそれぞれ形成された一対の第1垂直ストッパ201と、垂直方向におけるp領域とn領域との間のチップ体に埋められた、長手方向において前面から裏面へと延伸する活性領域101と、前面に近いp領域の上面に、活性領域に対してサブミクロン精度で画定された横方向距離をおいて形成されたアライメントマーク203と、前面と共有されている劈開された縁部を有するp領域の表面における薄い金属膜205とを含む。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D受動アライメントフィーチャを有するシリコンフォトニクスチップにおけるフリップチップボンディングのためのレーザチップであって、
垂直方向におけるp領域とn領域とで作製された、長手方向において前面から裏面へと延伸するチップ体と、
前記n領域のより広い幅に基づいて、前記チップ体の2つの側を超えてそれぞれ形成された一対の第1垂直ストッパと、
前記垂直方向における前記p領域と前記n領域との間の前記チップ体に埋められた、前記長手方向において前記前面から前記裏面へと延伸する直線形状の活性領域と、
前記前面に近い前記p領域の上面に、前記p領域の前記上面における前記活性領域の垂直投影線に対してサブミクロン精度で画定された横方向距離をおいて形成された前記長手方向の第1アライメントマークと、
前記前面と共有されている劈開された縁部を有する前記p領域の前記上面における薄い金属膜と
を備える、レーザチップ。
【請求項2】
前記第1アライメントマークは、前記活性領域を形成するために同じ活性層の上に配置された第1の幅の活性領域酸化膜マスクに対してサブミクロン精度で画定された前記横方向距離をおいた位置における活性層に配置された第2の幅の1つのアライメント酸化膜マスクを使用した再成長プロセスを介して形成された前記p領域の前記上面において1つのラインフィーチャを有し、前記第1の幅は前記第2の幅と1μm~5μm異なる、請求項1に記載のレーザチップ。
【請求項3】
前記第1アライメントマークは、前記活性領域を形成するために同じ活性層の上に配置された第1の幅の活性領域酸化膜マスクのそれぞれの2つの反対側においてサブミクロン精度で前記横方向距離をおいた2つの位置における活性層に配置された第2の幅の2つのアライメント酸化膜マスクを使用した再成長プロセスを介して形成された前記p領域の前記上面において2つのラインフィーチャを有し、前記第1の幅は前記第2の幅と1μm~5μm異なる、請求項1または2に記載のレーザチップ。
【請求項4】
前記長手方向における前記第1アライメントマークは、前記n領域の前記上面における前記活性領域の垂直投影線に対してサブミクロン精度で画定された横方向距離をおいて前記前面の近くの前記n領域の上面に代替的に形成された、請求項1から3のいずれか一項に記載のレーザチップ。
【請求項5】
前記一対の第1垂直ストッパのそれぞれは、前記シリコンフォトニクスチップの表面の上方の高さに位置付けられた導波路ポートに対して垂直距離にある第2停止面を用いてそれぞれが画定された一対の第2垂直ストッパを含む表面にチップサイトを有する前記シリコンフォトニクスチップの設計に依存する前記活性領域に対して垂直距離にある第1停止面を用いて画定され、それにより、前記活性領域は、前記レーザチップがフリップされる際の前記導波路ポートの前記高さより0.5μm~0.7μm低く設定され、前記第1停止面が前記第2停止面と接合している表面における前記チップサイトに半田材料を介して前記p領域を接合する、請求項1から4のいずれか一項に記載のレーザチップ。
【請求項6】
前記薄い金属膜は、前記p領域の前記上面にコンタクト金属層を形成するための同じウェハプロセスで形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のレーザチップ。
【請求項7】
前記ウェハプロセスはさらに、2つの隣接するレーザチップダイの境界を横切って前記p領域の前記上面に前記薄い金属膜を形成する段階と、前記薄い金属膜を劈開するとともに前記2つのレーザチップの前記劈開された縁部と一致する前記前面を形成
するために、前記劈開された縁部を取得するために前記境界を介してウェハをダイシングする段階とを備える、請求項6に記載のレーザチップ。
【請求項8】
前記活性領域は、化合物半導体InAsP、GaInNA、GaInAsP、GaInAおよびAlGaInAのうち1または複数、またはこれらの組み合わせに基づくヘテロ接合構造を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のレーザチップ。
【請求項9】
前記p領域および前記n領域は、それぞれp型またはn型のInPベースの化合物半導体を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のレーザチップ。
【請求項10】
強化された3Dアライメント精度および公差でシリコンフォトニクスチップにレーザチップを接合する方法であって、前記方法は、
垂直方向におけるp領域とn領域との間に埋められた、長手方向において前面から裏面へと延伸する活性領域を有するチップ体を形成することと、前記チップ体のそれぞれの2つの側を超えて位置付けられた一対の第1垂直ストッパを形成することと、前記前面に近い前記p領域の上面に、前記p領域の前記上面における前記活性領域の垂直投影線に対してサブミクロン精度で画定された横方向距離をおいて、前記長手方向における第1アライメントマークを形成することと、前記前面と一致する劈開された縁部を有する薄い金属膜を形成することとを含む、レーザチップを提供する段階と、
凹状表面の上方の高さに位置付けられた導波路ポートを有する、前記シリコンフォトニクスチップの前記凹状表面におけるチップサイトを設定する段階であって、前記チップサイトは、前記凹状表面に立っている一対の第2垂直ストッパと、前記凹状表面における前記導波路ポートの垂直投影線に対してサブミクロン精度で画定された横方向距離をおいた、前記凹状表面における第2アライメントマークとを含む、段階と、
下を向いた前記p領域の前記上面を有する前記レーザチップを、半田材料を介して、前記凹状表面における前記チップサイトに、前記活性領域と前記導波路ポートとの間の垂直アライメントを決定するために前記一対の第2垂直ストッパとそれぞれ接合する前記一対の第1垂直ストッパで接合する段階と、
前記第1アライメントマークを前記第2アライメントマークに位置合わせすることによって、横方向アライメントを決定する段階と、
前記薄い金属膜の前記劈開された縁部における反射コントラストに基づいて前記前面を特定することによって、長手方向アライメントを決定する段階と
を備える、方法。
【請求項11】
前記チップサイトを設定する段階は、前記導波路ポートに対してサブミクロン精度での前記凹状表面の上方の前記一対の第2垂直ストッパのそれぞれに対して、第2停止面を画定する段階を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
一対の第1垂直ストッパを形成することは、前記シリコンフォトニクスチップの前記凹状表面の上方における前記一対の第2垂直ストッパのそれぞれに対する前記画定された第2停止面に応じて、前記レーザチップの前記活性領域に対して前記一対の第1垂直ストッパのそれぞれに対する第1停止面を画定することを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記一対の第1垂直ストッパのそれぞれに対する前記第1停止面を画定することは、エッチング停止材料を、前記活性領域に対して画定された垂直距離を有する、且つ前記チップ体の前記p領域の2つの側のそれぞれを超える画定された横方向距離を有する位置に配置する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記一対の第1垂直ストッパのそれぞれに対する前記第1停止面を画定することはさらに、前記活性領域に対する前記第1停止面の前記画定された垂直距離と、前記第1停止面が前記第2停止面と接合することにつれて、前記凹状表面の上方の前記第2停止面とに基づいて、前記レーザチップの前記活性領域の位置を前記導波路ポートの高さから垂直に約0.5μm~0.7μm下に設定することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記活性領域の前記位置を前記導波路ポートの前記高さから垂直に約0.5μm~0.7μm下に設定することは、<3dBの結合損失の限定下で前記シリコンフォトニクスチップの前記凹状表面における前記チップサイトに前記半田材料を介して前記レーザチップをフリップボンディングする場合の垂直アライメントの公差窓を2倍にすることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1アライメントマークを形成することは、前記レーザチップのn領域に活性層を形成した後、前記活性領域が形成される前記活性層にわたって第1の幅の第1酸化膜マスクと、前記第1アライメントマークが前記第1酸化膜マスクに対してサブミクロン精度で横方向の位置に形成される前記活性層にわたって第2の幅の第2酸化膜マスクとを配置する段階であって、前記第1の幅は前記第2の幅より約1μm~5μm大きい、段階と、前記第1酸化膜マスクの下の前記活性領域と、前記第2酸化膜マスクの下の活性層のより狭い第2セクションとを除く前記活性層の大部分を除去するためのメサエッチングを実行する段階と、前記活性領域の周辺に第1電流遮断層と、前記活性層の前記より狭い第2セクションの周辺に第2電流遮断層とを形成する段階であって、より速い再成長速度が、前記第2酸化膜マスクの周辺の領域に誘発されるより、前記第1酸化膜マスクの周辺の領域に誘発される、段階と、前記第1酸化膜マスクおよび前記第2酸化膜マスクを除去する段階と、前記活性領域の周辺においてより速い成長速度で、前記活性層の前記より狭い第2セクションの周辺においてより遅い成長速度で、前記レーザチップのp領域の再成長を実行する段階と、前記活性領域の上方に比較的に平坦な領域と、前記活性層の前記より狭い第2セクションの上方の長手方向において短い長さを有する隆起特徴とを含む上面を有する前記p領域の形成を完了するために最終成長を実行する段階であって、前記隆起特徴は前記第1アライメントマークになる、段階とを備える、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第1アライメントマークを形成することは、前記レーザチップのn領域に活性層を形成した後、前記活性領域が形成される前記活性層にわたって第1の幅の第1酸化膜マスクと、前記第1アライメントマークが前記第1酸化膜マスクに対してサブミクロン精度で横方向の位置に形成される前記活性層にわたって第2の幅の第2酸化膜マスクとを配置する段階であって、前記第1の幅は前記第2の幅より約1μm~5μm小さい、段階と、前記第1酸化膜マスクの下の前記活性領域と、前記第2酸化膜マスクの下の活性層のより広い第2セクションとを除く前記活性層の大部分を除去するためのメサエッチングを実行する段階と、前記活性領域の周辺に第1電流遮断層と、前記活性層の前記より広い第2セクションの周辺に第2電流遮断層とを形成する段階であって、より遅い再成長速度が、前記第2電流遮断層の上方に誘発されるより、前記第1電流遮断層の上方に誘発される、段階と、前記第1酸化膜マスクおよび前記第2酸化膜マスクを除去する段階と、前記活性領域の周辺においてより遅い成長速度で、前記活性層の前記より広い第2セクションの周辺においてより速い成長速度で、前記レーザチップのp領域の再成長を実行する段階と、前記活性領域の上方に比較的に平坦な領域と、前記活性層の前記より広い第2セクションの上方の長手方向において短い長さを有する谷線特徴とを含む上面を有する前記p領域の形成を完了するために最終成長を実行する段階であって、前記谷線特徴は前記第1アライメントマークになる、段階とを備える、請求項10から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記薄い金属膜を形成することは、2つの隣接するレーザチップダイの境界を横切って形成された前記薄い金属膜を含む前記p領域の前記上面に金属コンタクト層を形成するためのウェハプロセスを実行する段階を含み、前記ウェハプロセスはさらに、前記薄い金属膜を劈開することで前記劈開された縁部を取得するとともに、2つのレーザチップの前記劈開された縁部と一致する前記前面を形成するために、前記境界を介してダイシングを行う段階を含む、請求項10から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
強化された受動アライメントフィーチャを有するシリコンフォトニクスチップにおけるフリップチップボンディングのためのレーザチップであって、
垂直方向におけるp領域とn領域とで作製された、長手方向において前面から裏面へと延伸するチップ体と、
前記チップ体の2つの側を超えてそれぞれ形成された一対の第1垂直ストッパと、
前記垂直方向における前記p領域と前記n領域との間の前記チップ体に埋められた、前記長手方向において前記前面から前記裏面へと延伸する直線形状の活性領域と、
前記前面に近い前記p領域の上面に、前記p領域の前記上面における前記活性領域の垂直投影線に対してサブミクロン精度で画定された横方向距離をおいて形成された前記長手方向の第1アライメントマークと
を備える、レーザチップ。
【請求項20】
強化された受動アライメントフィーチャを有するシリコンフォトニクスチップにおけるフリップチップボンディングのためのレーザチップであって、
垂直方向におけるp領域とn領域とで作製された、長手方向において前面から裏面へと延伸するチップ体と、
前記垂直方向における前記p領域と前記n領域との間の前記チップ体に埋められた、前記長手方向において前記前面から前記裏面へと延伸する直線形状の活性領域と、
前記前面に近い前記p領域の上面に、前記p領域の前記上面における前記活性領域の垂直投影線に対してサブミクロン精度で画定された横方向距離をおいて形成された前記長手方向の第1アライメントマークと、
前記前面と共有されている劈開された縁部を有する前記p領域の前記上面における薄い金属膜と
を備える、レーザチップ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、光通信技法に関する。より具体的には、本発明は、強化された受動アライメントを有するシリコンフォトニクスチップにおけるフリップチップボンディングのためのレーザチップおよび方法を提供する。
【0002】
過去数十年間で、通信ネットワークの使用が普及した。インターネットの黎明期には、主要な用途は、電子メール、掲示板、および、概ね情報のためのテキストベースのウェブページサーフィンに限定され、転送されるデータ量は通常、比較的小さかった。現代、インターネットおよびモバイルアプリケーションは、写真、映像、音楽および他のマルチメディアファイルを転送するために大量の帯域幅を必要とする。例えば、Facebook(登録商標)などのソーシャルネットワークは、毎日500TBより多くのデータを処理する。データおよびデータ転送に対するそのような高い需要により、既存のデータ通信システムは、これらの必要性に対処するために改善される必要がある。
【0003】
既存のシングルモードファイバに代わる、40Gbit/sおよび100Gbit/sデータレート広帯域DWDM(高密度波長分割多重方式)光伝送が、次世代の光ファイバ通信ネットワークの目標である。より最近では、マイクロエレクトロニクスチップと共存する大規模なフォトニック集積回路を製造するために、光学コンポーネントがシリコン基板に統合されている。フィルタ、(デ)マルチプレクサ、スプリッタ、変調器、および光検出器を含む全てのフォトニックコンポーネントが、主にシリコンフォトニクスプラットフォームで示される。シリコン・オン・インシュレータ基板上のシリコンフォトニクスプラットフォームは、1300nmおよび1550nmの標準WDM通信帯域に特に適している。これは、シリコン(n=3.48)およびその酸化物SiO(n=1.44)の両方が透明であり、高屈折率差を有し、中‐高集積シリコンフォトニクス集積回路(SPIC)に理想的に適している閉じ込め性能が高い導波路を形成するからである。
【0004】
シリコンフォトニクスプラットフォームにおける半導体レーザは、多くの光電気通信アプリケーションのために実装されている。いくつかのアプリケーションにおいて、レーザチップは、スペクトル効率を向上させる広帯域高速光通信のために、フリップチップボンディングによってシリコンフォトニクスに適用される。しかしながら、垂直方向、長手方向、および横方向において優れた信頼性の高い受動アライメントを実現するためには技術的課題が存在する。したがって、改善された技術が望まれる。[発明の概要]
【0005】
本発明は、光通信技法に関する。より具体的には、本発明は、強化された3D受動アライメントを有するシリコンフォトニクスチップにおけるフリップチップボンディングのためのレーザチップおよび方法を提供する。より具体的には、本発明は、シリコンフォトニクスチップにおけるレーザと導波路との間の3D受動アライメントにおいてサブミクロン精度を有するように構成されたレーザチップを提供する。これは、他の応用も可能であるが、光損失が<3dBであり、様々な高速データ通信アプリケーションの場合の2倍の垂直アライメントの公差窓を有する。
【0006】
実施形態において、本発明は、3D受動アライメントフィーチャを有するシリコンフォトニクスチップにおけるフリップチップボンディングのためのレーザチップを提供する。レーザチップは、垂直方向におけるp領域とn領域とで作製された、長手方向において前面から裏面へと延伸するチップ体を含む。レーザチップはさらに、n領域のより広い幅に基づいて、チップ体の2つの側を超えてそれぞれ形成された一対の第1垂直ストッパを含む。さらに、レーザチップは、垂直方向におけるp領域とn領域との間のチップ体に埋められた、長手方向において前面から裏面へと延伸する直線形状の活性領域を含む。さらに、レーザチップは、前面に近いp領域の上面に、p領域の上面における活性領域の垂直投影線に対してサブミクロン精度で画定された横方向距離をおいて形成された長手方向の第1アライメントマークを含む。さらに、レーザチップは、前面と共有されている劈開された縁部を有するp領域の表面における薄い金属膜を含む。
【0007】
代替的な実施形態において、本発明は、強化された3Dアライメント精度および公差でシリコンフォトニクスチップにレーザチップを接合する方法を提供する。方法は、垂直方向におけるp領域とn領域との間に埋められた、長手方向において前面から裏面へと延伸する活性領域を有するチップ体を形成する段階と、チップ体のそれぞれの2つの側を超えて位置付けられた一対の第1垂直ストッパを形成する段階と、前面に近いp領域の上面に、p領域の上面における活性領域の垂直投影線に対してサブミクロン精度で画定された横方向距離をおいて、長手方向における第1アライメントマークを形成する段階と、前面と一致する劈開された縁部を有する薄い金属膜を形成する段階とを含む、レーザチップを提供するプロセスを含む。方法はさらに、凹状表面の上方の高さに位置付けられた導波路ポートを有する、シリコンフォトニクスチップの凹状表面におけるチップサイトを設定する段階を含む。チップサイトは、凹状表面に立っている一対の第2垂直ストッパと、凹状表面における導波路ポートの垂直投影線に対してサブミクロン精度で画定された横方向距離をおいた、凹状表面における第2アライメントマークとを含む。さらに、方法は、下を向いたp領域の上面を有するレーザチップを、半田材料を介して、凹状表面におけるチップサイトに、活性領域と導波路ポートとの間の垂直アライメントを決定するために一対の第2垂直ストッパとそれぞれ接合する一対の第1垂直ストッパで接合する段階を含む。さらに、方法は、第1アライメントマークを第2アライメントマークに位置合わせすることによって、横方向アライメントを決定する段階を含む。さらに、方法は、薄い金属膜の劈開された縁部における反射コントラストに基づいて前面を特定することによって、長手方向アライメントを決定する段階を含む。
【0008】
別の代替的な実施形態において、本発明は、強化された受動アライメントフィーチャを有するシリコンフォトニクスチップにおけるフリップチップボンディングのためのレーザチップを提供する。レーザチップは、垂直方向におけるp領域とn領域とで作製された、長手方向において前面から裏面へと延伸するチップ体を含む。さらに、レーザチップは、チップ体の2つの側を超えてそれぞれ形成された一対の第1垂直ストッパを含む。さらに、レーザチップは、垂直方向におけるp領域とn領域との間のチップ体に埋められた、長手方向において前面から裏面へと延伸する直線形状の活性領域を含む。さらに、レーザチップは、前面に近いp領域の上面に、p領域の上面における活性領域の垂直投影線に対してサブミクロン精度で画定された横方向距離をおいて形成された長手方向の第1アライメントマークを含む。
【0009】
さらに別の代替的な実施形態において、本発明は、強化された受動アライメントフィーチャを有するシリコンフォトニクスチップにおけるフリップチップボンディングのためのレーザチップを提供する。レーザチップは、垂直方向におけるp領域とn領域とで作製された、長手方向において前面から裏面へと延伸するチップ体を含む。さらに、レーザチップは、垂直方向におけるp領域とn領域との間のチップ体に埋められた、長手方向において前面から裏面へと延伸する直線形状の活性領域を含む。さらに、レーザチップは、前面に近いp領域の上面に、p領域の上面における活性領域の垂直投影線に対してサブミクロン精度で画定された横方向距離をおいて形成された長手方向の第1アライメントマークを含む。さらに、レーザチップは、前面と共有されている劈開された縁部を有するp領域の表面における薄い金属膜を含む。
【0010】
本発明は、シリコンフォトニクスプラットフォームに関連付けられた半導体レーザの既知の技術の文脈で、これらの利点および他の利点を実現する。しかしながら、本発明の性質および特長の更なる理解は、明細書および添付図面の後者の部分を参照することによって実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下の図は単に例であり、本明細書の特許請求の範囲を不当に限定するべきでない。当業者であれば、多くの他の変形形態、修正形態、および代替形態を認識するであろう。また、本明細書に記載される例および実施形態は、例示のみを目的とし、それらを考慮した様々な修正または変更が当業者に示唆され、添付の特許請求の範囲のこのプロセスおよび範囲の趣旨および権限に含まれるものとすることを理解すべきである。
【0012】
図1A】本発明の実施形態に係る、シリコンフォトニクスチップのチップサイト上に接合する、3Dアライメントフィーチャを有するレーザフリップチップの上面図である。
【0013】
図1B】本発明の実施形態に係る、シリコンフォトニクスチップの凹状表面におけるチップサイト上に接合する、3Dアライメントフィーチャを有するレーザフリップチップの側面図である。
【0014】
図2】本発明の実施形態に係る、シリコンフォトニクスチップ上におけるレーザフリップチップボンディングに対する光結合効率対垂直位置ずれのプロットである。
【0015】
図3A】本発明の実施形態に係る、レーザダイオードのクラッド層の再成長前に、レーザチップに横方向アライメントマークを形成する方法を示す概略図である。
【0016】
図3B】本発明の実施形態に係る、レーザダイオードのクラッド層の再成長後に、レーザチップに横方向アライメントマークを形成する方法を示す概略図である。
【0017】
図4】本発明の実施形態に係る、クラッド層の再成長後にアライメントマークを形成するための活性層にわたってのInP成長速度対酸化膜マスクの幅のプロットである。
【0018】
図5A】本発明の実施形態に係る、レーザチップに横方向アライメントマークを形成する方法を示す概略図である。
図5B】本発明の実施形態に係る、レーザチップに横方向アライメントマークを形成する方法を示す概略図である。
図5C】本発明の実施形態に係る、レーザチップに横方向アライメントマークを形成する方法を示す概略図である。
図5D】本発明の実施形態に係る、レーザチップに横方向アライメントマークを形成する方法を示す概略図である。
【0019】
図6A】本発明の別の実施形態に係る、レーザダイオードのクラッド層の再成長前に、レーザチップに横方向アライメントマークを形成する方法を示す概略図である。
【0020】
図6B】本発明の別の実施形態に係る、レーザダイオードのクラッド層の再成長後に、レーザチップに横方向アライメントマークを形成する方法を示す概略図である。
【0021】
図7】本発明の実施形態に係る、レーザチップの前面を特定するための薄い金属膜を形成する方法を示す概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、光通信技法に関する。より具体的には、本発明は、強化された3D受動アライメントを有するシリコンフォトニクスチップにおけるフリップチップボンディングのためのレーザチップおよび方法を提供する。より具体的には、本発明は、シリコンフォトニクスチップにおけるレーザと導波路との間の3D受動アライメントにおいてサブミクロン精度を有するように構成されたレーザチップを提供する。これは、他の応用も可能であるが、光損失が<3dBであり、様々な高速データ通信アプリケーションの場合の2倍の垂直アライメントの公差窓を有する。
【0023】
以下の説明は、当業者が本発明を作成および使用して、特定の用途のコンテキストに組み込むことができるようにするために提示される。様々な修正形態、および、異なる用途における様々な使用が、当業者にとって容易に明らかであり、本明細書に規定される一般原理は、広範囲の実施形態に適用され得る。したがって、本発明は、提示される実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される原理および新規の特徴と一貫した、最も広い範囲に一致する。
【0024】
本発明のより完全に理解を提供すべく、以下の詳細な説明において、多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明は必ずしもこれら具体的な詳細に限定されることなく実施され得ることは当業者にとって明らかである。他の例において、本発明を不明瞭化することを回避すべく、周知の構造およびデバイスは、詳細に記載されるのではなく、ブロック図の形式で示されている。
【0025】
読者の注意は、本明細書と同時に提出された、本明細書とともに公衆の調査に晒されるすべての紙面および文書に向けられ、すべてのそのような紙面および文書の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書、図面を含む)に開示されるすべてのフィーチャは、別様に明示的に述べられない限り、同一、同等、または同様の目的を果たす代替的なフィーチャに置き換えられ得る。したがって、別様に明示的に述べられない限り、開示された各フィーチャは、一般的な一連の同等または同様のフィーチャの一例に過ぎない。
【0026】
さらに、指定された機能を実行する「手段」、または特定の機能を実行する「段階」を明示的に述べない特許請求の範囲における任意の要素は、35 U.S.C.Section 112,Paragraph 6において指定される「手段」または「段階」項目として解釈されるものではない。特に、本明細書の特許請求の範囲における「段階」または「動作」の使用は、35 U.S.C.112,Paragraph 6の規定を援用することを意図するものではない。
【0027】
使用される場合、内側、外側、左、右、前、後、上部、底部、端、側、順方向、逆方向、垂直、長手、横方向、凹部、隆起状、谷状、時計回りおよび反時計回りというラベルは、便宜上の目的でのみ使用されており、任意の特定の固定された方向を示唆することを意図するものではないことに留意されたい。代わりにそれらは、対象の様々な部分の間の相対的な位置および/または方向を反映するために使用される。
【0028】
ある態様において、本開示は、強化された3D受動アライメントでシリコンフォトニクスチップにフリップチップボンディングするための半導体レーザチップを提供する。一例において、レーザは、シリコンフォトニクスプラットフォームにおける広帯域波長調整可能レーザに適用される半導体光増幅器の高出力操作性のために構成され得る。図1Aは上面図であり、図1Bは本発明の実施形態に係る、シリコンフォトニクスチップの凹状表面におけるチップサイト上に接合する、3Dアライメントフィーチャを有するレーザフリップチップの側面図である。この図は単に一例であり、本明細書の特許請求の範囲を不当に限定するべきでない。当業者であれば、多くの変形形態、代替形態、および修正形態を認識するであろう。示されるように、上面図において、上を向いているp領域103と下を向いているn領域105とを有するレーザチップが図の左側に示される。レーザチップは、p領域103とn領域105との間に位置付けられ、前面107から裏面108へと長手方向(y方向)において延伸する、活性領域101(実際にはp領域103の下方に位置付けられるべきであり、上面図において直接見えることはない)を含む。任意選択的に、n領域105は、p領域103より広い幅を有する。一対の第1垂直ストッパ201が、n領域105のより広い幅に基づいて、p領域103の2つの反対側を超えて形成される。任意選択的に、第1垂直ストッパ201は、y方向に沿って細長い形状を有する。この上面図において、レーザチップはまた、1つまたは2つのアライメントマーク203をp領域103の上面に含む。各アライメントマーク203は、前面107に近い長手(y)方向に沿っている線形状のフィーチャの一部分であり、p領域103の上面における活性領域101の投影線から横方向距離dをおいてそれぞれ位置付けられている。任意選択的に、2つのアライメントマークが、2つの側において対称的に、p領域103の上面における活性領域101の投影線に対して等しい距離dをおいて、形成される。任意選択的に、距離dは、フォトリソグラフィマスキングを使用するとともに、レーザ活性領域101の周辺にレーザ閉じ込め/クラッド層の再成長プロセスを実行することによって、サブミクロン精度で制御され得る。さらに、薄い金属膜205が、長手(y)方向におけるアライメントを容易にするために顕微鏡下におけるレーザの前面の位置を特定するように構成されている、前面107と共有されている縁部を有するように形成される。
【0029】
図1Aを参照すると、上面図において、レーザチップは、シリコンフォトニクスチップの表面30上の予めセットアップされたチップサイト300に対してフリップチップボンディングされるように設計される。上面図の中央に示されるように、チップサイト300は、シリコンフォトニクスチップの表面30上に立っており、y方向に沿って細長い形状を有し、一対の第1垂直ストッパ201に実質的に等しい横方向間隔を有する、少なくとも一対の第2垂直ストッパ301を含む。チップサイト300にはまた、シリコンフォトニクスチップの表面30の表面に内接している2つのアライメントマーク303が形成され、これらは、サブミクロン精度で横方向(x)方向においてレーザチップ上のアライメントマーク203と位置合わせするように設計されている。
【0030】
図1Aを再び参照すると、右側の上面図において、レーザチップは、シリコンフォトニクスチップの表面30におけるチップサイト300にフリップボンディングされる。フリップチップボンディング位置において、レーザチップの上の一対の第1垂直ストッパ201は、表面30の上の一対の第2垂直ストッパの上に停止しているかまたはそれと接合しており、これは、一対の第1垂直ストッパ201と一対の第2垂直ストッパ301との両方が実質的に等しい横方向間隔を有するからである。後ほど示されるように、第1垂直ストッパおよび第2垂直ストッパのそれぞれは、特定の高さ設計を有しており、レーザチップの活性領域101をシリコンフォトニクスチップにおける導波路と垂直(z)方向において位置合わせさせる。これは、比較的に大きい垂直距離の公差窓での所望の<3dBの光結合損失を有する。レーザチップのアライメントマーク203は、シリコンフォトニクスチップの表面30上のアライメントマーク303に位置合わせするのに使用されることにより、レーザチップの活性領域101がサブミクロン精度で横方向(x)方向において導波路と位置合わせされて、活性領域から導波路に通過するレーザ光の<3dBの結合損失の達成をサポートし得る。薄い金属膜205は、前面107の位置を特定するための光学反射の良好なコントラストを生成するのに使用され得る。これは、活性領域から導波路に通過するレーザ光の<3dBの結合損失の達成をサポートするための、長手y方向におけるアライメントのための重要な基準点である。
【0031】
図1Bを参照すると、側面図の上部は、シリコンフォトニクスチップの凹状表面30上のレーザチップのフリップボンディングの(x方向に沿っている)AA'平面に沿った断面図を示す。示されるように、p領域103は、下を向くようになり、半田材料305を介して、シリコンフォトニクスチップの凹状表面30(上のチップサイト300)と接合する。同時に、一対の第1垂直ストッパ201を接近させて一対の第2垂直ストッパ301に接合させることで、活性領域101の垂直位置を決定する一方、p領域の表面は余分の半田材料305を離れるように柔軟に押して、凹状表面30の上部における半田材料305の残りの部分に定着し得る。
【0032】
側面図の下部は、シリコンフォトニクスチップの凹状表面30における半田材料305を介したレーザチップのフリップボンディングのBB'平面に沿った(y方向に沿った)断面図を、p領域103(底部)とn領域105(上部)との間に置かれた実質的に直線形状の活性領域101とともに示す。任意選択的に、活性領域101は、p領域が半田材料305を介して凹状表面30に定着すると、凹状表面30の上方に高さhであるように配置される。それがシリコンフォトニクスチップに形成されると、光導波路310は、レーザフリップチップの前面107を向いている凹状表面30に関連付けられた側壁における受信ポートとともに、y方向に沿って水平に置かれる。任意選択的に、側壁におけるポートを含む光導波路310は、凹状表面30の上方に高さhを有するように設計される。線形活性領域101と光導波路310との間において最大結合効率を有する理想的な光学アライメントは、図2に示されるように、h=hまたは垂直方向の位置ずれg=h-h=0になるように完全な垂直アライメントを要求する。
【0033】
図2を参照すると、完全な垂直アライメントに対応する最大結合効率は、約-2dBの結合損失に関連付けられ得る。レーザフリップチップボンディングの場合、シリコンフォトニクスチップにおける導波路ポートに対するレーザの活性領域の垂直アライメント位置は、レーザチップ内の活性領域に対する一対の第1垂直ストッパと、シリコンフォトニクスチップ内の光導波路に対する一対の第2垂直ストッパとの相対的位置によって主に決定される。活性領域101を側壁における光導波路310のポートに垂直方向の位置ずれg=0であるように完璧に位置合わせする場合、最大結合効率が潜在的に与えられる。しかし、実際には、第2(または第1)垂直ストッパの停止面に形成されたいくつかの破片が常に存在し得、それにより、それらがレーザチップにまとめて接合される場合、活性領域101はより高い位置に配置されるように物理的に強制される。これは、最悪の許容可能な結合効率が-3dBで与えられると、活性領域と光導波路310との間の結合効率がR0の範囲に含まれるようにする。R0は、したがって、垂直アライメントの公差範囲になる。任意選択的に、公差範囲R0は、0から約0.5~0.7μmである。
【0034】
本発明の実施形態において、レーザチップの垂直アライメント設計は、レーザチップの形成プロセスの間、レーザチップが接合される対応するシリコンフォトニクスチップにおける凹状表面30の上の光導波路310に対する第2垂直ストッパ301の停止面の垂直高さに基づいて、活性領域101に対するレーザチップにおける一対の第1垂直ストッパ201の停止面の垂直高さを調整するためのものである。ここで参照される停止面は、垂直ストッパの端面である。第1垂直ストッパ201の垂直高さは、n領域103に対してより広い幅を有するn領域105におけるその基部に対する対応する停止面の高さである。第2垂直ストッパ301の垂直高さは、凹状表面30におけるその基部に対する停止面に対応する高さである。垂直アライメント設計のターゲットは、光導波路310の約-0.5μm~-0.7μm下に垂直方向の位置ずれg<0を意図的に設定するためのものである。この実施形態において、図2に示されるように、活性領域101と光導波路310との間の-3dBの同じ許容可能な結合効率に対して、垂直アライメントの公差範囲R1は、ウィンドウサイズが-0.5~-0.7μmから+0.5~0.7μmとほぼ2倍になる。
【0035】
別の態様において、本発明は、サブミクロン精度の3D受動光学アライメントでシリコンフォトニクスチップにフリップチップボンディングするためのレーザチップセットを形成する方法を提供する。図1は、サブミクロン精度の垂直アライメント公差を制御/調整するために垂直ストッパを使用するフィーチャと、シリコンフォトニクスチップのチップサイトにおける横方向アライメントを実現するためのレーザチップのp領域の上面のアライメントマークのフィーチャとを示す。図3A及び図3Bは、本発明の実施形態に係る、レーザダイオードのクラッド層の再成長前および再成長後に、レーザチップに横方向アライメントマークを形成する方法を示す概略図である。この図は単に一例であり、本明細書の特許請求の範囲を不当に限定するべきでない。当業者であれば、多くの変形形態、代替形態、および修正形態を認識するであろう。
【0036】
実施形態において、図3Aは、レーザチップの形成プロセスの途中における概略図を示す。示されるように、活性層400は、閉じ込め/クラッド層40にわたって形成される。動作波長スペクトルに応じて、活性層400は、1または複数の化合物半導体、または、多重量子井戸構造として構成されたInAsP、GaInNA、GaInAsP、GaInAおよびAlGaInAの組み合わせを含む異なる半導体材料を含む。閉じ込め/クラッド層40は通常、様々なドーピングプロファイルと、活性層400のそれと比較して異なるエネルギーギャップとを有するInPベースの半導体材料を含む。任意選択的に、閉じ込め/クラッド層40は、n型不純物でドーピングされ、n領域105(レーザチップのn領域105、図1を参照)として構成される。
【0037】
図3Aを参照すると、3D受動光学アライメントでシリコンフォトニクスチップにフリップチップボンディングするためのレーザチップセットを形成する方法は、活性領域101(図1)が形成される活性層400にわたって第1の幅w1の第1酸化膜マスク401を、第1アライメントマークが形成される活性層400にわたって第2の幅w2の第2酸化膜マスク402を配置することを含む。図3Aは、幅w1の第1酸化膜マスク401から横方向距離sだけ離れて形成された幅w2の第2酸化膜マスク402を示す断面図である。これは、マスキングおよびフォトリソグラフィの成熟した技術を使用して行われ、w1、w2およびsの寸法を設定するためのサブミクロン精度を実現し得る。任意選択的に、第1の幅w1は、約1.5μm~3.5μmに設定される。任意選択的に、第2の幅w2は、図3Aに示されるように、第1の幅w1より約0.1μm~2μm、または1~3.5μm小さく設定される。任意選択的に、第2の幅w2は、別の実施形態において図6Aに示されるように、第1の幅w1より約2.5μm~8.5μm、または1μm~5μm大きく設定される。任意選択的に、第1の幅w1および第2の幅w2は、サブミクロン精度で、それらの横方向の位置において1μmと5μmとの間の差を有するように構成されている。任意選択的に、第2酸化膜マスクと同様の第3酸化膜マスクが、等間隔dをおいて第1酸化膜マスクの反対側に形成され得、これは対称の第1アライメントマークを形成することを意図している。
【0038】
図3Bを参照すると、3D受動光学アライメントでシリコンフォトニクスチップにフリップチップボンディングするためのレーザチップセットを形成する方法は、レーザチップのp領域の再成長の上面にアライメントマーク203を形成すべく、図3Aに示される構造に適用された再成長プロセスを実行する段階を含む。図3Bは、p型の閉じ込め/クラッド層40'とn型の閉じ込め/クラッド層40との間に、第1酸化膜マスクの下の活性領域101と、第2酸化膜マスク(402)下の活性層(400)のより狭いセクション112とを残しつつマスクが除去されたp型の閉じ込め/クラッド層40'の再成長によって形成された、仕上げられたp領域の断面図を示す。この断面図には図示されていないが、活性領域101は、レーザチップの前面から裏面にかけて(断面に対して垂直である)長手y方向において延伸する長い長さを有しており、その一方、より狭いセクション112は、長手y方向においては単なる短い長さを有していることに留意されたい。特に、仕上げられたp領域の上面は、近傍のp型の閉じ込め/クラッド層40'のより均一な成長速度に起因する活性領域101の形成をもたらした、先に配置された第1酸化膜マスクにわたって比較的に平坦化された領域411を有するプロファイルを含み、近傍のp型の閉じ込め/クラッド層40'のより遅い成長速度に起因する活性層のより狭いセクション112の形成をもたらした、先に配置された第2酸化膜マスクにわたって短い長さを有する小さいピーク状/隆起状の隆起領域203の近くに、浅いバンカー領域413をも含む。
【0039】
図4は、本発明の実施形態に係る、クラッド層の再成長後にアライメントマークを形成するための活性層にわたってのInP成長速度対酸化膜マスクの幅のプロットである。示されるように、異なる酸化膜マスクに関連付けられた再成長プロセス下でのクラッド層の成長は、再成長プロセスにおけるInPベースのクラッド層の成長増大は、酸化膜マスクの幅にほぼ線形的に依存するという興味深い効果を示す。この効果は、第2の幅w2の第2酸化膜マスクに関連付けられた領域におけるInPベースの材料の成長速度を、マスクが除去された後の再成長プロセスの間、w2より大きい第1の幅w1(w1>w2)の第1酸化膜マスクに関連付けられた領域におけるInPベースの材料の成長速度に対してより小さくさせる(図3Aを参照)。したがって、再成長プロセスが進むにつれて、浅いバンカー領域413が形成され、先に配置された第2酸化膜マスク402(現在は、クラッド層の中央に残っている活性層112のより狭いセクションによって示されている)の位置の上部に対して実質的に垂直で位置付けられている、短い長さの隆起状の隆起領域203が効果的に形成させられる(図3B)。任意選択的に、第2の1つの隆起状の隆起領域が、活性領域に対して等間隔dを有する他の側における第3酸化膜マスクに基づいて形成され得る。
【0040】
図6Aに示される別の実施形態において、第2マスク402の第2の幅w2は、第1酸化膜マスク401の第1の幅w1より大きくすることができる。任意選択的に、第1の幅w1および第2の幅w2は、サブミクロン精度でsだけ離れて、それらの横方向の位置において1μmと5μmとの間の差を有するように構成されている。任意選択的に、第1の幅w1は、約1.5μm~3.5μmに設定される。第2の幅w2は、約2.5μm~8.5μmに設定される。図4に示される成長増大の効果は依然として同様に作用し、それにより、再成長プロセスにおけるInPベースのクラッド層の成長増大は、酸化膜マスクの幅にほぼ線形的に依存する。第2酸化膜マスクの近くの領域の周辺のクラッド層の成長速度は、第1酸化膜マスクの近くの領域の周辺のそれより大きくなる。再成長プロセスが図6Aに示された構造に適用されると、異なる酸化膜マスクの幅に対して異なる成長速度を有する再成長プロセスは、レーザチップのp領域の再成長の上面の上にアライメントマーク203'(図6B)の形成をもたらす。図6Bは、p型の閉じ込め/クラッド層40'とn型の閉じ込め/クラッド層40との間に、第1酸化膜マスクの下の活性領域101と、第2酸化膜マスク(402')下の活性層(400)のより広いセクション112'とを残しつつマスクが除去されたp型の閉じ込め/クラッド層40'の再成長によって形成された、仕上げられたp領域の断面図を示す。この断面図には図示されていないが、活性領域101は、レーザチップの前面から裏面にかけて(断面に対して垂直である)長手y方向において延伸する長い長さを有しており、その一方、より短いセクション112は、長手y方向においては単なる短い長さを有していることに留意されたい。図6Bにおける仕上げられたp領域の上面は、近傍のp型の閉じ込め/クラッド層40'のより均一な成長速度に起因する活性領域101の形成をもたらした、先に配置された第1酸化膜マスクにわたって比較的に平坦化された領域411を有するプロファイルを含み、近傍のp型の閉じ込め/クラッド層40'のより速い成長速度に起因する活性層のより広いセクション112'の形成をもたらした、先に配置された第2酸化膜マスクにわたって短い長さを有する谷状の窪み領域203'の近くに、小山領域443をも含む。
【0041】
最終的には、レーザチップのp領域は、上面を有するp領域の形成の最終成長の後に形成されるので、隆起状の隆起領域203または谷状の窪み領域203'は、周囲の浅いバンカー領域413より高くなるように、または周囲の小山領域443より低くなるように形成され、図1において見られるように、p領域の上面の上の第1アライメントマーク203または203'になる。任意選択的に、第1アライメントマーク203(203')は、第1酸化膜マスク401に対する先に配置された第2酸化膜マスク402と同じである、p領域の上面の上の活性領域101の投影線に対する横方向の位置を有する。酸化膜マスクはその横方向の位置においてサブミクロン精度で置かれ得るので、レーザチップの上に形成された第1アライメントマーク203(203')は、シリコンフォトニクスチップへのレーザフリップチップボンディングのための所望の横方向アライメントを実現するために使用され得るのと同じサブミクロン精度を有する。任意選択的に、同様の隆起状/谷状の領域を有する別の第1アライメントマークが、p領域の上面における活性領域の投影線に対して等間隔dをおいて反対側に対称的に形成され得る。
【0042】
図5Aから図5Dは、本発明の実施形態に係る、レーザチップに横方向アライメントマークを形成する方法を示す概略図である。これら図は単に一例であり、本明細書の特許請求の範囲を不当に限定するべきでない。当業者であれば、多くの変形形態、代替形態、および修正形態を認識するであろう。特定の実施形態において、方法は、活性領域101(図1)が形成される活性層400にわたって第1酸化膜マスク401と、その上にアライメントマークが形成される活性層400にわたって第2の幅w2の第2酸化膜マスク402とを配置する段階を含む。任意選択的に、酸化物層は、活性層400の上層に堆積される。パターニング/リソグラフィ処理が酸化物層に実行されて、第1の幅w1(および前面位置から裏面位置へと長手y方向において延伸される第1長さ)を有する第1マスク401と、第2の幅w2(および第1長さに平行して約1μmであるかまたはそれより短い第2長さ)を有する第2マスク402とを画定する。任意選択的に、第1の幅w1および第2の幅w2は、サブミクロン精度でsだけ離れて、それらの横方向の位置において1μmと5μmとの間の差を有するように構成されている。任意選択的に、酸化物エッチング処理が実行され、第1酸化膜マスク401および第2酸化膜マスク402の形成をもたらす(図5Aを参照)。
【0043】
さらに、方法は、酸化膜マスクを部分的にアンダーカットして酸化膜マスクの周辺に隙間421、422、423が形成された活性層400の下にあるn型の閉じ込め/クラッド層40の余剰部分を含む、マスキングされていない活性層400を除去するためのメサエッチングを含む(図5Bを参照)。さらに、方法は、図5Cに示されるように、それらの隙間421、422、423に電流遮断層431、432、433を形成する段階を含む。任意選択的に、電流遮断層431または432または433は、逆バイアスのp-n接合層(例えば、最初にp型InP層、次にn型InP層)で作製される。任意選択的に、電流遮断層431または432または433は、p-n-i-n構造またはFeドーピング絶縁材料であり得る。逆バイアスのp-n接合は、側面からの電流の流れを停止させる。電流は、逆バイアスのp-n接合が存在しない活性領域からのみ流れる。これらの電流遮断層は、酸化膜マスクの幅に応じて、酸化膜マスクの周辺の成長速度が異なるようにする再成長増大効果を誘発する。任意選択的に、より速い再成長速度は、第2電流遮断層の上方に誘発されるより、電流遮断層の上方の領域に誘発される。任意選択的に、方法は、第1酸化膜マスクおよび第2酸化膜マスクを除去して、第1長さを有する活性領域101と短い第2長さを有する活性層112のより狭い第2セクションとを残す段階を含む。
【0044】
さらに、方法は、酸化膜マスクが除去された図5Cの構造に(p型の)閉じ込め/クラッド層を追加するための再成長プロセスを実行する段階を含む。再成長プロセスは、活性領域101の周辺と、活性層112のより狭い第2セクションの周辺とに電流遮断層によって誘発される領域に対して異なる成長速度を有するレーザチップのp領域40'を成長させるべく、MOCVDを使用してp型InPベースの材料を堆積する段階を含む。任意選択的に、InPベースの材料の成長速度を活性層112のより狭い第2セクションの周辺においてより低くして、結果として活性層112のより狭い第2セクションのすぐ上方に小山領域203をもたらしつつ浅いバンカー領域413を作成する。活性領域101の上方の領域は、相対的に均一な速度(浅いバンカー領域413より早い)で成長し、比較的に平坦化された領域411を実現する。さらに、方法は、活性領域101をカバーするための比較的に平坦な領域411と、活性層112のより狭い第2セクションにわたって長手方向において短い長さを有する隆起状の領域203とを含む上面を有するp領域40'の形成を完了するために、最終成長を実行する段階を含む。p領域40'の上面において、隆起状の領域203は第1アライメントマークになる。任意選択的に、第1酸化膜マスクに対して等しい横方向距離sを有する反対部位に第3酸化膜マスクを配置することによって、同様の構造を有する別の隆起状の領域が反対側に形成され得る。したがって、任意選択的に、レーザチップに形成された第1アライメントマークは、活性領域に対して対称的な横方向位置を有する一対のアライメントマークであり得る。任意選択的に、これらのアライメントマークの横方向の位置は、レーザチップの活性領域の1つの側または対称的に2つの側においてサブミクロン精度で決定され得る。任意選択的に、これらのアライメントマークは、製造プロセスの設定に応じて、p領域またはn領域のいずれかの上面において形成され得る。
【0045】
任意選択的に、上記に示されたようにレーザチップに形成された1つまたは2つの第1アライメントマークは、チップサイトが設計される(凹部)表面に形成された1つまたは2つの対応する第2アライメントマークを用いて、シリコンフォトニクスチップ上のチップサイトへのフリップチップボンディングのためのレーザを横方向に位置合わせするのに使用され得る(図1を参照)。シリコンフォトニクスチップ(の凹状表面)における第2アライメントマークは、活性領域と導波路ポートとの間の受動アライメントの要件を満たすために、サブミクロン精度で多くの方法で形成され得る。
【0046】
別の実施形態において、レーザチップは、チップ体の前面を特定することにより、レーザチップが長手方向に沿って(活性領域に沿って)うまく位置付けされ得るように構成される別のアライメントフィーチャを用いて形成される。図7は、本発明の実施形態に係る、レーザチップの前面を特定するための薄い金属膜を形成する方法を示す概略上面図である。この図は単に一例であり、本明細書の特許請求の範囲を不当に限定するべきでない。当業者であれば、多くの変形形態、代替形態、および修正形態を認識するであろう。示されるように、簡略化された図において、2つの隣接するチップダイが、レーザチップを作製するためのウェハの上に示されている。製造プロセスにおいてほぼ完了したダイ1を参照すると、ダイ1のレーザチップは、p領域103、n領域105、p領域とn領域との間に埋設された活性領域101、2つの垂直ストッパ201、p領域103の上面に形成された一対の第1アライメントマーク203を含む、図1に示されたすべてのフィーチャを含む。さらに、ダイ1のレーザチップはまた、p領域103の上面に形成された薄い金属膜205を含む。任意選択的に、薄い金属膜205は、p領域103の上面にパターンを有するp金属を形成する同じプロセスにおいて形成され得、これは、レーザチップに対する電気的接触を形成するように構成されている。特に、ダイ1およびダイ2は依然としてウェハにおいて単体である。薄い金属膜205は、ウェハ処理によって、ダイ1とダイ2との間の活性領域101に対して垂直である境界線107を横切ってパターニングおよび形成される。レーザチップを形成するためのウェハ処理の終了時に、ダイシング処理が実行され、それぞれの個々のレーザチップを取得するためにダイ1をダイ2から分離するように覆われた薄い金属膜を有する境界線を介してウェハを切断する。ダイシング処理は、2つのレーザチップ体のそれぞれに対して、薄い金属膜の劈開された縁部とファセットとを自動的に作成する。したがって、劈開された縁部を薄い金属膜205と共有する前面107を有するレーザチップが取得され、レーザチップがシリコンフォトニクスチップにフリップボンディングされる際に、劈開された縁部を自動的に長手方向に沿った光学アライメントのために前面107を特定するアライメントフィーチャとする。
【0047】
上記の説明は、特定の実施形態の完全な説明であるが、様々な修正形態、代替形態の構造および同等物が使用され得る。したがって、上記の説明および例示は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
【外国語明細書】