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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068132
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】温度ヒューズ
(51)【国際特許分類】
   H01H 37/76 20060101AFI20220426BHJP
   H01R 13/684 20110101ALI20220426BHJP
【FI】
H01H37/76 F
H01H37/76 K
H01R13/684
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021172323
(22)【出願日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】63/094,399
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/132,624
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517094840
【氏名又は名称】ソーラーエッジ テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イスラエル ガーシュマン
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヴ ガリン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド ラッチマン
(72)【発明者】
【氏名】バハト シャファト
【テーマコード(参考)】
5E021
5G502
【Fターム(参考)】
5E021FA08
5E021FC11
5E021FC16
5E021MA11
5G502AA02
5G502BA02
5G502BB17
5G502BB19
5G502BE08
5G502FF09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コネクタ内部のアーク放電に起因する過熱による温度ヒューズの変形による周囲の構成要素の損傷を防止する。
【解決手段】温度ヒューズ670は、コネクタ600内に配置され、可溶合金導体を囲むシース675を備え、コネクタ600の内部アーク放電に起因して過熱状態が発生した場合、アーク放電の熱が温度ヒューズ670の一部分を融解し、さらにシース675が収縮して融解した可溶合金導体が変位する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
第1の端部および第2の端部を備える可溶合金導体と、
収縮温度を超えて収縮するように構成された前記可溶合金導体を囲むシースと、を備え、
前記装置の温度が前記収縮温度を超えて上昇すると、前記可溶合金導体が融解して融解可溶合金導体になり、前記シースが収縮し、それによって前記融解可溶合金導体が変位する、装置。
【請求項2】
前記シースが、前記第1の端部および前記第2の端部のうちの少なくとも一方の端部まで延在せず、それによって、前記融解可溶合金導体が前記装置から抜け出るための経路を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記可溶合金導体が、中空管である、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記中空管が、非伝導基材を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記可溶合金導体が、穿孔を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の端部および前記第2の端部が、低表面接触抵抗材料を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の端部および前記第2の端部が、銅を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記収縮温度を超えて収縮するために、前記シースが、融解するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記収縮温度を超えて収縮するために、前記シースが、縮小するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記装置が、コネクタ内に封入されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記コネクタ内にワッシャをさらに備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ワッシャが、前記シースと前記コネクタのうちの少なくとも1つの壁部との間の空間を実質的に充填している、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記ワッシャが、シリコンワッシャである、請求項10~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記可溶合金導体が、前記第1の端部と前記第2の端部との間で4000μΩ未満の抵抗を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記可溶合金導体が50℃~300℃の間の融点を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
回路遮断器を電気回路に挿入して、過負荷または短絡からの過電流によって引き起こされる損傷から電気回路を保護し得る。温度ヒューズは、温度ヒューズが素子である回路を切り離す(例えば「遮断する」)ために、温度感応デバイスにおいて使用され得る一種の回路遮断器である。温度ヒューズ内の温度が、例として、火災、短絡、アーク状態、または何らかの他の異常動作状態に起因して過熱した場合、温度ヒューズは、回路を開放し得る。温度ヒューズは、高温の結果として変形して、温度ヒューズを使用不能にする素子を含む使い捨てデバイスであり得る。
【発明の概要】
【0002】
以降の概要では、特定の特徴の簡略化された概要を提示する。この概要は、広範囲の概説ではなく、主要なまたは重要な要素を特定することは意図していない。
【0003】
温度ヒューズ回路遮断器(以下、「温度ヒューズ(複数)」、または単数で「温度ヒューズ」)のためのシステム、装置、および方法が記載される。本明細書に記載の温度ヒューズは、コネクタなどの電子デバイス内に配置されてもよく、それにより、例えば、コネクタを横断するまたはコネクタの内側のアーク放電に起因する過熱状態に続いて、異常に高い温度が、ヒューズの一部分を変形させ、それによって、火災などの潜在的に壊滅的な事故からの損傷、または温度ヒューズ自体よりも高価であり得る構成要素への損傷を限定する。
【0004】
これらのおよび他の特徴および利点は、以降でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
いくつかの特徴は、添付の図面において、限定としてではなく、例として示されている。図面において、同様の数字は類似の要素を参照する。
【0006】
図1】コネクタ内の第1の温度ヒューズの図を示す。
図2】発電のための光起電力モジュールにおいて使用され得るコネクタなどの、コネクタの断面図を示す。
図3】温度ヒューズを製造するためのスタンピングプロセスにおけるフェーズのための様々な設計を示す。
図4】温度ヒューズの等角図を示す。
図5A図4の温度ヒューズの第1の断面図を示す。
図5B図4の温度ヒューズの縦断面図を示す。
図5C図4の温度ヒューズの横断面図を示す。
図6】コネクタ内の、例えば、図4A図4Cの温度ヒューズを示す。
図7A】アーク現象中の温度ヒューズを示す。
図7B】アーク現象後の図7Aの温度ヒューズを示す。
図8A】温度ヒューズ組立体を示す。
図8B】温度ヒューズ組立体を示す。
図9A】温度ヒューズ組立体を示す。
図9B】温度ヒューズ組立体を示す。
図9C】温度ヒューズ組立体を示す。
図10A】温度ヒューズ組立体を示す。
図10B】閉状態にある第1のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10C】開放状態にある第1のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10D】閉状態にある第2のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10E】開放状態にある第2のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10F】閉状態にある第3のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10G】開放状態にある第3のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10H】閉状態にある第4のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10I】開放状態にある第4のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10J】閉状態にある第5のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10K】開放状態の第5のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図11】例えば、光起電力エネルギーシステムにおけるコネクタ内の温度ヒューズを示す。
図12A】例えば、光起電力エネルギーシステムにおけるコネクタのプラグ部分内の温度ヒューズを示す。
図12B】例えば、光起電力エネルギーシステムにおけるコネクタのソケット部分内の温度ヒューズを示す。
図12C】コネクタ内に配置され、温度ヒューズとして作用する回路を示す。
図12D】温度ヒューズと並列に配置され得る発振回路の例を示す。
図12E図12Dの迂回警報回路の動作を記載するフローチャートである。
図12F】温度ヒューズと並列に配置され得るインダクタ回路の例を示す。
図12G】本明細書に記載の温度ヒューズに実装され得る別の態様を示す。
図13】光起電力エネルギーシステムにおける温度ヒューズを備えているコネクタの使用のいくつかの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
添付の図面は、本明細書の一部を構成し、本開示の例を示す。図面に示され、かつ/または本明細書で考察される例は、非排他的であり、本開示を実施し得る方法には他の例もあることを理解されたい。
【0008】
ここで、図1を参照すると、図1は、温度ヒューズ170を含むコネクタ組立体100の図を示している。コネクタ組立体100のデザインは限定的ではなく、以下に見られるように、コネクタおよび温度ヒューズの追加のデザインおよび実装について説明する。第1のコネクタ組立体100は、例えば、円筒形状であり得るコネクタ筺体110によって固定され得る。筺体110の他の形状は、略矩形の箱形状を含んでもよく、この場合、略矩形の箱(すなわち、直方体)形状の各面は、筺体110の異なる壁部として見なされ得る。別の実施形態では、筺体110は、概して円錐状、すなわち、第1の端部においてより広く、第2の端部まで徐々に狭くなってもよい。さらに、筺体110は、他の規則的な形状、これらに限定されないが、例えば、三角柱、角錐など、ならびに様々な不規則な三次元形状を含む、任意の他の適切な形状を有してもよい。
【0009】
ケーブル120は、ケーブル120の外側に絶縁層130、および絶縁層130の内側に配置されたある長さ140の伝導材料、例えば、銅またはアルミニウムを含み、第1の端部150でコネクタ筺体110に入れ込み得る。本明細書および添付の図面全体を通して、様々な長さの伝導材料が、絶縁層の内側にあるものとして記載されてもよいが、描写を容易にするために、当該長さの伝導材料が、いくつかの場所では、当該絶縁層に入れ込んでいる、またはそれに隣接しているものとして描写され得る。ケーブル120の端部において、絶縁層は存在しなくてもよく(例えば、剥離されていてもよく)、図1に描写されるように、ある長さ140の伝導材料をコネクタ筺体110の内側に露出したままにしてもよい。圧着部160などの接続部は、ケーブル120の剥離された端部において、ある長さ140の伝導材料で形成され得る。圧着部によって形成される接続部は、いくつかの実装形態では、無はんだ接続であってもよい。他の実装形態では、接続160は、はんだ付けされた接続、または螺合接続であってもよい。圧着部160は、ある長さ140の伝導材料への電気的接続を提供する任意の他の適切な伝導材料によって置き換えられてもよく、本明細書に記載のように実装され得る。圧着部160は、はんだを用いずにある長さ140の伝導材料を接続することを可能にし得、このことは、はんだが圧着部160よりも(例えば、機械的または熱的過剰応力、ぬれ不良、伝導材料に沿ったウィッキングなどに起因する)機械的劣化を起こしやすい傾向があることから、別の方法ではんだ付けされた接合部であり得る接合部上の腐食の影響を低減するとともに、ケーブルの機械的安定性の増加をもたらし得る。圧着部160の第2の端部は、温度ヒューズ170自体として機能する長さの材料に接続され得る。
【0010】
典型的には、温度ヒューズ170は、低融解温度合金を含む。実施例として、温度ヒューズ170は、50℃~300℃の融点を有してもよい。いくつかの実装形態では、温度ヒューズ170は、200℃未満の融点を有してもよい。温度ヒューズは、特的用途向けに設計されてもよく、それにより、ヒューズに使用される合金は、予想されるまたは指定された動作電流での所期の温度に基づいて選択され得る。実施例として、予想されるまたは指定された動作電流が4Aであるシステムでは、温度ヒューズは、4Aの電流での予想される動作温度(プラスいくらかの誤差の公差および/または範囲)に応じて設計され得る(例えば、温度ヒューズ中に使用される金属もしくは合金および/またはその寸法の選択)。予想されるまたは指定された動作電流が8Aであるシステムでは、ヒューズは、8Aの電流での予想される動作温度(プラスいくらかの公差)に応じて設計され得る(すなわち、温度ヒューズ中に使用される金属もしくは合金の選択およびその寸法の選択がなされる)。
【0011】
温度ヒューズ170は、第2の端部において、金属コネクタピン180の第1の端部に接続し得る。コネクタピン180の第2の(露出した)端部190は、コネクタ筺体110の第2の端部195から抜け出得る。コネクタピン180は、コネクタ筺体内に配置されなくてもよい(図1には描写されていないが、図10Aを参照)。コネクタピン180の露出した端部190は、結合コネクタの第2のコネクタピンまたはソケットに接触するように構成され得る。例えば、コネクタピン180の露出した端部190は、第2のコネクタピンの第2の(露出した)端部にスナップ嵌めすること、露出した端部190に螺合すること、または接続を形成する他の適切な技術のいずれかによって、(第2のコネクタピンの)第2の露出した端部において(描写せず)第2のコネクタピンに容易に接続するように設計され得る。ケーブル120、ある長さ140の伝導材料、ヒューズ170、およびコネクタピン180は、伝導経路を含み得る。温度ヒューズ170が遮断、変形、融解などして、もはや伝導経路の一部分を形成しない場合、伝導経路は分断され得る。
【0012】
ここで、図2を参照すると、図2は、発電のための光起電力モジュール内でまたはともに使用され得るコネクタ200などのコネクタ200の断面を示している。発電のための光起電力モジュールについての上記の言及は例としてのものであり、コネクタ200の他の適切な使用法は、簡略化および便宜上、ここでは言及されていないことを理解されたい。ケーブル220は、筺体210の第1の端部250で筺体210に入れ込み得る。ケーブル220は、図1のケーブル120の絶縁層130と同一または同等の絶縁層230で被覆されていてもよい。筺体210によって囲まれた容積内で、ケーブル220のある長さ240の伝導材料が、図1のある長さ140の伝導材料が筺体110の内側に露出されているのと同様に露出され得る(例えば、絶縁層230によって被覆されていない)。ケーブル220のある長さ240の伝導材料は、図1の圧着部160と同様に、第1の端部圧着部260で終端し得る。圧着部260の第2の端部は、コネクタピン180と同等または同一であるコネクタピン280に取り付けられてもよく、またはその一部分を形成してもよい。コネクタピン280は、例えば、プログレッシブスタンピングによって形成されてもよい。コネクタピン280およびコネクタピン180を形成するときに、プログレッシブスタンピングの代わりに、またはそれに加えて、他の適切な製造技術が使用されてもよい。例えば、コネクタピン280およびコネクタピン180は、金属めっきとともに、機械加工、鋳造、押し出し、深絞り、スタンピングによって形成されてもよい。金属印刷のコネクタピン280およびコネクタピン180はまた、3D金属印刷技術によって形成されてもよく、3D金属印刷技術には、これらに限定されないが、直接金属レーザ焼結(DMLS)、直接金属レーザ融解(DMLM)、および他の適切な3D金属印刷技術が含まれる。
【0013】
コネクタピン280を形成するプログレッシブスタンピングは、金属原材料を機械的に形成するパンチング、コイニング、曲げ、および他の様々な方法を包含し得る金属加工技術を含み得、金属原材料がスタンピング装置に挿入される自動供給システムと結合され得る。図1のコネクタ組立体100と同様に、ケーブル220、ケーブル220のある長さ240の伝導材料、圧着部260、およびコネクタピン280は、伝導経路を含み得る。コネクタピン280は、露出した端部290で終端し得る。露出した端部290は、筺体210の第2の端壁295で筺体210を抜け出得る。第2のコネクタはコネクタ200および/または本明細書に記載の任意の他のコネクタと同一または同等であってもよく、この第2のコネクタへの接続は、いくつかの場合には、スナップ嵌め、螺合、または2つのコネクタを接続する別の適切な技術によって形成されてもよい。他の場合には、コネクタ200の露出した端部290は、定位置に押し込まれ、圧力によって定位置に保持され得る。図8A図10Aを参照して、コネクタ200と筺体210とを接続する様々な実施例を以下に示す。
【0014】
ここで、図3を参照すると、図3は、温度ヒューズ組立体および同様の用途で使用するためのコネクタピン180および/または圧着部160(図1)およびコネクタピン280(図2)を製造するためのスタンピングプロセスにおけるフェーズの様々な設計を示す。図3の記載では、「コネクタピン」および「圧着部」などの素子は、未完成の状態であってもよい。しかしながら、記載を容易にするために、それらは完成したときのものとして参照される。第1のコネクタピン380A(例えば、280)は、金属ブランク310の一部分として図3に描写されている。第2のコネクタピン380B(例えば、180)は、金属ブランク320の一部分として図3に描写されている。第1の金属ブランク310は、窓部の存在によって第2の金属ブランク320と区別され、窓部はフレーム378によって形成されている。窓部は、フレーム378によって形成されて設けられ、それにより、例えば、図1の温度ヒューズ170などの温度ヒューズが、380Bと360Bとの間の金属ブランク320内に配置され得る。第1の金属ブランク310および第2の金属ブランク320は、図2を参照して上記に記載のように、プログレッシブスタンピングによって形成され得る。非限定的な例として、約0.4mmの厚さを有する錫めっきされた銅箔などの金属シートに、プログレッシブスタンピングを施してもよい。金属シートはまた、例えば、錫めっきされた黄銅、錫めっきされた青銅、または錫めっきされた銅合金であってもよい。
【0015】
プログレッシブスタンピング中に第1の金属ブランク310および第2の金属ブランク320が形成されるとき、穴部を有する金属ストリップ325が残存してもよい。穴部は、プログレッシブスタンピングのプロセス中にガイドとしての役割を果たし得、それにより、複数の第1の金属ブランク310および第2の金属ブランク320は、第1の金属ブランク310および第2の金属ブランク320を形成するプロセスの一部分としてプログレッシブスタンピング装置から供給され得る。金属ストリップ325は、プログレッシブスタンピングプロセスに必要であるが、実際の第1の金属ブランク310および第2の金属ブランク320には必要とされないので、プログレッシブスタンピングプロセスの後に除去され得る。
【0016】
圧着部360Aは、図2の圧着部260と同一または同等であってもよく、プログレッシブスタンピングプロセス中に形成される。圧着部360Bは、図1の圧着部160と同一または同等であってもよく、プログレッシブスタンピングプロセス中に形成される。コネクタピン380Aは、図2のコネクタピン280と同一または同等であってもよく、プログレッシブスタンピングプロセス中に形成される。コネクタピン380Bは、図1のコネクタピン180と同一または同等であってもよく、プログレッシブスタンピングプロセス中に形成される。
【0017】
プログレッシブスタンピングプロセスの一部分として、金属ブランク310および第2の金属ブランク320は、略円筒形状を形成するように折り畳まれ得る。例えば、以下、図6をさらに参照すると、第2の金属ブランク320は、緩円筒形状を形成するように折り畳まれ得、図3のコネクタピン380Bは、概して、コネクタピン680に対応している。
【0018】
コネクタピン180および280を形成するための本明細書で上記に記載のスタンピングプロセスは、他の適切なコネクタまたは他の装置に適合し得ることを理解されたい。
【0019】
ここで、図4を参照すると、図4は、温度ヒューズ400の等角図を示している。図4A図4Cの温度ヒューズ400は、図1の温度ヒューズ170と同一、または実質的に同等であってもよい。コア410は、(温度ヒューズ400のいずれかの端部において)銅層420によって完全に囲まれてもよい。銅層420は、図6を参照して以下に記載されるように、端子として機能し得る。2つの銅層420およびコア410は、略棒形状の部材を形成している。低融点を有する伝導部分(例えば、金属合金)430は、合金または非合金金属であってもよく、コア410に重ね合わせる。(コア410は、430を超えて延在する部分において、銅層420によって完全に囲まれて表示されている)。銅層420は、温度ヒューズ400のいずれかの端部で露出され得る。
【0020】
温度ヒューズ400には、コア410が設けられている。コア410は、プラスチックまたは他の適切な非伝導性/電気的絶縁性材料とし得る。コア410は、温度ヒューズ400のベースとしての役割を果たし、温度ヒューズ400に剛性を提供する。追加的に、コア410は、金属層のためのベースとしての役割を果たし、簡潔に記載される。銅層420が、コア410上に設けられている。(以下で説明されるように)所定の融点を有する伝導部分(例えば、合金)430は、銅層420およびコア410によって提供されるベース上に重ね合わせることができる。伝導部分430は、特定の実装要件および設計仕様に基づく融点に基づいて、特定の実装形態のために選択され得る。銅層420は、コア410の先端(例えば、端部)を被覆し得、温度ヒューズ400が接続され得る長さの伝導材料(例えば、160、180)間の電流を温度ヒューズ400の伝導部分(例えば、430)に流し得る。温度ヒューズ400の電気伝導部分430は、ある長さの接続された伝導材料において、典型的には銅層420の融点よりも低い融点を有する金属もしくは金属合金、またはアルミニウムなどの別の典型的な金属導体を含み得る。
【0021】
いくつかの非限定的な実施例として、低融点を有する伝導部分430は、金属、合金、またはポリマーを含んでもよい。金属および合金は、次の非限定的な実施例などのように、摂氏50~300度の融点を有し得る。
錫(例えば、摂氏231℃の融点)、
錫とビスマスとの合金(約150℃の融点)、
錫と銀と銅との合金(例えば、錫80~98%)、(例えば、220℃の融点)、および
錫とイリジウムとビスマスとの合金。
他の適切な割合の金属の組み合わせ(80~100%の錫、0~5%の銀、0~1%の銅など)を使用して、これらのベース合金の各々の融点温度を調整してもよい。100~250℃の融点を有する他の適切な合金も使用されてもよい。このような合金は、典型的には、1x10-5Ωm未満の抵抗率を有することになる。残存の割合は、典型的には、より高い融点を有する他の金属元素、例えば、銅(融点1065℃)またはアルミニウム(融点660℃)を含むことになる。
【0022】
電気伝導性ポリマー材料(例えば、285℃の融点を有するポリフェニルエーテル、典型的には177~222℃の融点を有するポリフェニレンオキシド、または275℃の融点を有するポリフェニレンスルフィドのいずれかのポリマー)を、低融点を有する伝導部430として使用され得る適切な融点温度で使用してもよい。
【0023】
ここで、温度ヒューズ400の寸法の実施例が提供される。提供される寸法は、任意の他の実装形態を排除することを意味しない。むしろ、それらは(図5A図5Cの記載において以下で言及される寸法の例示的な範囲を参照して)選択可能な一組の寸法である。一実施例を示す。
【表1】
【0024】
ここで、図5A図5Cを参照すると、これらの図は、様々な視点における温度ヒューズ400を示している。図5Aは、温度ヒューズ400の等角断面図を示している。図5Bは、温度ヒューズの縦断面図を示している。図5Cは、温度ヒューズの横断面図を示している。温度ヒューズ400は、略長尺状直方体(すなわち、三次元の長方形)として図5A図5Cに描写されている。図1を参照して、他の実装形態において上述したように、温度ヒューズ400は、他の適切な形状(例えば、円筒形状)で構成されてもよい。断面図5Bおよび図5Cは、それぞれ5Bおよび5Cとして示される適切な断面ライニングによって図5Aに示されている。
【0025】
温度ヒューズ400は、適切なコネクタと直列に、例えば、図1のコネクタピン180と圧着部160との間、または図3の380Bと360Aとの間に配置され得る。実施例として、コア410の断面積は、2~9mmであってもよく、プラスチックコア長さは、5~40mmであってもよく、温度ヒューズは、10~4000μΩの総抵抗、および0~45Aの電流容量を有してもよい。
【0026】
ここで、図6を参照すると、図6は、コネクタ組立体600内の温度ヒューズ610の第1の図を示している。温度ヒューズ670は、図1の第1の温度ヒューズ170、ならびに図4A図4Cおよび図5の温度ヒューズ400と同一または同等であってもよい。コネクタ組立体600は、図1のコネクタ組立体100と同等または同一であってもよい。加えて、コネクタ600のコネクタピン680および圧着部660は、図3のプログレッシブスタンピングによって形成されたコネクタピン380Bおよび圧着部360Bを参照して記載したものと同等のプログレッシブスタンピング方法によって形成され得る。コア615上に配置された被膜は、低融点を有する伝導部分670を含み得る。コア615は、図4のコア410に対応し得る。コアは、非伝導材料、例えば、コア615に塗布されると金属部分が付着するプラスチックで形成されてもよい。図4および図5の銅層420に対応する銅層622が、コア615の両端に示されている。銅層622(および銅層420)が、低融点を有する伝導部分に電流を流すように機能し得ることに留意されたい。銅層622の抵抗が伝導部分670よりも低い抵抗を有し得るので、銅層622は、ヒューズ全体を被覆せず、それによって、電流のための残存する伝導経路として伝導部分670が残る。層420および620は銅として同定されているが、これらの層は、任意の低表面接触抵抗材料であってもよい。
【0027】
ケーブル620は、ケーブル620の外側の絶縁層630、および絶縁層630の内側のある長さ640の伝導材料を備え、第1の端部においてコネクタ筺体690に入れ込み得る。ケーブル620、絶縁層630、およびある長さ640の伝導材料は、図1のケーブル120、絶縁層130、およびある長さ140の伝導材料と同一または同等であってもよい。圧着部660は、図1の圧着部160と同一または同等であってもよく、第1の端部においてある長さ640の伝導材料に取り付けられている。圧着部660は、第2の端部において、温度ヒューズ組立体610の一方の端部を被覆している銅層622に取り付けられ得る。
【0028】
コネクタ筺体690は、図6に記載されている様々な素子の周囲に外部境界を提供し得る。コネクタ筺体690自体は、(図1のコネクタ筺体110に対応し得る)コネクタ600を形成し得、コネクタ600は、例えば、コネクタ600の一方の終端695において第2のコネクタ600に取り付け得る。矢印699は、温度ヒューズ610を介したコネクタ600内の伝導経路を示している。電流は、伝導経路に沿っていずれかの方向に流れ得る。
【0029】
可融または可縮シース(例えば、縮小ラップ、縮小管)675の層は、温度ヒューズ670を囲み得る。過熱(温度が融点に近づく場合など)および/またはアーク現象の場合、可融および/または可縮シースが変形および/または融解し得、それによって、図7Aおよび図7Bを参照して以下に記載されるように、温度ヒューズを遮断する。シース675は、熱の結果として縮小または融解する収縮スリーブであり、非伝導基材(例えば、中空管)を含み得る。シース675の(例えば、縮小または融解による)収縮は、以下に記載されるように、融解した材料を押し出すことによって、温度ヒューズ670内の電気的接続を遮断する。シース675のこの機械的作用は、融解液体材料(例えば、融解伝導性合金)内に存在するあらゆる電気的接続を遮断する。ワッシャ685は、電気非伝導性材料および耐熱性材料のうちの一方または両方であってもよいシリコンまたは別の適切な材料で形成され得るが、コネクタ600内の可融かつ/または可縮シース675の層に垂直に配置され得、導体筺体690の2つの対向する側部の間の空間を実質的に充填している。アーク現象の場合、ワッシャは、アークがコネクタ600の一方の端部からコネクタ600の他方の端部に拡散するのを防止し得る。
【0030】
シース675には、150℃を超える収縮温度で収縮するエラストマーシース、135℃を超える収縮温度で収縮するポリオレフィンシース、200℃を超える収縮温度で収縮するシリコーンゴムシース、175℃を超える収縮温度で収縮するポリテトラフルオロエチレンシース、または別の適切な材料のシース675が含まれ得る。典型的には、シース675は、シース675の収縮温度が温度ヒューズの融点未満であるように選択され得る。実施例として、シース675は、電気伝導性材料(例えば、以下で説明されるように、可溶合金)の融点よりも20℃低い(またはそれより高い)温度で収縮し得る。
【0031】
コア615、銅層622、伝導部分670、可融かつ/または可縮シース675の層、およびワッシャ685は、「温度ヒューズ組立体」610を形成し、本明細書ではこのように呼ばれ得る。温度ヒューズ組立体610のいくつかの実装形態では、ワッシャはなくてもよい。
【0032】
ここで、図7Aおよび図7Bを参照する。図7Aは、例示的な(例えば、電気的アーク現象に起因する)過熱現象中の図6の温度ヒューズを示している。図7Bは、例示的な過熱現象の後の図7Aの温度ヒューズを示している。(例えば、接触部の腐食、水分、埃の侵入などに起因して)損傷した電気伝導経路は、コネクタ600の高温をもたらし得る。いくつかの場合には、コネクタ600全体にわたって発生し得るアーク700は、高温をもたらし得る。アーク700などの電気アークは、典型的には、非常に高い電流密度を有する。アーク700に沿った電気抵抗は、熱を生成し、この熱が、典型的には、ガス分子を電気解離する(電気解離の程度はアーク700の温度によって決定される)。アーク700に起因する故障を防止するために、ヒューズ組立体610は、より低い融点を有する伝導部分670を含んでもよく、電気アーク700によって引き起こされる高温の結果として電気回路を遮断するためにコネクタ600内に設けられてもよい。
【0033】
アーク700(または他の例示的な過熱現象)がコネクタ内の温度を上昇させると、低融解温度伝導材料670は、変形するかまたは融解し始め得る(上記のように、図1を参照して、温度ヒューズは、50℃~300℃の融点を有する金属または合金(例えば、低融解温度伝導材料670)(例えば、可溶合金は、150℃~200℃の融点を有し得る)。いくつかの実施例では、合金は、穿孔を有してもよい。合金が融解するにつれて、その融解した合金710が、コネクタ600の内壁690Aに滴下または流出し得る。高温はまた、可融かつ/または可縮シース675を、合金が流出した領域内で縮小または融解させ、こうして、低融解温度伝導材料670の未融解部分から622を絶縁し得る。合金が融解するにつれて、伝導経路699はもはや定位置に残存せず、アークの消散につながり得る。アークが消散するにつれて、温度が低下し、コネクタ600の内壁690Aに滴下した融解合金710が再凝固して、コネクタの内壁690Aに付着した融解合金のスラブ720が残り得る。
【0034】
ここで、図8Aおよび図8Bを参照すると、これらの図は、コネクタ800の内側に温度ヒューズ組立体810を接続する別の実施例を示している。コネクタ800は、図1のコネクタ組立体100、図3の金属ブランク320、および図6のコネクタ600と同一または同等であってもよい。図3を参照して上述したように、コネクタ800は、完成したコネクタ800を形成するために折り畳む必要があり得、完成したコネクタ800は、(実施例として)図6のコネクタ600に酷似し得る。
【0035】
金属ピン880は、図1のコネクタピン180と同等であってもよく、フレーム878によって形成された窓部の一方の端部に配置されている。第1のピン879Aおよび第2のピン879Bは、コネクタ800の内側のフレーム878によって形成された窓部内で温度ヒューズ組立体810を接続し得る。圧着部860は、コネクタ800の第2の端部にある。温度ヒューズ組立体810は、概して、図6のコネクタピン680と圧着部660との間に配置された図6の部分610に対応し得る。組み立て後、フレーム878を取り外して、温度ヒューズ組立体がコネクタピン880と圧着部860との間の唯一の伝導経路として残り得る。
【0036】
ここで、図9A図9Cを参照すると、これらの図は、コネクタ900内で温度ヒューズ組立体910を接続する別の実施例を示している。図9Aは、左接合部961Aおよび右接合部961Bを有する温度ヒューズ組立体910を示している。左接合部961Aおよび右接合部961Bは、錫めっきされた銅または他の適切な金属から形作られ得る。図Aは、温度ヒューズ組立体910および右接合部961Bの側面図を提供している。左接合部961Aおよび右接合部961Bは各々、穴部962を有してもよく、この穴部は、温度ヒューズ組立体910とコネクタ900との間の接続部を形成するのに使用され得る。コネクタ900(図9Bおよび図9C)は、図1のコネクタ組立体100、図3の金属ブランク320、図6のコネクタ600、および図8のコネクタ800と同一または同等であってもよい。温度ヒューズ組立体910は、図4A図4Cの温度ヒューズ400、温度ヒューズ組立体610、および本明細書で上記に記載の他の温度ヒューズと同一または同等であってもよい。コネクタ900は、第1の端部に、圧着部960を有し得る。圧着部960は、図1の圧着部160、図3の圧着部360B、図6の圧着部660、図8の圧着部860、および本明細書に記載の他の圧着部と同一または同等であってもよい。コネクタ900は、第2の端部に、コネクタピン980を有し得る。コネクタピン980は、図1のコネクタピン180、図3のコネクタピン320、および/または本明細書で上記に記載の他のコネクタピンと同一または同等であってもよい。ケーブル920、ケーブル920の外側の絶縁層930、および絶縁層930の内側のある長さ940の伝導材料は、図1図2図6、および図8に関連して上記に記載のように、圧着部960を介してコネクタ900に接続され得る。
【0037】
窓部は、フレーム978によって形成され、コネクタ900内に配置され得る。温度ヒューズ組立体910は、フレーム978によって形成された窓部に挿入され得、概して、980において左接合部961Aによって、かつ960において右接合部961Bによって、組立体に接続され得る。ピン964Aおよびピン964Bまたはコネクタ900からの他の押出部は、穴部962に挿入され得る。圧入接続部965は、ピン964Aおよびピン964B、またはコネクタ900からの他のタブ/押出部に圧力を印加することによって形成され得る。ピンを穴部962内の定位置に封止または屈曲して、圧入接続部965を形成することができる。組み立て後、フレーム978を取り外して、温度ヒューズ組立体がコネクタピン980と圧着部960との間の唯一の伝導経路として残り得る。
【0038】
ここで、図10Aを参照すると、図10Aは、コネクタ1000の内側に温度ヒューズ組立体1010を接続する別の実施例を示している。コネクタ1000は、図1のコネクタ組立体100、図3の金属ブランク320、および図6のコネクタ600、コネクタ800、および本明細書に記載の他のコネクタと同一または同等であってもよい。温度ヒューズ組立体1010は、図1の温度ヒューズ170、図4および図5の温度ヒューズ400、図6の温度ヒューズ組立体610、図8の温度ヒューズ組立体810、図9の温度ヒューズ組立体910、および本明細書に記載の他の温度ヒューズと同一または同等であってもよい。
【0039】
ケーブル1020は、典型的には、ケーブル1020の外側の絶縁層1030、および絶縁層1030の内側のある長さ1040の伝導材料を含み、第1の端部でコネクタ1000の中に入れ込み得る。ケーブル1020、絶縁層1030、およびある長さ1040伝導材料は、図1のケーブル120、絶縁層130、およびある長さ140の伝導材料、または本明細書に記載の他のケーブル、絶縁層、およびある長さの伝導材料と同一または同等であってもよい。圧着部1060は、図1の圧着部160または本明細書に記載の他の圧着部と同一または同等であってもよく、第1の端部である長さ1040の伝導材料に取り付けられている。圧着部1060は、第2の端部で温度ヒューズ組立体1010に取り付けられ得る。
【0040】
コネクタ1000は、第2の端部に、コネクタピン1080を有し得、このコネクタピンは、図1のコネクタピン180、図3のコネクタピン320、および本明細書で上記に記載の他のコネクタピンと同一または同等であってもよい。窓部は、フレーム1078によって形成され、コネクタ1000内に位置し得る。温度ヒューズ組立体1010は、フレーム1078によって形成された窓部に挿入され、端子1079A、1079Bに取り付けられ得る。端子1079A、1079Bは、温度ヒューズ組立体1010内からコネクタ1000まで端子1075A、1075Bに延在している。端子1075A、1075Bは、例えば、端子1075A、1075Bの各々上の2つ以上の溶接点1073A、1073Bにおいて抵抗溶接を使用することによって溶接され得る。
【0041】
抵抗溶接を使用して、圧力を印加し、接合される金属領域に長時間電流を流すことによって金属を接合し得る。抵抗溶接を使用する場合、典型的には、端子1075A、1075Bとコネクタ1000の間に結合を作成するために他の材料は必要とされない。組み立て後、フレーム1078を取り外して、温度ヒューズ組立体がコネクタピン1080と圧着部1060との間の唯一の伝導経路として残り得る。
【0042】
図8A図10を参照して上述したコネクタ800、900、1000の内側に温度ヒューズ組立体810、910、1010を接続するための技術に加えて、温度ヒューズ組立体810、910、1010はまた、摩擦溶接、はんだ付け、超音波溶接、ろう付け、磁気パルス溶接、圧着、および磁気パルス圧着を使用して、コネクタ800、900、1000の内側に接続されてもよい。上記のリストと記載は実施例として提供されており、限定することを意図していない。
【0043】
ここで、図10B図10Gを参照する。コネクタピン1080を有するコネクタ1000、加えて、ケーブル1020、絶縁層1030、およびある長さ1040の伝導材料、ならびに圧着部1060はすべて、図10B図10Gに存在している。コネクタピン1080を有するコネクタ1000、加えて、ケーブル1020、絶縁層1030、およびある長さ1040の伝導材料、圧着部1060、ならびにフレーム1078については、簡潔にするために説明されないが、むしろ、図10Aを参照した上記の記載に依拠している。
【0044】
特に図10Bおよび図10Cに目を転じると、図10Bは、閉状態の第1のばね式温度ヒューズ組立体を示し、図10Cは、開放状態の第1のばね式温度ヒューズ組立体を示している。第1の伝導素子1032(例として、銅線、アルミニウム線)は、コネクタ1000から延在し得る。第2の伝導素子1034(これはまた、銅線またはアルミニウム線であってもよい)は、圧着部1060から延在している。ばね1036、例えば、板ばねは、半楕円ばねまたは楕円ばねとも呼ばれ、細長い弧状の長さのばね材料(例として、低合金マンガン、中炭素鋼、または非常に高い降伏強度を有する高炭素鋼)であってもよく、プライム(例えば、潜在的なエネルギーを貯蔵する)状態で、第2の伝導素子1034の第1の側部に重ね合わせる。第1の伝導素子1032および第2の伝導素子1034は、低融解温度合金1038(図6の低融解温度合金670と同一または同等であってもよい)によって接続され得る。電流は、低融解温度合金1038が存在する限り、第1の伝導素子1032と第2の伝導素子1034との間を流れ得る。低融解温度合金1038が融解した場合、例として、温度が低融解温度合金1038の融点を超えて上昇するアーク現象の場合、ばねは解放され(未変形状態に戻る)、図10Cに示されるように、第1の伝導素子1032および第2の伝導素子1034は、もはや接続されていない。
【0045】
特に図10Dおよび図10Eに目を転じると、図10Dは、閉状態の第2のばね式温度ヒューズ組立体を示している。具体的には、巻きばね1041Aは、コネクタ1000と圧着部1060との間に接続し得る。第1の伝導素子1042は、コネクタ1000の終端に存在し得る。第1の伝導素子1042は、低融解温度合金1048に接続され得、低融解温度合金1048は、図10Bおよび図10Cの低融解温度合金1038、および図6の低融解温度合金670と同一または同等であってもよい。低融解温度合金1038は、第2の側部で、巻きばね1041Aの終端1046に接続され得る。第2の側部では、巻きばね1041Aは、第2の伝導素子1044に接続され得、第2の伝導素子1044は、第2の伝導素子1044と同一または同等であってもよい。低融解温度合金1048が融解した場合、例として、温度が低融解温度合金1048の融点を超えて上昇するアーク現象の場合、ばね1041Aは、図10Eでばね1041Bによって描写されるように、解放され、収縮し得る。
【0046】
ここで、図10Fおよび図10Gに目を転じると、図10Fは、閉状態の第3のばね式温度ヒューズ組立体を示している。具体的には、第1の伝導素子1052(例として、銅線、アルミニウム線)は、コネクタ1000から延在し得る。第1の伝導素子1052は、低融点合金末端1058で終端し得る。第2の伝導素子1054は、一方の側部で終端1058に接続され得、第2の側部で通電翼1062A、1062Bによって保持され得る。ばねは、例えば、ステンレス鋼または他の適切な材料のばね1061Aであってもよく、一方の側部の第2の伝導素子1054と第2の側部の圧着部1060との間に配置され、通電翼1062A、1062Bによって囲まれ得る。低融解温度合金1058が融解した場合、例として、温度が低融解温度合金1058の融点を超えて上昇するアーク現象の場合、図10Gでばね1061Bによって描写されるように、ばね1061が収縮し得る。このような場合、間隙1069は、第1の伝導素子1052と第2の伝導素子1054との間に効果的に作成される。電流がコネクタを通ってどのように流れ得るかの実施例が、破線矢印1064によって図10Fに提供されている。
【0047】
ここで、図10Hおよび図10Iに目を転じると、図10Hは、閉状態の第4のばね式温度ヒューズ組立体を示している。具体的には、第1の伝導素子1052A(例として、銅線、アルミニウム線)は、コネクタ1000から延在し得る。第1の伝導素子1052Aは、低融点合金末端1058で終端し得る。第2の伝導素子1052B(例として、銅線、アルミニウム線)は、一方の側部で終端1058に接続され得、第2の側部でばね1071Aによって保持され得る。第2の伝導素子1052Bは、一方の端部で伝導線1077(例えば、銅線またはアルミニウム線であり得る)の第1の端部に接続され得る。第2の端部では、伝導線1077は、圧着部1060を介してある長さ1040の伝導材料に接続され得る。低融解温度合金1058が融解した場合、例として、温度が低融解温度合金1058の融点を超えて上昇するアーク現象の場合、図10Iのばね1071Bによって描写されるように、ばね1071Aが収縮し得る。このような場合、第2の伝導素子1052Bは、ばね1071Bが後退するにつれて、第1の伝導素子1052Aから引き離される。それにより、第2の伝導素子1052Bに取り付けられている伝導線1077が第2の伝導素子1052Bとともに引き離されると、伝導経路が遮断される。
【0048】
ここで、図10Jおよび図10Kに目を転じると、図10Hは、閉状態の第5のばね式温度ヒューズ組立体を示している。具体的には、第1の伝導素子1052(例として、銅線、アルミニウム線)は、少なくとも1つの第2の伝導素子1065A、1065B(例として、銅線、アルミニウム線)で形成された第1のフレームを介してコネクタ1000に取り付けられ得る。第1の伝導素子1052は、低融解温度合金1068によって少なくとも1つの第2の伝導素子1065A、1065Bに取り付けられ得る。少なくとも1つの第2の伝導素子1065C、1065D(例として、銅線、アルミニウム線)で形成された第2のフレームは、第1の伝導素子1052の第2の端部に取り付けられ得る。第1の伝導素子1052は、ばね1081Aにさらに接続され得る。低融解温度合金1068が融解した場合、例として、温度が低融解温度合金1068の融点を超えて上昇するアーク現象の場合、図10Kのばね1081Bによって描写されるように、ばね1081Aが収縮し得る。
【0049】
ここで、図11を参照すると、図11は、例えば、光起電力エネルギーシステムにおけるコネクタ内の温度ヒューズを示している。本開示における図11および他の図が、一定の縮尺で描かれていないことがあることを理解されたい。コネクタ1100は、コネクタの描写の一部分を切り欠いた状態で見られる。温度ヒューズ組立体1110は、コネクタ1100内に見られる。電気ケーブル1120は、コネクタ1100の内側の温度ヒューズ組立体1110と、およびコネクタ1100の外側の第2の電気ケーブル1130との間に接続する。第2の電気ケーブル1130は、第2のコネクタ1100まで延在している。温度ヒューズ組立体1110およびコネクタ1100は、上記の温度ヒューズ、温度ヒューズ組立体、およびコネクタのいずれかの実施例であり得る。
【0050】
温度ヒューズが、例えば、(図13を参照して、以下で説明されるような)光起電力システムで使用される場合、これを使用して、ソーラーパネルの性能と安全性を向上させるために、ソーラーパネルシステムに設置され得るモジュールレベルのパワーエレクトロニクス(マイクロインバータおよびパワーオプティマイザなど)を実行するデバイスの出力である、ソーラーパネルの出力におけるケーブルとの接続を形成し得る。コネクタに配置された温度ヒューズは、パネル間および/または単一のパネルもしくはパネルストリングとDC/DCコンバータもしくはDC/ACインバータとの間に配置され得る。
【0051】
温度ヒューズは、コネクタ内に配置され得、このコネクタは、新しいソーラーパネル設備内で使用されるケーブル内に取り付けられるか、または既存のソーラーパネル設備内に後付けされ得る。
【0052】
ここで、図12Aを参照すると、図12Aは、プラグ部分1290内の温度ヒューズ組立体を示しており、プラグ部分1290は、例えば、光起電力エネルギーシステムにおいて、コネクタ1200のソケット部分1295に接続される。温度ヒューズ組立体1210は、図1の第1の温度ヒューズ170、図4A図4Cの温度ヒューズ400、および図6の温度ヒューズ組立体610、ならびに本明細書で上記に記載の他の温度ヒューズ組立体と同一または同等であってもよい。コネクタプラグ部分1290は、図1のコネクタ100、図6のコネクタ600、ならびに、本明細書で上記に記載の他のコネクタと同等または同一であってもよい。コネクタ1200は、2つの部分、すなわち、プラグ部分1290と、これを、例えば、コネクタピン1292を使用してスナップ嵌めし得るソケット部分1295とを備える。コネクタピン1292は、ソケット部分1295内の対応する受容部分1297に接続し得る。
【0053】
ここで、図12Bを参照すると、図12Bは、例えば、光起電力エネルギーシステムにおける、コネクタ1200のソケット部分1295内の温度ヒューズ組立体1210を示している。図12Aおよび図12Bのコネクタ1200は、温度ヒューズ組立体1210の配置を除いて、同一または同等であってもよい。上記のように、温度ヒューズ組立体1210は、図12Aのコネクタ1200のプラグ部分1290内に配置され得る。温度ヒューズ1210は、図12Bのコネクタ1200のプラグ部分1295内に配置され得る。
【0054】
温度ヒューズ組立体1210は、図6を参照して上記に記載の温度ヒューズ組立体610と同一または同等であってもよい。温度ヒューズ組立体1210は、素子を備え得、この素子は、図6の温度ヒューズ組立体610に記載されている素子と同一または同等であってもよい。実施例として、ある長さ1240の伝導材料は、図6のある長さ640の伝導材料と同一または同等であってもよい。圧着部1260は、図6の圧着部660と同一または同等であってもよく、コア1215は、図6のコア615と同一または同等であってもよく、銅層1222は、図6の銅層622と同一または同等であってもよく、伝導部分1270は、図6の伝導部分670と同一または同等であってもよく、可融かつ/または可縮シース1275の層は、縮小ラップ675の層と同一または同等であってもよく、ワッシャ1285は、図6のワッシャ685と同一または同等であってもよい。図6を参照して上記に記載の温度ヒューズ組立体610の他の素子は、図12Aおよび図12Bに描写されていないが、ここで記載のコネクタ1200の実装形態に存在し得る。この記載は、非限定的であることを意図している。
【0055】
ここで、図12Cを参照すると、図12Cは、コネクタ内に配置され、温度ヒューズ1210として作用する回路1293を示している。便宜上、回路1293は、図12Aの描写と同様に、プラグ部分1290内に描写されている。回路1293は、図12Bのように、ソケット部分1295内に配置され得ることを理解されたい。ワッシャ1285、銅層1222、伝導部分1270、および可縮シース1275は、回路1293によって補完されてもよく、この回路1293は、ヒューズが遮断される(例えば、溶断される)場合、サーバ(描写せず)またはインバータ(図13を参照して以下に記載のインバータ1330など)などの外部デバイスに信号(例えば、警報)を送信するように構成されている。コネクタ1200内の温度が、例えば、星形1234によって示されるプラグ部分1290とソケット部分1295との間の接合部で上昇すると、例として、温度ヒューズ1210が開放し、回路1293が外部デバイスに信号を送信し得る。回路1293は、例えば、概して、図10B図10Kを参照して、上記に記載のように、ばね1036、1041A、1041B、1061A、1061B、1071A、1071B、1081A、1081Bが配置される領域に配置され得る。ばね1036、1041A、1041B、1061A、1061B、1071A、1071B、1081A、1081Bは、図12Cに描写される装置において特徴づけられることを理解されたい。他のばねを利用してもよい。
【0056】
ここで、図12Dを参照すると、図12Dは、警報回路1221の実施例を示しており、警報回路1221は発振回路1228を備え得る。警報回路1221は、温度ヒューズ1210と並列に配置され、例えば、ノード1226Aおよび1226Cにおいて温度ヒューズ1210に接続し得る。警報回路1221は、コネクタ1227の内側に配置され得る。コネクタ1227は、上記に記載のコネクタ1200と同一または同等であってもよく、これに対応して、図1のコネクタ100、図6のコネクタ600、ならびに、本明細書で上記に記載の他のコネクタと同等または同一であってもよい。コネクタは、ソース1224と負荷1225との間に配置され得る。実施例として、ソース1224は、前述の一般性を制限することなく、光起電力パネルおよび/またはパワーオプティマイザなどのDC電力のソースであり得る。負荷1225は、例として、DC/ACインバータ、第2のパワーオプティマイザ、または他の適切なパワーエレクトロニクスデバイスを備え得る。
【0057】
温度ヒューズ1210が閉じたままである(例えば、溶断されていない)限り、ソース1224からの電流は、温度ヒューズ1210を通って負荷1225に流れる。例えば、上記に記載のように、温度ヒューズ1210が融解することに起因して、温度ヒューズ1210が開放する(例えば、溶断される)と、電流は、現在開放状態の温度ヒューズ1210を迂回して、ダイオードD1およびD2内に流れる。いくつかの実装形態では、1つのダイオード、例えば、D1のみが存在し得ることに留意されたい。抵抗R1は、ノード1226Aと発振回路1228との間に配置されている。電流の大部分は、抵抗R1の存在に起因して、ダイオードD1、D2、およびD3を通って流れる。ただし、少量の電流が抵抗R1を介して発振回路1228に入れ込む。発振回路1228(以下に記載される)は、グラフ1229によって描写されるように、2つの値の間で発振する出力を生成し得る。実施例として、描写のされるように、2つのダイオードD1およびD2が存在する場合、各ダイオードは約600mVの電圧降下を有し、次いで2つのダイオードD1およびD2が結合して1200mVの電圧降下を提供する。ダイオードD1が1つしかない場合、電圧降下は約600mVとなる。
【0058】
発振回路は、ノード1226Aとノード1226Bとの間に配置されたスイッチを含み得る。スイッチは、発振回路1228が発振するときに開閉するように制御され得、これは、ヒューズが開放状態にあることの通知として検出され得る。スイッチは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、または絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)または他の適切なスイッチを備えてもよい。スイッチが開放すると、電流はダイオードD1およびD2を通って流れる。スイッチが閉じられると、発振回路1228は、ノード1226Bを介して迂回電流経路を提供する。スイッチが開放すると、電流はダイオードD1およびD2およびD3を迂回し、発振回路1228を通ってノード1226Cに流れる。負荷1225、例えば、DC/ACインバータは、発振を検出し、保護を作動させ得る。例えば、DC/ACインバータは、ソース1224からのDC電力の生成を停止することを要求するコマンドをソース1224に送信し得る。DC/ACインバータはまた、遠隔サーバに誤動作を通知し得る。
【0059】
発振回路1228は、例えば、チップセット上に配置され得る発振結晶体を含み得る。例えば、チップセットは、32.768KHzを発振する結晶体を含み得る。32KHz~1075.804MHzで発振する結晶体を含むチップセットが、実施例として、設計および実装形態に応じて使用され得る。本明細書で言及される結晶体発振器の様々な周波数は、実施例であり、限定するものではない。他の発振周波数での他の適切なチップセットも同様に使用され得る。
【0060】
ここで、迂回警報回路1221の動作が、図12Eをさらに参照して記載される。ステップ1274において、アーク現象中に発生し得るように、コネクタ1200内の温度が上昇する。ステップ1284において、コネクタ1200内の温度が温度ヒューズ1210の融点を超えて上昇し、ヒューズの低融解金属部分が融解すると、温度ヒューズが開放され、それによって回路を通る電流経路が遮断される。警報回路1221への電流経路は、温度ヒューズ1210への電流経路よりも高い抵抗を有する。温度ヒューズ1210が閉じている(例えば、溶断されていない)限り、電流は、温度ヒューズ1210を通って流れ、発振回路1228には流れないことになる。温度ヒューズ1210が溶断されると、電流は迂回回路を通って流れる。ステップ1294において、迂回回路がアクティブ化される。AC電流は、警報回路1221内の発振回路1228の結晶体の周波数で発振する。インバータ(図13を参照して以下に記載のインバータ1330など)が発振AC電流を検出すると、インバータは、影響を受けたソーラーパネルストリングの動作を停止し得る。
【0061】
図12Fは、上記に記載の発振回路の代わりに、温度ヒューズと並列に配置され得るインダクタ回路1231A、1231Bの実施例を示している。インダクタ回路1231A、1231Bは、温度ヒューズ(ここではQ1として描写されている)と並列にコネクタ内に配置され得る。インダクタ回路1231Aおよびインダクタ回路1231Bは、インダクタ回路を実装するための任意選択の2つの非限定的な実施例である。温度ヒューズが閉じている(溶断されていない)と、インダクタ回路1231A、1231Bは短絡される。温度ヒューズが開放する(溶断される)と、インダクタ回路1231、1231Bはもはや短絡されない。
【0062】
インダクタ回路1231Aは、コンデンサC1および温度ヒューズQ1に並列なインダクタL1を備える。温度ヒューズQ1が溶断されると、インダクタL1がインピーダンスを増加させ、コンデンサC1およびインダクタL1が結合して共振回路を形成する。回路が共振すると、それによって、共振回路の特性に従って信号が生成され得る。信号は、温度ヒューズ1210が開放しているという示唆をインバータ(図13を参照して以下に記載されるインバータ1330など)に提供し得る。次いで、インバータは、影響を受けた光起電力パネルの動作を停止するステップを実行するとともに、遠隔サーバに誤動作を通知し得る。
【0063】
インダクタ回路1231Aの代わりにインダクタ回路1231Bを利用し得る。インダクタ回路1231Bは、温度ヒューズQ1およびコンデンサC1と直列のインダクタL1を備える。温度ヒューズQ1は、インダクタL1とコンデンサC1との間に配置され得る。コンデンサC1およびインダクタL1が結合して共振回路を形成する。インダクタL1はインダクタンスを形成し得る。回路の共振によって生成される信号は、温度ヒューズQ1が溶断されていないことをインバータに示唆し得る。温度ヒューズQ1が溶断された場合、共振回路が開放され、インバータに信号は提供されない。次いで、インバータは、影響を受ける光起電力パネルの急停止デバイスまたはオプティマイザを使用するなどして、動作を停止するステップを実行するとともに、遠隔サーバに誤動作を通知し得る。
【0064】
ここで、図12Gを参照すると、図12Gは、本明細書に記載の温度ヒューズに実装され得る別の態様1241を示している。温度ヒューズ1210は、電流制限ヒューズと並列に配置され得る。温度ヒューズが融解した場合、電流制限ヒューズ1243は迂回を提供し(例えば、上記に記載のように、波形が温度ヒューズ1210を迂回することを可能にし、温度ヒューズ1210が開放していることを示唆する警報をインバータ(図13を参照して以下に記載されるインバータ1330など)に提供することができる。次いで、インバータは、影響を受けた光起電力パネルの動作を停止するステップを実行し、および/または遠隔サーバに誤動作を通知し得る。図12Gの回路における変形例は、描写される方形波の代わりに、正弦波または三角波などの信号の変形波形をもたらし得ることを理解されたい。
【0065】
図13は、光起電力エネルギーシステム1300における温度ヒューズ組立体1210を備えるコネクタ1200の使用のいくつかの実施例を示している。光起電力エネルギーシステム1300は、少なくとも1つのソーラーパネル1310を備え得る。少なくとも1つのソーラーパネル1310は、少なくとも1つのソーラーパネル1310が、例えば、DC電力として電力を出力し得る出力インターフェース1320を有し得る。出力インターフェース1320は、ソーラーパネル1310の性能を改善するために光起電力エネルギーシステム1300内に設置され得るモジュールレベルのパワーエレクトロニクス(マイクロインバータおよびパワーオプティマイザなど)を実行するデバイスからの出力であり得る。少なくとも1つのソーラーパネル1310のうちのあるソーラーパネルの出力インターフェース1320と、少なくとも1つのソーラーパネル1310のうちの第2のソーラーパネルとの間の接続は、コネクタ1200を使用して形成され得る。複数の少なくとも1つのソーラーパネル1310の直列ストリング(実施例として)の回路は、1つ以上のコネクタ1200を介して、例えば、DC/ACインバータまたはDC/DCコンバータを含み得るインバータ1330に接続し得る。インバータ1330は、実施例として、AC電力を送電網1340に提供し得る。いくつかの実装形態では、DC電力は、バッテリ(描写せず)に貯蔵され得、バッテリは、それ自体が、インバータ1300、別個のDC/DCコンバータ(描写せず)などにコネクタ1200で接続され得る。
【0066】
当業者は、本明細書に開示される発明の態様が、以降の条項のいずれかのような装置またはシステムを含むことを理解するであろう。
【0067】
条項:
条項1.第1の端部および第2の端部を有する非伝導性ベース、そのベースの表面に少なくとも部分的に塗布された第1の伝導性物質を含み、かつ第1の端部および第2の端部の間に延在している第1の被覆、第1の端部および第2の端部に塗布された第2の伝導性物質を含み、かつ第1の伝導性物質と接触している第2の被覆、第1の伝導性物質よりも高い融点を有する第2の伝導性物質、および所与の温度を超えて融解または縮小するように設計されたシース被覆を含み、温度が所定の温度を超えて上昇すると、第1の被覆が融解し、シースがベースを被覆して、第1の端部と第2の端部の間のコネクタを通じた電気的接続を絶縁している、装置。
【0068】
条項2.第1の伝導性物質が、銅を含む、条項1に記載の装置。
【0069】
条項3.ベースが、プラスチックベースを含む、条項1または条項2に記載の装置。
【0070】
条項4.ベースが、非電気的伝導性プラスチックを含む、条項3に記載の装置。
【0071】
条項5.ベース、第1の伝導性物質および第2の伝導性物質、ならびにシースを封入する壁部を有するコネクタをさらに含み、壁部が実質的に円筒形状である、条項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【0072】
条項6.ベースが、コネクタ内の窓部に位置している、条項5に記載の装置。
【0073】
条項7.窓部が、コネクタ内で打ち抜かれている、条項6に記載の装置。
【0074】
条項8.コネクタ内に配置されたワッシャをさらに含む、条項5または条項6に記載の装置。
【0075】
条項9.ワッシャが、シースとコネクタの少なくとも1つの壁部との間の空間を実質的に充填している、条項8に記載の装置。
【0076】
条項10.コネクタが、プログレッシブスタンピングによって製造される、条項5~9のいずれか一項に記載の装置。
【0077】
条項11.シースが、第2の被覆を被覆する縮小ラップ層を含む、条項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【0078】
条項12.第1の端部に接続された第1の端子および第2の端部に接続された第2の端子をさらに含み、第1の端子および第2の端子がコネクタの対向する端部に配置されている、条項5に記載の装置。
【0079】
条項13.第1の端部に接続された第1の端子および第2の端部に接続された第2の端子をさらに含み、第1の端子および第2の端子が並行して配置されている、条項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【0080】
条項14.第2の伝導性物質が、第1の金属物質よりも低い電気抵抗を有する、条項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【0081】
条項15.コネクタの対抗する端部に第1の壁部および第2の壁部を含むコネクタ、コネクタの第1の端部に配置された第1の端子およびコネクタの第2の端部に配置された第2の端子、第1の壁部と第2の壁部との間に配置された第1の端子および第2の端子、第1の端子と第2の端子との間に配置された導体、および導体を囲むシースであって、収縮状態および非収縮状態を有する、シースを含み、導体を通じた第1の端子と第2の端子と間との電気的接続が、シースが非収縮状態であると端子間に接続され、シースが収縮状態であると端子間に接続されず、導体が、第1の端子と第2の端子に近接して配置され、それにより、導体ならびに第1の端子および第2の端子が、シースが非収縮状態であると電気的に接続され、シースが収縮状態にあると電気的に接続されない、装置。
【0082】
条項16.コネクタが、圧着部を含む、条項15に記載の装置。
【0083】
条項17.圧着部が、プログレッシブスタンピングによって形成されている、条項16に記載の装置。
【0084】
条項18.コネクタが、窓部を含む、条項15~18のいずれか一項に記載の装置。
【0085】
条項19.窓部が、プログレッシブスタンピングによって形成されている、条項16に記載の装置。
【0086】
条項20.シースが、導体を被覆している可縮層を含む、条項15~19のいずれか一項に記載の装置。
【0087】
条項21.シースが、非収縮状態から収縮状態への移行の一部分として融解するように構成されている、条項15~20のいずれか一項に記載の装置。
【0088】
条項22.シースが融解すると、第1の端子および第2の端子が互いに絶縁される、条項15~21のいずれか一項に記載の装置。
【0089】
条項23.導体が、4000μΩ未満の抵抗を有する、条項15~22のいずれか一項に記載の装置。
【0090】
条項24.導体が、50℃~300℃の融点を有する、条項15~23のいずれか一項に記載の装置。
【0091】
条項25.導体が、200℃より低い融点を有する材料を含む、条項15~24のいずれか一項に記載の装置。
【0092】
条項26.導体が、アークに応答して融解するように設計されている、条項15~25のいずれか一項に記載の装置。
【0093】
条項27.コネクタが、シースに対して垂直に配置され、対向する端部を互いに閉塞するシリコンワッシャをさらに含む、条項15~26のいずれか一項に記載の装置。
【0094】
いくつかの例を上記で説明したが、それらの例の特徴および/またはステップは、任意の所望の様態で結合、分割、省略、再配置、改変、および/または増強することができる。様々な変更、修正、および改良が当業者には容易に想起されるであろう。そのような変更、修正、および改良は、本明細書で明示的には述べられていないが、本説明の一部であることが意図され、本開示の精神および範囲内にあることが意図される。したがって、前述の説明は、例示に過ぎず、限定的ではない。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図10H
図10I
図10J
図10K
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
図1】コネクタ内の第1の温度ヒューズの図を示す。
図2】発電のための光起電力モジュールにおいて使用され得るコネクタなどの、コネクタの断面図を示す。
図3】温度ヒューズを製造するためのスタンピングプロセスにおけるフェーズのための様々な設計を示す。
図4】温度ヒューズの等角図を示す。
図5A図4の温度ヒューズの第1の断面図を示す。
図5B図4の温度ヒューズの縦断面図を示す。
図5C図4の温度ヒューズの横断面図を示す。
図6】コネクタ内の、例えば、図5A図5Cの温度ヒューズを示す。
図7A】アーク現象中の温度ヒューズを示す。
図7B】アーク現象後の図7Aの温度ヒューズを示す。
図8A】温度ヒューズ組立体を示す。
図8B】温度ヒューズ組立体を示す。
図9A】温度ヒューズ組立体を示す。
図9B】温度ヒューズ組立体を示す。
図9C】温度ヒューズ組立体を示す。
図10A】温度ヒューズ組立体を示す。
図10B】閉状態にある第1のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10C】開放状態にある第1のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10D】閉状態にある第2のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10E】開放状態にある第2のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10F】閉状態にある第3のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10G】開放状態にある第3のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10H】閉状態にある第4のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10I】開放状態にある第4のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10J】閉状態にある第5のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図10K】開放状態の第5のばね式温度ヒューズ組立体を示す。
図11】例えば、光起電力エネルギーシステムにおけるコネクタ内の温度ヒューズを示す。
図12A】例えば、光起電力エネルギーシステムにおけるコネクタのプラグ部分内の温度ヒューズを示す。
図12B】例えば、光起電力エネルギーシステムにおけるコネクタのソケット部分内の温度ヒューズを示す。
図12C】コネクタ内に配置され、温度ヒューズとして作用する回路を示す。
図12D】温度ヒューズと並列に配置され得る発振回路の例を示す。
図12E図12Dの迂回警報回路の動作を記載するフローチャートである。
図12F】温度ヒューズと並列に配置され得るインダクタ回路の例を示す。
図12G】本明細書に記載の温度ヒューズに実装され得る別の態様を示す。
図13】光起電力エネルギーシステムにおける温度ヒューズを備えているコネクタの使用のいくつかの例を示す。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
ここで、図4を参照すると、図4は、温度ヒューズ400の等角図を示している。図4図5A図5Cの温度ヒューズ400は、図1の温度ヒューズ170と同一、または実質的に同等であってもよい。コア410は、(温度ヒューズ400のいずれかの端部において)銅層420によって完全に囲まれてもよい。銅層420は、図6を参照して以下に記載されるように、端子として機能し得る。2つの銅層420およびコア410は、略棒形状の部材を形成している。低融点を有する伝導部分(例えば、金属合金)430は、合金または非合金金属であってもよく、コア410に重ね合わせる。(コア410は、430を超えて延在する部分において、銅層420によって完全に囲まれて表示されている)。銅層420は、温度ヒューズ400のいずれかの端部で露出され得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
ここで、図6を参照すると、図6は、コネクタ組立体600内の温度ヒューズ610の第1の図を示している。温度ヒューズ670は、図1の第1の温度ヒューズ170、ならびに図4図5A図5C温度ヒューズ400と同一または同等であってもよい。コネクタ組立体600は、図1のコネクタ組立体100と同等または同一であってもよい。加えて、コネクタ600のコネクタピン680および圧着部660は、図3のプログレッシブスタンピングによって形成されたコネクタピン380Bおよび圧着部360Bを参照して記載したものと同等のプログレッシブスタンピング方法によって形成され得る。コア615上に配置された被膜は、低融点を有する伝導部分670を含み得る。コア615は、図4のコア410に対応し得る。コアは、非伝導材料、例えば、コア615に塗布されると金属部分が付着するプラスチックで形成されてもよい。図4および図5の銅層420に対応する銅層622が、コア615の両端に示されている。銅層622(および銅層420)が、低融点を有する伝導部分に電流を流すように機能し得ることに留意されたい。銅層622の抵抗が伝導部分670よりも低い抵抗を有し得るので、銅層622は、ヒューズ全体を被覆せず、それによって、電流のための残存する伝導経路として伝導部分670が残る。層420および620は銅として同定されているが、これらの層は、任意の低表面接触抵抗材料であってもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
ここで、図9A図9Cを参照すると、これらの図は、コネクタ900内で温度ヒューズ組立体910を接続する別の実施例を示している。図9Aは、左接合部961Aおよび右接合部961Bを有する温度ヒューズ組立体910を示している。左接合部961Aおよび右接合部961Bは、錫めっきされた銅または他の適切な金属から形作られ得る。図Aは、温度ヒューズ組立体910および右接合部961Bの側面図を提供している。左接合部961Aおよび右接合部961Bは各々、穴部962を有してもよく、この穴部は、温度ヒューズ組立体910とコネクタ900との間の接続部を形成するのに使用され得る。コネクタ900(図9Bおよび図9C)は、図1のコネクタ組立体100、図3の金属ブランク320、図6のコネクタ600、および図8のコネクタ800と同一または同等であってもよい。温度ヒューズ組立体910は、図4図5A図5Cの温度ヒューズ400、温度ヒューズ組立体610、および本明細書で上記に記載の他の温度ヒューズと同一または同等であってもよい。コネクタ900は、第1の端部に、圧着部960を有し得る。圧着部960は、図1の圧着部160、図3の圧着部360B、図6の圧着部660、図8の圧着部860、および本明細書に記載の他の圧着部と同一または同等であってもよい。コネクタ900は、第2の端部に、コネクタピン980を有し得る。コネクタピン980は、図1のコネクタピン180、図3のコネクタピン320、および/または本明細書で上記に記載の他のコネクタピンと同一または同等であってもよい。ケーブル920、ケーブル920の外側の絶縁層930、および絶縁層930の内側のある長さ940の伝導材料は、図1図2図6、および図8に関連して上記に記載のように、圧着部960を介してコネクタ900に接続され得る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
ここで、図12Aを参照すると、図12Aは、プラグ部分1290内の温度ヒューズ組立体を示しており、プラグ部分1290は、例えば、光起電力エネルギーシステムにおいて、コネクタ1200のソケット部分1295に接続される。温度ヒューズ組立体1210は、図1の第1の温度ヒューズ170、図4図5A図5Cの温度ヒューズ400、および図6の温度ヒューズ組立体610、ならびに本明細書で上記に記載の他の温度ヒューズ組立体と同一または同等であってもよい。コネクタプラグ部分1290は、図1のコネクタ100、図6のコネクタ600、ならびに、本明細書で上記に記載の他のコネクタと同等または同一であってもよい。コネクタ1200は、2つの部分、すなわち、プラグ部分1290と、これを、例えば、コネクタピン1292を使用してスナップ嵌めし得るソケット部分1295とを備える。コネクタピン1292は、ソケット部分1295内の対応する受容部分1297に接続し得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項8】
前記収縮温度を超えて収縮するために、前記シースが、融解するように構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【外国語明細書】