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特開2022-68169改良されたセパレータ、電池、システム、車両、および関連方法
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  • 特開-改良されたセパレータ、電池、システム、車両、および関連方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068169
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】改良されたセパレータ、電池、システム、車両、および関連方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/414 20210101AFI20220426BHJP
   H01M 50/403 20210101ALI20220426BHJP
   H01M 50/494 20210101ALI20220426BHJP
   H01M 50/491 20210101ALI20220426BHJP
   H01M 50/489 20210101ALI20220426BHJP
   H01M 50/417 20210101ALI20220426BHJP
   H01M 50/426 20210101ALI20220426BHJP
   H01M 50/423 20210101ALI20220426BHJP
   H01M 50/449 20210101ALI20220426BHJP
   C08J 9/00 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
H01M50/414
H01M50/403 B
H01M50/494
H01M50/491
H01M50/489
H01M50/417
H01M50/426
H01M50/423
H01M50/449
H01M50/403 Z
C08J9/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010129
(22)【出願日】2022-01-26
(62)【分割の表示】P 2018539108の分割
【原出願日】2017-01-27
(31)【優先権主張番号】15/009,888
(32)【優先日】2016-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】598064680
【氏名又は名称】セルガード エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】チャン,シャオミン
(72)【発明者】
【氏名】ルミアーズ,ジェラルド,ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ハミストン,カール,エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ヘイア,チャールズ,イー.
(72)【発明者】
【氏名】フィールズ,タイロン,エス.
(72)【発明者】
【氏名】ブラスウェル,マイケル,エー.
(72)【発明者】
【氏名】プロクター,ロナルド,エー.
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ロニー,イー.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】エネルギー貯蔵、出力、および寿命サイクル能力における改善がなされた微多孔電池セパレータまたは膜を提供する。
【解決手段】少なくとも3C充電および/または放電性能を有する電池を提供する微多孔ポリマーフィルムを含む膜であり、前記微多孔ポリマーフィルムが、乾式延伸法によって製造され、ほぼ球形の細孔を有し、横方向の引張強度に対する機械方向の引張強度の比が、0.5~5.0の範囲にあり、多孔度が50%~80%の範囲にある、膜を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3C充電および/または放電性能を有する電池を提供する微多孔ポリマーフィルムを含む膜。
【請求項2】
前記微多孔ポリマーフィルムが、乾式延伸法によって製造され、ほぼ球形の細孔を有し、横方向の引張強度に対する機械方向の引張強度の比が、0.5~5.0の範囲にあり、多孔度が50%~80%の範囲にある、請求項1に記載の膜。
【請求項3】
前記微多孔ポリマーフィルムが、機械方向延伸および同時制御された機械方向緩和を伴う横方向延伸を含む二軸延伸、同時または逐次機械方向延伸および横方向延伸、および機械方向延伸とそれに続く同時機械方向緩和を伴う横方向延伸の少なくとも1つを含む延伸方法によって製造される、請求項1に記載の膜。
【請求項4】
前記微多孔ポリマーフィルムが、半結晶性ポリマーおよび20~80%の範囲にある結晶化度を有する半結晶性ポリマーの少なくとも1つからなる、請求項1に記載の膜。
【請求項5】
前記微多孔ポリマーフィルムが、ポリオレフィン、フロロカーボン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール(またはポリオキシメチレン)、ポリスルフィド、ポリビニルアルコール、それらのコポリマー、およびそれらの組合せからなる群から選択されるポリマーからなる、請求項1に記載の膜。
【請求項6】
前記微多孔ポリマーフィルムの平均細孔サイズが、0.09~0.99μmの範囲にある、請求項1に記載の膜。
【請求項7】
前記微多孔ポリマーフィルムが、60~80%の範囲にある多孔度を有する、請求項1に記載の膜。
【請求項8】
前記横方向の引張強度が、500Kg/cm以上である、請求項1に記載の膜。
【請求項9】
10~25μmの範囲の厚さ、60~80%の範囲の多孔度、500~700Kg/cmの範囲の横方向(TD)引張強度、700~1000Kg/cmの範囲の機械方向(MD)引張強度、および1.4~1.6の範囲のMD/TD引張強度比を有する、請求項1に記載の膜。
【請求項10】
請求項1に記載の膜を含む、電池セパレータ。
【請求項11】
前記膜が、多重膜の少なくとも一重ねである、請求項10に記載の電池セパレータ。
【請求項12】
前記多重膜の重ねが、相互に積層されている、請求項11に記載の電池セパレータ。
【請求項13】
前記膜が、多重膜のすべての重ねである、請求項10に記載の電池セパレータ。
【請求項14】
前記多重膜の重ねが同じ材料から製造されている、請求項10に記載の電池セパレータ。
【請求項15】
前記多重膜の重ねが異なる材料から製造されている、請求項10に記載の電池セパレータ。
【請求項16】
請求項11に記載のセパレータを含む電池。
【請求項17】
請求項1に記載の膜を含む多層膜構造。
【請求項18】
前記多重膜の重ねが共押出された、請求項17に記載の多層膜構造。
【請求項19】
前記多重膜の重ねが同じ材料からなる、請求項18に記載の多層膜構造。
【請求項20】
前記多重膜の重ねが異なる材料からなる、請求項18に記載の多層膜構造。
【請求項21】
請求項1に記載の膜からなるデバイスであって、電池、セル、電池パック、システム、電子デバイス、車両、または燃料セルであるデバイス。
【請求項22】
前記微多孔ポリマーフィルムが、少なくとも5Cを有する電池を提供する、請求項1に記載の膜。
【請求項23】
前記微多孔ポリマーフィルムが、少なくとも10Cを有する電池を提供する、請求項1に記載の膜。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本特許出願は、2016年1月29日出願の米国特許出願シリアル番号15/009,888に対する優先権およびその利益を主張し、ここに本明細書中に参照して完全に組みこまれる。
【0002】
少なくとも選択された実施態様によって、本発明または本出願は、新規のまたは改良された電池セパレータ、ベースフィルムまたは膜、電池、セル、デバイス、システム、および/または車両、および/または同様のもの、および/またはかかるセパレータ、フィルムまたは膜、電池、セル、デバイス、システム、および/または車両、および/または同様のものを製造、または使用する方法に関する。少なくとも特定の実施態様によって、本発明または本出願は、二軸配向多孔質膜、二軸配向多孔質膜を含む複合材、二軸配向微多孔膜、二軸配向マクロ多孔膜、電池セパレータ、平坦なシート膜、および/または改良された充電容量を有する液体保持媒体、および/または関連する方法、製造の方法、使用の方法、および/または同様のものに関する。少なくとも特定の選択された実施態様に従って、おそらく好ましい発明の乾式法セパレータは、二軸延伸であり得、改良された強度、高多孔度、および予期せぬことに、および/または驚くべきことに例えば高10Cレート充電容量などの高充電容量を有する、10μm~25μmの範囲の好ましい厚さを有し得る。
【0003】
加えて、おそらく好ましい発明のセパレータのまたは膜の高充電容量および高多孔度は、リチウムイオン電池などの充電式および/または二次リチウム電池における、例のみによる、電気駆動車両、またはハイブリッド電気自動車などの高出力および/または高エネルギー適用のための優れた充電速度、および/または充電容量性能を提供し得る。少なくともある特定の実施形態によれば、本発明は、二次リチウム電池用の改良された微多孔電池セパレータ、二次リチウム電池におけるまたは二次リチウム電池用の増大されたまたは高い充電速度および/または増大されたまたは高い充電容量を有する改良された微多孔電池セパレータ、および/または関連する製造方法、使用方法および/または同様のものに関する。
【背景技術】
【0004】
多孔質膜は種々の方法によって製造される。いくつかの方法が知られており、生じる膜が所有するであろう特徴に対する有意の影響を有し得る。例えば、Kesting, Robert E., Synthetic Polymeric Membranes, A structural perspective, Second Edition, John Wiley and Sons, New York, Y, (1985)を参照されたい。多孔質ポリマー膜を製造するための3つのよく知られた方法には、乾式延伸(乾式法および/またはCELGARD(R)法とも呼ばれる)、湿式法、および粒子延伸法を含む。
【0005】
乾式法は、少なくとも押出、アニーリング、および延伸の3つのステップを含む。細孔は押出された延伸前駆体の延伸中に形成される。この延伸は、一方向で、すなわち機械方向(MD)である。例えば、本明細書に参照によって組み込まれるKesting, Ibidの 290-297頁を参照されたい。湿式法は、転相(または相反転)としても知られ、ポリマー樹脂の加工油または可塑剤および/またはその他の添加剤との混合を伴い、混合物は、その後押出され、加工油または可塑剤は除去される。湿式法の最中に、加工油が除去されるときに細孔が形成される。本明細書に組み込まれる例えばKesting, Ibid. pages の237-286頁を参照されたい。粒子延伸法においては、ポリマー原料を粒子と混合し、混合物が押出される。細孔は、ポリマーと微粒子との間の界面が延伸力によって破壊するときに延伸中に形成される。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,057,061号(特許文献1)および第6,080,507号(特許文献2)を参照されたい。
【0006】
これらの方法はそれぞれ独自のものであり、独特であり、それぞれ、物理的に異なっており、他とは区別できる膜が得られる。識別特性には、細孔の形状およびサイズが含まれ得る。例えば、乾式法に由来する膜は、機械方向の延伸に起因してスリット状の細孔を有することがあり、ある湿式法に由来する膜は、可塑剤のために時にはレース状の外観を有する丸みのある細孔を有することがある。そして最後に、粒子延伸膜は、より楕円状に見える細孔を有することがある。これらの方法の各々において、機械的強度は、機械方向(MD)および横方向(TD)の引張強さに関して特徴付けられる。米国特許第8,795,565号(特許文献3)は、MD軸とTD軸の両方に沿った乾式法膜の延伸を記載している。二軸延伸された膜は、電池内の膜の強度プロファイルを示し得る機械的強度を改善し得た。さらに、均衡したMD強度対TD強度比を有する膜を求めることが有利であると示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許6,057,061号明細書
【特許文献2】米国特許第6,080,507号明細書
【特許文献3】米国特許第8,795,565号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
高出力、および/または高エネルギー適用において使用される電池、例えば、電気駆動車両(EDV)に使用される電池は、電池に最適な高エネルギー性能のための高充電速度および/または高充電容量を有することを可能にするセパレータを要し得る。充電式リチウムイオン電池は、少なくともあるそのような高出力および/または高エネルギー適用のために商業的に実行可能であることが示されているが、特に電池が予想外に高い充電速度および/または高い充電容量を有すること可能にするセパレータの領域内で、エネルギー貯蔵、出力、および寿命サイクル能力における改善を絶えず必要とする。さらに、電気駆動車両電池市場およびハイブリッド車両電池市場だけでなく、より複雑な家電システムの高エネルギー性能要求を満たす改善された微多孔電池セパレータまたは膜に対する必要性が絶えず存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
少なくとも選択された実施態様によれば、本発明または出願は、上記のニーズに対処することができ、および/または新規のまたは改善された電池セパレータ、ベースフィルムまたは膜、電池、セル、デバイス、システムおよび/または車両、そのようなセパレータ、フィルムまたは膜、電池、セル、デバイス、システムおよび/または車両などを製造および/または使用する方法に関する。少なくとも特定の実施態様によれば、本発明または本出願は、二軸配向多孔質膜、二軸配向多孔質膜を含む複合体、二軸配向マクロ多孔膜、電池セパレータ、平坦なシート膜、および/または改善された充電容量を有する液体保持媒体、および/または関連する方法、および/または製造方法、使用方法などに関する。
【0010】
少なくとも特定の選択された実施態様によれば、おそらく好ましい本発明の乾式法セパレータは、二軸延伸されてもよく、改善された強度、多孔性を有し、例えば、10Cレートの高い充電容量などの予想外におよび/または驚くほど高い充填容量を有する、10μm~25μmの好ましい厚さ範囲を有し得る。さらに、本発明のセパレータまたは膜の高い充電容量および高い多孔度は、一例として、電気駆動車両またはハイブリッド電気自動車などの高出力および/または高エネルギー適用のための、リチウムイオン電池などの充電式および/または二次リチウム電池において、優れた充電速度および/または充電容量性能を提供し得る。
【0011】
少なくともある特定の実施態様によれば、本発明は、二次リチウム電池用の改良された微多孔電池セパレータ、二次リチウム電池におけるまたは二次リチウム電池用の増大されたまたは高い充電速度および/または増大されたまたは高い充電容量を有する改良された微多孔電池セパレータ、および/または関連する製造方法、使用方法および/または同様のものに関する。少なくとも特定の選択された実施態様によれば、本発明は、一次または二次リチウム電池、高充電速度および/または放電速度の電池、無人機、レーシング車、急速充電バス、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、および/または高充電速度および/または放電速度電池を必要とする他の車両または装置用の高充電速度および/または放電速度の電池、高充電速度および/または放電速度の一次または二次リチウム電池、高充電速度および/または放電速度の一次リチウム電池、および/または高充電速度および/または放電速度の二次リチウム電池、および/またはそれに関連する方法、および/またはそれらの組み合わせに関する。
【0012】
少なくとも特定の選択の実施態様、側面または目的によれば、本発明または本出願は、上記のニーズに対処することができ、および/または新規のまたは改良された電池セパレータ、ベースフィルムまたは膜、および/またはそのようなセパレータ、フィルムまたは膜を製造する方法および/または使用する方法に関する。少なくとも特定の選択された実施態様によれば、本発明または本出願は、二軸延伸多孔質膜、二軸延伸多孔質膜を含む複合体、二軸延伸微多孔膜、二軸延伸マクロ多孔膜、電池セパレータ、平坦なシート膜または改善された充電容量を有する液体(または電解質)保持媒体、および/または関連する方法、および/または製造方法、使用方法などに関する。
【0013】
おそらく好ましい発明の乾式法セパレータは、二軸延伸されてもよく、改善された強度、多孔度、予期しないまたは驚くべきことに、高充電容量、例えば、10Cレートの高充電容量を有する、約5μm~50μm、好ましくは10μm~25μmの膜またはセパレータの厚さ範囲の膜またはセパレータを有し得る。さらに、本発明のセパレータまたは膜の高い充電速度および/または高い充電容量および高い多孔度は、電気駆動車両またはハイブリッド電気自動車のような高出力および/または高エネルギー適用のための充電式リチウム電池において優れた充電速度性能を提供し得る。さらに、本発明は、リチウム二次電池のCレート増大のための種々の方法、並びにハイブリッド電気自動車用電池などのハイブリッド電池などの種々の改良された電池で、そのような電池が、予期し得ないことに、または驚くほどに高いCレートを有することを可能にするセパレータを有することに関する。本発明のこれらの特徴および他の特徴は、本明細書に記載されている。
【0014】
少なくともいくつかの実施態様、側面または目的によれば、本発明または本出願は、上記のニーズに対処することができ、および/または新規のまたは改善された電池セパレータ、ベースフィルムまたは膜、および/またはこのようなセパレータ、フィルムまたは膜、特に高出力および/または高エネルギーの適用、例えば電気駆動車両(EDV)で使用される電池を製造する方法および/または使用する方法に関し、および/または、高エネルギー性能、および/またはエネルギー貯蔵、出力、および寿命能力の最適化のために、および/または予期せぬほど高い充電速度、および/または高充電容量を有する電池のために電池が高い充電速度および/または高い充電容量を有することを可能にするセパレータを必要とし、新規のまたは改良された微多孔電池セパレータまたは膜、被覆セパレータまたは膜、複合セパレータまたは膜、および/または同様のものに関し、それは、電気駆動車両電池市場およびハイブリッド自動車電池市場だけでなく、より複雑な民生用電子機器システム、無人機電池、レースカー電池、急速充電システム、急速充電バスなどの高エネルギー性能要求に適合する。
【0015】
おそらく好ましい新規の多孔質電池セパレータは、リチウムイオン二次電池に使用するために開発されている。おそらく好ましい本発明のセパレータ膜、セパレータ、ベースフィルムまたは膜は、微多孔、メソ多孔質またはマクロ多孔質の湿式または乾式ポリマー単層または多層または多重膜またはセパレータ、おそらくより好ましくは微多孔乾式法ポリオレフィン単層または多層または多重膜またはセパレータ、おそらく最も好ましくは、乾式法微多孔ポリプロピレン単層構成である。本発明のポリプロピレンセパレータは、乾式法(例えば、CELGARD(R)乾式法)によって調製することができ、セパレータまたは膜は、非被覆、被覆、被処理、1つ以上の他の層または材料(例えば、ガラスまたはPP不織布材料または層)に積層された、および/または同様のものであり得る。
【0016】
バランスのとれたMD/TD強度、高多孔度および高いCレートおよび/または充電容量を組み合わせて電池に使用する場合の好ましい本発明の膜は、高出力の最終適用に使用するためリチウムまたはリチウムイオン二次電池の改善されたサイクル寿命性能および/またはより高い安全性を有する。
【0017】
10μm~25μmの好ましい厚さ範囲を有する例示的な本発明の膜は、既知の電池セパレータ膜と比較して、高い充電速度および/または高い充電容量および優れた放電性能を有する。セパレータは、電池の寿命の全体にわたって、セル組立の過酷さと、連続的な充放電サイクルの過酷さに耐えるために、大きな機械的強度を有するべきである。本発明のセパレータは、おそらく好ましくは100gfを超える、より好ましくは200gfを超える、おそらく最も好ましくは300gfを超える穿刺強度を有する。1つの特定の例では、本発明のセパレータは、約14μmの厚さで335gfから約20μmの厚さで400gfまでの範囲の穿刺強度を有する。本発明の乾式法微多孔電池セパレータ膜は、好ましくは、湿式法電池セパレータ微多孔膜としてのリチウムイオン二次電池におけるセパレータ充電性能および/または放電性能および/または充電受容特性および/またはサイクル寿命性能と同等またはそれ以上を有する。
【0018】
少なくとも特定の選択された実施態様において、新規のまたは改善された電池セパレータ、ベースフィルムまたは膜、電池、システム、車両、および/またはこのようなセパレータ、フィルムまたは膜、電池、システムを製造および/または使用する方法、および/または電池またはセル充電速度、充電容量、および/または放電速度を高める方法、および/また電池、このような電池、システム、および/または同様のものを含むシステムを改善する方法;二軸延伸多孔質膜、二軸延伸多孔質膜を含む複合材、二軸延伸微多孔膜、二軸延伸マクロ多孔膜、改良された充填容量を有する電池セパレータ、および関連する方法、および製造方法、使用方法など;平坦なシート膜、液体保持媒体;乾式法セパレータ;二軸延伸セパレータ;改善された高強度、高多孔度、および予期せぬことに、および/または驚くほどに高い充填容量、例えば、高い10Cレート充電容量を有する、約5μm~50μm、好ましくは約10μm~25μmの厚さ範囲を有する乾式法二軸延伸セパレータ;リチウムイオン電池のような充電式および/または二次リチウム電池における高充電容量、および高多孔度、優れた充電速度および/または高充電容量性能を有するセパレータまたは膜で、高出力および/または高エネルギーの適用、電池、デバイスおよび/または車両、および/または同様のもの用のもの;単一または多重または層セパレータ、単層セパレータ、三層セパレータ、複合体セパレータ、積層セパレータ、共押出セパレータ、被覆セパレータ、1Cまたはそれより高いセパレータ、少なくとも特定の選択された実施態様に1Cセパレータ、電池、セル、システム、デバイス、車両、および/または同様のもの;二次リチウム電池のための改善された微多孔電池セパレータ、二次リチウム電池のための、または二次リチウム電池における、増大されたまたは高充電(C)速度、放電(C)速度および/または増大されたまたは高充電容量を有する改善された微多孔電池セパレータ、および/または関連する製造、使用などの方法および/またはそれらの組み合わせが開示または提供される。
【0019】
特定の実施態様は、2014年8月5日に発行された米国特許8,795,565B2および/または2011年9月15日に公開された米国特許出願公開第2011/0223486号(この両方は、本明細書中に参考として完全に組み入れられる)に一般的に関連し得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、実施例1(EX1)の二軸延伸タイプ法によるセパレータの20,000倍のSEM(走査型電子顕微鏡)表面図である。
図2図2は、比較例1(CE1)による20,000倍でのSEM表面図である。
図3図3は、比較例1および比較例2と比較した場合の実施例1および実施例2の放電性能を示す。比較例1は、MD延伸のみ(TD延伸なし)である、厚さ25μmの微多孔、乾燥法単層ポリプロピレン(PP)膜である。比較例2は、MD延伸のみ(TD延伸なし)である、微多孔の乾式の、厚さ16μmの微多孔ポリプロピレン(PP)膜である。
図4図4は、比較例1(CE1)および比較例2(CE2)と比較した場合の実施例1(EX1)および実施例2(EX2)のより良いCレート性能を表す。
図5図5は、比較例3(CE3)と比較した実施例1(EX1)のCレート性能を表す。比較例3(CE3)は、微多孔、乾式法、16μm厚みの、単層ポリプロピレン(PP)膜で、MD延伸のみ(TD延伸なし)である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
典型的な新規のまたは改善された微多孔電池セパレータは、リチウムイオン二次電池などのリチウム電池に使用するために開発された。選択された実施態様において、おそらく好ましい発明のセパレータ膜は、乾式法ポリプロピレン単層多孔質電池セパレータである。ある特定の実施態様において、セパレータはホモポリマーポリプロピレンで、場合によってはメルトフローインデックス0.7~0.8を使用して製造される。
【0022】
本発明の膜は、好ましくは乾式延伸法(CELGARD(R)法としても知られる)によって製造される。乾式延伸法は、非多孔質前駆体を延伸することによって形成される方法を言う。参照により本明細書に組み込まれる、 Kesting, R., Synthetic Polymeric Membranes, A structural perspective, Second Edition, John Wiley & Sons, New York, N.Y., (1985), pages 290-297頁を参照されたい。乾式延伸法は、上述したように、湿式法および粒子延伸法とは区別される。
【0023】
本発明の膜は、限定されるものではないが、優れた高cレート放電性能、高cレート充電性能、および/または高いcレートで高容量および/またはより長いサイクル寿命を示すいくつかの方法において顕著な改善を示すので、従来の二軸延伸乾式延伸膜と区別することができる。
【0024】
放電性能について、少なくとも一実施態様における本発明の膜は、比較例1および比較例2と同等またはより良い高レート放電性能を示す(図3参照)。
【0025】
高Cレートでの高容量を有すること(図4参照)に関して、少なくとも一実施態様における本発明の膜は、5Cおよび10Cの両方にて高容量を示し、10Cでは、比較例1および比較例2に比べて顕著な予期せぬ、および驚くべき改善を示す。
【0026】
ある特定の実施態様において、本発明の膜は、以下のようにさらに特徴付けることができる:0.090~0.099ミクロン(μm)の範囲の平均細孔サイズ;50~80%の範囲の多孔度;およびまたは500Kg/cmより大きい横方向引張強度。上記の値は例示的な値であり、限定することを意図するものではなく、したがって、特定の現在の膜の実施態様の単なる代表例と見なすべきである。
【0027】
本発明の膜は、一重または多重膜であってもよい。多重膜に関して、本件膜は、多重膜の一重であってもよく、または本件膜は、多重膜のすべての重ねであってもよい。本件の膜が多重膜のすべての重ねよりも少ない場合、積層法によって多層膜を製造することができる。本件膜が多重膜の全ての重ねである場合、多重膜は、共押出プロセスによってさらに製造されてもよい。さらに、多重膜は、同じ材料または異なる材料の重ねから製造されてもよい。
【0028】
本件膜は、好ましくは、前駆体膜が二軸延伸された(すなわち、機械方向に延伸されるだけでなく、横方向にも延伸される)乾式延伸法によって製造される。このプロセスについては、以下により詳細に説明する。本発明は、乾式法またはセルガード乾式法に限定されない。
【0029】
一般に、上記の膜を製造する方法は、1種以上のポリマーを押し出して非多孔質前駆体を形成し、次いで非多孔質前駆体を2軸延伸する工程を含む。必要に応じて、非多孔性前駆体を延伸前にアニールしてもよい。一実施態様において、二軸延伸は機械方向延伸および同時制御された機械方向緩和を伴う横方向延伸を含む。機械方向延伸および横方向延伸は、同時または逐次であってもよい。一実施態様において、機械方向延伸に続いて、同時機械方向が緩和を伴う横方向延伸が続く。このプロセスについては、以下でさらに詳しく説明する。
【0030】
押出成形は、一般に乾式延伸法に従う。押出機は、スロットダイ(平坦な前駆体用)または環状ダイ(パリソン前駆体用)を有することができる。後者の場合、膨張パリソン技術(例えば、特定のブローアップ比(BUR)を有するブローアップ技術)を採用することができる。しかし、非多孔質前駆体の複屈折は、従来の乾式延伸法のように高くなくてもよい。例えば、ポリプロピレン樹脂から>35%の多孔度を有する膜を製造するための従来の乾式延伸法では、前駆体の複屈折は>0.0130であり、一方、本プロセスでは、PP前駆体の複屈折は0.0100と低い可能性がある。別の例では、より従来型の乾式延伸法を用いてポリエチレン樹脂から>35%の多孔度を有する膜を製造するために、前駆体の複屈折は>0.0280であり、一方、本プロセスでは、PE前駆体の複屈折は0.0240と低い可能性がある。
【0031】
一実施態様において、アニーリング(任意)は、Tm-80℃とTm-10℃の間の温度で行うことができる(Tmはポリマーの溶融温度である)。別の実施態様においては、Tm-50℃とTm-15℃との間の温度で行い得る。いくつかの材料、例えば押出後の結晶化度が高い材料、例えばポリブテンは、アニーリングを必要としない。
【0032】
機械方向の延伸は、冷延伸または熱延伸またはその両方として、および単一工程または複数工程として実施することができる。一実施態様において、冷延伸は<Tm-50℃で、別の実施態様においては<Tm-80℃で実施することができる。一実施態様において、熱延伸は<Tm-10℃で実施することができる。一実施態様において、全機械方向延伸は、50~500%の範囲内、別の実施態様においては、100~300%の範囲である。機械方向の延伸の間、前駆体は横方向に収縮することがある(従来型の)。
【0033】
横方向延伸は、同時制御された機械方向緩和を含む。これは、前駆体が横方向に延伸されるので、前駆体が制御された方法で機械方向に同時に収縮(すなわち緩和)することを意味する。横方向延伸は、冷ステップ、熱ステップ、または両方の組み合わせとして行い得る。一実施態様において、全横方向延伸は、100~1200%の範囲であってもよく、別の実施態様においては、200~900%の範囲であってもよい。一実施態様において、制御された機械方向の緩和は5~80%の範囲であり、別の実施態様においては、15~65%の範囲である。一実施態様において、横延伸は複数のステップで実行されてもよい。
【0034】
横方向延伸の間、前駆体は機械方向に収縮することが可能であってもよく、または可能でなくてもよい。多重ステップ横方向延伸の一実施態様において、第1の横方向延伸ステップは、制御された機械緩和を伴う横延伸の後、横方向および縦方向の同時延伸が続き、横方向緩和、および機械方向延伸なしまたは緩和なしが続く。
【0035】
必要に応じて、機械方向および横方向延伸後の前駆体は、よく知られているように、熱硬化を受けてもよい。
上記の膜およびプロセスは、以下の非限定的な実施例においてさらに説明される。
【実施例0036】
(実施例1)
ポリプロピレン(PP)樹脂が、2.5インチ押出機を使用して押出される。押出機溶融温度は、約221℃である。ポリマーメルトは環状ダイに供給される。ダイ温度は、約220℃に設定され、ポリマーメルトは空気を吹き込んで冷却される。押出された前駆体は、約1~1.5ミル(mil)の範囲の厚さを有し、いくつかの場合には、1.2~1.4ミル、およびいくつかの場合は、約27μmである。次いで、押出されたフィルムを約150℃で約2分間アニールした。次いで、アニールされたフィルムを室温で約20%まで冷延伸し、次いで約228%に熱延伸し、150~160℃の範囲の温度で約32%まで緩和する。次いでMD延伸フィルムを横方向(TD)に約140~152℃の範囲のTD延伸温度で450%延伸され、50%のMD緩和を伴う。仕上げられたフィルムは、15μmの厚さおよび74%の多孔度を有する。仕上げフィルムのTD引張強度は529Kg/cmである。
【0037】
(実施例2)
ポリプロピレン(PP)樹脂が、2.5インチ押出機を使用して押出される。押出機溶融温度は、約221℃である。ポリマーメルトは環状ダイに供給される。ダイ温度は、約220℃に設定され、ポリマーメルトは空気を吹き込んで冷却される。押出された前駆体は、約1~1.5ミルの範囲の厚さを有し、いくつかの場合には、1.2~1.4ミル、およびいくつかの場合は、約27μmである。次いで、押出されたフィルムを約150℃で約2分間アニールした。次いで、アニールされたフィルムを室温で約20%まで冷延伸し、次いで約228%に熱延伸し、160~170℃の範囲の温度で約32%まで緩和する。次いでMD延伸フィルムを横方向(TD)に約150~160℃の範囲のTD延伸温度で450%延伸され、50%のMD緩和を伴う。仕上げられたフィルムは、20μmの厚さおよび69%の多孔度を有する。仕上げフィルムのTD引張強度は650Kg/cmである。
【0038】
実施例1および2によって形成された膜の特性、同様に比較例1として使用された膜の特性は、表1に示される。
【0039】
【表1】
【0040】
実施例1および2、ならびに比較例1および2として上に記載されたセパレータは、充電容量およびCレートが試験され、以下の表2に結果が示される。
【0041】
【表2】
【0042】
試験法
厚さ
厚さは、ASTM D374の試験手順によるEmveco Microgage 210-A精密マイクロメータ厚さ測定器を使用して測定される。厚さ値は、マイクロメータ、μm単位で報告されている。
【0043】
穿刺強度
試験サンプルは、最初に、最低20分間、73.4℃および50%の相対湿度に予備調整される。インストロンモデル4442が、試験サンプルの穿刺強度を測定するために使用される。1.25”×40”連続試料試験片の斜め方向に横切って30回測定し平均した。針は半径0.5mmである。降下速度は25mm/分である。フィルムは、Oリングを利用して試験サンプルを定位置にきつく保持するクランプ装置でしっかりと保持される。この固定された領域の直径は25mmである。ニードルによって穿孔されたフィルムの変位(mmにて)は、試験されたフィルムによって生じる抵抗力(グラム力)に対して記録される。最大抵抗力は、グラム力(gf)単位の穿刺強度である。荷重対変位プロットが、この試験方法によって生成される。
【0044】
細孔サイズ
細孔サイズは、Porous Materials Inc.(PMI)を通して入手可能のAquaporeを使用して測定される。細孔サイズは、μmにて表される。
【0045】
多孔度
微多孔フィルムサンプルの多孔度は、ASTM法D-2873を使用して測定され、微多孔膜における百分率空隙空間として定義される。
【0046】
TDおよびMD引張強度
MDおよびTDに沿った引張強度は、ASTM D-882によるInstron Model 4201を使用して測定される。
【0047】
熱収縮率
収縮率試験は、10cm×10cm膜サンプルをマニラホルダーに配置し、その後、クリップを使用してオーブンに吊るすことによって測定される。収縮率は、キャリパーを使用して試験サンプルを105℃にて1時間オーブンに配置された前後のMDおよびTD方向において測定される。収縮率は、また、キャリパーを使用して試験サンプルを120℃にて1時間オーブンに配置された前後のMDおよびTD方向において測定される。収縮率は、改変されたASTM 2732.96を使用してMD収縮率%およびTD収縮率%として表される。
【0048】
熱時電気抵抗(ER)
熱時電気抵抗は、50ポンドの圧力下でのセパレータフィルムの抵抗の尺度であり、温度は60℃/分の速度で直線的に増加される。セパレータの直径3/8”のピースは、電解液で飽和され、AlまたはCuから作られた2つの電極ディスクの間に挟まれる。抵抗の上昇はインピーダンスとして測定され、微多孔セパレータ膜の溶融または「シャットダウン」による細孔構造の崩壊に対応する。微多孔セパレータ膜が高温で高レベルの電気抵抗を持続する場合、これはセパレータ膜が電池の電極短絡を防止することができることを示している。
【0049】
サイクリング
全てのサイクリングは定電流(CC)モードで行った。使用される陰極は622NMCである。使用される陽極は黒鉛である。電解質は、3:7v:vEC:EMC溶媒中1M LiPF6塩を使用した。電圧ウィンドウは3.0~4.3Vである。サイクル1~5は、C/10の充電レートおよび放電レートを有する。サイクル6-10は、C/5の充電レートおよび放電レートを有する。サイクル11-15は、C/5の充電レートとC/2の放電レートを有する。サイクル16-20は、C/5の充電レートと1Cの放電レート(充電/放電レート容量;1Cは60分での完全充電または放電レートである)を有する。サイクル21-25は、C/5の充電レートと5Cの放電レートを有する。サイクル26-30は、C/5の充電レートと10Cの放電レートを有する。サイクル31-35は、C/10の充電レートおよび放電レートを有する。
【0050】
他の例には、急速充電および/または放電、ドローン電池、レースカー電池、バス電池、電気自動車電池、ハイブリッド車電池などを含む一次または二次電池が含まれる。ある電池は、一回使用の一次急速充電および/または放電リチウム電池である。他の電池は、多用途二次急速充電および/または放電リチウム電池である。好ましい電池は、急速充電リチウム電池、急速放電リチウム電池、および/または急速充電および急速放電リチウム電池を含み得る。
【0051】
少なくとも選択された実施態様、側面および/または目的によれば、本発明または本出願は、新規の、または改良された電池セパレータ、ベースフィルムまたは膜、電池、システム、車両、および/またはこのようなセパレータ、フィルムまたは膜、電池、システムを製造する方法および/または使用する方法、および/または電池またはセルの充電速度、充電容量、および/または放電速度を増大させる方法、および/または電池を改良する方法、そのような電池を含むシステム、そのような電池を含む車両、および/またはシステム、および/または同様のもの;二軸配向多孔質膜、二軸配向多孔質膜を含む複合材、二軸延伸微多孔膜、二軸延伸マクロ多孔膜、改良された充電容量を有する電池セパレータ、および関連する方法および製造方法、使用方法などに関する。
【0052】
本発明または本出願は、また、濾過媒体、湿度制御媒体、平坦なシート膜、液体保持媒体;乾式法セパレータ;二軸延伸セパレータ;改良された強度、高多孔度、および/または例えば、高い10Cレート充電容量などの予期せぬことに、および/または驚くほどに高い充電容量を有する、約5μm~50μm、好ましくは約10μm~25μmの厚さの範囲を有する乾式二軸延伸セパレータ;高出力および/または高エネルギー適用のための、リチウムイオン電池のような充電式および/または二次リチウム電池における高い充電容量および高い多孔度、優れた充電速度および/または充電容量性能を有するセパレータまたは膜、一例のみであるが、電気駆動車両(EDV)またはハイブリッド電気自動車(HEV)、電化または電気アシスト車両、再生ブレーキシステム、アイドルスタート/ストップシステム(ISS)、スタート/ストップシステム、電気自動車(EV)、電池電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、高充電またはCレート電気自動車電池、高充電またはCレートおよび高放電またはDレート電気自動車電池、e-バイク電池、e-自転車電池、ハイブリッドまたは多輪駆動電気自動車の電池、家電製品、モバイル機器、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、ポリマー電池、パワーセル、コードレス工具用電池、コードレス工具、および/または同様のものに関する。
【0053】
本発明または本出願は、また、単一または多重または多層セパレータ、単層セパレータ、三層セパレータ、複合セパレータ、積層セパレータ、共押出セパレータ、被覆セパレータ、1C以上のセパレータ(60分以内の電池またはセルの完全充放電)、2C以上のセパレータ(30分以内の電池またはセルの完全充放電)、10C以上のセパレータ(電池またはセルの6分間以内の完全充放電)、20C以上のセパレータ(3分以内に完全充放電する電池またはセル)、少なくとも1Cセパレータ、少なくとも2Cセパレータ、少なくとも10Cセパレータ、少なくとも20Cセパレータ、20C超セパレータ、電池、システム、機器、車両など;二次リチウム電池のための改良された微多孔電池セパレータ、増強されたまたは高充電(C)速度、放電(C)速度、および/または二次リチウム電池のための、または二次リチウム電池における増強されたまたは高充電容量を有する改良された微多孔電池セパレータ、および/または関連する製造方法、使用方法などおよび/またはそれらの組み合わせに関する。
【0054】
少なくともある実施態様によれば、本発明または本出願は、新規のまたは改良された電池セパレータ、ベースフィルムまたは膜、電池、セル、機器、システム、車両、および/またはかかるセパレータ、フィルム、膜、電池、セル、機器、システム、車両などを製造および/または使用する方法に関する。少なくともある選択された実施態様によれば、本発明または本出願は、二軸配向多孔質膜、二軸配向多孔質膜を含む複合体、二軸配向微多孔膜、二軸配向マクロ多孔膜、電池セパレータ、平坦なシート膜、または改良された充電容量を有する液体保持媒体、ならびに関連する方法および製造方法、使用方法などに関する。
【0055】
おそらく好ましい、本発明の乾式法セパレータは、二軸延伸されてもよく、改良された強度、多孔度、予想外におよび/または驚くほどに高い充電容量、例えば10Cレートが高い充電容量などの高充電容量を有する、10μm~25μmの厚さ範囲を有し得る。さらに、好ましい本発明のセパレータまたは膜の高い充電容量および高い多孔度は、単なる例として、電気駆動車両またはハイブリッド電気自動車などの、高出力および/または高エネルギーの適用のためのリチウムイオン電池などの充電式および/または二次リチウム電池における優れた充電速度および/または充電容量性能を提供する。少なくともある選択された実施態様によれば、本発明は、二次リチウム電池用の改善された微多孔電池セパレータ、二次リチウム電池におけるまたは二次リチウム電池用の増大されたまたは高い充電速度および/または増大されたまたは高い充電容量を有する改良された微多孔電池セパレータ、および/または関連する製造方法、使用方法などに関する。
【0056】
少なくともある選択された実施態様によれば、本発明または本出願は、新規のまたは改良された電池セパレータ、ベースフィルムまたは膜、電池、システム、車両、および/またはかかるセパレータ、フィルムまたは膜、電池、システムの製造および/または使用方法、および/または電池またはセル充電速度、充電容量、および/または放電速度を増大する方法、電池、そのような電池を含むシステム、そのような電池および/またはシステムを含む車両などを改良する方法;二軸配向多孔質膜、二軸配向多孔性膜を含む複合材、二軸配向微多孔膜、二軸配向マクロ多孔膜、改良された充電容量を有する電池セパレータ、および関連する方法、製造方法、使用方法などに関する。
【0057】
本発明または本出願は、また、濾過媒体、湿度制御媒体、平坦なシート膜、液体保持媒体、乾式法セパレータ;二軸延伸セパレータ;改良された強度、高多孔度、および予期せぬことに、および/または驚くほど高い充電容量、例えば、10Cレート充電容量などの高い充電速度を有する、約5μm~50μm、好ましくは約10μm~25μmの厚さ範囲を有する乾式法二軸延伸セパレータ;リチウムイオン電池のような充電式および/または二次リチウム電池において、高出力および/または高エネルギーの適用のための高充電容量および高多孔度、充電速度および/または充電容量性能が優れたセパレータまたは膜、セル、デバイス、システムおよび/または車両など;単一または多重、または多層セパレータ、単層セパレータ、三層セパレータ、複合セパレータ、積層セパレータ、共押出セパレータ、被覆セパレータ、1C以上のセパレータ(電池、またはセルが60分以内に完全に充電または放電することを可能にするセパレータ)、少なくとも1Cのセパレータ、電池、システム、機器、車両など;二次リチウム電池用の改良された微多孔電池セパレータ、二次リチウム電池における、または二次リチウム電池のための増強されたまたは高充電(C)速度、放電(C)速度、および/または増強されたまたは高充電容量を有する改良された微多孔電池セパレータ、および/または関連する製造、使用、および/または同様のものの方法、および/またはそれらの組み合わせに関する。
【0058】
本発明の少なくともある実施態様の発明に係るセパレータは、回生制動システムまたは電気、ハイブリッドまたは電化車両などの装備車両における回生制動システム電池またはセルにおける使用に特によく適し得るかまたは適合され得る。回生制動は、運動エネルギーを電池またはセルに蓄えることができる電気エネルギーに変換することによって車両を減速させる。車両の全体的な効率、車両の電気駆動、または電池またはセルの充電を改善することに加えて、回生制動は、その部品が加熱されずに素早く摩耗しないので制動システムの寿命を延ばすことができる。本発明の発明に係るセパレータは、例に過ぎないが、アイドルスタートストップ車両、電気駆動車両、ハイブリッド電気自動車、パワーツール、コードレスツール、エネルギー貯蔵システム、UPS、バックアップ電源システム、鉛蓄電池とリチウム電池システムの組合わせ、リチウム電池とキャパシタシステムの組合せ、および/または同様のものなどの高出力および/または高エネルギー電池適用での使用に同様に特によく適し得るか、適合され得る。
【0059】
本発明の少なくとも選択された多孔質材料または多孔質膜の実施態様によれば、細孔(開口部)は、選択された膜または複合体、例えば、単層、二層または三層の膜の表面、上部または前部(A面)のSEMにおいて、例えば1つまたは複数の細孔(好ましくは、平均を確かめるためのいくつかの細孔)を測定することによって、以下の細孔アスペクト比(機械方向(MD)(長さ)および横断機械方向(TD)(幅)における細孔開口部の物理的寸法に基づく)を有し得る:
典型的:
MD/TDアスペクト比0.75~1.50の範囲
好ましい:
MD/TDアスペクト比0.75~1.25の範囲
最も好ましい:
MD/TDアスペクト比0.85~1.25の範囲
【0060】
本発明の少なくとも選択された多孔質材料または多孔質膜の実施態様によれば、MD/TD細孔のアスペクト比が1.0である場合、三次元または3D細孔の真球度係数または比(MD/TD/ND)の範囲は、1.0~8.0以上;おそらく好ましくは1.0~2.5;最もおそらく好ましくは1.0~2.0以下(機械方向(MD)(長さ)、横断機械方向(TD)(幅)および厚さ方向または断面(ND)(厚さ)の細孔開口部の物理的寸法に基づく);例えば、表面、上部または前部(A面)、または表面、底面または裏面(B面)のSEMにおける1つまたは複数の細孔(好ましくは平均を確認するためのいくつかの細孔)のMDおよびTDを測定し、深さまたは高さ(C面)(長さまたは幅の断面またはその両方)のSEMにおいて1つまたは複数の細孔(好ましくは平均を確認するためのいくつかの細孔)のND(ND寸法は、同じ細孔のND、MDおよびTDの寸法を測定することが困難な場合があるので、MDおよびTDの寸法とは異なる細孔のものであり得る)を測定する。
【0061】
本発明の少なくとも選択された多孔質材料または多孔質膜の実施態様によれば、細孔(開口部)は、以下の細孔アスペクト比(選択された単層および三層膜の上部または前部(A面)のSEMにおいて細孔を測定することに基づいて機械方向(MD)(長さ)、および横断の機械方向(TD)(幅)における細孔開口の物理的寸法に基づく)を有し得る:機械方向MD(長さ)および横方向TD(幅)のアスペクト比範囲の典型的な数値:MD/TDアスペクト比0.75~1.50
【0062】
本発明の少なくとも選択された多孔質材料または多孔質膜の実施態様によれば、細孔(開口部)は、以下の3次元または3Dの真球度係数または比(機械方向、横断機械方向(TD)(幅)および厚さ方向または断面(ND)(厚さ)の細孔開口部の物理的寸法に基づく)を有し得る;例えば、選択された膜、層または複合体の、例えば選択された単層および三層膜の表面、上部または前部(A面)、表面、底面または裏面(B面)、および断面、深さまたは高さ(C面)(長さまたは幅の断面またはその両方)(ND寸法、MD寸法およびTD寸法を測定することは困難であり得るので、ND寸法はMDおよびTD寸法とは異なる細孔であってもよい)のSEMにおいて1つ以上の細孔(好ましくは平均を確認するための数個の細孔)を測定する:
例えば、
典型的:
MD/TDアスペクト比が0.75~1.50の範囲
MD/ND寸法比が0.5~7.50の範囲
TD/ND寸法比が0.50~5.00の範囲
好ましい:
MD/TDアスペクト比が0.75~1.25の範囲
MD/ND寸法比が1.0~2.50の範囲
TD/ND寸法比が1.0~2.50の範囲
最も好ましい:
MD/TDアスペクト比が0.85~1.25の範囲
MD/ND寸法比が1.0~2.0の範囲
〇TD/ND寸法比が1.0~2.0の範囲
【0063】
本発明の少なくとも選択された多孔質材料または多孔質膜の実施態様によれば、細孔(開口部)は、以下の細孔真球度係数または比(長さおよび選択された単層および三層膜の断面(C面)の幅の上部または前部(A面)のSEMにおける細孔を測定することに基づく、機械方向(MD)(長さ)、横断機械方向(TD)(幅)および厚み方向または断面(ND)(厚さ)における細孔開口部の物理的寸法に基づく)を有し得る:
機械方向MD(長さ)、横方向TD(幅)、ならびに
厚さ方向ND(垂直高さ)の真球度係数または比に対する典型的な数:
MD/TDアスペクト比が0.75~1.50の範囲
MD/ND寸法比が0.50~7.50の範囲
TD/ND寸法比が0.50~5.00の範囲
【0064】
本発明の少なくとも選択された実施態様によれば、微多孔膜は、乾式延伸プロセスによって製造され、実質的に丸い形状の細孔および機械方向の引張強度対横方向の引張強度の比が0.5~6.0、好ましくは0.5~5.0である。上記微多孔膜の製造方法は、ポリマーを非多孔質前駆体に押し出す工程、機械方向延伸および横方向延伸を含む非多孔質前駆体を二軸延伸する工程を含み、横方向延伸は、同時制御された機械方向緩和を含む。
【0065】
本発明の少なくとも選択された実施態様によれば、多孔質膜は、改良された乾式延伸法によって製造され、実質的に丸い形状の細孔を有し、機械方向の引張強度対横方向の引張強度の比が0.5~6.0、従来の乾式延伸膜と比較して低いガーレーおよび/または低いERを有し、従来の乾式延伸膜と比較してより大きくより均一な平均フロー細孔径を有するか、または低いガーレーおよびより大きく、およびより均一な平均フロー細孔径の両方を有する。
【0066】
本発明の少なくとも選択された多孔質材料または多孔質膜の実施態様によれば、細孔(開口部)は、以下の細孔アスペクト比(選択された膜または複合体、例えば単層、二層または三層の膜の表面、上部または前部(A面)のSEMにおいて、例えば1つまたは複数の細孔(好ましくは、平均を確かめるためのいくつかの細孔)を測定することによって、機械方向(MD)(長さ)および横断機械方向(TD)(幅)における細孔開口部の物理的寸法に基づく)を有し得る:
典型的な
MD/TDアスペクト比が0.75~1.50の範囲
好ましい
MD/TDアスペクト比が0.75~1.25の範囲
最も好ましい
MD/TDアスペクト比が0.85~1.25の範囲
【0067】
本発明の少なくとも選択された多孔質材料または多孔質膜の実施態様によれば、MD/TD細孔のアスペクト比が1.0である場合、三次元または3D細孔の真球度係数または比(MD/TD/ND)の範囲は、1.0~8.0以上;おそらく好ましくは1.0~2.5;最もおそらく好ましくは1.0~2.0または2.0未満(機械方向(MD)(長さ)、横断機械方向(TD)(幅)および厚さ方向または断面(ND)(厚さ)の細孔開口部の物理的寸法に基づいて);上部または前部(A面)、または表面、底面または裏面(B面)のSEMにおいて1つまたは複数の細孔(好ましくは平均細孔を確認するためのいくつかの細孔)のMDおよびTDを測定し、深さまたは高さ(C面)(長さまたは幅の断面またはその両方)のSEMにおいて1つまたは複数の細孔(好ましくは平均を確認するためのいくつかの細孔)のND(ND寸法は、同じ細孔のND、MDおよびTDの寸法を測定することが困難な場合があるので、MDおよびTD寸法とは異なる細孔)を測定する。
【0068】
本発明の少なくとも選択された多孔質材料または多孔質膜の実施態様によれば、三次元または3DMD/TD/ND細孔の真球度係数または比の範囲は、0.25~8.0または8.0を上回り;おそらく好ましくは0.50~4.0;最もおそらく好ましくは1.0~2.0または2.0未満である。
【0069】
本発明の少なくとも選択された多孔質材料または多孔質膜の実施態様によれば、細孔(開口部)は、以下の細孔アスペクト比(機械方向(MD)(長さ)、および選択された単層および三層膜の上部または前部(A面)のSEMにおける細孔を測定することに基づいて横断機械方向(TD)(幅)における細孔開口の物理的寸法に基づく)を有し得る:機械方向MD(長さ)および横方向(TD)(幅)のアスペクト比範囲に対する典型的な数値は、0.75~1.50の範囲にある。
【0070】
本発明の少なくとも選択された多孔質材料または多孔質膜の実施態様によれば、細孔(開口部)は、以下の3次元または3Dの真球度係数または比(機械方向(MD)(長さ)、横断機械方向(TD)(幅)および厚さ方向または断面(ND)(厚さ)の細孔開口部の物理的寸法に基づく);例えば、上部または前部(A面)、表面、底面または裏面(B面)、および断面、例えば、選択された単層および三層膜の選択された層または複合体の深さまたは高さ(C面)(長さまたは幅の断面またはその両方)のSEMにおいて1つ以上の細孔(平均を確認するために好ましくは数個の細孔)(ND寸法、MD寸法およびTD寸法を同じ細孔で測定することは困難であり得るので、ND寸法はMDおよびTD寸法とは異なる細孔であってもよい)を測定する:
例えば、
典型的:
MD/TDアスペクト比が0.75~1.50の範囲
MD/ND寸法比が0.5~7.50の範囲
TD/ND寸法比が0.50~5.00の範囲
好ましい:
MD/TDアスペクト比が0.75~1.25の範囲
MD/ND寸法比が1.0~2.50の範囲
TD/ND寸法比が1.0~2.50の範囲
最も好ましい:
MD/TDアスペクト比が0.85~1.25の範囲
MD/ND寸法比が1.0~2.0の範囲
TD/ND寸法比が1.0~2.0の範囲
【0071】
本発明の少なくとも選択された多孔質材料または多孔質膜の実施態様によれば、細孔(開口部)は、以下の細孔真球度係数または比(選択された単層および三層膜の長さおよび断面(C面)の幅の上部または前部(A面)のSEMにおける細孔を測定することに基づく、機械方向(MD)(長さ)、横断機械方向(TD)(幅)および厚み方向または断面(ND)(厚さ)における細孔開口部の物理的寸法に基づく)を有し得る:
機械方向MD(長さ)、横方向(TD)(幅)、および厚さ方向ND(垂直高さ)の真球度係数または比の典型的な数値がここにある:
MD/TDアスペクト比が0.75~1.50の範囲
MD/ND寸法比が0.50~7.50の範囲
TD/ND寸法比が0.50~5.00の範囲
【0072】
本発明の少なくとも選択された実施態様によれば、微多孔膜は、乾式延伸プロセスによって製造され、実質的に丸い形状の細孔および機械方向の引張強度対横方向の引張強度の比が0.5~6.0、好ましくは0.5~5.0である。上記微多孔膜の製造方法は、ポリマーを非多孔質前駆体に押し出す工程、機械方向延伸および横方向延伸を含む非多孔質前駆体を二軸延伸する工程を含み、横方向延伸は、同時制御された機械方向緩和を含む。
【0073】
少なくとも選択された実施態様によれば、本発明または本出願は、上記のニーズに対処することができ、および/または新規のまたは改良された電池セパレータ、ベースフィルムまたは膜、電池、セル、デバイス、システムおよび/または車両、および/またはそのようなセパレータ、フィルムまたは膜、電池、セル、デバイス、システムおよび/または車両などを製造および/または使用する方法に関し得る。少なくとも特定の実施態様によれば、本発明または本出願は、二軸配向多孔質膜、二軸配向多孔質膜を含む複合体、二軸配向微多孔膜、二軸配向マクロ多孔膜、電池セパレータ、平坦なシート膜、および/または改良された充電容量を有する液体保持媒体、および/または関連する方法、および/または製造方法、使用方法などに関する。少なくとも特定の選択された実施態様によれば、おそらく好ましい本発明の乾式法セパレータは、二軸延伸されてもよく、強度、多孔性が高く、予想外におよび/または驚くほど高い、例えば、10Cレートの高い充電容量などの充電容量を有する10μm~25μmの好ましい厚さ範囲を有し得る。さらに、本発明のセパレータまたは膜の高い充電容量および高い多孔度は、リチウムイオン電池などの充電式および/または二次リチウム電池において、優れた充電速度および/または充電容量性能を、および/または一例として、電気駆動車両またはハイブリッド電気自動車のような高出力および高エネルギー適用に提供することができる。少なくともある特定の実施態様によれば、本発明は、二次リチウム電池用の改良された微多孔電池セパレータ、二次リチウム電池におけるまたは二次リチウム電池用に高められたまたは高い充電速度および/または高められたまたは高い充電容量を有する改良された微多孔電池セパレータ、および/または関連する製造、使用方法などに関する。
【0074】
少なくとも特定の選択された実施態様によれば、本発明は、一次または二次リチウム電池用の改良された微多孔電池セパレータ、高速充放電電池、ドローン用の高速充放電電池、レースカー、急速充電バス、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、および/または高充電および/または放電速度電池を要求する車両、デバイス、高充電速度および/または放電速度の一次または二次リチウム電池、高充電速度および/または放電速度の一次リチウム電池、および/または高充電速度および/または放電速度の二次リチウム電池、および/またはそれに関連する方法、および/またはそれらの組み合わせに関する。
【0075】
新規のまたは改良されたセパレータ、電池セパレータ、リチウム電池セパレータ、電池、セル、および/またはそのようなセパレータ、電池セパレータ、リチウム電池セパレータ、セルおよび/または電池の製造方法および/または使用方法;リチウムイオン一次または二次電池用の新規のまたは改良された電池セパレータ;新規のまたは改良された電池またはセル;新規のまたは改良された車両または機器;充電速度、放電速度、サイクル寿命などを向上させるための方法、システムおよび電池セパレータ;および/または示されたまたは本明細書に記載のようなそれらの組み合わせ。
【0076】
好ましくは、新規のまたは改良された電池セパレータ、ベースフィルムまたは膜、電池、セル、機器、システム、車両、および/またはかかるセパレータ、フィルムまたは膜、電池、セル、機器、システム、車両を製造および/または使用する方法、電池またはセルの充電速度、充電容量、および/または放電速度を増大する方法、電池、そのような電池を含むシステム、そのような電池および/またはシステムを含む車両、および/または同様のものを改良する方法;二軸延伸多孔質膜、二軸延伸多孔質膜を含む複合体、二軸延伸微多孔膜、二軸延伸マクロ多孔膜、改良された充電容量を有する電池セパレータおよび関連する方法および製造方法、使用方法など;平坦なシート膜、液体保持媒体;乾式法セパレータ;二軸延伸セパレータ;好ましくは、約5μm~50μmの範囲の厚さ、改良された強度、高い多孔度、および予期せぬことにおよび/または驚くほど高い充電容量、例えば、10Cレート充電容量などを有する乾式法二軸延伸セパレータ;リチウムイオン電池のような充電式および/または二次リチウム電池における、高出力および/または高エネルギーの適用ための高充電容量および高多孔度、優れた充電速度および/または充電容量性能を有するセパレータまたは膜、セル、機器、システム、および/または車両、および/または同様のものが提供される。
【0077】
本発明または本出願には、単一または多重または多層セパレータ、単層セパレータ、3層セパレータ、複合セパレータ、積層セパレータ、共押出セパレータ、被覆セパレータ、1Cまたはそれより高いセパレータ、少なくとも1Cセパレータ、電池、セル、システム、機器、車両、および/または類似物;二次リチウム電池のための改良された微多孔電池セパレータ、二次リチウム電池のためのまたは二次リチウム電池における増強されたまたは高充電容量の増強されたまたは高充電(C)速度、放電(C)速度および/または製造、使用および/または同様のものの関連する方法および/またはそれらの組み合わせが開示または提供される。
【0078】
本発明は、その精神およびその本質的な属性からかけ離れないその他の形態において、実施され得、例えば、一実施態様において、鉛蓄電池セパレータは、PPの代わりにPEを使用し、約50μm~500μmの厚さにすることによって製造することができる。したがって、本発明の範囲を示すものとして、前述の明細書ではなく添付の特許請求の範囲を参照すべきである。
【0079】
前述の構造および方法の記載は、説明のためにのみ提示されたものである。実施例は、最良の形態を含む例示的な実施形態を開示するために使用され、任意のデバイスまたはシステムを作成および使用し、組み込まれた方法を実行することを含む、当業者が本発明を実施することを可能にする。これらの例は網羅的であることを意図するものではなく、開示された正確なステップおよび/または形態に本発明を限定するものではなく、上記教示に照らして多くの変更および変形が可能である。本明細書に記載される特徴は、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本明細書に記載の方法のステップは、物理的に可能な任意の順序で実施することができる。本発明の特許可能な範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定され、当業者に思い付く他の例を含む。かかるその他の例は、それらが、特許請求の範囲の文言通りの言葉と異ならない構造要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文言通りの言葉とは実質的に相違しない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図する。
【0080】
添付の特許請求の範囲の組成物および方法は、本明細書に記載される特定の組成物および方法によって範囲が限定されるものではなく、特許請求の範囲のいくつかの態様の例示とし意図される。機能的に等価である組成物および方法はすべて、特許請求の範囲に入るものとする。本明細書に示され説明されたものに加えて、組成物および方法の様々な改変は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。さらに、本明細書に開示されている特定の代表的な組成物および方法のステップのみが具体的に記載されているが、組成物および方法のステップの他の組み合わせも、特に記載されていないとしても添付の特許請求の範囲に含まれる。したがって、ステップ、要素、構成要素、または構成成分の組合せが、本明細書で明示的に言及されてもよいし、以下で明示されてもよいが、明示されていないとしてもステップ、要素、構成要素および構成成分の他の組み合わせが含まれる。
【0081】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。範囲は、本明細書では、「約」と1つの特定の値、および/または「約」と別の特定の値から表現されてもよい。そのような範囲が表されるとき、別の実施態様は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値まで含む。同様に、値が近似値として表現される場合、先行する「約」の使用により、特定の値が別の実施態様を形成することが理解される。さらに、各範囲の終点は、他方の終点に関して重要であり、他方の終点とは無関係であることがさらに理解されるであろう。「任意の」または「任意に」とは、後に記載される事象または状況が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、前記記載には、前記事象または状況が起こる場合および起こらない場合が含まれることを意味する。
【0082】
本明細書の説明および特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」という用語および「comprising」および「comprises」などの単語の変形は、「含むがこれに限定されない」を意味し、例えば、他の添加剤、成分、整数、またはステップを排除する意図はない。用語「本質的に~からなる」および「~からなる」は、本発明のより具体的な実施態様を提供するために「含む(comprising)」および「包含する(including)」の代わりに使用することができ、また開示される。「例示的」は「~の一例」を意味し、好ましいまたは理想的な実施態様の指示を伝えることを意図するものではない。「などの」は、限定的な意味ではなく、説明的または例示的な目的のために使用される。
【0083】
特に明記されていない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される幾何学的形状、寸法などを表すすべての数字は、少なくとも均等論の適用を特許請求の範囲の適用に限定しようとするものではなく、重要な桁数および通常の丸めアプローチに照らして解釈されるべきである。
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、開示される発明が属する分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に引用される刊行物およびそれらが引用される資料は、参照により具体的に組み込まれる。
さらに、本明細書に例示的に開示された本発明は、本明細書に具体的に開示されていない、任意の要素が存在しない場合に、適切に実施し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-02-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1.0のMD/TD細孔のアスペクト比、1.0~2.0の範囲の三次元細孔の真球度比MD/TD/ND)、0.09~0.99μmの範囲の平均孔径を有する孔、1.4~1.6の範囲の横方向(TD)の引張強度に対する機械方向(MD)の引張強度の比(MD/TD)、50%~80%の範囲の多孔度、10~25μmの範囲の厚さ、500 kg/cm2~700 kg/cm2の範囲の横方向(TD)引張強度、700 kg/cm2~950kg/cm2の範囲の機械方向(MD)引張強度、28~65秒の範囲のガーレー値(JIS)、0.1%または0.2%の90℃で1時間加熱した際の横方向(TD)収縮率を有し、二次電池に使用した場合前記二次電池は少なくとも108.64mAh/gの充電容量を示す微多孔ポリプロピレン乾式延伸フィルムを含む、単層電池セパレータ膜。
【請求項2】
前記微多孔ポリプロピレン乾式延伸フィルムが、機械方向延伸および同時制御された機械方向緩和を伴う横方向延伸を含む二軸延伸、同時または逐次機械方向延伸および横方向延伸、および機械方向延伸とそれに続く同時機械方向緩和を伴う横方向延伸の少なくとも1つを含む延伸方法によって製造される、請求項1に記載の単層電池セパレータ膜の製造方法。
【請求項3】
前記微多孔ポリプロピレン乾式延伸フィルムが、60~80%の範囲にある多孔度を有する、請求項1に記載の単層電池セパレータ膜。
【請求項4】
前記微多孔ポリプロピレン乾式延伸フィルムの引張強度が、500Kg/cm2以上である、請求項1に記載の単層電池セパレータ膜。
【請求項5】
前記微多孔ポリプロピレン乾式延伸フィルムが、少なくとも5Cを有する電池を提供する、請求項1に記載の単層電池セパレータ膜。
【請求項6】
前記微多孔ポリプロピレン乾式延伸フィルムが、少なくとも10Cを有する電池を提供する、請求項1に記載の単層電池セパレータ膜。