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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068200
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】ロボット処理システムおよび装置
(51)【国際特許分類】
   C12C 13/00 20060101AFI20220426BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
C12C13/00
B65G1/04 555Z
B65G1/04 565
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022014677
(22)【出願日】2022-02-02
(62)【分割の表示】P 2019517230の分割
【原出願日】2017-09-29
(31)【優先権主張番号】1616559.9
(32)【優先日】2016-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ラース・スバーカー・トゥーレ・リンボ
(72)【発明者】
【氏名】ポール・クラーク
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ハイデマン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】保管された一連のコンテナを使用して材料を処理するための自動保管および処理システムを提供する。
【解決手段】ー態様として、様々な異なるビールを醸造するために日常的に使用される原料を保管し、ロボット荷積み取り扱い装置を使用してマイクロブルワリーに原料を分配するためのロボット処理システムであって、該ロボット処理システムは、フレーム構造体内のスタックにスタックされた複数のコンテナとフレーム構造体上で動作可能な複数の荷積み取り扱い装置を備えるロボット処理システム、および、該ロボット処理システムを使用して、スタック内のコンテナ内の処理のために要求された材料を保管する、要求されたコンテナを荷積み取り扱い装置を使用して移動させる、処理のために一連の処理コンテナを通じてまたは処理コンテナに要求された材料を分配する、および結果として生じた処理済み材料を適切な保管手段に分配する、ステップを備える方法。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連の容器を備える自動保管および処理システムであって、前記容器の第1の部分は、処理されるべき原材料のための保管を備え、前記容器の第2の部分は、前記容器内で特定の機能を行うための処理手段を備え、前記処理手段は、前記容器内に位置する材料に作用し、前記処理された材料は、分配手段によって容器から容器へと渡され、最初の容器から最後の容器までの前記処理は、最終結果を得るための予め定められた一連のステップにしたがって前記容器への原材料の投入が処理されるように、ユーザの介入なしに実施され、前記ステップの各々は、予め定められた容器において実施される、自動保管および処理システム。
【請求項2】
前記容器は、フレーム構造体内のスタックに位置し、前記フレーム構造体は、一連の格子空間を定義する格子構造を備え、各格子空間は、容器のスタックのフットプリントによって定義され、前記フレーム構造体は、容器の前記スタック上の一連のトラックまたはレールをさらに備え、前記システムは、前記トラックまたはレール上で動作可能な少なくとも1つの荷積み取り扱い装置を用いてさらに提供され、前記荷積み取り扱い装置は、スタックから前記荷積み取り扱い装置に少なくとも1つの容器を持ち上げるための持ち上げ手段を備え、前記荷積み取り扱い装置は、駆動手段を用いてさらに提供され、前記駆動手段は、制御手段の前記制御下で前記トラックまたはレール上の前記荷積み取り扱い装置または各荷積み取り扱い装置を移動させるように動作可能であり、前記荷積み取り扱い装置または各荷積み取り扱い装置は、前記システム内の他のロケーションにまたは前記システムの出口ポートに、前記システム内で行われている前記処理によって必要に応じて容器を移動させるように動作する、請求項1に記載の自動保管および処理システム。
【請求項3】
マイクロブルワリーを含む、請求項1または2に記載の自動保管および処理システム。
【請求項4】
多数の異なる醸造原料を保管し、それらをマイクロブルワリーの外部または内部へと搬送するための、請求項3に記載の自動保管および処理システム。
【請求項5】
前記マイクロブルワリーは、Picobrew(登録商標)である、請求項3または4に記載の自動保管および処理システム。
【請求項6】
1つ以上の容器は、加熱手段、冷却手段、攪拌手段、温度監視手段、混濁度監視手段、スリット付底部、再循環手段、給水手段、瓶詰め手段、フィルタリング手段、および計量手段のうちの1つ以上を備える、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の自動保管および処理システム。
【請求項7】
1つ以上の保管容器の内容物をマイクロブルワリーに搬送する方法。
【請求項8】
自動保管および処理システム内で処理を行う方法であって、前記システムは、フレーム構造体内にスタックされた複数のコンテナを備え、複数の荷積み取り扱い装置は、前記フレーム構造体上で動作可能であり、前記方法は、前記スタック内のコンテナ内の前記処理のために要求された材料を保管することと、前記荷積み取り扱い装置を使用して要求されたコンテナを移動させることと、処理のために一連の処理コンテナを通じてまたは処理コンテナに、前記要求された材料を分配することと、結果として生じた処理済み材料を適切な保管手段に分配することと、のステップを備える、自動保管および処理システム内の処理の方法。
【請求項9】
請求項1乃至5、および8のいずれか一項に記載の自動保管または処理システムにおける醸造の方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の自動保管および処理システムで使用する容器のための使い捨てまたは再利用可能なライナー。
【請求項11】
加熱手段、冷却手段、攪拌手段、温度監視手段、混濁度監視手段、スリット付底部、再循環手段、給水手段、瓶詰め手段、フィルタリング手段、および計量手段のうちの1つ以上を備える、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の自動保管および処理システムで使用する容器。
【請求項12】
前記システム内の保管容器に、多数の異なる食材または原料を保管するために、前記システムは、複数の処理容器をさらに備え、前記処理容器は、前記保管容器から前記処理容器に移送した原料に作用するための処理手段を備え、前記原料は、食材を生成するためのあらかじめ定められた一連の可変要素にしたがって処理される、請求項1または2に記載の自動保管および処理システム。
【請求項13】
前記処理容器は、混合容器またはベーキング容器または加熱容器または検証容器を備える、請求項12に記載の自動保管および処理システム。
【請求項14】
前記システム内の保管容器中に多数のジェムストーンを保管するために、前記システムは、複数の処理容器をさらに備え、前記処理容器は、前記保管容器から前記処理容器に移送された前記ジェムストーンに作用する処理手段を備え、前記ジェムストーンは、石を研ぐおよび研磨するためのあらかじめ定められた一連の変動要素にしたがって処理される、請求項1または2に記載の自動保管および処理システム。
【請求項15】
前記処理容器は、研ぐ容器、またはタンブリングする容器、またはクリーニングする容器、または研磨する容器、または振動させる容器を含む、請求項14に記載の自動保管および処理システム。
【請求項16】
保管容器に薬品の生成に適切な化学材料を保管するために、前記システムは、複数の処理容器をさらに備え、前記処理容器は、前記保管容器から前記処理容器に移送された前記化学材料に作用するための処理手段を備え、前記化学材料は、要求された薬品を生成するために一連のあらかじめ定められたに可変要素したがって処理される、請求項1または2に記載の自動保管および処理システム。
【請求項17】
前記処理容器は、微生物発酵に適切な発酵容器を備える、請求項16に記載の自動保管および処理システム。
【請求項18】
前記処理容器およびまたは前記保管容器は、前記容器内に収容される材料を代わりの容器に分配するための分配手段を備える、請求項12乃至17のうちのいずれか一項に記載の自動保管および処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動保管システムにおいて材料を処理するためのシステムに関し、このシステムは、ロボット制御でアクセスされる一連のスタックされた容器(bin)を備える。限定はされないが、より具体的には、本発明は、一連の容器で処理が発生する自動保管システムにおいて材料を処理する方法に関し、それら容器の順序は、必要に応じて処理の変動がそれら処理のステップを再順序付けすることによって可能となるように、再構成される。例えば、処理ステップのこのような再構成は、マイクロブルワリーに原料を渡すためのシステムおよび方法や、顧客の個別の要求に従った少量のまたはテスト用の小ロットのビールを醸造するための方法に関し得る。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2016年9月29日に出願された英国特許出願第1616559.9号の優先権を主張し、参照によりその内容が組み込まれている。
【0003】
いくつかの商用および工業用の活動は、多数の異なる製品の保管および取り出しを可能にするシステムを必要としている。複数の製品ラインにおけるアイテムの保管および取り出しのための、1つの既知のタイプのシステムは、互いの上にスタックされた状態で保管容器を配置することを伴い、これらのスタックが列状態で構成される。保管容器またはコンテナは、上からアクセスされ、列の間の通路の必要性を取り除き、より多くのコンテナを所定の空間に保管することができる。
【0004】
参照によりその内容が本明細書に組み込まれる欧州特許第1037828(B1)号(Autostore)は、コンテナのスタックがフレーム構造内に構成されるシステムを説明している。このタイプのシステムが、添付の図面の図1図4に概略的に示されている。ロボット荷積み取り扱い装置は、スタックの最上表面上のトラックシステム上のスタックの周囲で制御可能に移動することができる。
【0005】
ロボット荷積み取り扱い装置の1つの形式がノルウェー特許番号第317366号においてさらに説明されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれている。荷積み取り扱い装置のさらなる展開が、英国特許出願第1413155.1号に説明されており、ここでは、各ロボット荷積みハンドラが1つの格子空間のみをカバーし、したがって、荷積みハンドラのより高い密度が、およびしたがって所定のサイズのシステムのより高いスループットが可能となる。図3(a)および図3(b)は、それぞれ、後方および正面からの荷積み取り扱い装置の概略斜視図であり、図3(c)は、容器を持ち上げる荷積み取り扱い装置の概略正面斜視図である。
【0006】
本発明の第1の態様は、実行されるべき一連の連続的ステップを要求する任意の処理において、一連の異なる容器またはコンテナが1つ以上の段階を実行するために使用されることができるという考え方に基づいている。この連続的処理は、その処理によって必要に応じてその中の内容物が容器間で移送されることを可能にする適切な分配手段を容器に提供することによって、達成されることができる。さらに、容器またはコンテナに対する配置およびアクセスを考慮すると、容器内の材料が処理される順序を再構成することが可能である。これは、例えば、制御下の処理によって定義されるような、処理時間、温度、気圧、または任意の他の工程変化(processing variable)を要求する、試験または実験において要求され得る。
【発明の概要】
【0007】
本発明によると、一連の容器を備える自動保管および処理システムが提供され、容器の第1の部分は、処理されるべき原材料のための保管を備え、容器の第2の部分は、容器内で特定の機能を実行するための処理手段を備え、処理手段は、容器内に位置する材料に作用し、処理された材料は、分配手段によって容器から容器へと渡され、最初の容器から最後の容器までの処理は、最終結果を得るための予め定められた一連のステップにしたがって容器への原材料の投入が処理されるように、ユーザの介入なしに実施され、ステップの各々は、予め定められた容器において実施される。
【0008】
本発明によると、自動保管および処理システム内の処理を実行する方法が提供され、保管システムは、フレーム構造体内のスタックにスタックされた複数のコンテナを備え、複数の荷積み取り扱い装置は、フレーム構造体上で動作可能であり、方法は、スタック内のコンテナ内の処理のために要求された材料を保管することと、要求されたコンテナを荷積み取り扱い装置を使用して移動させることと、処理のために一連の処理コンテナを通じてまたは処理コンテナに、要求された材料を分配することと、結果として生じた処理済み材料を適切な保管手段に分配することと、のステップを備える。
【0009】
本発明の1つの目的は、効率的で、費用効率が高く、調整可能かつばらつきのない方法で、顧客の個々の要求にしたがって小ロットのビールを醸造することを可能にするために、様々な異なるビールを醸造するために日常的に使用される様々な原料を保管し、ロボット荷積み取り扱い装置を使用してマイクロブルワリーに原料を分配するための、保管システムを提供することを目的とする。
【0010】
本発明のさらなる目的は、異なるレベルの処理を要求する種々のジェムストーンを保管および処理するための保管および処理システムを提供することであり、一連の容器またはコンテナは、必要に応じて、処理されるべき個々のジェムストーンの特定の性質によって、予め定められているが可変的な処理順序で、ジェムストーンを処理するのに必要な手段を提供する。
【0011】
本発明のよりさらなる目的は、薬剤の調合のために種々の有効成分を保管および処理するための保管および処理システムを提供することであり、一連の容器またはコンテナは、必要に応じて、薬剤の製造工程によって、予め定められているが可変的な処理順序で原材料を処理するのに必要な手段を提供する。このような処理は、微生物発酵の処理を含み得るが、他の処理が使用されてもよい。
【0012】
本発明のよりさらなる目的は、食材の調理のために原料(raw ingredient)を保管および処理するための保管および処理システムを提供することであり、一連の容器またはコンテナは、必要に応じて食材の調理ステップによって、予め定められているが可変の処理順序で原料を処理するのに必要な手段を提供する。このような食材は、昆虫や甲殻類などの生物を含むが、それらに限定されない。しかしながら、パンや他の製菓製品などの他の食材が想定され得ることが理解されるだろう。
【0013】
記述された本発明が、醸造のためのシステムに関して下記で詳細に記述される一方、各容器が特定の機能を実行する生産ラインを組み立てる能力の恩恵を受ける、本発明の多くの他の用途が存在し、そのいくつかが上述されており、最終的にこのような保管システム内に保管される容器内で最初から最後まで実行される処理であることが理解されるだろう。酒類のための本発明の用途は、醸造に限定される必要はないが、ジンなどのスピリッツまたはワインの製造のような他の発酵処理を含み得ることもまた理解されるだろう。
【0014】
有利なことに、この処理は、必要に応じて、追加、削除、または変化する処理のステップでの要求に応じて行われることができ、適切な容器が使用可能であることを前提とする。
【0015】
さらに、様々な処理が同時に行われてよく、異なる容器が処理要件にしたがって必要に応じて使用されることが理解されるだろう。全体的処理が容器中で実行される部分のみであり得ることもまた理解されるだろう。処理の他のパートは、保管構成または容器内に容易には配置できない特殊機器において実施され得る。
【0016】
本発明に関して想定される用途は、パン製造、ピザ製造、宝石研磨、製剤試験または調合、および材料仕分けを含むが、それらに限定されない。
【0017】
これらの用途の各々において、全体的処理の個々のステップは、別個の容器で実行されてよく、それら容器は、加熱器、冷却器、攪拌機、ディスペンサ、照明手段、大気制御手段などのような、適切な処理手段を用いて提供される。
【0018】
例えば、パン製造のケースでは、原料は保管容器に保管され、適切な量で攪拌容器に分配され、要求された継続時間に関して混ぜ合わせられ、予め定められた時間に関して検証容器に移送され、ベーキング容器で焼かれ得る。
【0019】
下記の例は、ビールの醸造に関するが、醸造を必要とするいずれの形式の酒類も想定され得ることが理解されるだろう。さらに、前述の記載から、これは単に一例に過ぎず、他の処理が考えられ得ることが理解されるだろう。
【0020】
発明の一形態によると、マイクロブルワリーを含めた自動ピッキングシステムが提供される。
【0021】
別の態様では、本発明は、多数の異なる醸造原料を保管し、それらをマイクロブルワリーの外部または内部へと搬送するための、自動ピッキングシステムを提供する。
【0022】
さらなる態様では、本発明は、1つ以上の保管容器の内容物をマイクロブルワリーへと搬送する方法を提供する。
【0023】
さらなる態様では、本発明は、自動ピッキングシステムで使用する容器のための使い捨てまたは再利用可能なライナーを提供する。
【0024】
さらなる態様では、本発明は、加熱手段、冷却手段、攪拌手段、温度監視手段、混濁度監視手段、スリット付底部、再循環手段、給水手段、瓶詰め手段、フィルタリング手段、冷凍手段、および計量手段のうちの1つ以上を備える、自動ピッキングシステムで使用するための容器を提供する。
【0025】
本発明の好ましい特徴が本願請求項において定義される。
【0026】
この方法では、本発明は、完全自動化されたマイクロブルワリーおよび醸造手段を提供する。
【0027】
一態様では、本発明は、醸造処理において一連の異なる醸造容器が1つ以上の段階を実行するように使用されることができるという考え方に基づいている。容器の内容物が処理され、次いで、醸造処理の次の段階を実行するために、スタック中のその下の容器へと分配される。
【0028】
各醸造容器の内容物を小ロットで個々に扱うことによって、カスタマイズされた醸造を完全自動化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、既知の保管システムに容器の複数のスタックを収容するためのフレーム構造の概略斜視図である。
図2図2は、図1のフレーム構造の一部の概略平面図である。
図3a図3(a)は、図1および図2のフレーム構造を用いて使用するためのロボット荷積み取り扱い装置の、後方からの概略斜視図である。
図3b図3(b)は、図1および図2のフレーム構造を用いて使用するためのロボット荷積み取り扱い装置の、正面からの概略斜視図である。
図3c図3(c)は、容器を持ち上げる際に使用する、既知の荷積みハンドラ装置の概略斜視図である。
図4図4は、図1および図2のフレーム構造上に取り付けられた図3(a)、図3(b)、および図3(c)に示すタイプの複数の荷積みハンドラ装置を備える既知の保管システムの概略斜視図である。
図5図5は、解放可能な密閉式放出口を有する、本発明で使用するための、側部四角形型容器の概略斜視図である。
図6図6は、解放可能な密閉式放出口を有する、本発明で使用するための、側部円錐形型容器の概略斜視図である。
図7図7は、解放可能な密閉式放出口を有する、本発明で使用するための、傾斜した側部を有する容器の概略斜視図である。
図8a図8aは、本発明の一形態において容器とライナーとの間の取り付け手段を示す内部ライナーとの組み合わせで使用するための容器の概略斜視図である。
図8b図8bは、容器とライナーとの間の取り付け手段を示す内部ライナーとの組み合わせで本発明の一形態におおいて使用するための容器の概略斜視図である。
図9a図9aは、加熱手段、冷却手段、攪拌手段、放出口、再循環手段、ポンプ手段、および二重底部(false base)またはフィルタリング手段を有する、糖化槽と濾過槽とを組み合わせた醸造容器の概略斜視図である。
図9b図9bは、加熱手段、冷却手段、攪拌手段、放出口、再循環手段、ポンプ手段、および二重底部(false base)またはフィルタリング手段を有する、糖化槽と濾過槽とを組み合わせた醸造容器の概略斜視図である。
図10a図10aは、加熱および冷却手段を有する醸造ケトル醸造容器(brew kettle brewing bin)の概略斜視図である。
図10b図10bは、加熱および冷却手段を有する醸造ケトル醸造容器の概略斜視図である。
図11図11は、容器を運ぶ荷積み取り扱い装置の一形態の概略斜視図であり、その容器は、所定の処理において必要とされる材料を保管するためのいくつかの部分を有し、容器は、処理のために、運ばれた容器から代替の容器へと分配するための分配手段を有する。
図12a図12aは、上記の図5図7のタイプの容器の概略斜視図であり、容器に収容されている液体を、下の容器に収容されているボトルに分配するためのメカニズムの一形態を示す。
図12b図12bは、容器からボトルなどのコンテナに液体を分配するための代替のメカニズムの概略斜視図である。
図13a図13aは、本発明に従って上記の図1図4に示されるシステムを使用する醸造の方法の動的表現である。
図13b図13bは、本発明に従って上記の図1図4に示されるシステムを使用する醸造の方法の動的表現である。
【発明の詳細な説明】
【0030】
本明細書で使用されるとき、以下の用語は、下記のように定義される。
【0031】
麦芽は、モルティングとして知られる処理において乾燥された穀類である。
【0032】
モルティングは、指定期間それらを水に浸けることによって穀類を発芽させ、次いで、それら穀類を乾燥させることによって発芽を止める処理である。
【0033】
グリストは、ミルされた、破砕された、すりつぶされた、モルティングされた、または粉砕された、穀草または穀類である。
【0034】
糖化槽(mash tun)は、水と穀類とを混ぜ合わせ、設定された温度にある一定時間の間それを置くことで麦汁を生成する器(vessel)である。
【0035】
マッシングは、ミルされた穀類の混合物、通常は大麦麦芽を、コーン、ソルガム、ライ麦、または小麦などの補助的穀類と混ぜ合わせ、その混合物を加熱する処理である。マッシングは、麦芽中の酵素が穀類中のでんぷんを、糖、通常は麦汁と呼ばれる麦芽液を生成するための麦芽糖に分解することを可能にする。
【0036】
インフュージョンマッシングは、穀類と水とが1つの器で加熱されることである。
【0037】
デコクションマッシングは、ある割合の穀類をボイルし、温度を上げてマッシュ(mash)に戻すことである。
【0038】
マッシュアウトは、でんぷんの酵素的発酵性糖への変化を止め、マッシュおよび麦汁をより流動的にするために、マッシュの温度を上昇させることである。温度は、使用する原料に応じて、77℃ほどであり得る。
【0039】
濾過槽(lauter tun)は、マッシュ中で生成される糖化麦汁(sweet wort)を穀類と分離するために使用される器であり、ここで、麦汁はスパージングされ得る。これは、通常は糖化槽と同じ器である。当該技術分野において既知であるように、これは、固形物を保持しかつ液体が通り抜けることを可能にする薄さ0.5~1.5mmのスリットがある二重底部を有している。固形物の形態のろ過媒体、および押し留められた小さな固形物は、それら以外の濁った麦汁がクリアな液状の麦汁として濾過槽から放出されることを可能にする。
【0040】
スパージングは、糖分を抽出するために、穀類を介して水分を流れ出させることである。通常、マッシングよりも1.5倍多い水がスパージングに使用されるが、その比率は行われている特定の醸造によって変化し得る。
【0041】
再循環は、マッシュの底から麦汁を取り除き、それをマッシュの上方に加える処理である。濾過槽は通常、ろ過処理の際の手助けとなるように、細長い底部を有する。マッシュ自体が、堆積物とたんぱく質とを捕捉するフィルタとしての機能を果たす。
【0042】
ロイタリングは、透明な液体の麦汁と、その残りの使用済み穀類とにマッシュが分離される処理である。ロイタリングは通常、マッシュアウト、再循環、およびスパージングの3つのステップからなる。
【0043】
醸造ケトルは、糖化麦汁がボイルされる器である。
【0044】
発酵槽は、イーストが糖をアルコールに変える器である。
【0045】
図1および図2において示すように、容器10として知られている積み重ね可能なコンテナは、スタック12を形成するように、互いの頂部に積み重ねられている。スタック12は、倉庫または製造の環境において、フレーム構造14内に構成される。図1は、フレーム構造14の概略斜視図であり、図2は、フレーム構造14内に構成されている容器10の単一のスタック12を示しているトップダウン図である。各容器10は通常、複数の製品アイテム(図示せず)を保持しており、容器10内の製品アイテムは、同じであってよく、または用途によって異なる製品タイプのものであってもよい。
【0046】
フレーム構造体構造14は、複数の垂直部材16および水平部材18、20を備える。垂直部材16によって支持されている複数の水平の格子構造を形成するために、平行な水平部材18の第1のセットは、平行な水平部材20の第2のセットに直角に構成されている。水平部材は、垂直部材16の上部で支持されている格子構造を共に定義する。この構造は、容器10がフレーム構造体14内のスタック12中に位置するフレーム構造体の上面における格子空間を定義する。部材16、18、20は通常、金属から製造される。容器10は、フレーム構造14が、容器10のスタック12の水平移動に対してガードし、容器10の垂直の移動を誘導するように、フレーム構造14の部材16、18、20の間で積み重ねられている。
【0047】
フレーム構造14の一番上のレベルは、スタック12の一番上に渡る格子パターンで構成されているレール22を備える。さらに、図3および図4を参照すると、レール22は、複数のロボット荷積み取り扱い装置30を支持している。平行なレール22の第1のセット22aが、フレーム構造14の頂部上の格子構造にわたって第1の方向(X)への荷積み取り扱い装置30の移動を誘導し、第1のセット22aに対して直角に構成された平行レール22の第2のセット22bは、第1の方向に対して直角な第2の方向(Y)への荷積み取り扱い装置30の移動を誘導する。この方法では、レール22は、荷積み取り扱い装置30がスタック12のいずれかの上方の格子空間の位置へと移動できるように、X-Y面内の二次元において荷積み取り扱い装置30の移動を可能にする。
【0048】
図3で示されるように、各荷積み取り扱い装置30は、スタック12の上方にフレーム構造14のレール22上でX方向およびY方向に移動するように構成された車両32を備える。車両32の前方の一対のホイール34および車両32の後方の一対のホイール34からなる第1のセットのホイール34が、レール22の第1のセット22aの2つの隣接し合うレールに係合するように構成される。同様に、車両32の各側の一対のホイール36からなる第2のセットのホイール36が、レール22の第2のセット22bの2つの隣接し合うレールに係合するように構成される。各セットのホイール34、36は、第1のセットのホイール34または第2のセットのホイール36のいずれかがどの時点においてもレールのそれぞれのセット22a、22bに係合されるように、持ち上げられ下げられることができる。
【0049】
第1のセットのホイール34がレール22aの第1のセットに係合され、第2のセットのホイール36がレール22から離れて持ち上げられると、ホイール34は、車両32内に収容された駆動メカニズム(図示せず)により、X方向に荷積み取り扱い装置30を移動させるように駆動できる。Y方向に荷積み取り扱い装置30を移動させるためには、第1のセットのホイール34は、レール22から離れて持ち上げられ、第2のセットのホイール36は、レール22aの第2のセットと係合するように下げられる。次いで、駆動メカニズムは、Y方向への移動を達成するように第2のセットのホイール36を駆動するために使用される。
【0050】
この方法では、1つ以上のロボット荷積み取り扱い装置30は、中央ピッキングシステム(図示せず)の制御下で、フレーム構造14上のスタック12の一番上の表面の上をあちこち移動することができる。各ロボット荷積み取り扱い装置30には、必要とされる製品にアクセスするために、スタックから1つ以上の容器またはコンテナを持ち上げる手段38、39、40が提供される。
【0051】
この方法では、複数の容器10が、どの時点においてもフレーム構造体およびスタック12内の複数のロケーションからアクセス可能となる。
【0052】
図4は、上述された典型的な保管システムを示しており、システムは、スタック12上で起動する複数の荷積み取り扱い装置30を有している。加えて、ロボットサービス装置50は、格子14上に位置付けられる。
【0053】
ロボットサービス装置50は、スタック12の上方においてフレーム構造14のレール22上でX方向およびY方向に移動するように構成された車両52を備える。ロボットサービス装置50は、フレーム構造14またはロボット荷積み取り扱い装置30に、格子への監視機能、サポート機能、クリーニング機能、またはサービス機能の範囲を提供し得る。いくつかのロボットサービス装置50は、荷積み取り扱い装置をレール22から取り外すことができる。いくつかのロボットサービス装置50は、荷積み取り扱い装置30を格子から取り外すことができる。
【0054】
図5図13および醸造の特定の例を参照して本発明を説明する。
【0055】
<醸造原料の保管および移動>
本発明によると、1つ以上の醸造原料が1つ以上の保管容器1に保管される。
一例に過ぎないが、保管されるべき醸造原料は、ミルされた穀類、破砕された穀類、グリスト、麦芽、大麦麦芽、コーン、ソルガム、ライ麦、小麦、スペルト小麦、水、炭酸塩、イースト、砂糖、ホップ、麦芽、香料、保存料、ろ過剤、および品質改良剤のうちの1つ以上を含み得る。
【0056】
単一のスタックは、同一のまたは異なる原料を備え得る。
【0057】
異なるスタックは、当該技術分野において既知であるように、所望の温度でそれらの内容物を維持することを確実にするために冷却または加熱され得る。さらに、複数のスタックは所定の温度で維持されるか、あるいは複数のスタックは、保管システムの残りのものから区分され、要求される予め定められた温度であり続け得る。
【0058】
一例に過ぎないが、ミルされたまたは粉砕された穀類またはグリストは、40℃未満に維持された格子の領域内に保管され得る。
【0059】
本発明の第1の態様では、1つ以上の荷積み取り扱い装置は、1つ以上の保管容器をマイクロブルワリーに搬送する。
【0060】
任意で、1つ以上の保管容器をマイクロブルワリーに搬送する前に、保管容器およびその内容物は、容器の内容物の通常の保管温度よりも高い所望された温度で維持されている保管システム内の領域または空間に1つ以上の容器を搬送することによって予熱される。
【0061】
各保管容器の内容物のいくらかまたは全てが、連続的にまたは同時に、1つ以上の保管容器からマイクロブルワリーに分配される。
【0062】
一例に過ぎないが、マイクロブルワリーは、Picobrew(登録商標)であり得る。
【0063】
マイクロブルワリーは、顧客が選択した原料、レシピ、醸造条件を使用して、単一ロットのビールを生成する。
【0064】
マイクロブルワリーのいくつかまたは全ては、保管システムの1つ以上の保管容器内に位置し得る。
【0065】
代替的に、マイクロブルワリーは、格子とは離れて位置してもよく、レール22の拡張によってそれに結合される。
【0066】
<保管/醸造のためにカスタマイズされた容器>
図13aに示されるように、各醸造原料は、1つ以上の保管容器10内に直接保管されることができる。
【0067】
代替的に、図11で示されるように、いくつかの異なる原料28a、28b、28cは、各々が単一の保管容器中に放出口61を有する、異なる区画810a、810b、810c内に保管され得る。
【0068】
原料の保管のために使用されるべき容器10は、必要に応じて容易にクリーニングおよび消毒できる、適切な食品グレードの材料から成らなければならない。
【0069】
水または香料などの流動性のものを保管するための容器は、防水でなければならない。
【0070】
任意で、保管容器は、ライナー5を有し得る。ライナーは、使い捨てまたは再利用可能であり得る。保管容器に適切なライナーの材料は、保管されている1つの原料または複数の原料によるが、一例では、プラスチック、金属、ガラス、麻布、綿などの材料を含み得る。
【0071】
保管容器は、保管容器の内容物がスタック中のその保管容器の下方にある容器に分配される、解放可能な密閉式開口部61を有する。
【0072】
参照により本明細書に組み込まれた英国特許出願第1519931.8号は、一連の異なる投入口構成を有する様々な保管容器の解決法を説明している。
【0073】
任意で、1つ以上の保管容器は、その内容物の全てまたはいくらかを放出口61を通して計量容器(図示せず)に分配する。計量容器は、計量手段を備える。1つ以上の原料は、連続的に計量容器に分配されてもよい。
【0074】
計量容器は次いで、荷積み取り扱い装置によって、マイクロブルワリーへと搬送され、ここで、その内容物はマイクロブルワリーまたは醸造容器に分配される。
【0075】
代替的に、計量容器は、次いで、荷積み取り扱い装置によって、醸造容器へと荷積み取り扱い装置によって搬送され、その内容物が醸造容器に分配される。
【0076】
<容器での醸造>
醸造処理のステップのいくつかまたは全ての別の態様では、醸造処理は、従来の保管システム内の1つ以上の醸造容器内で発生する。
【0077】
醸造容器110は、それらが従来の保管容器のようなサイズおよび形状であるという点、およびそれらがスタックされるという点で、外面的には保管容器と類似しており、当該技術分野において既知であるように、荷積み取り扱い装置によって保管システムの周辺をあちこち移動する。
【0078】
醸造のために使用されるべき醸造容器110はまた、使用の間に容易にクリーニングおよび消毒できる、防水かつ剛性食品グレード材料(rigid food grade material)で形成されなければならない。適切な材料は、一例に過ぎないが、プラスチック、金属、ゴムなどの材料を含む。
【0079】
醸造容器110のいくつかまたは全ては、上述された英国特許出願第1519931.8号で説明されるような、当該技術分野において既知である、平坦な底部に1つ以上の解放可能な密閉式開口部61を有する従来の側部四角形型形状であり得る。
【0080】
醸造容器110のいくつかまたは全ては、1つ以上の傾斜またはカーブを有し、そうでなければ、容器の内容物が、必要に応じてエアレーションを用いてまたは用いることなく、完全に分配されることを可能にするための図5図7で示されるような加工された側部または底部7を有する。
【0081】
醸造容器110は、予めイーストなどの原料を予熱するための加熱手段91を備える。
【0082】
任意で、図5または図8に示されるように、1つ以上の容器は、ライナ-5を備える。ライナー5が使用されるとき、容器110は、食品グレード材料で構築されることも、また高い防水性も必要としない。ライナー5は、使い捨てライナーであるか、または洗浄できる再利用可能なライナーであり得る。
【0083】
醸造容器110のための適切なライナー材料は、一例に過ぎないが、耐熱性プラスチック、金属、ガラス、木材、ゴムなどの材料を含む。
【0084】
ライナー5は、容器内に置かれ、容器の内容物を分配することができる開口部61を有する。
【0085】
ライナー5は剛性であり、図5図7に示されるように、さらなる取り付け手段を有しているまたは有していない容器内に置かれ得る。剛性ライナーは傾斜を有しており、1つの容器から別の容器へと内容物を完全に移送する際の手助けとなるように、じょうご状またはその他の側面構成7が開口部61を囲んでいる。ライナー5の形状はまた、移送中に醸造容器の内容物のエアレーションを高めるまたは減少することを選択され得る。醸造容器110の内部は、ライナー5の必要性を排除した方法で形成され得ることが理解されるだろう。
【0086】
剛性ライナー5は、類似した形状の保管または醸造容器と、または代替的には、側部四角形型容器10とともに使用される。
【0087】
代替的には、ライナー5は、図8aおよび図8bに示されるように、容器10または110の形状に適合する柔軟性があるかまたは半剛性の膜であり得る。柔軟性または半剛性ライナー5は、開口部61において適切な固定手段で醸造または保管容器110に挿入および取り付けられる。柔軟性ライナー5は、折りたたみ式などの方法で形成された拡張可能なタイプであり得る。取り付け手段は、一例に過ぎないが、ループ、フック、ピン、突起、弾性ストラップまたはバンド、ゴムシール、接着剤、およびクリップなどを含み得る。
【0088】
任意で、柔軟性または半剛性ライナー5は、図5図7に示されるように、液体を含む材料が、必要に応じて、1つの容器110からエアレーションを有するまたは有していない別の容器へと移送されることを可能にする、傾斜したカーブまたはその他の形状の側部7および底部を有する、特別に形成された醸造容器110または保管容器10とともに使用される。
【0089】
図9および図10に示されるように、醸造容器110は、温度計または熱電温度計(図示せず)などの温度監視手段と、加熱手段91および冷却手段101のうちの1つ以上とを備えている。
【0090】
各醸造容器110内の温度は、オンラインリテール処理において顧客によって要求され得る予め定められた所望の手順にしたがって、個々に監視および調整されることができる。
【0091】
代替的には、1つ以上の醸造または保管容器110、10の温度は、荷積み取り扱い装置30を使用して、それを当該技術分野において既知であるフレーム構造体14内の温度調節された領域または空間へと搬送することによって調整され得る。一例に過ぎないが、単一のフレーム構造体14は、保管容器に関する40℃未満のエリアまたは空間、予熱された原料または醸造容器110のための40℃より高いエリアまたは空間、マッシングのための70~80℃のエリアまたは空間、マッシュアウトのための77℃のエリアまたは空間、65~76℃のエールの発酵のためのエリアまたは空間、および45~55℃のよりラガーの発酵のためのエリアまたは空間を有し得る。
【0092】
任意で、個々の醸造容器110内の温度は、醸造容器の加熱手段91、醸造容器の冷却手段101、および保管システム中の容器110のロケーションのうちの1つ以上の組み合わせによって変化し得る。
【0093】
醸造容器110はまた、一例に過ぎないが、醸造容器内で磁気攪拌バー81を動作する醸造容器の底部に提供され得る磁気攪拌プレート(図示せず)、超音波プレートなどの攪拌手段を備え得る。攪拌手段は、周期的にまたは連続的に所望の手順にしたがって有効化され得る。
【0094】
各個々の醸造容器における攪拌の持続期間、タイプ、および強度は、エアレーションを最大化または最小化するように、あるいは顧客の個々の要求または好みに応じて調整されることができる。
【0095】
1つ以上の醸造容器はまた、醸造容器が濾過槽としての役割を果たすことを可能にするように、V字型ワイヤなどの材料からなるスリット付底部を備え得る。
【0096】
好ましくは、加熱手段91、冷却手段101、攪拌手段81、スリット付底部、再循環手段51、混濁度監視手段、および温度監視手段を有する醸造容器は、図9aおよび図9bに示されるような糖化槽と濾過槽との組み合わせとしての役割を果たす。
【0097】
流出管および1つ以上の給水口としての役割を果たす放出口61は、グレインベッドを破壊しない、よりゆるやかなスパージ水の噴出を提供する。
【0098】
好ましくは、加熱手段91、冷却手段101を有する醸造容器110は、図10aおよび図10bに示されるような醸造ケトルとしての役割を果たす。
【0099】
好ましくは、加熱手段91、冷却手段101、攪拌手段81を有する醸造容器110は、発酵槽としての役割を果たす。
【0100】
いくつかの実施形態では、醸造容器はまた、醸造原料を保存するためにも使用される。
【0101】
<サービスとしての醸造処理>
グリストと任意で水とを醸造する前に、糖化槽と濾過槽としての役割を果たす任意の醸造容器110が予熱される。
【0102】
予熱は、原料を収容している保管容器、または予熱されるべき醸造容器110を、40℃より高い所望の温度で維持されているフレーム構造体14のある領域に移送することにより引き起こされ得る。
【0103】
代替的に、ミルされたまたは粉砕された穀類またはグリストが保管容器から醸造容器に移送される。醸造容器における加熱手段は次いで、ミルされたまたは粉砕された穀類またはグリストを、所望の温度に加熱する。同様に、水が保管容器10または醸造容器110のいずれかの場所から移送される。醸造容器110中の加熱手段91は次いで、所望の温度まで水を加熱する。
【0104】
<マッシング>
水とグリストとは、糖化槽中で混交される。
【0105】
糖化槽は、水またはグリストが保管された、あるいは他の原料を含む容器にグリストまたは水のいずれかを追加することによって予熱された、同じ容器10であり得る。
【0106】
代替的に、水またはグリストを含む保管容器10の内容物のいくらかまたは全ては、別個の糖化槽醸造容器110に移送され得る。
【0107】
グリストと水とは、全てのグリストが湿った状態ではなく、かつそれのスプラッシングおよび/またはエアレーションを引き起こさないことを保証するために、醸造容器の攪拌手段81またはその他の手段によって混合される。
【0108】
マッシュの温度は、必要に応じて監視および調整される。
【0109】
糖化槽の内容物は、糖化槽醸造容器110内に位置する加熱手段91によって加熱される。代替的に、糖化槽は、荷積み取り扱い装置30によって、70℃より高い所望の温度で維持された格子内の領域または空間へと移動される。
【0110】
グリストおよび水は、麦汁を生成するために、所望の期間の間所望の温度に達することが可能である。
【0111】
任意で、グリストおよび水は、所望の手順にしたがって糖化槽の攪拌手段によって周期的に攪拌される。
【0112】
ロイタリングは、透明な液体の麦汁と、その残りの使用済みグリストとにマッシュが分離される処理である。ロイタリングは通常、マッシュアウト、再循環、およびスパージングの3つのステップからなる。
【0113】
<マッシュアウト>
糖化槽の内容物の温度は、でんぷんの酵素的発酵性糖への変化を止めるために、並びにマッシュおよび麦汁をより流動的にするために、予め定められた時間の期間の間、75~80℃以上に上昇される。
【0114】
好ましくは、隣接している容器が過熱することを避けるために、糖化槽は次いで、荷積み取り扱い装置30によって、マッシュアウトが実行される保管システム内のあるエリアまたは空間へと搬送される。
【0115】
糖化槽は、糖化槽内の加熱手段91によって、あるいは代替的にまたは追加的に、保管システム内のマッシュアウトエリアまたは空間に位置する外部ヒーターによって、加熱される。
【0116】
<再循環>
糖化槽の役割を果たしたものと同じ醸造容器110が、濾過槽の役割を果たす。
【0117】
糖化麦汁がマッシュの底から開口部を通じて取り出され、適切な再循環手段51によって放出口を通じてマッシュの上部へと戻る。麦汁自体が、堆積物とたんぱく質とを捕捉するフィルタとしての機能を果たす。この再循環処理は、麦汁が透明になるまで繰り返される。
【0118】
任意で、麦汁中の固形物のレベルを決定するために、混濁計(図示せず)が麦汁の混濁度を測定するために濾過槽中に提供される。
【0119】
麦汁が所望の混濁度に達したとき、透明な糖化麦汁が、スタック中の糖化槽/濾過槽の下部に位置付けられた、醸造ケトル8として知られる醸造容器へと開口部61を通じて取り出される。
【0120】
<スパージング>
水が75℃~78℃に予熱され、スタック中の糖化槽/濾過槽上の容器から流れ出るか、または糖分をマッシュから抽出するために、糖化槽/濾過槽中において提供される1つ以上のスプレーヘッドからゆるやかに噴出される。
【0121】
英国式スパージングまたはバッチスパージングは、さらなるスパージ水が追加される前に、麦汁がマッシュから完全に抜き取られ、76℃に保たれ、次いで、再度抜き取られる。
【0122】
フライスパージングまたはドイツ式スパージングは、連続した処理を使用する。麦汁が取り出され、同じ遅速性で追加される。
【0123】
バッチスパージングまたはフライスパージングは、顧客の好みに応じて採用される。
【0124】
スパージ水は、開口部61を通じて醸造ケトル8に取り出される。
【0125】
通常、マッシングよりも1.5倍多い水がスパージングのために使用されるが、他の比率も検討され得る。例えば、当初の50%が使用され得る。
【0126】
<ボイル>
好ましくは、隣接する容器を加熱することを避けるために、満たされた醸造ケトル醸造容器110は、荷積み取り扱い装置30によって、ボイルが実行される保管システム内のエリアまたは空間へと搬送される。
【0127】
醸造ケトル容器は、醸造ケトル容器110中の加熱手段91によって、あるいは、代替的にはボイルエリアまたは空間中に位置する外部ヒーターによってまたはその格子の周辺で、約100℃まで加熱される。
【0128】
麦汁は、所望の期間、通常は1~2時間の間、活発にボイルされる。
【0129】
任意で、荷積み取り扱い装置は、ホップまたは他の香料を醸造ケトル8に分配し、麦汁は、所望の期間、通常は1~20分の間、再度活発にボイルされる。
【0130】
麦汁は、容器においていずれかの冷却手段101によって、冷却される。代替的に、麦汁は、荷積み取り扱い装置によって、冷却のために30℃未満の温度で維持される格子内の領域または空間に移送される。
【0131】
任意で、冷却の前または後に、麦汁は、フィルタリングされ、スピンされ、またはそうでなければ、ホップ物質および凝固したたんぱく質を取り除くように処理される。
【0132】
<発酵>
冷却された麦汁を収容している醸造ケトル容器110は、荷積み取り扱い装置30によって、発酵槽22の役割を果たす醸造容器110上に位置するスタック中の位置に移送される。
【0133】
麦汁は、開口部61を通じて発酵槽に分配される。
【0134】
イースト、および任意で砂糖、または香料は、シェイクすること、活発に攪拌すること、または他の方法でエアレーションされた混合物を、荷積み取り扱い装置によって発酵槽に追加される。
【0135】
麦汁は、醸造されるビールのタイプおよび顧客の要求にしたがって、35℃と85℃の間の所望の温度で加熱され、所望された期間の間の発酵を可能にする。
【0136】
通常、エールは、数週間の期間の間、上昇した温度における発酵を必要とする。正確な温度および時間の期間は醸造されるドリンクによる。例えば、ラガーは、他のドリンクよりも低い温度で発酵され得る。
【0137】
発酵槽容器は、ローカル容器加熱手段91によって加熱され得る。代替的に、発酵槽容器は、荷積み取り扱い装置30によって、発酵を果たすための所望の温度で維持されている保管システム内の領域または空間へと移送される。
【0138】
任意で、当該技術分野において周知のイーストを凝集させるためのろ過材が、発酵槽に追加される。任意で、発酵処理を改善するために酸素が投入され得る。
【0139】
イーストは通常、発酵槽の底に沈み、ビールを瓶詰めする前に取り除かれ得る。
【0140】
任意で、イーストの沈殿物は、瓶詰めの前のろ過構成を通じて、発酵槽の内容物を通過することによって除去される。
【0141】
ビールをボトルまたは樽へと移送する。
【0142】
図12aで示されるように、放出口61は、保管容器10において保管システム内でビールが瓶詰めされ得るように、搬送クレート78中でボトル80にビールを分配するディスペンサ手段72を備え得る。任意で、ボトルは、予めラベリングされる。
【0143】
任意で、発酵槽は、荷積み取り扱い装置によって、図12bに示されるタイプのボトリングエリアへと搬送され得る。
【0144】
任意で、ビールをボトルまたは樽へ移送する前または後に、炭酸塩または砂糖が追加され得る。
【0145】
任意で、イーストおよび砂糖のうちの1つ以上が、ビールのボトルコンディションを整え、保管寿命を高めるために、ビールをボトルまたは樽へと移送する前または後に、ボトルまたは樽に追加される。
【0146】
ボトルまたは樽は、少なくとも消費前3日間の間に封され保管される。
【0147】
<焙燥>
本発明のさらなる態様では、1つ以上の醸造容器110は、保管システム中でモルトを生成するために、穀類を焙燥(kilning)するために使用され得る。
【0148】
未加工の穀類(raw grain)を収容している保管容器10は、荷積み取り扱い装置によって、醸造容器110上の位置に移動され、それら穀類は、保管容器10から醸造容器110に分配される。
【0149】
穀草は、籾殻を取り除くために洗浄される。
【0150】
水が追加され、約8時間待機することが可能となる。
【0151】
その水は放出口61から取り除かれ、新鮮な水が取り込まれ、約8時間待機することが可能となる。
【0152】
処理は、所望の長さの発芽が現れるまで、4~10日の間何度か繰り返される。
【0153】
発芽処理を止めるために穀草が加熱される。加熱は、醸造容器110内の加熱手段91を使用するか、または、発芽処理を止めるために高温で維持された保管システム内のエリアまたは空間へと醸造容器110を搬送することによって達成されることができ、麦芽が醸造のための準備が整った状態となる。
【0154】
異なるタイプの、言い換えると異なるテイストのビールを生成する麦芽を生成するために、異なる処理が追加され得る。
【0155】
保管環境内の処理から恩恵を受けるであろう多くの他の食材またはドリンクが存在する。これらは、ジンのための蒸留処理、並びにケフィア、ヨーグルト、およびワイン生成のための他の処理を含む。
【0156】
本発明の第2の実施形態では、容器またはコンテナは、ジェムストーン(gemstones)を保管および処理し得る。
【0157】
宝石研磨技術を使用するジェムストーンの処理は、下記で説明されるような一連のステップを含む。各ステップは、その石の性質と要求される最終的成果によって、時間およびその石を処理するために使用される共通性の点で変化する、異なっているが予め定められた明確な処理ステップを必要とする。各ステップは、別個の容器またはコンテナ中で実行され得、それら容器またはコンテナは、再構成可能であるか、または要求される処理要素によって再順序付けされる。
【0158】
宝石研磨技術のような岩石のタンブリング(tumbling)のために、プラスチックまたはゴムライニングバレルが、全てが同様のまたは同じ硬度の岩石、何らかの研磨砥粒、および液体滑剤の積送で搭載される。このようなバレルは、第1の容器またはコンテナ中に位置し得る。
【0159】
研磨砥粒は、炭化ケイ素粒であり得、水が滑剤として使用され得るが、他の研磨剤および滑剤が使用されてもよい。
【0160】
バレルは、次いで、それが回転するように容器またはコンテナ内に位置付けられた、ゆっくりと回転するレール上に置かれる。回転の理想的な速度は、タンブラーバレルおよび含まれる材料のサイズによる。
【0161】
石の研磨のために適切な速度は、バレル内の岩石を、それら間で研磨砥粒とともに互いにすり抜けさせる。この結果は、研磨剤の粗さおよびタンブリングの持続期間による。
【0162】
各々が異なる速度で回転するタンブラを収容し、かつ異なる滑剤、研磨剤、および石を収容する、いくつかの容器またはコンテナが存在することが理解されるだろう。
【0163】
既知のタンブリング研磨処理では、粗い岩石から研磨されるまでの処理時間は、3~5週間の間であり、一連の予め定められたステップにおいてなされる。
【0164】
第1に、それら岩石は、粗い砥粒(60~90メッシュなど)を用いて平滑化される。第1のステップの背景にある考え方は、粗い岩石または石に対して行われ、それを完成品と(形状において)区別できない形状に研ぐ(タンブリングする)ことである。この第1のステップは、第1の容器またはコンテナ中で実行され得る。
【0165】
これは、その後に洗浄およびクリーニングの第2のステップが続く。第1のステップの容器またはコンテナ中に収容される石は、第2のステップの洗浄およびクリーニング手段を提供する第2の容器またはコンテナへと移送され得る。この移送は、ロボット荷積み取り扱い装置によって、第1のコンテナを出口ポートへと保管システムから取り外すことによって行われ得、それによって、内容物が第2のステップを実行することができるコンテナへと手動でまたはロボットによって移送される。代替的に、第1のコンテナは、第2のコンテナに第1のコンテナの内容物を移送するための適切な分配手段とともに提供され得る。
【0166】
第3のステップは、例えば、120~220メッシュ、次いで400~600メッシュの細かい砥粒を使用してさらにタンブリングすることを備える。第3のステップは、第3の容器またはコンテナにおいて、第1および第2のステップに関して上述したものと同様の方法で実行され得、第2の容器またはコンテナの内容物は、第3のコンテナに移送され得る。
【0167】
例えば、1200グリットの研磨剤を使用して容器またはコンテナが予め研磨し、石における任意の砥粒を除去するための洗浄剤を用いた洗浄サイクルを使用してさらに洗浄するなどの、さらなるステップが要求されてもよい。
【0168】
最後のステップは、酸化セリウムまたは酸化スズ、水、および、場合によってはチップを引き起こさずかつそれら石間で等しく研磨を行うように、それらがタンブリングする際に石の衝撃を和らげる(cushion)ように設計された小さなプラスチック小球などの粉末磨き剤を使用する研磨段階である。他の光沢剤および滑剤が使用されることが理解されるだろう。
【0169】
正確なタンブリング持続期間は、岩石の硬さと、よりおおまかなステップにおいて所望された滑らかさの度合いとを含む、多くの要因によって決定される。いくつかの処理方法は、それら石から所望の形状を得るために、2週間、3週間、ひいては4週間、の間、粗い砥粒を用いて石をタンブリングする。
【0170】
上記の処理は、容器またはコンテナ中で発生する回転性タンブリングに関する。しかしながら、回転性タンブリングの代わりに振動性タンブリングが使用され得る。2つの異なる要因が存在するが、それは一方を振動性タンブラを使用するように導き得る。第1に、振動性タンブラは粗い岩石の全体の形状を保持し、一方、回転性タンブラはより岩石を丸くする傾向がある。よって、ファセット形状およびティアドロップ型にするためには、振動性タンブラを使用することが重要である。第2に、振動性タンブラは、回転性タンブラよりもさらに早く処理を行う傾向があり、概して、処理時間を半分に低減する。
【0171】
したがって、所定のシステムが含まれており、どの時点においても、容器またはコンテナは、ジェムストーン処理に関して任意のまたは全ての上記処理を実行し、ロボット荷積みハンドラは、所定の容器またはコンテナの内容物が代替の容器またはコンテナへの移送を要求するときに必要に応じて容器またはコンテナを取り外すために、またはシステムからの完全な取り外しのために用いられることが理解されるだろう。
【0172】
本願の3つの実施形態では、システムは、保存のための保管および処理システムを提供するために使用され、薬剤の調合のために様々な有効成分を処理し得る。
【0173】
本実施形態では、一連の容器またはコンテナは、必要に応じて薬剤の製造ステップによって、予め定められているが可変の処理順序において原材料を処理するために必要な手段を提供する。このような処理は、微生物発酵の処理を含み得るが、他の処理が使用されてもよい。
【0174】
微生物発酵では、医薬品は、発酵を含む技術によって生成され得る。
【0175】
微生物発酵は、微生物による有機物質の比較的単純な物質への変換である。それらの成長および寿命の間、微生物は幅広い範囲の異なる分子タイプを形成する。それらは、生存能力および繁殖と、環境の変化への適応と、ストレス条件および敵に対する防御と、競合する微生物の脅威とを必要とされる。
【0176】
製薬業界内で通常使用される微生物は、バクテリア(例えば、大腸菌、黄色ブドウ球菌)、および放線菌(例えば、ストレプトミセス属、アクチノミセス属)などの原核生物、糸状菌(例えば、黒色胞子属、アスペルギルス属)、および酵母菌(例えば、サッカロミケス属、ピチア属)などの真核生物を含む。しかしながら、処理がこれらの特定の微生物に限定される必要はないことを指し、かつそのような使用に関して多くの他の有機体が予想されることが理解されるだろう。
【0177】
好ましくは、分子はショートペプチド、低分子量有機分子などの小さな分子、低分子量有機分子、たんぱく質および核酸(DNA、RNA)を含むより大きな分子、並びに脂質および糖質ポリマーなどの高分子、さらに、例えばリポ多糖体、リポペプチド、ペプチドグリカンのような様々な製品タイプの組み合わせである。これらの製品タイプのうちの任意のものは、潜在的に、薬品の有効成分(API:Active Pharmaceutical Ingredient)としての役割を果たす。
【0178】
微生物発酵は、幅広い範囲の薬剤製品の生成に関する基盤であり、実用的な任意の医薬適用を目的とする。例は、細胞毒性抗がん剤(anticancer cytotoxic drugs)およびワクチン、抗感染性疾患抗生物質およびワクチンから、ホルモン障害治療および多くの他の適用にまで及ぶ。
【0179】
内因性分子の自然の生合成は、特定の複数のステップの複雑なルートおよび処理を含み、そのいくつかは、異質分子の生合成に関して操作され得る。微生物は、遺伝子操作され得るか(組み換え技術)、またはそれらの投与ルートのかなりの変更によって変形して設計される。これらの処理の各々および任意のものが、保管および処理システム内の個々の容器またはコンテナにおいて、適切な条件下で実行され得る。
【0180】
発酵の発展のキーとなる要素は、型選択および最適化、媒体および処理の開発、並びに最終的には生産性を最大化するためのスケールアップである。ダウンストリーム処理は、希薄な発酵もろみ液からの製品を抽出、凝縮、および浄化するために様々な技術を利用する。選択および最適化処理は、第1の容器またはコンテナ中で適切な手段を使用して実施され;媒体および処理の開発は、第2の容器またはコンテナ中で適切な手段を使用して実施され、生産性およびスケールアップは、第3の容器またはコンテナ中で適切な手段を介して実施され得る。さらに、ダウンストリーム処理は、さらに一連の容器またはコンテナ中の適切な手段を介して実施され得る。
【0181】
本発明の4つの実施形態では、システムは、保存のための保管および処理システムを提供するために使用され、食材の調理のための原料(raw ingredient)を処理し得る。
【0182】
本発明の実施形態の一形態では、システム中で実施される処理は、焼くことを備える。本発明のこの形態では、個々の容器またはコンテナは、小麦、イースト、水、牛乳、または必要とされる任意の他の材料などの原料を保存するために使用され得る。
【0183】
容器またはコンテナは、混合容器またはコンテナに個々の保管容器またはコンテナからの材料を分配するための適切な分配手段を備える。混合容器またはコンテナは、要求された温度で要求された時間の間、電動パドルなどによって原料を混合するための手段を備える。全ての原料は、同時に混合容器またはコンテナに移送され得るか、または一連の予め定められた順序で移送され得ることが理解されるだろう。
【0184】
混合容器またはコンテナは、原料を処理し、それらを要求された温度で要求された時間の間、混合する。混合容器の内容物は、次いで、ベーカリー製品を焼くことを可能にするために、ベーキング容器またはコンテナに移送され得る。
【0185】
ベーキング容器またはコンテナは、適切で制御可能な加熱手段とともに提供される。ベーキング容器またはコンテナの時間の長さおよび温度情報は、その中の特定の製品コンテナによって、必要に応じて変化し得る。追加として、必要に応じてベーキングまたは加熱の個々のカスタマイズ可能なレベルを適用することが可能であり得る。
【0186】
例えば小麦と水などの、システム中で焼かれている全ての製品には共通の原料が存在し得るが、例えばオリーブ、チョコレートチップまたはレーズンなどの、全ての焼かれた後の製品には必要とされない可能性がある付加価値的製品もまた存在し得ることが理解されるだろう。システムは、容器またはコンテナ内の適切な分配手段を介してシステム内で移送が発生し得る、あるいは、自動でまたは手動で移送が行われ得る出口ポートへの荷積み取り扱い装置を介するコンテナの取り外しを介して、コンテナ間の材料の移送を可能にする。
【0187】
分配手段は、各容器またはコンテナのための分配手段と同じ形式である必要はないことが理解されるだろう。例えば、小麦を備える容器またはコンテナは、水などの流動体を備えるコンテナとは異なる移送の形式または分配メカニズムを必要とするだろう。任意の形式の分配メカニズムは、容器またはコンテナの内容物に適切に使用され得ることが理解されるだろう。
【0188】
さらに、第4の実施形態がパンとベーキングに関して説明されており、他の食材が同様の技術を使用して処理され得ることが理解されるだろう。このような食材は、昆虫や甲殻類などの生物を含むが、それらに限定されない。
【0189】
上記の全ての例では、食材または原材料は、保管システムの容器に保存され得、次いで、特別に適応された容器内の処理は、保管容器と同じ全体の形状を有するが、加熱、冷却、混合、冷凍、浸漬などの追加の機能を実行するための手段を有する。
【0190】
容器内の物質の処理が処理の一部のみであり得、他の特別な機器は、説明したタイプの保管システム内で同一場所に設置され得、それら容器は、原料を保存するか、または必要に応じて処理中の異なる時点で原料を移送するために使用されることもまた理解されるだろう。
【0191】
醸造に関する上記の特定の例では、容器10は、「醸造容器110」を指す。反応処理用の保管システムを使用するケースでは、これらの容器110は、「処理容器」であり、請け負った特定の処理によって、必要に応じて他のサービスを含み得ることが理解されるだろう。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a
図10b
図11
図12a
図12b
図13a
図13b
【手続補正書】
【提出日】2022-02-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連の容器を備える自動保管および処理システムであって、
前記容器は、フレーム構造体内のスタックに位置し、前記フレーム構造体は、一連の格子空間を定義する格子構造を備え、各格子空間は、容器のスタックのフットプリントによって定義され、前記フレーム構造体は、容器の前記スタック上の一連のトラックまたはレールをさらに備え、前記システムは、前記トラックまたはレール上で動作可能な少なくとも1つの荷積み取り扱い装置を用いてさらに提供され、前記荷積み取り扱い装置は、スタックから前記荷積み取り扱い装置に少なくとも1つの容器を持ち上げるための持ち上げ手段を備え、前記荷積み取り扱い装置は、駆動手段を用いてさらに提供され、前記駆動手段は、制御手段の制御下で前記トラックまたはレール上の前記荷積み取り扱い装置または各荷積み取り扱い装置を移動させるように動作可能であり、前記荷積み取り扱い装置または各荷積み取り扱い装置は、前記システム内の他のロケーションにまたは前記システムの出口ポートに、前記システム内で行われている処理によって必要に応じて容器を移動させるように動作し、
前記容器の第1の部分は、処理されるべき複数のジェムストーンのための保管を備え、前記容器の第2の部分は、前記容器内で特定の機能を行うための処理手段を備え、前記処理手段は、前記容器内に位置するジェムストーンに作用し、前記処理されたジェムストーンは、分配手段によって容器から容器へと渡され、最初の容器から最後の容器までの前記処理は、最終結果を得るための予め定められた一連のステップにしたがって前記容器へのジェムストーンの投入が処理されるように、ユーザの介入なしに実施され、前記ステップの各々は、予め定められた容器において実施される、自動保管および処理システム。
【請求項2】
前記ジェムストーンは、異なるレベルの処理を要求する、請求項1に記載の自動保管および処理システム。
【請求項3】
前記ジェムストーンは、石を研ぐおよび研磨するためのあらかじめ定められた一連の変動要素にしたがって処理される、請求項1または2に記載の自動保管および処理システム。
【請求項4】
処理容器は、研ぐ容器を含む、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の自動保管および処理システム。
【請求項5】
処理容器は、タンブリングする容器を含む、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の自動保管および処理システム。
【請求項6】
前記タンブリングする容器は、プラスチックまたはゴムライニングバレル、研磨砥粒、および液体滑剤を含む、請求項5に記載の自動保管および処理システム。
【請求項7】
前記砥粒は、炭化ケイ素粒である、請求項6に記載の自動保管および処理システム。
【請求項8】
前記滑剤は、水である、請求項6に記載の自動保管および処理システム。
【請求項9】
前記バレルが回転するように、前記バレルは、前記タンブリングする容器内に位置付けられた、回転するレール上に置かれる、請求項6に記載の自動保管および処理システム。
【請求項10】
前記タンブリングする容器は、振動性タンブリングである、請求項5に記載の自動保管および処理システム。
【請求項11】
前記ジェムストーンは、前記タンブリングする容器から洗浄およびクリーニング手段を提供する第2の処理容器へと移送される、請求項5から10のうちのいずれか一項に記載の自動保管および処理システム。
【請求項12】
前記ジェムストーンは、細かい砥粒または粉末磨き剤を使用するタンブリングする容器を備える第3の処理容器へと移送される、請求項11に記載の自動保管および処理システム。
【請求項13】
処理容器は、クリーニングする容器である、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の自動保管および処理システム。
【請求項14】
処理容器は、研磨する容器である、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の自動保管および処理システム。
【請求項15】
処理容器は、振動させる容器である、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の自動保管および処理システム。
【請求項16】
様々な処理が同時に行われ、異なる容器が処理要件にしたがって使用される、請求項1から15のうちのいずれか一項に記載の自動保管および処理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
ロボット荷積み取り扱い装置の1つの形式がノルウェー特許番号第317366号においてさらに説明されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれている。荷積み取り扱い装置のさらなる展開が、英国特許出願第1413155.1号に説明されており、ここでは、各ロボット荷積みハンドラが1つの格子空間のみをカバーし、したがって、荷積みハンドラのより高い密度が、およびしたがって所定のサイズのシステムのより高いスループットが可能となる。図3(a)は、本発明で用いられる荷積み取り扱い装置の概略斜視図であり、図3(b)、(c)は、荷積み取り扱い装置の内部を示すために切断されている状態の概略斜視図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
図1図1は、既知の保管システムに容器の複数のスタックを収容するためのフレーム構造の概略斜視図である。
図2図2は、図1のフレーム構造の一部の概略平面図である。
図3a図3(a)は、図1および図2のフレーム構造を用いて使用するためのロボット荷積み取り扱い装置概略斜視図である。
図3b図3(b)は、図1および図2のフレーム構造を用いて使用するためのロボット荷積み取り扱い装置の内部を示すために切断されている状態の概略斜視図である。
図3c図3(c)は、図1および図2のフレーム構造を用いて使用するためのロボット荷積み取り扱い装置の内部を示すために切断されている状態の概略斜視図である。
図4図4は、図1および図2のフレーム構造上に取り付けられた図3(a)、図3(b)、および図3(c)に示すタイプの複数の荷積みハンドラ装置を備える既知の保管システムの概略斜視図である。
図5図5は、解放可能な密閉式放出口を有する、本発明で使用するための、側部四角形型容器の概略斜視図である。
図6図6は、解放可能な密閉式放出口を有する、本発明で使用するための、側部円錐形型容器の概略斜視図である。
図7図7は、解放可能な密閉式放出口を有する、本発明で使用するための、傾斜した側部を有する容器の概略斜視図である。
図8a図8aは、本発明の一形態において容器とライナーとの間の取り付け手段を示す内部ライナーとの組み合わせで使用するための容器の概略斜視図である。
図8b図8bは、容器とライナーとの間の取り付け手段を示す内部ライナーとの組み合わせで本発明の一形態において使用するための容器の概略斜視図である。
図9a図9aは、加熱手段、冷却手段、攪拌手段、放出口、再循環手段、ポンプ手段、および二重底部(false base)またはフィルタリング手段を有する、糖化槽と濾過槽とを組み合わせた醸造容器の概略斜視図である。
図9b図9bは、加熱手段、冷却手段、攪拌手段、放出口、再循環手段、ポンプ手段、および二重底部(false base)またはフィルタリング手段を有する、糖化槽と濾過槽とを組み合わせた醸造容器の概略斜視図である。
図10a図10aは、加熱および冷却手段を有する醸造ケトル醸造容器(brew kettle brewing bin)の概略斜視図である。
図10b図10bは、加熱および冷却手段を有する醸造ケトル醸造容器の概略斜視図である。
図11図11は、容器を運ぶ荷積み取り扱い装置の一形態の概略斜視図であり、その容器は、所定の処理において必要とされる材料を保管するためのいくつかの部分を有し、容器は、処理のために、運ばれた容器から代替の容器へと分配するための分配手段を有する。
図12a図12aは、上記の図5図7のタイプの容器の概略斜視図であり、容器に収容されている液体を、下の容器に収容されているボトルに分配するためのメカニズムの一形態を示す。
図12b図12bは、容器からボトルなどのコンテナに液体を分配するための代替のメカニズムの概略斜視図である。
図13a図13aは、本発明に従って上記の図1図4に示されるシステムを使用する醸造の方法の動的表現である。
図13b図13bは、本発明に従って上記の図1図4に示されるシステムを使用する醸造の方法の動的表現である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0191
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0191】
醸造に関する上記の特定の例では、容器10は、「醸造容器110」を指す。反応処理用の保管システムを使用するケースでは、これらの容器110は、「処理容器」であり、請け負った特定の処理によって、必要に応じて他のサービスを含み得ることが理解されるだろう。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 一連の容器を備える自動保管および処理システムであって、前記容器の第1の部分は、処理されるべき原材料のための保管を備え、前記容器の第2の部分は、前記容器内で特定の機能を行うための処理手段を備え、前記処理手段は、前記容器内に位置する材料に作用し、前記処理された材料は、分配手段によって容器から容器へと渡され、最初の容器から最後の容器までの前記処理は、最終結果を得るための予め定められた一連のステップにしたがって前記容器への原材料の投入が処理されるように、ユーザの介入なしに実施され、前記ステップの各々は、予め定められた容器において実施される、自動保管および処理システム。
[2] 前記容器は、フレーム構造体内のスタックに位置し、前記フレーム構造体は、一連の格子空間を定義する格子構造を備え、各格子空間は、容器のスタックのフットプリントによって定義され、前記フレーム構造体は、容器の前記スタック上の一連のトラックまたはレールをさらに備え、前記システムは、前記トラックまたはレール上で動作可能な少なくとも1つの荷積み取り扱い装置を用いてさらに提供され、前記荷積み取り扱い装置は、スタックから前記荷積み取り扱い装置に少なくとも1つの容器を持ち上げるための持ち上げ手段を備え、前記荷積み取り扱い装置は、駆動手段を用いてさらに提供され、前記駆動手段は、制御手段の前記制御下で前記トラックまたはレール上の前記荷積み取り扱い装置または各荷積み取り扱い装置を移動させるように動作可能であり、前記荷積み取り扱い装置または各荷積み取り扱い装置は、前記システム内の他のロケーションにまたは前記システムの出口ポートに、前記システム内で行われている前記処理によって必要に応じて容器を移動させるように動作する、[1]に記載の自動保管および処理システム。
[3] マイクロブルワリーを含む、[1]または[2]に記載の自動保管および処理システム。
[4] 多数の異なる醸造原料を保管し、それらをマイクロブルワリーの外部または内部へと搬送するための、[3]に記載の自動保管および処理システム。
[5] 前記マイクロブルワリーは、Picobrew(登録商標)である、[3]または[4]に記載の自動保管および処理システム。
[6] 1つ以上の容器は、加熱手段、冷却手段、攪拌手段、温度監視手段、混濁度監視手段、スリット付底部、再循環手段、給水手段、瓶詰め手段、フィルタリング手段、および計量手段のうちの1つ以上を備える、[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の自動保管および処理システム。
[7] 1つ以上の保管容器の内容物をマイクロブルワリーに搬送する方法。
[8] 自動保管および処理システム内で処理を行う方法であって、前記システムは、フレーム構造体内にスタックされた複数のコンテナを備え、複数の荷積み取り扱い装置は、前記フレーム構造体上で動作可能であり、前記方法は、前記スタック内のコンテナ内の前記処理のために要求された材料を保管することと、前記荷積み取り扱い装置を使用して要求されたコンテナを移動させることと、処理のために一連の処理コンテナを通じてまたは処理コンテナに、前記要求された材料を分配することと、結果として生じた処理済み材料を適切な保管手段に分配することと、のステップを備える、自動保管および処理システム内の処理の方法。
[9] [1]乃至[5]、および[8]のいずれか一項に記載の自動保管または処理システムにおける醸造の方法。
[10] [1]乃至[9]のいずれか一項に記載の自動保管および処理システムで使用する容器のための使い捨てまたは再利用可能なライナー。
[11] 加熱手段、冷却手段、攪拌手段、温度監視手段、混濁度監視手段、スリット付底部、再循環手段、給水手段、瓶詰め手段、フィルタリング手段、および計量手段のうちの1つ以上を備える、[1]乃至[10]のいずれか一項に記載の自動保管および処理システムで使用する容器。
[12] 前記システム内の保管容器に、多数の異なる食材または原料を保管するために、前記システムは、複数の処理容器をさらに備え、前記処理容器は、前記保管容器から前記処理容器に移送した原料に作用するための処理手段を備え、前記原料は、食材を生成するためのあらかじめ定められた一連の可変要素にしたがって処理される、[1]または[2]に記載の自動保管および処理システム。
[13] 前記処理容器は、混合容器またはベーキング容器または加熱容器または検証容器を備える、[12]に記載の自動保管および処理システム。
[14] 前記システム内の保管容器中に多数のジェムストーンを保管するために、前記システムは、複数の処理容器をさらに備え、前記処理容器は、前記保管容器から前記処理容器に移送された前記ジェムストーンに作用する処理手段を備え、前記ジェムストーンは、石を研ぐおよび研磨するためのあらかじめ定められた一連の変動要素にしたがって処理される、[1]または[2]に記載の自動保管および処理システム。
[15] 前記処理容器は、研ぐ容器、またはタンブリングする容器、またはクリーニングする容器、または研磨する容器、または振動させる容器を含む、[14]に記載の自動保管および処理システム。
[16] 保管容器に薬品の生成に適切な化学材料を保管するために、前記システムは、複数の処理容器をさらに備え、前記処理容器は、前記保管容器から前記処理容器に移送された前記化学材料に作用するための処理手段を備え、前記化学材料は、要求された薬品を生成するために一連のあらかじめ定められたに可変要素したがって処理される、[1]または[2]に記載の自動保管および処理システム。
[17] 前記処理容器は、微生物発酵に適切な発酵容器を備える、[16]に記載の自動保管および処理システム。
[18] 前記処理容器およびまたは前記保管容器は、前記容器内に収容される材料を代わりの容器に分配するための分配手段を備える、[12]乃至[17]のうちのいずれか一項に記載の自動保管および処理システム。
【外国語明細書】