(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068230
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】再絞りスリーブ
(51)【国際特許分類】
B21D 51/26 20060101AFI20220426BHJP
B21D 22/28 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
B21D51/26 X
B21D22/28 L
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022016863
(22)【出願日】2022-02-07
(62)【分割の表示】P 2019536826の分割
【原出願日】2018-01-02
(31)【優先権主張番号】15/399,795
(32)【優先日】2017-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505257497
【氏名又は名称】ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サインス,ジェームズ アラン
(72)【発明者】
【氏名】ハーモン,クリストファー マイケル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】薄い金属を成形する際のしわ及び/又は裂け目、並びに他の成形上の問題を防ぐ成形された輪郭を有する再絞りスリーブを含む再絞りアセンブリを有する缶ボディ製造機を提供する。
【解決手段】再絞りスリーブ40は、第2の端部80を有する本体72を含んでおり、第2の端部80は成形された輪郭を含んでいる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶ボディ製造機(10)の再絞りアセンブリ(18)用の再絞りスリーブ(40)において、
前記缶ボディ製造機(10)はダイパック(16)を含んでおり、
前記ダイパック(16)は再絞りダイ(42)を含んでおり、
前記ダイパック(16)及び前記再絞りダイ(42)は長手方向軸を含んでおり、
前記再絞りスリーブ(40)は、第2の端部(80)を含む本体(72)を備えており、
前記第2の端部(80)は、成形された輪郭を含む、再絞りスリーブ。
【請求項2】
前記本体の第2の端部(80)は、軸方向面(100)を含んでおり、
前記第2の端部の軸方向面(100)は、内向きテーパーの第2の端部の軸方向面である、請求項1に記載の再絞りスリーブ。
【請求項3】
前記第2の端部(80)は、径方向面(104)を含んでおり、
前記第2の端部の径方向面(104)は、内向きオフセットの第2の端部径方向面である、請求項2に記載の再絞りスリーブ。
【請求項4】
前記第2の端部の軸方向面(100)が、約0°2’乃至0°10’のテーパーを有する、請求項3に記載の再絞りスリーブ。
【請求項5】
前記第2の端部の径方向面(104)は、径方向外辺部(110)及びオフセット部分(112)を含んでおり、
前記第2の端部のオフセット部分(112)は、前記第2の端部の径方向面の径方向外辺部(110)に対して、約0.0005インチ乃至0.001インチの距離だけ内向きにオフセットしている、請求項3に記載の再絞りスリーブ。
【請求項6】
前記第2の端部(80)は、径方向面(104)を含んでおり、
前記第2の端部の径方向面(104)は、内向きオフセットの第2の端部の径方向面である、請求項1に記載の再絞りスリーブ。
【請求項7】
前記第2の端部の径方向面(104)は、径方向外辺部(110)及びオフセット部分(112)を含んでおり、
前記第2の端部のオフセット部分(112)は、前記第2の端部の径方向面の径方向外辺部(110)に対して、約0.002インチ乃至0.003インチの距離だけ内向きにオフセットしている、請求項6に記載の再絞りスリーブ。
【請求項8】
前記第2の端部(80)は、軸方向面(100)、移行部(102)、及び径方向面(104)を含んでおり、
前記第2の端部の移行部(102)は、接して合致する輪郭を有する、請求項1に記載の再絞りスリーブ。
【請求項9】
前記第2の端部の移行部(102)は、マルチアール面であり、係合部分(106)及び非係合部分(108)を含んでおり、
前記係合部分(106)は、約0.060インチ乃至0.100インチのアールによって規定され、
前記非係合部分(108)は、約0.080インチ乃至0.120インチのアールによって規定され、
前記係合部分(106)は中心(107)を有しており、
前記非係合部分(108)は中心(109)を有しており、
前記係合部分の中心(107)と前記非係合部分の中心(109)は、最低限度距離だけ離れている、請求項8に記載の再絞りスリーブ。
【請求項10】
前記係合部分(106)は、約0.080インチのアールによって規定され、
前記非係合部分(108)は、約0.100インチのアールによって規定され、
前記係合部分の中心(107)と前記非係合部分の中心(109)は、特定の最低限度距離だけ離れている、請求項9に記載の再絞りスリーブ。
【請求項11】
ボディ製造機(10)であって、
ラム(12)と、
前記ラム(12)に結合しており、前記ラム(12)に往復運動をもたらすように構成された駆動機構(14)と、
ダイパック(16)と、
可動再絞りアセンブリ及び再絞りダイ(42)を含む再絞りアセンブリ(18)と、
を備えており、
前記ラム(12)は、前記ラム(12)が前記ダイパック(16)から離間した第1の後退位置と、前記ラム(12)が前記ダイパック(16)を通って延びる第2の前進位置との間を往復するように構成されており、
前記再絞りダイ(42)は、前記ダイパック(16)内に配置され、
前記再絞りアセンブリ(18)は再絞りスリーブ(40)を含んでおり、
前記再絞りスリーブ(40)は、第2の端部(80)を有する本体(72)を含んでおり、
前記再絞りスリーブの第2の端部(80)は成形された輪郭を含んでいる、ボディ製造機。
【請求項12】
前記本体の第2の端部(80)は、軸方向面(100)を含んでおり、
前記第2の端部の軸方向面(100)は、内向きテーパーの第2の端部の軸方向面である、請求項11に記載のボディ製造機。
【請求項13】
前記第2の端部(80)は、径方向面(104)を含んでおり、
前記第2の端部の径方向面(104)は、内向きオフセットの第2の端部の径方向面である、請求項12に記載のボディ製造機。
【請求項14】
前記第2の端部の軸方向面(100)が、約0°2’乃至0°10’のテーパーを有する、請求項13に記載のボディ製造機。
【請求項15】
前記第2の端部の径方向面(104)は、径方向外辺部(110)及びオフセット部分(112)を含んでおり、
前記第2の端部のオフセット部分(112)は、前記第2の端部の径方向面の径方向外辺部(110)に対して、約0.0005インチ乃至0.001インチの距離だけ内向きにオフセットしている、請求項13に記載のボディ製造機。
【請求項16】
前記第2の端部(80)は、径方向面(104)を含んでおり、
前記第2の端部の径方向面(104)は、内向きオフセットの第2の端部の径方向面である、請求項11に記載のボディ製造機。
【請求項17】
前記第2の端部の径方向面(104)は、径方向外辺部(110)及びオフセット部分(112)を含んでおり、
前記第2の端部のオフセット部分(112)は、前記第2の端部の径方向面の径方向外辺部(110)に対して、約0.002インチ乃至0.003インチの距離だけ内向きにオフセットしている、請求項16に記載のボディ製造機。
【請求項18】
前記第2の端部(80)は、軸方向面(100)、移行部(102)、及び径方向面(104)を含んでおり、
前記第2の端部の移行部(102)は、接して合致する輪郭を有する、請求項11に記載のボディ製造機。
【請求項19】
前記第2の端部の移行部(102)は、マルチアール面であり、係合部分(106)及び非係合部分(108)を含んでおり、
前記係合部分(106)は、約0.060インチ乃至0.100インチのアールによって規定され、
前記非係合部分(108)は、約0.080インチ乃至0.120インチのアールによって規定され、
前記係合部分(106)は中心(107)を有しており、
前記非係合部分(108)は中心(109)を有しており、
前記係合部分の中心(107)と前記非係合部分の中心(109)は、最低限度距離だけ離れている、請求項18に記載のボディ製造機。
【請求項20】
前記係合部分(106)は、約0.080インチのアールによって規定され、
前記非係合部分(108)は、約0.100インチのアールによって規定され、
前記係合部分の中心(107)と前記非係合部分の中心(109)は、特定の最低限度距離だけ離れている、請求項19に記載のボディ製造機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示された概念は概して、缶ボディ製造機(can bodymaker)に関し、より具体的には、成形された輪郭を有する再絞りスリーブを含む再絞りアセンブリを有する缶ボディ製造機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、缶は、金属の薄板又はコイルから打ち抜かれた、限定ではないがアルミニウムなどの金属のディスクから作られる。当該ディスクは、「ブランク」としても知られている。ブランクは、カップ形成機(cupper)に送られる。カップ形成機は、ブランク及び絞りプロセスを実行する。即ち、ブランクは、底部と付随する側壁とを有するカップに成形される。カップは、幾つかのボディ製造機の1つに送られて、再絞り及びしごき工程が実行される。より具体的には、カップは、実質的に円形の開口を有するダイパックの口部にて缶形成機に配置される。カップは、再絞りアセンブリの一部である再絞りスリーブによって所定の位置に保持される。再絞りスリーブは、中空の管状構造体であって、カップの内側に配置されて、カップをダイパックに付勢する。再絞りスリーブの軸方向面は、以下に説明するように、ラムの縦軸に実質的に垂直に延びている。再絞りスリーブの径方向面は、ラムの長手方向軸に実質的に平行に延びており、概ねスムーズである。つまり、径方向面は、オフセット部分を含んでいない。ダイパックの最初のダイは再絞りダイであって、再絞りダイはまた、再絞りアセンブリの一部でもある。カップは、再絞りスリーブによって再絞りダイに付勢される。その他のダイ、しごきダイは、再絞りダイの後ろに配置され、再絞りダイと軸方向に揃えられる。しごきダイは、再絞りアセンブリの一部ではない。細長い円筒状ラムは、前方の遠位端にパンチを有しており、再絞りダイ及びしごきダイの開口と揃えられて、それら開口を通って移動するように構成されている。ラムに対向するダイパックの端には、ドーマー(domer)がある。ドーマーは、カップ/缶の底に凹状のドームを形成するように構成されたダイである。
【0003】
缶を形成するために使用する材料をできるだけ少なくすることが望ましい。一般的には、缶を形成するために使用される材料の量を減らすために、シート材料の厚さが減らされる。しかしながら、薄い金属は、再絞りスリーブの作用を受けると、しわが寄ったり裂けたりする傾向がある。再絞りスリーブは、以下で述べるように、ラムの長手方向軸に実質的に垂直に延びる軸方向面と、ラムの長手方向軸に実質的に平行に、オフセットなしで延びる径方向面とを有している。更に、再絞りスリーブでは、再絞りスリーブの軸方向表面と再絞りスリーブの径方向面との間の移行部は、カップの輪郭に接して合致しないので、薄い金属にしわが寄ったり裂けたりする傾向がある。故に、再絞りスリーブ、特にカップと係合する再絞りスリーブの端部の形状/輪郭は、明白な問題である。
【発明の概要】
【0004】
開示されており、特許請求の範囲に記載されている概念は、第2の端部を備えた本体を含む再絞りスリーブを提供するものであって、第2の端部は成形された輪郭を含んでいる。以下に定義される成形された輪郭は、薄い金属を成形する場合に、しわ及び/又は裂け目に加えて、その他の成形上の問題を実質的に防止する。故に、再絞りスリーブの成形された輪郭は、上記の問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の完全な理解は、好ましい実施形態の以下の説明から、添付の図面と併せて読むことで得られる。
【
図1】
図1は、ボディ製造機の概略を示す部分的な側面図である。
【
図2】
図2は、再絞りスリーブアセンブリの側断面図である。
【
図3】
図3は、再絞りスリーブの詳細な側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面に図示されており、本明細書に記載される特定の要素は、開示される概念の単なる例示的な実施形態であって、例示の目的のためだけに非限定的な例として提供されるものである。故に、本明細書に開示される実施形態に関する特定の寸法、方向、アセンブリ、使用される構成要素の数、実施形態の構成、及び他の物理的特性は、開示される概念の範囲を限定するものとして見なされるべきではない。
【0007】
例えば、時計回り、反時計回り、左、右、上、下、上方、下方及びそれらの派生語などの本明細書で使用される方向を表す用語は、図面に示される要素の向きに関するものであり、本明細書で特に明記しない限り、特許請求の範囲を限定しない。
【0008】
本明細書では、単数形の「ある」及び「その」は、文脈が明らかにそうでないと示さない限り、複数の言及を含む。
【0009】
本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定の要素又はアセンブリが、特定の動詞を実行するように形成、サイズ決め、配置、結合及び/又は構成された構造を有することを意味する。例えば、「移動するように構成された」部材は、他の要素に移動可能に結合されて部材を移動させる要素、又は他の要素若しくはアセンブリに応答して移動するように構成された要素を含む。従って、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、機能ではなく、構造を明記する。更に、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定の要素又はアセンブリが特定の動詞を実行することを意図しており、実行するように設計されていることを意味する。従って、単に、特定の動詞を実行することが可能であるが、特定の動詞を実行することを意図しておらず、設計されていない要素は、「[動詞]するように構成されて」いない。
【0010】
本明細書では、「関連する」とは、要素が同一のアセンブリの一部であること、及び/又は、一緒に動作するか、又は何らかの方法で互いに作用することを意味する。例えば、自動車は、4つのタイヤ及び4つのハブキャップを有する。それら全ての要素が自動車の一部として結合されている一方で、各ハブキャップが特定のタイヤと「関連している」ことは理解される。
【0011】
本明細書では、2つ以上の部品又は構成要素が「結合された」という記述は、それらの部品が直接的又は間接的に、即ち、リンクが発生する限り、1又は複数の中間部品又は構成要素を介して、一緒に結合されるか又は一緒に動作することを意味する。本明細書では、「直接結合された」は、2つの要素が互いに直接接触していることを意味する。本明細書では、「固定的に結合された」又は「固定された」は、2つの構成要素が、互いに対して一定の向きを維持しながら一体として移動するように結合されることを意味する。従って、2つの要素が結合されると、それらの要素のすべての部分が結合される。しかしながら、第1の要素の特定の部分が第2の要素に結合されている、例えば、車軸の第1の端部が第1の車輪に結合されているという説明は、第1の要素の特定の部分が第1の要素の他の部分よりも第2の要素の近くに配置されていることを意味する。更に、重力によってのみ適所に保持されている別の物体に載っている物体は、他の方法で上側物体が実質的に適所に維持されない限り、下側物体に「結合されて」いない。即ち、例えば、テーブルの上の本は、テーブルに結合されていないが、テーブルに接着された本は、テーブルに結合されている。
【0012】
本明細書では、「締結具」は、2つ以上の要素を結合するように構成された別個の構成要素である。従って、例えば、ボルトは、「締結具」であるが、さねはぎ継手は、「締結具」ではない。即ち、さねはぎ要素は、結合される要素の一部であり、別個の構成要素ではない。
【0013】
本明細書では、「取り外し可能に結合された」又は「一時的に結合された」という語句は、ある構成要素が別の構成要素と本質的に一時的に結合されることを意味する。即ち、2つの構成要素は、構成要素の接合又は分離が容易であり、構成要素を損傷しないように結合されている。例えば、限られた数の容易にアクセス可能な締結具で互いに固定されている2つの構成要素、即ち、アクセスが困難ではない締結具は、「取り外し可能に結合」されているが、アクセスが困難な締結具によって互いに溶接又は接合された2つの構成要素は、「取り外し可能に結合されて」いない。「アクセスが困難な締結具」は、締結具にアクセスする前に1又は複数の他の構成要素の取り外しを必要とする締結具であり、「他の構成要素」は、限定するものではないが、ドアなどのアクセス装置ではない。
【0014】
本明細書では、「一時的に配置される」は、第1の要素を切り離すか、又は操作する必要なく、第1の要素/アセンブリが移動されることを可能にする様式で、第1の要素又はアセンブリが第2の要素又はアセンブリの上に載っていることを意味する。例えば、テーブルの上に単に載っている本、即ち、テーブルに接着又は固定されていない本は、テーブルの上に「一時的に配置されて」いる。
【0015】
本明細書では、「動作可能に結合される」とは、各々が第1の位置と第2の位置との間、又は第1の構成と第2の構成との間で移動可能な幾つかの要素又はアセンブリが、第1の要素が一方の位置/構成から他方の位置/構成へ移動すると、第2の要素も同様に位置/構成間を移動するように結合されることを意味する。第1の要素は、他の要素に「動作可能に結合され」もよく、逆が当て嵌まらなくてよいことに留意のこと。
【0016】
本明細書では、「カップリングアセンブリ」は、2つ又は3つ以上のカップリング又はカップリング構成要素を含む。カップリング又はカップリングアセンブリの構成要素は、一般に、同一の要素又は他の構成要素の一部ではない。従って、「カップリングアセンブリ」の構成要素は、以下の説明において同時に説明されない場合がある。
【0017】
本明細書では、「カップリング」又は「カップリング構成要素」は、カップリングアセンブリの1又は複数の構成要素である。即ち、カップリングアセンブリは、一緒に結合されるように構成されている少なくとも2つの構成要素を含む。カップリングアセンブリの構成要素は、互いに適合性があることが理解される。例えば、カップリングアセンブリにおいて、一方のカップリング構成要素がスナップソケットである場合には、他方のカップリング構成要素は、スナッププラグであり、又は一方のカップリング構成要素がボルトである場合には、他方のカップリング構成要素は、ナットである。
【0018】
本明細書では、「対応する」は、2つの構造構成要素が互いに類似しており、最小量の摩擦で結合し得るように、寸法決めされ、かつ形成されていることを示唆する。従って、部材に「対応する」開口は、部材が最小量の摩擦で開口を通過できるように、部材よりもわずかに大きく寸法決めされている。2つの構成要素が「ぴったりと」嵌合するようになっている場合は、この定義を変更する。その状況では、構成要素のサイズ間の差異は、更に小さくなり、それにより摩擦の量が増加する。開口を画定する要素及び/又は開口に挿入される構成要素が、変形可能又は圧縮可能な材料から製造される場合、開口は、開口に挿入されようとする構成要素よりもわずかに小さくてもよい。表面、形状、及び線に関して、2つ又は3つ以上の「対応する」表面、形状、又は線は、略同一のサイズ、形状、及び輪郭を有する。
【0019】
本明細書では、「平面体」又は「平面部材」は、対向する幅広の略平行な面、即ち、平面部材の平らな表面と、幅広の平行面間に延びるより薄い端面とを含む概ね薄い要素である。即ち、本明細書では、「平面」要素が2つの対向する平面を有することは本質的である。周縁部、つまり端面は、例えば、長方形の平面部材のように、略直線部分を含んでもよく、ディスクのように、湾曲してもよく、又は他の任意の形状を有してもよい。
【0020】
本明細書では、「移動経路」又は「経路」は、移動する要素と関連して使用されるとき、移動中に要素が通る空間を含む。従って、何れの動く要素にも、本質的に「移動経路」又は「経路」がある。
【0021】
本明細書では、2つ以上の部品又は構成要素が互いに「係合する」という表現は、要素が直接又は1又は複数の中間要素又は構成要素を通して互いに力又はバイアスを及ぼすことを意味する。更に、可動部分に関して本明細書では、可動部分は、ある位置から別の位置への移動中に別の要素に「係合」してもよく、及び/又は、その位置に達すると別の要素に「係合」してもよい。従って、「要素Aが要素Aの第1の位置に移動すると、要素Aは、要素Bと係合する」及び「要素Aが要素Aの第1の位置にある場合、要素Aは、要素Bと係合する」という記述は、等価な記述であり、要素Aは、要素Aの第1の位置に移動する間に要素Bと係合する、及び/又は、要素Aは、要素Aの第1の位置にある間要素Bと係合するかの何れかを意味すると理解される。
【0022】
本明細書では、「動作可能に係合する」とは、「係合して移動させる」ことを意味する。即ち、可動又は回転可能な第2の構成要素を移動させるように構成された第1の構成要素に関して使用される場合、「動作可能に係合する」は、第1の構成要素が第2の構成要素を移動させるのに十分な力を加えることを意味する。例えば、ドライバは、ねじと接触するように配置できる。ドライバに力が加えられていない場合、ドライバは、単にねじに「結合されて」いるだけである。軸線方向の力がドライバに加わると、ドライバは、ねじに対して押し付けられ、ねじに「係合する」。しかしながら、回転力がドライバに加えられると、ドライバは、ねじに「動作可能に係合し」、ねじを回転させる。更に、電子部品の場合、「動作可能に係合する」とは、ある部品が制御信号又は電流によって別の部品を制御することを意味する。
【0023】
本明細書では、「単一の」という用語は、単一のピース又はユニットとして製造される構成要素を意味する。つまり、別個に製造されてから1つのユニットとして一緒に結合されたピースを含む構成要素は、「単一の」構成要素又は物体ではない。
【0024】
本明細書では、「幾つか」という用語は、1又は1よりも大きい整数(即ち、複数)を意味するものとする。
【0025】
本明細書では、「[x]は、その第1の位置と第2の位置との間で移動する」、又は、「[y]は、[x]をその第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成される」というフレーズにおいて、[x]は、要素又はアセンブリの名称である。更に、[x]が幾つかの位置の間を移動する要素又はアセンブリである場合、代名詞「それ」は、[x]を、即ち、代名詞「それ」に先行する命名された要素又はアセンブリを意味する。
【0026】
本明細書では、「[要素、点又は軸線]周りに配置される」又は「[要素、点又は軸線]周りに延びる」又は「[要素、点又は軸線]周りに[X]度」などのフレーズにおける「周りに」は、取り囲む、周囲に延びる、又は周辺で測定されることを意味する。測定値に関連して又は同様の方法で使用される場合、「約」は「およそ」を意味し、即ち、これは、当業者には理解されるように、測定値に関連するおおよその範囲内であることを意味する。
【0027】
本明細書では、円形又は円筒形の物体の「径方向側面/表面」は、その物体の中心周りに又は本体の中心を通過する高さ線周りに延びる、又は取り囲む側面/表面である。本明細書では、円形又は円筒形の本体の「軸方向側面/表面」は、中心を通る高さ線に対して略垂直に延びる平面内に延びる側面である。即ち、一般に、円筒形スープ缶については、「径方向側面/表面」は、略円形の側壁であり、「軸方向側面/表面」は、スープ缶の頂部及び底部である。
【0028】
本明細書では、「缶」及び「容器」という用語は、物質(例えば、限定するものではないが、液体、食品、他の任意の適切な物質)を含むように構成されている任意の既知又は好適な容器を指すために実質的に相互交換可能に使用され、ビール缶及びジュース缶などの飲料缶、並びに食品缶が明示的に挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書では、「略曲線状」には、複数の湾曲部分を有する要素と、湾曲部分と平坦部分との組み合わせと、互いに対して角度をなして配置され、それにより曲線を形成する複数の平坦部分又は区分とが含まれる。
【0030】
本明細書では、「輪郭(contour)」は、物体を画定する線又は表面を意味する。即ち、例えば、断面で見たとき、三次元物体の表面は、二次元に単純化され、従って、三次元表面の輪郭の一部は、二次元線の輪郭によって表される。
【0031】
本明細書では、「周縁部分」は、画定された領域、表面、又は輪郭の外側端部の領域を意味する。
【0032】
本明細書では、「一般に」は、当業者によって理解されるように、修飾されている用語に関して「一般的な様式で」を意味する。
【0033】
本明細書では、「実質的に」は、当業者によって理解されるように、修飾されている用語に関して「ほとんど」を意味する。
【0034】
本明細書では、「にて」は、当業者によって理解されるように、修飾されている用語の上及びそれに近いことを意味する。
【0035】
図1に示すように、缶ボディ製造機10は、カップ2を缶ボディ3に変換するように構成されている。以下に説明するように、カップ2は、実質的に円形であるとされる。しかしながら、カップ2と、最終的に得られる缶ボディ3と、カップ2又は缶ボディ3と相互作用する構成要素とは、実質的な円形以外の形状を有してよいことは理解される。カップ2は、実質的に囲まれた空間(図示せず)を規定する、付随する側壁を備えた底部を有する。底の反対側にあるカップ2の端部は、開いている。缶ボディ製造機10は、往復ラム12と、駆動機構14と、ダイパック16と、再絞りアセンブリ18と、カップフィーダ20とを含んでいる(概略的に示す)。即ち、駆動機構14はラム12に結合されており、ラム12に往復運動を与えるように構成されている。知られているように、各サイクルにおいて、カップフィーダ20は、カップ2をダイパック16の前に配置し、その開放端はラム12に向いている。カップ2がダイパック16の前に位置決めされると、以下に説明する再絞りスリーブアセンブリ40は、以下に説明する再絞りダイ42に対してカップ2を付勢する。ラム12は、近位端32と、遠位端34と、長手方向軸36とを有する、細長くて実質的に円状である本体30を有している。ラム本体の遠位端34は、パンチ38を含む。ラム本体の近位端32は、駆動機構14に結合されている。駆動機構14は、ラム本体30に往復運動をもたらして、ラム本体30はその長手方向軸36に沿って前後に移動する。即ち、ラム本体30は、第1の後退位置と第2の前進位置との間で往復するように構成されている。第1の後退位置では、ラム本体30はダイパック16から離間している。第2の前進位置では、ラム本体30はダイパック16を通って延びている。故に、往復ラム12は前方に(図では左に)進んで、後述する再絞りスリーブアセンブリ40を通って、カップ2に係合する。カップ2は、再絞りダイ42と、ダイパック16内の幾つかのしごきダイ(図示せず)を通って移動する。カップ2は、ダイパック16内で缶ボディ3に変換されて、そこから取り出される。本明細書では、用語「サイクル」は、ラム12が第1の後退位置にある状態から始まるラム12のサイクルを意味することは理解される。
【0036】
一般に、再絞りアセンブリ18は、可動再絞りスリーブアセンブリ40と再絞りダイ42を含んでいる。再絞りダイ42は、再絞りスリーブアセンブリ40に隣接するダイパック16内に配置されている。即ち、再絞りダイ42は、ダイパック16の最初のダイである。再絞りダイ42は、ダイパック16を通って延びる中心軸46を有する円形開口44を有する。即ち、再絞りダイの中心又は長手方向軸46は、ダイパック16の長手方向軸でもある。ラムの長手方向軸36は、再絞りダイの中心軸46と実質的に同一直線上にあるように実質的に揃えられている。再絞りダイの円形開口44の直径は、カップ2よりも小さい。
【0037】
図2に示すように、再絞りスリーブアセンブリ40は、駆動機構14に結合するように構成されており、更に、可動再絞りスリーブアセンブリ40が再絞りダイ42から離間している第1の位置と、再絞りスリーブアセンブリ40が再絞りダイ42に直接隣接している第2の位置との間を移動するように構成されている。第2の位置では、再絞りスリーブアセンブリ40は、カップ2を、より具体的にはカップの底部を再絞りダイ42に対して付勢、即ちクランプする。カップ2は更に、カップ2の中心が実質的に再絞りダイの中心軸46上に配置されるように配置される。知られているように、駆動機構14は、米国特許第5,497,646号又は米国特許第9,352,375号の何れかに示されているように、駆動機構14を介して再絞りスリーブアセンブリ40に動作可能に結合されている。再絞りスリーブアセンブリ40は、既知の装置及び/又は方法によって移動してもよい。
【0038】
例示的な実施形態では、再絞りスリーブアセンブリ40は、マウント50及び再絞りスリーブ70を含んでいる。再絞りアセンブリのマウント50(以下、「マウント」50)は、概ね円環状の本体52を含んでいる。即ち、例示的な実施形態では、マウント本体52は、概ね円形の外面54を規定する外径と、概ね円形の内面56を規定する内径とを有する概ね中空の円筒である。例示的な実施形態では、マウント本体内面56は、ラム12及び/又はパンチ38の半径よりも大きい半径を有している。更に、マウント本体52は、第1の端部58及び第2の端部62を含んでいる。例示的な実施形態では、マウント本体52は金属体である。
【0039】
例示的な実施形態では、マウント本体の第1の端部58は、駆動機構14により近く配置される。更に、マウント本体の第1の端部58は、外方に延びるフランジ60を含んでいる。マウント本体の第1の端部のフランジ60は、例示的な実施形態では、幾つかの軸方向通路61を含んでいる。本明細書では、「軸方向通路」は、再絞りダイの中心軸46に概ね平行な方向に延びる通路である。マウント本体の第1の端部の各フランジ通路61は、カップリング構成要素(図示せず)を収容するような大きさ及び形状にされている。マウント本体52は、駆動機構14に移動可能に結合されるように構成されている。
【0040】
マウント本体の第2の端部62は、カラー63を含んでいる。マウント本体の第2の端部のカラー63もまた、概ね円状の外面64を規定する外径と、概ね円形の内面66を規定する内径とを有する概ね円環状の物体である。マウント本体の第2の端部のカラーの外面64は、カップ2内に収まる大きさにされる。即ち、マウント本体の第2の端部のカラー外面64は、カップ2よりも小さい半径を有する。例示的な実施形態では、マウント本体の第2の端部のカラー外面64は、マウント本体の外面54と実質的に同じ半径を有する。マウント本体の第2の端部カラーの内面66は、マウント本体の内面56と比較してより大きい半径を有する。従って、一般に、マウント本体の第2の端部のカラー63は、前方に延びるフランジである。更に、例示的な実施形態では、マウント本体の第2の端部のカラー63は、前面68を含んでいる。マウント本体の第2の端部のカラーの前面68は、実質的に平面であるか、又は、再絞りスリーブ本体の第1の端部のカラーの後面88の輪郭に実質的に対応する輪郭を有する。例示的な実施形態では、マウント本体の第2の端部のカラー63は、マウント本体52と一体になっている。
【0041】
例示的な実施形態では、再絞りスリーブ70はまた、略円環状の本体72を含んでいる。再絞りスリーブ本体72は、概ね円形の外面74を規定する外径と、概ね円形の内面76を規定する内径とを有する概ね中空の円筒である。例示的な実施形態では、マウント本体の内面76の半径は、ラム12及び/又はパンチ38の半径よりも大きいが、マウント本体の内面56よりもわずかに小さい。更に、再絞りスリーブ本体72は、第1の端部78及び第2の端部80を含んでいる。例示的な実施形態では、再絞りスリーブ本体72は、セラミック体又は炭化物体のうちの1つである。
【0042】
再絞りスリーブ本体の第1の端部78は、カラー82を含んでいる。再絞りスリーブ本体の第1の端部のカラー82も、概ね円形の外面84を規定する外径と、概ね円形の内面86を規定する内径とを有する概ね円形の物体である。マウント本体の第2の端部のカラーの外面84は、例示的な実施形態では、再絞りスリーブ本体の外面74と比較して減少した半径を有する。再絞りスリーブ本体の第1の端部のカラーの内面86は、再絞りスリーブ本体の内面76と実質的に同じ半径を有する。従って、一般に、マウント本体の第2の端部のカラー63は、後方に延びるフランジである。再絞りスリーブ本体の第1の端部のカラー82はまた、後面88を含んでいる。例示的な実施形態では、再絞りスリーブ本体の第1の端部のカラーの後面88は、実質的に平坦である。例示的な別の実施形態では、再絞りスリーブ本体の第1の端部のカラーの後面88は、波状面などの輪郭(図示せず)を含むが、これに限定されない。例示的な実施形態では、再絞りスリーブ本体の第1の端部のカラー82は、再絞りスリーブ本体72と一体になっている。この構成では、再絞りスリーブ本体72は、長手方向軸90を規定する。缶ボディ製造機10の動作中、再絞りスリーブ本体の長手方向軸90は、ラム軸36と実質的に揃えられていることに留意のこと。
【0043】
本明細書では、「再絞りスリーブ本体の第2の端部」80は、カップ2が再絞りダイ42に入る前にカップ2内に配置される再絞りスリーブ本体72の部分を、即ち、カップがダイパック16及び/又は再絞りダイ42において更に成形される前にカップ2内に収まる再絞りスリーブ本体72の部分を意味する。
図3に示された例示的な実施形態では、再絞りスリーブ本体の第2の端部80は、前側軸方向面100と、移行面102と、径方向面104とを含んでいる。知られているように、また、本明細書では、再絞りスリーブ本体の第2の端部の軸方向面100、以下「第2の端部軸方向面」100は、概ね平坦であって、再絞りスリーブ本体の軸90に概ね垂直な面である。更に、本明細書では、移行面102は、第2の端部軸方向面100と再絞りスリーブ本体の第2の端部の径方向面104(以下、「第2の端部径方向面」104)との間の面である。移行面102は、概ね曲線状であって、例示的な実施形態では、アール(radius)及び曲率中心を有する弧状面を、又は、複数のアールと複数の曲率中心とを有する複数の弧状面とを含んでいる。更に、本明細書では、第2の端部径方向面104は、再絞りスリーブ本体の軸90に概ね平行に延びる面である。
【0044】
再絞りスリーブ本体の第2の端部80は、例示的な実施形態では、「成形された輪郭」を有する。本明細書では、再絞りスリーブ本体の第2の端部80の「成形された輪郭」は、第2の端部軸方向面100が再絞りスリーブ本体の軸90に対して実質的に垂直でなく、第2の端部径方向面104が再絞りスリーブ本体の軸90に対して実質的に平行ではないこと意味するか、或いは、再絞りスリーブ本体の第2の端部80の第2の端部軸方向面100及び第2の端部径方向面104は、オフセット部分を含んでおり、これらのオフセット部分は、再絞りスリーブ本体の軸90に実質的に垂直又は平行であるが、これらは、以下に定義される再絞りスリーブ本体の第2の端部80の「外辺輪郭(perimeter contour)」に対して、オフセットされていることを意味する。即ち、再絞りスリーブ本体の第2の端部80は、移行面102に直接隣接して配置されている第2の端部径方向面104の一部を含んでおり、当該部分は、本明細書では「径方向外辺」110である。更に、移行面102の直近から再絞りスリーブ本体の軸90に向かって延びる第2の端部軸方向面100の外辺部分は、本明細書では「軸方向外辺」111である。本明細書では、径方向外辺及び軸方向外辺によって規定される輪郭は、再絞りスリーブ本体の第2の端部80の「外辺輪郭」である。
【0045】
更に、本明細書では、再絞りスリーブ本体の第2の端部80の「テーパー状輪郭」は、第2の端部軸方向面100が、径方向スリーブ本体の軸90に対して実質的に垂直ではなく、第2の端部径方向面104が、径方向スリーブ本体の軸90に対して実質的に平行ではないことを意味する。つまり、「テーパー状輪郭」は、「形成された輪郭」の特定のタイプである。同様に、再絞りスリーブ本体の第2の端部80の「オフセット輪郭」は、第2の端部の軸方向面100及び第2の端部径方向面104が夫々、再絞りスリーブ本体の軸90に概ね垂直又は平行であるが、再絞りスリーブ本体の第2の端部80の外辺輪郭に対してオフセットされているオフセット部分を含むことを意味する。つまり、「オフセット輪郭」は、「形成された輪郭」の特定のタイプである。更に、「オフセット輪郭」は、例示的な実施形態では、「最小限度オフセット輪郭(minimally offset contour)」であって、本明細書では、「最小限度オフセット輪郭」は、オフセット部分が約0.0005インチ乃至0.001インチの距離だけオフセットされていることを意味する。
【0046】
更に、本明細書では、テーパー状輪郭は、「内向き」テーパー状輪郭、「外向き」テーパー状輪郭、又は「可変(variably)」テーパー状輪郭の何れかである。本明細書では、「内向き」テーパー状輪郭は、再絞りスリーブ本体の第1の端部78に向かって広がる第2の端部軸方向面100、又は、再絞りスリーブ本体の軸90に向かって広がる第2の端部径方向面104である。逆に、本明細書では、「外向き」テーパー状輪郭は、再絞りスリーブ本体の第1の端部78から先細りになる第2の端部軸方向面100、又は再絞りスリーブ本体の軸90から先細りになる第2の端部径方向面104である。故に、本明細書では、「可変」テーパー輪郭は、内向きテーパー部分及び外向きテーパー部分の両方を含む第2の端部軸方向面100、又は、内向きテーパー部分及び外向きテーパー部分の両方を含む第2の端部径方向面104である。第2の端部軸方向面100及び第2の端部径方向面104のテーパーは相当なものではなく、第2の端部軸方向面100及び第2の端部径方向面104は夫々、依然として再絞りスリーブ本体の軸90に対して概ね垂直及び平行であることに留意のこと。即ち、本明細書では、約0度1分乃至0度10分(包括的な範囲である)のテーパーは「相当なものではない」。更に、0度1分未満のテーパーは、本明細書では、「実質的でない」(「相当なものではない」未満)。
【0047】
同様に、本明細書では、オフセット輪郭は、「内向き」オフセット輪郭、「外向き」オフセット輪郭、又は「可変」オフセット輪郭の何れかである。本明細書では、「内向き」オフセット輪郭は、再絞りスリーブ本体の第1の端部78に向かってオフセットした第2の端部軸方向面100、又は再絞りスリーブ本体の軸90に向かってオフセットした第2の端部径方向面104である。逆に、本明細書では、「外向き」オフセット輪郭は、再絞りスリーブ本体の第1の端部78から離れるようにオフセットした第2の端部軸方向面100、又は再絞りスリーブ本体の軸90から離れるようにオフセットした第2の端部径方向面104である。故に、本明細書では、「可変」オフセット輪郭は、内向き及び外向きの両方のオフセット部分を含む第2の端部軸方向面100、又は、内向き及び外向きの両方のオフセット部分を含む第2の端部径方向面104である。
【0048】
再絞りスリーブ本体の第2の端部80は、例示的な一実施形態では、内向きテーパー状輪郭を、外向きテーパー状輪郭を、可変テーパー状輪郭を、又は、そのような輪郭の組合せを含むテーパー状輪郭を有する。代替的な実施形態では、再絞りスリーブ本体の第2の端部80は、内向きオフセット輪郭を、外向きオフセット輪郭を、可変オフセット輪郭を、又は、そのような輪郭の組合せを含むオフセット輪郭を有する。代替的な実施形態では、再絞りスリーブ本体の第2の端部80は、内向きテーパー状輪郭、外向きテーパー状輪郭、可変テーパー状輪郭、又はそのようなテーパー状輪郭の組合せと、内向きオフセット輪郭、外向きオフセット輪郭、可変オフセット輪郭、又はそのようなオフセット輪郭の組合せとを含む。
【0049】
例示的な実施形態では、再絞りスリーブ本体の第2の端部80は、内向きテーパーの第2の端部軸方向面100と、内向きオフセットの第2の端部径方向面104とを含む。即ち、この実施形態では、内向きテーパーの第2の端部軸方向面100は、約0°2’乃至0°10’、又は約0°5’のテーパーを有している。本明細書では、第2の端部軸方向面100のテーパーの角度は、
図3に示すように(誇張されている)、再絞りスリーブ本体の軸90に垂直な線に対して測定され、また、再絞りスリーブ本体の軸90に沿った平面で第2の端部軸方向面100を破断して測定される(つまり、再絞りスリーブ本体の軸90が、断面を規定する平面内に完全にある)ことが理解される。即ち、この例示的な実施形態では、第2の端部軸方向面100は、再絞りスリーブ本体72のテーパー及び円筒形状に起因して円錐状になる。しかしながら、本明細書では、テーパーの角度が最低限であるので、第2の端部軸方向面100は、再絞りスリーブ本体の軸90に対して依然として「概ね平坦」又は「概ね垂直」であることに留意のこと。
【0050】
更に、この実施形態では、内向きオフセットの第2の端部径方向面104は、径方向外辺部分110及びオフセット部分112を含む。例示的な実施形態では、第2の端部径方向面のオフセット部分112は、最低限度オフセット部分である。即ち、第2の端部径方向面のオフセット部分112は、第2の端部径方向面の径方向外辺部分110に対して、約0.002インチ乃至0.003インチの間の距離だけ内向きにオフセットしている。例示的な実施形態では、第2の端部径方向面のオフセット部分112は、第2の端部径方向面の径方向外辺部分110に対して、約0.0025インチの距離だけ内向きにオフセットしている。
【0051】
「成形された輪郭」としての再絞りスリーブ本体の第2の端部80の構成は、先に確認した多くの問題を解決する。
【0052】
軸方向外辺部分111における第2の端部軸方向面100と、径方向外辺部分110における第2の端部径方向面104とは互いに概ね垂直であるため、移行面102は約90度で曲がることに留意のこと。更に、移行面102は、係合部分106と、移行面102の他の幾つかの部分とを含んでおり、当該幾つかの部分は、カップ2と係合しない。これらの部分は、以下、非係合部分108として特定される。本明細書では、再絞りスリーブ本体の第2の端部80の「係合部分」106は、カップ2に最初に係合する移行面102の一部である。
【0053】
例示的な実施形態では、移行面102は「マルチアール(multi-radius)」面である。本明細書では、「マルチアール」面は、複数の(1つ以上の)弧状部分によって規定される概ね曲線の表面であって、各弧状部分は、
図3に示すように、再絞りスリーブ本体の軸90に沿って破断した、再絞りスリーブ本体の第2の端部80の断面で見ると、異なる中心及び/又は半径を有する円弧によって規定される。
【0054】
例示的な実施形態では、移行面102は2つの弧状部分によって規定されており、一方の弧状部分は係合部分106を規定しており、他方の弧状部分は非係合部分108を規定している。例えば、12オンスの缶ボディに形成される1つのアルミニウムカップは、3.937インチの内直径と、1.315インチの高さと、0.100インチの内側隅アールとを有している。そのようなカップについては、再絞りスリーブ本体の第2の端部80は、以下のように構成される。係合部分106は約41°の弧にわたって延びており、ここで、移行面102は、約0.060インチ乃至0.100インチの間のアール、又は約0.080インチのアールを有している。この実施形態では、非係合部分108は、約49°の弧にわたって延びており、ここで、移行面102は、約0.080インチ乃至0.120インチのアール、又は約0.100インチのアールを有している。言い換えると、移行面はカップのアールに対応している。移行面102のアールは、本明細書では、「逃げ半径(relief radius)」である。即ち、第2の端部径方向面のオフセット部分112に対する非係合部分108のアールは「逃げ半径」である。更に、係合部分106はアール中心(radial center)107(以下、「中心」)を有しており、非係合部分108は異なる中心109を有する。係合部分中心107及び非係合部分中心109は、「最低限度離間距離」又は「特定の最低限度離間距離」で離れている。本明細書では、「最低限度離間距離」は、約0.001インチ乃至0.050インチを意味する。本明細書では、「特定の最低限度離間距離」は、約0.015インチを意味する。この構成では、係合部分106と非係合部分108の間の移行は概ね滑らかである。この構成では、第2の端部径方向面のオフセット部分112は、約0.002インチ乃至0.003インチ、又は約0.0025インチだけ、再絞りスリーブ本体72の最大半径である径方向外辺部分110から内向きにオフセットする。この実施形態では、内向きテーパーの第2の端部軸方向面100は、約0°2’乃至0°10’、又は約0°5’のテーパーを有する。
【0055】
更に、この構成では、ボディ製造機10が使用中である場合、再絞りスリーブ本体の第2の端部80がカップ2に最初に係合すると、カップ2の内面は、係合部分106に概ね接して合致するように延びる。本明細書では、「最初にカップに係合する」は、再絞りスリーブ本体の第2の端部80がカップ2に接触する時であるが、カップ2が再絞りダイ42に移動する前を意味する。言い換えると、スリーブ本体の第2の端部80又は移行面102の輪郭は、カップ2に対応するように構成されている。即ち、スリーブ本体の第2の端部80が最初にカップ2に係合する場合におけるカップ2の内面に実質的に対応する移行面102の輪郭は、本明細書では、「接して合致する」輪郭である。故に、例示的な実施形態では、移行面102又は係合部分106は、「接して合致する」輪郭を有する。
【0056】
別の例示的な実施形態では、移行面102は、ここでも2つの弧状部分によって規定されており、一方の弧状部分は係合部分106を規定し、他方の弧状部分は非係合部分108を規定する。この例では、16オンスの缶ボディに形成されるアルミニウムカップは、3.375インチの内直径と、2.795インチの高さと、0.160インチの内側隅アールとを有する。そのようなカップについて、再絞りスリーブ本体の第2の端部80は、以下のように構成される。係合部分106は、約40°の弧にわたって延びており、ここで、移行面102は、約0.100インチ乃至0.140インチのアール、又は、約0.0120インチのアールを有している。この実施形態では、非係合部分108は約50°の弧にわたって延びており、ここで、移行面102は、約0.140インチ乃至0.180インチのアール、又は約0.160インチのアールを有している。言い換えると、移行面は、カップのアールに対応している。移行面102のアールは、先に述べたように本明細書では、「逃げ半径」である。即ち、第2の端部径方向面のオフセット部分112に対する非係合部分108のアールは「逃げ半径」である。この構成では、係合部分106と非係合部分108の間の移行は、概ね滑らかである。この構成では、第2の端部径方向面のオフセット部分112は、 約0.002インチと0.003インチの間、又は約0.0025インチだけ、再絞りスリーブ本体72の最大半径である径方向外辺部分110から内向きにオフセットしている。この実施形態では、内向きテーパーの第2の端部軸方向面100は、約0°5’乃至0°10’、又は約0°8’のテーパーを有する。
【0057】
上記のような成形された輪郭の構成は、先に明確にされた多くの問題を解決する。
【0058】
このように、再絞りアセンブリ40は、図示したように再絞りスリーブ70である、カップ2の囲まれた空間内に収まる大きさの外径を有する中空の円形チューブである。再絞りアセンブリ40の内径は、ラム本体30が通過できるような大きさにされている。即ち、ラム本体30、より具体的にはパンチ38の半径は、カップ2を形成する材料の厚さに実質的に等しい距離だけ、再絞りアセンブリ40の内径よりも小さい。従って、ラム本体30、より具体的にはパンチ38がカップ2を再絞りスリーブアセンブリ40に押し通すと、カップ2は細長くされて大きさが変わって、直径が小さくなる。しかしながら、カップ2の壁の厚さは実質的に変わらない。カップ2は、知られているように、ダイパック16によって缶ボディへと更に成形される。
【0059】
本発明の特定の実施形態を詳細に説明したが、本開示の全体的な教示に照らして、これらの詳細に対する様々な変更及び代替がなされ得ることが当業者には理解されよう。従って、開示された特定の構成は、例示のみを目的としており、添付の特許請求の範囲の全範囲と、その任意及び全ての均等物とに与えられる発明の範囲を限定するものではない。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶ボディ製造機(10)の再絞りアセンブリ(18)用の再絞りスリーブ(40)において、
前記再絞りスリーブ(40)の一方の端部(80)は、缶ボディ(3)に変換されるカップ(2)に挿入され、
前記端部(80)は、前記再絞りスリーブの軸(90)に概ね垂直な軸方向面(100)を含んでおり、
前記軸方向面(100)は、内向きテーパー状にされている、再絞りスリーブ。
【請求項2】
前記端部(80)は、前記再絞りスリーブの軸(90)に概ね平行な径方向面(104)を含んでおり、
前記径方向面(104)は、内向きにオフセットしているオフセット部分(112)を含む、請求項1に記載の再絞りスリーブ。
【請求項3】
前記端部(80)は、前記軸方向面(100)と前記径方向面(104)とを繋ぐ移行面(102)を含んでおり、
前記径方向面(104)は、前記移行面(102)に隣接して配置されている外辺部分(110)と、前記オフセット部分(112)とを含んでおり、
前記オフセット部分(112)は、前記径方向面の外辺部分(110)に対して、約0.0005インチ乃至0.001インチの距離だけ内向きにオフセットしている、請求項2に記載の再絞りスリーブ。
【請求項4】
前記軸方向面(100)が、約0°2’乃至0°10’のテーパーを有する、請求項1乃至3の何れに記載の再絞りスリーブ。
【請求項5】
缶ボディ製造機(10)の再絞りアセンブリ(18)用の再絞りスリーブ(40)において、
前記再絞りスリーブ(40)の一方の端部(80)は、缶ボディ(3)に変換されるカップ(2)に挿入され、
前記端部(80)は、前記再絞りスリーブの軸(90)に概ね垂直な軸方向面(100)と、前記再絞りスリーブの軸(90)に概ね平行な径方向面(104)と、前記軸方向面(100)と前記径方向面(104)とを繋ぐ移行面(102)とを含んでおり、
前記径方向面(104)は、前記移行面(102)に隣接して配置されている外辺部分(110)と、オフセット部分(112)とを含んでおり、
前記オフセット部分(112)は、前記外辺部分(110)に対して、約0.002インチ乃至0.003インチの距離だけ内向きにオフセットしている、再絞りスリーブ。
【請求項6】
缶ボディ製造機(10)の再絞りアセンブリ(18)用の再絞りスリーブ(40)において、
前記再絞りスリーブ(40)の一方の端部(80)は、缶ボディ(3)に変換されるカップ(2)に挿入され、
前記端部(80)は、前記再絞りスリーブの軸(90)に概ね垂直な軸方向面(100)と、前記再絞りスリーブの軸(90)に概ね平行な径方向面(104)と、前記軸方向面(100)と前記径方向面(104)とを繋ぐ移行面(102)とを含んでおり、
前記端部の移行面(102)は、前記カップ(2)と接触する係合部分(106)と、前記カップ(2)と接触しない非係合部分(108)を含んでいる、再絞りスリーブ。
【請求項7】
前記係合部分(106)は、約0.060インチ乃至0.100インチのアールによって規定され、
前記非係合部分(108)は、約0.080インチ乃至0.120インチのアールによって規定される、請求項6に記載の再絞りスリーブ。
【請求項8】
前記係合部分(106)は、約0.080インチのアールによって規定され、
前記非係合部分(108)は、約0.100インチのアールによって規定される、請求項7に記載の再絞りスリーブ。
【請求項9】
ボディ製造機(10)であって、
ラム(12)と、
前記ラム(12)に結合しており、前記ラム(12)に往復運動をもたらすように構成された駆動機構(14)と、
ダイパック(16)と、
可動再絞りアセンブリ及び再絞りダイ(42)を含む再絞りアセンブリ(18)と、
を備えており、
前記ラム(12)は、前記ラム(12)が前記ダイパック(16)から離間した第1の後退位置と、前記ラム(12)が前記ダイパック(16)を通って延びる第2の前進位置との間を往復するように構成されており、
前記再絞りダイ(42)は、前記ダイパック(16)内に配置され、
前記再絞りアセンブリ(18)は、請求項1乃至8の何れかに記載の再絞りスリーブ(40)を含んでいる、ボディ製造機。
【外国語明細書】